JP4017079B2 - リチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、集電体の集電構造及び正極活物質層の電子伝導性を改善して内部抵抗を低減し、大出力放電、大電流放電を容易ならしめた、特に、電気自動車等のモータ駆動用電源として好適に用いられるリチウム二次電池及びその効率的な製造方法に関する。
近年、環境保護運動の高まりを背景として、二酸化炭素その他有害物質を含む燃焼機関からの排気ガスの排出規制や省エネルギーが切に望まれる中、自動車業界ではガソリン等の化石燃料を使用する従来の自動車に替えて、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の市場導入を促進する動きが活発になっている。
このEV、HEVのモータ駆動用電池としては、エネルギー密度の大きいリチウム二次電池が有望視されているが、所定の加速性能、登坂性能、継続走行性能等を得るために、リチウム二次電池には、大容量、高出力といった特性が要求される。たとえば、HEVでは、加速時にはモータが出力をアシストするモードとなっているため、モータを駆動させる電池には高出力が必要とされる。ここで、単電池の電圧は電池を構成する材料により決まっており、リチウム二次電池では、その電圧は開回路電圧で高々4.2V程度、実際の使用電圧は3V〜4V程度であるから、出力が大きいことは大電流が流れることを意味する。実際に、HEV等においては100A以上の電流が流れることが頻繁に起こり得、また、500Aもの電流が短時間ではあっても流れる場合がある。
一方、モータを駆動させるためには、必要な電圧を確保すべく、複数の単電池を直列に接続して用いる必要があり、その結果、各単電池には同じ大きさの電流が流れることとなる。この場合、単電池の内部抵抗が大きいと、所定量の電流を放出することが困難となる。また、内部抵抗が大きいと、その内部抵抗に起因するジュール熱が多く発生し、電池温度が上昇して電解液の蒸発が起こり電池が故障する原因となりかねない。従って、前述したような大電流、大出力放電を実現するためには、単電池の内部抵抗を低減する必要がある。
単電池の内部抵抗については、各構成部材ごとの電子伝導抵抗やイオン電導抵抗が解析され、内部抵抗に占める、集電体の集電構造及び正極活物質の電子伝導抵抗の割合が大きいことが明らかとなってきている。そこで、従来、単電池の内部抵抗を低減する一つの手段として、正極活物質に導電補助材としてアセチレンブラック等の炭素材料を含有させる試みがなされており、アセチレンブラックの含有量を増加させることにより、正極活物質層の電子伝導度が大きくなり、内部抵抗の低減が図られることが期待される。
しかしながら、アセチレンブラックは電子伝導性の改善には寄与しても、電池容量の増大には寄与しないため、アセチレンブラックを含有させることにより電池のエネルギー密度が低下する問題が生ずる。またアセチレンブラックは嵩が大きいために正極活物質スラリーを作製する際に分散し難く、スラリーの均一性が低下し、さらに集電体への塗工性が低下するといった問題を生ずる。
一方、このような塗工性の低下を防止する方法として、バインダ量を増加させることが考えられるが、この方法はさらなるエネルギー密度の低下を引き起こすとともに、バインダ自体が多くの場合、絶縁性であることから、アセチレンブラックの電子伝導性の改善の効果とは裏腹に正極活物質層の導電性を阻害するおそれもある。そこで、アセチレンブラック含有量は、正極活物質粉末の粒子形態を考慮しつつ、必要最小限の量に抑え、かつ電子伝導性が最大限に向上して内部抵抗の低減が図られるように定めることがことが好ましい。
特開平9−293538号公報 特開平10−64520号公報 特開平10−83816号公報 特開平9−92258号公報 特開平10−223207号公報
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、正極活物質層の電子伝導性を改善して内部抵抗を低減し、大出力放電、大電流放電を容易ならしめたリチウム二次電池及びその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、その所定箇所から集電が行われる集電体上に、アセチレンブラックを含むとともに粒子で構成された正極活物質の層が形成された正極板と負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して捲回又は積層されてなる内部電極体及び有機電解液を備えたリチウム二次電池であって、前記正極活物質が、そのモル比Li/Mnが0.5より大きいLi及びMnを主成分とする複合酸化物であり、また、前記正極活物質を構成する粒子の平均粒径をR(μm)とし、前記正極活物質の比表面積をS(m2/g)としたときに、その積(R×S)が6≦(R×S)≦50(但し、1≦R≦50、0.1≦S≦5)の関係を満足するとともに、前記アセチレンブラックの、前記正極活物質及び前記アセチレンブラックの合計に対する含有量をW(質量%)としたときに、S≦W≦S+5(但し、0.1≦S≦5、W≦10)の関係を満足し、さらに、内部抵抗が3.1〜4mΩで、電池容量が2Ah以上であることを特徴とするリチウム二次電池、が提供される。
