JP7474366B1 - ノンアルコールドリンクのベース液およびその製造方法 - Google Patents

ノンアルコールドリンクのベース液およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】和食・洋食・中華どの料理とも相性がよい本格的なノンアルコールドリンクを、各種果汁等で割ることにより簡単に作成できるワイン風味ノンアルコールドリンクのベース液、およびその製造方法を提供する。【解決手段】ベース液の原料は、八角、黒胡椒、および鰹節を含む。原料を水に浸漬した浸漬混合水を80℃~130℃で加熱抽出して固液分離することにより、ノンアルコールドリンクのベース液となる原料の加熱水抽出液を得ることができる。このベース液を各種果汁等で割ると、赤ワイン風味ノンアルコールドリンクとなる。【選択図】 なし

Description

本発明は、各種果汁等と混合することにより、ワイン風味ノンアルコールドリンクを簡単に製造することができる、ノンアルコールドリンクのベース液に関する。
ワインは、ブドウ液の発酵過程でできた旨み成分が加わって酸味・渋味・苦味のバランスがとれた醸造酒であり、酒類の中で唯一アルカリ飲料である世界的に最も消費量の多い酒類である。外食等の食事でワインを飲むことにより、食事が美味しく食欲も増すことが知られている。
ブドウの品種によりワイン特有の香り成分が造られる等、市販の多数のワインの中から好みや食事に合うワインを選ぶのは困難であるため、レストランではワイン専門家が、客の好みや料理に合うワインを勧めてサービスする。最近では、相性の良いワインを料理一品ごとに組み合わせてグラスで提供するワインペアリングが、人気となっている。
近年若者にノンアルコール指向が強く、アルコール飲料をあまり飲まない。また、アルコールが体質に合わない、自動車の運転をする、妊娠中である等の理由により、アルコール飲料を飲めない消費者もいることから、アルコール飲料の代わりとなる非アルコール性飲料が求められている。レストランで提供する飲み物にも同じ傾向がある。ノンアルコール飲料のうちビールについては、品質が年々改良されて消費者に浸透し、その市場は拡大しているが、ノンアルコールワインについては、種々のアルコール抜きワインが開発、製造されているものの、消費者が満足する品質のものは、なかなか得られていないのが現状である。
ノンアルコールワインの製造方法としては、例えば、ワインから減圧蒸留(減圧濃縮)によりアルコールを抜くことが報告されている(特許文献1または2)。このような方法では、アルコールを完全には除去することができず、アルコールがわずかに含まれる飲料となり、また、減圧蒸留(減圧濃縮)の工程においてワイン特有の香気成分の一部が抜けてしまうため、風味のバランスが悪く、本来のワインの風味とは異なってしまう。
一方、ワインからアルコールを抜く以外の方法により製造されるワイン風飲料が提案されている。特許文献3には、主原料として緑茶の水出し抽出液を用い、これに果汁を加えたノンアルコールワインが記載され、また、特許文献4には、ブドウ果汁とベリー果汁と、紅茶から抽出した紅茶抽出物とコハク酸を含み、ワイン様の香り・渋味・味わいを有するワイン風飲料が記載されている。
アルコール飲料のなかでも、特にワインは料理をより美味しくし料理との相性が重要である。そのため、さまざまな料理に合って、アルコールを飲めない人、飲まない人でも、レストランで料理とペアリングして食事を楽しめるようなワイン様ノンアルコールドリンクが求められている。
米国特許第4643083号明細書 欧州特許出願公開第58634号明細書 特開2011-147386号公報 特許第5924919号公報
本発明は、家庭で楽しめるワイン風味ノンアルコールドリンクとしてだけでなく、レストランで和食・洋食・中華等の料理を食する際のペアリングドリンクとしてノンアルコールドリンクを選択する場合に、これらの料理と相性がよい本格的なノンアルコールドリンクを、各種果汁等と混合することで簡単に作成できる赤ワイン風味ノンアルコールドリンクベース液、およびそれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、赤ワイン風味ベース液の原料として最適なスパイス類等を選択し、それらスパイス類を水に浸漬した浸漬混合水を加熱抽出することにより、豊かな風味ベース液が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
