JP2013233071A - スイッチドリラクタンスモータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、振動及び音響ノイズを低減可能なスイッチドリラクタンスモータ(SRM)装置を提供することである。
【解決手段】
SRMの6つの相巻線に供給される6つの相電流は、それぞれ半正弦波波形をもつ。したがって、SRMが3相シンクロナスリラクタンスモータ(SynRM)のように振る舞うため、SRMの振動及び騒音が大幅に低減される。さらに、パワーコンバータは、半正弦波波形をもつ相電流を供給するために、簡素な回路構造をもつことができる。さらに、パワーコンバータは、非対称モードと二重ミラーモードとをもつ。
【選択図】図11

Description

本発明は、スイッチドリラクタンスモータ装置に関し、特に6の整数倍の相巻線をもつスイッチドリラクタンスモータを含むスイッチドリラクタンスモータ装置に関する。
従来のスイッチドリラクタンスモータ(SRM)の重要な欠点は、機械振動及び騒音であることが知られている。さらに、SRMの振動及び騒音は、相数の増加により改善されることも知られている。しかし、相数が増加される時、このSRMを駆動するパワーコンバータは、複雑高価となってしまう。パワーコンバータの多くの回路構成が、SRMのために既に提案されている。
図1は、3相SRMを駆動するための従来の3相非対称パワーコンバータ1Yを示す。図2は、3相SRMを駆動するための従来の3相ミラー・コンバータ1Zを示す。
米国特許第7,906,931号は、一相当たり1つのフルブリッジをもつフルブリッジ・パワーコンバータを記載している。しかし、一相当たり4つのトランジスタが要求されるフルブリッジ・パワーコンバータは高価である。図1に示される従来の非対称コンバータは、一相当たり2つのトランジスタと2つのダイオードを必要とする。図2に示されるミラー・コンバータは、3相当たり4つのトランジスタ及び4つのダイオードを必要とする。しかし、このミラー・コンバータは、一相の消磁ともう一つの相の励磁とを同時に実行することができない。
米国特許第7,906,931号
本発明の目的は、振動及び騒音を低減可能な簡素なスイッチドリラクタンスモータ装置を提供することである。本発明のもう一つの目的は、優れたトルク速度特性をもつスイッチドリラクタンスモータ装置を提供することである。本発明のもう一つの目的は、スイッチドリラクタンスモータ装置を駆動可能な簡素なパワーコンバータを提供することである。
本発明の第1の観点によれば、SRM駆動用のパワーコンバータは、それぞれ半正弦波形をもつ各相電流をスイッチドリラクタンスモータ(SRM)の各相巻線に供給する。この半正弦波形は、正半波成分及び負半波成分からなる正弦波形の正半波成分を意味する。
したがって、このSRMは、同期リラクタンスモータ(SynRM)のようになる。その結果、たとえモーターがスイッチドリラクタンスモータの構造を備えているとしても、振動及び騒音が大幅に低減される。半正弦波形をもつ相電流は、この半正弦波形をもつ相電流の電力の20%未満の電力をもつ他の電流成分を含むことができる。
好適態様によれば、トルク指令値がそれほど大きくない時、パワーコンバータは半正弦波形の相電流を供給する。さらに、トルク指令値が大きい時、パワーコンバータは、台形波形の相電流を供給する。したがって、SRMは、要求された大トルクを発生することができる。
好適態様によれば、このSRMは6つのステータティースに別々に巻かれた6つの相巻線をもつ。このSRMは、順番に配列された6の倍数のステータティースをもつ。奇数番目のステータティースは、N極に磁化され、偶数番目のステータティースは、S極に磁化される。これにより、磁路が短縮され、鉄損が低減される。好適態様によれば、ロータコアは、6つのステータティース当たり7つのロータティースをもつ。好適態様によれば、ロータコアは、6つのステータティース当たり4つのロータティースをもつ。
好適態様によれば、互いに隣接する3つのステータティースは、隣接する3つの相巻線により同時に磁化される。さらに、同時に磁化される隣接する3つのステータティースの組み合わせは、順番に切り換えられる。したがって、隣接する3つのステータティースにより形成される磁界は、シンクロナスリラクタンスモータ(SynRM)のように円滑に回転する。これにより、振動及び騒音が大幅に低減される。