また、本発明によれば、その所定箇所から集電が行われる集電体上に、アセチレンブラックを含むとともに粒子で構成された正極活物質の層が形成された正極板と負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して捲回又は積層されてなる内部電極体及び有機電解液を備えたリチウム二次電池を製造する方法であって、前記正極活物質として、そのモル比Li/Mnが0.5より大きいLi及びMnを主成分とする複合酸化物を用い、また、前記正極活物質を構成する粒子の平均粒径をR(μm)とし、前記正極活物質の比表面積をS(m2/g)としたときに、その積(R×S)が6≦(R×S)≦50(但し、1≦R≦50、0.1≦S≦5)の関係を満足するとともに、前記アセチレンブラックの、前記正極活物質及び前記アセチレンブラックの合計に対する含有量をW(質量%)としたときに、S≦W≦S+5(但し、0.1≦S≦5、W≦10)の関係を満足するものを用いて、内部抵抗が3.1〜4mΩで、電池容量が2Ah以上のリチウム二次電池を得ることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法、が提供される。
本発明のリチウム二次電池及びその製造方法においては、積(R×S)は、6≦(R×S)≦25の関係を満足していることが好ましい。また、正極活物質を構成する粒子の平均粒径(R(μm))は、5〜30μmの範囲(5≦R≦30)にあることが好ましい。また、正極活物質の比表面積(S(m2/g))は、0.2〜2m2/gの範囲(0.2≦S≦2)にあることが好ましい。
なお、正極活物質としては、Li及びMnを主成分とする複合酸化物が用いられ、LiとMnとのモル比Li/Mnは0.5より大きいものが用いられる。このような本発明の正極材料の構成、つまり正極活物質と導電補助材との組合せとその条件は、電池容量が2Ah以上である単電池に好適に採用され、また単電池は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車用として特に好適に用いることができる。
以上、本発明のリチウム二次電池及びその製造方法によれば、電子伝導抵抗の小さい正極活物質が選択され、その正極活物質に添加する導電補助材の含有量が、正極活物質粉末の形態に応じて適正化されることにより、集電体の集電構造及び正極活物質層の抵抗の極めて顕著な低減が図られ、必要以上に電池のエネルギー密度を低下させることなく、大電流放電、高出力放電を安定して行うことができるようになるという優れた効果が得られる。
本発明のリチウム二次電池(単電池)に用いられる内部電極体は、正極板と負極板とがセパレータを介して捲回又は積層されて構成されるが、以下、捲回型の内部電極体を例として本発明を実施するための最良の形態について説明する。
捲回型内部電極体1は図1に示すように、正極板2と負極板3とが、多孔性ポリマーフィルムからなるセパレータ4を介することで、直接には接触しないように捲回して形成され、正負各電極板2、3(以下、「電極板2、3」という。)のそれぞれにタブ(集電用タブ)5が設けられる。このタブ5の電極板2、3への取付は、電極板2、3をセパレータ4とともに捲回する時点で、超音波溶接等の手段により行うことができる。なお、各タブ5の、電極板2、3と接続された反対側の端部は、外部端子(図示せず)又は外部端子に導通する電流取出端子(図示せず)に取り付けられる。
電極板2、3は、正極板2についてはアルミニウム、チタン等、負極板3については銅、ニッケル等の金属箔を電極基板(集電体)とし、それぞれの金属箔の両面に電極活物質を塗布して電極活物質層を形成することにより作製される。また、電極板2、3は、これらを構成する集電体の複数箇所から集電されることが好ましい。具体的には、集電用のタブ5として、金属箔(集電体)の一辺に配設されて内部電極体1を構成する際に、電極板2、3のタブ5が配設された部分が外周側へ膨らむことのないように、通常、薄帯状のものが用いられるとともに、1つのタブ5が電極板2、3における一定面積からの集電を行うように、ほぼ等間隔に配設されることがさらに好ましい。なお、タブ5の材質は、通常、タブ5が取り付けられる金属箔と同材質とされる。
