JP7482507B2 - 貫通孔形成用ガイド治具、貫通孔形成方法及びガス栓取付装置 - Google Patents
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Description
ガス栓取付金具は、壁板の室内側に配置される表枠体と、壁板の室外側に配置されガス栓を保持するとともに壁板に対して接近離間するよう移動可能である裏枠体と、を有し、壁板に形成される貫通孔を介して連結された表枠体と裏枠体とにより壁板を挟持してガス栓を壁板に固定するものである。
上記ガイド治具は、上記貫通孔の形成時に上記板材の室外側に上記ホルダと向かい合わせに配置され、上記貫通孔に対応する形状のガイド孔を有する枠本体を備え、上記枠本体は、上記ホルダを上記板材から離間させるスペーサを有することを特徴とする。
上記構成によれば、ガイド孔の縁をなす仕切り板及び外枠の少なくとも何れかにスペーサが設けられることにより、ガイド孔に対応する位置でホルダの離間空間を確保することができる。
上記構成によれば、スペーサの切除によりホルダを板材に接近移動させることが可能となる。
上記構成によれば、スペーサの切除により板材へ接近移動可能となったホルダを板材に近接又は当接させることができ、ひいては、ガス栓を板材の近くに配置させることができる。これにより、ガス栓が奥深い位置にあることを避け、ガスホースが接続しにくくなることを避けることができる。例えば、貫通孔形成時に、板材から離間させたホルダにガス栓をその一部を室内方向に突出させて保持させておき、貫通孔形成後に、スペーサを切除してホルダを板材に当接させれば、突出するガス栓の一部を貫通孔内に配置することも可能である。
上記板材の室内側に配置される固定板と、
上記板材の室外側に配置され上記ガス栓を保持するとともに上記板材に対して接近離間するように移動可能であるホルダと、
上記板材に形成される貫通孔を介して上記固定板と上記ホルダを連結する連結手段と、を備え、
連結された上記固定板と上記ホルダとにより上記板材を挟持して上記ガス栓を上記板材に固定するガス栓取付装置において、
上記板材に貫通孔を形成するためのガイド治具をさらに備え、
上記ガイド治具は、上記板材の室外側に上記ホルダと向かい合わせに配置される枠本体を有し、
この枠本体は、上記貫通孔に対応する形状のガイド孔と、上記ホルダを上記板材から離間させるスペーサとを有することを特徴とする。
上記ホルダに上記ガス栓を保持させる工程と、
上記ホルダを、室外側にある支持部材に直接又は間接的に、室内外方向に移動可能に支持させる工程と、
上記ホルダを上記板材への固定位置よりも奥側に配置する工程と、
上記ホルダの手前側に、上記貫通孔に対応する大きさのガイド孔を有するガイド治具を配置する工程と、
上記板材を施工する工程と、
施工された上記板材を室内側から上記ガイド治具のガイド孔に沿って切り欠いて切除し上記貫通孔を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする。
以下、この発明の第1実施形態について図1~図13を参照して説明する。本実施形態は、室内外を隔てる板材として壁板にガス栓取付用の貫通孔を形成するための、ガイド治具及び方法、並びに、その壁板へのガス栓取付装置に、この発明を適用したものである。
尚、以下の説明において、壁板の室内外方向における室内側を前側(手前側)とし、室外側を後側(奥側)として説明する。また、左右は、室内から室外側を見たときの左右を意味する。
ガス栓取付装置1は、図1、図13(B)に示すようにその構成部材として、ブラケット10と、ガス栓3を保持するホルダ20と、固定板30と、ガイド治具40と、を含むことができる。ブラケット10、ホルダ20及び固定板30は、金属製の板材をプレス加工、打ち抜き加工することにより形成されている。
ブラケット10について図5を参照して説明する。ブラケット10は、固定板部11、連結板部12、支持板部13、ストッパ板部14を有している。
ストッパ板部14は、ホルダ20が前方から当接することにより、ホルダ20の後方移動を規制するものである。