好適態様によれば、パワーコンバータは、星形結線された6相巻線に個別に接続された3つの上レグと3つの下レグの両方を有する。3つの上レグはそれぞれ、直列接続されたハイサイドトランジスタとローサイドダイオードのペアを有する。3つの下レグはそれぞれ、直列接続されたハイサイドダイオードとローサイドトランジスタのペアを有する。したがって、6相SRMを駆動するためのこの6相パワーコンバータは、3つのトランジスタと3つのダイオードからなる簡素な回路構成をもつことができる。
好適態様によれば、パワーコンバータは、1つの接続スイッチで接続された2つのミラー・コンバータからなる。接続スイッチがオンされる時、このパワーコンバータは、星形結線された6つの相巻線に個別に接続された3つの上レグと3つの下レグとの両方をもつ。他方、接続スイッチがオフされる時、パワーコンバータは、独立に運転される2つのミラー・コンバータとなる。したがって、この6相又は3相SRMは、トルク速度特性を切り換えることができる。
図1は、3相スイッチドリラクタンスモータを駆動するための従来の3相非対称パワーコンバータを示す回路構成図である。 図2は、3相スイッチドリラクタンスモータを駆動するための従来の3相ミラー・コンバータを示す回路構成図である。 図3は、第1実施例の6相6/7SRMを示す周方向展開図である。 図4は、図3に示される6相SRMを駆動するための簡素な6相パワーコンバータを示す回路構成図である。 図5は、図3に示される6相SRMに供給される6相電流の波形を示すタイミング・チャートである。 図6は、図3に示される6相SRMの隣接する3つのステータティースの一グループを通じて形成される磁路を示す断面図である。 図7は、図3に示される6相SRMの隣接する3つのステータティースの他のグループを通じて形成される磁路を示す断面図である。 図8は、図3に示される6相SRMの隣接する3つのステータティースの他のグループを通じて形成される磁路を示す断面図である。 図9は、図4に示される6相パワーコンバータにより6相SRMに供給される6相電流の半正弦波波形を示すタイミング・チャートである。 図10は、図4に示される6相パワーコンバータにより6相SRMに供給される6相電流の台形波形を示すタイミング・チャートである。 図11は、図3に示される6相SRMを駆動するための二重ミラー・コンバータを示す回路構成図である。 図12は、図11に示される二重ミラー・コンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図13は、図11に示される二重ミラー・コンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図14は、図11に示される二重ミラー・コンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図15は、図11に示される二重ミラー・コンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図16は、図11-図15に示される二重ミラー・コンバータにより供給される6相電流を示すマップである。 図17は、モード切替ルーチンを示すフローチャートである。 図18は、4つの半正弦波形及び2つの台形波形を示す図である。 図19は、スイッチドリラクタンスモータのトルク・速度特性における4つの領域を示すマップである。 図20は、時点t1における6相6/7SRMを示す模式展開図である。 図21は、時点t2における6相6/7SRMを示す模式展開図である。 図22は、時点t3における6相6/7SRMを示す模式展開図である。 図23は、時点t4における6相6/7SRMを示す模式展開図である。 図24は、時点t5における6相6/7SRMを示す模式展開図である。 図25は、時点t6における6相6/7SRMを示す模式展開図である。 図26は、第2実施例の3相6/8SRMを示す周方向展開図である。 図27は、時点t1における図26に示される3相6/8SRMを示す模式周方向展開図である。 図28は、時点t2における図26に示される3相6/8SRMを示す模式周方向展開図である。 