JP7483640B2 - 電力変換装置、故障相の判断方法 - Google Patents

電力変換装置、故障相の判断方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力変換装置、および故障相の判断方法に関する。
回転電機の故障を検知する方法としてたとえば特許文献1がある。特許文献1には、インバータ回路を介して三相電源によって駆動されるモータの各相を流れる電流値を検出することにより、故障を検知する故障検知装置において、検出された各相の電流値に基づいて、これらの電流値のバラつき状態を求める演算手段と、このバラつき状態に応じて故障内容を判別する判別手段とを備えることを特徴とする故障検知装置が開示されている。
特開2005-181167号公報
特許文献1に記載されている発明では、いずれの相の電流センサにオフセット故障が生じたかを特定できない。
本発明の第1の態様による電力変換装置は、U相、V相、およびW相の電流のそれぞれを、U相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値として検出する電流センサと、前記電流センサが検出したU相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値を、U相を基準とした二相の固定座標系の電流値である二相電流値に変換する軌跡円計算部と、前記軌跡円計算部で変換された前記二相電流値に基づいて、前記電流センサにおいてドリフト故障が発生しているドリフト故障相を判定する故障相判定部と、を備え、前記軌跡円計算部は、前記U相電流検出値に基づき算出したα軸電流値Iαと、前記V相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第1β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第2β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記V相電流検出値に基づき算出した第3β軸電流値と、を算出し、αβ座標系において、前記α軸電流値Iαおよび前記第1β軸電流値が描く軌跡円の中心である第1中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第2β軸電流値が描く軌跡円の中心である第2中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第3β軸電流値が描く軌跡円の中心である第3中心と、を算出する中心座標計算部をさらに備え、前記故障相判定部は、前記第1中心、前記第2中心、および前記第3中心の全てが原点からずれている場合にU相故障と判断し、前記第1中心および前記第3中心が原点からずれ、かつ第2中心は原点である場合にV相故障と判断し、前記第1中心および前記第2中心が原点からずれ、かつ第3中心は原点である場合にW相故障と判断する。
本発明の第2の態様による故障相の判断方法は、U相、V相、およびW相の電流のそれぞれを、U相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値として検出する電流センサから前記U相電流検出値、前記V相電流検出値、および前記W相電流検出値を受信する電力変換装置が実行する故障相の判断方法であって、前記電流センサが検出したU相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値を、U相を基準とした二相の固定座標系の電流値である二相電流値に変換する軌跡円計算ステップと、前記軌跡円計算ステップで変換された前記二相電流値に基づいて、前記電流センサにおいてドリフト故障が発生しているドリフト故障相を判定する故障相判定ステップと、を含み、前記軌跡円計算ステップにおいて、前記U相電流検出値に基づき算出したα軸電流値Iαと、前記V相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第1β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第2β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記V相電流検出値に基づき算出した第3β軸電流値と、を算出し、αβ座標系において、前記α軸電流値Iαおよび前記第1β軸電流値が描く軌跡円の中心である第1中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第2β軸電流値が描く軌跡円の中心である第2中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第3β軸電流値が描く軌跡円の中心である第3中心と、を算出する中心座標計算ステップをさらに含み、前記故障相判定ステップは、前記第1中心、前記第2中心、および前記第3中心の全てが原点からずれている場合にU相故障と判断し、前記第1中心および前記第3中心が原点からずれ、かつ第2中心は原点である場合にV相故障と判断し、前記第1中心および前記第2中心が原点からずれ、かつ第3中心は原点である場合にW相故障と判断する。
