JP2007089449A - 鮫防御方法、およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源装置や制御装置等を必要とせず、鮫が逃げ出してしまう程度の電流を恒常的に海中に流して、鮫からの攻撃を防御する方法、および装置を提供する。
【解決手段】保護対象またはその周囲に海水中で電位の異なる2種の材料を配置し、これらを電気的に導通させて電流を生じさせ、周辺に鮫を寄せ付けなくした。
これにより外部電源や制御回路等を必要とすることなく、長期間保護対象またはその周囲の海水中に電流を流し、周辺に鮫を寄せ付けなくできる。防御装置を容易に取り付けることができ、かつ取り付け場所を問わないことから、生簀、定置網、曳網、遊泳区域全体、遊泳者やダイバーにも取り付けることができ、鮫の被害を未然に防止できる。
【選択図】図1
【解決手段】保護対象またはその周囲に海水中で電位の異なる2種の材料を配置し、これらを電気的に導通させて電流を生じさせ、周辺に鮫を寄せ付けなくした。
これにより外部電源や制御回路等を必要とすることなく、長期間保護対象またはその周囲の海水中に電流を流し、周辺に鮫を寄せ付けなくできる。防御装置を容易に取り付けることができ、かつ取り付け場所を問わないことから、生簀、定置網、曳網、遊泳区域全体、遊泳者やダイバーにも取り付けることができ、鮫の被害を未然に防止できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、生簀、魚網、若しくは遊泳者またはダイバー等を鮫の攻撃から防御する方法、および装置に関する。
従来から、曳網を船に取り込む際に鮫が網に噛み付いて、網や魚が被害を受けるといった漁業被害が多数報告されている。鮫は、頭にロレンチニ瓶という、中にゼリー状の物質が詰まった直径1mmほどの小さい孔を多数具え、微弱な電流や磁場を感知する器官を有している。鮫はこの器官でエサとなる生物が動く時に発する非常に小さな電流を敏感に感知して魚を捕獲するといわれている。
一方、この器官があまりにも敏感であるため、海水に浸漬した乾電池から放たれる電流にも驚いて、鮫が逃げ出してしまうことが知られている。
また、水中に2つの電極を浸漬し、電荷を電荷蓄積装置に備えてその電荷蓄積装置から電極経由で電流を定周期で水中に放電し、上記電極間に電場を生成して電極近くから鮫のような水生動物を撃退する方法および装置が特開平9−140293号公報に記載されている。
特開平9−140293号公報
しかし、乾電池は電気容量が小さいため短時間しか放電せず、長期間、生簀や魚網若しくは遊泳者やダイバー等を鮫から隔離させておくことができない。
一方、特開平9−140293号公報に記載されている方法および装置は、電荷蓄積装置とパルス電流を制御するための制御回路を必要とするので装置が高価である。また、沖合にある生簀に電源を引いたり、遊泳者やダイバーが電源を携帯したりすることは困難である。
本発明は、電源装置や制御装置等を必要とせず、鮫が逃げ出してしまう程度の電流を恒常的に海中に流して、鮫からの攻撃を防御する方法、および装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、次のように構成した。
本発明は、保護対象またはその周囲に海水中で電位の異なる2種の材料を配置し、これらを電気的に導通させて電流を生じさせ、電流の周辺に鮫を寄せ付けなくした。
海水中に導電性の材料を浸漬すると、導電性の材料はそれぞれ固有の電位を示す。例えば、マグネシウムと白金との間には1.76Vの電位差が生じ、海水中でマグネシウムと白金とを電気的に接続させると、マグネシウムがアノード(陽極)、白金がカソード(陰極)となってその間に電流が流れる。したがって、電界に敏感な鮫は電流を忌避し、電極や電線の周囲に寄り付かなくなる。なお、本発明に使用される材料は、金属や合金に限らず、海水中で固有の電位を示す材料であればよく、例えば炭素繊維なども使用できる。
本発明方法を、海中に設置される生簀、定置網や曳網等の魚網、海水浴の遊泳区域周囲に使用することができ、これにより、鮫の被害を防止できる。また、遊泳者やダイバー等の身に着けることにより、鮫の接近を防止できる。
2種の材料の一方に、アンカーとしての錘を用いたり、ダイバーが浮力調節用に装着する錘、圧縮空気を貯留する空気タンクなどを用いてもよい。この場合、アンカーの錘や空気タンクなどは、電池作用により溶出しない陰極側とすることが好ましい。すると、それらの腐食を防止する効果も得られる。
あるいは、体重に応じて重さをその都度調整する浮力調節用の錘では、錘を陽極側に用いれば、海水中で錘が溶出し、鮫防御装置の本体側には消耗部品を必要としなくなる。
