JP7483113B2 - 合成開口レーダシステム - Google Patents
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Description
本開示は、複数の受信部によって多チャンネル化された合成開口レーダシステムに関する。
SAR(合成開口レーダ:Synthetic Aperture Radar)は、人工衛星、航空機などに搭載され、雲および霧を貫通し昼夜を問わず地表を観測可能なセンサである。SARは、地上に向けて電波を放射し、地上の物体からの散乱波を受信し画像化する。
近年、SARでは、SAR画像の広域化および高分解能化が求められている。これらを実現するために、非特許文献1に記載のSARシステムは、複数の受信部によって受信系が多チャンネル化された合成開口レーダを有している。
Y.Okada, S.Nakamura, K.Iribe, Y.Yokota, M.Tsuji, M.Tsuchida, K.Hariu, Y.Kankaku, S.Suzuki, Y.Osawa, and M.Shimada "SYSTEM DESIGN OF WIDE SWATH, HIGH RESOLUTION, FULL POLARIMIETORIC L-BAND SAR ONBOARD ALOS-2", 2013 IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium-IGARSS, 2013 IEEE International
SARが生成する画像であるSAR画像の信号強度は、主に観測対象の物体の種類によって決まる。このため、上記非特許文献1のSARシステムにおいて、多種類の物体を一度に画像化するには、SAR画像のダイナミックレンジを拡大することが求められる。
上記非特許文献1のSARシステムは、受信した信号に対して受信部でAD(Analog to Digital、アナログ-デジタル)変換を行なったうえで、SAR画像を生成する。AD変換は受信信号のレベル値を量子化するものである。AD変換可能な受信信号のレベルは、全入力範囲と基準レベルとによって決まる。全入力範囲は、AD変換可能な信号レベルの幅である。また、基準レベルは、全入力範囲の最小信号レベルである。全入力範囲外の信号がAD変換された場合には、信号は正しくAD変換されず信号の振幅または位相の情報が失われる。このため、ダイナミックレンジは、AD変換時の全入力範囲に対応している。したがって、上記非特許文献1のSARシステムが、ダイナミックレンジを拡大する場合、全入力範囲を拡大することが考えられる。
しかしながら、全入力範囲を拡大すると、データ量および信号処理に要するリソースが増大してしまうので、規模の大きなSARシステムが必要となる。このため、小さな規模の装置構成でダイナミックレンジを拡大してSAR画像の信号強度を高めることは困難であった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、小さな規模の装置構成でダイナミックレンジを拡大してSAR画像の信号強度を高めることができる合成開口レーダシステムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の合成開口レーダシステムは、送信波を放射して観測対象からの散乱波を受信する複数のアンテナが受信した散乱波のアナログ信号を第1の基準レベルで第1のデジタル信号に変換する第1の受信部と、アナログ信号を第1の基準レベルとは異なる第2の基準レベルで第2のデジタル信号に変換する第2の受信部と、を備えている。また、本開示の合成開口レーダシステムは、第1のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第1の信号部分を抽出するとともに、第2のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第2の信号部分を抽出し、第1の信号部分および第2の信号部分を合成して第3のデジタル信号を生成する信号合成部と、第3のデジタル信号に基づいて観測対象の画像化処理を実行する画像化処理部とを有した地上処理部に対し、第1、第2のデジタル信号を伝送する伝送部とを備えている。また、本開示の合成開口レーダシステムは、複数のアンテナが受信した散乱波に対応する信号である受信信号の少なくとも1つの位相を補正する位相補正部を備えている。位相補正部は、受信信号の位相の平均値を算出し、位相のそれぞれを、平均値に変更することで、受信信号のそれぞれの位相を補正する。
本開示によれば、小さな規模の装置構成でダイナミックレンジを拡大してSAR画像の信号強度を高めることができるという効果を奏する。