図6に示すホルダ20は、底板21と、底板21の左右の側部から前方に延びる側板22L,22Rを有している。底板21と左右の側板22L,22Rとは直角をなしており、ホルダ20は、前部と上下部が開放された形状をなしている。
図7に示す固定板30は、外形が角丸四角形状をなしており、内部に開口30aが形成されている。固定板30は、壁板2aの室内側に貫通孔2cを囲むように配置される(図13(A)参照)。
ガイド治具40について図2~図4を参照して説明する。
ガイド治具40は、壁板2aの室外側に配置され、壁板2aを施工する時には、ホルダ20の前方移動を防止し、壁板2aを施工した後には、貫通孔2cを切り欠くための案内となるものである。
枠本体41は、外枠43と2つの仕切り板44,44を有している。外枠43は、左右の縦枠部43v,43vと上下の横枠部43h,43hにより構成され、外枠43の内周縁により窓孔43aが形成されている。
また、各仕切り板44の上下方向中間部には、架橋部47が設けられ、縦枠部43v,43vのうちの近い距離にある一方まで延びている。各架橋部47の先端部は、裏面側に形成された切欠き47aにより肉薄になっており、外枠43から破断されやすくなっている。
上側の逃げ凹部43bは、正立させたホルダ20に左にずれて固定されたガス栓3の上方に延びる接続部3cに対応して横枠部43hの左右方向において左にずれて形成されている。下側の逃げ凹部43bは、上下を逆にしたホルダ20に右にずれて固定されたガス栓3の下方に延びる接続部3cに対応して右にずれて形成されている。
上記構成のガス栓取付装置1を用いた、壁板2aへのガス栓3の取付け方法について、図1、図8~図13を参照して説明する。
この取付け方法は、壁板2aを施工する前に、ガス栓3を間柱2bに仮取付けしておき、壁板2aを施工した後に、ガス栓3の位置に合わせて壁板2aに貫通孔2cを形成してガス栓3を壁板2aに固定する方法である。
初めに、図8(A)に示すように、壁板2aの施工前に、ブラケット10を間柱2bに固定するため、固定板部11を間柱2bに突き当て、取付孔11a、11a(図5)に挿通させた木ねじ6,6を間柱2bにねじ込む。
尚、左の側板22L側をブラケット10に係合させているため、ガス栓3の位置は、ホルダ20において左にずれている。
固定片部42の裏側の凹溝42aをブラケット10の連結板部12に係合させると、ガイド治具40は、上下方向に位置決めされ、左右方向にのみ移動可能となる。このとき、図9(B)に示すように、右フランジ部25及び左フランジ部26に係止された4つのボルト7のそれぞれが、対応する規制片部46cの外側に位置している。
次に、図10に示すように、壁板2aを施工して貫通孔2cを形成する。
先ず、貫通孔2cが形成されていない壁板2aを施工して間柱2bに支持させる。その後、壁板2aに貫通孔2cを形成するために、室内側から、壁板2aにおけるガイド治具40のガイド孔45内側に相当する位置に、ドリル等の工具で穴を開ける。この穴にのこぎり又はカッター等の工具を挿入させ、ガイド孔45に沿わせてガイド孔45の形状に壁板2aを切り欠いて切除する。これにより、貫通孔2cが形成される。
次に、ホルダ20の前方移動を可能にするために、ガイド治具40の仕切り板44を外枠43から分離してスペーサ46を切除する。この分離のためには、図10(B)に示すように、室内側から貫通孔2cを介して、ドライバ5等の工具をスペーサ46の係合部46b内に挿通して係合させ手前側にこじる。これにより、仕切り板44の切欠き44a及び架橋部47の切欠き47aを破断させ、仕切り板44が外枠43から分離され、スペーサ46が切除される(図11(B)参照)。これにより、ホルダ20を壁板2aに接近移動させることが可能となる。
さらに、右フランジ部25及び左フランジ部26に螺合された4つのボルト7を退行させ(図12参照)、各ボルト7の頭部を、貫通孔2cを越えて壁板2aの前方に突出させる。
次に、図13に示すように固定板30とホルダ20とを連結して壁板2aを挟持させる。