図29は、時点t3における図26に示される3相6/8SRMを示す模式周方向展開図である。 図30は、図26-図29に示される3相6/8SRMの動作を示すタイミングチャートである。 図31は、図26-図29に示される3相6/8SRMを示す断面図である。 図32は、図26-図29に示される3相6/8SRMを示す断面図である。 図33は、図26-図29に示される3相6/8SRMを示す断面図である。 図34は、図26-図29に示される3相6/8SRMを駆動するための二重ミラーコンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図35は、図26-図29に示される3相6/8SRMを駆動するための二重ミラーコンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図36は、図26-図29に示される3相6/8SRMを駆動するための二重ミラーコンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図37は、図26-図29に示される3相6/8SRMを駆動するための二重ミラーコンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図38は、図26-図29に示される3相6/8SRMを駆動するための二重ミラーコンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図39は、図26-図29に示される3相6/8SRMを駆動するための二重ミラーコンバータの二重ミラーモードを示す回路構成図である。 図40は、6相TFSRMを示す断面図である。 図41は、3相TFSRMを示す断面図である。
第1実施例
6相6/7スイッチドリラクタンスモータ(SRM)が、図3-図5を参照して説明される。図3は、この6相6/7SRMを示す周方向展開図である。ステータ2及びロータ4は、周方向CXに展開されている。ステータ2は、ステータバックヨーク20に磁気的に接続される6個のステータティース21-26を2グループ有する。
しかし、図3は、6個のステータティース21-26の1つのグループともう1つのステータティース21とを示す。ローター4は、ローターバックヨーク40に磁気的に接続される7個のローターティース41を2グループ有する。しかし、図3は、8つのローターティース41だけを示す。つまり、このSRMは、7つのローターティース41当たり6つのステータティース21-26を有する。
U1相巻線C1は、ステータティース21に巻かれている。W2相巻線C5は、ステータティース22に巻かれている。V1相巻線C2は、ステータティース23に巻かれている。U2相巻線C4は、ステータティース24に巻かれている。W1相巻線C3は、ステータティース25に巻かれている。V2相巻線C6は、ステータティース26に巻かれている。隣接する2つのローターティースの間の周方向長さに等しい1ロータピッチは、図4に示される電気角360度に等しい。
図4は、図3に示される6相SRMを駆動するための6相パワーコンバータ1Sを示す回路構成図である。このパワーコンバータ1Sは、3つの上レグL1-L3と、3つの下レグL4-L6からなる。この6つのレグL1-L6は、SRMの6つの相巻線C1-C6に個別に接続されている。星形結線されたこの6つの相巻線C1-C6は、中性点Nをもつ。
U1相レグL1は、直列接続されたハイサイドトランジスタT1及びローサイドダイオードD1からなる。U1相レグL1の出力端は、U1相巻線C1を通じて、中性点Nに接続されている。V1相レグL2は、直列接続されたハイサイドトランジスタT2及びローサイドダイオードD2からなる。V1相レグL2の出力端は、V1相巻線C2を通じて、中性点Nに接続されている。W1相レグL3は、直列接続されたハイサイドトランジスタT3及びローサイドダイオードD3からなる。W1相レグL3の出力端は、W1相巻線C3を通じて、中性点Nに接続されている。
U2相レグL4は、直列接続されたローサイドトランジスタT4及びハイサイドダイオードD4からなる。U2相レグL4の出力端は、U2相巻線C4を通じて、中性点Nに接続されている。W2相レグL5は、直列接続されたローサイドトランジスタT5及びハイサイドダイオードD5からなる。W2相レグL5の出力端は、W2相巻線C5を通じて、中性点Nに接続されている。V2相レグL6は、直列接続されたローサイドトランジスタT6及びハイサイドダイオードD6からなる。V2相レグL6の出力端は、V2相巻線C6を通じて、中性点Nに接続されている。
