JP5096240B2 - 動物による食害防止用の網および動物による食害防止方法ならびに動物による食害防止構造 - Google Patents

動物による食害防止用の網および動物による食害防止方法ならびに動物による食害防止構造 Download PDF

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Description

この発明は、動物による食害防止用の網および動物による食害を防止する食害防止方法ならびに動物による食害を防止する食害防止構造に関するものである。
従来この種の網として、下記特許文献1,2に示すような金網などの保護網がある。特許文献1には、例えば金網を地面から浮かせた状態で張設することによって、獣類の侵入を防いで植物を保護する方法が、また、特許文献2には、植物の生長点を保護して草食動物との共存共栄を図る方法が開示されている。
特開2005―137258号公報 特開2004―73192号公報
しかしながら、動物によっては例えば金網が浮設してあっても侵入し、植物を金網ごと噛み付くことで金網より下の植物まで摂取しようとする場合がある。このような場合、特許文献2のように金網の網目の大きさを小さくしていたり、金網の植生面からの浮設高さを高くしていれば、金網より下部分の植物は保護されるが、そうでない場合は、動物による食害の防止効果が半減する恐れがある、という課題がある。
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、動物による食害防止用の網と、この網を保護領域の植生面から浮かせて動物を保護領域に侵入しにくくすることができると共に、たとえ保護領域に侵入されたとしても植物の生長点は少なくとも保護することができたり、あるいは、動物の侵入自体を物理的に防ぐことができる動物による食害防止方法と動物による食害防止構造とを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に記載の動物による食害を防止するための網、動物が網を咥えた際に口腔内にガルバニ電流を発生させるために、標準電極電位に差がある2種類以上の金属の部分を、動物が網を咥えた際に口腔内へ複数の金属が含まれるように具備しているものである
この発明で用いられる、互いに標準電極電位(電解質と接触している電極の電位)に差がある2種類の以上の金属の主たる一例を以下に列挙する。

金属名 元素記号 標準電極電位
[単位;V(ボルト)]
リチウム Li ―3.04
カリウム K ―2. 93
カルシウム Ca ―2.76
ナトリウム Na ―2.71
マグネシウム Mg −1.55
アルミニウム Al −1.662
マンガン Mn −1.185
亜鉛 Zn −0.762
クロム Cr −0.744
鉄 Fe −0.447
カドミウム Cd ―0.403
コバルト Co ―0.28
ニッケル Ni ―0.257
錫 Sn ―0.138
鉛 Pb ―0.1262
(水素) (H) 0.00
銅 Cu +0.342
水銀 Hg +0.851
銀 Ag +0. 800
白金 Pt +1.118
金 Au +1.498
また、そのうちの好ましい5種類の金属から2種類を組み合わせた場合の電位差(ボルト)は、下記表1に列挙されている。
Figure 0005096240
また、この発明は、別の観点から、請求項1記載の網を、動物による食害の防止のため保護領域の植生面から浮かせた状態で配置することを特徴とする動物による食害防止方法を提供する(請求項2)。
また、この発明は、さらに別の観点から、請求項1記載の網を、動物による食害の防止のため保護領域を囲うように配置することを特徴とする動物による食害防止方法を提供する(請求項3)。
すなわち、この発明における食害防止方法は例えば2つのパターンがあり、
(1)請求項1記載の網を保護領域の植生面から浮かせて動物を保護領域に侵入しにくくすることができると共に、たとえ保護領域に侵入されたとしても植物の生長点は少なくとも保護するという共存共栄的食害防止方法(図1参照)。
(2)保護領域を網柵で囲って動物の侵入自体を物理的に防ぐ食害防止方法。
そして、この発明において、前記網の好ましい形態を下記に列挙する。
すなわち、この発明において、
(A)標準電極電位に差がある金属のうち、いずれかを編織線材の素材とする一方、残りのいずれかの金属を用いて前記編織線材の一部にメッキ処理が施されているのが好ましく、この場合、
(A―1)編織線材の素材に例えば鉄を用いるとともに、この鉄線と例えば銅メッキが施された鉄線により編織されているのが好ましく、