以下に、本開示にかかる合成開口レーダシステムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるSARシステムの構成を示す図である。合成開口レーダシステムであるSARシステム100Aは、SAR10Aと、地上処理部20Aとを備えている。
図1は、実施の形態1にかかるSARシステムの構成を示す図である。合成開口レーダシステムであるSARシステム100Aは、SAR10Aと、地上処理部20Aとを備えている。
SAR10Aは、人工衛星、航空機などに搭載される。SAR10Aは、信号処理部15Aと、アンテナ2と、独立した2つの伝送部5A,5Bとを有している。信号処理部15Aは、送信部1と、独立した2つの受信部3,4とを具備している。伝送部5Aは、受信部3に接続されており、伝送部5Bは、受信部4に接続されている。
なお、実施の形態1では、SAR10Aが2つの受信部3,4を具備する場合について説明するが、SAR10Aは、3つ以上の受信部を具備していてもよい。この場合も、SAR10Aは、受信部と同数の伝送部を具備する。
送信部1は、放射される電波の信号を生成しアンテナ2に送る。アンテナ2は、送信部1で生成された信号を、電波である送信波として空間に放射する。アンテナ2から放射された電波は、観測対象30で散乱される。観測対象30は、地上の物体である。
アンテナ2は、観測対象30で散乱された電波である散乱波をアナログ信号として受信する。アンテナ2は、受信したアナログ信号を受信部3,4に送る。受信部3,4は、受信したアナログ信号をAD変換する。第1の受信部である受信部3が用いるAD変換の際の基準レベルと、第2の受信部である受信部4が用いるAD変換の際の基準レベルとは異なっている。すなわち、受信部3は、アンテナ2が受信した散乱波のアナログ信号を第1の基準レベルで第1のデジタル信号に変換する。受信部4は、アンテナ2が受信した散乱波のアナログ信号を第2の基準レベルで第2のデジタル信号に変換する。SAR10Aは、3つ以上の受信部を具備する場合も、AD変換の際の基準レベルは、受信部毎に異なることとする。
受信部3は、AD変換した後のデジタル信号を伝送部5Aに送り、受信部4は、AD変換した後のデジタル信号を伝送部5Bに送る。伝送部5Aは、受信部3からのデジタル信号をアナログ信号に変換して地上処理部20Aに伝送し、伝送部5Bは、受信部4からのデジタル信号をアナログ信号に変換して地上処理部20Aに伝送する。
地上処理部20Aは、伝送部5A,5Bから受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を用いて、観測対象30を画像化する。なお、地上処理部20Aは、SAR10Aの内部に配置されていてもよい。
図2は、実施の形態1にかかるSARシステムが備える地上処理部の構成を示す図である。地上処理部20Aは、受信装置21と、信号合成部22と、画像化処理部23とを有している。
受信装置21は、アナログ信号を送受信するアンテナの機能と、受信したアナログ信号からデジタル信号を再生する受信部の機能とを有している。地上処理部20Aの前段に配置される、図示しないアンテナによって、伝送部5A,5Bからのアナログ信号が受信されると、このアナログ信号が、受信部でデジタル信号に変換され、信号合成部22に送られる。なお、以下の説明では、伝送部5A,5Bがデジタル信号をアナログ信号に変換する処理、および受信装置21がアナログ信号をデジタル信号に変換する処理の説明を省略する場合がある。すなわち、伝送部5A,5Bがデジタル信号をアナログ信号に変換してから伝送する処理を、伝送部5A,5Bがデジタル信号を伝送するという場合がある。また、地上処理部20Aが扱う信号を、伝送部5A,5Bからのデジタル信号という場合がある。信号合成部22は、デジタル信号のうち信号レベルが特定の時間変化しない部分の信号を飽和していると判断し、飽和していない信号を抽出する。信号合成部22は、抽出した信号を合成したデジタル信号を生成する。信号合成部22が合成したデジタル信号が第3のデジタル信号である。画像化処理部23は、信号合成部22が合成したデジタル信号に基づいて、観測対象30の画像化を実行する。
図3は、実施の形態1にかかるSARシステムにおける信号処理の処理手順を示すフローチャートである。送信部1は、信号を生成し、アンテナ2は、送信部1が生成した信号を電波である送信波として地上の観測対象30に向けて放射する(ステップS110)。
アンテナ2は、観測対象30で散乱された反射波を受信する(ステップS120)。受信部3は、アンテナ2が受信した反射波のアナログ信号を受信部3に設定されている独自の基準レベルを用いてAD変換する(ステップS130-1)。受信部4は、アンテナ2が受信した反射波のアナログ信号を受信部4に設定されている独自の基準レベルを用いてAD変換する(ステップS130-2)。
