JP7474184B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関する。特に、スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)の制御装置に関する。
ロータに永久磁石や巻線が不要なSRモータに関し、使用状態に応じてSRモータの特性を変更可能な制御装置が知られている。例えば、特許文献1には、「通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合に、前記一方の相と前記他方の相との両方の相に通電するオーバラップ区間を設ける通電タイミング出力部と、前記オーバラップ区間の少なくとも一部の区間において、前記一方の相と前記他方の相との少なくともいずれかの相に流す電流を徐々に変化させる電流制御部と、を備える(要約抜粋)」モータ制御装置が開示されている。
特開2020-10576号公報
特許文献1に開示の技術では、SRモータの各相のコイルに流す電流を矩形波に基づいて制御する矩形波通電制御を行っている。このため、トルク特性はよいが、騒音の面で課題が残る。SRモータの普及に伴い、様々な環境で用いられるようになり、モータ制御においても、静音化が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、例えば、SRモータに好適なトルク特性と静音化を実現するモータ制御技術を提供することを目的とする。
本発明は、多相のSRモータの各相に対応するコイルの通電を切り替えることにより、前記SRモータの駆動を制御するモータ制御装置であって、前記SRモータに要求される負荷から前記各相のコイルに流す電流の目標値の最大値である最大電流指令値を生成する電流指令値生成部と、前記各相のコイルに流す電流を制御する電流制御部と、を備え、前記電流制御部は、前記各相のコイルに流す電流波形が正弦波状に変化する場合、当該電流波形を前記最大電流指令値に基づいて台形化する台形化処理を行う波形生成部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、SRモータに好適なトルク特性と静音化を実現するモータ制御技術を提供できる。
(a)~(c)は、本発明の実施形態の概要を説明するための説明図である。 (a)は、本発明の実施形態のモータ制御装置が適用される車両制御システムを、(b)は、本発明の実施形態のSRモータを、それぞれ説明するための説明図である。 本発明の実施形態のモータ制御装置の構成図である。 (a)は、本発明の実施形態の電流制御部とマップ記憶部のブロック図であり、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の実施形態のオフセット値マップおよび増幅率マップを説明するための説明図であり、(d)は、本発明の実施形態の増幅率の変化態様を説明するグラフである。 (a)~(d)は、本発明の実施形態の補正項の設定手法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態の電流指令値のグラフである。 (a)~(f)は、本発明の実施形態の矩形化処理を説明するための説明図である。 本発明の実施形態の電流制御処理のフローチャートである。 ベクトル制御を適用した場合のモータ制御装置のブロック図である。 本発明の実施形態の変形例のベクトル制御を適用したモータ制御装置のブロック図である。 (a)は、本発明の実施形態の変形例の電流制限処理のフローチャートであり、(b)は、本発明の実施形態の他の変形例の電流制限処理のフローチャートである。 本発明の実施形態の他の変形例のベクトル制御を適用したモータ制御装置のブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。以下、本実施形態では、3相のSRモータを例にあげて説明する。しかしながら、SRモータの相数はこれに限定されない。
本実施形態のモータ制御装置は、正弦波駆動方式でSRモータを駆動制御する。正弦波駆動方式は、ロータの回転位置(ロータ電気角)に応じて電流指令値が正弦波状に変化する正弦波電流を、3相の励磁コイルに流して、ロータを駆動(回転駆動)する駆動方式である。正弦波駆動方式によれば、電流の変化が滑らかでトルク脈動が少ないため、静音化を図ることができる。
さらに、本実施形態のモータ制御装置は、SRモータに要求される負荷(要求負荷;トルク)に応じて、正弦波電流を、好適な電流波形(ロータの電気角に応じた通電パターン)に変形し、SRモータを駆動する。例えば、本実施形態のモータ制御装置は、要求負荷により定まる最大電流指令値に応じて、図1(a)に示す正弦波電流に対し、矩形化処理(台形化処理)を施し、図1(b)に示す矩形波電流を生成する。矩形波電流は、ロータ電気角に応じて電流指令値が矩形波状に変化する電流である。矩形波電流によりSRモータを駆動する(矩形波通電制御)ことにより、図1(c)に示すように、高回転領域のトルクを向上させることができる。
[車両制御システム]
以下、SRモータが電気自動車(以下、車両と呼ぶ。)の原動機として用いられる場合を例に本実施形態を説明する。まず、本実施形態のモータ制御装置が適用される車両制御システム100について、図2(a)を用いて説明する。
車両制御システム100は、車両を操作するための操作子の操作量や操作状態に応じてSRモータの駆動力を制御する。操作子は、例えば、運転者が車両に種々の挙動を与えるための操作対象物であり、車両の速度調整を行うためのアクセルペダルやドライブ、後退、ニュートラル、パーキングなどの車両状態のレンジを選択するためのシフトレバーが含まれる。これらの操作子には、例えば、操作子の操作量や操作状態に連動して電気的な出力値を出力するセンサが設けられている。各センサの出力値は、モータ制御装置に入力される。本実施形態の車両制御システム100では、操作子としてアクセルペダルに取り付けられたセンサからの出力値を用いる。