また、本発明は、特定のスパイス類等を含む原料を水に浸漬し、その浸漬混合水を80℃~130℃で加熱抽出してから固液分離して得られる、保存性が高いノンアルコールドリンク用のベース液およびその製造方法に係るものである。通常は風味、香りが飛ぶとして敬遠する加熱抽出によって、豊かな風味で常温保存も可能なベース液を製造でき、このベース液を各種果汁と混合することで、和食、洋食や中華等の各種料理との相性が良いワイン風味ノンアルコールドリンクを簡単に作成できる。
本発明は、以下(1)~(7)のノンアルコールドリンクベース液の製造方法に関する。
(1)八角、黒胡椒、および鰹節を含む原料を水に浸漬した浸漬混合水を加熱抽出し、その後固液分離することを特徴とする、ノンアルコールドリンクベース液の製造方法
(2)前記原料は、八角1重量部に対して、黒胡椒0.5~5重量部、鰹節0.03~0.4重量部を含む、上記(1)に記載の製造方法
(3)前記原料は、さらにシナモンを、八角1重量部に対して4重量部以下含む、上記(2)に記載の製造方法。
(4)前記加熱抽出が80℃~130℃で行われる、上記(1)に記載の製造方法
(5)前記原料の八角、シナモン、および黒胡椒が乾燥したホールスパイスであり、鰹節が粉末である、上記()に記載の製造方法
(6)前記加熱抽出が密閉容器内で行われる、上記(1)に記載の製造方法
(7)前記浸漬混合水をFo値が0.0078以上で加熱抽出する、上記(6)に記載の製造方法
また、本発明は、以下(8)のノンアルコールドリンクベース液、または(9)のワイン風味ノンアルコールドリンクに関する。
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の製造方法で製造された、ノンアルコールドリンクベース液
(9)上記(8)に記載のノンアルコールドリンクベース液と果汁とを含む、ワイン風味ノンアルコールドリンク
本発明のノンアルコールドリンクベース液は、特定のスパイス等を原料とするノンアルコールドリンクベース液であり、このベース液を果汁等で割るだけで、和食・洋食・中華等あらゆる料理との相性が良い本格的な赤ワイン風味ノンアルコールドリンクを、簡単に作成できる。
ワイン風飲料の製造に使用する茶葉やハーブの抽出液は、その成分や香りが飛ばないようにするため、特許文献3、4に記載のように水で抽出することが一般的である。本発明においては、加熱する水抽出により製造するため、スパイスの香り、風味が飛んで弱まると考えられたが、香味が水抽出に比べ維持もしくは増強されることは予想外の効果であった。
さらに、加熱により常温保存が可能となり常温流通できるため、本発明のベース液を果汁と混合するだけで、誰でもどこでも、ワイン風味ノンアルコールドリンクを簡単に作成できる。赤ワイン風味ノンアルコールドリンクは、赤ワインのタンニンによる厚みを感じる豊かな風味となる。
本発明の特定のスパイスからの加熱水抽出香味成分は、料理の素材や調味料との相性が良いばかりでなく、料理を食した際に口中に残存する油脂分や炭水化物等が、特定のスパイスの香味成分により口中がリフレッシュされるため、さまざまな料理との相性がよくなると考えられ、水や炭酸水などで希釈しても、料理に良く合う新しいタイプのノンアルコールドリンクを得ることができる。
本発明のノンアルコールドリンクベース液の原料は、八角、黒胡椒、および鰹節を含み、好ましくはシナモンを含む。鰹節以外はスパイス類である。
八角は、中国原産のトウシキミという木の果実を乾燥させたスパイスで、スターアニスともいわれ、強くて甘い独特の香りがあり、中国料理でよく使われる。黒胡椒は、完熟する前のコショウの実を皮のついたまま乾燥させたスパイスであり、色が黒く辛みが強くて香りが高い。ホール、粗挽き、細挽きの形状がある。