本発明によれば、三相電流センサのオフセット故障が発生した相を特定できる。
電力変換装置の概要構成図 コントローラの機能構成図 軌跡円計算部の動作を説明する図 中心点座標計算部の動作を示す概念図 ドリフト故障が発生していない場合の軌跡円示す図 U相にドリフト故障が発生している場合の軌跡円を示す図 V相にドリフト故障が発生している場合の軌跡円を示す図 W相にドリフト故障が発生している場合の軌跡円を示す図 故障と軌跡円の中心位置の関係を示す図 電流補正部に内蔵される補正表を示す図 軌跡円計算部、中心点座標計算部、故障相判定部、異常通知部、および電流補正部の動作を示すフローチャート
―第1の実施の形態―
以下、図1~図7を参照して、本発明に係る電力変換装置の第1の実施の形態を説明する。
図1は、電力変換装置1の概要構成図である。ただし図1では電力変換装置1の周辺装置も併記している。電力変換装置1は、インバータ回路2と、フォトカプラ回路3と、コントローラ4と、電流センサ5と、複数の電流変成器6とを備える。
電力変換装置1は、直流電源8と回転電機9との間の電力変換を行う。たとえば電力変換装置1は、直流電源8から得られる電力を所定電圧の三相交流に変換して回転電機9に出力する。
インバータ回路2は、コントローラ4からの動作指令に基づき、直流電源8と回転電機9との間のDC-AC変換を行う。電流センサ5は、電流変成器6を介して回転電機9に流れるU相、V相、およびW相の電流を測定する。電流センサ5は、測定した電流値を示す信号をコントローラ4に出力する。なお後述するように、電流センサ5はドリフト故障を生じることがある。
コントローラ4は、電流センサ5の出力に基づきインバータ回路2に動作指令を与える。コントローラ4は、中央演算装置であるCPU、読み出し専用の記憶装置であるROM、および読み書き可能な記憶装置であるRAMを備え、CPUがROMに格納されるプログラムをRAMに展開して実行することで後述する機能を実現する。コントローラ4は、CPU、ROM、およびRAMの組み合わせの代わりに書き換え可能な論理回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)や特定用途向け集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現されてもよい。またコントローラ4は、CPU、ROM、およびRAMの組み合わせの代わりに、異なる構成の組み合わせ、たとえばCPU、ROM、RAMとFPGAの組み合わせにより実現されてもよい。
図2は、コントローラ4の機能構成図である。コントローラ4はその機能として、軌跡円計算部42、中心点座標計算部43、故障相判定部44、異常通知部45、電流補正部46、dq軸電流変換部47、目標設定部48、およびフィードバック制御部49を備える。コントローラ4の本来的な機能は、dq軸電流変換部47、目標設定部48、およびフィードバック制御部49が担う。コントローラ4は、電流センサ5のいずれかの相に発生しているドリフトを検出しコントローラ4の動作を継続するために、軌跡円計算部42、中心点座標計算部43、故障相判定部44、異常通知部45、および電流補正部46を有する。
電流センサ5は、U相、V相、およびW相の電流のそれぞれを、U相電流検出値Iu_s、V相電流検出値Iv_s、およびW相電流検出値Iw_sとして検出する。以下では、電流センサ5が測定したU相電流検出値Iu_s、V相電流検出値Iv_s、およびW相電流検出値Iw_sをまとめて「三相電流認識値」と呼ぶ。電流センサ5は、三相電流認識値をコントローラ4に入力する。
電流センサ5が正常に動作している場合には、Iu_sはIuと同一、Iv_sはIvと同一、Iw_sはIwと同一である。しかし電流センサ5はドリフト故障を生じることがあり、これらが同一でない場合がある。以下では電流センサ5においてドリフト故障が生じている相を「故障相」と呼ぶ。故障相は、U相、V相、W相のいずれか、いずれか2つの相、全ての相、またはゼロである。
