JP7475662B2 - 基礎施工現場に対する鋼製型枠の搬入出方法、及び鋼製型枠搬送コンテナ - Google Patents

基礎施工現場に対する鋼製型枠の搬入出方法、及び鋼製型枠搬送コンテナ Download PDF

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本発明は、基礎施工現場で使用される鋼製型枠自体を用いて組み付けられた鋼製型枠搬送コンテナにより、前記基礎施工現場に対して鋼製型枠群を搬入出させる基礎施工現場に対する鋼製型枠の搬入出方法、及び鋼製型枠搬送コンテナに関するものである。
基礎施工業者は、種々の住宅等の基礎を造るための基礎施工現場に、種々の鋼製型枠を搬入出し、その際に、既存の鋼製型枠搬送コンテナが使用される。既存の鋼製型枠搬送コンテナは、方形状の基台部の4辺部、若しくは2辺部を折畳み可能な金網枠で覆ったもので、鋼製型枠のサイズに応じて種々のものが用意されていて、適宜サイズのものが使用される。基礎施工業者は、設計図に基づいて、当該基礎部分に種々の鋼製型枠を仮設で枠組みして、鋼製型枠間に形成されたコンクリート打設空間部にコンクリートを打設し、当該コンクリートの硬化後に、鋼製型枠が取り外される。前記鋼製型枠搬送コンテナは、一つの現場で数台が使用され、鋼製型枠を枠組みした後には、現場によっては、即座の撤去を要する場合もある。
従来、上記した基礎施工現場に対する鋼製型枠の搬入出は、基礎施工現場が大型のマンション、アパート等の場合には、基礎施工現場の直近までトラックで搬入出し、基礎施工現場が小型の住宅等の場合には、当該現場に近くて、トラックの通行が可能な部分まで、当該トラックで鋼製型枠群を搬送し、当該トラックの停止位置から現場までは、個々の鋼製型枠を人手により現場に搬入していた。
上記した建物の基礎を造るための鋼製型枠群には、種々の形状又はサイズがあって、トラックの荷台に、鋼製型枠搬送コンテナを用いることなく、形状又はサイズの異なる多種類の鋼製型枠群を嵩張ることなく、しかも運搬途中で落下の恐れがないように、工夫して積み上げる必要があるが、この作業は、簡単にみえるが、幅広い経験を必要とする作業である。経験不足の作業者が上記作業を行うと、トラック荷台に対する種々の鋼製型枠の配置の拙劣さのために、例えば、本来ならば、トラックによる2回の搬送で済むものが、3回の搬送を必要とする場合が発生してしまい、かかる事態の発生は、基礎施工業者の作業能率を低下させる。このように、トラックの荷台に、形状又はサイズの異なる鋼製型枠群を整然と積み上げる作業は、特有の技量を要する。
一方、鋼製型枠搬送コンテナを使用する場合には、内部空間に多数の鋼製型枠が収容された鋼製型枠搬送コンテナを、油圧クレーン装置を備えたトラックであるユニック車(登録商標)に備え付けの油圧クレーン装置により、吊り上げて、その荷台に載せて搬送している。
建築現場以外で使用される型枠、例えば、特許文献1に開示のように、工場における軽量気泡コンクリートの製造に使用される型枠には、専用の搬送装置が考案されているが、建築現場において、コンクリート基礎を造るための鋼製型枠に関しては、その搬送を便利にさせる装置類の特許文献は、発見されなかった。
特開2000-44048号公報
本発明は、基礎施工現場に対する鋼製型枠群の搬入出の作業を容易にすることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、基礎施工現場に対して鋼製型枠を搬入出させる方法であって、
鋼板を直交して折り曲げた内外の各直交鋼板が、鋼製型枠の厚さである型厚に対応した間隔をおいて、その底部が連結鋼板で連結されることで、外壁部として機能させるために直交配置される2枚の方形状の鋼製型枠の直交隣接する各下端隅部がそれぞれ挿入される直交挿入溝が上方及び直交する各側方に向いて形成され、
前記内直交鋼板の内側には、上下2枚の支持鋼板が、鋼製型枠の型厚に対応した間隔をおいて一体化されて、上下の各支持鋼板の間に、底壁部として機能する方形状の鋼製型枠の隅部が挿入される隅部挿入溝が、当該底壁部鋼製型枠の対角線方向に開口して設けられた4個の鋼製型枠組付け金具を使用し、
