JP7481024B2 - 魚類忌避具及び海藻養殖方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特定箇所に魚類が近づかないようにする魚類忌避具と、これを用いた海藻養殖方法とに関する。
海苔は、日本人の食卓に欠かせない重要な食材である。このため、日本では、九州から東北に亘る広い範囲で海苔が養殖されている。しかし、近年、海苔の価格が上昇している。養殖海苔の食害によって、海苔の不作傾向が続いていることがその要因となっている。日本の海苔生産の大半を担っている有明海(九州)や瀬戸内海(中四国)においても、食害による甚大な被害が報告されている。
海苔の食害の拡大は、海水温の上昇と密接につながっている。すなわち、近頃の海水温の上昇によって、海苔の繁殖期である冬場でも海水温が下がりにくくなっている。このため、寒い時期には不活発であるはずのアイゴやクロダイ等の魚類が、冬場でも活発に動き回り、養殖途中の海苔を食べるようになっている。
このような実状に鑑みて、各地の海苔養殖場では、海苔の養殖網(いわゆる海苔網)に魚類が近づかないようにするために、様々な対策を試している。しかし、いずれの対策も、効果が乏しかったり、コストがかかり過ぎたりして、実用的なものではなかった。
例えば、特許文献1には、海中にスピーカーを沈め、そのスピーカーから音を発することで、養殖網に魚類が近づかないようにする工夫が記載されている。しかし、海中に沈めても動作するスピーカー(水中スピーカー)は、非常に高価であるし、故障する可能性もある。加えて、スピーカーを動作させるには、電力が必要である。このため、陸上と海上とを電気ケーブルで接続するか、海上に、発電装置やバッテリーを設置する必要がある。そもそも、音によって魚類をどこまで忌避できるのかについても疑義がある。
特開2002-247926号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、構造が簡素で施工が容易でありながらも、魚類の忌避作用に優れた魚類忌避具を提供するものである。また、この魚類忌避具を用いた海苔養殖方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
魚類を忌避させる魚類忌避具であって、
水中で揺らめくことで魚類を威嚇する威嚇用帯状部材と、
威嚇用帯状部材を水面付近から水中に吊り下げた状態で支持するための吊り下げ部材と
を備えたことを特徴とする魚類忌避具
を提供することによって解決される。
本発明の魚類忌避具を施工すると、水中に吊り下げられた威嚇用帯状部材が、水流(潮流や川の流れ等)を受けて水中で揺らめくようになる。このため、威嚇用帯状部材の動きで魚を驚かせ、魚類忌避具の近くに来ないようにすることができる。また、本発明の魚類忌避具は、威嚇用帯状部材と吊り下げ部材で構成された非常にシンプルな構造のものとなっている。このため、本発明の魚類忌避具は、安価であるだけでなく、故障の心配もないものとなっている。さらに、本発明の魚類忌避具は、吊り下げ部材を所定箇所に取り付けるという簡単な作業で施工できるものとなっている。
本発明の魚類忌避具において、威嚇用帯状部材は、ある程度の長さを有する帯状のものであれば、その素材を特に限定されない。しかし、威嚇用帯状部材を柔らかい部材で形成すると、威嚇用帯状部材が、もつれたり、他の部材に絡んだりするおそれがある。一方、威嚇用帯状部材を硬い部材で形成すると、水中で揺らめく威嚇用帯状部材が単調な動きしかしなくなり、威嚇効果が奏されにくくなるおそれがある。このため、威嚇用帯状部材は、硬質でありながらも曲げ弾性を有する部材によって形成することが好ましい。このような部材としては、金属板を帯状に形成したもの等が例示される。これにより、威嚇用帯状部材のもつれや絡みを抑えながらも、水流を受けて揺らめく威嚇用帯状部材に波打つような複雑な動きを行わせ、魚類に対する威嚇効果を高めることも可能になる。