ここで、AD変換の概念について説明する。図4は、実施の形態1にかかるSARの受信部が実行するAD変換処理の概念を説明するための図である。なお、受信部3,4が実行するAD変換処理は、同様であるので、ここでは、受信部3が実行するAD変換処理の概念について説明する。また、ここでは、受信部3が、アナログ信号の一例である、アナログ信号510をAD変換する場合について説明する。
アンテナ2が受信するアナログ信号510は、時間とともに信号レベルが変化する。図4に示すアナログ信号510は、横軸が時間であり、縦軸が信号レベルである。受信部3は、アンテナ2が受信したアナログ信号510を標本化し(st1)、標本化した信号を量子化する(st2)ことで、AD変換処理を実行する。
標本化は、連続したアナログ信号510から特定の時間間隔Tで、パルス状の離散信号520を取り出す処理である。受信部3は、標本化の際には、アナログ信号510から基準レベルL0以上の離散信号520を取り出す。図4に示す離散信号520は、横軸が時間であり、縦軸が信号レベルである。
量子化は、連続量であるアナログ入力振幅を離散的値に当てはめる処理である。量子化では、全入力範囲および基準レベルL0に対して、標本化された値が当てはめられる。全入力範囲は、ダイナミックレンジD0に対応している。図4に示す量子化された信号である量子化信号530は、横軸が時間であり、縦軸が信号レベルである。
ここで、実施の形態1における具体的なAD変換方法について説明する。図5は、実施の形態1にかかるSARの受信部が実行するAD変換処理を説明するための図である。ここでは、ダイナミックレンジD0を超えるアナログ信号が受信部3,4に入力された場合のAD変換処理について説明する。
図5に示すアナログ信号31A,41A、デジタル信号31D,41D,70は、横軸が時間であり、縦軸が信号レベルである。アナログ信号31Aは、受信部3が受信したAD変換前の信号である。アナログ信号41Aは、受信部4が受信したAD変換前の信号である。デジタル信号31Dは、受信部3によるAD変換後の信号である。デジタル信号41Dは、受信部4によるAD変換後の信号である。
実施の形態1のSAR10Aが備える受信部3,4は、基準レベル間の基準レベルをずらしたうえで、受信部3,4で並列にAD変換する。図5では、受信部3が、基準レベルL1を用いてAD変換を実行し、受信部4が、基準レベルL1とは異なる基準レベルL2を用いてAD変換を実行する場合を示している。受信部3は、基準レベルL1を最低値とした全入力範囲D1を用いてAD変換を実行し、受信部4は、基準レベルL2を最低値とした全入力範囲D2を用いてAD変換を実行する。基準レベルL1と基準レベルL2とは異なる値であるので、全入力範囲D1と全入力範囲D2は異なる範囲である。
図5では、アナログ信号31Aの上側半分の信号レベルが全入力範囲となるよう全入力範囲D1が受信部3に設定され、アナログ信号41Aの下側半分の信号レベルが全入力範囲となるよう全入力範囲D2が受信部4に設定された場合を示している。
受信部3は、基準レベルL1および全入力範囲D1を用いてAD変換を実行することにより、アナログ信号31Aをデジタル信号31Dに変換する。受信部4は、基準レベルL2および全入力範囲D2を用いてAD変換を実行することにより、アナログ信号41Aをデジタル信号41Dに変換する。
SAR10Aでは、受信部3,4が、基準レベルL1,L2を変えてAD変換を実行しているので、異なるレベルのデジタル信号31D,41Dを得ることが可能である。すなわち、受信部3は、基準レベルL1でAD変換を実行し、受信部4は、基準レベルL2でAD変換を実行しているので、AD変換されたデジタル信号31Dと、AD変換されたデジタル信号41Dとは異なるレベルの信号となる。
このように、受信部3,4は、基準レベルL1,L2をずらしているので、受信部3,4では、異なるレベル範囲の信号をAD変換できる。これにより、受信部3,4は、基準レベルが同じである場合よりも広いレベル範囲の信号をAD変換することができる。
受信部3がAD変換した後のデジタル信号31Dは、伝送部5Aが、アナログ信号に変換したうえで地上処理部20Aに向けて伝送し(ステップS140-1)、受信部4がAD変換した後のデジタル信号41Dは、伝送部5Bが、アナログ信号に変換したうえで地上処理部20Aに向けて伝送する(ステップS140-2)。
信号合成部22は、伝送部5Aからのデジタル信号31Dのうち信号レベルが特定の時間変化しない部分の信号を飽和していると判断し、飽和していない信号を抽出する。また、信号合成部22は、伝送部5Bからのデジタル信号41Dのうち信号レベルが特定の時間変化しない部分の信号を飽和していると判断し、飽和していない信号を抽出する。信号合成部22が、デジタル信号31Dから抽出する信号が第1の信号部分であり、デジタル信号41Dから抽出する信号が第2の信号部分である。