底壁部となる方形状の底壁部鋼製型枠の各隅部を計4個の各鋼製型枠組付け金具の各隅部挿入溝にそれぞれ挿入すると共に、各鋼製型枠組付け金具の各直交挿入溝に、側壁部となる計4枚の側壁部鋼製型枠の直交隣接する下端隅部をそれぞれ挿入することで、前記基礎施工現場で使用される方形状の5枚の鋼製型枠と計4個の各鋼製型枠組付け金具とを用いて、上面のみが開放された中空直方体状の鋼製型枠搬送コンテナを組み立て、
当該鋼製型枠搬送コンテナに、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群を分割して積み込んで、当該基礎施工現場に搬入した後に、当該鋼製型枠搬送コンテナを解体した各鋼製型枠を含む種々の鋼製型枠群を枠組みし、コンクリート打設後に、当該基礎施工現場で枠組みされた各型枠を解体して、再度、4個の鋼製型枠組付け金具を用いて組み立てた鋼製型枠搬送コンテナを用いて、使用済の各鋼製型枠を基礎施工現場から搬出させることを特徴としている。
請求項1の発明において鋼製型枠搬送コンテナを形成するには、基礎施工現場に搬入される鋼製型枠群の中から、底壁部となる方形状の鋼製型枠と、側壁部となる同一サイズの2枚が一組となった二組の方形状の鋼製型枠を選び出す。計4個の鋼製型枠組付け金具を用いて、上記した計5枚の鋼製型枠を組み付けて、内部が空所となって上面のみに開口した中空直方体状の鋼製型枠搬送コンテナを形成する。即ち、底壁部となる底壁部鋼製型枠の各隅部を各鋼製型枠組付け金具の隅部挿入溝に挿入した状態で、直交配置された各側壁部鋼製型枠の直交隣接する各下端隅部を、各鋼製型枠組付け金具の直交挿入溝にそれぞれ上方から挿入すると、4枚の側壁部鋼製型枠と1枚の底壁部鋼製型枠とから成る計5枚の鋼製型枠は、計4個の鋼製型枠組付け金具により上記した中空直方体状の鋼製型枠搬送コンテナに組み付けられる。
鋼製型枠搬送コンテナを組み付ける際に、底壁部鋼製型枠の下方には、フォークリフトの爪挿入空間、或いは前記ユニック車(登録商標)の油圧クレーン装置のロープの挿入間隔 を確保するために、2本の嵩上げ材を配置しておく。この状態で、基礎施工業者等の倉庫等において組み付けられた複数の鋼製型枠搬送コンテナに、鋼製型枠群の中から必要量の鋼製型枠を嵩張らないようにして適宜選択して収容させる。内部に必要量の鋼製型枠が収容された鋼製型枠搬送コンテナは、フォークリフト、又は前記ユニック車(登録商標)に備え付けの油圧クレーン装置により、前記ユニック車(登録商標)荷台に載せられる。基礎施工現場に最も近い位置まで、当該ユニック車(登録商標)を侵入させ、備え付けの油圧クレーン装置によって、内部に必要量の鋼製型枠が収容された鋼製型枠搬送コンテナを地上に降ろす。
以後は、作業者が鋼製型枠搬送コンテナに収容されている各鋼製型枠、及び当該鋼製型枠搬送コンテナを解体して得られた計5枚の方形状の鋼製型枠を工事現場まで搬送し、以後は、基礎施工業者が、工事現場において各鋼製型枠により仮設の枠組みを形成する。このように、基礎施工現場に鋼製型枠を搬入するために使用された鋼製型枠搬送コンテナは解体されて、本来の鋼製型枠として使用されるので、従来のコンテナのように、鋼製型枠群の搬入直後に、現場から搬出させる必要のない利点は大きい。なお、1つの鋼製型枠搬送コンテナに対して使用される計4個の鋼製型枠組付け金具は、鋼製型枠群の搬出時に再使用するので、工事現場の近辺に保管しておく。この場合において、鋼製型枠組付け金具は小サイズであるため、嵩張らないので、保管が容易である。
打設したコンクリートの硬化後に、各鋼製型枠を取り外して、計5枚の方形状の使用済の鋼製型枠を、計4個の鋼製型枠組付け金具を用いて、再度、組み付けて鋼製型枠搬送コンテナを形成して、搬入時と同様にして、当該鋼製型枠搬送コンテナに、使用済の複数の鋼製型枠を収容して、工事現場から鋼製型枠群を搬出させる。