後述するように、軌跡円計算部42、中心点座標計算部43、故障相判定部44、異常通知部45、および電流補正部46は、ドリフト故障が生じている相の特定、および電流値の補正を行う。そのためdq軸電流変換部47は、いずれか電流センサ5の一相の測定値にドリフト故障の影響が含まれていた場合でも、電流補正部46からは、あたかも電流センサ5においてドリフト故障が生じていなかったかのように、三相の電流値の情報が得られる。
軌跡円計算部42は、電流センサ5が検出した三相電流認識値を、U相を基準とした二相の固定座標系の電流値である二相電流値IαとIβに変換する。具体的には、U相電流検出値に基づき算出したα軸電流値Iαと、いずれかの2相の電流検出値に基づき算出したβ軸電流値Iβである。この算出により得られるαβ座標系の値を、複数の時刻においてプロットすると円になるので、算出値であるIαとIβの組み合わせを「軌跡円」と呼ぶ。
本実施の形態では、三相の電流の合計値がゼロであることを利用して、Iβは3通りの算出を行う。3通りのIβとは、V相電流検出値およびW相電流検出値に基づき算出した第1β軸電流値Iβ1、U相電流検出値およびW相電流検出値に基づき算出した第2β軸電流値Iβ2、U相電流検出値およびV相電流検出値に基づき算出した第3β軸電流値Iβ3である。
3つの軌跡円は、IαとIβ1の組合せ、IαとIβ2の組合せ、およびIαとIβ3の組合せの3組で表されるが、Iαは共通しているので、軌跡円計算部42は、Iα、Iβ1、Iβ2、およびIβ3のあわせて4つの数値を出力すればよい。計算式は後述する。
中心点座標計算部43は、軌跡円計算部42が出力する4つの数値を少なくとも3組取得して、3つの軌跡円のαβ座標系における中心点を算出する。具体的には中心点座標計算部43は、α軸電流値Iαおよび第1β軸電流値が描く第1軌跡円の中心である第1中心C1(a1、b1)と、α軸電流値Iαおよび第2β軸電流値が描く第2軌跡円の中心である第2中心C2(a2、b2)と、α軸電流値Iαおよび第3β軸電流値が描く第3軌跡円の中心である第3中心C3(a3、b3)と、を算出する。中心点座標計算部43は、算出した3つの中心点の座標の情報を故障相判定部44に出力する。
故障相判定部44は、中心点座標計算部43が出力する3つの中心点の座標に基づき、ドリフト故障が生じている相を判定する。故障相判定部44は、判定結果を異常通知部45および電流補正部46に出力する。判定結果はたとえば、「正常」、「U相故障」、「V相故障」、「W相故障」、「二相以上の同時故障」などである。具体的な判定方法は後述する。
異常通知部45は、故障相判定部44が出力する判定結果に基づき、故障をほかのユニットに通知する。電流補正部46は、故障相判定部44が出力する判定結果に基づき、三相電流認識値をそのまま、または補正してdq軸電流変換部47に出力する。電流補正部46は、判定結果が「正常」の場合には三相電流認識値をそのまま出力し、判定結果が「U相故障」、「V相故障」、および「W相故障」のいずれかの場合には補正表461に基づき補正して出力する。電流補正部46は、判定結果が「二相以上の同時故障」の場合には補正が不可能なのでdq軸電流変換部47への出力を行わない。
電流補正部46から出力されるモータ各相の相電流Iu_c、Iv_c、Iw_cの情報は、dq軸電流変換部47に供給される。dq軸電流変換部47は、電流補正部46から入力される回転電機_の三相の相電流Iu_c、Iv_c、Iw_cを二相のd軸電流Id_sおよびq軸電流Iq_sに座標変換することで、三相の相電流Iu_c、Iv_c、Iw_cに基づいてd軸電流Id_sおよびq軸電流Iq_sを演算する。
目標設定部48は、予め定められたマップなどに従って回転電機_のトルク指令値に応じたd軸電流指令値Id_t及びq軸電流指令値Iq_tを出力する。フィードバック制御部49には、d軸電流の指令値Id_tと実際のd軸電流Id_sとの偏差ΔId、および、q軸電流の指令値Iq_tと実際のq軸電流Iq_sとの偏差ΔIqが入力される。フィードバック制御部49は、必要な演算を行いインバータ回路2への動作指令をフォトカプラ回路3経由で出力する。
図3は、軌跡円計算部42の動作を説明する図である。Iu、Iv、Iwの各電流値の位相差は120°であり、軌跡円計算部42は以下の数式1~数式4の演算を行う。なおIαとIβ1の組み合わせが一般的な三相/二相変換である。数式3は、数式2において「Iv=-Iu-Iw」を代入したものである。数式4は、数式2において「Iw=-Iu-Iv」を代入したものである。
Iα = (Iu_s*Cos0°+Iv_s*Cos120°+Iw_s*Cos240°) = (3/2)*Iu_sns・・・・・・・・・(数式1)
Iβ1 = (Iv_s*Sin120°+Iw_s*Sin240°)
= (√3/2)*(Iv_s-Iw_s)・・・・・・・・・(数式2)
