JP7480061B2 - ベーカリー食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベーカリー食品の製造方法に関する。
従来、パンなどのベーカリー食品に油脂を配合する場合は、バターやマーガリン、ショートニング等の常温で固体の油脂が使用されてきた。近年、健康志向の高まりや、嗜好の多様性から、ベーカリー食品にえごま油やオリーブオイル等の、常温で液体の油脂を配合する技術が期待されている。しかしながら、一般的にベーカリー食品、中でもパン類の場合、常温で液体の油脂はグルテン形成の妨げになるとされ、パンが十分に膨らまず食感が硬くなったり、出来上がったパンにねちゃつきが感じられる場合がある。
ベーカリー食品の生地に常温で液体の油脂を配合した技術として、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1には、液状油を主原料とし、保湿剤としての増粘多糖類を乳化剤により固定分散化したベーカリー製品用油脂組成物が開示されており、このベーカリー製品用油脂組成物を添加することにより、ベーカリー製品における老化防止抑制効果を発現し、かつ口どけ感を向上させることができるとされている。
特開2005-000048号公報
しかしながら、特許文献1では、常温で液体の油脂と澱粉組成物を併用した場合に、ベーカリー食品のねちゃつきや食感の硬さを抑制できる手段については、開示も示唆もされていない。
そこで、本発明者等が鋭意検討したところ、常温で液体の油脂を添加するベーカリー食品において、特定の成分を生地に含有させることで、ねちゃつきを低減し、口どけに優れ、歯切れが良く、ソフト感のあるベーカリー食品が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、
20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物と、以下の条件(1)~(4)を満たす成分(A)とを含むベーカリー生地を調製する工程、
を含み、ベーカリー生地を調製する前記工程において、
前記ベーカリー生地中の、前記成分(A)の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量に対する前記成分(A)の含有量が、質量比で0.03以上8.0以下である、ベーカリー食品の製造方法が提供される。
(1)澱粉含量が75質量%以上
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
前記製造方法が、前記ベーカリー生地を加熱調理する工程をさらに含むことが好ましい。
前記加熱調理の方法が、焼成または油ちょうであることが好ましい。
前記ベーカリー食品が、パン、ピザおよびドーナツからなる群から選択される1種であることが好ましい。
前記成分(A)の目開き0.25mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が20質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
前記生地が穀粉を含むことが好ましい。
前記食用油脂組成物の中の食用油脂の10℃における固体脂含量が5%以下であることが好ましい。
前記食用油脂組成物の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して2質量%以上45質量%以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、
20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物と、以下の条件(1)~(4)を満たす成分(A)とを含む、ベーカリー生地であって、
前記ベーカリー生地中の、前記成分(A)の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量に対する前記成分(A)の含有量が、質量比で0.03以上8.0以下である、前記ベーカリー生地が提供される。
(1)澱粉含量が75質量%以上
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
また、本発明によれば、
20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物を配合したベーカリー生地を、加熱調理して得られるベーカリー食品の歯切れを向上させる方法であって、
以下の条件(1)~(4)を満たす成分(A)を前記ベーカリー生地に配合し、
前記ベーカリー食品の生地中、前記成分(A)の配合量が、粉体原料全体の配合量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
前記ベーカリー生地中、前記食用油脂組成物の配合量に対する前記成分(A)の配合量が、質量比で0.03以上8.0以下である、前記方法が提供される。
(1)澱粉含量が75質量%以上
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明によれば、前記本発明における製造方法により得られるベーカリー食品を用いる加工食品が提供される。
本発明によれば、ねちゃつきを低減し、口どけに優れ、歯切れが良く、ソフト感のあるベーカリー食品を得ることができる。なお、ここでいうねちゃつきとは、喫食した際に、口の中で食品が唾液と混じってねちゃねちゃする様子をいう。また、口どけに優れるとは、喫食した際に、口の中で食品が団子状にならず、くずれてとけやすい状態をいう。
以下、本発明の実施の形態について、各成分の具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ベーカリー生地)
本実施形態において、ベーカリー生地(以下、「ベーカリー用生地」とも呼ぶ。)は、20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物と、(1)~(4)を満たす以下の成分(A)を含み、
ベーカリー生地中の、成分(A)の配合量が、粉体原料全体の配合量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
食用油脂組成物の配合量に対する成分(A)の配合量が、質量比で0.03以上8.0以下である。
成分(A):(1)澱粉含量が75質量%以上、
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を澱粉組成物中3質量%以上45質量%以下含み、
低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
以下、ベーカリー生地の原料である各成分について説明する。
(成分(A))