このように、請求項1の発明によれば、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群の中から選択された計5枚の方形状の鋼製型枠と、計4個の鋼製型枠組付け金具とを用いて、鋼製型枠搬送コンテナを組み立て、当該鋼製型枠搬送コンテナを用いて鋼製型枠群を工事現場に搬送し、工事現場において、当該鋼製型枠搬送コンテナを解体して得られる計5枚の方形状の鋼製型枠を含めた鋼製型枠群により、コンクリート基礎を造るための仮設の枠組みを形成する。このため、従来のように、鋼製型枠搬送コンテナを使用する場合には、鋼製型枠群を施工現場に搬入した直後に、当該鋼製型枠搬送コンテナを施工現場からの搬出を必要とする場合があるが、請求項1の発明によれば、鋼製型枠搬送コンテナ自体が解体されてなくなるので、その排出の必要がなくなる。そして、コンクリート打設の作業終了後には、鋼製型枠群の搬入時と同様にして、使用済の計5枚の方形状の鋼製型枠、及び計4個の鋼製型枠組付け金具を使用して、鋼製型枠搬送コンテナを組み立てて、使用済の鋼製型枠群を搬出させる。このため、トラックの荷台に対する鋼製型枠群の積み込みも、鋼製型枠搬送コンテナに鋼製型枠群が収容された状態で行えて、トラックによる搬送中に鋼製型枠が荷崩れする恐れがなくて安全であると共に、基礎施工現場に対する鋼製型枠群の搬入及び搬出の各作業が容易となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、鋼板を直交して折り曲げた内外の各直交鋼板が、鋼製型枠の厚さである型厚に対応した間隔をおいて内外に起立配置された状態で、その上部が上部連結鋼板で連結された鋼製型枠補助組付け金具を使用し、
計4個の前記鋼製型枠組付け金具を使用して組み付けられた鋼製型枠搬送コンテナの計4枚の側壁部鋼製型枠における計4箇所の直交配置された各上端隅部を前記鋼製型枠補助組付け金具により連結することを特徴としている。
請求項2の発明によれば、鋼製型枠搬送コンテナの計4枚の側壁部鋼製型枠における計4箇所の直交配置された各上端隅部は、前記鋼製型枠補助組付け金具により連結されているので、計4枚の側壁部鋼製型枠の連結強度が高められて、内部に収容される鋼製型枠群を一層安全に搬送できる。
請求項3の発明は、計4個の鋼製型枠組付け金具を用いて、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群のうち計5枚の方形状の鋼製型枠を選択して組み付けられる鋼製型枠搬送コンテナであって
前記鋼製型枠組付け金具は
鋼板を直交して折り曲げた内外の直交鋼板が、鋼製型枠の厚さである型厚に対応した間隔をおいて、その底部が連結鋼板で連結されることで、外壁部として機能させるために直交配置される2枚の方形状の鋼製型枠の直交隣接する各下端隅部がそれぞれ挿入される直交挿入溝が上方及び直交する各側方に向いて形成され、
前記内直交鋼板の内側には、上下2枚の支持鋼板が、鋼製型枠の型厚に対応した間隔をおいて一体化されて、上下の各支持鋼板の間に、底壁部として機能する方形状の鋼製型枠の隅部が挿入される隅部挿入溝が、当該底壁部鋼製型枠の対角線方向に開口して設けられた構成であり
計4個の前記鋼製型枠組付け金具を使用して、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群の中から選択された計5枚の方形状の鋼製型枠を、上面のみが開口された中空直方体状に組み付けられていることを特徴としている。
請求項の発明の作用効果は、請求項1の発明の作用効果における「鋼製型枠搬送コンテナ」の部分の作用効果と同一である。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記鋼製型枠組付け金具の内外の直交鋼板のいずれか一方は、他方よりも高くなっていて、高さが高くなっている部分は、前記直交挿入溝に鋼製型枠を挿入する際の挿入ガイド部となっていることを特徴としている。
請求項の発明によれは、鋼製型枠組付け金具を構成する内外の各直交鋼板のいずれか一方に設けられた挿入ガイド部の存在により、上方から吊り降ろす鋼製型枠の下端隅部を前記挿入ガイド部に宛てがうことで、直交挿入溝に、鋼製型枠の型隅部を挿入し易くなる。