図2(a)に示すように、車両制御システム100は、モータ制御装置200と、SRモータ120と、レゾルバ121と、アクセル操作検出部112と、を備える。
アクセル操作検出部112は、アクセル信号を検出し、モータ制御装置200に出力する。アクセル信号は、スロットルポジションセンサからの出力値である。スロットルポジションセンサは、アクセルペダル111に設けられ、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)によって変化する回転角を検出するセンサである。スロットルポジションセンサは、例えば、ポテンショメータであり、アクセルペダル111の回転軸等に設けられ、アクセルペダル111の回転角に応じて抵抗値が変化する。スロットルポジションセンサからの出力値は、アクセル開度と比例する。アクセル操作検出部112は、スロットルポジションセンサに電圧を与えて、この抵抗値を検出する。そして、アクセル操作検出部112は、検出した抵抗値をAD変換してモータ制御装置200に出力する。
SRモータ120は、リアギア114を介して後輪115を駆動する多相の駆動用モータである。例えば、図2(b)に示すように、SRモータ120は、複数の励磁コイルを有するステータ122と、ステータ122内に回転自在に配置されたロータ123とを備える。ロータ123は、4つの突極部を備える。各突極部は、回転軸124から径方向の外方に向かって突出するよう形成される。ステータ122は、ロータ123の回転軸124と同芯にロータ123の周囲を覆うように設けられ、6つの突極を備える。各突極は、ロータ123の回転軸124に向かって径方向の内方に突出するよう形成される。
ステータ122の6つの突極には、それぞれ導線が巻かれて励磁コイルが形成される。6つの突極のうち、対向する突極を対として、SRモータ120の各相に対応する励磁コイルLu,Lv,Lwが形成される。ロータ123の回転位置は、レゾルバ121によって検知される。
レゾルバ121は、SRモータ120のロータ123の位置(ロータ回転角)を検出する回転角センサである。レゾルバ121は、検出結果を回転角信号としてモータ制御装置200に出力する。
モータ制御装置200は、SRモータ120の駆動を制御する。本実施形態では、モータ制御装置200は、アクセル操作検出部112から取得するアクセル信号とレゾルバ121から取得する回転角信号とに基づいて、SRモータ120の駆動を制御する。具体的には、モータ制御装置200は、アクセル信号に基づいて、SRモータ120に流す電流の目標値の最大値である最大電流指令値を算出する。そして、モータ制御装置200は、SRモータ120に流れる電流値が、最大電流指令値と回転角信号に応じたロータ回転角とで定まる電流指令値になるようにフィードバック制御を行う。
また、モータ制御装置200は、各励磁コイルLu,Lv,Lwへの通電を切り替えることにより、SRモータ120を駆動する。ここでは、モータ制御装置200は、レゾルバ121の検出結果に基づいて、ロータ回転角を得、それに応じて、一対の各励磁コイルLu,Lv,Lwに対して選択的に順次通電するよう制御する。これにより、ステータ122の突極にロータ123の突極が磁気吸引されながら回転を繰り返し、ロータ123に回転トルクが発生してSRモータ120に回転駆動力が発生する。
その他、車両制御システム100は、シフトポジションセンサ等を備えてもよい。シフトレバーには、シフトポジションセンサが設けられており、シフトレバーのレンジの切替位置を検出する。シフトポジションセンサは、例えば、各レンジに設けられたスイッチにより、いずれのレンジにシフトレバーが位置しているか検出する。シフトポジションセンサは、シフトレバーのポジションの位置を検出し、検出した検出値をモータ制御装置200に出力する。シフトポジションセンサは、シフトレバーのレンジに応じて異なる抵抗値をモータ制御装置200に出力する。
[モータ制御装置]
次に、モータ制御装置200の構成について説明する。図3に示すように、モータ制御装置200は、駆動回路210と、駆動回路制御装置240と、を備える。
駆動回路210は、バッテリ113からSRモータ120へ入力される電力をスイッチングして各相の励磁コイルLu,Lv,Lwに供給する。スイッチングは、駆動回路制御装置240からのゲート信号(駆動信号)に従って行われる。
駆動回路制御装置240は、ステータ122の各相の励磁コイルLu,Lv,Lwへの通電や切替えを制御する。本実施形態では、駆動回路制御装置240は、ゲート信号を生成し、駆動回路210に出力する。
[駆動回路]
駆動回路210は、駆動回路制御装置240から出力されるゲート信号に基づいて、スイッチング動作を行い、バッテリ113の電源電圧を、3相(U相、V相、W相)の交流電圧とし、励磁コイルLu,Lv,Lwに通電信号として供給する。
駆動回路210は、例えば、バッテリ113に接続される。駆動回路210は、コンデンサ211、スイッチング素子221~226およびダイオード231~236を備える。スイッチング素子221~226は、例えば、n型チャネルのFETである。また、スイッチング素子221~226は、例えば、IGBT(Insulated gate bipolar transistor)、FET(Field Effective Transistor)、およびBJT(bipolar junction transistor)のいずれか一つで構成されてもよい。
コンデンサ211は、一端がバッテリ113の正極に接続され、他端がバッテリ113の負極に接続される。コンデンサ211は、平滑用コンデンサであり、バッテリ113の電圧変動に対して電源を安定化させる。