成分(A)は、澱粉を75質量%以上含む澱粉組成物である。そして、成分(A)は、澱粉として、アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を澱粉組成物中に3質量%以上45質量%以下含み、低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下であって、25℃における澱粉組成物の冷水膨潤度が5以上20以下である。成分(A)中の目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が成分(A)全体に対して30質量%以上100質量%以下である。
以下、成分(A)についてさらに具体的に説明する。
成分(A)中の澱粉の含有量は、ねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、75質量%以上であり、80質量%以上とすることが好ましく、85質量%以上とすることがさらに好ましい。
また、成分(A)中の澱粉含量の上限に制限はなく、100質量%以下であるが、ベーカリー食品の性状等に応じてたとえば99.5質量%以下、99質量%以下としてもよい。
ここで、成分(A)中の澱粉の含有量は、成分(A)全体に対する含有量である。
また、成分(A)は、上記澱粉として、アミロース含量5質量%以上の澱粉を原料とする低分子化澱粉を特定の割合で含み、低分子化澱粉として特定のピーク分子量のものが用いられる。すなわち、成分(A)中の澱粉が、アミロース含量5質量%以上の澱粉を原料とする低分子化澱粉を成分(A)中に3質量%以上45質量%以下含み、低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下である。
低分子化澱粉のピーク分子量は、ねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、3×10以上であり、8×10以上とすることが好ましい。また、低分子化澱粉のピーク分子量は、口どけを向上させる観点から、5×10以下であり、3×10以下とすることが好ましく、1.5×10以下とすることがさらに好ましい。なお、分解後の澱粉のピーク分子量の測定方法については、実施例の項に記載する。
低分子化澱粉は、その製造安定性に優れる観点から、好ましくは、酸処理澱粉、酸化処理澱粉または酵素処理澱粉からなる群から選択される1種または2種以上であり、より好ましくは酸処理澱粉である。
酸処理の条件は、問わないが、例えば、以下のように処理することができる。
アミロース含量5質量%以上の澱粉と水を反応装置に投入した後、さらに酸を投入する。あるいは水に酸をあらかじめ溶解させた酸水と原料の澱粉を反応装置に投入する。酸処理をより安定的に行う観点からは、反応中の澱粉の全量が水相内に均質に分散した状態、またはスラリー化した状態にあることが望ましい。そのためには、酸処理を行う上での澱粉スラリーの濃度を、たとえば10質量%以上50質量%以下、好ましくは20質量%以上40質量%以下の範囲になるように調整する。スラリー濃度が高すぎると、スラリー粘度が上昇し、均一なスラリーの攪拌が難しくなる場合がある。
酸処理に用いられる酸として、具体的には塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸が挙げられ、種類、純度などを問わず利用できる。
酸処理反応は、たとえば酸処理時の酸濃度は.0.05規定度(N)以上4N以下が好ましく、0.1N以上4N以下がより好ましく、0.2N以上3N以下がさらに好ましい。また、反応温度は、30℃以上70℃以下が好ましく、35℃以上70℃以下がより好ましく、35℃以上65℃以下がさらに好ましい。反応時間は、0.5時間以上120時間以下が好ましく、1時間以上72時間以下がより好ましく、1時間以上48時間以下がさらに好ましい。
成分(A)中の低分子化澱粉の含有量は、ねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、成分(A)全体に対して3質量%以上であり、8質量%以上であることが好ましく、13質量%以上とすることがさらに好ましい。
一方、成分(A)中の低分子化澱粉の含有量は、同様の観点から、成分(A)全体に対して45質量%以下であり、35質量%以下であることが好ましく、25質量%以下とすることがさらに好ましい。
ここで、成分(A)中の低分子化澱粉の含有量は、成分(A)全体に対する含有量である。
また、低分子化澱粉の原料澱粉中のアミロース含量は、5質量%以上であり、好ましくは12質量%以上、より好ましくは22質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上、さらにより好ましくは55質量%以上、最も好ましくは65質量%以上である。なお、低分子化澱粉の原料澱粉中のアミロース含量の上限に制限はなく、100質量%以下であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
低分子化澱粉の原料であるアミロース含量5質量%以上の澱粉として、ハイアミロースコーンスターチ、コーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、ハイアミロース小麦澱粉、米澱粉および、これらの原料を化学的、物理的または酵素的に加工した加工澱粉からなる群から選択される1種または2種以上を用いることができる。しねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、ハイアミロースコーンスターチ、コーンスターチ、および、タピオカ澱粉から選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、ハイアミロースコーンスターチを用いることがより好ましい。ハイアミロースコーンスターチのアミロース含量は、40質量%以上のものが入手可能である。アミロース含量5質量%以上の澱粉は、より好ましくはアミロース含量が40質量%以上のコーンスターチである。
また、成分(A)の25℃における冷水膨潤度は、ねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、5以上であり、好ましくは5.5以上であり、さらに好ましくは6以上である。
また、同様の観点から、成分(A)の25℃における冷水膨潤度は20以下であり、好ましくは17以下、さらに好ましくは15以下である。
ここで、成分(A)の25℃における冷水膨潤度は、以下の方法で測定される。
(1)試料を、水分計(研精工業株式会社製、型番MX-50)を用いて、125℃で加熱乾燥させて水分測定し、得られた水分値から乾物質量を算出する。
(2)この乾物質量換算で試料1gを25℃の水50mLに分散した状態にし、30分間25℃の恒温槽の中でゆるやかに撹拌した後、3000rpmで10分間遠心分離(遠心分離機:日立工機社製、日立卓上遠心機CT6E型;ローター:T4SS型スイングローター;アダプター:50TC×2Sアダプター)し、沈殿層と上澄層に分ける。
(3)上澄層を取り除き、沈殿層質量を測定し、これをB(g)とする。
