JP7485643B2 - レーザー加工された正極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー加工された正極の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウムイオン二次電池等の二次電池に用いられる正極は、一般的に、正極集電体上に正極活物質層が設けられた構成を有する。また正極は、一般的に、集電を目的として、正極活物質層が設けられずに正極集電体が露出した部分を有する。この正極集電体が露出した部分と正極活物質層との境界部に保護層を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。このような正極において、集電タブを形成するために、正極集電体が露出した部分と保護層とをレーザーで切断加工することが行われている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献2には、集電性の向上のために、保護層に炭素系導電材を添加することが記載されている。
国際公開第2017/204184号 特開2016-12700号公報
保護層を有する正極をレーザー切断した場合に、レーザーによって溶融した正極集電体が突出して、バリが発生するという現象がある。これに関し本発明者らが鋭意検討した結果、次のことを見出した。保護層が炭素系導電材を含有しない正極に対して上記のレーザー切断加工を行った場合には、正極集電体にバリが発生しないこともあれば、長いバリが発生することもある。よって、この場合は、バリの発生が不安定であり、正極の量産には適していない。保護層が炭素系導電材を含有する正極に対して上記のレーザー切断加工を行った場合には、レーザー出力の高い領域では、正極集電体に発生するバリが長くなる。正極の量産には、レーザー出力はある程度高いことが好ましいため、この場合も正極の量産には適していない。
上記事情に鑑み、本発明は、正極集電体および保護層をレーザー加工した際の正極集電体でのバリの発生が低減されており、かつ量産に適した正極の製造方法を提供することを目的とする。
ここに開示されるレーザー加工された正極の製造方法は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層と、前記正極集電体上に設けられ、かつ前記正極活物質層に隣接する保護層とを備える正極を準備する工程と、前記保護層の一部をレーザー切断する工程と、を包含する。前記レーザーの出力は、950W以上1150W以下である。前記保護層は、セラミック粒子と、平均粒子径が0.75μm以上3μm以下の炭素系導電材とを含有する。
このような構成によれば、正極集電体および保護層をレーザー加工した際の正極集電体でのバリの発生が低減されており、かつ量産に適した正極の製造方法を提供することができる。
ここに開示されるレーザー加工された正極の製造方法の好ましい一態様では、前記炭素系導電材が、カーボンブラックである。
ここに開示されるレーザー加工された正極の製造方法の別の好ましい一態様では、前記保護層中の炭素系導電材の含有量が、0.1質量%以上5.0質量%以下である。
ここに開示されるレーザー加工された正極の製造方法のさらに別の好ましい一態様では、前記レーザーの出力が、950W以上1050W以下である。
本発明の一実施形態に係る製造方法の各工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態において準備される正極の一例の模式断面図である。 本発明の一実施形態において準備される正極の一例を、主面に垂直な方向から見た模式図である。 本発明の一実施形態によって得られる正極を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 図4のリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。 試験例1および試験例2の、レーザー出力に対するバリ長さ比を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
以下、例として、ここに開示される製造方法によって得られるレーザー加工された正極が、リチウムイオン二次電池用の正極である実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るレーザー加工された正極の製造方法は、正極集電体と、当該正極集電体上に設けられた正極活物質層と、当該正極集電体上に設けられ、かつ当該正極活物質層に隣接する保護層とを備える正極を準備する工程(以下、「正極準備工程」ともいう)S101と、当該保護層の一部をレーザー切断する工程(以下、「レーザ切断工程」ともいう)S102と、を包含する。ここで、切断に用いられるレーザーの出力は、950W以上1150W以下である。当該保護層は、セラミック粒子と、平均粒子径が0.75μm以上3μm以下の炭素系導電材とを含有している。
まず、正極準備工程S101について説明する。図2および図3に、当該工程S101で準備する正極の一例を示す。図2は、正極の幅方向および厚さ方向に沿った断面図である。図3は、正極を主面の垂直方向から見た模式図である。
図示例の正極50は、長尺状の正極シートとして構成されており、図3では、一部のみ図示している。しかしながら、正極は、長尺状でなくてもよい。図2および図3に示すように、正極50は、正極集電体52と、正極集電体52上に形成された正極活物質層54とを備える。図示例では、正極活物質層54は、正極集電体52の両面上に設けられている。しかしながら、正極活物質層54は、正極集電体52の片面上のみに設けられていてもよい。
正極集電体52の主面は、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分(正極集電体露出部)52aを有する。図示例では、正極集電体露出部52aは、正極50の幅方向の一端部に設けられている。しかしながら、正極集電体露出部52aは、正極50の長手方向の端部に設けられていてもい。また、正極集電体露出部52aは、正極50の2以上の端部に設けられていてもよい。
正極50は、保護層56を有する。図示例では、保護層56は、正極集電体52上の両面上に設けられている。しかしながら、保護層56は、正極集電体52の片面上のみに設けられていてもよい。
保護層56は、正極活物質層54に隣接しており、正極シート50の面方向において、正極活物質層54と、正極集電体露出部52aとの間に位置している。言い換えると、保護層56は、正極活物質層54と、正極集電体露出部52aとの境界部に位置している。保護層56がこの位置に設けられることにより、正極50と負極60との短絡を高度に抑制することができる。
正極集電体52は、通常、導電性の良好な金属製の部材である。正極集電体52としては、例えば、金属箔、金属メッシュ、パンチングメタルなどシート状部材を用いることができる。正極集電体52は、好ましくはアルミニウムまたはアルミニウム合金製の部材であり、より好ましくはアルミニウム箔である。