スイッチング素子221は、ドレインがバッテリ113の正極に接続され、ソースがダイオード231のカソードに接続される。ダイオード231のアノードは、バッテリ113の負極に接続される。ダイオード232は、カソードがバッテリ113の正極に接続され、アノードがスイッチング素子222のドレインに接続される。スイッチング素子222のソースは、バッテリ113の負極に接続される。
スイッチング素子223は、ドレインがバッテリ113の正極に接続され、ソースがダイオード233のカソードに接続される。ダイオード233のアノードは、バッテリ113の負極に接続される。ダイオード234は、カソードがバッテリ113の正極に接続され、アノードがスイッチング素子224のドレインに接続される。スイッチング素子224のソースは、バッテリ113の負極に接続される。
スイッチング素子225は、ドレインがバッテリ113の正極に接続され、ソースがダイオード235のカソードに接続される。ダイオード235のアノードは、バッテリ113の負極に接続される。ダイオード236は、カソードがバッテリ113の正極に接続され、アノードがスイッチング素子226のドレインに接続される。スイッチング素子226のソースは、バッテリ113の負極に接続される。
すなわち、コンデンサ211と、直列に接続されたスイッチング素子221およびダイオード231と、直列に接続されたスイッチング素子222およびダイオード232と、直列に接続されたスイッチング素子223およびダイオード233と、直列に接続されたスイッチング素子224およびダイオード234と、直列に接続されたスイッチング素子225およびダイオード235と、直列に接続されたスイッチング素子226およびダイオード236とは、それぞれバッテリ113に対して並列に接続される。
また、スイッチング素子221とダイオード231との接続点には、SRモータ120の励磁コイルLuの一端が接続され、スイッチング素子222とダイオード232との接続点には、励磁コイルLuの他端が接続される。スイッチング素子223とダイオード233との接続点には、SRモータ120の励磁コイルLvの一端が接続され、スイッチング素子224とダイオード234との接続点には、励磁コイルLwの他端が接続される。スイッチング素子225とダイオード235との接続点には、SRモータ120の励磁コイルLwの一端が接続され、スイッチング素子226とダイオード236との接続点には、励磁コイルLwの他端が接続される。
スイッチング素子221,222、ダイオード231,232でHブリッジ回路を構成し、スイッチング素子221,222のオンオフにより励磁コイルLuに磁性を発生することができる。スイッチング素子223,224、ダイオード233,234でHブリッジ回路を構成し、スイッチング素子223,224のオンオフにより励磁コイルLvに磁性を発生することができる。スイッチング素子225,226、ダイオード235,236でHブリッジ回路を構成し、スイッチング素子225,226のオンオフにより励磁コイルLwに磁性を発生することができる。
上述のように、駆動回路210は、3つのHブリッジ回路により構成される。そして、駆動回路制御装置240から出力されるゲート信号がスイッチング素子221~226のゲートに入力され、入力されるゲート信号に応じて、スイッチング素子221~226のオンとオフとが切り替えられる。これにより、バッテリ113からの電流が、SRモータ120が有する励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに通電される。なお、スイッチング素子221~226がオフ状態となった場合、ダイオード231~236は、励磁コイルLu,Lv,Lwの電流の逆流を防止する。
電流センサ212は、SRモータ120が有する励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに流れる電流を検出して駆動回路制御装置240に出力する。駆動回路制御装置240は、これを受け、駆動回路210にゲート信号を出力し、スイッチング素子221~226を制御して励磁コイルLu,Lv,Lwにそれぞれ通電するタイミングによりロータ123の回転方向、回転速度、トルクを制御する。
[駆動回路制御装置]
駆動回路制御装置240は、多相のSRモータ120の各相に対応する励磁コイルLu,Lv,Lwの通電を切り替えることにより、SRモータ120の駆動を制御する。駆動回路制御装置240は、ゲート信号を駆動回路210に出力することで、励磁コイルLu,Lv,Lwを、通電信号により通電し、SRモータ120のロータ123を駆動する。
本実施形態では、正弦波電流によりSRモータ120を駆動する正弦波駆動を前提とする。ただし、本実施形態の駆動回路制御装置240は、要求負荷の増加に応じて、正弦波電流から矩形波電流を生成し、生成した矩形波電流によりSRモータ120を駆動する。以下、本明細書では、SRモータ120のロータ123の駆動に用いる電流の波形を「駆動電流波形」と呼ぶ。
以下、本実施形態における駆動回路制御装置240について説明する。図3に示すように、駆動回路制御装置240は、電流指令値生成部241と、電流検出部242と、位置検出部243と、回転速度検出部244と、電流制御部245と、PWM(Pulse Width Modulation)出力部246と、進角設定部247と、通電タイミング出力部248と、ゲート駆動部249と、マップ記憶部250と、を備える。
電流指令値生成部241は、要求負荷からSRモータ120の各相の励磁コイルLu,Lv,Lwに流す電流の目標値の最大値(以下、「最大電流指令値」)を生成する。具体的には、電流指令値生成部241は、アクセル操作検出部112から出力されたアクセル信号を取得し、アクセル信号の値に応じて、最大電流指令値を生成する。そして、電流指令値生成部241は、生成した最大電流指令値を電流制御部245と、進角設定部247と、に出力する。