(4)沈殿層を乾固(105℃、恒量)したときの質量をC(g)とする。
(5)BをCで割った値を冷水膨潤度とする。
成分(A)の、JIS-Z8801-1規格における目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量は30質量%以上100質量%以下であり、ねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、好ましくは40質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは65質量%以上100質量%以下である。
また、成分(A)の、JIS-Z8801-1規格の篩における0.25mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量は、口どけを向上させる観点から、好ましくは20質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは25質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは28質量%以上100質量%以下、さらにより好ましくは30質量%以上100質量%以下である。
また、成分(A)の、JIS-Z8801-1規格の篩における0.15mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量は、口どけを向上させる観点から、好ましくは10質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは12質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上100質量%以下、さらにより好ましくは17質量%以上100質量%以下である。
ここで、成分(A)の、所定の篩の篩上または篩下の含有量は、成分(A)を所定の篩に通したときの、成分(A)全体に対する篩上または篩下の画分の含有量である。
本実施形態において、成分(A)中の上記低分子化澱粉以外の澱粉成分としては、様々な澱粉を使用することができる。具体的には、用途に応じて一般に市販されている澱粉、たとえば食品用の澱粉であれば、種類を問わないが、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉などの澱粉;およびこれらの澱粉を化学的、物理的または酵素的に加工した加工澱粉などから、1種以上を適宜選ぶことができる。好ましくは、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉およびこれらの架橋澱粉からなる群から選択される1種または2種以上の澱粉を含有するのがよく、より好ましくは、コーンスターチを含有するのがよい。
また、本実施形態における成分(A)には、澱粉以外の成分を配合することもできる。
澱粉以外の成分の具体例としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの不溶性塩や、色素が挙げられ、不溶性塩を配合することが好ましく、不溶性塩の配合量は、0.1質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
次に、成分(A)の製造方法を説明する。成分(A)の製造方法は、たとえば、以下の工程を含む。
(低分子化澱粉の調製工程)アミロース含量5質量%以上の原料澱粉を低分子化処理してピーク分子量が3×10以上5×10以下の低分子化澱粉を得る工程。
(造粒工程)原料に低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、かつ低分子化澱粉と低分子化澱粉以外の澱粉の合計が75質量%以上である、原料を加熱糊化して造粒する工程。
低分子化澱粉の調製工程は、アミロース含量5質量%以上の澱粉を分解して低分子化澱粉とする工程である。ここでいう分解とは、澱粉の低分子化を伴う分解をいい、代表的な分解方法として酸処理や酸化処理、酵素処理による分解が挙げられる。この中でも、分解速度やコスト、分解反応の再現性の観点から、好ましくは酸処理である。
また、造粒工程には、澱粉の造粒に使用されている一般的な方法を用いることができるが、所定の冷水膨潤度とする点で、澱粉の加熱糊化に使用されている一般的な方法を用いることが好ましい。具体的には、ドラムドライヤー、ジェットクッカー、エクストルーダー、スプレードライヤーなどの機械を使用した方法が知られているが、本実施形態において、冷水膨潤度が上述した特定の条件を満たす成分(A)をより確実に得る観点から、エクストルーダーやドラムドライヤーによる加熱糊化が好ましく、エクストルーダーがより好ましい。
エクストルーダー処理する場合は通常、澱粉を含む原料に加水して水分含量を10~60質量%程度に調整した後、たとえばバレル温度30~200℃、出口温度80~180℃、スクリュー回転数100~1,000rpm、熱処理時間5~60秒の条件で、加熱膨化させる。
本実施形態において、たとえば上記特定の原料を加熱糊化する工程により、冷水膨潤度が特定の条件を満たす成分(A)を得ることができる。また、加熱糊化して得られた造粒物を、必要に応じて、粉砕し、篩い分けをし、大きさを適宜調整して、成分(A)を得るとよい。
本実施形態におけるベーカリー生地中、成分(A)の含有量は、ねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0.7質量%以上25質量%以下、より好ましくは0.9質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
同様の観点から、ベーカリー生地中、成分(A)の含有量は、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上であり、好ましくは0.7質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらにより好ましくは6質量%以上であり、また、30質量%以下であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
本実施形態におけるベーカリー生地中、成分(A)の含有量は、ねちゃつきを低減し、口どけ、歯切れおよびソフト感を向上させる観点から、生地全体の含有量に対してたとえば0.3質量%以上25質量%以下であり、好ましくは0.4質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以上10質量%以下である。
同様の観点から、ベーカリー生地中、成分(A)の含有量は、ベーカリー生地中、成分(A)の含有量は、生地全体の含有量に対してたとえば0.3質量%以上であり、好ましくは0.4質量%、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上、さらにより好ましくは4質量%以上であり、また、たとえば25質量%以下であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらにより好ましくは5質量%以下である。