鰹節は、鰹の魚肉を煮熟してから乾燥させた保存食品であり、一般には鰹節を削った削り節で出汁を取るのに用いる。削り節でもよいが粉末が好ましく、また、鰹節に代えて宗田節を用いることができる。
シナモンは、ニッケイ属の複数の樹木の内樹皮から得られるスパイスであり、シナモンスティック、粉末の形状があり、適当な大きさのシナモンスティックが好ましい。る
ベース液の原料には、ノンアルコールドリンクの味と香りに変化を持たせるために、他のスパイスやハーブを添加することができる。たとえば、ラベンダー、セージ、コリアンダー、フェンネル、ヒソップ、オレガノ、白胡椒、ピンクペッパー、クミン、クローブ、ナツメグ、メリッサ、カモミール、ペパーミント、スペアミント、ローズマリー、バニラ、オレンジピール、レモンピール、レモンバーム、タラゴン、タイム、バレリアン、ジャスミン、ゆず皮、タラゴン、チャイブ、アグリモニー、アーベンス、ベトニー、ジュニパー、コストマリー、アイブライト、ゲンチアン、マグワート、アルカネット、チャービル、マジョラム、セイボリー、ペニーロイヤル、ハイビスカス等が挙げられる。
ベース液の原料に含む八角、黒胡椒、鰹節、シナモンの好適な配合割合の目安は、八角1重量部に対して、黒胡椒0.5~5重量部、鰹節0.03~0.4重量部、シナモン0~4重量部である。原料にさらに他のスパイス類等を添加する場合には、それらとのバランスを考慮して、八角、黒胡椒、鰹節、またはシナモンの配合割合を変化させることができる。
ベース液の原料に含むスパイス類は、乾燥したホールスパイスが好ましい。原料が粉末状であると、加熱抽出後にろ過しても、微細な粉末がベース液中に残って品質に影響するため、固液分離の操作が複雑になる。
これら原料を水に浸漬させる際、水中での原料の量は1~14重量%程度であり、1~11重量%が好ましいが、加熱条件に応じて変えることができる。原料の量が多すぎると、ベース液の味に辛味、渋味、苦味を感じ、料理との相性も悪くなる。
本発明で原料を浸漬するために用いる水は、飲用や食用に適するものであれば特に制限されない。例えば、硬水、軟水、ミネラルウォーター、水道水、井戸水、精製水などを用いることができ、ミネラルウォーターが好ましく用いられる。
まず、水と原料を容器に入れて原料を水に浸漬し、この原料と水が入った容器を、好ましくは密閉して加熱抽出する。密閉状態で加熱抽出すると、揮発性香気成分が飛散することなく効率よく抽出され、豊かな風味のベース液を得ることができる。
密閉容器は、密閉可能であればどのような釜や鍋でもよい。また、100℃以上で加熱する場合には加圧下で加熱するため、加熱加圧に耐えられる構造の公知の密閉容器を用いる。たとえば、レトルト耐性のあるパウチなどの耐熱性容器を用いることができ、水と原料を充填及び密封した容器をレトルト槽内に並べ、レトルト槽の温度を蒸気や熱水などにより120℃程度まで上昇させて加熱処理を行う。密封の際、ヘッドスペースの酸素を除くために、窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。
本発明では、浸漬混合水が入った密閉容器を、80℃以上130℃以下で加熱して抽出することが好ましい。この加熱抽出温度は、密閉容器の設定温度を意味する。
加熱抽出温度が80℃以上100℃未満の場合には、特に加圧する必要はなく、加熱抽出温度が95℃前後の場合には、原料を水に浸漬して冷蔵庫で3~6日浸漬して得られるいわゆる原料の水出し抽出より、風味の良いベース液が得られる。
加熱抽出温度が100℃以上の場合には加圧するが、抽出時の圧力は、ゲージ圧で0.01MPa以上1MPa以下が好適である。圧力が0.01MPa以上であれば、原料が有する香味をより確実に抽出でき、0.1MPa以上が好ましい。圧力が高過ぎると香りが失われやすく、渋味も生じるので、1MPa以下が好ましい。加圧時の加熱抽出温度は130℃以下である。
本発明では、加熱抽出におけるFo値が0.0078~50で加熱することが好ましく、Fo値がこの範囲になる加熱時間を、加熱温度によって決定する。加熱時間は、通常は1分間以上110分間以下である。
