JP6603620B2 - 網材構造体、生物保護構造、並びに生物保護方法 - Google Patents

網材構造体、生物保護構造、並びに生物保護方法 Download PDF

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Description

本発明は、網材構造体、食害防除のための生物保護構造及び生物保護方法などに関する。より詳細には、剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、亀甲網材を撓ませた状態で固定した網材構造体、並びにその網材構造体と、その網材構造体によって外部から隔てられた被保護生物の安全生育区域と、を備えた生物保護構造、同様の生物保護方法などに関する。
生物の摂食によって環境資源・農林水産資源などに被害がでることを食害といい、各分野で大きな問題となっている。
例えば、アサリなどの潜砂性二枚貝は、潮間帯などの浅瀬の水底での養殖が広く行われているが、ナルトビエイ、クロダイ、ツメタガイなどによる食害の被害が深刻である。植物の栽培地域では、シカ、イノシシなどによる食害の被害が大きい。河川などでは、アユ・ウナギなどの放流が行われているが、カワウなどの鳥類による食害が漁業関係者・釣り愛好者にとって重大な問題となっている。サンゴ礁では、オニヒトデの異常繁殖による食害がサンゴ大量死滅の一因となっている。海藻類は海中で繁茂して藻場を形成しており、また、ワカメ類・コンブ類などは食用に養殖もされているが、ブダイ、アイゴ、クロダイなどの魚類やエビ類、ウニ類などによる食害が、藻場の消失や収穫量の減少などの一因となっている。
このような食害に対して、様々な対策手段が提案されている。例えば、特許文献1には、容器の上面開口を覆う網状部材を備える潜砂性二枚貝の養殖用構造物が、特許文献2には、植生保護シートがアーチ状に屈曲した状態で植生領域に固定された植生保護装置及び植生保護構造が、特許文献3には、河川の水中に防鳥ネットをセットすることで、川小魚を捕食するする鳥から川小魚を保護する方法が、特許文献4には、海底設置型網構造物を使用したオニヒトデからのサンゴの食害防止方法が、特許文献5には、海藻を育成する藻場に魚などの藻食動物が侵入して海藻が食害されることを防止する食害防除網構造が、それぞれ開示されている。
特開2012-60946号公報 特開2015-119690号公報 特開2005-58011号公報 特開2005-40121号公報 特開2007-104933号公報
本発明では、環境資源・農林水産資源などに対する食害を、簡易・低廉かつ有効に防除しうる手段を提供することなどを目的とする。
本発明では、剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定した網材構造体、並びにその網材構造体と、該網材構造体によって外部から隔てられた被保護生物の安全生育区域と、を備えた食害防除のための生物保護構造などを提供する。
本発明で採用する略平板状の亀甲網材は、剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成されている。亀甲網材は、各捩り合わせ部が一つおきに長手方向の略同一直線上に位置するとともに、構造上、それらの長手方向に並んだ一組の捩り合わせ部を回転軸として回動させることが可能であり、それによって長手方向に折線が形成され、幅方向に簡易かつ復元可能に折り曲げることができる。一方、亀甲網材は、網構造に形成されたことで、長手方向には撓ませることはできるが、線材が剛性を有し、かつ一組の捩り合わせ部による回転軸が幅方向に向いていないため、原則的に折り曲がらない。そして、湾曲させた際の稜線が捩り合わせ部の伸びる方向に対して略垂直の方向に形成されるように、亀甲網材を略アーチ形に長手方向に撓ませると、その略アーチ形の表面に外側から加わる荷重に対し、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、高い強度を発揮する。
そのため、本発明に係る網材構造体のように、略平板状の亀甲網材を、長手方向が略曲線形となるように撓ませた状態で固定することで、例えば、加害生物の接触、風・波・水流などによって外側から荷重がかかった場合でも、略アーチ形の網材構造体の全体形状を堅固に保持することができる。また、網材構造体の内側に空間を形成して、それを安定的に維持することができる。
