JP7478534B2 - 乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、乳化組成物に関する。
皮膚の最外層の角層には、角層細胞とその間隙を埋める細胞間脂質が存在する。その大半は、α-ゲル構造をとっており、皮膚に対して、外部からの物質の侵入、内部からの水分蒸散を抑制すると同時に、そのもの自身が水分を保持することで、皮膚の柔軟性やなめらかな外観を保つ機能を有している。
一般に、細胞間脂質、特にセラミドの減少により、好ましくない肌状態が引き起こされることが知られており、セラミドを外用で補うことは、肌の機能低下の改善につながると考えられている。このため、セラミドを含有し、肌の保湿効果を高めるための組成物が検討されている。
例えば、特許文献1には、特定の有機酸とスフィンゴシン類、セラミド類を含有するベシクル組成物が、安定性に優れ、皮膚になじみやすいことが記載されている。
特許文献2には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、セラミド類及び水を特定の割合で含有する乳化組成物が、安定で、塗布膜の感触が滑らかでハリ感を有し、塗布膜の持続性に優れることが記載されている。
特許文献3には、モノベヘン酸又はモノセチルグリセリルエーテルと、高級アルコール、セラミド類、アニオン界面活性剤、水溶性高分子を含有する乳化組成物が、塗布膜が柔軟性及び弾性を有し、水分保持能が高いことが記載されている。
特開2012-214470号公報 特開2019-119741号公報 特開2012-214469号公報
セラミド類を含有する従来の乳化組成物は、保湿感や水分保持性に優れるものの、塗布した際に、塗布の実感がなく、塗布後の肌の感触も十分満足できるものではなかった。また、容器に入った組成物を、スパチュラや指等で取ると、表面に穴が開いた跡が残って、きれいでなく、外観上の課題もあった。
本発明者らは、セラミド類と、アニオン界面活性剤、スフィンゴシン類又はカチオン界面活性剤、ステロール類、水溶性増粘剤を組合わせて用いることにより、脂質分子が構成するベシクル構造が水溶性増粘剤を架橋したゲル状の乳化組成物が得られ、肌に塗布した際に、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布した実感が得られることを見出した。また、塗布後の肌はすべすべとして、肌感触も良好で、保存安定性に優れ、更に、容器に入った乳化組成物を、スパチュラや指等で取ると、直後は表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置にて、表面に開いた穴の跡は残らず、元の平滑できれいな表面に復元できる乳化組成物が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)アニオン界面活性剤 0.01~10質量%、
(B)スフィンゴシン類又はカチオン界面活性剤 0.001~1質量%、
(C)セラミド類 0.01~8質量%、
(D)ステロール又はステロール脂肪酸エステル 0.005~0.8質量%、
(E)水、
(F)水溶性増粘剤
を含有する乳化組成物に関する。
また、本発明は、成分(A)~(D)、(E1)水を含む水相Iを混合して乳化し、冷却する工程1の後に、成分(F)、(E2)水を含む水相IIをさらに混合する工程2を備える、前記乳化組成物の製造方法に関する。
本発明の乳化組成物は、ベシクル構造を形成したゲル状の乳化組成物であり、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触があり、塗布実感を得ることができ、塗布後の肌はすべすべとして、肌感触も良好である。また、保存安定性に優れ、容器に入った乳化組成物を、スパチュラや指等で取ると、直後は表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置にて、元の平滑できれいな表面に復元することができる。
本発明で用いる成分(A)のアニオン界面活性剤としては、通常の乳化組成物に用いられるもので、例えば、N-アシルアミノ酸、脂肪酸、アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、アシル乳酸、N-アシルメチルアラニン、N-アシルサルコシン、ジアシルアミノ酸及びそれらの塩等のカルボン酸塩型、アルカンスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アシルイセチオン酸、アルキルスルホコハク酸、N-アシルメチルタウリン及びそれらの塩等のスルホン酸塩型、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル及びそれらの塩等の硫酸塩型、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びそれらの塩等のリン酸塩型から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、べシクル構造を形成し、保存安定性を向上させる観点から、N-アシルアミノ酸、脂肪酸、アルキルエーテルカルボン酸、ジアシルグルタミン酸リシン、アルキルスルホコハク酸、N-アシルメチルタウリン、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、N-アシルアミノ酸、脂肪酸、N-アシルメチルタウリン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、N-アシルアミノ酸、N-アシルメチルタウリン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことがさらに好ましく、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことがよりさらに好ましい。
N-アシルアミノ酸及びその塩としては、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、N-ステアロイル-L-グルタミン酸、N-ミリストイル-L-グルタミン酸等のN-アシルグルタミン酸及びその塩等が挙げられ、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、N-ステアロイル-L-グルタミン酸及びその塩が好ましく、N-ステアロイル-L-グルタミン酸及びその塩がより好ましい。
脂肪酸及びその塩としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数12~24の脂肪酸及びその塩が挙げられ、炭素14~18の脂肪酸及びその塩が好ましく、炭素16~18の脂肪酸及びその塩がより好ましい。
アルキルエーテルカルボン酸及びその塩としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸及びその塩等が挙げられる。
ジアシルグルタミン酸リシン及びその塩としては、ジラウロイルグルタミン酸リシン及びその塩等が挙げられる。
アルキルスルホコハク酸及びその塩としては、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸及びその塩等が挙げられる。
