JP2014203228A - プロジェクト管理支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】過去のソフトウェア開発工数見積りのための情報を蓄積したプロジェクト管理統計データ3から素性選択部5により、関連性の低い入力変数を除外したのち、機械学習機を用いる工数見積り学習機6により、ソフトウェア開発工数を見積るための統計モデル7を作成し、モデル評価部8により評価を行って最適化された統計モデルを工数見積り機9として工数見積り装置2へ出力し、工数見積り装置2では、工数見積り機9への入力値が未確定で、別の目的関数が存在する場合には多目的最適化部10により多目的最適化を行ったのち、工数見積り機9を用いてソフトウェア開発工数を見積もるようにした。
【選択図】図1
Description
ソフトウェアの規模を測定する手法として、ソースコード行数を評価するSLOC(Source Line Of Code)やソフトウェアの機能数や複雑さを評価したFP( Function Point)法が広く知られている。また、工数見積手法として、COCOMO(Constructive Cost Model)やCoBRA(Cost estimation, Benchmarking and Risk Assessment)法が著名である。
従来のソフトウェア工数見積り支援システムでは、SLOCやFP法を活用して、それを補正するなどして見積りを行なっている。(たとえば、特許文献1参照)
一方、統計モデルを活用した手法であっても、入力値が未確定の場合には工数を見積もることが困難であった。
び見積り機を用いて、ユーザにより入力されたデータに基づき、プロジェクト指標値を推論する見積り装置を備え、見積り機生成装置は、回帰モデルの機械学習機を利用して、統計データベースの情報を基にして統計モデルを作成するモデル作成部と、このモデル作成部により生成された統計モデルを評価するモデル評価部とを有するので、機械学習機による統計モデルでプロジェクト指標値の推論を行うことにより、より状況に適した、高精度なプロジェクト指標値の算出ができる。
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるソフトウェア工数見積り支援システムを示す構成図である。
図1において、工数見積り機生成装置1は、与えられたプロジェクト管理統計データ3を入力とし、工数見積り機9を生成するための装置である。工数見積り装置2は、新規プロジェクトの見積りを行うためのデータを入力とし、工数見積り機9を用いて、工数やそれ以外の見積りに必要な情報を推論する装置である。
なお、工数見積り機生成装置1と工数見積り装置2は、それぞれ計算機によって構成される。
素性選択部5は、相関係数等を用いて実現し、プロジェクト管理統計データ3のうちの出力値(工数)と関連度の高い入力変数のみを残すように入力変数を選択する。
工数見積り学習機6は、回帰モデルの機械学習機を利用して実現され、プロジェクト管理統計データ3の統計情報から工数見積りを推論する統計モデル7を生成する。この機械学習機として、精度の高い手法として広く知られているSVM(Support Vector Machine)を用いたSVM回帰やニューラルネットワークを用いたRBF(Radial Basis Function)ネットワークを用いる。
モデル評価部8は、機械学習機によって生成された統計モデル7を評価し、その精度を検証する部分で、一般的に交差検定手法が用いられ、交差検定の評価値が最大になるように機械学習機の固有パラメータをチューニングする。
工数見積り機9は、工数見積り機生成装置1によってチューニングされた統計モデル7を元にソフトウェア開発工数見積りを行う部分である。
多目的最適化部10は、ユーザ端末4から対話的インターフェース11が受け取った入力値に欠損値があり、かつ欠損値に関する目的関数がある場合に動作する部分で、多目的最適化手法を用いて実現する。多目的最適化手法は、遺伝的アルゴリズムを用いたMOGA(Multi−Objective Genetic Algorithm)やメタヒューリスティク手法であるPSO(Particle Swarm Optimization)で実現でき、パレート最適解群を出力する。
図2において、プロジェクト管理統計データ3として、ソフトウェア工数見積りのための指標を示し、各指標について数値範囲、単位、備考を示している。
図3において、図2の指標に対し、過去に蓄積されたプロジェクト管理統計データ3の具体例を示している。各指標に対し、それぞれ統計データを示す標本1〜標本4の標本データを有する。
図3では、参考までに、工数(人月)の出力値を格納している。