本実施形態におけるベーカリー生地中の、食用油脂組成物の含有量に対する成分(A)の含有量は、質量比で0.03以上8.0以下であり、ねちゃつきを低減し、口どけおよび歯切れを向上させる観点から、好ましくは0.1以上5.0以下であり、より好ましくは0.2以上3.0以下、さらに好ましくは0.24以上2.5以下、さらにより好ましくは0.27以上1.5以下である。
同様の観点から、ベーカリー生地中の、食用油脂組成物の含有量に対する成分(A)の含有量は、質量比で0.03以上であり、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.24以上、さらにより好ましくは0.27以上であり、また、たとえば8.0以下であり、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下、さらにより好ましくは1.5以下、さらにより好ましくは0.7以下である。
以上により得られる成分(A)は、低分子化澱粉を含む澱粉組成物であって、澱粉含量、冷水膨潤度、および、低分子化澱粉のピーク分子量ならびに粒度がいずれも特定の条件を満たす構成となっているため、ベーカリー食品の食感を向上させることができる。
(粉体原料)
次に粉体原料について説明する。粉体原料は、ベーカリー生地中に粉状の形態で配合される原料である。
ベーカリー生地の成分(A)以外の粉体原料の具体例として、小麦粉、米粉、ライ麦粉、大豆粉等の穀粉;グルテン、大豆蛋白質等の蛋白質;未加工澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、α化澱粉、難消化性澱粉、デキストリン等の多糖類;砂糖、果糖、ブドウ糖、異性化糖、転化糖、オリゴ糖、トレハロース、糖アルコール等の糖類;アスパルテーム、アセスルファムカリウム等の粉末状の甘味料;脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズパウダー等の乳類;食塩;ふすま、セルロース、難消化性デキストリン等の食物繊維;卵白粉、全卵粉などの卵類;グアーガム、アルギン酸エステル等の増粘多糖類;乳化剤;ココアパウダー、抹茶パウダー等の風味パウダー;改良剤;膨張剤等が挙げられる。
また、ベーカリー生地は、粉体原料として、好ましくは穀粉を含み、より好ましくは小麦粉および米粉から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに好ましくは小麦粉を含む。
(食用油脂組成物)
本実施形態におけるベーカリー生地は、食用油脂組成物を含む。該食用油脂組成物に含まれる食用油脂の20℃における固体脂含量(SFC)は5%以下であり、好ましくは3%以下、より好ましくは0%である。また、食用油脂組成物の20℃における固体脂含量の下限は、例えば0%以上であってもよい。
また、食用油脂組成物に含まれる食用油脂の10℃における固体脂含量(SFC)はたとえば5%以下であり、好ましくは3%以下、より好ましくは0%である。また、食用油脂組成物に含まれる食用油脂の10℃における固体脂含量の下限は、例えば0%以上であってもよい。食用油脂の固体脂含量は、AOCS Official Method Cd 16b-93に記載のMETHOD Iに従って測定できる。
また、食用油脂組成物に使用される食用油脂は、融点(具体的には上昇融点)が0℃未満であることが好ましい。なお、上昇融点の測定は、基準油脂分析試験法2.2.4.2-1996に従って測定することができる。
食用油脂の具体例としては、オリーブ油、菜種油、ごま油、コーン油、大豆油、綿実油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、落花生油、えごま油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物油脂、乳脂、牛脂、ラード等の動物油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられ、またこれらの分別油(パーム油の分別軟質油、パーム油の中融点部等)、エステル交換油、水素添加油等の加工した油脂を使用できる。食用油脂は、好ましくは植物油脂を含み、より好ましくはオリーブ油、菜種油、ごま油、コーン油、大豆油、パーム分別油から選ばれる1種または2種以上の植物油脂を含み、より好ましくはオリーブ油、菜種油、コーン油、大豆油およびパームオレインから選ばれる1種または2種以上を含み、さらに好ましくはオリーブ油、菜種油およびパームオレインから選ばれる1種または2種以上を含む。
本実施形態において、食用油脂組成物中の食用油脂の含有量は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上、さらにより好ましくは95質量%以上である。また本実施形態において、食用油脂組成物中の食用油脂の含有量は、例えば100質量%以下である。
ここで、食用油脂組成物中の食用油脂の含有量は、食用油脂組成物全体に対する食用油脂の含有量である。
また、食用油脂組成物は、25℃で液体であることが好ましい。
本実施形態におけるベーカリー生地中、食用油脂組成物の含有量は、ねちゃつきを低減し、口どけを向上させる観点から、粉体原料全体に対して好ましくは2質量%以上45質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上37質量%以下であり、さらにより好ましくは3.8質量%以上33質量%以下である。
同様の観点から、ベーカリー生地中、食用油脂組成物の含有量は、ベーカリー生地中、食用油脂組成物の含有量は、粉体原料全体に対して好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、さらにより好ましくは3.8質量%以上、よりいっそう好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは37質量%以下、さらにより好ましくは33質量%以下、よりいっそう好ましくは25質量%以下である。
また、本実施形態におけるベーカリー生地全体に対する食用油脂組成物の含有量は、ねちゃつきを低減し、口どけを向上させる観点から、好ましくは1質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは1.3質量%以上22質量%以下であり、さらに好ましくは1.6質量%以上20質量%以下であり、さらにより好ましくは1.9質量%以上18質量%以下である。