加えて、この網材構造体では、略平板状の亀甲網材を用いて形成することができ、かつその亀甲網材を撓ませて固定することで形成することができるため、組立・設置を簡易に行うことができ、材料費用も比較的低く抑えることができる。
このように、この網材構造体を、生物保護構造として、例えば、植物の栽培地域、水底などに設置することにより、加害生物の到達しえない、外部から隔てられた被保護生物の安全生育区域を形成することができ、それによって、環境資源・農林水産資源などに対する食害を、簡易・低廉かつ有効に防除することができる。
本発明により、環境資源・農林水産資源などに対する食害を、簡易・低廉かつ有効に防除することができる。
<本発明に係る網材構造体、並びに生物保護構造について>
本発明は、(1)剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定した網材構造体、並びに(2)剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定した網材構造体と、該網材構造体によって外部から隔てられた被保護生物の安全生育区域と、を備えた食害防除のための生物保護構造、をすべて包含する。
以下、図1及び図2を用いて本発明の実施形態の例を説明する。なお、本発明は、以下に例示した実施形態のみに狭く限定されない。
図1は本発明に係る生物保護構造の例を示す外観斜視模式図、図2は本発明に適用可能な亀甲網材の例を示す平面模式図である。
図1に例示された食害防除のための生物保護構造Aは、亀甲網材1を撓ませた状態で固定した略アーチ形の網材構造体Pと、網材構造体Pによって外部Eから隔てられた被保護生物Dの安全生育区域Rと、を備える。
図1では、網材構造体Pは、亀甲網材1と、亀甲網材1を撓ませた状態で固定する固定手段2と、亀甲網材1を撓ませたことで両端に形成された略半楕円形の開口部位を閉鎖する閉鎖部材3とで形成されている。
亀甲網材1は、図2に例示される通り、線材11を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目12が形成された網材であり、略平板状の形態を備える。
線材11は、編網して亀甲網材1を形成するための線状の材料であり、編網して略六角形状の網目を形成できるものであればよく、線材の材質などにより狭く限定されない。
例えば、生物保護構造Aが地上に設置される場合、線材11が、耐久性を有していること、即ち、耐候性、耐破網性・耐摩耗性を有していることが好ましい。生物保護構造Aが水底に設置される場合には、線材11が、水中条件に対しても高耐久性であることが好ましく、さらに、高耐水性、即ち、高耐サビ性・高耐腐食性であることが好ましい。
また、線材11は、所定の弾力性(戻り性)を有しつつ、剛性を有することが好ましい。これにより、線材11自体がほとんど折れ曲がらず、網構造を軋ませることで、亀甲網材1を良好に撓ませることができる。
そのような線材11として、例えば、合成樹脂製線材、若しくは鉄線・銅線・ステンレス鋼線・亜鉛めっき鉄線などを合成樹脂で被覆した線材などが好適であり、例えば、前記線材がポリエステルモノフィラメントであることが最も好適である。
ポリエステルモノフィラメントは、ジカルボン酸とジオールを主原料として製造される熱可塑性エンジニアリングプラスチックである。ポリエステルのジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、ジオール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらのジカルボン酸成分とジオール成分とを適宜組み合わせて合成されたポリエステルモノフィラメントを適宜使用することができる。この中で、ジカルボン酸成分の90モル%以上がテレフタル酸からなり、ジオール成分の90モル%がエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレートのポリエステルモノフィラメントが最も好適である。
亀甲網材1の線材11として、ポリエステルモノフィラメントを採用することには、高耐久性かつ高耐水性であるため、長期間設置しておいても、また水中又は水底に設置してもほとんど劣化せず、また、剛性を有し、網材とした際の形状保持性も高いという有利性がある。
線材11の太さは特に限定されないが、例えば、断面直径2.0mm〜4.0mmのものを適用可能である。