加熱温度が80℃以上130℃以下で、Fo値が0.0078~50であると、得られるベース液はスパイスの香りが十分で、味のバランスも料理との相性も良いものが得られる。加熱温度が80℃未満で得られるベース液は、たとえFo値が0.0078~50の範囲でも、スパイスの香りも味も薄く料理との相性がよくない。
たとえば、ベース液の原料として、八角1g、黒胡椒1g、鰹節0.1g、シナモン1gを約150mlの調製水に混合した後、レトルト耐性があるアルミラミネート袋に充填・密封後、80℃から121℃の温度範囲で10分間~40分間加熱する。次いで、加熱後室温まで冷却した各試験液をろ紙にてろ過したベース液を官能評価すると、加熱温度と時間は、Fo値として0.0078~50が好ましく、0.023以上がより好ましく、0.23以上が更に好ましい。
[Fo値とは]
「F値」は、昇温から降温まで全ての加熱殺菌処理工程における殺菌効果を、基準温度での殺菌時間(分)で表したものであり、以下の数式により算出できる(例えば、東京都立食品技術センターだより No.15等参照)。
F=t×10^((T-To)/Z)
T :加熱殺菌処理時の温度(℃)
To:基準温度(℃)
t :時間(分)
Z :D値(生菌数を1/10にする時間(分))を1/10にする温度(℃)
F値は基準温度及び微生物の耐熱性のパラメーターZ値により変わる。そこで、基準温度を121.1℃とし、Z値を10℃としたときのF値を「Fo値」とよぶ。
Fo値は以下の数式により算出される(例えば、容器詰食品の加熱殺菌(理論および応用)(公益社団法人日本缶詰びんレトルト食品協会発行)等参照)。
Fo=t×10^((T-121.1)/10)
Fo値は、湿熱滅菌における微生物不活化能力の指標になる。例えば、110℃、9分間の加熱殺菌処理のFo値は、上記式にあてはめて、0.70である。なお、この値は、瞬時に110℃に達温し、9分間後に瞬時に冷却した場合の値である。実際には、Fo値は、加熱殺菌処理中に加熱殺菌機により一定時間毎に計算及び出力されるので、加熱殺菌機が0.70のFo値を示したとしても、温度及び時間が上記した数値になったとは限らない。
スパイス類が水中に加熱抽出された後、浸漬混合水に固液分離を行い清澄なベース液とする。固液分離の手段としては、ろ過、遠心分離、フィルタープレス、スクリュープレスなどの公知の手段を用いることができる。得られたベース液は揮発性の香味成分が放散されないように、容器に充填し密閉状態で保存する。容器は密封充填可能なものであれば特に限定されないが、無菌充填、充填後殺菌処理の可能な常温流通できる容器が好ましい。また、光による褐変を抑制することができる不透明な容器であってもよい。
得られたベース液を果汁と混合することにより、ワイン独特の風味を有するワイン風味ノンアルコールドリンクを作成することができる。ベース液に対する果汁の割合は、ベース液や果汁の種類や濃度にもよるが、通常は1~3:3~1程度がよい。
赤ワイン風味ノンアルコールドリンクには、クランベリー果汁を用いると、より赤ワインに近い味、香り及び色彩のものが得られる。他にも、エルダーベリー、ベアベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、チェリー、ブドウ、グーズベリー、ハックルベリー、ローガンベリー、オラリーベリー、ラズベリー、スローベリー、ストロベリーなどのベリー果汁やブドウ果汁等、カクテルに使用されアントシアニン含量の多い果汁を使用することができ、1種類の果汁を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。
また、果汁の他にも炭酸飲料、水、炭酸水などで希釈することにより、新しいテイストのノンアルコールドリンクが得られる。
このように、ベース液を果汁等で割ることにより、和食・洋食・中華等あらゆる料理との相性が良い本格的ノンアルコールドリンクを作成することができる。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は、以下の試験例によって何ら限定されるものではない。
<官能試験方法及び官能評価方法>