同様の観点から、ベーカリー生地全体に対する食用油脂組成物の含有量は、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは1.3質量%以上、さらに好ましくは1.6質量%以上、さらにより好ましくは1.9質量%以上、よりいっそう好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは22質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは18質量%以下、よりいっそう好ましくは15質量%以下である。
本実施形態において、食用油脂組成物はベーカリー食品の種類に合わせて食用油脂以外の成分を含んでもよく、かかる成分の具体例として、香料、乳化剤、着色料等が挙げられる。食用油脂組成物中の水分含量は0質量%であってもよい。また、食用油脂組成物が水を含むとき、食用油脂組成物中の水分含量は、好ましくは0質量%超1質量%以下である。
以上により得られる成分(A)と、食用油脂組成物を添加し、ベーカリー生地を得る。ベーカリー生地を調製する工程において、成分(A)と食用油脂組成物を添加するタイミングは限定されず、成分(A)、食用油脂組成物およびそれ以外の原料をすべて同時に混合してもよいし、成分(A)と粉体原料を混合した後に、食用油脂組成物をその他の液体原料と共に混合してもよい。また、成分(A)と粉体原料のいずれかを混合したミックス粉と、その他の原料を混合することも本実施形態の一態様として有効である。
生地の調製方法は、一般的に用いられる方法でよく、例えば、パン生地であれば、直捏法(ストレート法)、中種法、老麺法、加糖中種法、液種法、ノータイム法等である。
中種法のように中種生地と本捏生地の2つがある場合には、中種生地と本捏生地のいずれか一方あるいは両方に、成分(A)と食用油脂組成物を配合してもよいが、本捏生地に配合することが好ましい。
また、調製された生地は冷凍生地として冷凍保存されてもよい。
このようにして調製されたベーカリー生地を、加熱調理する工程を経てベーカリー食品を得ることができる。加熱調理する方法の具体例として、焼成、蒸し、スチームコンベクション加熱、油ちょう等が挙げられ、焼成、油ちょうから選択される1種または2種の加熱調理が好ましく、オーブンによる焼成がより好ましい。加熱調理の温度は、好ましくは150~260℃、より好ましくは160~250℃である。時間は好ましくは4~60分であり、より好ましくは6~50分である。
また、ベーカリー生地は原料として上述した本実施形態における食用油脂組成物以外の油脂製品を含むことができる。かかる油脂製品の具体例としては、ベーカリー食品に一般的に用いられるマーガリン、ショートニングおよびバター等が挙げられる。
また、本実施形態におけるベーカリー生地は、好ましくは本実施形態における食用油脂組成物以外の油脂製品を含まない。
(その他の成分)
本実施形態において、ベーカリー生地は原料として上述した成分以外の成分を含むことができる。上述した成分以外の成分の具体例としては、水、牛乳、豆乳、果汁、野菜汁、はちみつ、黒蜜、液糖などの液体成分;全卵、卵黄、卵白などの卵類;ナッツ類、ドライフルーツ類、チョコチップ等の各種風味素材;ゴマ;玄米;キビ、アワなどの雑穀類を配合することもできる。
(ベーカリー食品)
本実施形態において得られるベーカリー食品は、パン、ピザ、イーストドーナツ、中華饅頭、ナン、デニッシュ等のイースト発酵食品;蒸しパン、ケーキドーナツ、スコーン等のイーストを含まない食品;パウンドケーキ、スポンジケーキ、シフォンケーキ、ロールケーキ、バターケーキ、マフィン、カップケーキ、ホットケーキ、フィナンシェ、ブッセ、ワッフル、マドレーヌ、パイ等の焼菓子が挙げられ、好ましくはパン、ピザ、ドーナツ、中華饅頭、ナン、デニッシュであり、より好ましくはパン、ピザ、ドーナツから選択される1種であり、さらに好ましくはパンである。
本実施形態の、20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物を配合したベーカリー生地を、加熱調理して得られるベーカリー食品の歯切れを向上させる方法は、ベーカリー生地において、以下の条件(1)~(4)を満たす成分(A)を生地に配合し、
ベーカリー食品の生地中、成分(A)の配合量が、粉体原料全体の配合量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
ベーカリー食品の生地中、食用油脂組成物の配合量に対する成分(A)の配合量が、質量比で0.03以上8.0以下である、方法である。
(1)澱粉含量が75質量%以上
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
(原材料)
以下の例では、原材料として、主に以下のものを使用した。
(澱粉)
酸処理澱粉:後述する製造例1で製造した酸処理ハイアミロースコーンスターチ
コーンスターチ:コーンスターチY、株式会社J-オイルミルズ製
澱粉組成物1~4:後述する製造例2の方法で製造された澱粉組成物
(食用油脂)
食用油脂1:AJINOMOTOオリーブオイルエクストラバージン、株式会社J-オイルミルズ製(水分含量1質量%未満、上昇融点0℃未満)
食用油脂2:菜種油、株式会社J-オイルミルズ製(水分含量1質量%未満、上昇融点0℃未満)
(食用油脂組成物)
食用油脂組成物1:食用油脂1を100%
食用油脂組成物2:食用油脂2を100%
食用油脂組成物3:食用油脂2にバターフレーバーを配合したもの(食用油脂含有量98%以上)
(成分(A)以外の粉体原料)
強力粉:イーグル、日本製粉株式会社製
フランスパン専用粉:リスドォル、日清製粉株式会社製
ココア:バンホーテンココアパウダーRED、バンホーテン製
改良剤:マックスパワー、株式会社J-オイルミルズ製
インスタントドライイースト:サフインスタントドライイースト赤、ル・サッフル製
脱脂粉乳:脱脂粉乳、北海道乳業株式会社製
砂糖:上白糖、三井製糖株式会社製
(その他)
生イースト:オリエンタルイーストFD-1、形状:ペースト状、オリエンタル酵母株式会社製
(製造例1)酸処理澱粉の製造
澱粉組成物1~4の原料となる低分子化澱粉として酸処理澱粉を製造した。
(酸処理ハイアミロースコーンスターチの製造方法)
ハイアミロースコーンスターチ(株式会社J-オイルミルズ製、HS-7、アミロース含量70質量%)を水に懸濁して35.6%(w/w)スラリーを調製し、50℃に加温した。そこへ、攪拌しながら4.25Nに調製した塩酸水溶液をスラリー質量比で1/9倍量加え反応を開始した。16時間反応後、3%NaOHで中和し、水洗、脱水、乾燥し、酸処理ハイアミロースコーンスターチを得た。
得られた酸処理ハイアミロースコーンスターチのピーク分子量を後述の方法で測定したところ、ピーク分子量は1.2×10であった。
(ピーク分子量の測定方法)
ピーク分子量の測定は、東ソー株式会社製HPLCユニットを使用しておこなった(ポンプDP-8020、RI検出器RS-8021、脱気装置SD-8022)。
(1)試料を粉砕し、JIS-Z8801-1規格の篩で、目開き0.15mm篩下の画分を回収した。この回収画分を移動相に1mg/mLとなるように懸濁し、懸濁液を100℃3分間加熱して完全に溶解した。0.45μmろ過フィルター(ADVANTEC社製、DISMIC-25HP PTFE 0.45μm)を用いてろ過を行い、ろ液を分析試料とした。