先ず、図12に示すように、固定板30の右枠31の内側に右フランジ部25から延びるボルト7,7が位置し、左枠32の外側に左フランジ部26から延びるボルト7,7が位置するように、固定板30を配置する。このとき、右の各ねじ挿通孔36と左の各ねじ挿通孔37の開放された一端を、各ボルト7の軸部に近づけるとともに、位置決め突部38の先端を位置決め穴27に差し入れる。
図14~図16は、この発明の第2実施形態を示す。本実施形態のガイド治具40Aは、外枠43の内側に仕切り板44を1つ有してガイド孔45を形成し、ガイド孔45の縁をなす外枠43と仕切り板44とにスペーサ46を有している。
ガイド治具40Aでは、1つの仕切り板44が、固定片部42側の縦枠部43vの内側に設けられ、窓孔43aを2つに分割している。ガイド孔45は、仕切り板44と、横枠部43h,43hと、固定片部42とは反対側の縦枠部43vとに囲まれた部分により形成されている。
縦枠部43vに設けられたスペーサ46は、仕切り板44のスペーサ44と同様に、突出基部46aと、2つの係合部46bと、各係合部46bに設けられた規制片部46cとを有している。スペーサ46が設けられた縦枠部43vの上端部及び下端部は、それぞれ、一側面と裏面に形成された切欠き43cにより肉薄で破断されやすくなっている。これにより、この縦枠部43v及びそのスペーサ46は切除可能である。
本実施形態では、ガス栓3の仮取付けにおいて、ガイド治具40Aをブラケット10に固定したとき、ガイド治具40Aの上側の横枠部43hにおけるスペーサ46の係合部46bを、ホルダ20の右フランジ25の上側の突出片25aに当接させてもよく、下側の横枠部43hの係合部46bを、左フランジ26の下側の突出片26aに当接させてもよい。
壁板2aの施工、貫通孔2cの形成の後、スペーサ46を、ガイド孔45を形成する一方の縦枠部43v、仕切り板44、又は横枠部43h,43hの一部とともに切除して、すべてのスペーサ46を切除する。これにより、ホルダ20をガス栓3の固定位置に向けて前方に移動させることが可能になるとともに、ホルダ20の前端部が外枠43の内側を通ることが可能になる。
ホルダ20と固定板30による壁板2aの挟持により、ガス栓3は壁板2aに固定される。このとき、ガス栓3の接続部3c(図1参照)は、横枠部43hの一部が切除されているので、外枠43との干渉を避けることができる。そのため、第1実施形態で横枠部43hに形成した逃げ凹部43b(図12)を設ける必要はない。
上記実施形態によれば、室内外を隔てる壁板2aへのガス栓3を取り付けるための貫通孔2cの形成を、ガス栓3を壁板2aから離間させた状態で行うことができる。
ガイド治具において、ガイド孔45の縁をなす横枠部43hにのみスペーサを設けてもよく、ガイド孔45の縁をなす縦枠部43vにのみスペーサを設けてもよい。
上記実施形態では、スペーサ46は、仕切り板44、縦枠部43v又は横枠部43hとともに切除されるが、スペーサ46が、仕切り板44、縦枠部43v又は横枠部43hから切除されるようにしてもよい。
上記実施形態では、ブラケット10を、壁板2a(板材)を室外側から支持する支持部材として間柱2bに固定させているが、柱、桟等に固定させてもよい。
ガス栓3を、室内外を隔てる板材として床板に取り付けることもできる。
一方の仕切り板44から近い方の縦枠部43vに延びる架橋部47を複数設けてもよい。
ホルダ20を直接間柱等に支持させてもよい。
2a 壁板(板材)
2b 間柱
2c 貫通孔
3 ガス栓
3b プラグ部
3c 接続部
4 ボルト
5 ドライバ
6 木ねじ
7 ボルト(連結手段)
8 ボルト
10 ブラケット
11 固定板部
11a 取付孔
12 連結板部
12a ねじ孔
12b 係合片挿通孔
13 支持板部
13a 案内溝
14 ストッパ板部
16,17 肉抜き穴
20 ホルダ
21 底板
22L 左の側板
22R 右の側板
23 ガス栓固定片
24 係合片
24a 係合板部
24b 抜け止め板部
25 右フランジ部
25a 突出片
25b ねじ孔
26 左フランジ部