信号合成部22は、基準レベルL1を用いて生成されたデジタル信号31Dのうちの飽和していない第1の信号部分と、基準レベルL2を用いて生成されたデジタル信号41Dのうちの飽和していない第2の信号部分とを足し合わせたデジタル信号70を生成する。すなわち、信号合成部22は、デジタル信号31D,41Dのうち飽和していない部分の信号を合成する(ステップS150)。
デジタル信号70は、デジタル信号31Dの全入力範囲D1とデジタル信号41Dの全入力範囲D2とを含んだダイナミックレンジDxを有している。すなわち、地上処理部20Aは、SAR10Aが受信したアナログ信号のダイナミックレンジを拡大させたダイナミックレンジDxのデジタル信号70を生成することができる。例えば、ダイナミックレンジDxが、全入力範囲D1と全入力範囲D2とを合わせた範囲となるよう、全入力範囲D1,D2および基準レベルL1,L2が受信部3,4に設定されている。受信部3,4へは、例えば、ダイナミックレンジを超えて入力されたアナログ信号の全信号レベルをカバーできるような全入力範囲D1,D2および基準レベルL1,L2が設定される。
なお、SAR10Aは、3つ以上の受信部を具備する場合も、各受信部がAD変換したデジタル信号の飽和していない部分を合成することで、SAR10Aが受信したアナログ信号のダイナミックレンジを拡大させたダイナミックレンジDxのデジタル信号70を生成することができる。
画像化処理部23は、デジタル信号70に基づいて、観測対象30の画像化処理を実行する(ステップS160)。
ここで、信号合成部22が、飽和していないデジタル信号を抽出する方法について説明する。信号合成部22は、例えば、事前に設定された、信号飽和レベルの閾値に基づいて、閾値以上の信号レベル以外のデジタル信号を、飽和していないデジタル信号として抽出する。換言すると、信号合成部22は、信号飽和レベルの閾値未満のデジタル信号を、飽和していないデジタル信号として抽出する。
また、信号合成部22は、信号レベルを時間微分した値を監視し、時間微分した値の絶対値が特定値以上になった場合を飽和開始時刻および飽和終了時刻と判断して、飽和していないデジタル信号を抽出してもよい。信号合成部22がデジタル信号31Dの信号レベルを時間微分した値が第1の値であり、信号合成部22がデジタル信号41Dの信号レベルを時間微分した値が第2の値である。
また、信号合成部22は、信号レベルを時間微分した値が特定時間以上0になるデジタル信号を飽和していると判断し、飽和しているデジタル信号以外を、飽和していないデジタル信号として抽出してもよい。
なお、飽和していないデジタル信号の抽出方法は、上述した方法に限らず、信号合成部22は、飽和していないデジタル信号を抽出できる方法であれば何れの方法で飽和していないデジタル信号を抽出してもよい。
ここで、基準レベルを変更することなくダイナミックレンジを拡大させる比較例のSARシステムについて説明する。比較例のSARシステムの場合、比較例のSARの受信部の全入力範囲を拡大させるので、受信部の全入力範囲の拡大に起因して、受信部の後段部分の信号処理に要するリソースが増大する。すなわち、比較例のSARの受信部によるAD変換処理に要するリソースが増大する。ここでのリソースは、信号処理を行うFPGA(Field-Programmable Gate Array)の個数、信号処理に要する計算時間、信号処理に要する消費電力などである。また、比較例のSARシステムの場合、比較例のSARの受信部の全入力範囲を拡大させるので、データ量が増加する。このデータ量の増加は、衛星などに搭載されたSARから地上処理部へのデータ伝送などの運用制約になる場合がある。
一方、実施の形態1では、SAR10Aが、異なる基準レベルL1,L2を用いてAD変換を実行したので、SAR10Aが受信したアナログ信号のダイナミックレンジを拡大させたダイナミックレンジDxのデジタル信号70を生成することができる。すなわち、SAR10Aは、リソースおよびデータ量を増大させる必要が無いのでハードウェアを増大させることなく、広いダイナミックレンジDxのデジタル信号70を生成することができる。
このように実施の形態1では、SARシステム100Aにおいて、アンテナ2が受信したアナログ信号31Aを受信部3の基準レベルL1でデジタル信号31DにAD変換し、アンテナ2が受信したアナログ信号41Aを受信部4の基準レベルL2でデジタル信号41DにAD変換している。そして、SARシステム100Aは、デジタル信号31D,41Dのうち信号レベルが飽和していない信号部分を抽出し、抽出した信号部分を合成してデジタル信号70を生成している。これにより、SARシステム100Aは、データ量およびハードウェア規模の増大を抑制しつつ、小さな規模の装置構成で受信時のダイナミックレンジをダイナミックレンジDxに拡大してSAR画像の信号強度を高めることが可能となる。
実施の形態2.