Iβ2= (√3/2)*(-Iu_s-2*Iw_s) ・・・・(数式3)
Iβ3= (√3/2)*(Iu_s+2*Iv_s) ・・・・(数式4)
図4は、中心点座標計算部43の動作を示す概念図である。中心点座標計算部43は、3つの軌跡円の情報を用いてそれぞれの軌跡円の中心座標を算出する。具体的には、IαとIβ1の組み合わせを3組以上用いて第1軌跡円の中心点である第1中心C1(a1、b1)を算出し、IαとIβ2の組み合わせを3組以上用いて第2軌跡円の中心点である第2中心C2(a2、b2)を算出し、IαとIβ3の組み合わせを3組以上用いて第3軌跡円の中心点である第3中心C3(a3、b3)を算出する。
それぞれの軌跡円は、中心点のX座標「a」、中心点のY座標「b」、および半径「r」が未知数である。未知数が3つなので、図4に示すように円周上に存在する3つの座標が明らかになれば軌跡円を特定できる。具体的には、円周上の3点である(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)の座標値を用いた次の数式5~数式7からなる連立方程式を解くことで中心点の座標(a、b)が算出できる。
(x1-a)^2+(y1-b)^2=r^2 ・・・・(数式5)
(x2-a)^2+(y2-b)^2=r^2 ・・・・(数式6)
(x3-a)^2+(y3-b)^2=r^2 ・・・・(数式7)
なお軌跡円計算部42は、三相電流認識値を受信するたびにIα、Iβ1、Iβ2、およびIβ3を算出して出力し、中心点座標計算部43はその出力が3組以上揃うのを待ってから動作を開始してもよい。また軌跡円計算部42が三相電流認識値を複数受信してからIα、Iβ1、Iβ2、およびIβ3を算出してまとめて出力し、中心点座標計算部43は軌跡円計算部42からの出力を受信するたびに動作してもよい。
図5~図8を参照して、ドリフト故障と軌跡円の関係を具体的に説明する。また図5~図8では、第1軌跡円を実線と符号T1で示し、第2軌跡円を破線と符号T2で示し、第3軌跡円を一点鎖線と符号T3で示す。また、第1軌跡円T1の中心を符号C1で示し、また、第2軌跡円T2の中心を符号C2で示し、また、第3軌跡円T3の中心を符号C3で示す。
図5は、ドリフト故障が発生していない場合の軌跡円を示す図である。図5に示す例では、オフセットがいずれの相も0Aである。この場合は、いずれの軌跡円の中心も原点にあり、図5では軌跡円が重なっている。
図6は、U相にドリフト故障が発生している場合の軌跡円を示す図である。図6に示す例では、U相に正のオフセットが発生し、V相とW相はオフセットが0Aである。このとき、各軌跡円の中心C1~C3は、Iα軸方向にずれる。さらに、第2中心C2はIβ軸の負方向にずれて、第3中心C3はIβ軸の正方向にずれる。例えば、U相のオフセット量が+100Aの場合、各軌跡円の中心C1~C3は、Iα軸方向に(3/2)*100=+150Aずれる。また、第2中心C2はIβ軸方向に(√3/2)*(-100)=-87Aずれて、第3中心C3はIβ軸方向に(√3/2)*100=+87Aずれる。
図7は、V相にドリフト故障が発生している場合の軌跡円を示す図である。図7に示す例では、V相に正のオフセットが発生し、U相とV相はオフセットが0Aである。このとき、第1中心C1と第3中心C3はIβ軸の正方向にずれる。例えば、V相のオフセット量が+100Aの場合、第1中心C1はIβ軸方向に(√3/2)*100=+87Aずれて、第3中心C3はIβ軸方向に(√3/2)*(2*100)=+174Aずれる。
図8は、W相にドリフト故障が発生している場合の軌跡円を示す図である。図8に示す例では、W相に正のオフセットが発生し、U相とV相はオフセットが0Aである。このとき、第1中心C1と第2中心C2はIβ軸の負方向にずれる。例えば、W相のオフセット量が+100Aの場合、第1中心はIβ軸方向に(√3/2)*(-100)=-87Aずれて、第2中心C2はIβ軸方向に(√3/2)*(-2*100)=-174Aずれる。
図9は、図5~図8に示した軌跡円の中心座標の概略値を示す表である。図9より、U相故障の場合にはいずれの中心も原点になく、V相故障の場合には第2中心が原点にあり、W相故障の場合には第3中心が原点にあることがわかる。ただし図9に示す概略値は、オフセットが正の値の場合を示しており、オフセットが負の値の場合には図9に示すプラスとマイナスが逆になる。