(2)以下の分析条件で分子量を測定した。
カラム:TSKgel α-M(7.8mmφ、30cm)(東ソー株式会社製)2本
流速:0.5mL/min
移動相:5mM 硝酸ナトリウム含有90%(v/v)ジメチルスルホキシド溶液 カラム温度:40℃
分析量:0.2mL
(3)検出器データを、ソフトウェア(マルチステーションGPC-8020modelIIデータ収集ver5.70、東ソー株式会社製)にて収集し、分子量ピークを計算した。
検量線には、分子量既知のプルラン(Shodex Standard P-82、昭和電工株式会社製)を使用した。
(冷水膨潤度の測定方法)
(1)試料を、水分計(研精工業株式会社、型番MX-50)を用いて、125℃で加熱乾燥させて水分測定し、得られた水分値から乾燥物質量を算出した。
(2)この乾燥物質量換算で試料1gを25℃の水50mLに分散した状態にし、30分間25℃の恒温槽の中でゆるやかに撹拌した後、3000rpmで10分間遠心分離(遠心分離機:日立工機社製、日立卓上遠心機CT6E型;ローター:T4SS型スイングローター;アダプター:50TC×2Sアダプター)し、沈殿層と上澄層に分けた。
(3)上澄層を取り除き、沈殿層質量を測定し、これをB(g)とした。
(4)沈殿層を乾固(105℃、恒量)したときの質量をC(g)とした。
(5)BをCで割った値を冷水膨潤度とした。
(製造例2)澱粉組成物1~4の製造
コーンスターチ79質量%、上述の方法で得られた酸処理ハイアミロースコーンスターチ20質量%、および、炭酸カルシウム1質量%を充分に均一になるまで袋内で混合した。2軸エクストルーダー(幸和工業社製KEI-45)を用いて、混合物を加圧加熱処理した。処理条件は、以下の通りである。
原料供給:450g/分
加水:17質量%
バレル温度:原料入口から出口に向かって50℃、70℃および100℃
出口温度:100~110℃
スクリューの回転数250rpm
このようにしてエクストルーダー処理により得られた加熱糊化物を110℃にて乾燥し、水分含量を10質量%に調整した。
次いで、乾燥した加熱糊化物を、卓上カッター粉砕機で粉砕した後、JIS-Z8801-1規格の篩で篩分けした。篩分けした加熱糊化物を、表1の配合割合で混合し、澱粉組成物1~4を調製した。澱粉組成物1~4の25℃における冷水膨潤度を前述の方法で測定した値を表1に合わせて示す。
Figure 0007480061000001
注)例えば、「3.35mm篩下、1.4mm篩上」とは、「JIS-Z8801-1規格の目開き3.35mmの篩の篩下かつ1.4mmの篩の篩上」を意味する。
また、以下に食用油脂1および2に含まれる食用油脂の固体脂含量(SFC)を表2に示す。
(SFCの測定方法)
AOCS Official Method Cd 16b-93 METHOD Iに準じ、固体脂含量(SFC)(%)を測定した。
(上昇融点の測定方法)
食用油脂1および2について、基準油脂分析試験法2.2.4.2-1996に従って、上昇融点を測定した。
Figure 0007480061000002
(食用油脂組成物入りココアパンの製造方法)
表3~5に記載の配合で、生地を調製した。
1.食用油脂組成物を含むすべての材料をミキサーボウルに入れ、パン用ミキサー(カントーミキサー HP-20M、関東混合機株式会社製)にて以下の条件でミキシングした。ただし実施例5と6のみ、粉体原料を先にビニール袋で混合しミックス粉を作製した後、ミキサーボウルに入れ、さらに残りの材料をミキサーボウルにいれ、以下の条件でミキシングした。
ミキシング条件:フックにて1速で3分、2速で16分混捏
2.ミキシング後、ミキサーから生地を出して、28℃で60分間発酵させた。
3.生地を50gに分割し丸めて20分間休ませた後、丸めて成形をした。
4.成形した生地を36℃相対湿度75%のホイロで70分間発酵させた。
5.発酵後、オーブンにて以下の条件と時間で焼成した。
焼成条件:上段220℃/下段180℃
焼成時間:10分
6.焼成後、室温(20℃)にて焼成したパンの粗熱を除去した。
(食用油脂組成物入りリュスティック(フランスパンの1種)の製造方法)
表6に記載の配合で、以下のように生地を調整した。
1.食用油脂組成物を含むすべての材料をミキサーボウルに入れ、パン用ミキサー(カントーミキサー HP-20M、関東混合機株式会社製)にてミキシングした。
ミキシング条件:フックにて1速で4分、2速で4分混捏
2.ミキシング後、ミキサーから生地を出して、28℃で60分間発酵させパンチをした。3.さらに30分発酵させ2回目のパンチをした。もうさらに30分発酵させた。
4.生地を120gに分割し、そのままキャンバスに並べた。
5.キャンバスに並べた生地を36℃相対湿度75%のホイロで40分間発酵させた。
6.発酵後、オーブンにて以下の条件と時間で焼成した。
焼成条件:上段220℃/下段220℃
焼成時間:25分
7.焼成後、室温(20℃)にて焼成したパンの粗熱を除去した。
(評価方法)
以下においては、各例で作製したパンについて、口どけ/ねちゃつき、歯切れ、ソフト感を、以下の評価基準に従い専門パネラー4人で評価した。4名の評点の平均値を算出し、1.5点以上を合格とした。評価基準を以下に示す。
(口どけ/ねちゃつき)
3:非常に口どけが良く、全くねちゃつきがない
2:口どけが良く、ほとんどねちゃきがない
1:口どけが悪く、ねちゃつきがある
(歯切れ)
3:非常に歯切れが良い
2:歯切れが良い
1:あまり歯切れが良くない
(ソフト感)
3:非常にソフトである
2:ソフトである
1:やや硬さを感じる
(実験1)
表3に記載の原材料により、前述した方法で、生地を調製し、焼成してパンを作製し、評価した。
評価結果を表3に示す。
Figure 0007480061000003
表3より、食用油脂組成物1および成分(A)として澱粉組成物1~4を所定量含むパンは、いずれも対照例と比較して食感に優れていた。
パンの口どけ/ねちゃつき、歯切れ、ソフト感において、粉体原料に対する成分(A)の配合量が4.64質量%以上10.85質量%以下のとき良好であり、7.50質量%以上10.85質量%以下のとき、さらに良好であった(実施例1~3の比較)。
また、得られたパンの口どけ/ねちゃつき、歯切れ、ソフト感において、生地全体に対する成分(A)の配合量が2.71質量%以上6.14質量%以下のとき良好であり、4.32質量%以上6.14質量%以下のとき、さらに良好であった(実施例1~3の比較)。
成分(A)の目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量は、73.1質量%以上95.8質量%以下の時、得られたパンの口どけ/ねちゃつき感、歯切れ、ソフト感において優れていた。
