JP7478992B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents
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Description
そして、電動機構部を圧縮機構部の上方に配置し、シャフトを鉛直方向に配置するタイプの密閉型圧縮機では、圧縮機構部で圧縮されたガス冷媒は、主軸受を覆うバルブカバー内に吐出され、バルブカバー内のガス冷媒は、電動機部に向けて吐出される。
電動機部は、密閉容器の内面に固定される固定子と、固定子内で回転する回転子とから構成されている。ガス冷媒は、回転子に設けた電動機部冷媒通路、回転子と固定子との隙間、及び固定子と密閉容器との間に設けた電動機部冷媒通路を通過し、吐出管から密閉容器外に吐出される。
圧縮機構部から吐出されるガス冷媒には、圧縮機構部を潤滑したオイルが含まれている。
ガス冷媒に含まれるオイルの一部は、電動機部を通過し吐出管に至るまでに、ガス冷媒から分離するが、分離されないオイルはガス冷媒とともに吐出管から密閉容器外に吐出される。
密閉容器外に吐出されるオイル量が多くなると、冷凍サイクルを構成する凝縮器や蒸発器での熱伝導の低下や冷凍サイクルの効率の低下が生じ、また密閉容器内のオイル量低下によって圧縮機構部の潤滑性能の低下が生じる。
特許文献1は、バルブカバーと主軸受のボス部との間に開口部を形成し、この開口部を電動機部の方向に広がるテーパー状とすることで、開口部から吐出されるガス冷媒の流速を低下させ、吐出管から吐出されるオイルの低減を図っている。
また、密閉型圧縮機の高さ寸法を小さくするためには、電動機部の上方空間を小さくする必要があり、電動機部の上方空間が小さいと、オイルは、ガス冷媒から十分に分離されずに吐出管から吐出されてしまう。
更に、特許文献1のように、電動機部の回転子底面に向かって冷媒ガスを直下より衝突させると、ガス冷媒の流速が大きくなった場合には、ガス冷媒によって回転子が上方に移動する。そして、回転子の上方への移動によってシャフトが持ち上げられ、副軸受に対してシャフトのスラスト力が加わらなくなり、電動機部及び圧縮機構部での回転が安定しないために異音が発生する。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の密閉型圧縮機において、前記カバー開口部の上方に、前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の前記吐出方向を変更する上方規制部材を設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の密閉型圧縮機において、前記カバー開口部の下方に、前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の前記吐出方向を変更する下方規制部材を設けたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の密閉型圧縮機において、前記上方規制部材と前記下方規制部材とを、前記カバー開口部の一方と他方に配置し、前記上方規制部材が前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の上流側となり、前記下方規制部材が前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の下流側となることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の密閉型圧縮機において、前記上方規制部材及び前記下方規制部材を半ドーム形状とし、前記ガス冷媒が前記カバー開口部からスパイラル状に吐出されることを特徴とする。
図1は本実施例による密閉型圧縮機の断面図である。
本実施例による密閉型圧縮機は、密閉容器10内に電動機部20と圧縮機構部30とを備えている。電動機部20は圧縮機構部10の上方に配置している。電動機部20と圧縮機構部30とはシャフト40によって連結されている。
電動機部20は、密閉容器10内面に固定される固定子21と、固定子21内で回転する回転子22とから構成される。
本実施例による密閉型圧縮機は、圧縮機構部30として、第1圧縮機構部30Aと第2圧縮機構部30Bとを有している。
第1圧縮機構部30Aは、第1シリンダ31Aと、第1シリンダ31A内に配置される第1ピストン32Aと、第1シリンダ31A内を仕切るベーン(図示せず)とを有し、第1ピストン32Aが第1シリンダ31A内で公転運動することで、低圧のガス冷媒を吸入して圧縮する。
第1圧縮機構部30Aと同様に、第2圧縮機構部30Bは、第2シリンダ31Bと、第2シリンダ31B内に配置される第2ピストン32Bと、第2シリンダ31B内を仕切るベーン(図示せず)とを有し、第2ピストン32Bが第2シリンダ31B内で公転運動することで、低圧のガス冷媒を吸入して圧縮する。
また、第2シリンダ31Bの一方の面には中板52を配置し、第2シリンダ31Bの他方の面には副軸受53を配置している。