網目12は、線材11を捩り合わせて編網することにより形成された平面視略六角形の部分である。線材11の接合部位である二つの捩り合わせ部13、13と、上辺と下辺に各二辺ずつ形成された四つの脚部14、14、14、14の六辺により略六角形状の網目12が形成されている。
網目12の網目幅(目合い)は、原則的には、加害生物Cによる安全生育区域Rへの侵入を阻止できる大きさであればよく、目的・用途により適宜設定でき、特に限定されない。また、被保護生物Dが動物である場合、目的・用途にもよるが、例えば、網目12の網目幅を、被保護生物Dが通行可能な大きさであり、かつ加害生物Cによる安全生育区域Rへの侵入を阻止できる大きさに設定してもよい。
捩り合わせ部13は、各線材11が捩り合わせられる略螺旋状の撚合部位であり、線材11同士の接合部位である。線材11同士の捩り合わせ131、131、131によって捩り合わせ部13が形成されている。
捩り合わせ部13が形成されることで、亀甲網材1において、捩り合わせ部13の伸びる方向である長手方向X1と、長手方向X1に対して平面上略垂直の方向である幅方向X2とで、屈曲性が大きく異なるようになる。即ち、亀甲網材1を長手方向X1に屈曲させようとすると、湾曲させた際の稜線が捩り合わせ部の伸びる方向に対して略垂直の方向に形成され、その略アーチ形の表面に外側から加わる荷重に対し、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、高い強度を発揮する。一方、亀甲網材1を幅方向X2に屈曲させようとすると、一組の捩り合わせ部(例えば、符号13'、13')が回転軸として回動し、長手方向X1(図2中では、符号13'、13'間を結ぶ線)に折線が形成され、幅方向に簡易かつ復元可能に折り曲がる。
本発明では、亀甲網材1を、長手方向X1が略曲線形となるように撓ませた状態で固定するため、その略アーチ形の表面に外側から加わる荷重に対し、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、強度を高くできる。さらに、亀甲網材1を長手方向X1に屈曲させることで、幅方向X2両端側に引っ張られる水平力が発生し、捩り合わせ部13がほとんど回動しなくなるため、外側から加わる荷重に対し、網材構造体Pの略アーチ形の形状がより強固に保持されやすくなる。
捩り合わせ部13の捩り回数は、特に限定されないが、例えば、一回半〜三回捻りを行うことにより、前記捩り合わせ部13において、3〜6つの捩り合わせ131が形成されていることが好ましい。捩り合わせ部13における捩り合わせを多くすることにより、網材構造体Pの略アーチ形の表面に外側から加わる荷重に対する強度・形状保持性をより高くできる。
本発明では、亀甲網材1の長手方向X1の両端を支点とし、湾曲させた際の稜線が捩り合わせ部13の伸びる方向(長手方向X1)に対して略垂直の方向(幅方向X2)に形成されるように、略平板状の亀甲網材1'を略アーチ形に長手方向X1に撓ませる(図1中、符号X3参照)。略アーチ形に撓んだ亀甲網材1の内側、即ち、亀甲網材1と地表面又は水底面Gとの間には、略半楕円筒状の空間が形成される。
亀甲網材1を略アーチ形に長手方向X1に撓ませることにより、外側から加わる荷重に対する強度が高く、かつ形状保持性の高い網材構造体Pを形成することができる。このことは、例えば、水流による不規則かつ間断的な荷重が加わる水底に生物保護構造Aを設置した場合に、網材構造体Pの強度及び形状を長期間保持する上で、特に有効である。
撓みの度合いは、網材構造体Pが略アーチ形に形成される程度であればよく、特に限定されない。
亀甲網材1は、略アーチ形に撓んだ状態を形成・維持でき、かつ略アーチ形の表面に外側から加わる荷重に対しても網材構造体Pの略アーチ形の形状を保持できる強度を有していればよく、目的・用途などに応じて適したもの採用でき、狭く限定されない。亀甲網材1のそのような強度は、線材11の太さ・材質、捩り合わせ部13の捩り回数などによって異なるが、例えば、幅方向X2の引張強度(破断強度)を用いて算出されたヤング係数の最大値が500〜5,000MPaの範囲内の亀甲網材1は、上記のような強度も有していると推定され、本発明に適用可能である。
固定手段2は、亀甲網材1を撓ませた状態で固定するための部材である。亀甲網材1を撓ませた状態で固定する方法は、公知のものを広く採用でき、特に限定されない。例えば、図1に示すように、タイドアーチ様に、亀甲網材1の長手方向X1の両端同士を引張部材で固定することで、略アーチ形を形成・保持してもよい。この場合の引張部材は、例えば、ロープ・紐・綱など、公知のものを広く採用できる。その際、亀甲網材1を撓ませた状態で、固定手段2によって固定した上で、さらに、例えば、杭、アンカーなどの公知手段によって、生物保護構造A全体を地表・水底などに固定してもよい。