例えば、電流指令値生成部241は、アクセルペダル111の操作量と最大電流指令値とが関連付けられたテーブルを備え、アクセル操作検出部112から出力されたアクセル信号が示すアクセルペダル111の操作量に対応する最大電流指令値を、そのテーブルから読み出す。そして、その値を最大電流指令値とする。なお、電流指令値生成部241は、アクセル操作検出部112から出力されたアクセル信号が示すアクセルペダル111の操作量から、実験的に最大電流指令値を決定してもよい。
なお、シフトポジションセンサを備え、シフト信号の入力がある場合は、電流指令値生成部241は、シフト信号に基づいてシフトレバーのシフトポジションがリバースのレンジに入れられており、後進走行ポジションであると判定した場合には、SRモータ120の回転方向が逆回転であると判定する。そして、電流指令値生成部241は、SRモータ120の回転方向が逆回転であることを示す回転方向指令信号を電流制御部245に出力してもよい。
電流検出部242は、電流センサ212より出力されるSRモータ120の励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに流れる電流値を検出し、電流検出値として電流制御部245に出力する。電流検出部242は、例えば、各電流センサ212から出力される各相電流(巻線電流)の検出信号に基づき、SRモータ120に通電されている相電流を検出し、この相電流の検出値を電流制御部245に出力する。
位置検出部243は、レゾルバ121が出力する回転角信号に基づいて、ロータ電気角を検出して、回転速度検出部244、電流制御部245および通電タイミング出力部248に出力する。
回転速度検出部244は、ロータ123の回転速度(ロータ回転速度)を算出し、電流制御部245および進角設定部247に出力する。本実施形態では、回転速度検出部244は、位置検出部243が出力するロータ電気角の単位時間あたりの変化量を検出し、検出した変化量からロータ回転速度を算出する。
電流制御部245は、SRモータ120の各相の励磁コイルLu,Lv,Lwに流す電流を制御する。本実施形態では、所定の波形(駆動電流波形)に基づいて制御する通電制御を行う。電流制御部245は、電流指令値生成部241から出力される最大電流指令値と、位置検出部243が検出したロータ電気角と、回転速度検出部244から出力されるロータ回転速度と、電流検出部242が検出した各励磁コイルLu,Lv,Lwの電流検出値とを用いて、電流差分値を算出する。算出した電流差分値は、PWM出力部246に出力される。ここで算出される電流差分値は、最大電流指令値、駆動電流波形およびロータ電気角により定まる電流指令値と電流検出値との偏差である。
また、本実施形態の電流制御部245は、正弦波電流に基づいて通電制御を行う。ただし、電流制御部245は、最大電流指令値に応じて、駆動電流波形を、正弦波から矩形波(台形波)に変形する矩形化処理を行い、処理後の駆動電流波形により通電制御を行う。これを実現するため、本実施形態の電流制御部245は、図4に示すように、波形生成部255を備える。
波形生成部255は、各相の励磁コイルLu,Lv,Lwに流す電流波形が正弦波状に変化する場合、この電流波形を最大電流指令値に基づいて台形化する台形化処理(矩形化処理)を行う。すなわち、電流制御部245が通電制御に用いる駆動電流波形を正弦波から生成する。本実施形態では、波形生成部255は、予め用意された基本となる正弦波(基本正弦波)を、最大電流指令値に基づいて変形し、駆動電流波形を生成する。波形の生成は、マップ記憶部250に記憶される補正項であるオフセット値と増幅率とを用いて、予め定めた電流制御周期(例えば、25μ秒)毎に行われる。矩形化処理の詳細は、後述する。
なお、本実施形態では、電流制御周期は、電流指令値生成部241による最大電流指令値生成周期より短く設定される。電流制御部245は、電流指令値生成部241から出力された最大電流指令値を、一時的に保存し、処理時に最新の値を用いる。
PWM出力部246は、電流制御部245が生成した電流差分値が減少するように、スイッチング素子221~226のデューティ比を決定する。PWM出力部246は、算出したデューティ比をゲート駆動部249に出力する。なお、PWM出力部246は、電流差分値に基づいて、公知のPI(Proportional Integral)制御、または、PID(Proportional Integral Derivative)制御等を用いて上述のデューティ比を算出してもよい。
進角設定部247は、電流指令値生成部241から出力された最大電流指令値と、回転速度検出部244から出力されたロータ回転速度とに応じて、進角を決定し、通電タイミング出力部248に出力する。進角は、マップ記憶部250から取得する。
通電タイミング出力部248は、位置検出部243から出力されるロータ電気角と、進角設定部247から出力される進角とに基づいて、SRモータ120の各相の各励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに通電する通電タイミングを決定する。そして、通電タイミング出力部248は、決定した通電タイミングをゲート駆動部249に出力する。
ゲート駆動部249は、通電タイミング出力部248から出力されたタイミング信号と、PWM出力部246から出力されたデューティ比とに基づいて、駆動回路210が備えるスイッチング素子221~226をオン状態またはオフ状態にする制御信号(PWM信号)を、スイッチング素子221~226のゲートに出力する。
マップ記憶部250には、進角マップ251と、オフセット値マップ252と、増幅率マップ253とが記憶される。なお、オフセット値マップと増幅率マップとを合わせて補正項マップと呼ぶ。