つぎに、図6および図7を用いて実施の形態2について説明する。実施の形態2では、SARが複数台のアンテナを備え、複数台のアンテナで電波の放射と、観測対象30で散乱された電波の受信とを行う。
つぎに、図6および図7を用いて実施の形態2について説明する。実施の形態2では、SARが複数台のアンテナを備え、複数台のアンテナで電波の放射と、観測対象30で散乱された電波の受信とを行う。
図6は、実施の形態2にかかるSARシステムの構成を示す図である。図6の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1のSARシステム100Aと同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
SARシステム100Bは、SAR10Bと、地上処理部20Aとを備えている。SAR10Bは、複数台のアンテナを備えている。実施の形態2では、SAR10Bが2台のアンテナ7,8を備える場合について説明するが、SAR10Bは3台以上のアンテナを備えていてもよい。また、SAR10Bは、信号処理部15Bおよび伝送部5A,5Bを備えている。
信号処理部15Bは、送信部1と、受信部3,4と、位相補正部9とを備えている。SARシステム100Bが、複数のアンテナ7,8を用いる場合、アンテナ7,8の位置によって受信信号の位相がずれる。このため、信号処理部15Bは、位相を補正する位相補正部9を有している。
位相補正部9は、アンテナ7,8に接続されるとともに、受信部3,4に接続されている。なお、SAR10Bでは、位相補正部9が受信部3,4よりも前段に接続されているが、位相補正部9は受信部3,4よりも後段に配置されてもよい。この場合、位相補正部9は、例えば、受信部3,4および伝送部5A,5Bに接続され、受信部3,4でAD変換された後のデジタル信号の位相を補正して伝送部5A,5Bに送る。また、位相補正部9は、地上処理部20Aの前段に接続されてもよい。この場合、位相補正部9は、地上のアンテナと地上処理部20Aとの間に接続され、位相を補正したデジタル信号を地上処理部20Aに送る。
位相補正部9がアンテナ7,8に接続される場合、アンテナ7,8が受信した散乱波に対応する受信信号は、アンテナ7,8が受信したアナログ信号である。位相補正部9が受信部3,4および伝送部5A,5Bに接続される場合、アンテナ7,8が受信した散乱波に対応する受信信号は、受信部3,4でAD変換されたデジタル信号である。位相補正部9が地上処理部20Aの前段に接続される場合、アンテナ7,8が受信した散乱波に対応する受信信号は、伝送部5A,5Bから送信され、位相補正部9に送られるデジタル信号である。
送信部1は、放射される電波の信号を生成しアンテナ7,8に送る。アンテナ7,8は、送信部1で生成された信号を、電波である送信波として空間に放射する。
アンテナ7,8は、観測対象30で散乱された電波である散乱波をアナログ信号として受信する。アンテナ7,8は、受信したアナログ信号を位相補正部9に送る。位相補正部9は、アンテナ7,8が受信したアナログ信号の位相を、アンテナ7,8の配置位置に応じた位相に補正する。位相補正部9は、位相を補正したアナログ信号を受信部3,4に送る。すなわち、位相補正部9は、アンテナ7が受信したアナログ信号の位相を補正して受信部3に送り、アンテナ8が受信したアナログ信号の位相を補正して受信部4に送る。
図7は、実施の形態2にかかるSARシステムにおける信号処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7で説明する処理のうち、図3で説明した処理と同様の処理については、その説明を省略する。
送信部1は、信号を生成する。アンテナ7は、送信部1が生成した信号を電波である送信波として地上の観測対象30に向けて放射し(ステップS210-1)、アンテナ8は、送信部1が生成した信号を電波である送信波として地上の観測対象30に向けて放射する(ステップS210-2)。
アンテナ7は、観測対象30で散乱された反射波を受信し(ステップS220-1)、アンテナ8は、観測対象30で散乱された反射波を受信する(ステップS220-2)。位相補正部9は、アンテナ7,8が受信した反射波のアナログ信号の位相を、アンテナ7,8の配置位置に応じた位相に補正する(ステップS230)。