本発明によれば、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群の中から選択された計5枚の方形状の鋼製型枠と、計4個の鋼製型枠組付け金具とを用いて、鋼製型枠搬送コンテナを組み立て、当該鋼製型枠搬送コンテナを用いて鋼製型枠群を工事現場に搬送し、工事現場において、当該鋼製型枠搬送コンテナを解体して得られる計5枚の方形状の鋼製型枠を含めた鋼製型枠群により、仮設の枠組みを形成すると共に、当該枠組み対するコンクリート打設作業の終了後には、鋼製型枠の搬入時と同様にして、解体された計5枚の鋼製型枠を、計4個の鋼製型枠組付け金具を用いて組み付けて形成された鋼製型枠搬送コンテナを用いて、鋼製型枠群を工事現場から搬出させられる。このため、本発明に係る鋼製型枠搬入コンテナを用いて、鋼製型枠群を施工現場に搬入した後には、当該鋼製型枠搬入コンテナは、解体されて、これを構成していた鋼製型枠は、仮組みして使用されるので、従来のように、前記枠組の直後に、施工現場から鋼製型枠搬送コンテナの搬出の必要がなくなる。
本発明に係る鋼製型枠搬送コンテナC1 の斜視図である。 (a)~(c)は、鋼製型枠F1 ,F2 を使用して鋼製型枠搬送コンテナC1 を形成するのに使用される鋼製型枠組付け金具A1 をそれぞれ異なる方向から見た斜視図である。 (a),(b)は、それぞれ鋼製型枠組付け金具A1 の平面図及び正面図である。 (a)~(c)は、それぞれ方形状の鋼製型枠F1 ~F3 の正面図である。 鋼製型枠搬送コンテナC1 の平面図である。 鋼製型枠搬送コンテナC1 の分解斜視図である。 鋼製型枠搬送コンテナC1 に鋼製型枠F1 を積み込んでいる途中の斜視図である。 種々の鋼製型枠F1 ~F4 が収容された鋼製型枠搬送コンテナC1 がフォークリフトにより持ち上げられた状態の斜視図である。 鋼製型枠搬送コンテナC1 に種々の鋼製型枠F1 ~F4 が収容されて、フォークリフトDにより持ち上げられた状態の模式的断面図である。 鋼製型枠搬送コンテナC1 の側壁部を構成する計4枚の鋼製型枠F1 ,F2 の各上端隅部が鋼製型枠補助組付け金具Bにより連結された状態の斜視図である。 (a)~(c)は、平面形状の異なる種々の鋼製型枠搬送コンテナC2 ~C4 の平面図である。 (a),(b)は、別の鋼製型枠組付け金具A2 の斜視図及び正面図である。 基礎施工現場において種々の鋼製型枠が枠組された状態の斜視図である。
以下、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。最初に、図1、図4、図8及び図13を参照して、基礎施工現場で使用される種々の鋼製型枠F1 ~F3 について説明する。鋼製型枠の基本形状は、方形パネル状であって、方形パネル状の鋼製型枠F1 ~F3 には、高さH及び型厚T(図7参照)を同一にして、その長さL1 ~L3 の異なるものが製作されており、型板21の各周縁には、縦横の各補強フランジ板22a,22bが外側に張り出して一体に設けられ、前記型板21の背面側における各縦補強フランジ板22aの間には、所定間隔をおいて中間補強板23が設けられ、型板21の背面側における一方の縦補強フランジ板22aの上下の各部分には、当該型板21における縦補強フランジ板22aに近接して固着された連結ピンスライド案内板24に案内される連結ピン25と、当該連結ピン25に一体に設けられた連結フック26とで形成される連結具27がそれぞれ設けられている。
方形パネル状の鋼製型枠F1 ~F3 は、図13に示されるように、その2枚を長手方向に並べて配置した状態で、一方の鋼製型枠F1 (F2 ,F3 )に設けられた前記連結ピン25をスライドさせて、他方の鋼製型枠F1 (F2 ,F3 )の縦補強フランジ板22aに設けられた連結ピン孔28に挿入して、当該連結ピン25を回動させて、その連結フック26を他方の鋼製型枠F1 (F2 ,F3 )の縦補強フランジ板22aに引っ掛けることで、当該2枚の鋼製型枠F1 (F2 ,F3 )は互いに連結される。なお、方形パネル状をした前記鋼製型枠F1 ~F3 の実際の〔長さ(L1 ~L3 )×高さ(H)×型厚(T)〕は、L1 =1,220mm、L2 =610mm、L3 =305mm,H=900mm、T=45mmである。