進角マップ251は、最大電流指令値とロータ回転速度との組み合わせごとに進角の値を対応付けたマップである。進角は、SRモータ120の各相の励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに対する通電開始位相および通電終了位相を各相のインダクタンス変化に応じた所定位置(例えば、インダクタンスの増大開始位相および減少開始位相等)から通電角を進角側に変化させる角度を表す。なお、進角は、最大電流指令値とロータ回転速度との増加に対して増加傾向にある。進角マップ251は、例えば、シミュレーションの結果に基づいて設定される。進角マップ251は、シミュレーションの結果だけでなく、実機を測定した測定結果に基づいて設定されてもよい。
オフセット値マップ252は、アクセル開度により定まる最大電流指令値に対応付けてオフセット値を予め記憶するマップである。オフセット値は、波形生成部255が矩形化処理時に用いる補正項であり、矩形化処理の際、処理対象の正弦波を、その振幅方向にオフセットする量である。このオフセット値は、図4(b)に示すように、最大電流指令値の増加に比例して増加するように設定される。なお、そのまま正弦波を用いる最大電流指令値の範囲では、オフセット値は0が記憶される。
増幅率マップ253は、アクセル開度により定まる最大電流指令値に対応づけて増幅率を予め記憶するマップである。増幅率は、波形生成部255が矩形化処理時に用いる補正項であり、矩形化処理の際、処理対象の正弦波を増幅する度合いを示す。この増幅率は、図4(c)に示すように、最大電流指令値の増加に比例して増加するように設定される。なお、そのまま正弦波を用いる最大電流指令値の範囲では、増幅率は1が記憶される。
これらの補正項の決定手法の一例を説明する。矩形化処理を開始するアクセル開度(開度閾値)は、例えば、矩形波通電制御における最大トルク値(正弦波最大トルク)に対する正弦波通電制御における最大トルク値(矩形波最大トルク)の比率を基に、以下の式により算出する。
開度閾値=(正弦波最大トルク/矩形波最大トルク)×100 ・・・(1)
なお、正弦波最大トルクおよび矩形波最大トルクは、それぞれ、予め、SRモータ120の回転速度と最大トルクとの関係を示すマップを、図5(a)に示すように、正弦波および矩形波(台形波)それぞれについて、測定し、記憶しておく。このマップと上記式(1)とにより、開度閾値を決定する。
ここでは、図5(b)に示すように、オフセット値および増幅率が、アクセル開度が50%までは正弦波をそのまま用い、アクセル開度が100%のときに矩形波となるよう設定される場合、すなわち、矩形化処理を開始するアクセル開度の開度閾値が50%に設定される場合を例示する。
開度閾値が定まると、アクセル開度が開度閾値未満に対応する最大電流指令値には、オフセット値として0、増幅率として1が、それぞれ設定される。また、アクセル開度が100%に対応する最大電流指令値には、オフセット値として最大電流指令値が、増幅率として最大係数が、それぞれ設定される。そして、図5(c)に示すように、線形補間を行い、切り替えポイントを算出する。すなわち、アクセル開度が50%より大きく、100%未満の最大電流指令値には、上記図4(b)および図4(c)に示すように、アクセル開度が50%の時の値(オフセット値は0、増幅率は1)と、アクセル開度が100%の際に設定される値とを、線形補間した値が設定される。
なお、増幅率の最大係数は、電流制御部245が電流差分値を算出する電流制御周期により定まる。すなわち、最大係数は、電流制御周期の間に、0から最大電流指令値まで変化する波形が生成されるよう設定される。
例えば、図5(d)に示すように、電流制御周期が25μsの場合、25μsの間に、電流指令値が0から制限電流値に変化するよう増幅率は設定される。この場合、具体的には、制限電流値が1000rpm50Aの場合、増幅率は約2865である。増幅率をこのように設定すれば、矩形波として扱うことができる。
このように補正項を予め設定することにより、波形生成部255において、例えば、アクセル信号として入力されたアクセル開度が、所定の開度閾値より大きい場合に矩形化処理が行われる。また、回転速度検出部244にて検出された回転速度が、所定の速度閾値より大きい場合に矩形化処理が行われる。
なお、アクセル開度が開度閾値の時と、アクセル開度が100%の時との間の補正項の値は、必ずしも線形補間により決定しなくてもよい。この間の補正項は、アクセル信号に従って算出される最大電流指令値が大きくなるに従って、より急峻な形状の矩形波が生成されるよう、決定されればよい。例えば、増幅率については、図4(d)に示すように、最大電流指令値が所定の範囲では、その増加に伴い、最大係数まで、非線形的に値が増加するよう定められてもよい。
[矩形化処理]
次に、本実施形態の波形生成部255による矩形化処理について、図と式とを用いて説明する。駆動回路制御装置240から出力される、U相、V相、W相の電流指令値は、図6に示すように、それぞれ、120°の位相差を有する正弦波電流である。
なお、本図では、U相の正弦波電流を実線で、V相の正弦波電流を破線で、W相の正弦波電流を一点鎖線で、それぞれ示す。以下、U相の正弦波電流を例にあげて、図7(a)~図7(f)を用いて、正弦波電流から矩形波電流を生成する矩形化処理手順を説明する。他のV相、W相の正弦波についても同様の手順で矩形波を生成する。
SRモータ120は、ユニポーラ通電、すなわち、図7(a)に示すように、電流流指令値が常にプラスの状態で通電される。これを式で表すと、以下の式(2)のとおりである。
Iu_ref = ((Imax × SINθ) + Imax)/2 ・・・(2)
ここで、Iu_ref、Imax、θは、それぞれ、以下を表す。
Iu_ref:U相電流指令値[A]
Imax:最大電流指令値[A]
θ:ロータ電気角[rad]
まず、この正弦波状の電流指令値に対し、図7(b)に示すように、正弦波形の中心が0軸にくるよう、オフセット処理を行う。これは、正弦波形の中心が最も変化量が安定しているため、この安定した傾きを持つ領域で通電の立上がり、立下りを制御するためである。式で表すと、以下のとおりである。
Iu_ref = ((Imax × SINθ) + (Imax - fa_O)/2 ・・・(3)