正極板2の作製に使用される正極活物質は、特に限定されるものではなく、コバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル酸リチウム(LiNiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができるが、本発明においては、特に、後述する試験結果に示すように、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn24)粉末が好適に用いられる。なお、化学組成LiMn24は一例であり、必ずしもこのような化学量論的組成である必要はない。むしろ本発明においては、化学組成的に、LiとMnの比であるLi/Mnが0.5より大きいものを用いている。また、Mnの一部をTiやCrといった他の遷移金属元素等で置換したものを用いることも好ましい。
一方、負極活物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料や人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素質粉末が用いられる。これらの各極の電極活物質はスラリー化され、それぞれの電極基板の両面へ塗布、固着されて電極板2、3が作製される。
また、セパレータ4としては、マイクロポアを有するリチウムイオン透過性のポリエチレンフィルム(PEフィルム)を、多孔性のリチウムイオン透過性のポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好適に用いられる。これは、内部電極体1の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポアが潰れ、リチウムイオンの移動すなわち電池反応を抑制する安全機構を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3の接触、短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能となる。
なお、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)といった炭酸エステル系のもの、プロピレンカーボネート(PC)やγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の有機溶媒の単独溶媒又は混合溶媒に、電解質としてのLiPF6やLiBF4等のリチウム錯体フッ素化合物、あるいはLiClO4といったリチウムハロゲン化物等を1種類又は2種類以上を溶解した非水系の有機電解液が好適に用いられる。このような電解液は、電池ケース内に充填されるとともに、内部電極体1に含浸される。
さて、前述したように、正極板2は、正極活物質をスラリー化して電極基板表面に塗工し、正極活物質層を形成することで作製されるが、ここで、本発明においては、正極活物質層の形成に当たって、正極活物質の平均粒径をR(μm)とし、その比表面積をS(m2/g)としたときに、その積(R×S)が6≦(R×S)≦50(但し、1≦R≦50、0.1≦S≦5)の関係を満足し、かつ、アセチレンブラックの、正極活物質及びアセチレンブラックの合計に対する含有量をW(質量%)としたときに、S≦W≦S+5(但し、0.1≦S≦5、W≦10)なる関係を満足するように設定する。なお、アセチレンブラックとは、微粉末炭素材料の一形態を示し、一般的にはアセチレンの熱分解によって製造され、その一次粒子の平均粒径が10〜100nm程度の大きさのものをいう。
以下、本発明を、実施例及び比較例によって、上述の条件を踏まえた電池の作製と評価とを通して説明する。
表1は、実施例1〜6及び比較例1、2として用いた数種の正極活物質の組成、粒径、比表面積を示したものである。ここで、Li過剰LiMn24とは、Mnの一部をLiで置換したLi(LiXMn2-X)O4(Xは置換量)をいう。
Figure 0004017079
使用する正極活物質を構成する粒子の平均粒径(R(μm))は1〜50μmの範囲にあり、5〜30μmの範囲にあることが好ましく、また、正極活物質の比表面積(S(m2/g))は0.1〜5m2/gの範囲にあり、0.2〜2m2/gの範囲にあることが好ましい。これは、正極活物質を構成する粒子の粒径が小さい場合や比表面積が大きい場合には、スラリーの作製に多量のバインダを含有させることが必要となり、あるいは正極活物質の凝集を抑制してスラリーの分散性を良好に維持するために他の解膠剤や分散剤を含有させる必要が生ずる等して、結果的に作製される電池のエネルギー密度が低下するため好ましくない。一方、正極活物質の粒径が大きいと、スラリー中での粒子の沈降が起こり易くなって均一な塗工が行えなくなる他、後述するように、形成する正極活物質層の厚みは100μm程度であることから、構成する粒子の平均粒径が50μm超の正極活物質を用いた場合には、2個の粒子で正極活物質層の厚みとなり、平坦性、均質性が低下し、充填率も上がらないという問題を招く。