正極集電体52の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。正極集電体52としてアルミニウム箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の正極活物質を用いてよい。具体的に例えば、正極活物質として、リチウム複合酸化物、リチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。正極活物質の結晶構造は、特に限定されず、層状構造、スピネル構造、オリビン構造等であってよい。
リチウム複合酸化物としては、遷移金属元素として、Ni、Co、Mnのうちの少なくとも1種を含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく、その具体例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等が挙げられる。これらの正極活物質は、1種単独で用いてよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。正極活物質としては、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物が好ましい。
なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、上記したリチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等についても同様である。
リチウム遷移金属リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸マンガン鉄リチウム等が挙げられる。
上記の正極活物質は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
正極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、0.05μm以上25μm以下であり、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、メジアン径(D50)を指し、したがって、レーザー回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒径が小さい微粒子側からの累積頻度50体積%に相当する粒径を意味する。よって、平均粒子径(D50)は、公知のレーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置等を用いて求めることができる。
正極活物質層54は、正極活物質以外の成分、例えば、リン酸三リチウム、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイトなど)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質層54中の正極活物質の含有量(すなわち、正極活物質層54の全質量に対する正極活物質の含有量)は、特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上97質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以上96質量%以下である。正極活物質層54中のリン酸三リチウムの含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上12質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中の導電材の含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、3質量%以上13質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中のバインダの含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、1.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
正極活物質層54の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下であり、好ましくは20μm以上200μm以下である。
保護層56は、セラミック粒子、および炭素系導電材を含有する。保護層56が炭素系導電材を含有することにより、正極50における集電性が高くなる。保護層56は、バインダをさらに含有していてもよい。
保護層56に含まれるセラミック粒子の例としては、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、セリア(CeO)、酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物系セラミックスの粒子;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックスの粒子;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物の粒子;マイカ、タルク、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン等の粘土鉱物の粒子等が挙げられる。なかでも、アルミナ粒子およびベーマイト粒子が好ましく用いられる。アルミナおよびベーマイトは融点が高く、耐熱性に優れる。また、アルミナおよびベーマイトは、モース硬度が比較的高く、機械的強度および耐久性にも優れる。さらに、アルミナおよびベーマイトは比較的安価なため、原料コストを抑えることができる。
セラミック粒子の形状は、特に限定されず、球状であっても非球状であってもよい。セラミック粒子の平均粒子径(D50)は、特に限定されず、例えば0.01μm以上10μm以下であり、好ましくは0.1μm以上5μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下である。
保護層56中のセラミック粒子の含有量は、特に限定されないが、例えば、70質量%以上であり、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上である。
保護層56に含まれる炭素系導電材の例としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックや、黒鉛などが挙げられる。なかでも、カーボンブラックは、レーザー加工(すなわち、レーザー切断)時の熱を吸収する性能が高く、保護層56と正極集電体52との剥離を抑制することができるため、好適である。カーボンブラックの中でも、アセチレンブラックがより好ましい。
本実施形態においては、炭素系導電材の平均粒子径(メジアン径D50)は、0.75μm以上3μm以下である。より高いバリ発生低減効果の観点から、炭素系導電材の平均粒子径は、好ましくは1.0μm以上であり、より好ましくは1.1μm以上である。より高いバリ発生低減効果の観点から、炭素系導電材の平均粒子径は、好ましくは2.5μm以下であり、より好ましくは2.0μm以下であり、さらに好ましくは1.5μm以下である。なお、炭素系導電材の平均粒子径の測定方法は、上述の通りである。