官能評価は、ソムリエ1名を含むよく訓練された官能評価者3名で実施した。試験の際には事前に表1に記載の試験例1、2及び6を用いて、風味のバランスのすり合わせ及びチーズを用いて相性のすり合わせを行った。
(1)試験液の風味のバランス(赤ワイン風味ノンアルコールドリンクベースとしての香味のバランス)の評価基準
各試験液の香辛料の香りと風味のバランスは、鼻で嗅ぐことで香りのバランスを、その後、口に含んで風味のバランスを評価した。
評価は、3名の評価者が、以下に示す4点法で行い、香りと風味のバランスについてそれぞれの評点の平均点を求め、各平均評価点の合計点で4.5点未満を「×」、4.5点以上5.5点未満を「△」、5.5点以上7.5点未満を「〇」、7.5点以上を「◎」とした。
1点:特定の香辛料の香り又は味が強く、香味ともバランスが悪い。
2点:特定の香辛料の香り又は風味がやや抑制され、香り・風味のバランスがやや
良い。
3点:特定の香辛料の香り又は風味が抑制され、香り・風味のバランスが良い。
4点:香辛料の香り又は風味のバランスが非常によい。
(2)料理との相性の評価基準
食材(モッツアレラチーズ)と試験液との相性を試験した。本試験は2019年に発行された日本醸造協会誌の試験法を参考に実施した。
食材としてモッツアレラチーズを用いて、試験液との相性を評価した。モッツアレラチーズを食して飲み込んでから、各種試験液を口に含んだ時の口中のモッツアレラチーズの風味の残存感及び試験液との相性を、試験液を口に入れた時の試験液の味わいを、以下に示す4点法で評価した。平均点で2.5点未満を「×」、2.5点以上3.0点未満を「△」、3点以上3.7点未満を「〇」、3.7点以上を「◎」とし、特に気が付いた場合にコメント(備考欄)を記した。
1点:料理に合わない。
2点:料理に影響しない(変化なし)。
3点:料理に良く合う。
4点:料理に非常に合う。
(3)総合評価
(1)の評価と(2)の評価より、両方とも評価が一致した場合は、総合評価は同じとし、例えば両社とも「◎」の場合「◎」とした。また、(1)と(2)の評価が別れた場合は評価の低い方とし、例えば(1)が「○」(2)が「△」の場合は総合評価「△」とした。
[ノンアルコールドリンクベース液の調製]
[試験1:ベース液原料のシナモン添加の影響]
原料である八角、黒胡椒、鰹節の配合量に対して、シナモンの配合量を変化させた試験の内容を下記表1に示す。
原料のスパイス及び鰹節粉末を調製水に混合した後、レトルト耐性があるアルミラミネート袋に充填した後密封し、121℃、20分間加熱(Fo=20)した。次に、加熱後室温まで冷却した各試験液をろ紙にてろ過することで、ベース液である各試験液(試験例1~11)を調製して、各試験液の官能試験を行った。
試験1の原料の配合と官能評価結果を、下記表1に示す。
本発明の実施例は試験例3~11であり、参考例、比較例が試験例1、2である。
シナモンを添加しない試験例11では、風味がやや弱いが料理との相性は良い。ベース液の原料として八角、黒胡椒のスパイスと鰹節は必須であり、風味のバランスは、原料比が八角1重量部に対して、黒胡椒1~5重量部、鰹節粉末0.05~0.2重量部で評価が高く、また八角と黒胡椒は粉末ではなくホールであることが好ましい。
シナモン添加の影響に関する試験1の結果から、シナモンは、八角1に対して4以下で評価が高い。鰹節を添加することでシナモンは必要最小限でよくなるが、添加した方が風味の評価が高くなる。風味のバランスと料理の相性は、原料比が八角1重量部に対して、黒胡椒1~5重量部、鰹節0.05~0.2重量部、シナモン0~4重量部で評価が高い。
[試験2:ベース液原料の黒胡椒の添加量]
原料である八角、鰹節、シナモンに対して、黒胡椒の配合量を変化させた試験の内容を下記表2に示す。
試験1と同じ調製方法により、ベース液である各試験液(試験例2、7、11、試験例12~22)を調製し、官能試験を行った。
評価者、官能試験方法及び官能評価方法は、試験1と同じであり、評価者が試験の際には、事前に表3に記載の試験例2、7、11を用いて、風味のバランスのすり合わせ及びモッツアレラチーズを用いて相性のすり合わせを行った。