さて、表1に示す正極活物質に、一次粒子の平均粒径が約40nmのアセチレンブラックを、正極活物質及びアセチレンブラックの合計に対する含有量で1〜10質量%含有させ、一方、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、正極活物質及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)の合計に対する含有量で、アセチレンブラック含有量が1〜6質量%の場合には8質量%、アセチレンブラック含有量が8〜10質量%の場合には10質量%として、これらをノルマルメチルピロリドン(NMP)に含有させて、各種のスラリーを作製した。なお、表1中の正極活物質の平均粒径は、レーザ回折粒度分布測定法による50体積%粒径で表し、比表面積は窒素吸着BET法により求めた値である。
次に、作製したスラリーを厚さ20μmのアルミ箔の両面に塗工し、塗工後にロールプレスによって、全ての試料においてロールプレス後の片側電極活物質層厚みが100μmとなるように連続圧力印加を行い、正極活物質層の見かけ密度の向上と正極板厚みの調整を行った。
こうして作製した正極板の電子伝導抵抗の測定は、直径6mmφの銅製円柱電極2本の鏡面仕上げされた端面を、その電極中心間の距離が1cmとなるように、正極板に一定圧力で押しつけながら一定電流を印加し、その際の銅製電極間電圧から抵抗値を求めることで行った。この場合、正極活物質の抵抗よりもアルミ箔の抵抗の方が圧倒的に小さいために、電流は一方の円柱電極から正極活物質層を厚み方向(正極板の平面に垂直な方向)に流れてアルミ箔に達し、アルミ箔を経由して再びアルミ箔から正極活物質層を厚み方向に流れて他方の円柱電極に流れる。こうして、電極活物質層の抵抗を簡便に非破壊にて正確に測定することができる。
得られた正極活物質層の抵抗値とアセチレンブラック含有量との関係を図2に示す。図2より、比較例1、2に対して全ての実施例1〜6で抵抗が小さくなっており、比較例1、2の場合には、アセチレンブラック含有量を15質量%としても、抵抗低減の効果が小さいことがわかる。また、例えば、平均粒径と比表面積が近い値を示している実施例2と比較例1との対比から、正極活物質としては、LiCoO2よりもLiMn24を用いた場合に抵抗が小さく、したがって、内部抵抗の小さい電池の作製にはLiMn24の使用が好ましい。但し、後述するように、所定の粒径と比表面積の条件を満たす場合には、LiCoO2もまた好適に使用することができる。さらに、実施例1〜5を比較すると、Li/Mnが0.5より大きいマンガン酸リチウムを使用した場合に抵抗が小さくなっており、このことから、同じマンガン酸リチウムでもLiを過剰に含むものが内部抵抗の小さい電池の作製に向いていることがわかる。
次に、図3には使用した正極活物質の粒径と比表面積との関係をまとめた。一般的に、組成と製法が同じであれば、粒径と比表面積との間には反比例の関係が成立するので、その比例係数は材料に固有の値であると考えることができる。従って、図2に示された結果を考慮しつつ、正極活物質を構成する粒子の平均粒径をR(μm)、正極活物質の比表面積をS(m2/g)としたとき、その積(R×S)は図3からおおよそ、6≦(R×S)≦50の範囲内にあることが必要で、さらに積(R×S)が6≦(R×S)≦25の範囲内にあると好ましいことがわかる。一方、図2及び図3から、平均粒径と比表面積がこのような条件を満たさない場合には、比較例2の結果に示されるように、LiMn24を用いた場合であっても、正極活物質層の抵抗が大きくなり、好ましくない。
さらに、図4は正極活物質の比表面積Sとアセチレンブラック含有量(W(質量%)とする。)との関係を示したグラフであり、S≦W≦S+5の範囲で抵抗が小さくなっており、好ましくはS+2≦W≦S+5の範囲、さらに好ましくはS+3≦W≦S+5の範囲での抵抗の低減効果が大きいことがわかる。また、このような関係から、正極活物質の比表面積Sが小さければ、アセチレンブラック含有量Wの最大値も減少する。ここで、正極活物質の比表面積Sは、上述した平均粒径Rとの関係を満足していることが必要とされる。