故障相判定部44は、図5~図9を参照して説明した特徴に基づき、ドリフト故障が生じている相を特定する。すなわち故障相判定部44は、中心点座標計算部43が算出した全ての中心点が原点であれば故障なしと判断し、いずれかの中心点が原点からずれている場合には、原点からずれている中心点を特定することで故障相を判定する。具体的には故障相判定部44は、第1中心C1(a1、b1)、第2中心C2(a2、b2)、および第3中心C3(a3、b3)の全てが原点からずれている場合にU相故障と判断する。また故障相判定部44は、第1中心C1(a1、b1)および第3中心C3(a3、b3)のみが原点からずれている場合、換言すると第1中心C1(a1、b1)および第3中心C3(a3、b3)は原点からずれているが第2中心C2(a2、b2)は原点である場合にV相故障と判断する。さらに故障相判定部44は、第1中心C1(a1、b1)および第2中心C2(a2、b2)のみが原点からずれている場合、換言すると第1中心C1(a1、b1)および第2中心C2(a2、b2)は原点からずれており、第3中心C3(a3、b3)は原点である場合にW相故障と判断する。
なお故障相判定部44は、2相以上のドリフト故障を判定してもよい。たとえば図5~8に示した前提条件において、第1中心C1(a1、b1)が原点、第2中心C2(a2、b2)は(0、-174)、第3中心C3(a3、b3)は(0、174)の場合にはV相およびW相に+100Aのドリフト故障が発生していると判断できる。
図10は、電流補正部46に内蔵される補正表461を示す図である。補正表461には、ドリフト故障のモードと、電流補正部46の出力との関係が示されている。たとえば電流補正部46のU相の出力であるIu_cは、ほとんどの場合に電流センサ5が測定したU相の値であるIu_sを用い、U相故障時のみ、V相とW相の測定値を用いて「-Iv_s - IW_s」として表される。これは、三相の電流値の和がゼロになることを利用している。電流補正部46は、故障相判定部44が出力する判定結果と、補正表461と、三相電流認識値とを用いて、出力する各相の電流値を決定する。
図11は、軌跡円計算部42、中心点座標計算部43、故障相判定部44、異常通知部45、および電流補正部46の動作を示すフローチャートである。ステップS101では軌跡円計算部42は、電流センサ5から三相電流認識値を取得する。続くステップS102では軌跡円計算部42は、3つの軌跡円における円周上の座標値を算出する。具体的には軌跡円計算部42は、数式1~数式4に基づいて、Iα、Iβ1、Iβ2、およびIβ3を算出する。続くステップS103では中心点座標計算部43は、ステップS102における算出結果を用いて3つの軌跡円それぞれの中心座標を算出する。
続くステップS104では故障相判定部44は、図5~図9を参照して説明した特徴に基づき故障相を特定し、ステップS105に進む。ステップS105では故障相判定部44は、ステップS104において特定された故障相の数を判断し、故障相の数がゼロと判断する場合はステップS106に進み、故障相の数が1つと判断する場合はステップS107に進み、故障相の数が2つ以上と判断する場合はステップS108に進む。なおステップS106に進む場合は、故障相判定部44が判定結果を「正常」と出力するケースに相当し、ステップS108に進む場合は、故障相判定部44が判定結果を「二相以上の同時故障」と出力するケースに相当する。
ステップS106では電流補正部46は、補正表461における「正常時」の行を参照し、電流センサ5の測定値をそのまま出力し、図11に示す処理を終了する。ステップS108では異常通知部45および電流補正部46は、故障相が複数存在するため補正が不可能であることを示すエラーを出力して図11に示す処理を終了する。
ステップS107では電流補正部46は、ステップS104において故障相判定部44が特定した故障相に基づき、補正表461を参照して三相電流認識値を補正して出力する。たとえばステップS106において故障相判定部44がU相に故障が存在すると特定した場合には、補正表461における「U相故障時」の行を参照して各相の電流出力の情報を出力し、図11に示す処理を終了する。
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電力変換装置1は、U相、V相、およびW相の電流のそれぞれを、U相電流検出値Iu_s、V相電流検出値Iv_s、およびW相電流検出値Iw_sとして検出する電流センサ5と、電流センサ5が検出した三相電流認識値を、U相を基準とした二相の固定座標系の電流値である二相電流値IαとIβに変換する軌跡円計算部42と、軌跡円計算部42で変換された二相電流値に基づいて、電流センサ5においてドリフト故障が発生しているドリフト故障相を判定する故障相判定部44と、を備える。軌跡円計算部42は、U相電流検出値に基づき算出したα軸電流値Iαと、V相電流検出値およびW相電流検出値に基づき算出した第1β軸電流値Iβ1と、U相電流検出値およびW相電流検出値に基づき算出した第2β軸電流値Iβ2と、U相電流検出値およびV相電流検出値に基づき算出した第3β軸電流値Iβ3と、を算出する。