(A―1’)例えば銅メッキ5が施された鉄線6(5)、銅メッキが施されていない鉄線7を編織線材とし、編織線材によって画成された平面視六角形の目合い(網目)mを有する亀甲金網2であり、銅メッキが施された鉄線6(5)と銅メッキが施されていない鉄線7が合流する箇所c,dでは両者6(5),7は互いに撚り合わされている(図2参照)のが好適である。
(A―2)また、銅メッキが適宜間隔を有して多数箇所において施された鉄線を編織線材とする(図3参照)のが好適である。
この発明の網は、編物の形で仕上げられてもよく、また、織物の形で仕上げられてもよく、その意味で編織線材という語句を用いている。例えば鉄線を例に挙げると、編物仕上の場合は鉄線を編目にしながら、これをたて(径)またはよこ(緯)の方向に連結させて編まれるものであり、織物仕上げ場合はたて線材とよこ線材を交錯させながら織られるものである。
また、この発明において、
(B)標準電極電位に差がある2種類の金属を用いて、編織線材の一部または全部にメッキ処理が施されているのが好ましく、この場合、
(B―1)前記編織線材の素材に化学繊維または天然繊維を用いるとともに、銅メッキが施された前記編織線材と亜鉛メッキが施された前記編織線材により編織されていたり(図示せず)、
(B―2)銅メッキおよび亜鉛メッキが多数箇所において施されたものを編織線材とする(図示せず)のが好ましい。
また、この発明において、
(C)編織線材として、標準電極電位に差がある2種類以上の金属線を撚り合わせて形成された撚り線を用いているのが好ましく、この場合、
(C―1)前記編織線材として、銅線と鉄線を撚り合わせて形成された撚り線を用いる(図4参照)のか好ましい。
また、この発明において、
(D)編織線材に対し部分的に取り付けられる複数個の部材を有し、編織線材の素材に標準電極電位に差がある2種類以上の金属のうち一つを用いるとともに、前記部材の素材に他の金属を用いるのが好ましく、この場合、
(D―1)編織線材の素材に鉄を用いるとともに、前記部材の素材に銅を用いる一方、前記部材は、かしめられた状態で前記素材に固定されうるグリップ体である(図5参照)のが好ましい。
また、この発明において、
(E)標準電極電位に差がある2種類以上の金属をそれぞれ素材とする複数個の部材に挿通された編織線材により編織されているのが好ましく、この場合、
(E―1)前記複数個の部材は、鉄を素材とする円筒状の部材と、表面に銅メッキが施された鉄を素材とする円筒状の部材とより構成される(図6参照)のが好適であり、
(E―2)また、前記複数個の部材は、鉄を素材とする円筒状の部材と、銅を素材とする円筒状の部材とであってもよい。
また、この発明において、
(F)編織線材が挿通される複数個の部材を有し、それら部材の素材に標準電極電位に差がある2種類以上の金属のうち一つと他の金属を用い、前記一つの金属の一部に、前記他の金属のメッキによる被覆層を有するのが好ましく、この場合、
(F―1)前記一つの金属が鉄であり、前記他の金属が銅であるのが好ましい(図7参照)。
また、この発明において、
(G)編織線材として、天然繊維線材または化学繊維線材と、標準電極電位に差がある2種類以上の金属線材とを撚り合わせて形成された撚り線を用いているのが好ましく、この場合、
(G―1)天然繊維線材または化学繊維線材と、銅線と、鉄線により編織されている(図8参照)のが好ましい。
以上、網の好ましい形態を列挙したが、このようにこの発明では、網の目合いを構成する各辺に夫々異種金属の組合わせを具備させることが好適である。このように配置することで、動物が網を咥えた際に確実に2種類以上の金属を口腔内へ含ませることができ、忌避効果を最大限に発揮することが可能となる。
さらに、この発明において、
(H)標準電極電位(電解質と接触している電極の電位)の差が0.4ボルト以上であるのが好ましく(図9参照)、0.7ボルト以上であるのが好ましい。
すなわち、標準電極電位において0.4ボルト以上の差がある金属を選択することが望ましいのは、これ未満(0.4ボルト未満)の電位差になると、動物が不快感を覚え難く、忌避効果も低くなってしまうからである。
それを裏付ける試験結果について前記表1を用いて以下に説明する。
野生の鹿が出没する山間部の裸地に、50×50cm区画の牧草生育部を11箇所設けた。そして、高さ10cmの板状体で辺を仕切り、その上から1辺4cm目合いの合成樹脂製網(ネット)で牧草を覆った。
〔試験区〕
アルミニウム・亜鉛・鉄・鉛・銅の5種類の金属から2種類を組み合わせ、鹿が網に噛み付いた際に確実に2種の金属を咥えこませるため、編目を構成する各辺に2種の金属を配置した。
〔比較区〕
何も金属を網に配置しない状態にした。
〔試験結果の比較〕