なお、この指標のことを入力変数と呼び、過去に蓄積されているプロジェクト管理統計データを標本データと呼ぶこととする。
まず、図4に従い、実施の形態1の工数見積り機生成装置1の動作について説明する。
処理410で、過去に蓄積された標本データを素性選択部5に入力する。次に、処理411で、出力値に関係性の低い入力変数があるかどうかを判定し、該当する入力変数があれば、処理412で、その入力変数を標本データから除外し、処理413で、入力変数を確定させる。この操作を行うことで、工数見積り学習機6で学習を行う時に、精度低下の原因となる関連性の低い変数を除くことができ、見積り精度が向上する。
素性選択部5では、出力値である工数と各入力変数の相関係数が計算され、各入力変数には−1から1の間の相関係数値が付けられる。この値の絶対値が1に近いほど2つの変数の関係性は強い。よって、相関係数の絶対値が一定しきい値以下の変数は、関係性が低いとみなすことができ、処理412で除外することができる。図3の各入力変数の相関係数を求め、しきい値を0.100とすると、「結合試験での目標レビュー指摘率」は0.070、「プロジェクト参加者の従事年数平均」は0.022となり、除外の対象となる。
処理414では、工数見積り学習機6に初期パラメータを与えている。初期パラメータの例として、工数見積り学習機6にガウスカーネルのSVM回帰を利用する場合は、正規化パラメータCやカーネルパラメータのσ等に適当な値を与えることとなる。
初期パラメータを設定後、処理415で、標本データを工数見積り学習機6に入力し、統計モデル7を生成し、処理416で、統計モデル7の評価を行う。処理416の評価で十分な見積り精度が出ると判定された場合、生成された統計モデル7を工数見積り機9として出力し、処理を終了する。
逆に、しきい値より低い値が出た場合、再度パラメータを設定し直す。この時、直感でパラメータを設定するのではなく、最適化手法を活用してパラメータを逐次的に最適化することで、パラメータ設定も機械的に行うことができ、精度の高い統計モデルを自動で生成することができる。
処理510では、新たなソフトウェア開発が始まり、新プロジェクトの指標値を人手で作成する。次に、処理511で、指標の入力値が未確定であり、これとは別の目的関数があるかどうかで処理が分岐する。指標の入力値が全て分かっている場合、処理512で、工数見積り機9にその値を入力することで、処理513で、従来の手法と同様に工数見積り値を取得することができる。
この時、「利用されるプログラミング言語の経験年数のメンバ平均値」や「プロジェクト参加者の従事年数平均」の指標は未確定の状態となる。また、経験の浅いメンバと経験豊かなメンバでは1人月あたりのコストが異なるため、新たな目的関数として、コスト=f(プロジェクト参加従事年数平均)が導入され、この目的関数をできる限り最小化したいという要求が発生する。f(プロジェクト参加従事年数平均)の具体例としては、(30,000*プロジェクト参加従事年数平均+200,000)×人数のようなものが考
えられる。
処理514では、工数見積り機出力と別の目的関数を同時に最小化する多目的最適化問題を満たすパレート最適解群を算出する(処理515)。パレート最適解とは、複数の目的関数を同時に改善することが不可能な実行可能解のことを指し、目的関数値のいずれかを改善しようとした場合、他の目的関数値が改悪されてしまうような状態にある解を意味する。そのため、どのような多目的最適化手法を利用しても、複数のパレート最適解が出力されるため、処理516にあるように、ユーザが自らの要求を満たす最適解があるかを判断する必要がある。
ユーザ要求を満たす最適解が存在しない場合、もしくはより良い解の探索をユーザが求めている場合は、処理517に進む。
初めに、ユーザが改善したい目的関数を選択する。次に、ユーザが改善したい量だけ指摘した目的関数の値を改善させる。続いて、満足化トレードオフ法を用いて、ユーザが改善した目的関数以外の目的関数の値を近似的に求め、ユーザに提示する。その値を見て、ユーザが納得した場合は、処理518にあるように近似的に求めた目的関数の値を実際の目的関数に当てはめて計算し直し、再度ユーザに値を提示する。処理519で、その結果が、ユーザ要求を満たせば、処理は終了となる。
この例の目的関数は、f(プロジェクト参加従事年数平均)と工数見積り機出力の2つである。ここで、この2関数を多目的最適化し、パレート最適解を得たところ、f(プロジェクト参加従事年数平均)=250,000、工数見積り機出力=200という結果が得られた。
ユーザはその結果に納得したため、次のステップに進むよう入力し、最終結果として、工数=195、f(プロジェクト参加従事年数平均)=280,500が得られ、ユーザは処理を完了させた。