6個のレグL1ーL6は、高電位DCリンク線10Hを低電位DCリンク線10Lに接続する。U1相レグは、U1相電流IU1をU1相巻線C1に供給する。V1相レグは、V1相電流IV1をV1相巻線C2に供給する。W1相レグは、W1相電流IW1をW1相巻線C3に供給する。電流IAは、相電流IU1、IV1及びIW1からなる。
U2相レグは、U2相電流IU2をU2相巻線C4に供給する。W2相レグは、W2相電流IW2をW2相巻線C5に供給する。V2相レグは、V2相電流IV2をV2相巻線C6に供給する。電流IAに等しい電流IBは、相電流IU2、IW2及びIV2からなる。コントローラ300は、これら6つの相電流IU1, IV1, IW1, IU2, IV2及びIW2を制御する。
図5は、相巻線C1-C6に個別に供給される6つの相電流IU1-IW2の波形を示すタイミング・チャートである。U1相巻線C1は、インダクタンスLU1をもつ。V1相巻線C2は、インダクタンスLV1をもつ。W1相巻線C3は、インダクタンスLW1をもつ。U2相巻線C4は、インダクタンスLU2をもつ。W2相巻線C5は、インダクタンスLW2をもつ。V2相巻線C6は、インダクタンスLV2をもつ。
図5において実線で示される6個の相電流IU1-IV2は、半正弦波形をもつ6個の相電流IU1-IV2を示す。図5において破線で示される6個の相電流IU1-IV2は、台形波形をもつ6個の相電流IU1-IV2を示す。U1相電流IU1は、期間P1-P3において供給される。W2相電流IW2は、期間P2-P4において供給される。W1相電流IW1は、期間P3-P5において供給される。U2相電流IU2は、期間P4-P6において供給される。W1相電流IW1は、期間P5-P6及び期間P1において供給される。V2相電流IV2は、期間P6及び期間P1-P2において供給される。
6個の相電流IU1、IW2、IV1、IU2、IW1及びIV2の波形は、トランジスタT1-T6のスイッチングにより制御される。コントローラ300は、トランジスタT1-T6に印加されるスイッチングパターンを決定する。6個の相電流はそれぞれ、半正弦波波形と台形波形のどちらかをもつ。
要求トルクが低い時、実線で示される半正弦波の相電流が選択される。要求トルクが高い時、破線で示される台形の相電流が選択される。したがって、要求トルクが低い時、振動及び音響ノイズが大幅に低減される。期間P1-P6はそれぞれ、電気角60度をもつ。
図3に示されるように、3相電流IU1、IV1及びIW1は、奇数番目のステータティース21、23及び25の先端部をN極に励磁する。同様に、3相電流IU2、IV2及びIW2は、偶数番目のステータティース22、24及び26の先端部をS極に励磁する。
図3に示される6相6/7SRMのステータ2が、図6-図8に示される。このSRMは、14個のローターティースと12個のステータティースとをもつ。しかし、ローターティース41は、図6-図8において図示されていない。図6-図8において、矢印をもつ破線は、ステータ2及びロータ4内に形成された磁路を示す。図6は、期間P4における磁束を示す。図7は、期間P5における磁束を示す。図8は、期間P6における磁束を示す。磁路は、隣接する3つのステータポールを通じて形成される。したがって、鉄損が低減され、トルク密度が増加される。
図9は、図4に示される6相パワーコンバータ1Sの半正弦波モードを示す模式タイミングチャートである。6個の相電流IU1-IW2は各々、半正弦波形をもつ。図9に示されるように、3相電流IU1、IV1及びIW1の合計電流IAは、3相電流IU2、IW2及びIV2の合計電流IBに等しい。
図10は、図4に示される6相パワーコンバータ1Sの台形モードを示す模式タイミングチャートである。6個の相電流IU1-IW2は各々、台形波形をもつ。実線は小さい相電流を示し、破線は大きな相電流を示す。図10に示されるように、3相電流IU1、IV1及びIW1の合計電流IAは、ほとんど一定である。同様に、3相電流IU2、IV2及びIW2の合計電流IBも、ほとんど一定である。さらに、合計電流1Aは、合計電流1Bに等しい。