また、上記した方形パネル状の各鋼製型枠F1 ~F3 のうち特定の2枚が直交配置される部分であって、コンクリート打設空間部31(図13参照)に対して外側及び内側にそれぞれ配置される外コーナー部用及び内コーナー部用の各鋼製型枠F11,F12(図13参照)は、必要不可欠な鋼製型枠として製作準備されており、当該各鋼製型枠F11,F12は、いずれも横断面がL字状であるため、運搬時において後述の鋼製型枠搬送コンテナC1 に対して方形パネル状の各鋼製型枠F1 ~F3 と同様の状態で収容することはできない。このように、鋼製型枠には、方形パネル状の鋼製型枠F1 ~F3 の他に、上記した横断面L字状の外コーナー部用及び内コーナー部用の各鋼製型枠F11,F12があり、更に、コンクリート基礎の部分に換気用開口を形成するための不定形状の種々の金属枠体もあり、当該金属枠体は、広義では、鋼製型枠に含まれる。
次に、図1~図3、及び図6を参照して、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群のうち方形パネル状の前記鋼製型枠F1 ~F3 を含む種々の方形パネル状の鋼製型枠を組み付けに使用されて、当該鋼製型枠群を収容して搬送するための鋼製型枠搬送コンテナC1 にするための鋼製型枠組付け金具A1 について説明する。鋼製型枠組付け金具A1 の製作には、長方形状の各鋼板の長手方向との中央部を直交して折り曲げた内外の各直交鋼板1(2)が使用される。各直交鋼板1(2)は、それぞれ平板部1a(2a)が直交して連続している。折曲げ前の各直交鋼板1,2の短手方向の寸法〔鋼製型枠組付け金具A1 の高さ(N)となる寸法で、約150mmである〕は同一であるが、長手方向の各寸法は、外直交鋼板1は、内直交鋼板2に比較して、当該内外の各直交鋼板1,2の底部が底部連結鋼板3で連結されることで形成される直交挿入溝4の幅寸法W1 の約2倍だけ長くなっている。直交挿入溝4の幅寸法W1 は、前記鋼製型枠F1 ~F3 の型厚Tよりも僅かに広く形成される。各直交鋼板1,2の底部は、連結鋼板3で一体に連結されることで、上方、及び直交する両側方の計3方向に沿って開口された直交挿入溝4が形成される。直交挿入溝4は、直線状の2本の直線挿入溝4aが直交配置されて連続したものである。
前記底部連結鋼板3は、前記外直交鋼板1の平面視における2辺を共有する正方形に対して当該共有2辺の交差部に対して対角線方向に対向した部分を、前記内直交鋼板2の平面視に対応する直角二等辺三角形状に欠落させた形状となっていて、当該底部連結鋼板3における直交挿入溝4の底部を除いた部分は、下支持鋼板5として機能する。下支持鋼板5は、内直交鋼板2の一辺を等辺とする直角二等辺三角形状である内直交鋼板2における前記下支持鋼板5の直上には、前記鋼製型枠F1 ~F3 の型厚Tよりも僅かに広い間隔W2(前記幅寸法W1 と同一寸法である)をおいて上支持鋼板6が一体に設けられて、上下の各支持鋼板5,6で形成された空間部は、鋼製型枠搬送コンテナC1 の底壁部として機能する前記鋼製型枠F1 の隅部(コーナー部)F1aが挿入される隅部挿入溝7となっている。当該隅部挿入溝7は、底壁部として機能する前記鋼製型枠F1 ~F3 の対角線方向に沿って開口されている。なお、内外の各直交鋼板1,2と底部連結鋼板3との一体化、及び内直交鋼板2と上支持鋼板6との一体化は、いずれも溶接による。
次に、図2、図3、図6及び図7を参照して、基礎施工現場に搬入される鋼製型枠群のうち、使用枚数の多い方形パネル状の3枚の鋼製型枠F1 と、同形状の2枚の鋼製型枠F2 とを、計4個の鋼製型枠組付け金具A1 を用いて組み付けて鋼製型枠搬送コンテナC1 に形成する場合について説明する。まず、図6に示されるように、種々の鋼製型枠が保管してある基礎施工業者の倉庫等において、フォークリフトDの一対のフォーク爪15の挿入空間を確保するために、一対の嵩上げ材16を前記一対のフォーク爪15の外間隔よりも広い間隔をおいて配置し、当該各嵩上げ材16の上に、底壁部となる鋼製型枠F1 を、その型板21が下方となるように配置する。この状態で、底壁部となる鋼製型枠F1 の各隅部F1aを、計4個の鋼製型枠組付け金具A1 の隅部挿入溝7に相対的に挿入することで、当該鋼製型枠F1 の各隅部F1aに各鋼製型枠組付け金具A1 がそれぞれ配置される。