保護層56中の炭素系導電材の含有量は、本発明の効果が得られる限り特に限定されず、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上である。保護層56中の炭素系導電材の含有量は、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは4.0質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以下であり、さらにより好ましくは2.5質量%以下であり、特に好ましくは1.0質量%以下であり、最も好ましくは0.6質量%以下である。
保護層56に含有されるバインダとしては、例えば、アクリル系バインダ、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン系バインダ等が挙げられ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系ポリマーを用いることもできる。
保護層56中のバインダの含有量には、特に制限はないが、例えば、1質量%以上25質量%以下であり、好ましくは3質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上10質量%以下である。
保護層56の厚みは、特に限定されないが、好ましくは3μm以上かつ正極活物質層54の厚み以下である。保護層56の厚みは、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
正極50は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、正極活物質層54および保護層56以外の層をさらに備えていてもよい。
このような正極50は、例えば、次のようにして作製することができる。すなわち、正極準備工程S101は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、正極活物質と、第1溶媒(第1分散剤)と、必要に応じ、導電材、バインダ等とを含む正極活物質層形成用スラリー(またはペースト)を用意する。第1溶媒としては、従来の正極活物質層形成用スラリーに用いられている溶媒を用いることができる。また、セラミック粒子と、所定の平均粒子径の炭素系導電材と、第2溶媒(第2分散剤)と、必要に応じバインダ等とを含有する保護層形成用スラリー(またはペースト)を用意する。第2溶媒としては、従来の保護層形成用スラリーに用いられている溶媒を用いることができる。
次に、正極集電体52の片面または両面に、正極活物質層形成用スラリーおよび保護層形成用スラリーを塗布する。このとき、正極集電体52の少なくとも一端部が露出するように、正極活物質層形成用スラリーおよび保護層形成用スラリーを塗布してもよい。正極活物質層形成用スラリーおよび保護層形成用スラリーは、互いに隣接するように塗布する。このような塗布は、公知方法(例えば、ダイコータによって、正極活物質層形成用スラリーおよび保護層形成用スラリーを、順次または同時に塗布する方法)により行うことができる。
次に、塗布されたこれらのスラリーを、公知方法に従って乾燥する。具体的に例えば、これらのスラリーが塗布された正極集電体から、乾燥炉等の乾燥装置を用いて上記溶媒を除去する。これにより、正極活物質層54および保護層56を形成することができる。正極活物質層54の密度等を調整する目的で、形成された正極活物質層54に、プレス処理を行ってもよい。このようにして正極50を得ることができる。
次に、レーザー切断工程S102について説明する。当該工程S102においては、保護層56の一部を、レーザーを用いて切断する。典型的には、当該工程S102では、正極集電体露出部52aの一部と、保護層56の一部とを切断して、集電タブを形成する。集電タブの形状には特に制限がなく、例えば、図5に示すものが挙げられる。あるいは、上記正極50を所定の寸法に裁断するために、上記正極50の幅方向に沿ってレーザー切断を行い、このときに保護層56の一部が切断されてもよい。保護層56を切断する距離が長く本発明の効果がより顕著となることから、当該工程S102においては、集電タブを形成することが好ましい。
レーザー切断には、セラミック粒子を含む保護層を備える正極をレーザー切断加工するに用いられている公知のレーザー切断装置を用いることができる。レーザー切断装置は、典型的には、ファイバーレーザーを備える切断装置である。よって、切断に用いられるレーザーは、典型的にはファイバーレーザーである。
本実施形態においては、切断に用いるレーザーの出力は、950W以上1150W以下の範囲内である。保護層56が、平均粒子径0.75μm以上3μm以下の炭素系導電材を含有し、この保護層56の少なくとも一部を、950W以上1150W以下の範囲内の出力でレーザー切断することにより、正極集電体でのバリの発生を顕著に低減することができる。また、レーザーの出力が950W以上であることにより、本実施形態に係る製造方法が、量産に適した製造方法となる。また、レーザーの出力が1150Wを超えると切断品質が低下する。バリの発生をより低減する観点から、レーザーの出力は、好ましくは950W以上1050W以下であり、より好ましくは975W以上1025W以下である。
レーザーのスキャン速度は、特に限定されないが、好ましくは1000mm/秒以上12000mm/秒以下であり、より好ましくは2000mm/秒以上10000mm/秒以下であり、さらに好ましくは4000mm/秒以上8000mm/秒以下である。
上記のようにして、レーザー加工された正極50を得ることができる。レーザー加工された正極50は、公知方法に従い、二次電池(特にリチウムイオン二次電池)の正極として用いることができる。以下、本実施形態に係る製造方法により得られた正極50を用いた二次電池の例として、当該正極50を用いたリチウムイオン二次電池の構成例を、図面を参照しながら説明する。
図4に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、非水電解質80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。なお、図4は、非水電解質80の量を正確に表すものではない。
捲回電極体20は、図4および図5に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成されている構成を有する。
正極シート50には、上述の製造方法によって得られた正極が用いられている。具体的には、図4に示すように、正極50は、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分(正極集電体露出部)52aを有しており、正極活物質層54と、正極集電体露出部52aとの境界部に、保護層56が設けられている。正極集電体露出部52aと保護層56が、レーザー切断加工されることによって、正極集電体露出部52aが集電タブとして構成されている。
負極60は、図4および図5に示すように、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分(負極集電体露出部)62aを有し、負極集電体露出部62aが集電タブとして構成されている。