その結果、図6-図8に示される回転磁界は、滑らかに回転する。更に、全ステータティースの半分は、常にローターティース41を引っ張る。したがって、このSRMは、優れたトルク密度をもつ。電流リップルは低減される。パワーコンバータ1Sが、図1に示される従来の3相非対称パワーコンバータ1Yに等しい数のトランジスタ及びダイオードをもつので、パワーコンバータ1Sは、コンパクトになる。
図11は、図3及び図5-図10に示される6相SRMを駆動するためのもう一つの6相パワーコンバータ1Tを示す回路構成図である。図11に示されるこの6相パワーコンバータ1Tは、接続スイッチT9及び2つのコモンレグ1LU、1LLを除いて、図4に示される6相パワーコンバータ1Sに等しい。言い換えれば、このパワーコンバータ1Tは、上ミラー・コンバータ1A、下ミラー・コンバータ1B及び接続スイッチT9をもつ。
この上ミラー・コンバータ1Aは、星形結線された3相巻線C1-C3を駆動するために、U1相レグL1、V1相レグL2、W1相レグL3及び上コモンレグ1LUをもつ。この下ミラー・コンバータ1Bは、星形結線された3相巻線C4-C6を駆動するために、U2相レグL4、W2相レグL5及びV2相レグL6及び下コモンレグ1LLをもつ。
U1相レグL1は、直列接続されたハイサイドトランジスタT1及びローサイドダイオードD1からなる。U1相レグL1の出力端は、U1相巻線C1を通じて、3相巻線C1-C3の上中性点NUに接続されている。V1相レグL2は、直列接続されたハイサイドトランジスタT2及びローサイドダイオードD2からなる。V1相レグL2の出力端は、V1相巻線C2を通じて、上中性点NUに接続されている。W1相レグL3は、直列接続されたハイサイドトランジスタT3及びローサイドダイオードD3からなる。W1相レグL3の出力端は、W1相巻線C3を通じて、上中性点NUに接続されている。上コモンレグ1LUは、直列接続されたハイサイドコモンダイオードD7及びローサイドコモントランジスタT7からなる。上コモンレグ1LUの出力端は、上中性点NUに接続されている。
U2相レグL4は、直列接続されたローサイドトランジスタT4及びハイサイドダイオードD4からなる。U2相レグL4の出力端は、U2相巻線C4を通じて、3相巻線C4-C6の下中性点NLに接続されている。W2相レグL5は、直列接続されたローサイドトランジスタT5及びハイサイドダイオードD5からなる。W2相レグL5の出力端は、W2相巻線C5を通じて、下中性点NLに接続されている。V2相レグL6は、直列接続されたローサイドトランジスタT6及びハイサイドダイオードD6からなる。V2相レグL6の出力端は、V2相巻線C6を通じて、下中性点NLに接続されている。下コモンレグ1LLは、直列接続された下コモンダイオードD8及び上コモントランジスタT8からなる。下コモンレグ1LLの出力端は、下中性点NLに接続されている。
IGBTからなる接続スイッチT9は、上中性点NUを下中性点NLに接続する。上ミラー・コンバータ1AのレグL1-L3は、高電位直流リンクライン10Hを低電位直流リンクライン10Lに接続する。同様に、下ミラー・コンバータ1BのレグL4-L6は、高電位直流リンクライン10Hを低電位直流リンクライン10Lに接続する。
この6相パワーコンバータ1Tは、非対称モード及び二重ミラーモードからなる2つの動作モードをもつ。この非対称モードによれば、接続スイッチT9がオンされ、コモントランジスタT7及びT8がオフされる。したがって、この非対称モードは、図4に示される6相パワーコンバータ1Sの動作と同じである。この二重ミラーモードによれば、接続スイッチT9はオフされ、コモントランジスタT7、T8は、スイッチングされる。
この二重ミラーモードにおいて、上ミラー・コンバータ1A及び下ミラー・コンバータ1Bは、公知のミラーモードを独立に実行する。2つのミラー・コンバータ1A、1Bの両方は、半正弦波モード及び台形モードのどちらも実行可能である。
図12-図15は期間P1における二重ミラーモードの動作を示す。最初に、期間P1における上ミラー・コンバータ1Aの動作が図12-図15を参照して説明される。図12において、トランジスタT1、T7がオンされる。これにより、U1相励磁電流IU1が増加する。W1相フリーホィーリング電流IW1は、巡回により緩慢に低減される。この動作は、磁化モードと呼ばれる。