26a 突出片
26b ねじ孔
27 位置決め穴
30 固定板
30a 開口
31 右枠
32 左枠
36,37 ねじ挿通孔
38 位置決め突部
40,40A ガイド治具
41 枠本体
42 固定片部
42a 凹溝
42b,42c ねじ挿通孔
43 外枠
43a 窓孔
43v 縦枠部
43h 横枠部
43b 逃げ凹部
43c 切欠き
44 仕切り板
44a 切欠き
45 ガイド孔
46 スペーサ
46a 突出基部
46b 係合部
46c 規制片部
47 架橋部
47a 切欠き
Claims (6)
- 室内外を隔てる板材にガス栓取付装置によるガス栓取付け用の貫通孔を形成するためのガイド治具であって、上記ガス栓取付装置は、上記板材の室内側に配置される固定板と、上記板材の室外側に配置され上記ガス栓を保持するとともに上記板材に対して接近離間するよう移動可能であるホルダとを有し、上記板材に形成される貫通孔を介して連結された上記固定板とホルダとにより上記板材を挟持して上記ガス栓を上記板材に固定するものであり、
上記貫通孔の形成時に上記板材の室外側に上記ホルダと向かい合わせに配置され、上記貫通孔に対応する形状のガイド孔を有する枠本体を備え、
上記枠本体は、上記ホルダを上記板材から離間させるスペーサを有することを特徴とする貫通孔形成用ガイド治具。 - 上記枠本体は、外枠と、この外枠の内周縁に連なり上記外枠を分割する仕切り板とを有し、
上記外枠の内側における上記仕切り板で分割された部分により上記ガイド孔が形成され、
上記ガイド孔の縁をなす上記仕切り板及び外枠の少なくとも何れかに上記スペーサが上記外枠の軸線方向において上記外枠よりも突出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の貫通孔形成用ガイド治具。 - 上記スペーサは切除可能であることを特徴とする請求項2に記載の貫通孔形成用ガイド治具。
- 上記スペーサは、上記仕切り板に設けられた場合には上記仕切り板とともに、上記外枠に設けられた場合には上記外枠の一部とともに、切除可能であり、
上記スペーサが切除された上記枠本体の外枠の内側に、上記ホルダの上記板材側が進入可能であることを特徴とする請求項3に記載の貫通孔形成用ガイド治具。 - 室内外を隔て貫通孔が形成される板材にガス栓を取り付ける装置であって、
上記板材の室内側に配置される固定板と、
上記板材の室外側に配置され上記ガス栓を保持するとともに上記板材に対して接近離間するように移動可能であるホルダと、
上記板材に形成される貫通孔を介して上記固定板と上記ホルダを連結する連結手段と、を備え、
連結された上記固定板と上記ホルダとにより上記板材を挟持して上記ガス栓を上記板材に固定するガス栓取付装置において、
上記板材に貫通孔を形成するためのガイド治具をさらに備え、
上記ガイド治具は、上記板材の室外側に上記ホルダと向かい合わせに配置される枠本体を有し、
この枠本体は、上記貫通孔に対応する形状のガイド孔と、上記ホルダを上記板材から離間させるスペーサとを有することを特徴とするガス栓取付装置。 - 室内外を隔てる板材にガス栓取付装置によるガス栓の取付けのための貫通孔を形成する方法であって、上記ガス栓取付装置は、上記ガス栓を保持して支持部材に支持され室外側から上記板材に上記貫通孔の周縁で固定されるホルダを有するものであり、
上記ホルダに上記ガス栓を保持させる工程と、
上記ホルダを、室外側にある上記支持部材に直接又は間接的に、室内外方向に移動可能に支持させる工程と、
上記ホルダを上記板材への固定位置よりも奥側に配置する工程と、
上記ホルダの手前側に、上記貫通孔に対応する大きさのガイド孔を有するガイド治具を配置する工程と、
上記板材を施工する工程と、
施工された上記板材を室内側から上記ガイド治具のガイド孔に沿って切り欠いて切除し上記貫通孔を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする貫通孔形成方法。
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