受信部3は、アンテナ7が受信し位相が補正されたアナログ信号を受信部3に設定されている独自の基準レベルL1を用いてAD変換する(ステップS240-1)。受信部4は、アンテナ8が受信し位相が補正されたアナログ信号を受信部4に設定されている独自の基準レベルL2を用いてAD変換する(ステップS240-2)。
受信部3がAD変換したデジタル信号は、伝送部5Aが、アナログ信号に変換して地上処理部20Aに向けて伝送し(ステップS250-1)、受信部4がAD変換したデジタル信号は、伝送部5Bが、アナログ信号に変換して地上処理部20Aに向けて伝送する(ステップS250-2)。
受信装置21は、アンテナによって伝送部5A,5Bからのアナログ信号を受信し、受信部によってアナログ信号からデジタル信号を再生する。受信装置21は、再生したデジタル信号を信号合成部22に送る。信号合成部22は、伝送部5Aからのデジタル信号のうち信号レベルが特定の時間変化しない部分のデジタル信号を飽和していると判断し、飽和していないデジタル信号を抽出する。信号合成部22は、伝送部5Bからのデジタル信号のうち信号レベルが特定の時間変化しない部分のデジタル信号を飽和していると判断し、飽和していないデジタル信号を抽出する。信号合成部22は、抽出したデジタル信号を合成する。すなわち、信号合成部22は、伝送部5Aのデジタル信号から抽出した信号と、伝送部5Bのデジタル信号から抽出した信号とを合成する(ステップS260)。
信号合成部22が、合成によって生成するデジタル信号は、実施の形態1で説明したデジタル信号70と同様のデジタル信号である。画像化処理部23は、信号合成部22が合成したデジタル信号に基づいて、観測対象30の画像化処理を実行する(ステップS270)。
ここで、位相補正部9による位相の補正処理について説明する。位相補正部9は、アンテナ7,8で受信したアナログ信号の時間毎の位相を検出し、各アナログ信号の時間毎の位相の平均値を算出する。位相補正部9は、アンテナ7,8で受信したアナログ信号の位相を、各時間の平均値に変更することで、アンテナ7,8で受信したアナログ信号の位相を補正する。
なお、位相補正部9は、アンテナ7,8が受信したアナログ信号の特定期間における位相の変化を検出し、この特定期間における位相の中央値を算出してもよい。この場合、位相補正部9は、アンテナ7,8における特定時間の位相の各中央値が、アンテナ7における特定時間の位相の中央値と、アンテナ8における特定時間の位相の中心値との平均値になるように位相を補正する。
また、位相補正部9は、アンテナ7,8間の距離から予期される位相差に基づいて、アンテナ7,8が受信したアナログ信号の一方の位相が他方の位相と同じになるように、アンテナ7,8における受信信号の少なくとも一方の位相を補正してもよい。アンテナ7,8間の距離から予期される位相差は、位相補正部9が算出してもよいし、他の装置が算出して位相補正部9に設定しておいてもよい。
また、位相補正部9は、アンテナ7,8が受信したアナログ信号に対して参照関数を用いて相関をとり、相関度がピークになる時間(以下、ピーク時間という)を記録してもよい。この場合、位相補正部9は、記録した時間、すなわちアンテナ7,8におけるピーク時間を用いて位相補正処理を実行する。位相補正部9は、例えば、アンテナ7,8におけるピーク時間の平均時間が、アンテナ7,8におけるピーク時間となるように、位相を補正してもよい。また、位相補正部9は、アンテナ7,8における一方のピーク時間が、他方のピーク時間と同じになるように位相を補正してもよい。
なお、位相の補正方法は、上述した方法に限らず、位相補正部9は、アナログ信号またはデジタル信号の位相を検出し、位相を補正できる方法であれば何れの方法で位相を補正してもよい。
このように実施の形態2によれば、SARシステム100Bが、位相補正部9を備えているので、アンテナ7,8のようにアンテナを複数有するシステムにおいても、小さな規模の装置構成でダイナミックレンジDxを拡大してSAR画像の信号強度を高めることが可能となる。
実施の形態3.