図13において、トランジスタT1がオンされ、トランジスタT7がオンされる。これにより、U1相フリーホィーリング電流IU1は、巡回により緩慢に減少する。W1相消磁電流IW1は急速に減少する。この動作は、半消磁モードと呼ばれる。図14において、トランジスタT1がオフされ、トランジスタT7がオンされる。これにより、フリーホィーリング電流IU1、IW1は、巡回により緩慢に減少する。この動作は、フリーホィーリングモードと呼ばれている。図15において、トランジスタT1、T7がオフされる。
これにより、消磁電流IU1、IW1が急速に低減される。この動作は、フル消磁モードと呼ばれる。
次に、期間P1における下ミラー・コンバータ1Bの動作が、図12-図15を参照して説明される。図12において、トランジスタT6、T8がオンされる。これにより、V2相励磁電流IV2が増加される。この動作は、磁化モードと呼ばれる。
図13において、トランジスタT6がオフされ、トランジスタT8がオンされる。これにより、V2相フリーホィーリング電流IV2が、巡回により緩慢に減少する。この動作は、フリーホィーリングモードと呼ばれる。図14において、トランジスタT6がオンされ、トランジスタT8がオフされる。これにより、V2相フリーホィーリング電流IV2は、巡回によりゆっくり減少する。この動作は、フリーホィーリングモードと呼ばれる。図15において、トランジスタT6及びT8は、オフされる。これにより、消磁電流IV2が急速に減少する。この動作は、消磁モードと呼ばれる。
半正弦波波形または台形の波形のどちらかをもつ相電流IU1、IW1及びIV2を供給するために、コントローラ300は、期間P1において、図12-図15に示される動作から好適な動作を選択する。期間P2-P6におけるトランジスタT1-T8のスイッチングパターンは、図12-図15に示される期間P1におけるトランジスタT1-T8のスイッチングパターンと実質的に同じである。
図16は、期間P1-P6におけるトランジスタT1-T8のスイチングパターンを示す。期間P1において、トランジスタT1、T6、T7及びT8がスイッチングされる。期間P2において、トランジスタT1、T5、T7及びT8がスイッチングされる。期間P3において、トランジスタT2、T5、T7及びT8が、スイッチングされる。期間P4において、トランジスタT2、T4、T7及びT8が、スイッチングされる。期間P5において、トランジスタT3、T4、T7及びT8が、スイッチングされる。期間P6において、トランジスタT3、T6、T7及びT8が、スイッチングされる。
図17は、モード選択ルーチンを示すフローチャートである。最初に、モード選択に関連する情報がステップS100にて収集される。たとえば、SRMのトルク指令値Ti及びロータ速度Ndがこの情報として収集される。次に、ステップS102にて、この情報に基づいて半正弦波モードと台形波モードとのどちらかが、選択される。この実施例では、トルク指令値Tiが所定値未満である時、半正弦波波モードがステップS104にて選択される。トルク指令値Tiが所定値以上である時、台形波モードがステップS106にて選択される。
この半正弦波モードによれば、パワーコンバータ1S又は1Tは、それぞれ半正弦波波形をもつ6相電流IU1, IV1, IW1, IU2, IV2及びIW2を供給する。6相電流はそれぞれ、図9に示されるように、正弦波形の正半波成分を有する。この台形波モードによれば、パワーコンバータ1S又は1Tは、それぞれ台形波形をもつ6相電流IU1, IV1, IW1, IU2, IV2及びIW2を供給する。6相電流はそれぞれ、図10に示される台形波形をそれぞれ有する。したがって、トルク指令値が高くない時、騒音及び振動は、大幅に抑制される。
次に、SRMの回転速度検出値が所定値より高いかどうかが、ステップS108にて判定される。回転速度検出値が所定値より高い時、図12-図15に示される二重ミラー・モードが、ステップS110にて選択される。SRMの回転速度検出値Ndが所定値より低い時、ステップS112にて非対称モードが選択される。