ここで、fa_Oは、オフセット値(振幅方向のオフセット値)である。本実施形態では、fa_O = Imaxである。このオフセット値は、上述のように、予め、最大電流指令値に対応付けて、マップ記憶部250に記憶される。
次に、オフセット処理後の電流指令値に対し、図7(c)に示すように、負部分を除去する、負値除去処理を行う。負処理後の状態を、図7(d)に示す。式で表すと、以下のとおりである。
Iu_ref≧0
lu_ref = ((Imax × SINθ) + (Imax - fa_O)/2
Iu_ref < 0
Iu_ref = 0 ・・・(4)
次に、図7(e)に示すように、負値除去処理後の電流指令値に対し、電流指令値を大きくする波形増幅処理を行う。増幅率は、上述のように、マップ記憶部250に、予め最大電流指令値に対応付けて記憶される。本処理を式で表すと、以下のとおりである。
Iu_ref≧0
Iu_ref = (((Imax × fa_I) × SINθ) + (Imax - fa_O))/2
Iu_ref < 0
Iu_ref = 0 ・・・(5)
ここで、fa_Iは増幅率である。
最後に、図7(f)に示すように、制限電流値(I_limit)より大きい場合、制限電流値とする電流制限処理を行う。式で表すと、以下のとおりである。
Iu_ref≧I_limit
Iu_ref = I_limit
I_limit > Iu_ref≧0
Iu_ref = (((Imax × fa_I) × SINθ) + (Imax - fa_O))/2
Iu_ref < 0
Iu_ref = 0 ・・・(6)
なお、本実施形態では、制限電流値(I_limit)は、最大電流指令値(Imax)である。
以上説明したように、本実施形態の矩形化処理は、正弦波電流を、オフセット値fa_O分振幅方向にオフセットし、負の値を除去し、増幅率fa_Iで増幅後、最大電流指令値以上の値を最大電流指令値とする処理である。
このように、本実施形態の駆動回路制御装置240は、補正項(オフセット値fa_Oおよび増幅率fa_I)を決定することにより、駆動電流波形を所望の形状にできる。そして、本実施形態では、これらの補正項は、アクセル信号から得られる最大電流指令値に応じて予め定められ、マップとして、マップ記憶部250に記憶される。
特に、本実施形態では、増幅率fa_Iを制御することにより、所望の形状(通電角)を有する矩形波を得ることができる。なお、オフセット値fa_Oは、矩形波状の電流指令値を生成する場合、最大電流指令値の1/2に設定される。ただし、台形波状の電流指令値を生成する際は、適宜定められる。
[電流制御処理の流れ]
上記の波形生成部255による矩形化処理を含む電流制御部245による電流制御処理の流れを説明する。本処理は、予め定められた電流制御周期S毎に行われる。図8は、本実施形態の電流制御処理の処理フローである。なお、以下では、U相の電流制御処理について説明する。V相、W相についても同様である。
電流制御部245は、電流検出値I_u*と、ロータ電気角θ*と、最新の最大電流指令値Imax*を取得する(ステップS1101)。
波形生成部255は、最新の最大電流指令値Imax*に対応づけてマップ記憶部250に記憶される増幅率fa_I(Imax*)とオフセット値fa_O(Imax*)とを取得する(ステップS1102)。
波形生成部255は、上記式(5)に基づき、ロータ電気角θ*における電流指令値Iu_refを算出する(ステップS1103)。
そして、波形生成部255は、制限電流値(最新の最大電流指令値Imax*)より大きい場合、制限電流値にする、上記式(6)で示される電流制限処理を行い(ステップS1104、S1105)、Iu_refを決定する。
最終的に、電流制御部245は、波形生成部255が矩形化処理を行うことにより得たIu_refについて、電流検出値I_u*との差分を電流差分値として算出し(ステップS1106)、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のモータ制御装置200は、正弦波駆動される3相のSRモータ120の各相に対応するコイル(励磁コイルLu,Lv,Lw)の通電を切り替えることにより、SRモータ120の駆動を制御するモータ制御装置200であって、要求負荷から各相のコイルに流す電流の目標値の最大値である最大電流指令値を生成する電流指令値生成部241と、各相のコイルに流す電流を、所定の駆動電流波形に基づいて制御する電流制御部245と、を備える。そして、電流制御部245は、所定の駆動電流波形を生成する波形生成部255、を備える。この波形生成部255は、最大電流指令値により定まる正弦波に対し、当該最大電流指令値に基づいて矩形化処理を行って、所定の駆動電流波形を生成する。
このように、本実施形態の波形生成部255は、アクセル信号により定まる最大電流指令値に応じて、駆動回路210を制御する駆動電流波形を正弦波から生成し、それに従って通電制御を行う。アクセル信号は、要求トルクに比例して値が変化するため、本実施形態では、要求トルクに応じて、正弦波電流を矩形化できる。これにより、高いトルクが必要となる、高回転高負荷領域において、正弦波電流では実現できないトルク特性を得ることができる。すなわち、本実施形態によれば、低振動低作動音が要求される領域で用いる正弦波電流から矩形波電流を生成することによって、高負荷領域にも対応できる。
また、本実施形態によれば、基本正弦波から、最大電流指令値に対応づけて記憶された補正項を用いて駆動電流波形を生成する。このため、最大電流指令値に応じて予め補正項を記憶させておくだけで、必要なトルクに応じた駆動電流波形に連続的に切り換えることができる。すなわち、本実施形態によれば、SRモータに好適なトルク特性と静音化を実現するモータ制御を実現できる。
[ベクトル制御]