集電タブの形態にある正極集電体露出部52aおよび負極集電体露出部62aは、捲回電極体20の捲回軸WLの方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極集電体露出部52aおよび負極集電体露出部分62aはそれぞれ束ねられて、正極集電板42aおよび負極集電板44aに接合されている。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70は、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解質80は、典型的には、非水溶媒と電解質塩(言い換えると、支持塩)とを含有する。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解質に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましい。
電解質塩としては、例えば、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のリチウム塩を用いることができ、なかでも、LiPFが好ましい。電解質塩の濃度は、特に限定されないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解質80は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、オキサラト錯体、ビニレンカーボネート(VC)等の被膜形成剤、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として使用することができる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、積層型電極体(すなわち、複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された電極体)を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解質二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネートケース型リチウムイオン二次電池、コイン型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。
また、公知方法に従い、上記の正極を用いて、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池を構築することもできる。さらに、公知方法に従い、非水電解質80に代えて固体電解質を用いて全固体二次電池(特に全固体リチウムイオン二次電池)を構築することができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔試験例1~3の試験用シートの準備〕
セラミック粒子としてのアルミナと、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、炭素系導電材としてのアセチレンブラック(AB)とを、N-メチルピロリドン中で混合し、保護層形成用スラリーを作製した。このとき、ABとしては、表1に示す平均粒子径を有するものを使用し、保護層形成用スラリーの全固形分に対するABの含有量は、表1に示す値とした。
集電体としての厚さ13μmのアルミニウム箔の両面上に、バーコータを用いて保護層形成用ペーストを塗布し、乾燥して、試験例1~3の試験用シートを作製した。なお、上記の製造方法において、レーザー切断されるのは保護層および正極集電体であるため、試験用シートでは、正極活物質層は省略した。
〔試験用シートのレーザー切断〕
ファイバーレーザー照射部を備える市販のレーザー機を用いて、上記作製した試験用シートの集電体および保護層をレーザー切断した。このとき、スキャン速度は6000mm/秒とし、レーザー出力は、表2に示す値とした。
〔試験用シートのバリ発生評価〕
試験用シートのレーザー切断部において発生したバリの長さを測定した。レーザー出力1100Wの際の試験例1のバリの長さを100とした場合の、その他のバリの長さの比を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0007485643000001
Figure 0007485643000002
表2の試験例1および試験例2の結果をグラフ化したものを図6に示す。一般的な傾向として、レーザー出力が大きくなるほど、集電体に発生するバリの長さが長くなる。表2および図6の結果が示すように試験例1では、その傾向が見られた。ここで、試験例1において、レーザー出力が900W以下では、バリの長さが短いものの、レーザーの出力が小さ過ぎて量産に適さない。レーザー出力が量産に適する1000Wおよび1100Wの場合は、バリ長さ比がそれぞれ、71および100と非常に大きかった。
これに対し、アセチレンブラックの平均粒子径を小さくした試験例2においては、レーザー出力が量産に適する1000Wおよび1100Wの場合において特異的に、試験例1に比べて、バリの発生が低減された(図6参照)。試験例3では、ABの含有量を試験例1と同程度としたが、バリの発生が低減されていた。このことから、正極集電体に発生するバリの長さにアセチレンブラックの平均粒子径が影響することがわかる。以上の結果より、アセチレンブラックの平均粒子径が0.75μm以上3μm以下である場合に、バリの発生を顕著に低減できると考えられる。
以上のことから、ここに開示される製造方法によれば、正極集電体および保護層をレーザー加工した際のバリの発生を低減することができ、かつ量産に適していることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極集電体露出部
54 正極活物質層
56 保護層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極集電体露出部
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解質
100 リチウムイオン二次電池

Claims (4)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層と、前記正極集電体上に設けられ、かつ前記正極活物質層に隣接する保護層とを備える正極を準備する工程と、
    前記保護層の一部をレーザー切断する工程と、を包含する、レーザー加工された正極の製造方法であって、
    前記レーザーの出力が、950W以上1150W以下であり、
    前記保護層が、セラミック粒子と、メジアン径D50が0.75μm以上3μm以下の炭素系導電材とを含有する、製造方法。
  2. 前記炭素系導電材が、カーボンブラックである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記保護層中の前記炭素系導電材の含有量が、0.1質量%以上5.0質量%以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記レーザーの出力が、950W以上1050W以下である、請求項1~3のいずれかに1項に記載の製造方法。
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