N-アシルメチルタウリン及びその塩としては、N-ミリストイル-N-メチルタウリン、N-ラウロイル-N-メチルタウリン、N-ステアロイル-N-メチルタウリン及びそれらの塩等が挙げられ、N-ラウロイル-N-メチルタウリン、N-ステアロイル-N-メチルタウリン及びそれらの塩が好ましく、N-ステアロイル-N-メチルタウリン及びそれらの塩がより好ましい。
アルキル硫酸エステル及びその塩としては、ラウリル硫酸及びそれらの塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル及びその塩としては、ポリオキシエチレンラウリル硫酸及びその塩等が挙げられる。
アルキルリン酸及びその塩としては、モノミリスチルリン酸、モノステアリルリン酸、ジ(C12-C15)パレス-8-リン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルリン酸及びその塩としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
成分(A)を構成する塩構造としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-リジン等の塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
成分(A)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、全組成中に0.01~10質量%であり、0.05~8質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましく、0.3~3.2質量%がよりさらに好ましい。
なお、成分(A)の含有量は、塩としての含有量を示す。
成分(B)のうち、スフィンゴシン類としては、次の一般式(1)で表わされる天然又は天然型スフィンゴシン類、及びその誘導体(以下、天然型スフィンゴシンと記載する。)又は一般式(2)で表わされるスフィンゴシン構造を有する擬似型スフィンゴシン類(以下、擬似型スフィンゴシンと記載する。)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
(I)一般式(1)で表わされる天然型スフィンゴシン。
Figure 0007478534000001
(式中、R1はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7~24の直鎖アルキル基を示し;Y1はメチレン基又はメチン基を示し;X1、X2及びX3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Y1がメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方が水素原子を示し、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。);R2はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;a個のR1は各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1~4の直鎖アルキル基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合があってもよいことを示す)
ここでR1としては、炭素数7~24の直鎖アルキル基が好ましく、更に炭素数13~24の直鎖アルキル基が好ましい。aは2が好ましく、R1は各々独立して水素原子、又は炭素数1~4の直鎖アルキル基が好ましい。
一般式(1)で表わされる天然型スフィンゴシンとしては、天然のスフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、及びこれらのN-アルキル体(例えばN-メチル体)から選ばれる1種又2種以上が好ましい。
これらのスフィンゴシンは天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(-)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。
更に、PHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)及び次式で表わされるものから選ばれる1種又は2種以上が好しい。
Figure 0007478534000002
これらは、天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
天然型スフィンゴシンの市販のものとしては、例えば、D-Sphingosine(4-Sphingenine)(SIGMA-ALDRICH社)、DS-phytosphingosine (DOOSAN社)、phytosphingosine(コスモファーム社)が挙げられる。
(II)一般式(2)で表わされる擬似型スフィンゴシン。
Figure 0007478534000003
(式中、R3はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10~22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;X5は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;a個のR2は各々独立して水素原子又はアミジノ基を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、aは2又は3の数を示す)
ここでR3としては、炭素数14~20のイソ分岐アルキル基が好ましく、特にイソステアリル基が好ましい。イソステアリル基は、動植物油由来の脂肪酸を用いたダイマー酸製造時の副生成物由来のイソステアリルアルコールを原料油として得られるイソステアリル基がもっとも好ましい。
また、aが2のときR2はR21及びR22を示し、aが3のときR2はR21、R22及びR23である。
21、R22及びR23 は、例えば水素原子;メチル、エチル、プロピル、2-エチルへキシル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;アミジノ基;ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル、2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシへキシル、1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル、2-メトキシエチル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、3-メトキシプロピル、1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる置換基を有する総炭素数1~8のアルキル基が挙げられる。