すなわち、中板52は第1シリンダ31Aと第2シリンダ31Bとを仕切る。中板52は、シャフト40の径よりも大きな開口部を有する。
シャフト40は、主軸受51と副軸受44とで支持される。
シャフト40は、回転子22を取り付けて主軸受51で支持される主軸部41と、第1ピストン32Aを取り付ける第1偏芯部42と、第2ピストン32Bを取り付ける第2偏芯部43と、副軸受53で支持される副軸部44とで構成される。
第1偏芯部42と第2偏芯部43とは180度の位相差を持って形成され、第1偏芯部42と第2偏芯部43との間には、連結軸部45を形成している。
第1圧縮室34Aと第2圧縮室34Bとの容積は同一である。すなわち、第1シリンダ31A内径と、第2シリンダ31B内径とは同一であり、第1ピストン32A外径と第2ピストン32B外径とは同一である。また、第1シリンダ31A内周高さと、第2シリンダ31B内周高さとは同一であり、第1ピストン32A高さと第2ピストン32B高さとは同一である。
第1圧縮機構部30Aで圧縮されたガス冷媒は、主軸受51に形成している吐出孔35(図2参照)からバルブカバー60A内に吐出される。第2圧縮機構部30Bで圧縮されたガス冷媒は、副軸受53に形成している吐出孔(図示せず)から第2バルブカバー60X内に吐出され、第2バルブカバー60X内から、副軸受53、第2シリンダ31B、中板52、第1シリンダ31A、及び主軸受51に形成している連通穴36(図2参照)からバルブカバー60A内に吐出される。バルブカバー60A内に吐出されたガス冷媒は、カバー開口部70A(図2参照)から密閉容器10内に吐出される。主軸受51に形成している吐出孔35、及び副軸受53に形成している吐出孔には、吐出バルブ(図示せず)を設けている。
また、図示はしないが、シャフト40の内部には軸方向に給油路が形成され、給油路には、圧縮機構部30の摺動面にオイルを供給するための連通路が形成されている。
胴シェル10aには、圧縮機構部30にガス冷媒を導入する第1吸入管13A及び第2吸入管13Bと、電動機部20に給電するターミナル50とが接続されている。上シェル10bには、圧縮機構部で圧縮されたガス冷媒を導出する吐出管14が接続されている。
第1吸入管13Aは第1圧縮室34Aに、第2吸入管13Bは第2圧縮室34Bに、それぞれ接続されている。第1吸入管13Aおよび第2吸入管13Bの上流側には、アキュムレータ15を設けている。アキュムレータ15は、冷凍サイクルから戻ってきた冷媒を、液冷媒とガス冷媒に分離する。第1吸入管13Aおよび第2吸入管13Bにはガス冷媒が流れる。
なお、シャフト40の回転によって、オイル溜め11から吸い上げたオイルは、連通路から圧縮機構部30に供給され、圧縮機構部30の摺動面の潤滑を行う。
第1ピストン32Aおよび第2ピストン32Bの公転運動によって、第1吸入管13Aおよび第2吸入管13Bから第1圧縮室34Aおよび第2圧縮室34Bに吸入されたガス冷媒は、第1圧縮室34Aおよび第2圧縮室34Bで圧縮された後にオイルとともに密閉容器10内に吐出される。
密閉容器10内に吐出されたガス冷媒は、回転子22と固定子21との隙間や電動機部冷媒通路を通過して上昇する間に一部のオイルを分離し、電動機部20を通過したガス冷媒は、電動機部20の上方空間で更に一部のオイルを分離する。
そして、吐出管14からは、オイルを十分に分離したガス冷媒が密閉容器10外に吐出される。
図2(b)に示すように、主軸受51には、第1圧縮機構部30Aで圧縮されたガス冷媒を吐出する吐出口35と、第2圧縮機構部30Bで圧縮されたガス冷媒を吐出する連通孔36を形成している。
バルブカバー60Aは、主軸受51との間に所定空間を形成して吐出口35及び連通孔36を覆っている。
バルブカバー60Aには、バルブカバー60A内の所定空間のガス冷媒を吐出させるカバー開口部70Aを形成している。
本実施例では、カバー開口部70Aは、バルブカバー60Aの上面に形成し、カバー開口部70Aとして、第1カバー開口部71Aと第2カバー開口部72Aと第3カバー開口部73Aと第4カバー開口部74Aとを備えている。
カバー開口部70Aの上方には、カバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する上方規制部材80Aを設け、カバー開口部70Aの下方には、カバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する下方規制部材90Aを設けている。
上方規制部材80Aはカバー開口部70Aの一方に配置し、下方規制部材90Aはカバー開口部70Aの他方に配置している。
上方規制部材80Aは、カバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Aは、カバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の下流側となる。
上方規制部材80A及び下方規制部材90Aは半ドーム形状とし、上方規制部材80Aは下方規制部材90Aよりも長手方向長さを長くしている。