本発明の魚類忌避具において、威嚇用帯状部材の表面は、光沢を有さない仕上がりとしてもよいが、光沢を有する仕上がりとすることが好ましい。これにより、威嚇用帯状部材の表面で光が反射しやすくなり、威嚇用帯状部材を目立ちやすくすることが可能になる。したがって、魚類が威嚇用帯状部材の存在を認識しやすくなり、魚類に対する威嚇効果をさらに高めることが可能になる。
以上のように、本発明によって、構造が簡素で施工が容易でありながらも、魚類の忌避作用に優れた魚類忌避具を提供することが可能になる。また、この魚類忌避具を用いた海苔養殖方法を提供することも可能になる。
本発明に係る魚類忌避具を用いて海苔の養殖を行っている様子を示した図である。 本発明に係る魚類忌避具を示した図である。 本発明に係る魚類忌避具の吊り下げ部材におけるクリップ部材を拡大して示した図である。
1.はじめに
本発明の魚類忌避具の好適な実施態様について、図面を用いて具体的に説明する。
本発明の魚類忌避具は、魚類のいる水域(海や川や沼湖等)であれば、いずれの場所に施工することもできる。これらの水域において魚類を忌避する必要がある場合に、本発明の魚類忌避具を用いることができる。なかでも、魚介類を養殖する際に好適に用いることができ、特に、海苔やワカメ等の海藻を養殖する際に好適に用いることができ、特に、海苔を養殖する際に好適に用いることができる。既に述べたように、海苔の養殖では、魚類による食害が大きな問題となっているところ、本発明の魚類忌避具を用いることにより得られる利益が非常に大きいからである。以下においても、海苔を養殖する場合を例に挙げて、本発明の魚類忌避具を説明する。

2.海苔養殖方法
まず、本発明の魚類忌避具10を用いた海苔養殖方法について説明する。
海苔養殖方法には、
[1]フロート(浮子)が取り付けられた枠(浮子枠)を海に浮かべるとともに、浮子枠から錨を降ろして浮子枠が流されないようにし、浮子枠の内側に複数本の綱(浮子綱)を架け渡して、浮子綱と浮子綱との間に養殖網(海苔網)を張る「浮き流し漁法」と呼ばれる方法と、
[2]海に複数本の支柱を柵状に立て、支柱と支柱との間に養殖網(海苔網)を張る「支柱柵漁法」と呼ばれる方法と
がある。
本発明の魚類忌避具は、上記[1]の浮き流し漁法と、上記[2]の支柱柵漁法とのいずれでも採用することができるが、以下においては、説明の便宜上、浮き流し漁法で用いる場合を例に挙げて、本発明の魚類忌避具を説明する。
図1は、本発明の魚類忌避具10を用いて海苔の養殖(浮き流し漁法)を行っている様子を示した図である。図1では、図示の便宜上、浮子枠20を1本しか描いていないが、この浮子枠20は、海苔の養殖場を囲うように枠状に配される。この浮子枠20には、図1に示すように、複数の浮子21が所定間隔で取り付けられている。このため、浮子枠20は、海面に浮かんだ状態を維持するようになっている。浮子21の付近からは、錨30が降ろされており、浮子枠20が潮流等で流されないようにしている。
既に述べたように、浮子枠20は枠状に配されるところ、その内側には、複数本の浮子綱40が約3mの間隔を空けて平行に張られている。この浮子綱40にも、小さな浮子41が所定間隔で取り付けられており、浮子綱40が海中に沈まないようになっている。それぞれの浮子綱40には、吊り綱50が約2.5m間隔で取り付けられている。吊り綱50の先端側は、養殖網60(海苔網)の側縁部に連結されている。このため、養殖網60は、その短手方向両側に配された吊り綱50で逆側に引っ張られた状態となるようになっている。したがって、養殖網60が、隣り合う浮子綱40の間のスペースで張った状態で保たれるようになっている。