なお、アセチレンブラック含有量Wの上限は10質量%である。これは、アセチレンブラック含有量Wを10質量%超とすると、正極活物質の嵩に比べてアセチレンブラックの嵩の方が大きくなって、PVDFの含有量を急激に増大させる必要が生じ、電池に組んだ際の容量低下が著しくなり、好ましくないことによる。実際、実施例等の正極板の作製に当たっては、アセチレンブラック含有量Wを多くするにしたがって、PVDFの含有量も増加させている。
次に、上述した実施例1、実施例3、比較例1の各正極活物質を用いて電池を作製し、その内部抵抗を測定した試験について説明する。各正極活物質について、アセチレンブラック含有量Wを4質量%、PVDF含有量を8質量%として、NMPに添加し、スラリーを作製した後、厚さ10μm、長さ3600mm、幅200mmのアルミ箔にロールコータ法を用いて両面塗工し、片側塗工厚みを100μmに調整した正極板を作製した。
一方、負極板については、負極活物質として高黒鉛化炭素繊維を用い、これをPVDFを溶解させたNMP溶液に所定量ほど添加してスラリーを作製し、作製したスラリーを、厚さ10μm、長さ4000mm、幅200mmの銅箔に両面塗工し、片側塗工厚みを80μmに調整することで作製した。
こうして作製した正極板及び負極板を、互いに接触しないように、PEフィルムをPPフィルムで挟んだ3層構造のマイクロポーラスセパレータ(厚み:25μm、長さ4500mm、幅220mm)を介して捲回しつつ、集電用タブを超音波溶接により各電極板に取り付け、内部電極体を作製した。これを電池ケースに挿入し、ECとDECの混合溶媒に電解質としてのLiPF6を溶解した電解液を充填して電池ケースを封止することで、外形直径50mmφ、長さ240mmの電池を作製した。
作製した全ての電池についての充電は、10A定電流−4.1V定電圧充電により満充電した。満充電時の電池容量は、実施例1、実施例3、比較例1の電池で、それぞれ22Ah、25Ah、30Ahであった。この満充電の状態において、内部抵抗の測定を開回路状態から放電レート0.2Cの電流を印加し、開回路電圧と電流印加直後の電圧の差を電流値で割ることにより求めた。測定結果を表2に示す。比較例1では、電池容量が大きい反面、内部抵抗が大きく、大電流の放電を行う用途には適していないと考えられる。一方、実施例1、3の電池においては、高出力放電、大電流放電に適した4mΩ以下(実施例1、3の電池の場合は、それぞれ3.1Ω及び4mΩ)と小さな内部抵抗が得られた。
Figure 0004017079
これらの試験結果から、本発明の正極材料の構成は、大電流放電、高出力放電が頻繁に行われるEV、HEVのモータ駆動用電源として好適に用いられ、また、単電池の電池容量としては、このような用途を踏まえ、また、内部電極体の抵抗が充放電特性に大きな影響を及ぼす2Ah以上のものに好適に用いられる。
以上、捲回型の内部電極体を用いた場合を例に、本発明を説明してきたが、本発明が電池の内部抵抗の低減に寄与する正極材料に関するものである以上、内部電極体の構造は、図1に示した捲回型のものに限定されるものでない。たとえば、図5に示すように、本発明の正極材料を用いて作製した正極板8と、種々の負極活物質を用いてなる負極板9とをセパレータ10を介しながら交互に積層し、正極板8と負極板9のそれぞれにリードタブ6を接続した構造を有する積層型内部電極体7を用いた電池にも適用することができる。
さらに、図6に示す内部電極体19は、板状又は箔状の正極集電体11の一表面上に正極活物質層14を形成し、一方、負極集電体12の一表面上に負極活物質層15を形成して、各集電体11、12のそれぞれ電極活物質層14、15が形成されていない表面どうしを電気的に接続し、かつ、正極活物質層14の表面と負極活物質層15の表面とを互いにセパレータ17あるいは固体電解質18を介して対向するように複数段に積層した構造を有するものであるが、このような内部電極体19における正極活物質層14にも本発明の正極材料を適用することができる。
本発明のリチウム二次電池は、例えば、携帯電話、VTR、ノート型コンピュータ等の携帯型電子機器の作動電源、電気自動車又はハイブリッド電気自動車等のモータ駆動電源として好適に利用される。
本発明のリチウム二次電池に好適に適用される内部電極体の形態を示す斜視図である。 本発明のリチウム二次電池に用いられる種々の正極活物質層の抵抗値を示すグラフである。 本発明のリチウム二次電池に用いられる正極活物質を構成する粒子の粒径と比表面積との関係を示すグラフである。 本発明のリチウム二次電池に用いられる正極活物質の比表面積とアセチレンブラック含有量との関係を示すグラフである。 本発明のリチウム二次電池に適用される内部電極体の別の形態を示す斜視図である。 本発明のリチウム二次電池に適用される内部電極体のさらに別の形態を示す断面図である。
符号の説明