図3(b)に示すように、カバー開口部(第1カバー開口部)71Aの一方の上方には上方規制部材81Aを、カバー開口部71Aの他方の下方には下方規制部材91Aを設けている。
図3(c)に示すように、カバー開口部(第2カバー開口部)72Aの一方の上方には上方規制部材82Aを、カバー開口部72Aの他方の下方には下方規制部材92Aを設けている。
図3(d)に示すように、カバー開口部(第3カバー開口部)73Aの一方の上方には上方規制部材83Aを、カバー開口部73Aの他方の下方には下方規制部材93Aを設けている。
図3(e)に示すように、カバー開口部(第4カバー開口部)74Aの一方の上方には上方規制部材84Aを、カバー開口部74Aの他方の下方には下方規制部材94Aを設けている。
また、カバー開口部74Aは、カバー開口部72A及びカバー開口部73Aよりも大きく形成している。
このように、吐出口35及び連通孔36から吐出される冷媒量、吐出口35及び連通孔36の位置、又はバルブカバー60Aの形状に応じて、カバー開口部71A、カバー開口部72A、カバー開口部73A、及びカバー開口部74Aの大きさを決定する。
なお、本実施例では、第2圧縮機構部30Bで圧縮されたガス冷媒は、2つの連通孔36からバルブカバー60A内に吐出されるが、連通孔36は1つ又は3つ以上であってもよい。
カバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の吐出方向Xは、シャフト40の軸芯Yと異なる方向としている。
ガス冷媒の吐出方向Xをシャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることで、圧縮機構部30の上方に配置した電動機部20に向かって、圧縮機構部20から吐出されるガス冷媒を電動機部20の直下より衝突させることを少なくすることができる。従って、電動機部20上方へのオイルの移動を低減し、密閉容器10からのオイル吐出量を低減できる。また電動機部20を通過するガス冷媒の速度を低下させることができるので、オイルが分離しやすい。更に電動機部20の回転子22底面に向かって冷媒ガスを回転子22の直下より衝突させることにより発生する異音を防止することができる。
また、本実施例は、カバー開口部70Aの下方に、カバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の吐出方向Xを変更する下方規制部材90Aを設けているため、下方規制部材90Aによって更に電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xを、シャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることができる。
そして、上方規制部材80Aがカバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Aがカバー開口部70Aから吐出するガス冷媒の下流側となることで、電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xをスムーズに変更することができる。
更に、本実施例は、上方規制部材80A及び下方規制部材90Aを半ドーム形状とし、ガス冷媒がカバー開口部70Aからスパイラル状に吐出されることで、ガス冷媒の吐出方向Xを更にスムーズに変更できる。
このように、第1カバー開口部71Aから吐出するガス冷媒と、第2カバー開口部72Aから吐出するガス冷媒とを衝突させ、第3カバー開口部73Aから吐出するガス冷媒と、第4カバー開口部74Aから吐出するガス冷媒とを衝突させることで、電動機部20に向かってガス冷媒を電動機部20の直下より衝突させることを少なくでき、電動機部20上方へのオイルの移動を低減し、密閉容器10からのオイル吐出量を低減できる。またガス冷媒同士を衝突させることで、ガス冷媒の速度を低下させることができるので、オイルが分離しやすい。更にガス冷媒中のオイル同士も衝突させることで、オイルの粒子径が大きくなり、ガス冷媒からオイルが分離しやすくなる。更に電動機部20の回転子22底面に向かって冷媒ガスを電動機部20の直下より衝突させることにより発生する異音を防止することができる。
このように、第1冷媒吐出方向X1と第2冷媒吐出方向X2とを対向させ、第3冷媒吐出方向X3と第4冷媒吐出方向X4とを対向させることで、ガス冷媒の速度を更に低減でき、ガス冷媒からのオイル分離効果を高め、異音防止効果を更に高めることができる。
本実施例においても、バルブカバー60Bには、バルブカバー60B内の所定空間のガス冷媒を吐出させるカバー開口部70Bを形成している。
カバー開口部70Bの上方には、カバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する上方規制部材80Bを設け、カバー開口部70Bの下方には、カバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する下方規制部材90Bを設けている。