つぎに、図8および図9を用いて実施の形態3について説明する。実施の形態3では、SARが、デジタル信号から飽和していないデジタル信号を抽出して合成した後に、地上処理部に伝送する。
つぎに、図8および図9を用いて実施の形態3について説明する。実施の形態3では、SARが、デジタル信号から飽和していないデジタル信号を抽出して合成した後に、地上処理部に伝送する。
図8は、実施の形態3にかかるSARシステムの構成を示す図である。図8の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1のSARシステム100Aと同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
SARシステム100Cは、SAR10Cと、地上処理部20Cとを備えている。SAR10Cは、アンテナ2と、信号処理部15Cと、伝送部5Cとを備えている。信号処理部15Cは、送信部1と、受信部3,4と、信号合成部6とを備えている。
信号合成部6は、受信部3,4に接続されており、受信部3,4でAD変換されたデジタル信号を合成し、伝送部5Cに送る。伝送部5Cは、信号合成部6で合成されたデジタル信号を、地上処理部20Cに伝送する。地上処理部20Cは、伝送部5Cから受信したデジタル信号を用いて、観測対象30を画像化する。
図9は、実施の形態3にかかるSARシステムが備える地上処理部の構成を示す図である。地上処理部20Cは、画像化処理部23を有している。すなわち、地上処理部20Cは、地上処理部20Aと比較して、信号合成部22を有していない。画像化処理部23は、伝送部5Cから受信したデジタル信号に基づいて、観測対象30の画像化を実行する。
図10は、実施の形態3にかかるSARシステムにおける信号処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図10で説明する処理のうち、図3で説明した処理と同様の処理については、その説明を省略する。
アンテナ2は、送信部1が生成した信号を電波である送信波として地上の観測対象30に向けて放射する(ステップS310)。アンテナ2は、観測対象30で散乱された反射波を受信する(ステップS320)。
受信部3は、アンテナ2が受信した反射波のアナログ信号を受信部3に設定されている独自の基準レベルL1を用いてAD変換する(ステップS330-1)。受信部4は、アンテナ2が受信した反射波のアナログ信号を受信部4に設定されている独自の基準レベルL2を用いてAD変換する(ステップS330-2)。
信号合成部6は、受信部3,4でAD変換されたデジタル信号を合成する(ステップS340)。伝送部5Cは、信号合成部6で合成されたデジタル信号を、アナログ信号に変換して地上処理部20Cに伝送する(ステップS350)。受信装置21は、アナログ信号を受信するとデジタル信号に変換し、画像化処理部23は、デジタル信号を用いて、観測対象30の画像化処理を実行する(ステップS360)。このように、SARシステム100Cでは、SARシステム100Aと比較して、SAR10Cが、デジタル信号を合成した後に、地上処理部20Cにデジタル信号を伝送している。
このように実施の形態3によれば、SARシステム100CにおいてSAR10Cが信号合成部6を備えているので、SAR10Cの軌道上でもデジタル信号の合成処理を実施することができる。
ここで、信号処理部15A~15Cのハードウェア構成について説明する。図11は、実施の形態1から3にかかるSARが備える信号処理部を実現するハードウェア構成の第1例を示す図である。図12は、実施の形態1から3にかかるSARが備える信号処理部を実現するハードウェア構成の第2例を示す図である。なお、信号処理部15A~15Cは、同様のハードウェア構成を有しているので、ここでは信号処理部15Aのハードウェア構成について説明する。
信号処理部15Aは、図11に示したプロセッサ501、メモリ502、およびインタフェース504により実現することができる。プロセッサ501は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ502は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などである。
信号処理部15Aは、プロセッサ501が、メモリ502で記憶されている信号処理部15Aの動作を実行するための、コンピュータで実行可能な、信号処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。信号処理部15Aの動作を実行するためのプログラムである信号処理プログラムは、信号処理部15Aの手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
信号処理部15Aで実行される信号処理プログラムは、送信部1と、受信部3,4とを含むモジュール構成となっており、これらが主記憶装置上にロードされ、これらが主記憶装置上に生成される。
メモリ502は、プロセッサ501が各種処理を実行する際の一時メモリに使用される。また、メモリ502は、AD変換されたデジタル信号などを記憶する。インタフェース504は、アンテナ2からアナログ信号を受信するとともに、伝送部5A,5Bにデジタル信号を送信する。
信号処理プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