養殖網60は、長尺な帯状を為しているところ、潮の流れFと平行になるように配される。このため、上記の浮子綱40も、潮の流れFと平行に設けられる。これにより、養殖網60を張る作業や回収する作業を潮の流れを利用して効率的に行うだけでなく、養殖網60に海苔を効率的に繁殖させることも可能になる。それぞれの養殖網60の寸法は、特に限定されない。本実施態様では、幅が1.6mで長さが20mの養殖網60を使用している。この寸法の養殖網60を、潮の流れFの方向に2枚ずつ配することで、各列における長さ40mの範囲に亘って養殖網60を配している。
それぞれの浮子綱40には、本発明の魚類忌避具10を取り付けている。図2は、本発明の魚類忌避具10を示した図である。魚類忌避具10は、図2に示すように、威嚇用帯状部材11と、威嚇用帯状部材11の上部に取り付けられた吊り下げ部材12とで構成されているところ、図1に示すように、吊り下げ部材12の上端部を浮子綱40に連結することで、威嚇用帯状部材11が、海面付近から海中に垂れ下がるようにしている。魚類忌避具10における威嚇用帯状部材11は、潮の流れFを受けて、潮の流れFの向きに揺らめく。このため、威嚇用帯状部材11の動きで魚類を威嚇することが可能となっている。
浮子綱40は、それぞれの養殖網60の短手方向両側に位置するところ、その両側の浮子綱40のそれぞれに、複数の魚類忌避具10が所定間隔で取り付けられている。このため、それぞれの養殖網60の短手方向両側には、魚類忌避具10の列が形成された状態となっている。したがって、魚類が養殖網60に繁殖している海苔を捕食しようとしても、いずれかの魚類忌避具10が目に入り、養殖網60に近づくことができないようになっている。
魚類忌避具10を配置する間隔S(図1)は、威嚇用帯状部材11の長さL(図2)等によっても異なる。しかし、魚類忌避具10の間隔Sを狭くしすぎると、必要な魚類忌避具10の個数が増大する。また、それぞれの浮子綱40にかかる負荷が大きくなり、浮子綱40を太くしたり、浮子41の個数を増やしたりといった対策が必要となるおそれがある。さらに、隣り合う魚類忌避具10の威嚇用帯状部材11が絡みやすくなるおそれもある。このため、魚類忌避具10の間隔Sは、威嚇用帯状部材11の長さLに対する比S/Lが0.5以上となる範囲で設定することが好ましい。比S/Lは、1以上であるとより好ましく、1.5以上であるとさらに好ましい。
ただし、魚類忌避具10を配置する間隔Sを広くしすぎると、魚類が養殖網60にアクセスできるルート(魚類が魚類忌避具10の存在に気付かずに養殖網60にアクセスできるルート、又は、魚類が魚類忌避具10の存在に気付いたとしても魚類忌避具10から気にならない距離を保ちながら養殖網60にアクセスできるルート)が隣り合う魚類忌避具10の間に形成されるおそれがある。このため、魚類忌避具10の間隔Sは、上記の比S/Lが5以下となる範囲で設定することが好ましい。比S/Lは、4以下であるとより好ましく、3以下であるとさらに好ましい。本実施態様においては、後述するように、威嚇用帯状部材11の長さLを2mとしているところ、魚類忌避具10の間隔Sを約5mとしており(浮子綱40における、吊り綱50が取り付けられた箇所に1つ飛ばしで魚類忌避具10を取り付けており)、比S/Lが、約2.5となっている。

3.魚類忌避具
続いて、魚類忌避具10の詳細部を説明する。
魚類忌避具10における威嚇用帯状部材11は、布地等で形成したものであってもよいが、この場合には、威嚇用帯状部材11の劣化を長期間に亘って防ぐことが難しくなる。このため、魚類忌避具10を頻繁に交換する必要が生じるおそれがある。加えて、威嚇用帯状部材11があらゆる方向に撓むことができるため、威嚇用帯状部材11がもつれるおそれがある。また、威嚇用帯状部材11が、隣の威嚇用帯状部材11や、浮子綱40や、吊り綱50等、他の部材に絡むおそれもある。威嚇用帯状部材11がもつれたり絡んだりすると、威嚇用帯状部材11が所望の忌避作用を発揮しにくくなる。このため、威嚇用帯状部材11は、柔らかすぎず、絡みにくい部材で形成することが好ましい。すなわち、ある程度硬質な部材で威嚇用帯状部材11を形成することが好ましい。