上方規制部材80Bはカバー開口部70Bの一方に配置し、下方規制部材90Bはカバー開口部70Bの他方に配置している。
上方規制部材80Bは、カバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Bは、カバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の下流側となる。
上方規制部材80B及び下方規制部材90Bは半ドーム形状とし、上方規制部材80Bと下方規制部材90Bとは長手方向長さを等しくしている。
カバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の吐出方向Xは、シャフト40の軸芯Yと異なる方向としている。
ガス冷媒の吐出方向Xをシャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることで、圧縮機構部30の上方に配置した電動機部20に向かって、圧縮機構部20から吐出されるガス冷媒を電動機部20の直下より衝突させることを少なくすることができる。従って、電動機部20上方へのオイルの移動を低減し、密閉容器10からのオイル吐出量を低減できる。また電動機部20を通過するガス冷媒の速度を低下させることができるので、オイルが分離しやすい。更に電動機部20の回転子22底面に向かって冷媒ガスを回転子22の直下より衝突させることにより発生する異音を防止することができる。
また、本実施例は、カバー開口部70Bの下方に、カバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の吐出方向Xを変更する下方規制部材90Bを設けているため、下方規制部材90Bによって更に電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xを、シャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることができる。
そして、上方規制部材80Bがカバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Bがカバー開口部70Bから吐出するガス冷媒の下流側となることで、電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xをスムーズに変更することができる。
更に、本実施例は、上方規制部材80B及び下方規制部材90Bを半ドーム形状とし、ガス冷媒がカバー開口部70Bからスパイラル状に吐出されることで、ガス冷媒の吐出方向Xを更にスムーズに変更できる。
このように、第1カバー開口部71Bから吐出するガス冷媒、第2カバー開口部72Bから吐出するガス冷媒、第3カバー開口部73Bから吐出するガス冷媒、及び第4カバー開口部74Bから吐出するガス冷媒を同一方向に向けることで、旋回流を生じさせ、電動機部20にガス冷媒が衝突することを少なくでき、電動機部20を通過するガス冷媒の速度を低下させることができるので、オイルが分離しやすい。
本実施例においても、バルブカバー60Cには、バルブカバー60C内の所定空間のガス冷媒を吐出させるカバー開口部70Cを形成している。
カバー開口部70Cの上方には、カバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する上方規制部材80Cを設け、カバー開口部70Cの下方には、カバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する下方規制部材90Cを設けている。
上方規制部材80Cはカバー開口部70Cの一方に配置し、下方規制部材90Cはカバー開口部70Cの他方に配置している。
上方規制部材80Cは、カバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Cは、カバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の下流側となる。
上方規制部材80C及び下方規制部材90Cは半ドーム形状とし、上方規制部材80Cと下方規制部材90Cとは長手方向長さを等しくしている。
カバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の吐出方向Xは、シャフト40の軸芯Yと異なる方向としている。
ガス冷媒の吐出方向Xをシャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることで、圧縮機構部30の上方に配置した電動機部20に向かって、圧縮機構部20から吐出されるガス冷媒を電動機部20の直下より衝突させることを少なくすることができる。従って、電動機部20上方へのオイルの移動を低減し、密閉容器10からのオイル吐出量を低減できる。また電動機部20を通過するガス冷媒の速度を低下させることができるので、オイルが分離しやすい。更に電動機部20の回転子22底面に向かって冷媒ガスを回転子22の直下より衝突させることにより発生する異音を防止することができる。