なお、図11に示すプロセッサ501およびメモリ502は、図12に示す処理回路503に置き換えられてもよい。処理回路503は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。なお、信号処理部15Aの機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 送信部、2,7,8 アンテナ、3,4 受信部、5A,5B,5C 伝送部、6 信号合成部、9 位相補正部、10A~10C SAR、15A~15C 信号処理部、20A,20C 地上処理部、21 受信装置、22 信号合成部、23 画像化処理部、30 観測対象、31A,41A,510 アナログ信号、31D,41D,70 デジタル信号、100A~100C SARシステム、501 プロセッサ、502 メモリ、503 処理回路、504 インタフェース、520 離散信号、530 量子化信号、D1,D2 全入力範囲、Dx ダイナミックレンジ、L0~L2 基準レベル。
Claims (4)
- 送信波を放射して観測対象からの散乱波を受信する複数のアンテナが受信した前記散乱波のアナログ信号を第1の基準レベルで第1のデジタル信号に変換する第1の受信部と、
前記アナログ信号を前記第1の基準レベルとは異なる第2の基準レベルで第2のデジタル信号に変換する第2の受信部と、
前記第1のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第1の信号部分を抽出するとともに、前記第2のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第2の信号部分を抽出し、前記第1の信号部分および前記第2の信号部分を合成して第3のデジタル信号を生成する信号合成部と、前記第3のデジタル信号に基づいて前記観測対象の画像化処理を実行する画像化処理部とを有した地上処理部に対し、前記第1、第2のデジタル信号を伝送する伝送部と、
複数の前記アンテナが受信した前記散乱波に対応する信号である受信信号の少なくとも1つの位相を補正する位相補正部と、
を備え、
前記位相補正部は、
前記受信信号の位相の平均値を算出し、前記位相のそれぞれを、前記平均値に変更することで、前記受信信号のそれぞれの位相を補正する、
ことを特徴とする合成開口レーダシステム。 - 送信波を放射して観測対象からの散乱波を受信する複数のアンテナが受信した前記散乱波のアナログ信号を第1の基準レベルで第1のデジタル信号に変換する第1の受信部と、
前記アナログ信号を前記第1の基準レベルとは異なる第2の基準レベルで第2のデジタル信号に変換する第2の受信部と、
前記第1のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第1の信号部分を抽出するとともに、前記第2のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第2の信号部分を抽出し、前記第1の信号部分および前記第2の信号部分を合成して第3のデジタル信号を生成する信号合成部と、前記第3のデジタル信号に基づいて前記観測対象の画像化処理を実行する画像化処理部とを有した地上処理部に対し、前記第1、第2のデジタル信号を伝送する伝送部と、
複数の前記アンテナが受信した前記散乱波に対応する信号である受信信号の少なくとも1つの位相を補正する位相補正部と、
を備え、
前記位相補正部は、
前記受信信号の特定期間における位相の変化の中央値を算出するとともに、前記中央値の平均値を算出し、前記位相のそれぞれを、前記平均値に変更することで、前記受信信号のそれぞれの位相を補正する、
ことを特徴とする合成開口レーダシステム。 - 送信波を放射して観測対象からの散乱波を受信する複数のアンテナが受信した前記散乱波のアナログ信号を第1の基準レベルで第1のデジタル信号に変換する第1の受信部と、
前記アナログ信号を前記第1の基準レベルとは異なる第2の基準レベルで第2のデジタル信号に変換する第2の受信部と、
前記第1のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第1の信号部分を抽出するとともに、前記第2のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第2の信号部分を抽出し、前記第1の信号部分および前記第2の信号部分を合成して第3のデジタル信号を生成する信号合成部と、前記第3のデジタル信号に基づいて前記観測対象の画像化処理を実行する画像化処理部とを有した地上処理部に対し、前記第1、第2のデジタル信号を伝送する伝送部と、
複数の前記アンテナが受信した前記散乱波に対応する信号である受信信号の少なくとも1つの位相を補正する位相補正部と、
を備え、
前記位相補正部は、
複数の前記アンテナ間の距離に基づいて算出された前記受信信号のそれぞれの位相差に基づいて、前記受信信号の少なくとも1つの位相を補正する、
ことを特徴とする合成開口レーダシステム。 - 送信波を放射して観測対象からの散乱波を受信する複数のアンテナが受信した前記散乱波のアナログ信号を第1の基準レベルで第1のデジタル信号に変換する第1の受信部と、
前記アナログ信号を前記第1の基準レベルとは異なる第2の基準レベルで第2のデジタル信号に変換する第2の受信部と、
前記第1のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第1の信号部分を抽出するとともに、前記第2のデジタル信号のうち信号レベルが飽和していない第2の信号部分を抽出し、前記第1の信号部分および前記第2の信号部分を合成して第3のデジタル信号を生成する信号合成部と、前記第3のデジタル信号に基づいて前記観測対象の画像化処理を実行する画像化処理部とを有した地上処理部に対し、前記第1、第2のデジタル信号を伝送する伝送部と、
複数の前記アンテナが受信した前記散乱波に対応する信号である受信信号の少なくとも1つの位相を補正する位相補正部と、
を備え、
前記位相補正部は、
前記受信信号に対して参照関数を用いて相関をとり、相関度がピークになる時間を用いて前記受信信号の少なくとも1つの位相を補正する、
ことを特徴とする合成開口レーダシステム。
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