中心点座標計算部43は、αβ座標系において、α軸電流値Iαおよび第1β軸電流値が描く軌跡円の中心である第1中心C1(a1、b1)と、α軸電流値Iαおよび第2β軸電流値が描く軌跡円の中心である第2中心C2(a2、b2)と、α軸電流値Iαおよび第3β軸電流値が描く軌跡円の中心である第3中心C3(a3、b3)と、を算出する。故障相判定部44は、第1中心C1(a1、b1)、第2中心C2(a2、b2)、および第3中心C3(a3、b3)の全てが原点からずれている場合にU相故障と判断し、第1中心C1(a1、b1)および第3中心C3(a3、b3)が原点からずれ、かつ第2中心C2(a2、b2)は原点である場合にV相故障と判断し、第1中心C1(a1、b1)および第2中心C2(a2、b2)が原点からずれ、かつ第3中心C3(a3、b3)は原点である場合にW相故障と判断する。そのため電力変換装置1は、電流センサ5が測定するいずれの相にドリフト故障が生じているかを特定できる。
(2)電力変換装置1は、故障相判定部44がいずれか1相に故障があると判断する場合に、故障が検出された相である故障相以外の電流値を用いて故障相の電流値を算出する電流補正部46を備える。そのため故障相以外の電流値を用いて回転電機9の制御を継続できる。
(変形例1)
故障相判定部44は、中心が原点からずれている軌跡円を特定することで故障相を特定した。しかし故障相判定部44は、軌跡円の中心がずれている方向を特定することで故障相を特定してもよい。具体的には、軌跡円の中心がα軸座標の正側にずれている場合はU相故障と特定し、軌跡円の中心がβ軸座標の正側にずれている場合はV相故障と特定し、軌跡円の中心がβ軸座標の負側にずれている場合はW相故障と特定してもよい。
(変形例2)
上述した実施の形態では、軌跡円計算部42、中心点座標計算部43、故障相判定部44、異常通知部45、および電流補正部46は、コントローラ4に内蔵されると説明した。しかし、軌跡円計算部42、中心点座標計算部43、故障相判定部44、異常通知部45、電流補正部46はコントローラ4以外に内蔵されてもよく、インバータ回路2に内蔵されてもよいし、インバータ回路2およびコントローラ4とは異なる個別の装置として構成されてもよい。
(変形例3)
上述した実施の形態では、電流補正部46は補正表461を備えた。しかし補正表461そのものを記憶する代わりに、補正表461に表されている事項を他の形式、たとえば条件式などで記憶することで同様の処理を行ってもよい。
上述した実施の形態および変形例において、機能ブロックの構成は一例に過ぎない。別々の機能ブロックとして示したいくつかの機能構成を一体に構成してもよいし、1つの機能ブロック図で表した構成を2以上の機能に分割してもよい。また各機能ブロックが有する機能の一部を他の機能ブロックが備える構成としてもよい。
上述した各実施の形態および変形例において、軌跡円計算部42、中心点座標計算部43、故障相判定部44、異常通知部45、および電流補正部46を実現するプログラムは不図示のROMに格納されるとしたが、プログラムは不図示の不揮発性メモリに格納されていてもよい。また、コントローラ4が不図示の入出力インタフェースを備え、必要なときに入出力インタフェースとコントローラ4が利用可能な媒体を介して、他の装置からプログラムが読み込まれてもよい。ここで媒体とは、例えば入出力インタフェースに着脱可能な記憶媒体、または通信媒体、すなわち有線、無線、光などのネットワーク、または当該ネットワークを伝搬する搬送波やディジタル信号、を指す。また、プログラムにより実現される機能の一部または全部がハードウエア回路やFPGAにより実現されてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…電力変換装置
4…コントローラ
5…電流センサ
42…軌跡円計算部
43…中心点座標計算部
44…故障相判定部
45…異常通知部
46…電流補正部
49…フィードバック制御部
461…補正表

Claims (4)

  1. U相、V相、およびW相の電流のそれぞれを、U相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値として検出する電流センサと、
    前記電流センサが検出したU相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値を、U相を基準とした二相の固定座標系の電流値である二相電流値に変換する軌跡円計算部と、