また、本実施例は、カバー開口部70Cの下方に、カバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の吐出方向Xを変更する下方規制部材90Cを設けているため、下方規制部材90Cによって更に電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xを、シャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることができる。
そして、上方規制部材80Cがカバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Cがカバー開口部70Cから吐出するガス冷媒の下流側となることで、電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xをスムーズに変更することができる。
更に、本実施例は、上方規制部材80C及び下方規制部材90Cを半ドーム形状とし、ガス冷媒がカバー開口部70Cからスパイラル状に吐出されることで、ガス冷媒の吐出方向Xを更にスムーズに変更できる。
このように、第1カバー開口部71Cから吐出するガス冷媒と、第2カバー開口部72Cから吐出するガス冷媒とを衝突させ、第3カバー開口部73Cから吐出するガス冷媒と、第4カバー開口部74Cから吐出するガス冷媒とを衝突させることで、電動機部20に向かってガス冷媒を電動機部20の直下より衝突させることを少なくでき、電動機部20上方へのオイルの移動を低減し、密閉容器10からのオイル吐出量を低減できる。またガス冷媒同士を衝突させることで、ガス冷媒の速度を低下させることができるので、オイルが分離しやすい。更にガス冷媒中のオイル同士も衝突させることで、オイルの粒子径が大きくなり、ガス冷媒からオイルが分離しやすくなる。更に電動機部20の回転子22底面に向かって冷媒ガスを電動機部20の直下より衝突させることにより発生する異音を防止することができる。
本実施例においても、バルブカバー60Dには、バルブカバー60D内の所定空間のガス冷媒を吐出させるカバー開口部70Dを形成している。
カバー開口部70Dの上方には、カバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する上方規制部材80Dを設け、カバー開口部70Dの下方には、カバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の吐出方向を変更する下方規制部材90Dを設けている。
上方規制部材80Dはカバー開口部70Dの一方に配置し、下方規制部材90Dはカバー開口部70Dの他方に配置している。
上方規制部材80Dは、カバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Dは、カバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の下流側となる。
上方規制部材80D及び下方規制部材90Dは半ドーム形状とし、上方規制部材80Dと下方規制部材90Dとは長手方向長さを等しくしている。
カバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の吐出方向Xは、シャフト40の軸芯Yと異なる方向としている。
ガス冷媒の吐出方向Xをシャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることで、圧縮機構部30の上方に配置した電動機部20に向かって、圧縮機構部20から吐出されるガス冷媒を電動機部20の直下より衝突させることを少なくすることができる。従って、電動機部20上方へのオイルの移動を低減し、密閉容器10からのオイル吐出量を低減できる。また電動機部20を通過するガス冷媒の速度を低下させることができるので、オイルが分離しやすい。更に電動機部20の回転子22底面に向かって冷媒ガスを回転子22の直下より衝突させることにより発生する異音を防止することができる。
また、本実施例は、カバー開口部70Dの下方に、カバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の吐出方向Xを変更する下方規制部材90Dを設けているため、下方規制部材90Dによって更に電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xを、シャフト40の軸芯Yと異なる方向とすることができる。
そして、上方規制部材80Dがカバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の上流側となり、下方規制部材90Dがカバー開口部70Dから吐出するガス冷媒の下流側となることで、電動機部20に向かうガス冷媒の流れを規制でき、ガス冷媒の吐出方向Xをスムーズに変更することができる。