また、例えば、公知手段の通り、固定アーチ様に、両端の固定部位に固定部材を構築し、そこに撓ませた亀甲網材1の両端をそれぞれ剛結することで固定したり、ヒンジアーチ様に、両端の固定部位にヒンジ支承を設置し、そこに撓ませた亀甲網材1の両端をそれぞれ固定したりしてもよい。
その他、例えば、網材構造体Pと地表面又は水底面Gとの間に、嵩上部材を配置し、地表面又は水底面Gに嵩上部材を固定した上で、網材構造体Pがその嵩上部材上に固定される構成になるようにしてもよい。その場合、例えば、嵩上部材を上下方向が開放された略筒状に形成することで、その内部領域を安全生育区域Rの一部とすることができる。また、目的・用途に応じて、被保護生物Dが通行可能な形態になるように、嵩上部材を形成してもよい。
閉鎖部材3は、亀甲網材1を撓ませたことで幅方向X2両端側に形成された略半楕円形の開口部位を閉鎖する部材である。なお、図1では、閉鎖部材3の一部を模式的に示している。閉鎖部材3によって、亀甲網材1を撓ませたことで幅方向X2両端側に形成された略半楕円形の開口部位を略閉鎖することにより、略アーチ形に撓んだ亀甲網材1の内側の略半楕円筒状の空間を外部Eから略隔離させることができ、加害生物Cによる安全生育区域Rへの侵入を阻止できる。
閉鎖部材3は、前記の略半楕円形の両開口部位からの加害生物Cの安全生育区域Rへの侵入を阻止できるものであればよく、その材質などについては特に限定されない。例えば、亀甲網材1と同じ素材を採用してもよく、その他の略平板状の部材などを用いてもよい。例えば、亀甲網材1の幅方向X2の両端にそれぞれ閉鎖部材3を締結・固定して、加害生物Cが侵入できないように、開口部位を閉鎖するようにしてもよい。
網材構造体Pは、上述の通り、長手方向X1が略曲線形となるように、亀甲網材1を撓ませた状態で固定した略アーチ形の構造体であり、外観視では、略半楕円筒状であり、亀甲網材1と地表面又は水底面Gとの間には略半楕円筒状の空間を有している。網材構造体Pを亀甲網材1で形成することにより、空気・水流などが網目12を自由に通過することができ、また被保護生物Dが動物の場合は、目的・用途にもよるが、原則的に、網目12を通過して外部Eと安全生育区域Rとの間を自由に通行することができる。一方、網目12の網目幅を、加害生物Cによる安全生育区域Rへの侵入を阻止できる大きさに設定することにより、安全生育区域R被保護生物Dに対する加害生物Cによる食害を有効に防止できる。
なお、本発明に係る網材構造体Pは、閉鎖部材3を用いない構成、例えば、亀甲網材1を撓ませた状態で固定して略アーチ形の網材構造体Pを形成した後、その亀甲網材1の幅方向X2両端をさらに撓ませることで最終的な外観形状が略ドーム状などになるように形成され、それによって幅方向X2両端側に形成された略半楕円形の開口部位が略閉鎖された構成である場合も、広く包含する。
安全生育区域Rは、網材構造体Pによって外部Eから隔てられた区域である。網材構造体Pによって加害生物Cの侵入が阻止されるため、安全生育区域Rで生育している被保護生物Dは、加害生物Cの摂食から保護される。
安全生育区域Rは、略アーチ形に撓んだ亀甲網材1の内側の、亀甲網材1と地表面又は水底面Gとの間の略半楕円筒状の空間と、その直下の地表又は水底Gの表層の、被保護生物D又はその一部が存在しうる範囲の両方を含む。
本発明に係る網材構造体P又は生物保護構造Aの設置場所は、目的・用途などに応じて適宜定めることができ、特に限定されない。例えば、被保護生物Dの保護のために用いる場合は、加害生物C及び被保護生物Dの種類や、食害防除の目的などに応じて適宜決定してもよい。
生物保護構造Aが地上に設置された場合、例えば、シカ、イノシシなどによる栽培植物の食害防除に適用できる。
例えば、被保護生物Dが栽培植物である場合、安全生育区域R内で植物を栽培することで、若しくは植物を栽培する領域を被覆するように網材構造体Pを設置することで、栽培植物が網材構造体Pによって外部Eから隔てられ、栽培植物の食害を有効に防除できる。その際、網材構造体Pを亀甲網材1で形成することにより、光・大気・水などはその網目12を通過でき遮られないのに対し、シカ、イノシシなどの加害生物Cは、網材構造体Pによって、安全生育区域Rへの侵入を阻止される。また、亀甲網材1を、長手方向X1が略曲線形となるように撓ませた状態で固定するため、シカ、イノシシなどが網材構造体Pに対して外側から荷重を加えた場合にも、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、その形状を保持できる。