1ケ月間自然放置した後、各区画の地上部バイオマスを自然乾燥重量にて比較した。ここで、地上部バイオマスとは、保護領域の植生面に生育している例えば牧草のうち、地上で生育している部分(根や地下茎などの地下に埋没している部分を除いたもの)のことを言う。また、自然乾燥重量(以下、単に重量という)とは、1ケ月後に残っている地上部の牧草を植生面からの高さが1cm未満で切り、屋内で数日間自然放置して乾燥させたものの重量を言う。したがって、忌避効果があると、地上部の牧草は食べられ難いことから、残量が多くなり前記重量は大となる一方、忌避効果が少ないと、地上部の牧草は食べられ易いことから、1ケ月後の残量が少なくなり前記重量は小となる。
図9は、標準電極電位の差(電位差)と前記重量との関係を示す図である。上記表1と図9から以下のことが判明した。
前記表1において、亜鉛―鉄および鉄−鉛の組み合わせでは、例えば亜鉛―鉄では前記重量が96gであり、これと対象区の重量80gと比較した際に若干の忌避効果はあるものの、顕著な効果は本試験では確認できなかった。それ以降は、電位差0.4ボルトを変曲点に、電位差と重量とに相関関係が見られるようになり、更には0.7ボルト前後を変曲点に穏やかなカーブとなる。
このことから、ガルバニ電流による忌避効果を十分に発揮させるためには、電位差0.4ボルト以上の金属を選択することが好適である、ということが判明した。より好ましくは、電位差0.7ボルト以上とすることで確実に忌避効果を発揮させることができることが判明した。
また、この発明において用いられる、動物による食害防止用の網としては、
(I)菱形金網または亀甲金網であるのが好ましい。目合い(網目)のピッチeは、特に限定されるものではなく任意の大きさであればよい。例えば0.5cm〜10. 0cm角の目合いを有するのが好ましい。
そして、さらにこの発明は、請求項2または3の食害防止方法によって形成されてなる動物による食害を防止する食害防止構造を提供する(請求項4)。
この発明では、標準電極電位に差がある金属の少なくとも2種類以上網に配置し、これを動物が咥えた際に、その口腔内へ複数の金属が含まれるように配置することによって、口腔内でガルバニ電流を発生させる状態にできる。
すなわち、このような構成とすることで、動物が植物を食べようとして誤って網を咥えた際に、動物の口腔内において唾液が電解質の役割を果たし、2種の金属間に電位差が発生して電流が流れる。また、金属が動物の口腔内においてイオンの状態で溶出し、不快な金属味も生じることになる。
この結果、動物は多大な不快感を覚えるのであって、保護地域の植物を食べることを嫌悪するようになる。つまり、忌避効果が生まれる。
例えば、網の網目(目合い)の大きさを小さくしていない場合や、あるいは、網の植生面からの浮設高さを高くしていない場合であっても、網より下部分の植物を保護することができ、動物による食害を防止することができる。すなわち、この発明の網を保護領域の植生面から浮かせて動物を保護領域に侵入しにくくすることができると共に、たとえ保護領域に侵入されたとしても植物の生長点は少なくとも保護することができる。
また、この発明の網は、動物による食害を防止する棚用網として使用することができ、網柵を何とか破壊しようと動物が網に噛み付く際に不快感を与えられるため、保護領域を網柵で囲って動物の侵入自体を物理的に防ぐと同時に忌避効果も併せて発生させて動物による食害を防止することができる。
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
図1(A)および(B)はそれぞれ、この発明に係る例えば草食動物による食害を防止する食害防止構造の構成を概略的に示す斜視図および縦断面図である。
図2は、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第1の実施形態を示す平面図である。
図3(A)および(B)はそれぞれ、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第2の実施形態を示す拡大した平面図およびメッキされていることを示すための図である。
図4は、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第4の実施形態を示す図で、上段は拡大した平面図を示し、下段は網を構成する素線の一部を示す詳細図である。
図5(A)および(B)はそれぞれ、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第5の実施形態を示す拡大した平面図および網を構成する素線に対し部分的に取り付けられる部材の取り付け動作を示す図である。
図6は、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第6の実施形態に用いられる円筒状の部材を示す斜視図である。
図7は、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第7の実施形態に用いられる部材を示す斜視図である。