更に、本実施例は、上方規制部材80D及び下方規制部材90Dを半ドーム形状とすることで、ガス冷媒の吐出方向Xを更にスムーズに変更できる。
10a 胴シェル
10b 上シェル
10c 下シェル
11 オイル溜め
12 オイルピックアップ
13A 第1吸入管
13B 第2吸入管
14 吐出管
15 アキュムレータ
20 電動機部
21 固定子
22 回転子
30 圧縮機構部
31 シリンダ
30A 第1圧縮機構部
30B 第2圧縮機構部
31A 第1シリンダ
31B 第2シリンダ
32A 第1ピストン
32B 第2ピストン
34A 第1圧縮室
34B 第2圧縮室
35 吐出口
36 連通孔
40 シャフト
41 主軸部
42 第1偏芯部
43 第2偏芯部
44 副軸部
45 連結軸部
50 ターミナル
51 主軸受
52 中板
53 副軸受
60A、60B、60C、60D バルブカバー
60X 第2バルブカバー
61 セパレータ本体
61a 上端
62 脚部
63 セパレータ冷媒通路
64 オイル孔
70A、70B、70C、70D カバー開口部
71A、71B、71C、71D 第1カバー開口部
72A、72B、72C、72D 第2カバー開口部
73A、73B、73C、73D 第3カバー開口部
74A、74B、74C、74D 第4カバー開口部
80A、80B、80C、80D、81A、82A、83A、84A 上方規制部材
90A、90B、90C、90D、91A、92A、93A、94A 下方規制部材
X 吐出方向
Y 軸芯
Claims (5)
- 密閉容器内に電動機部と圧縮機構部とを備え、
前記電動機部を前記圧縮機構部の上方に配置し、
前記電動機部と前記圧縮機構部とをシャフトによって連結し、
前記シャフトを、主軸受と副軸受とで支持し、
前記主軸受と前記副軸受との間に前記圧縮機構部を配置し、
前記主軸受を前記圧縮機構部と前記電動機部との間に配置し、
前記圧縮機構部として、第1圧縮機構部と第2圧縮機構部とを備え、
前記主軸受には、前記圧縮機構部で圧縮されたガス冷媒を吐出する吐出口と、前記第2圧縮機構部で圧縮された前記ガス冷媒を吐出する複数の連通孔とを形成し、
前記主軸受には、所定空間を形成して前記吐出口及び複数の前記連通孔を覆うバルブカバーを設け、
前記バルブカバーの上面には、前記バルブカバー内の前記所定空間の前記ガス冷媒を吐出させる複数のカバー開口部を形成し、
前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の吐出方向を、水平方向又は斜め上方向とした密閉型圧縮機であって、
前記カバー開口部として、第1カバー開口部、第2カバー開口部、第3カバー開口部、及び第4カバー開口部を備え、
前記吐出口の近傍に前記第1カバー開口部を配置し、
前記第2カバー開口部、前記第3カバー開口部、及び前記第4カバー開口部を、前記第1カバー開口部よりも前記連通孔に近い位置に配置し、
前記第1カバー開口部を、前記第2カバー開口部、前記第3カバー開口部、及び前記第4カバー開口部よりも大きく形成し、
前記第1カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の第1冷媒吐出方向と、前記第2カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の第2冷媒吐出方向とを対向させ、
前記第3カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の第3冷媒吐出方向と、前記第4カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の第4冷媒吐出方向とを対向させた
ことを特徴とする密閉型圧縮機。 - 前記カバー開口部の上方に、前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の前記吐出方向を変更する上方規制部材を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。 - 前記カバー開口部の下方に、前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の前記吐出方向を変更する下方規制部材を設けた
ことを特徴とする請求項2に記載の密閉型圧縮機。 - 前記上方規制部材と前記下方規制部材とを、前記カバー開口部の一方と他方に配置し、
前記上方規制部材が前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の上流側となり、
前記下方規制部材が前記カバー開口部から吐出する前記ガス冷媒の下流側となる
ことを特徴とする請求項3に記載の密閉型圧縮機。 - 前記上方規制部材及び前記下方規制部材を半ドーム形状とし、
前記ガス冷媒が前記カバー開口部からスパイラル状に吐出される
ことを特徴とする請求項4に記載の密閉型圧縮機。
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