一方、生物保護構造Aが水底に設置された場合、例えば、(1)ナルトビエイ、クロダイ、ツメタガイなどによる、アサリなどの潜砂性二枚貝の食害防除、(2)カワウなどの鳥類による、アユ・ウナギなどの魚類の食害防除、(3)オニヒトデなどによるサンゴの食害防除、(4) ブダイ、アイゴ、クロダイなどの魚類やエビ類、ウニ類などによる海藻類の食害防除などに適用できる。
例えば、被保護生物Dが潜砂性二枚貝である場合、潮間帯などの浅瀬の水底などに生物保護構造Aを設置することで、安全生育区域R内にいる潜砂性二枚貝は網材構造体Pによって外部Eから隔てられ、ナルトビエイ、クロダイ、ツメタガイなどによる食害を有効に防除できる。その際、網材構造体Pを亀甲網材1で形成することにより、水流はその網目12を通過できるほか、被保護生物Dの潜砂性二枚貝も生物保護構造Aの内外を自由に行き来できる。一方、ナルトビエイ、クロダイ、ツメタガイなどの加害生物Cは、網材構造体Pによって、安全生育区域Rへの侵入を阻止される。また、例えば、高耐久性かつ高耐水性の亀甲網材1を、長手方向X1が略曲線形となるように撓ませた状態で固定するため、加害生物Cが網材構造体Pに対して外側から荷重を加えた場合や、水流による不規則かつ間断的な荷重が網材構造体Pに加わる場所に設置された場合でも、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、その形状を保持できる。
例えば、被保護生物Dがアユ・ウナギなどの魚類、特に放流・養殖された魚類などである場合、その生育区域の水底に生物保護構造Aを設置することで、安全生育区域R内に避難している魚類は網材構造体Pによって外部Eから隔てられ、カワウなどの鳥類による食害を有効に防除できる。その際、網材構造体Pを亀甲網材1で形成することにより、水流はその網目12を通過できるほか、被保護生物Dの魚類も生物保護構造Aの内外を自由に行き来できる。一方カワウなどの加害生物Cは、網材構造体Pによって、安全生育区域Rへの侵入を阻止される。また、例えば、高耐久性かつ高耐水性の亀甲網材1を、長手方向X1が略曲線形となるように撓ませた状態で固定するため、加害生物Cが網材構造体Pに対して外側から荷重を加えた場合や、水流による不規則かつ間断的な荷重が網材構造体Pに加わる場所に設置された場合でも、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、その形状を保持できる。
例えば、被保護生物Dがサンゴである場合、その生育区域の水底に、サンゴを覆うように生物保護構造Aを設置することで、安全生育区域R内にいるサンゴは網材構造体Pによって外部Eから隔てられ、オニヒトデなどによる食害を有効に防除できる。その際、網材構造体Pを亀甲網材1で形成することにより、水流はその網目12を通過できる。一方、オニヒトデなどの加害生物Cは、網材構造体Pによって、安全生育区域Rへの侵入を阻止される。また、例えば、高耐久性かつ高耐水性の亀甲網材1を、長手方向X1が略曲線形となるように撓ませた状態で固定するため、加害生物Cが網材構造体Pに対して外側から荷重を加えた場合や、水流による不規則かつ間断的な荷重が網材構造体Pに加わる場所に設置された場合でも、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、その形状を保持できる。
例えば、被保護生物Dが海藻類である場合、その生育区域の水底に、若しくは養殖する海藻類などを覆うように生物保護構造Aを設置することで、安全生育区域R内にいる海藻類は網材構造体Pによって外部Eから隔てられ、ブダイ、アイゴ、クロダイなどの魚類やエビ類、ウニ類などによる食害を有効に防除できる。その際、網材構造体Pを亀甲網材1で形成することにより、水流はその網目12を通過できる。一方、加害生物Cは、網材構造体Pによって、安全生育区域Rへの侵入を阻止される。また、例えば、高耐久性かつ高耐水性の亀甲網材1を、長手方向X1が略曲線形となるように撓ませた状態で固定するため、加害生物Cが網材構造体Pに対して外側から荷重を加えた場合や、水流による不規則かつ間断的な荷重が網材構造体Pに加わる場所に設置された場合でも、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、その形状を保持できる。