ただし、威嚇用帯状部材11を殆ど撓まない部材で形成すると、海中で威嚇用帯状部材11が単調な動きしかしなくなり、魚類に対する威嚇作用が低減するおそれがある。このため、威嚇用帯状部材11は、ある程度撓む部材(ある程度の曲げ弾性を有する部材)で形成することが好ましい。これにより、威嚇用帯状部材11のもつれや絡みを抑えながらも、潮の流れFを受けて揺らめく威嚇用帯状部材11に波打つような複雑な動きを行わせ、魚類に対する威嚇効果を高めることが可能になる。
これらの条件(硬質でありながらも曲げ弾性を有するという条件)を満たす部材としては、金属板やプラスチック板等を帯状に形成したものが例示される。なかでも、金属板を帯状に形成したものは、対候性や耐久性に優れるため、好ましい。本実施態様においては、金属板のなかでも錆びにくいステンレス製のものを帯状に形成したものを威嚇用帯状部材11として用いている。威嚇用帯状部材11の表面には、防錆処理等を施すこともできる。
ところで、上記のように、威嚇用帯状部材11を金属で形成すると、そのままで威嚇用帯状部材11の表面に光沢を付与することができるというメリットもある。威嚇用帯状部材11の表面に光沢があると、海中で揺らめく威嚇用帯状部材11の表面で光が様々な方向に反射されるようになるため、威嚇用帯状部材11をさらに目立たせて、魚類に対する威嚇効果をさらに高めることができる。これに対し、威嚇用帯状部材11をプラスチック等の光沢を有さない素材で形成すると、そのままでは威嚇用帯状部材11で光を反射させにくい。光沢を有さない素材で威嚇用帯状部材11を形成した場合において、威嚇用帯状部材11の表面で光を反射させようとすると、威嚇用帯状部材11の表面に光沢のある塗料を塗布したり、金属フィルムを貼り付けたり等の処理が別途必要になる。
威嚇用帯状部材11の厚さは、威嚇用帯状部材11を形成する素材や威嚇用帯状部材11の長さL(図2)や幅W(図2)等によっても異なる。本実施態様のように、威嚇用帯状部材11を金属によって形成し、威嚇用帯状部材11の長さLや幅Wを後述した範囲のものとする場合には、威嚇用帯状部材11の厚さは、概ね、0.1~2mmの範囲とされ、好ましくは、0.2~1mmの範囲とされる。本実施態様において、威嚇用帯状部材11の厚さは、約0.3mmとなっている。
威嚇用帯状部材11の長さL(図2)も、特に限定されない。しかし、威嚇用帯状部材11が短すぎると、威嚇用帯状部材11が目立ちにくくなり、威嚇用帯状部材11で魚類を威嚇しにくくなるおそれがある。このため、威嚇用帯状部材11の長さLは、50cm以上とすることが好ましい。威嚇用帯状部材11の長さは、100cm以上であるとより好ましく、150cm以上であるとさらに好ましい。
ただし、威嚇用帯状部材11を長くしすぎると、海中で威嚇用帯状部材11が揺らめきにくくなる。加えて、海苔の養殖は、水深が比較的浅い場所で行われるところ、威嚇用帯状部材11が海底に引っ掛かってしまい、威嚇用帯状部材11が殆ど動かなくなるおそれもある。また、海底に引っ掛からなくても、威嚇用帯状部材11が、もつれやすくなったり、絡みやすくなったりするおそれがある。さらに、魚類忌避具10の重量が大きくなり、浮子綱40等にかかる負荷が大きくなる。このため、威嚇用帯状部材11の長さLは、5m以下とすることが好ましい。威嚇用帯状部材11の長さLは、4m以下であるとより好ましく、3m以下であるとさらに好ましい。本実施態様において、威嚇用帯状部材11の長さLは、約2mとしている。