特に、R21及びR22のいずれか1つが水素原子で、他方が2-ヒドロキシエチル、1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル、1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルである2級アミンが好ましい。
擬似型スフィンゴシンとしては、R3がイソステアリル基、X5は水素原子で、R21が水素原子、R22が2-ヒドロキシエチル基、1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル基、又は2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル基等のヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1~3個が置換したアルキル基であるものが好ましい。
擬似型スフィンゴシンの具体例としては、次の擬似型スフィンゴシン(i)~(iv)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
Figure 0007478534000004
また、成分(B)のうち、カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩型、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩型、アシルアルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩等のDL-ピロリドンカルボン酸塩型などが挙げられ、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、第4級アンモニウム塩、DL-ピロリドンカルボン酸塩型から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、第4級アンモニウム塩を含むことがより好ましく、ジアルキル型4級アンモニウム塩を含むことがさらに好ましく、ジステアリルジモニウムクロリドを含むことがよりさらに好ましい。
成分(B)としては、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、天然型スフィンゴシン、ジアルキル型4級アンモニウム塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、フィトスフィンゴシン、ジステアリルジモニウムクロリドから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、フィトスフィンゴシンを含むことがさらに好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、全組成中に0.001~1質量%であり、0.005~0.6質量%が好ましく、0.02~0.3質量%がより好ましい。
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、1~50が好ましく、5~20がより好ましく、8~13がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(C)のセラミド類としては、天然型セラミド、擬似型セラミドのいずれでも良く、次の一般式(3)又は(4)で表わされるものから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。
(I)一般式(3)で表わされる天然型セラミドは、天然由来のセラミド類又は同構造の合成物であっても良い。
Figure 0007478534000005
(式中、R11はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7~19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z1はメチレン基又はメチン基を示し;X11、X12、及びX13は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;X14は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X14がオキソ基を形成するとき、X13は存在しない。);R12はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R13は水素原子を示すか、炭素数1~4のアルキル基を示し;R14はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5~30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8~22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
好ましくは、R11が炭素数7~19、更に好ましくは炭素数13~15の直鎖アルキル基;R14がヒドロキシル基が置換しても良い炭素数9~27の直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9~27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。また、X14は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。特に、R14としては、トリコシル、1-ヒドロキシペンタデシル、1-ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1-ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
天然型セラミドは、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1~7(例えば、J. Lipid Res.,24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
更にこれらのN-アルキル体(例えばN-メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(-)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。なかでも、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
Figure 0007478534000006
これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものを用いる場合には、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
Figure 0007478534000007
(II)一般式(4)で表わされる擬似型セラミド。
Figure 0007478534000008