次に、図6及び図7に示されるように、側壁部となる2枚の各鋼製型枠F2 を、底壁部となる鋼製型枠F1 の上方から吊り降ろすことで、底壁部となる鋼製型枠F1 の各短辺部の両端に配置されている各鋼製型枠組付け金具A1 の直交挿入溝4の一方の直線挿入溝4aに、側壁部となる前記鋼製型枠F2 の下端両隅部F2aを挿入させると、底壁部となる鋼製型枠F1 の各短辺部に側壁部となる鋼製型枠F2 がそれぞれ起立して配置される。鋼製型枠組付け金具A1 の高さNは、側壁部となる鋼製型枠F2 の高さHの(1/ 4)を有しているので、側壁部となる各鋼製型枠F2 は、それぞれ底壁部となる鋼製型枠F1 の短辺部に安定して起立配置される。次に、底壁部となる鋼製型枠F1 の2本の長辺部に、それぞれ側壁部となる別の鋼製型枠F1 を起立配置させるのであるが、鋼製型枠搬送コンテナC1 の収容空間に対して鋼製型枠群を収容する作業を容易にするために、底壁部となる鋼製型枠F1 の一方の長辺部のみに、側壁部となる鋼製型枠F1 を起立配置させ、他方の長辺部は、組み立て途中の鋼製型枠搬送コンテナC1 の収容空間17に必要な鋼製型枠群の大部分を収容した後において、側壁部となる別の鋼製型枠F1 を起立配置させることが好ましい。
側壁部となる別の鋼製型枠F1 を底壁部となる鋼製型枠F1 の長辺部に起立配置させるには、底壁部となる鋼製型枠F1 の長辺部の両端に配置された各鋼製型枠組付け金具A1 の残りの直線挿入溝4aに、側壁部となる別の鋼製型枠F1 を吊り降ろして、その下端両隅部F1aを挿入するのみでよい。
ここで、図9の模式的断面図に示されるように、鋼製型枠搬送コンテナC1 の収容空間17には、底壁部の鋼製型枠F1 と同一の別の多数枚の鋼製型枠F1 が積み重ねられ、最上段の鋼製型枠F1 の上には、当該鋼製型枠F1 に対して長さが半分の鋼製型枠F2 が数枚だけ積み重ねられ、数枚の鋼製型枠F2 の側方の空間部には、横断面がL字形をしたコーナー部用の各鋼製型枠F11,F12 が配置されている。上記した鋼製型枠の収容例は、単なる一例であって、鋼製型枠群の形状又はサイズの変更によって、種々の収容例が考えられる。
また、上記のようにして組み付けられた鋼製型枠搬送コンテナC1 を構成する各側壁部として機能する各鋼製型枠F1 ,F2 の内方への移動(スライド)は、各鋼製型枠組付け金具A1 の内直交鋼板2により規制されるが、外方への移動は、規制物がないために理論上は可能である。しかし、図9に示されるように、施工現場で使用される鋼製型枠群が分割されて収容空間17に収容された状態では、収容される分割鋼製型枠群の総重量は、4個の鋼製型枠組付け金具A1 の上支持鋼板6に対して押付け力Sとして均等に作用すると共に、各側壁部として機能する計4枚の各鋼製型枠F1 ,F2 に各重量も、鋼製型枠組付け金具A1 に対して押付け力として作用するため、当該押付け力Sに抗して側壁部として機能する各鋼製型枠F1 ,F2 を外方に移動させることは、事実上不可能に近い。よって、鋼製型枠群の搬送途中において、鋼製型枠搬送コンテナC1 の形状が崩れることはなく、安全に鋼製型枠群を搬送できる。なお、鋼製型枠F1 の1枚の重量は、17kgであり、上記例では、収容空間17に収容された鋼製型枠群と、各側壁部として機能する計4枚の各鋼製型枠F1 ,F2 の重量の和は、約200kgである。