図8は、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第8の実施形態を示す図で、上段はその平面図を示し、下段は網を構成する素線の一部を示す詳細図である。
図1において、例えば草食動物による食害を防止する食害防止構造Dは、保護領域1を後述する特徴的構成の網2によって覆うことにより、網2の網目(目合い)の大きさを小さくしていない場合や、網2の植生面からの浮設高さを高くしていない場合であっても、草食動物(例えば、鹿等の大型草食動物)による食害を防止できるものである。そして、防止構造Dは、網2をスペーサ3を介して保護領域1から例えば10cm程度浮かせた状態で配置してなる。保護領域1は、例えば植物Pを植生しようとする植生領域であり、この実施の形態では、法面である。また、植物Pは、例えばトールフェスク等の牧草であり、この牧草は、地上約2cmにある生長点より上側の部分を食べられても、再生可能である。保護領域1は、その表面に植生面1aを有する。この植生面1aは、例えば保護領域1の表面に、植物Pの種子を吹き付けなどにより散布することで形成したものである。なお、植生面1aは、上記の構成からなるものに限らず、例えば、種子に代えて、現地周辺の土壌等の種子を含む客土を用いてもよく、肥料、保水材、土壌改良材の少なくとも一つと種子とを混合した植生基材を用いてもよい。以下、この発明の特徴的構成について説明する。
〔網2の第1の実施形態;図2〕
図2において、編織線材の素材に鉄を用いるとともに、この鉄線と銅メッキが施された鉄線により編織されて網2が形成されている。
詳しくは、銅メッキ5が施された鉄線6、銅メッキが施されていない鉄線7を編織線材とし、編織線材によって画成された平面視六角形の目合い(網目)mを有する亀甲金網2であり、銅メッキが施された鉄線6(5)と銅メッキが施されていない鉄線7が合流する箇所c,dでは両者6(5),7は互いに撚り合わせてある。なお、eは目合い(網目)のピッチである。
したがって、例えば、鹿が網2を咥えた際に口腔内でガルバニ電流を発生させることができ、また、鉄、銅が鹿の口腔内においてイオンの状態で溶出し、不快な金属味も生じることになる。この結果、鹿は多大な不快感を覚えるのであって、保護領域1の植物Pを食べることを嫌悪するようになり、忌避効果が生まれるのであり、鹿による食害を防止できる。例えば、目合いの大きさを小さくしていない場合や、あるいは、網2の植生面からの浮設高さを高くしていない場合であっても、網2より下部分の植物Pを保護することができる。
〔網2の第2の実施形態;図3〕
図3において、銅メッキ8が適宜間隔を有して多数箇所において施された鉄線9を編織線材9(8)とし、編織線材9(8)によって画成された目合bが菱形に形成されている。なお、図3(B)において、銅メッキ8部分に付された符号10で示す白抜き部分は、銅メッキ8が鉄線9に施されていることを示すためのものである。
したがって、上記実施形態と同様の効果を奏する。
〔網2の第3の実施形態(図示せず)〕
(1)編織線材の素材に例えばレーヨンに代表される再生繊維および合成繊維等の化学繊維またはヤシ等の天然繊維を用いるとともに、銅メッキが施された前記編織線材と亜鉛メッキが施された前記編織線材により編織されて網2が形成されている。
(2)銅メッキおよび亜鉛メッキが多数箇所において施された素線を編織線材とし、編織線材によって画成された目合が菱形に形成されているもの。
したがって、上記各実施形態と同様の効果を奏する。
〔網2の第4の実施形態;図4〕
図4において、編織線材の素材として、標準電極電位に差がある2種類以上の金属線を撚り合わせて形成された撚り線11を用いているもの。
詳しくは、銅線12と鉄線13を撚り合わせて形成された撚り線11としての編織線材を用いて菱形金網2が形成されている。
したがって、上記各実施形態と同様の効果を奏する。
〔網2の第5の実施形態;図5〕
図5において、編織線材15の素材に鉄を用いるとともに、編織線材15に対し部分的に取り付けられる複数個の部材16の素材に銅を用いる一方、この銅製の部材16は、取り付け前は、図5(B)に符号17で示すようになっており、取り付けにあたっては、工具によりかしめられた状態で前記編織線材15に固定されうるクリップ体である。この部材(クリップ体)16は、編織線材15の外径にほぼ等しい内径を有する一対の同軸配置される円柱部材16a,16aと、これらを連結する連結片部16bよりなる。
したがって、上記各実施形態と同様の効果を奏する。
〔網2の第6の実施形態;図6〕
標準電極電位に差がある2種類以上の金属をそれぞれ素材とする複数個の部材に挿通された編織線材により編織されている。