1…内部電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパレータ、5…タブ(集電用タブ)、6…タブ(集電用タブ)、7…内部電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、11…正極集電体、12…負極集電体、14…正極活物質層、15…負極活物質層、17…セパレータ、18…固体電解質、19…内部電極体。

Claims (10)

  1. その所定箇所から集電が行われる集電体上に、アセチレンブラックを含むとともに粒子で構成された正極活物質の層が形成された正極板と負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して捲回又は積層されてなる内部電極体及び有機電解液を備えたリチウム二次電池であって
    前記正極活物質が、そのモル比Li/Mnが0.5より大きいLi及びMnを主成分とする複合酸化物であり、また、前記正極活物質を構成する粒子の平均粒径をR(μm)とし、前記正極活物質の比表面積をS(m2/g)としたときに、その積(R×S)が6≦(R×S)≦50(但し、1≦R≦50、0.1≦S≦5)の関係を満足するとともに、前記アセチレンブラックの、前記正極活物質及び前記アセチレンブラックの合計に対する含有量をW(質量%)としたときに、S≦W≦S+5(但し、0.1≦S≦5、W≦10)の関係を満足し、さらに、内部抵抗が3.1〜4mΩで、電池容量が2Ah以上であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記積(R×S)が、6≦(R×S)≦25(但し、1≦R≦50、0.1≦S≦5)の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記正極活物質を構成する粒子の平均粒径(R(μm))が、5≦R≦30の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記粒子で構成された前記正極活物質の比表面積(S(m2/g))が、0.2≦S≦2の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 電気自動車又はハイブリッド電気自動車に用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  6. その所定箇所から集電が行われる集電体上に、アセチレンブラックを含むとともに粒子で構成された正極活物質の層が形成された正極板と負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して捲回又は積層されてなる内部電極体及び有機電解液を備えたリチウム二次電池を製造する方法であって、
    前記正極活物質として、そのモル比Li/Mnが0.5より大きいLi及びMnを主成分とする複合酸化物を用い、また、前記正極活物質を構成する粒子の平均粒径をR(μm)とし、前記正極活物質の比表面積をS(m2/g)としたときに、その積(R×S)が6≦(R×S)≦50(但し、1≦R≦50、0.1≦S≦5)の関係を満足するとともに、前記アセチレンブラックの、前記正極活物質及び前記アセチレンブラックの合計に対する含有量をW(質量%)としたときに、S≦W≦S+5(但し、0.1≦S≦5、W≦10)の関係を満足するものを用いて、内部抵抗が3.1〜4mΩで、電池容量が2Ah以上のリチウム二次電池を得ることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  7. 前記正極活物質として、前記積(R×S)が、6≦(R×S)≦25(但し、1≦R≦50、0.1≦S≦5)の関係を満足するものを用いることを特徴とする請求項6に記載のリチウム二次電池の製造方法。
  8. 前記正極活物質として、前記正極活物質を構成する粒子の平均粒径(R(μm))が、5≦R≦30の範囲にあるものを用いることを特徴とする請求項6又は7に記載のリチウム二次電池の製造方法。
  9. 前記正極活物質として、前記粒子で構成された前記正極活物質の比表面積(S(m2/g))が、0.2≦S≦2の範囲にあるものを用いることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
  10. 得られる前記リチウム二次電池が、電気自動車又はハイブリッド電気自動車に用いられるものであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
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