そして、図8に示されるようにして、フォークリフトDの2本のフォーク爪15により、収容空間17に鋼製型枠群が収容された鋼製型枠搬送コンテナC1 を持ち上げて、トラックの荷台に積み込んで、基礎施工現場に最も近い部分まで搬送し、当該トラックに具備された油圧クレーン装置によって、鋼製型枠群が収容された鋼製型枠搬送コンテナC1 を地上に降ろす。トラックによる搬送中においても、鋼製型枠群は、鋼製型枠搬送コンテナC1 の収容空間17に収容されているため、荷崩れの恐れがなく安全に搬送できる。その後は、図13に示されるように、基礎施工現場に搬入された鋼製型枠群、及び当該鋼製型枠搬送コンテナC1 を分解して得られる計5枚の鋼製型枠F1 ,F2 を用いて仮設の枠組みを形成して、コンクリートを打設する。鋼製型枠搬送コンテナC1 は、基礎施工現場で分解されて、これを構成する計3枚の鋼製型枠F1 と2枚の鋼製型枠F2 とは、他の鋼製型枠群と同様に、コンクリート基礎の枠組みとして使用されるので、施工現場から鋼製型枠搬送コンテナC1 を搬出させる必要がなくなる。
打設したコンクリートの硬化後に、各鋼製型枠を取り外して、計5枚の方形状の使用済の鋼製型枠F1 ,F2 を、計4個の鋼製型枠組付け金具A1 を用いて、再度、組み付けて鋼製型枠搬送コンテナC1 を形成して、搬入時と同様にして、当該鋼製型枠搬送コンテナC1 に、使用済の複数の鋼製型枠を収容して、工事現場から鋼製型枠群を搬出させる。
また、鋼製型枠搬送コンテナC1 の連結強度を高めるには、図10に示されるように、計4枚の側壁部として機能する鋼製型枠F1 ,F2 における計4箇所の直交配置された各上端隅部F1a,F2aを鋼製型枠補助組付け金具Bを用いて連結するとよい。鋼製型枠補助組付け金具Bは、鋼板を直交して折り曲げた内外の各直交鋼板11,12が、鋼製型枠F1 ~F3 の厚さである型厚Tに対応した間隔をおいて内外に起立配置された状態で、その上部が連結鋼板13で連結された構成である。
なお、基礎施工現場として、比較的規模の大きいマンション、アパートの場合には、トラックにより、鋼製型枠群を収容した鋼製型枠搬送コンテナを施工現場の直近まで搬送して、降ろすことが可能であるが、小規模住宅の場合には、道路幅が狭いこともあって、鋼製型枠群を収容した鋼製型枠搬送コンテナをトラックにより搬送可能な部分まで搬送して、その位置で当該鋼製型枠搬送コンテナを降ろし、個々の鋼製型枠を施工現場まで手で持ち運ぶ。基礎施工現場が比較的規模の大きいマンション、アパートの場合には、鋼製型枠搬送コンテナに鋼製型枠群が収容された状態で、当該現場で稼働している大型クレーンにより、吊り上げられて、更に直近の施工現場で吊り降ろされる。
また、図11に示されるように、コンクリート打設現場で使用される鋼製型枠群に形状又はサイズに対応して、長さの異なる方形パネル状の各鋼製型枠F4 ~F8 を使用することで、別の形状の鋼製型枠搬送コンテナC2 ~C4 の形成が可能である。
また、上記実施例の鋼製型枠組付け金具A1 を構成する内外の各直交鋼板の高さNは、同一であるが、多少の差異を設けることで、直交挿入溝4に対する側壁部として機能する鋼製型枠F1 ,F2 の下端隅部の挿入を容易にすることも可能であり、鋼製型枠組付け金具A1 に関しては、このような寸法設計の変更は可能である。図12では、内直交鋼板2の高さが外直交鋼板1の高さよりも高くなっていて、内直交鋼板2における外直交鋼板1よりも高さが高い部分は、鋼製型枠の挿入ガイド部2bとなっている。なお、N’は、内直交鋼板2の高さであって、外直交鋼板1の高さNよりも大きい(N’>N)。
なお、鋼製型枠を用いた基礎施工には、当該鋼製型枠を保有している基礎施工業者の他に、当該鋼製型枠を保有していない基礎施工業者に対する鋼製型枠のリースを業とする鋼製型枠リース業者も存在する。鋼製型枠リース業者は、基礎施工現場に対する鋼製型枠群の搬入出を頻繁に行うので、本発明により享受できる技術的恩恵は多大である。
1 ,A2 :鋼製型枠組付け金具
B:鋼製型枠補助組付け金具
1 ~C4 :鋼製型枠搬送コンテナ
1 ~F8 :鋼製型枠(方形パネル状)
11,F12:鋼製型枠(コーナー部用)
1:外直交鋼板
1a :外直交鋼板の平板部
2:内直交鋼板
2a :内直交鋼板の平板部
2b:内直交鋼板の挿入ガイド部
3:底部連結鋼板
4:直交挿入溝
4a :直線挿入溝
5:下支持鋼板
6:上支持鋼板