なお、上記実施形態のSRモータ制御には、ベクトル制御を適用することも可能である。ベクトル制御は、電流指令値を、磁束発生成分とトルク発生成分とに分け、各成分を独立して制御する手法である。ベクトル制御では、モータ制御装置は、3相駆動の場合、まず、U,V,W各相の電流指令値を取得し、それを、別の3軸の電流指令値(磁束発生成分:d軸電流Id_refと、トルク発生成分:q軸電流Iq_refと、0軸成分I0_ref)に変換し、この3軸で電流制御処理と同等の処理を行う。以下、U,V,W各相を、「各相」と、d、q、0各軸を、「各軸」と、それぞれ略記する。
ベクトル制御では、モータ制御装置は、一連のベクトル演算を、予め定めた電流制御周期毎に実行し、モータを駆動する。本変形例では、このベクトル演算を実行する電流制御周期内で、上記波形生成も行う。
図9は、上記実施形態の矩形化処理を行わない場合の、ベクトル制御を適用したモータ制御装置201の構成を示すブロック図である。モータ制御装置201は、3相のSRモータ120に対してベクトル制御を行い、電気角で120°位相がずれた正弦波状の波形の3相電流を供給し、SRモータ120を駆動させる。このモータ制御装置201では、レゾルバ121で検出されたロータ回転角と、電流センサ212で演出した各相に供給される電流値とに基づいて、SRモータ120をベクトル制御する。
モータ制御装置201は、座標変換部311と、電圧指令生成部312と、電圧指令算出部313と、PWM出力部314と、を備える。
座標変換部311は、電流センサ212で検出した各相の電流値(U相電流値Iu,V相電流値Iv,W相電流値Iw)を、dq0電流(d軸電流Id,q軸電流Iq,0軸電流I0)に変換する。変換には、レゾルバ121からの信号を用いる。
電圧指令生成部312は、電流指令値(Id_ref,Iq_ref,I0_ref)とdq0電流(Id,Iq,I0)との差(偏差)に基づき、比例演算(P演算)を実施し、3軸(d,q,0)の電圧指令値(d軸電圧Vd,q軸電圧Vq,0軸電圧V0)を算出する。
電圧指令算出部313は、電圧指令生成部312の後段に設けられ、各軸の電圧指令値(Vd,Vq,V0)を、各相の電圧信号(U相制御電圧Vu,V相制御電圧Vv,W相制御電圧Vw)に変換する。変換には、レゾルバ121からの信号を用いる。
PWM出力部314は、電圧指令算出部313の後段に設けられ、各相の制御電圧Vu,Vv,Vwから、各相のPWMduty値を算出する。そして、PWM出力部314は、各相のPWMduty値に応じて各相に適宜電力を供給する。
これにより、SRモータ120は、各相の電流値をフィードバックしつつ、モータ制御装置201によってベクトル制御される。
図10は、上記実施形態のオフセット処理および増幅処理と、電流制限処理とを適用する場合のモータ制御装置202の構成図である。ここでは、モータ制御装置202は、電流指令値(Id_ref,Iq_ref,I0_ref)に対し、増幅処理とオフセット処理と電流制限処理を行い、これらの処理後の値と各軸の電流(Id,Iq,I0)との差(偏差)を算出する。
このため、モータ制御装置202は、オフセット・増幅処理部321と、電流制限処理部322と、を備える。
なお、オフセット処理は、電流指令値の0軸成分I0_refに対してのみ行う。これは、励磁電流の直流成分は、0軸電流に変換され、交流成分は、d軸電流とq軸電流とに変換されるためである。
また、電流制限処理においては、本図に示すように、いったん、各相の値に変換し、変換後の状態で電流制限処理を行い、その後、再度、各軸の値へ変換する。
この電流制限処理部322による各相の電流制限処理の流れを、図11(a)および図11(b)に示す。なお、ここでは、代表してU相の電流制限処理を示す。V相、W相についても、同様の処理を行う。
電流制限処理部322は、オフセット・増幅処理後、各相に変換した後の電流指令値lu_refが制限電流値より大きいか否かを判別する(ステップS1201)。
電流制限値以下である場合、電流制限処理部322は、電流指令値lu_refを、そのまま、lu_refとして出力し(ステップS1202)、処理を終了する。一方、電流制限値より大きい場合、電流制限処理部322は、lu_refとして電流制限値を出力し(ステップS1203)、処理を終了する。なお、本変形例においても、電流制限値は、最大電流指令値である。
電流制限処理部322により電流制限処理がなされ、出力された各相の電流指令値lu_ref、lv_ref、lw_refは、上述のように、各軸の値に変換されて出力される。
なお、電流値制限処理については、上記のように、増幅処理およびオフセット処理の後、偏差の取得前に行ってもよいが、図12に示すように、電圧指令算出部313による電圧信号算出の後、PWM出力部314による処理の前に行うよう構成してもよい。
この場合のモータ制御装置203は、電流制限処理部322を備えない代わりに、電圧指令算出部313により算出された各相の制御電圧Vu,Vv,Vwに対し、補正を行う電圧指令値補正部315を備える。
電圧指令値補正部315は、電流センサ212で検出した各相の電流値が、制限電流値を超えていた場合、制御電圧Vu,Vv,Vwに対し、超えた分に比例ゲイン(Pゲイン)を乗算した値に補正する。
電圧指令値補正部315による、電圧指令値補正処理の流れを、図11(b)に示す。ここでは、代表してU相の電流制限処理を示す。V相、W相についても、同様に行う。
まず、電圧指令値補正部315は、電流センサ212で検出したU相電流値Iuが、電流制限値未満であるか否かを判別する(ステップS1301)。ここでは、電圧指令値補正部315は、電流制限値を50Aとすると、50A未満であるか否かを判別する。
50A未満である場合、電圧指令値補正部315は、入力されたU相電圧Vuを、そのまま補正後のU相電圧Vu**として出力し(ステップS1302)、処理を終了する。