また、統計モデルに与える指数の入力値が未確定であり、かつ別の目的関数がある場合に、多目的最適化を用いることで、工数の見積り値とともに、未確定の入力値の最適値も同時に推論することができる。
さらに、対話的インターフェースによって、よりユーザの状況に適した組み合わせでの見積り値を得ることができる。
図6は、この発明の実施の形態2によるソフトウェア工数見積り支援システムのプロジェクト途中段階に追加で得られる指標値を示す図である。
図6において、指標ごとにプロジェクトの開始段階の指標値と、プロジェクトの途中段階の指標値の予想が示されている。
図7は、この発明の実施の形態3によるプロジェクト管理支援システムの結合試験での目標試験密度を見積る場合の標本データを示す図である。
図7において、各指標は図3におけるものと同様のものながら、工数(人月)を入力変数とし、「結合試験での目標試験密度」を出力値としている。なお、図7では、省略されているが、図3と同様に、標本データが格納されている。
図8において、801〜813はそれぞれ図1の1〜13に対応し、同様な動作を行う。ただし、図8では、工数見積りに限らず、プロジェクト指標値の推論(見積り)を行うところが図1と異なる構成である。
見積り装置802は、見積り機809を用いて、ユーザ端末804から入力されるデータに基づき、プロジェクト指標値を推論し、出力する。多目的最適化部810、対話的インターフェース811、ユーザインターフェース812、トレードオフ分析部813は、図1の多目的最適化部10、対話的インターフェース11、ユーザインターフェース12、トレードオフ分析部13と、それぞれ同じである。
因みに、図9の処理910〜処理917は、図4の処理410〜処理417にそれぞれ対応する処理である。
また、図10の処理1010〜処理1019は、図5の処理510〜処理519にそれぞれ対応する処理である。
11 対話的インターフェース、12 ユーザインターフェース、
13 トレードオフ分析部、801 見積り機生成装置、802 見積り装置、803 プロジェクト管理統計データ、804 ユーザ端末、805 素性選択部、806 見積り学習機、807 統計モデル、808 モデル評価部、809 見積り機、810 多目的最適化部、811 対話的インターフェース、812 ユーザインターフェース、813 トレードオフ分析部。
Claims (6)
- プロジェクト指標値の推論を行うための情報を蓄積した統計データベース、
この統計データベースの情報を基にして上記プロジェクト指標値を推論するための統計モデルを生成し、評価した統計モデルを見積り機として出力する見積り機生成装置、
及び上記見積り機を用いて、ユーザにより入力されたデータに基づき、上記プロジェクト指標値を推論する見積り装置を備え、
上記見積り機生成装置は、
回帰モデルの機械学習機を利用して、上記統計データベースの情報を基にして上記統計モデルを作成するモデル作成部と、
このモデル作成部により生成された統計モデルを評価するモデル評価部とを有することを特徴とするプロジェクト管理支援システム。 - 上記統計データベースの情報は複数の指標ごとに蓄積され、
上記見積り機生成装置は、
上記統計データベースの複数の指標のうち、上記推論されるプロジェクト指標値に対する関連性が低い指標を除外する指標選択部を有することを特徴とする請求項1記載のプロジェクト管理支援システム。 - 上記見積り装置は、
ユーザがプロジェクト指標値の推論のためのデータ入力を指標別に行うための対話的インターフェースと、
複数の目的関数の最適化が可能な多目的最適化部とを有し、
ユーザによる入力値が未確定な指標を目的関数とし、この目的関数とは別の目的関数が存在する場合に、これら2つの目的関数について上記多目的最適化部により最適化を行い、上記未確定の入力値を推論することを特徴とする請求項2記載のプロジェクト管理支援システム。 - 上記多目的最適化部は、上記対話的インターフェースにより対話的に操作されることを特徴とする請求項3記載のプロジェクト管理支援システム。
- 上記推論されるプロジェクト指標値は、ソフトウェア開発工数であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載のプロジェクト管理支援システム。
- 上記モデル作成部による上記統計モデル作成の基にする上記統計データベースの情報は、プロジェクトの途中段階で得られる予想値であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項記載のプロジェクト管理支援システム。
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