また、成分(A)の、目開き0.25mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が38.7質量%以上95.8質量%以下の場合、得られたパンの口どけ/ねちゃつき感、歯切れ、ソフト感において優れていた。
また、成分(A)の、目開き0.15mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量は、口どけ/ねちゃつきの観点からは、23.7質量%以上93.4質量%以下で優れていた。歯切れ及びソフト感の観点からは、23.7質量%以上93.4質量%以下で優れていた。
成分(A)の、目開き0.15mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が23.7質量%の澱粉組成物1と比較すると、目開き0.15mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が59.4質量%以上93.4質量%以下の澱粉組成物2~4の方が、より少ない添加量でも、得られたパンの口どけ/ねちゃつき感、歯切れ、ソフト感において優れていた。ただし、澱粉組成物3および4は、パンの製造工程における材料のミキシングの際、若干ダマが生成しやすい傾向がみられた。
(実験2)
原材料の配合比を表4に記載のものとした以外は、実験1と同じ手順でパンを作製し、評価した。
各評価結果を合わせて表4に示す。
Figure 0007480061000004
表4に示すように、食用油脂組成物1および成分(A)として澱粉組成物1を所定量含むパンは、いずれも食感に優れていた。
油脂組成物に対する成分(A)の質量比(すなわち成分(A)/食用油脂組成物)は、口どけ/ねちゃつきの観点から、0.25以上1.0以下の時、良好であり、0.25以上0.5以下の時、より良好であり、0.4以上0.5以下の時、さらに良好であった。歯切れを向上する観点から、(成分(A)/食用油脂組成物)は、0.25以上1.0以下の時、良好であり、0.25以上0.5以下の時、さらに良好であり、0.33以上0.5以下の時、さらにより良好であった。また、ソフト感の観点からは、(成分(A)/食用油脂組成物)は、0.25以上1.0以下の時、良好であり、0.25以上0.4以下の時より良好であり、0.25以上0.33以下の時、さらに良好であった。
また、ベーカリー生地中の食用油脂組成物の質量%は、口どけ/ねちゃつきの観点から、粉体原料合計に対し、7.5質量%以上30.0質量%以下の時、良好であり、15.0質量%以上18.8質量%以下の時、より良好であった。歯切れを向上する観点からは、粉体原料合計に対し食用油脂組成物が7.5質量%以上30.0質量%以下の時、良好であり、15.0質量%以上30.0質量%以下の時、より良好であり、15.0質量%以上22.5質量%以下の時、さらに良好であった。ソフト感を向上する観点からは、粉体原料合計に対し食用油脂組成物が7.5質量%以上30.0質量%以下の時、良好であり、18.8質量%以上30.0質量%以下の時、より良好であり、22.5質量%以上30.0質量%以下の時、さらに良好であった。
ベーカリー生地全体に対する食用油脂組成物の質量%は、口どけ/ねちゃつきの観点から、4.4質量%以上16.9質量%以下の時、良好であり、8.6質量%以上10.7質量%以下の時、より良好であった。歯切れを向上する観点からは、ベーカリー生地全体に対する食用油脂組成物の質量%は、4.4質量%以上16.9質量%以下の時、良好であり、8.6質量%以上16.9質量%以下の時、より良好であり、8.6質量%以上13.0質量%以下の時、さらに良好であった。ソフト感を向上する観点からは、ベーカリー生地全体に対する食用油脂組成物の質量%は、4.4質量%以上16.9質量%以下の時、良好であり、10.7質量%以上16.9質量%以下の時、より良好であり、13.0質量%以上16.9質量%以下の時、さらに良好であった。
(実験3)
原材料の配合比を表5に記載のものとした以外は、実験1と同じ手順でパンを作製し、評価した。
各評価結果を合わせて表5に示す。
Figure 0007480061000005
表5より、成分(A)を含むベーカリー生地において、食用油脂組成物1を使用した場合に変えて、食用油脂組成物2と食用油脂組成物3を1:1で混合した場合も、食用油脂組成物1の場合と同じくねちゃつきが抑制され、口どけおよび歯切れに優れたソフト感のあるパンが得られた。
(実験4)
表6に記載の原材料の配合比にて、前述した方法で生地を調製し、リュスティックを得た。
Figure 0007480061000006
パンの種類がリュスティックの場合でも、成分(A)および食用油脂組成物を含むと、ねちゃつきが抑制され、口どけおよび歯切れに優れたソフト感のあるパンが得られた。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物と、以下の条件(1)~(4)を満たす成分(A)とを含むベーカリー生地を調製する工程、
を含み、ベーカリー生地を調製する前記工程において、
前記ベーカリー生地中の、前記成分(A)の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量に対する前記成分(A)の含有量が、質量比で0.03以上8.0以下である、ベーカリー食品の製造方法。
(1)澱粉含量が75質量%以上
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10 以上5×10 以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
2. 前記ベーカリー生地を加熱調理する工程をさらに含む、1.に記載の製造方法。
3. 前記加熱調理の方法が、焼成または油ちょうである、2.に記載の製造方法。
4. 前記ベーカリー食品が、パン、ピザおよびドーナツからなる群から選択される1種である、1.乃至3.いずれか1つに記載の製造方法。
5. 前記成分(A)の目開き0.25mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が20質量%以上100質量%以下である、1.乃至4.いずれか1つに記載の製造方法。
6. 前記ベーカリー生地が穀粉を含む、1.乃至5.いずれか1つに記載の製造方法。
7. 前記食用油脂の10℃における固体脂含量が5%以下である、1.乃至6.いずれか1つに記載の製造方法。
8. 前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して2質量%以上45質量%以下である、1.乃至7.いずれか1つに記載の製造方法。
9. 20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物と、以下の条件(1)~(4)を満たす成分(A)とを含む、ベーカリー生地であって、
前記ベーカリー生地中の、前記成分(A)の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量に対する前記成分(A)の含有量が、質量比で0.03以上8.0以下である、前記ベーカリー生地。