外部電源や制御回路等を必要とすることなく、長期間保護対象またはその周囲の海水中に電流を流し、周辺に鮫を寄せ付けなくできる。防御装置を容易に取り付けることができ、かつ取り付け場所を問わないことから、生簀、定置網、曳網、遊泳区域全体、遊泳者やダイバーにも取り付けることができ、鮫の被害を未然に防止できる。
錘やタンクなどを材料の一方に用いた場合は、それと電位が異なる対極材を用意することにより鮫防御装置を容易に構成できる。
アノード側の材料を適宜交換することにより、鮫防御装置を半永久的に使用できる。カソード側の対極材に対して防蝕効果が得られる。
本発明にかかる鮫防御装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に、海中に設けた魚網を示す。図において30は網、32は網30を浮かすフロート、34はロープである。網30は、生簀、あるいは定置網などで、フロート32やロープ33などを用いて海水内に張られている。
鮫防御装置1は、陽極2と、陰極4と、陽極2と陰極4とを通電させる導体6から構成してあり、網30やロープ33、フロート32の適宜な位置に取り付けられている。
陽極2と陰極4は、海水に浸漬すると陽極2が陰極4より常に電位が低くなる材料から構成されている。例えば陽極2は、マグネシウム合金、亜鉛合金、アルミニウム合金のような電位の卑な金属や合金からなり、陰極4は、軟鋼、ステンレス銅、チタン等のような電位の貴な金属や合金である。
導電体6は、電線や金属棒等である。
鮫防御装置1が、網30などに適宜の間隔で取り付けられ、陽極2と陰極4の電位差を利用して導電体6に電流が流してあるので、電流に敏感な鮫は網30などに近づくことができない。これにより、鮫が食い破るなどの被害から魚網を守ることができる。
また陽極2は導電体6に電流が流れて、徐々に海水に溶出するが、所定の大きさ以下になったり、所定期間経過したときに定期的に交換する。このように陽極2を交換することにより、鮫防御装置1は半永久的に使用できる。
導電体6の材質、長さ、太さなどは、陽極2と陰極4間で発生する電位差、陽極2や陰極4の材質、網30の広さなどに応じて適宜選択する。
鮫防御装置1の他の例を示す。
図2に示す網30は生簀、または定置網などであり、海底に錘10を配置し、錘10で網30が固定されている。錘10は、軟鋼、鋳鉄、ステンレス鋼等の電位の貴な金属製であるか、または、少なくとも表面の一部は上記金属等で構成されている。
陽極2は、上述したように陰極4に対して電位の卑な金属または合金である。陽極2は、側張用フロート33にぶら下げ、導体6で錘10と電気的に接続させる。
このような構成にすると錘10を陰極とし、陽極2との間で電位差が生じ、導電体6を通して電流が流れるので、網30の鮫の被害を防御できる。
また、錘10が陽極2で防食されるので、海水中において一層好都合である。更に、陽極2が消耗したときは、陽極2のみを引き上げて交換する。
更に鮫防御装置1の他の例を図3に示す。
これは、スキューバダイビングを行っているダイバーを鮫の被害から防御する例である。
空気タンク12は、軟鋼、鋳鉄、ステンレス鋼等の電位の貴な材料からなる金属製であり、空気タンク12に対して電位の卑な材料からなる陽極2を、導電体6aで空気タンク12と電気的に接続させてダイバー14の近傍にぶら下げてある。
このようにすると、空気タンク12と陽極2の間の電位差により導電体6aに電流が流れ、この電流によりダイバー14の近傍に鮫が近寄ることを防止できる。
また、ダイバー14は浮力調整用に錘(ウエイト)16を腰に装着している。このウエイト16は、亜鉛のような電位が卑で比重の大きな金属や合金であり、あるいはそのような金属を一部に使用して形成してある。そしてウエイト16に対して電位が貴な材料からなる陰極4を導電体6bで接続させ、陰極4をダイバー14の近傍にぶら下げる。
このようにしても、ウエイト16と陰極4との間の電位差により導電体6bに電流が流れ、この電流によりダイバー14の近傍に鮫が近寄ることを防止できる。この場合ウエイト16は徐々に海水中に溶出するが、ダイバー14の体重等により、適宜調整するものであるので、わずかな溶出は問題とならない。
更に、空気タンク12とウエイト16とを導電体6cで接続し、導電体6cに電流を流すようにしてもよい。このように構成すると空気タンク12を陰極としウエイト16を陽極とでき、スキューバダイビングに必要な機材で、鮫防御装置が構成できる。
この場合も空気タンク12がウエイト16によって防蝕されるので、腐食が発生せず好都合である。なお、ダイバー14が装着するウェットスーツの一部やその他の用具を炭素繊維製とし、亜鉛合金のウエイト16と接続させてウエイト16を陽極に、炭素繊維を陰極として構成してもよい。また、空気タンク12の周囲にステンレス鋼等の鋼よりも電位の貴な金属を巻きつけて陰極とし、対極材の陽極との電位差をより大きくして電流を多く流すようにすることもできる。
1 鮫防御装置
2 陽極
4 陰極
6、6a、6b、6c 導電体