詳しくは、図6において、前記複数個の部材は、鉄20を素材とする円筒状の部材T1 (20)と、表面に銅メッキ21が施された鉄20を素材とする円筒状の部材T2 〔20(21)〕とより構成される。
また、前記複数個の部材は、鉄を素材とする円筒状の部材と、銅を素材とする円筒状とであるものでもよい。
したがって、上記各実施形態と同様の効果を奏する。
〔網2の第7の実施形態;図7〕
編織線材が挿通される複数個の部材25,25…(図7参照)を有し、各部材25の素材に標準電極電位に差がある2種類以上の金属のうち一つと他の金属を用い、前記各部材25は、一つの金属の一部に、他の金属のメッキによる被覆層を有するもの。
詳しくは、図7において、前記一つの金属が鉄26であり、前記他のメッキ金属が銅27であるもの。前記各部材25は、編織線材に挿通可能なように編織線材の外径よりも大きな内径を有する円柱部材25a,25aと、これらを連結する連結片部25bよりなる。
したがって、上記各実施形態と同様の効果を奏する。
〔網2の第8の実施形態;図8〕
図8において、編織線材として、天然繊維線材30,30または化学繊維線材と、標準電極電位に差がある2種類以上の金属線材31,32とを撚り合わせて形成された撚り線33を用い、撚り線33によって画成された目合cが正方形に形成されている。
詳しくは、図8において、ヤシ等の天然繊維線材30,30またはレーヨン等の化学繊維線材と、銅線34と、鉄線35により編織されているもの。
したがって、上記各実施形態と同様の効果を奏する。
なお、上記各実施の形態では、動物による食害防止用の網として、スペーサ3を介して保護領域1から10cm程度浮かせた状態で配置してなる網2を示したが、この発明は、動物による食害防止用の網を、動物による食害の防止のため保護領域を囲うように配置するようにしてもよい。
また、スペーサ3の形状も限定されるものではなく、棒状,筒状、格子状、スパイラル状など、浮かせた状態で網を配置できるものであれば採用可能である。更には、モルタルなどの吹付けによって構成される法枠をもってスペーサ3の代替とすることもできる。
また、編織される網2は、菱形金網でも、亀甲金網でもよく、さらに、別の形態の金網でも金属製素線以外の網でもよい。要は、互いに標準電極電位に差がある2種類以上の金属の部分を設けてある網2であればよい。
(A)および(B)はそれぞれ、この発明に係る例えば草食動物による食害 を防止する食害防止構造の構成を概略的に示す斜視図および縦断面図である。 は、この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第1の実施形態 を示す平面図である。 (A)および(B)はそれぞれ、この発明に係る例えば草食動物による食害 防止用の網の第2の実施形態を示す拡大した平面図およびメッキされている編織線材 を示すための図である。 この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第4の実施形態を示 す図で、上段は拡大した平面図を示し、下段は編織線材を示す詳細図である。 (A)および(B)はそれぞれ、この発明に係る例えば草食動物による食害 防止用の網の第5の実施形態を示す拡大した平面図および編織線材に対し部分的に取 り付けられる部材の取り付け動作を示す図である。 この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第6の実施形態に用 いられる複数個の円筒状の部材を示す斜視図である。 この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第7の実施形態に用 いられる部材を示す斜視図である。 この発明に係る例えば草食動物による食害防止用の網の第8の実施形態に示 す図で、上段はその平面図を示し、下段は編織線材を示す詳細図である。 標準電極電位の差(電位差)と自然乾燥重量との関係を示す図である。
2 網

Claims (4)

  1. 動物による食害を防止するための網であって、動物が網を咥えた際に口腔内にガルバニ電流を発生させるために、標準電極電位に差がある2種類以上の金属の部分を、動物が網を咥えた際に口腔内へ複数の金属が含まれるように具備していることを特徴とする動物による食害防止用の網。
  2. 請求項1記載の網を、動物による食害の防止のため保護領域の植生面から浮かせた状態で配置することを特徴とする動物による食害防止方法。
  3. 請求項1記載の網を、動物による食害防止のための保護領域を囲うように配置することを特徴とする動物による食害防止方法。
  4. 請求項2または3の食害防止方法によって形成されてなる動物による食害防止構造。
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