(1)澱粉含量が75質量%以上
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10 以上5×10 以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
10. 20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物を配合したベーカリー生地を加熱調理して得られるベーカリー食品の歯切れを向上させる方法であって、
以下の条件(1)~(4)を満たす成分(A)を前記ベーカリー生地に配合し、
前記ベーカリー食品の生地中、前記成分(A)の配合量が、粉体原料全体の配合量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
前記ベーカリー生地中、前記食用油脂組成物の配合量に対する前記成分(A)の配合量が、質量比で0.03以上8.0以下である、前記方法。
(1)澱粉含量が75質量%以上
(2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10 以上5×10 以下
(3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
この出願は、2018年11月30日に出願された日本出願特願2018-226093号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。

Claims (10)

  1. 20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物と、以下の条件(1)~()を満たす成分(A)とを含むベーカリー生地を調製する工程、
    を含み、ベーカリー生地を調製する前記工程において、
    前記ベーカリー生地中の、前記成分(A)の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
    前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量に対する前記成分(A)の含有量が、質量比で0.03以上3.0以下である、ベーカリー食品の製造方法。
    (1)澱粉含量が75質量%以上
    (2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
    (3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
    (4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
    (5)目開き0.15mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が10質量%以上100質量%以下
  2. 前記ベーカリー生地を加熱調理する工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加熱調理の方法が、焼成または油ちょうである、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記ベーカリー食品が、パン、ピザおよびドーナツからなる群から選択される1種である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記成分(A)の目開き0.25mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が20質量%以上100質量%以下である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記ベーカリー生地が穀粉を含む、請求項1乃至5いずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記食用油脂の10℃における固体脂含量が5%以下である、請求項1乃至6いずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して2質量%以上45質量%以下である、請求項1乃至7いずれか1項に記載の製造方法。
  9. 20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物と、以下の条件(1)~()を満たす成分(A)とを含む、ベーカリー生地であって、
    前記ベーカリー生地中の、前記成分(A)の含有量が、粉体原料全体の含有量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
    前記ベーカリー生地中の、前記食用油脂組成物の含有量に対する前記成分(A)の含有量が、質量比で0.03以上3.0以下である、前記ベーカリー生地。
    (1)澱粉含量が75質量%以上
    (2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
    (3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
    (4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
    (5)目開き0.15mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が10質量%以上100質量%以下
  10. 20℃における固体脂含量が5%以下の食用油脂を含む食用油脂組成物を配合したベーカリー生地を加熱調理して得られるベーカリー食品の歯切れを向上させる方法であって、
    以下の条件(1)~()を満たす成分(A)を前記ベーカリー生地に配合し、
    前記ベーカリー食品の生地中、前記成分(A)の配合量が、粉体原料全体の配合量に対して0.5質量%以上30質量%以下であり、
    前記ベーカリー生地中、前記食用油脂組成物の配合量に対する前記成分(A)の配合量が、質量比で0.03以上3.0以下である、前記方法。
    (1)澱粉含量が75質量%以上
    (2)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×10以上5×10以下
    (3)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
    (4)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が30質量%以上100質量%以下
    (5)目開き0.15mmの篩の篩下かつ目開き0.038mmの篩の篩上の含有量が10質量%以上100質量%以下
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