(式中、R15は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10~22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X15は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R16はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5~22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8~22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R17は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1~30のアルキル基を示す。)
16としては、特にノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12-ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
17は、R15が水素原子の場合は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10~30の、好ましくは総炭素数12~20のアルキル基であり、R15がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10~22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合には、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1~8のアルキル基を示すものが好ましい。R17のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1~7のものが好ましい。
Figure 0007478534000009
一般式(4)としては、R15がヘキサデシル基、X15が水素原子、R16がペンタデシル基、R17がヒドロキシエチル基のもの;R15がヘキサデシル基、X15が水素原子、R16がノニル基、R17がヒドロキシエチル基の擬似型セラミド類から選ばれる1種以上が好ましく、一般式(4)のR15がヘキサデシル基、X15が水素原子、R16がペンタデシル基、R17がヒドロキシエチル基のもの(N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)が、さらに好ましい。
Figure 0007478534000010
成分(C)としては、べシクル構造を形成し、保存安定性を向上させる観点から、(N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)、セラミド2、セラミド3から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、(N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)、セラミド2から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、(N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)がさらに好ましい。
成分(C)のセラミド類は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、全組成中に0.01~8質量%であり、0.05~5質量%が好ましく、0.2~3質量%がより好ましい。
成分(D)は、ステロール又はステロール脂肪酸エステルである。
ステロールとしては、カンペステロール、カンペスタノール、ブラシカステロール、22-デヒドロカンペステロール、スティグマステロール、スチグマスタノール、22-ジヒドロスピナステロール、22-デヒドロスチグマスタノール、7-デヒドロスチグマステロール、シトステロール、チルカロール、オイホール、フコステロール、イソフコステロール、コジステロール、クリオナステロール、ポリフェラステロール、クレロステロール、22-デヒドロクレロステロール、フンギステロール、コンドリラステロール、アベナステロール、ベルノステロール、ポリナスタノール等のフィトステロール;コレステロール、ジヒドロコレステロール、コレスタノール、コプロスタノール、エピコプロステロール、エピコプロスタノール、22-デヒドロコレステロール、デスモステロール、24-メチレンコレステロール、ラノステロール、24,25-ジヒドロラノステロ-ル、ノルラノステロ-ル、スピナステロール、ジヒドロアグノステロール、アグノステロール、ロフェノール、ラトステロール等の動物性ステロール;デヒドロエルゴステロール、22,23-ジヒドロエルゴステロール、エピステロール、アスコステロール、フェコステロール等の菌類性ステロール等、ならびにこれらの水添物及びこれらの含有物等が挙げられる。植物から抽出等によって得られるステロールの混合物を用いても良い。
これらのうち、べシクル構造を形成し、保存安定性を向上させる観点から、フィトステロール、ラノステロール、コレステロール、ジヒドロコレステロールから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、フィトステロール、コレステロールから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、コレステロールがさらに好ましい。
ステロール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ラウリン酸コレステリル、パルミチン酸コレステリル、ミリスチン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、リノール酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、分岐脂肪酸(C12-31)コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸ジヒドロコレステリル、ラノリン脂肪酸コレステリル、酪酸フィトステリル、ノナン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、カプリル/カプリン酸フィトステリル、リシノール酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、フィトステリルカノラ油脂肪酸グリセリズ、フィトステリルナタネグリセリズ、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル、コメヌカ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられる。
これらのうち、べシクル構造を形成し、保存安定性を向上させる観点から、ラウリン酸コレステリル、パルミチン酸コレステリル、ミリスチン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、リノール酸コレステリルが好ましく、オレイン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリルがより好ましい。