なお、以降の試験3~5における評価者、官能試験方法及び官能評価方法も、試験1と同じである。
試験2の原料の配合と評価結果を、下記表2に示す。
表2に記載の結果から、八角1重量部に対して、黒胡椒は0.5~5重量部の範囲で風味のバランス及び料理との相性が良いことが分かった。
試験1と試験2より、全体としてシナモンは4重量部以下、且つ、黒胡椒は0.5~5の範囲が好ましい。
[試験3:ベース液原料の鰹節粉末の添加量]
原料である八角、黒胡椒、シナモンに対して、鰹節粉末の配合量を変化させた試験の内容を下記表3に示す。
試験1と同じ調製方法により、ベース液である各試験液((試験例3、5、6、試験例23~31)を調製し、官能試験を行った。試験の際には事前に試験例3、5、6を用いて、風味のバランスのすり合わせ及びチーズを用いて相性のすり合わせを行った。結果を表3に示す。
表3に記載の結果から、八角1重量部に対して、鰹節粉末は0.03~0.4重量部の範囲で風味のバランス及び料理との相性が良いことが分かった。
試験1~3より、全体として黒胡椒は0.5~5重量部、鰹節粉末は0.03~0.4重量、シナモンは4重量部以下の範囲が好適である。
[試験4:モッツアレラチーズ以外の料理との相性]
試験1と同じ試験液(試験例2、7、12~18)を用いた。
評価は、日本醸造協会誌 (2019) Vol,114, p.166-173に記載のサンプルを用いて、試験1と同様に実施した。評価は、(ソムリエ1名を含む)よく訓練された官能評価者3名で実施した。試験の際には事前に表2に記載の試験例7を用いて、食材との相性のすり合わせを行った。結果を表4に示す。
参考文献:日本醸造協会誌(2019)Vol,114,p.166-173酒と料理の相性
香辛料及び鰹節風味のバランスが良く、風味の強さもある赤ワイン風味ノンアルコールベース液において、各種食材へのマッチング効果が高いことがわかった。
試験例14は、モッツアレラチーズとの相性は良かったが、モッツアレラチーズ以外の料理との相性は良くなかった。
[試験5:ベース液の希釈液(水または果汁)]
赤ワイン風ノンアルコールドリンクとして、試験1の試験例7の試験液を用いた。試験例7の試験液(ベース液)を水又はグレープジュースで希釈して試験例32~37とした。
試験液について、香り(スパイスと果汁香のバランス)と味(試験液由来の味)を評価した。また、料理との相性は焼き鳥(モモ肉塩)を用いて、相性が良いかどうかを試験1と同様に評価した。結果を表5に示す。
水や果汁で希釈しても赤ワイン風味のバランスや料理との相性はよいが、ベース液を2倍以上に希釈すると、スパイスの風味が弱くなり、果汁感が強くなる
ベース液1に対して、水やグレープ果汁を1.5以下添加した場合に、料理との相性が良い赤ワイン風ノンアルコールドリンクが得られる。

Claims (7)

  1. 八角1重量部に対して、黒胡椒0.5~5重量部、鰹節0.03~0.4重量部、およびシナモン0~4.5重量部程度を含む原料を水に浸漬した浸漬混合水を加熱抽出し、その後固液分離する、ノンアルコールドリンクベース液の製造方法。
  2. 前記加熱抽出が80℃~130℃で行われる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記原料の八角、シナモン、および黒胡椒が乾燥したホールスパイスであり、鰹節が粉末である、請求項に記載の製造方法。
  4. 前記加熱抽出が密閉容器内で行われる、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記浸漬混合水をFo値が0.0078以上で加熱抽出する、請求項に記載の製造方法。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の製造方法で製造された、ノンアルコールドリンクベース液。
  7. 請求項に記載のノンアルコールドリンクベース液と果汁とを含む、ワイン風味ノンアルコールドリンク。
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