一方、50A以上である場合、電圧指令値補正部315は、入力されたU相電圧Vuに、目標値と制御量との偏差と比例ゲインKpとを乗算した値を、補正後のU相電圧Vu**として出力し(ステップS1303)、処理を終了する。ここでは、電圧指令値補正部315は、偏差として、U相電流値Iuと制限電流値50Aとの差分を用いる。
<変形例>
なお、上記実施形態では、SRモータ120の制御に適用する場合を例にあげて説明したが、制御対象のモータは、これに限定されない。例えば、本実施形態は、ブラシレスモータにも適用できる。ただし、この場合は、上記処理の中で、負部分を除去する処理は不要である。
また、さらに、正弦波電流の通電角を要求トルクに応じて制御してもよい。例えば、要求トルクが大きくなるに従って、通電角を小さくする。これにより、正弦波電流特有の、負トルクの発生領域を低減することができ、その分、トルク特性を向上させることができる。
また、上述の実施形態において、上述の実施形態において、ダイオード231~236は、IGBT、FETおよびBJT等のスイッチング素子に代替されてもよい。
また、モータ制御装置200、202、203の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。ソフトウェアで実現される場合、モータ制御装置200は、CPUと、メモリと、記憶装置とを備える。そして、CPUが、記憶装置に予め記憶されたプログラムを、メモリにロードして実行することにより、各機能を実現する。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。なお、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体等のことをいう。また上記プログラムは、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。なお、マップ記憶部250は、記憶装置に構築される。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
100:車両制御システム、111:アクセルペダル、112:アクセル操作検出部、113:バッテリ、114:リアギア、115:後輪、120:SRモータ、121:レゾルバ、122:ステータ、123:ロータ、124:回転軸、
200:モータ制御装置、201:モータ制御装置、202:モータ制御装置、203:モータ制御装置、210:駆動回路、211:コンデンサ、212:電流センサ、221:スイッチング素子、222:スイッチング素子、223:スイッチング素子、224:スイッチング素子、225:スイッチング素子、226:スイッチング素子、231:ダイオード、232:ダイオード、233:ダイオード、234:ダイオード、235:ダイオード、236:ダイオード、
240:駆動回路制御装置、241:電流指令値生成部、242:電流検出部、243:位置検出部、244:回転速度検出部、245:電流制御部、246:PWM出力部、247:進角設定部、248:通電タイミング出力部、249:ゲート駆動部、250:マップ記憶部、251:進角マップ、252:オフセット値マップ、253:増幅率マップ、255:波形生成部、
311:座標変換部、312:電圧指令生成部、313:電圧指令算出部、314:PWM出力部、315:電圧指令値補正部、321:増幅処理部、322:電流制限処理部

Claims (5)

  1. 多相のSRモータの各相に対応するコイルの通電を切り替えることにより、前記SRモータの駆動を制御するモータ制御装置であって、
    前記SRモータに要求される負荷から前記各相のコイルに流す電流の目標値の最大値である最大電流指令値を生成する電流指令値生成部と、
    前記各相のコイルに流す電流を制御する電流制御部と、を備え、
    前記電流制御部は、前記各相のコイルに流す電流波形が正弦波状に変化する場合、当該電流波形を前記最大電流指令値に基づいて台形化する台形化処理を行う波形生成部を備える
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1記載のモータ制御装置であって、
    前記台形化処理に用いる補正項を、前記最大電流指令値に対応づけて補正項マップとして記憶するマップ記憶部をさらに備え、
    前記補正項は、前記正弦波状に変化する前記電流波形の増幅率と、当該電流波形を振幅方向へオフセットするオフセット量であるオフセット値と、を備え、
    前記波形生成部は、
    生成された前記最大電流指令値に対応する前記オフセット値および前記増幅率に基づいて、前記台形化処理を行う
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1記載のモータ制御装置であって、
    前記SRモータの回転速度を検出する回転速度検出部をさらに備え、
    前記波形生成部は、前記回転速度検出部にて検出された前記SRモータの回転速度が所定の速度閾値より大きい場合に前記台形化処理を行う
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1記載のモータ制御装置であって、
    前記SRモータは、車両に原動機として搭載され、
    前記波形生成部は、前記車両が備えるアクセルペダルの踏み込み量が所定の閾値より大きい場合に前記台形化処理を行う
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項2記載のモータ制御装置であって、
    前記オフセット値は、前記正弦波の振幅であり、
    前記台形化処理は、前記正弦波を、前記オフセット値分、前記振幅方向にオフセットし、負の値を除去し、前記増幅率で増幅後、前記最大電流指令値以上の値を当該最大電流指令値とする処理である
    ことを特徴とするモータ制御装置。
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