成分(D)としては、べシクル構造を形成し、保存安定性を向上させる観点から、ステロールが好ましい。
成分(D)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、全組成中に0.005~0.8質量%であり、0.008~0.6質量%が好ましく、0.02~0.3質量%がより好ましい。
本発明の乳化組成物は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量が、全組成中に0.1~15質量%であるのが好ましく、0.2~10質量%がより好ましく、0.5~7質量%がさらに好ましい。
成分(E)の水の含有量は、全組成中に30~85質量%であるのが好ましく、40~80質量%がより好ましく、50~70質量%がさらに好ましい。
成分(F)の水溶性増粘剤としては、アルキル変性ポリアクリル酸系ポリマー、アルキル変性多糖類系ポリマー、ウレタン系ポリマー等が挙げられる。
アルキル変性ポリアクリル酸系ポリマーとしては、アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体等が挙げられ、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体がより好ましい。
また、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体としては、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/べへネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー等が挙げられ、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマーが好ましい。
アルキル変性多糖類系ポリマーとしては、ラウレス-13PGヒドロキシエチルセルロース、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Na等が挙げられ、ラウレス-13PGヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
ウレタン系ポリマーとしては、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーが好ましい。
成分(F)としては、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、アルキル変性ポリアクリル酸系ポリマー、アルキル変性多糖類系ポリマーから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アルキル変性ポリアクリル酸系ポリマーがより好ましく、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体から選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体がよりさらに好ましく、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマーがことさら好ましい。
また、成分(F)の市販品としては、例えば、アクリル酸アルキル重合体として、アキュリン33(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー)、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体として、ペムレンTR-1、ペムレンTR-2、カーボポールETD2020(以上、Lubrizol Advanced Materials, Inc.)等が挙げられる。また、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体としては、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマーであるアキュリン22、アクリレーツ/べへネス-25メタクリレートコポリマーであるアキュリン28、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマーであるアキュリン88(以上、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー)等が挙げられる。アルキル変性多糖類系ポリマーとしては、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸NaであるSPS-S-SA、ラウレス-13PGヒドロキシエチルセルロースであるソフケアEP-S(以上、花王社)、Natrosol Plus(Hercules-Aqualon)等が挙げられる。ウレタン系ポリマーとしては、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーであるアデカノールGT-730(アデカ社)等が挙げられる。
成分(F)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、全組成中に0.1~8質量%であるのが好ましく、0.3~6質量%がより好ましく、0.6~4質量%がさらに好ましい。
本発明において、成分(F)に対する成分(A)の質量割合(A)/(F)は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、0.05~10が好ましく、0.1~6がより好ましく、0.3~3.2がさらに好ましい。
本発明において、成分(F)に対する成分(B)の質量割合(B)/(F)は、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、0.001~1が好ましく、0.005~0.6がより好ましく、0.02~0.3がさらに好ましい。
また、本発明において、べシクル構造を形成し、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布後の肌のすべすべ感、保存安定性を向上させ、乳化組成物の表面に開いた穴の跡が残る一方、一定時間静置後、元の平滑できれいな表面に復元させる観点から、成分(F)に対する、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量の質量割合((A)+(B)+(C)+(D)/(F)は、0.1~20が好ましく、0.2~13がより好ましく、0.6~7がさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、化粧料等の皮膚外用剤として適用することができる。化粧料とする場合には、前記成分以外に、更に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、上記以外の油性成分、界面活性剤、低級アルコール、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、美白剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、植物抽出物、その他各種薬効成分、粉体、香料、色材等を含有することができる。