威嚇用帯状部材11の幅W(図2)も、特に限定されない。しかし、威嚇用帯状部材11の幅Wが狭すぎると、威嚇用帯状部材11が目立ちにくくなり、威嚇用帯状部材11で魚類を威嚇しにくくなるおそれがある。また、威嚇用帯状部材11の強度が低下して、威嚇用帯状部材11に切断等の破損が生じやすくなるおそれもある。このため、威嚇用帯状部材11の幅Wは、10mm以上とすることが好ましい。威嚇用帯状部材11の幅Wは、15mm以上であるとより好ましく、20mm以上であるとさらに好ましい。
ただし、威嚇用帯状部材11の幅Wが広すぎると、魚類忌避具10の重量が大きくなり、浮子綱40等にかかる負荷が大きくなってしまう。このため、威嚇用帯状部材11の幅Wは、100mm以下とすることが好ましい。威嚇用帯状部材11の幅Wは、70mm以下であるとより好ましく、50mm以下であるとさらに好ましい。本実施態様において、威嚇用帯状部材11の幅Wや、約5mmとしている。
吊り下げ部材12は、既に述べたように、威嚇用帯状部材11を海面付近から海中に吊り下げた状態で支持するためのものとなっている。本実施態様においては、吊り下げ部材12を浮子綱40に取り付けたが、吊り下げ部材12を取り付ける対象は、浮子綱40に限定されない。吊り下げ部材12は、養殖網60や、吊り綱50に取り付けてもよい。ただし、養殖網60は、海苔の収穫時に作業船の上側に巻き上げて回収されるところ、この養殖網60に吊り下げ部材12を取り付けると、養殖網60の回収時に魚類忌避具10も回収されるようになり、威嚇用帯状部材11がもつれたり絡んだりするおそれがある。また、吊り綱50は、養殖網60が張られていないときには弛んだ状態となるところ、この吊り綱50に吊り下げ部材12を取り付けると、養殖網60が張られていないときに、吊り下げ部材12が吊り綱50から脱落するおそれがある。これに対し、浮子綱40は、養殖網60の有無等に関係なく、浮子枠20の内側に張られた状態を維持している。このため、吊り下げ部材12を取り付ける対象としては、やはり、浮子綱40が好適である。
吊り下げ部材12は、浮子綱40等の対象物に取り付けることができるのであれば、その具体的な構造を限定されない。本実施態様においては、図2に示すように、クリップ部材12aと、リング部材12bと、連結線材12cと、より戻し部材12dとで、吊り下げ部材12を構成している。クリップ部材12aは、金属線材に折り曲げ加工を施して形成したものとなっており、浮子綱40等の対象物を弾性的に挟持できるものとなっている。図3は、吊り下げ部材12におけるクリップ部材12aを拡大して示した図である。図3(a)は、非取付時(浮子綱40に取り付けていないとき)のクリップ部材12aを、図3(b)は、取付時(浮子綱40に取り付けたとき)のクリップ部材12aをそれぞれ示している。
図3に示すように、クリップ部材12aは、バネ部分12aと、バネ部分12aの一側に形成された第一部分12aと、バネ部分12aの他側に形成された第二部分12aとで構成されている。第二部分12aは、バネ部分12aによって、開く向き(第一部分12aから遠ざかる向き)に付勢されている。ただし、第一部分12aの先端側には、第二部分12a側に折り返された折り返し部12aが形成されており、この折り返し部12aには、ブリッジ部12aを設けている。このため、図3(a)に示すように、第二部分12aがブリッジ部12aに当接した状態になると、第二部分12aはそれ以上外側には開かないようになっている。