12 空気タンク
14 ダイバー
16 ウエイト
30 網
32 フロート
33 側張用フロート
34 ロープ
2 陽極
4 陰極
6、6a、6b、6c 導電体
12 空気タンク
14 ダイバー
16 ウエイト
30 網
32 フロート
33 側張用フロート
34 ロープ
Claims (6)
- 海水に浸漬すると電位差が生じる2種の材料を導電体で接続させ、前記2種の材料を前記導電体とともに海水中に配置し、前記2種の材料の電位差を利用して導電体に電流を流して該導電体付近に鮫を寄せ付けないことを特徴とした鮫防御方法。
- 海水に浸漬すると電位差が生じる2種の材料と、
前記2種の材料間を接続する導電体とからなり、
前記2種の材料間の電位差を利用して海水中の前記導電体に電流を流し鮫を寄せ付けないことを特徴とした鮫防御装置。 - 生簀、あるいは魚網等の設置物を海中にて固定する錘と、海水に浸漬した場合前記錘より電位が低くなる対極材と、前記錘と前記対極材とを電気的に接続する導電体とからなり、海水中において前記錘と前記対極材との間に生じる電位差を利用して海水中において前記導電体に電流を流し、該導電体付近に鮫を寄せ付けないことを特徴とした設置物周囲の鮫防御装置。
- 設置物は、遊泳区域を示す標識である請求項3に記載の設置物周囲の鮫防御装置。
- スキューバダイビングに用いられる空気タンクと、海水に浸漬すると前記空気タンクの材質より電位が低くなる対極材と、該対極材と前記空気タンクとを接続する導電体とからなり、海水中において前記空気タンクと前記対極材との間に生じる電位差を利用して海水中において前記導電体に電流を流し、鮫を周辺に寄せ付けないことを特徴とした鮫防御装置。
- スキューバダイビングに用いられる浮力調整用の錘と、海水に浸漬すると前記浮力調整用錘より電位が低くなる対極材と、該対極材と前記浮力調整用錘とを接続する導電体とからなり、海水中において前記浮力調整用錘と前記対極材との間に生じる電位差を利用して海水中において前記導電体に電流を流し、鮫を周辺に寄せ付けないことを特徴とした鮫防御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005281932A JP2007089449A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | 鮫防御方法、およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005281932A JP2007089449A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | 鮫防御方法、およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007089449A true JP2007089449A (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=37975828
Family Applications (1)
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JP2005281932A Pending JP2007089449A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | 鮫防御方法、およびその装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007089449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010004777A (ja) * | 2008-06-25 | 2010-01-14 | Nisshoku Corp | 動物による食害防止用の網および動物による食害防止方法ならびに動物による食害防止構造 |
KR20180005077A (ko) * | 2016-07-05 | 2018-01-15 | 주식회사 아이언에스 | 상어 퇴치장치 |
-
2005
- 2005-09-28 JP JP2005281932A patent/JP2007089449A/ja active Pending
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KR20180005077A (ko) * | 2016-07-05 | 2018-01-15 | 주식회사 아이언에스 | 상어 퇴치장치 |
KR102117839B1 (ko) | 2016-07-05 | 2020-06-02 | 주식회사 아이언에스 | 상어 퇴치장치 |
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