本発明の乳化組成物は、例えば、成分(A)~(D)、(E1)水を含む水相Iを混合して乳化し、冷却する工程1の後に、成分(F)、(E2)水を含む水相IIをさらに混合する工程2を備える方法により、製造することができる。成分(E)の水は、工程1(E1)及び工程2(E2)でそれぞれ用いられる。
工程1において、成分(A)~(D)、(E1)水を含む水相Iは、ベシクルを形成するのが好ましく、工程2において、このベシクルに、成分(F)、(E2)水を含む水相IIをさらに加えて混合することにより、本発明の乳化組成物を得ることができる。
得られる乳化組成物は、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布を行う実感が得られる観点から、ゲル状であるのが好ましく、流動性のないゲル状がより好ましい。
また、得られる乳化組成物の粘度は、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布を行う実感が得られる観点から、5,000~200,000mPa・sが好ましく、8,000~150,000mPa・sがより好ましく、10,000~120,000mPa・sがさらに好ましく、20,000~80,000mPa・sがよりさらに好ましい。なお、粘度は、B8R型粘度計(ローター:T-C、回転速度:5rpm、測定時間:1分、測定温度:25℃)で測定された値である。
本発明の乳化組成物が、製造時に、前記工程1と工程2を備えることが好ましい理由としては、以下のように考えられる。
本発明の乳化組成物は、工程1によって安定なベシクルを形成し、さらに工程2で水溶性増粘剤を加えることによって、ベシクル構造を形成する各成分のアルキル基と水溶性増粘剤のアルキル基同士が疎水性相互作用を起こし、ベシクル構造を維持したまま、安定な硬いゲル状の乳化組成物になると推測される。得られた乳化組成物は、肌になじませること等による一定以上の外力が加わることによって、ベシクルと水溶性増粘剤の相互作用が弱まり、素早く液状に変化すると考えらえる。その結果、本発明の乳化組成物を肌に塗布した際に、塗布の初めは硬いゲル状であるが、肌になじませると素早く液状化し、ゲルの状態が崩れる感触が得られ、塗布した実感が得られると考えられる。
このような推測から、本発明の乳化組成物は、工程1、工程2を備える製造法が好ましく、工程1でベシクルを形成することがより好ましい。
実施例1~19及び比較例1~2
表1~表3に示す組成の乳化組成物を製造し、塗布時、ゲルの状態が崩れる感触、塗布後の肌のすべすべな感じ、ベシクル構造の確認、乳化組成物の安定性(保形性)、乳化組成物のゲル状態の確認、乳化組成物の形状復元性を評価した。結果を表1~表3に併せて示す。
(製造方法)
成分(A)~(D)を90℃に加熱して均一に溶解し、90℃に加熱した(E1)水及びその他の水性成分を含む水相Iに加え、プロペラで攪拌しながら混合した。その後、プロペラで攪拌しながら25℃まで冷却し、成分(F)、(E2)水及びその他の水性成分を含む水相IIを添加し、プロペラで攪拌し、乳化組成物を得た。
(評価方法)
(1)塗布時、ゲルの状態が崩れる感触:
専門評価者3名が、各乳化組成物を手の甲に0.1g塗布し、マッサージしはじめのゲルの状態が崩れる感触について、10:明らかにある、1:明らかにない、とした10段階で評価した。結果は、3名の平均値で示した。
(2)塗布後の肌のすべすべな感じ:
専門評価者3名が、各乳化組成物を手の甲に0.1g塗布してマッサージをし、その後の肌を触り、すべすべな感じについて、10:明らかにすべすべする、1:明らかにすべすべしない、とした10段階で評価した。結果は、3名の平均値で示した。
(3)ベシクル構造の確認:
製造直後の各乳化組成物を顕微鏡で観察し、ベシクルの状態について、以下の4段階の基準で評価した。
4:マルテーゼクロスがかなりある。
3:マルテーゼクロスがある。
2:マルテーゼクロスがほとんどない。
1:マルテーゼクロスない。
(4)乳化組成物の安定性(保形性):
製造直後と、50℃、25℃、5℃で1週間保存した後の各乳化組成物の状態を目視で観察し、以下の4段階の基準で評価した。
4:流動性のないゲル状。
3:やや流動性があるがゲル状。
2:わずかにとろみがある。
1:液状。
(5)乳化組成物のゲル状態の確認:
製造直後の各乳化組成物10gをスクリュー管(マルエム社製、No.2)に入れ、ふたをした後、ゆっくりと振動を与えないように180°ひっくり返して、1分間放置した後、各乳化組成物が垂れるか、垂れないかを確認した。
2:垂れない。
1:垂れる。
(6)乳化組成物の形状復元性:
各乳化組成物をサンプル瓶(100mL、東京ガラス社製、PS-100)に充填し、ミクロスパーテル(ステンレス製、サンダイヤ社製)を用いて、直径5mm、深さ5mmの大きさの乳化組成物を表面からかきとって1分後の状態を確認した。その後、穴が開いた状態が平滑になるまでの時間を測定した。なお、測定は、48時間まで行い、測定した時間の単位は、「時間」で示した。
なお、乳化組成物を表面からかきとって1分後の状態は、以下の基準で示した。
2:穴が開いた状態。
1:穴の形がつかず、表面が平滑に復元した状態。
また、比較例1~2については、乳化組成物を表面からかきとって1分後の状態で、穴の形がなくなり、表面が平滑になった状態であったため(評価:1)、平滑になるまでの時間は測定できず、「-」で示した。比較例は、形状復元性を示さなかった。
Figure 0007478534000011
Figure 0007478534000012
Figure 0007478534000013

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
    (A)アニオン界面活性剤 0.01~10質量%、
    (B)スフィンゴシン類又はカチオン界面活性剤 0.001~1質量%、
    (C)セラミド類 0.01~8質量%、
    (D)ステロール又はステロール脂肪酸エステル 0.005~0.8質量%、
    (E)水、
    (F)アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体、ラウレス-13PGヒドロキシエチルセルロース、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーから選ばれる1種又は2種以上の水溶性増粘剤
    を含有する乳化組成物。
  2. 成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、1~50である請求項1記載の乳化組成物。
  3. 成分(F)に対する成分(B)の質量割合(B)/(F)が、0.001~1である請求項1又は2記載の乳化組成物。
  4. 成分(A)~(D)、(E1)水を含む水相Iを混合して乳化し、冷却する工程1の後に、成分(F)、(E2)水を含む水相IIをさらに混合する工程2を備える、請求項1~のいずれか1項記載の乳化組成物の製造方法。
  5. 成分(A)~(D)、(E1)水を含む水相Iがベシクルである請求項記載の製造方法。
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