    前記軌跡円計算部で変換された前記二相電流値に基づいて、前記電流センサにおいてドリフト故障が発生しているドリフト故障相を判定する故障相判定部と、を備え、
    前記軌跡円計算部は、前記U相電流検出値に基づき算出したα軸電流値Iαと、前記V相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第1β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第2β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記V相電流検出値に基づき算出した第3β軸電流値と、を算出し、
    αβ座標系において、前記α軸電流値Iαおよび前記第1β軸電流値が描く軌跡円の中心である第1中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第2β軸電流値が描く軌跡円の中心である第2中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第3β軸電流値が描く軌跡円の中心である第3中心と、を算出する中心座標計算部をさらに備え、
    前記故障相判定部は、前記第1中心、前記第2中心、および前記第3中心の全てが原点からずれている場合にU相故障と判断し、前記第1中心および前記第3中心が原点からずれ、かつ第2中心は原点である場合にV相故障と判断し、前記第1中心および前記第2中心が原点からずれ、かつ第3中心は原点である場合にW相故障と判断する、電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置において、
    前記故障相判定部がいずれか1相に故障があると判断する場合に、故障が検出された相である故障相以外の電流値を用いて前記故障相の電流値を算出する電流補正部をさらに備える電力変換装置。
  3. U相、V相、およびW相の電流のそれぞれを、U相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値として検出する電流センサから前記U相電流検出値、前記V相電流検出値、および前記W相電流検出値を受信する電力変換装置が実行する故障相の判断方法であって、
    前記電流センサが検出したU相電流検出値、V相電流検出値、およびW相電流検出値を、U相を基準とした二相の固定座標系の電流値である二相電流値に変換する軌跡円計算ステップと、
    前記軌跡円計算ステップで変換された前記二相電流値に基づいて、前記電流センサにおいてドリフト故障が発生しているドリフト故障相を判定する故障相判定ステップと、を含み、
    前記軌跡円計算ステップにおいて、前記U相電流検出値に基づき算出したα軸電流値Iαと、前記V相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第1β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記W相電流検出値に基づき算出した第2β軸電流値と、前記U相電流検出値および前記V相電流検出値に基づき算出した第3β軸電流値と、を算出し、
    αβ座標系において、前記α軸電流値Iαおよび前記第1β軸電流値が描く軌跡円の中心である第1中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第2β軸電流値が描く軌跡円の中心である第2中心と、前記α軸電流値Iαおよび前記第3β軸電流値が描く軌跡円の中心である第3中心と、を算出する中心座標計算ステップをさらに含み、
    前記故障相判定ステップは、前記第1中心、前記第2中心、および前記第3中心の全てが原点からずれている場合にU相故障と判断し、前記第1中心および前記第3中心が原点からずれ、かつ第2中心は原点である場合にV相故障と判断し、前記第1中心および前記第2中心が原点からずれ、かつ第3中心は原点である場合にW相故障と判断する、故障相の判断方法。
  4. 請求項3に記載の故障相の判断方法において、
    前記故障相判定ステップにおいていずれか1相に故障があると判断する場合に、故障が検出された相である故障相以外の電流値を用いて前記故障相の電流値を算出する電流補正ステップをさらに含む、故障相の判断方法。
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JP2003333882A (ja) 2002-05-14 2003-11-21 Toyota Motor Corp 多相モータ用制御装置
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