<本発明に係る生物保護方法について>
本発明は、剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定し、設置することにより、外部から隔てられた被保護生物の安全生育区域を形成する、食害防除のための生物保護方法をすべて包含する。
上述の生物保護構造を用いる場合を含め、亀甲網材を長手方向に撓ませた状態で固定し、設置することにより、略アーチ形に撓んだ亀甲網材の内側に被保護生物にとっての安全生育区域を形成することができるとともに、略アーチ形の表面に外側から加わる荷重に対する強度・形状保持性を高くできる。
従って、地上に設置する場合及び水底に設置する場合を含め、広範な加害生物による食害を有効に防除することができる。
<本発明に係る転落防止構造及び転落防止方法について>
上記の網材構造体は、食害防除のほか、人が水路などの溝に転落することを防止するための落下防止手段などにも適用可能である。即ち、本発明は、(1)溝への人の転落防止構造であって、剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定した網材構造体が、前記溝の両岸を掛け渡す状態で、前記溝を被覆するように設置された転落防止構造、並びに(2)溝への人の転落防止方法であって、剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定し、前記溝の両岸を掛け渡す状態で、前記溝を被覆するように設置する転落防止方法を広く包含する。
上述の亀甲網材を、長手方向が略曲線形となるように撓ませた状態で固定することにより、その略アーチ形の表面に外側から加わる荷重に対し、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、強度を高くできる。従って、例えば、川・水路などの溝に人が転落しそうになった場合であっても、溝は略アーチ形の網材構造体で被覆されているとともに、その網材構造体は、適度な弾性・クッション性を保持しつつ、人の重量が荷重として加わっても形状を保持できる程度の強度を充分に持ち合わせているため、人の転落を有効に防止できる。
亀甲網材の材質、撓みの度合いなどは上記と同様である。また、亀甲網材を撓ませた状態で固定する手段、及び、網材構造体を溝の両岸を掛け渡す状態で設置・固定する手段についても、上述と同様、公知手段を広く採用できる。
本発明に係る生物保護構造の例を示す外観斜視模式図。 本発明に適用可能な亀甲網材の例を示す平面模式図。
1 亀甲網材
11 線材
12 網目
13 捩り合わせ部
131 捩り合わせ
2 固定手段
3 閉鎖部材
A 生物保護構造
C 加害生物
D 被保護生物
E 外部
P 網材構造体
R 安全生育区域
X1 長手方向
X2 幅方向

Claims (7)

  1. 剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定した網材構造体と、
    該網材構造体によって外部から隔てられた被保護生物の安全生育区域と、
    を備えた食害防除のための生物保護構造。
  2. 前記捩り合わせ部において、3〜6つの捩り合わせが形成された請求項1記載の生物保護構造。
  3. 前記線材がポリエステルモノフィラメントである請求項1又は請求項2記載の生物保護構造。
  4. 水底に設置された請求項1〜3のいずれか一項記載の生物保護構造。
  5. 前記網材構造体は、
    前記亀甲網材の前記長手方向の両端同士を引張部材で接続し前記亀甲網材を撓ませた状態で固定する固定手段を有する、請求項1〜4の何れか一項記載の生物保護構造。
  6. 剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定した網材構造体。
  7. 剛性を有する線材を捩り合わせて編網することにより略六角形状の網目が形成された略平板状の亀甲網材中、前記捩り合わせによって形成された捩り合わせ部の伸びる方向である長手方向が略曲線形となるように、前記亀甲網材を撓ませた状態で固定し、設置することにより、外部から隔てられた被保護生物の安全生育区域を形成する、食害防除のための生物保護方法。
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