7:隅部挿入溝
11:外直交鋼板
12:内直交鋼板
13:上部連結鋼板
17:コンテナの収容空間

Claims (4)

  1. 基礎施工現場に対して鋼製型枠を搬入出させる方法であって、
    鋼板を直交して折り曲げた内外の各直交鋼板が、鋼製型枠の厚さである型厚に対応した間隔をおいて、その底部が連結鋼板で連結されることで、外壁部として機能させるために直交配置される2枚の方形状の鋼製型枠の直交隣接する各下端隅部がそれぞれ挿入される直交挿入溝が上方及び直交する各側方に向いて形成され、
    前記内直交鋼板の内側には、上下2枚の支持鋼板が、鋼製型枠の型厚に対応した間隔をおいて一体化されて、上下の各支持鋼板の間に、底壁部として機能する方形状の鋼製型枠の隅部が挿入される隅部挿入溝が、当該底壁部鋼製型枠の対角線方向に開口して設けられた4個の鋼製型枠組付け金具を使用し、
    底壁部となる方形状の底壁部鋼製型枠の各隅部を計4個の各鋼製型枠組付け金具の各隅部挿入溝にそれぞれ挿入すると共に、各鋼製型枠組付け金具の各直交挿入溝に、側壁部となる計4枚の側壁部鋼製型枠の直交隣接する下端隅部をそれぞれ挿入することで、前記基礎施工現場で使用される方形状の5枚の鋼製型枠と計4個の各鋼製型枠組付け金具とを用いて、上面のみが開放された中空直方体状の鋼製型枠搬送コンテナを組み立て、
    当該鋼製型枠搬送コンテナに、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群を分割して積み込んで、当該基礎施工現場に搬入した後に、当該鋼製型枠搬送コンテナを解体した各鋼製型枠を含む種々の鋼製型枠群を枠組みし、コンクリート打設後に、当該基礎施工現場で枠組みされた各型枠を解体して、再度、4個の鋼製型枠組付け金具を用いて組み立てた鋼製型枠搬送コンテナを用いて、使用済の各鋼製型枠を基礎施工現場から搬出させることを特徴とする基礎施工現場に対する鋼製型枠の搬入出方法。
  2. 鋼板を直交して折り曲げた内外の各直交鋼板が、鋼製型枠の厚さである型厚に対応した間隔をおいて内外に起立配置された状態で、その上部が上部連結鋼板で連結された鋼製型枠補助組付け金具を使用し、
    計4個の前記鋼製型枠組付け金具を使用して組み付けられた鋼製型枠搬送コンテナの計4枚の側壁部鋼製型枠における計4箇所の直交配置された各上端隅部を前記鋼製型枠補助組付け金具により連結することを特徴とする請求項1に記載の基礎施工現場に対する鋼製型枠の搬入出方法。
  3. 計4個の鋼製型枠組付け金具を用いて、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群のうち計5枚の方形状の鋼製型枠を選択して組み付けられる鋼製型枠搬送コンテナであって
    前記鋼製型枠組付け金具は
    鋼板を直交して折り曲げた内外の直交鋼板が、鋼製型枠の厚さである型厚に対応した間隔をおいて、その底部が連結鋼板で連結されることで、外壁部として機能させるために直交配置される2枚の方形状の鋼製型枠の直交隣接する各下端隅部がそれぞれ挿入される直交挿入溝が上方及び直交する各側方に向いて形成され、
    前記内直交鋼板の内側には、上下2枚の支持鋼板が、鋼製型枠の型厚に対応した間隔をおいて一体化されて、上下の各支持鋼板の間に、底壁部として機能する方形状の鋼製型枠の隅部が挿入される隅部挿入溝が、当該底壁部鋼製型枠の対角線方向に開口して設けられた構成であり
    計4個の前記鋼製型枠組付け金具を使用して、基礎施工現場で使用される鋼製型枠群の中から選択された計5枚の方形状の鋼製型枠を、上面のみが開口された中空直方体状に組み付けられていることを特徴とする鋼製型枠搬送コンテナ。
  4. 前記鋼製型枠組付け金具の内外の直交鋼板のいずれか一方は、他方よりも高くなっていて、高さが高くなっている部分は、前記直交挿入溝に鋼製型枠を挿入する際の挿入ガイド部となっていることを特徴とする請求項3に記載の鋼製型枠搬送コンテナ
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