また、図3(a)に示す状態から、バネ部分12aの付勢力に抗って、第二部分12aを第一部分12a側に押し込むと、図3(b)に示すように、第二部分12aの先端側に設けられたフック部12aと折り返し部12aとの間に、対象物(浮子綱40)を挿入することが可能な状態となる。フック部12aと折り返し部12aとの間に対象物(浮子綱40)を挿入してクリップ部材12aから手を離すと、バネ部分12aの弾性力によって、第二部分12aが外側に復帰しようとし、フック部12aと折り返し部12aとで対象物(浮子綱40)が弾性的に挟持されるようになっている。このクリップ部材12aによって、吊り下げ部材12を対象物(浮子綱40)に容易且つ確実に取り付けることが可能となっている。
リング部材12bは、図2に示すように、吊り下げ部材12を威嚇用帯状部材11に連結するための部分となっている。本実施態様においては、威嚇用帯状部材11の上端部近傍を下側に折り返して形成したループ部にリング部材12bを取り付けるようにしている。連結線材12cは、クリップ部材12aとリング部材12bとを連結するものとなっている。連結線材12cには、ロープや紐やワイヤー等の線材が用いられる。この連結線材12cを短くしすぎると、魚類忌避具10の取り付け作業を行いにくくなる。一方、連結線材12cを長くしすぎると、威嚇用帯状部材11が海面から深い場所に位置しすぎるようになり、魚類が養殖網60にアクセスするルートが威嚇用帯状部材11の上側に形成されてしまう。このため、連結線材12cの長さは、5~100cmとすると好ましく、10~50cmの範囲とするとより好ましい。本実施態様においては、連結線材12cとリング部材12bとの間により戻し部材12dを介在させており、連結線材12cが捩じれないようにしている。
以上では、吊り下げ部材12を、クリップ部材12aと、リング部材12bと、連結線材12cと、より戻し部材12dとで構成する場合について説明した。しかし、吊り下げ部材12は、より簡素な構造とすることができる。例えば、クリップ部材12aを省略し、連結線材12cの上端部を浮子綱40等に直接的に結び付けるようにしてもよい。さらに、リング部材12bやより戻し部材12dを省略し、連結線材12cの下端部を威嚇用帯状部材11に直接的に結び付けるようにしてもよい。
4.実験
本発明の魚類忌避具による忌避効果を検証するため、出願人が管理する海苔の養殖場で、本発明の魚類忌避具を使用してみた。この養殖場は、直前の収穫時には、食害による影響で海苔の収穫量が大幅に落ち込んでいたにもかかわらず、本発明の魚類忌避具を用いたときには、海苔を通常通り収穫することができた。食害を受けた形跡も見受けられなかった。これに対し、同時期に海苔の養殖を行っていた近隣の養殖場では、食害を受け、甚大な被害が出ていた。このことから、本発明の魚類忌避具が、魚類の忌避作用に優れ、海苔等の食害防止に非常に有効なものであることが確認できた。

10 魚類忌避具
11 威嚇用帯状部材
12 吊り下げ部材
12a クリップ部材
12a バネ部分
12a 第一部分
12a 第二部分
12a 折り返し部
12a ブリッジ部
12a フック部
12b リング部材
12c 連結線材
12d より戻し部材
20 浮子枠
21 浮子
30 錨
40 浮子綱
41 浮子
50 吊り綱
60 養殖網
F 潮の流れ
L 威嚇用帯状部材の長さ
S 魚類忌避具を配置する間隔
W 威嚇用帯状部材の幅

Claims (2)

  1. 魚類を忌避させる魚類忌避具であって、
    水中で揺らめくことで魚類を威嚇する威嚇用帯状部材と、
    威嚇用帯状部材を水面付近から水中に吊り下げた状態で支持するための吊り下げ部材と
    を備え
    威嚇用帯状部材が、表面に光沢を有し、硬質でありながら曲げ弾性を有する、厚さ0.1~2mmの金属板によって形成されたことを特徴とする魚類忌避具。
  2. 請求項記載の魚類忌避具を養殖網の周辺に取り付けて海藻を養殖する海藻養殖方法。
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