SRMのU相巻線に供給されるU相電流の6個の波形L11, L12, L13, L14, L15 及びL16が図18に示される。U相電流IUの各波形L11, L12, L13, L14は、それぞれ半正弦波波形を示す。U相電流IUの各波形L15、L16は、それぞれ台形波形を示す。トルク指令値Tiと速度検出値Ndと図19に示されるマップとに基づいて好適な波形が選択される。
図19は、SRMのトルク-速度特性を示す。横線Loは定トルク線である。L1及びL2は、それぞれ定電力線である。横破線L3は、半正弦モードと台形モードとを分割するためのしきい値線である。非対称モードは、領域A、Bで実行される。二重ミラーモードは、領域C、Dで実行される。半正弦波モードは、領域A、Cで実行される。台形波モードは、領域B、Dで実行される。
図3に示される6相6/7スイッチドリラクタンスモータ(SRM)のロータ位置が図20-25及び図5を参照して説明される。図20は、図5に示される時点t1におけるロータ位置を示す。図21は、図5に示される時点t2におけるロータ位置を示す。図22は、図5に示される時点t3におけるロータ位置を示す。図23は、図5に示される時点t4におけるロータ位置を示す。図24は、図5に示される時点t5におけるロータ位置を示す。図25は、図5に示される時点t6におけるロータ位置を示す。
第2実施例
3相6/8スイッチドリラクタンスモータ(SRM)が図26-図30を参照して説明される。図26は、6つのステータティース当たり8つのローターティースをもつ3相6/8SRMを示す周方向展開図である。ステータ2及びロータ4は、周方向CXに展開されている。ステータ2は、ステータバックヨーク20に磁気的に接続されたステータティース21-26を有する。ロータ2は、ロータバックヨーク40に磁気的に接続されたローターティース41をもつ。U1相巻線C1は、ステータティース21に巻かれている。V1相巻線C2は、ステータティース22に巻かれている。W1相巻線C3は、ステータティース23に巻かれている。U2相巻線C4は、ステータティース24に巻かれている。V2相巻線C5は、ステータティース25に巻かれている。W2相巻線C6は、ステータティース26に巻かれている。
U1相巻線C1に供給されるU1相電流IU1は、U2相巻線C4に供給されるU2相電流IU2と同相である。V1相巻線C2に供給されるV1相電流IV1は、V2相巻線C5に供給されるV2相電流IV2と同相である。W1相巻線C3に供給されるW1相電流IW1は、W2相巻線C6に供給されるW2相電流IW2と同相である。奇数番目のステータティース21、23及び25の先端部は、相電流IU1、IW1及びIV2によりN極に励磁される。偶数番目のステータティース22、24及び26の先端部は、相電流IV1、IU2及びIW2によりS極に励磁される。
図27は、図30に示される時点t1における第1のロータ位置を示す。図28は、図30に示される時点t2における第2のロータ位置を示す。図29は、図30に示される時点t3における第3のロータ位置を示す。図30は、相巻線C1-C6に供給される3相電流IU1、IV1、IW1、IU2、IV2及びIW2の波形を示すタイミングチャートである。3相電流IU1、IV1、IW1、IU2、IV2及びIW2の波形は、たとえば図11に示される二重ミラーコンバータ1Tである3相パワーコンバータのトランジスタをスイッチングすることにより制御される。相電流IU1、IV1、IW1、IU2、IV2及びIW2は、半正弦波形及び台形波形のどちらももつ。
相電流C1-C6は、インダクタンス値LU1、LV1、LW1、LU2、LV2及びLW2を個別にもつ。それぞれ半正弦波波形をもつ相電流IU1、IV1、IW1、IU2、IV2及びIW2はインダクタンス増加期間に供給される。相電流C1-C6のインダクタンス値LU1、LV1、LW1、LU2、LV2及びLW2は、図30に示されるように、インダクタンス増加期間に増加する。相電流IU1、IV1及びIW1の合計電流IAが、図30に示される。同様に、相電流IU2、IV2及びIW2の合計電流IBが、図30に示される。
12個のステータティースと16個のローターティースとをもつ3相6/8SRMが、図31-図33に示される。しかし、ローターティース41は、図31-図33において図示されていない。図31に示される破線は、期間P1における磁束を示す。図32に示される破線は、期間P2における磁束を示す。図33に示される破線は、期間P3における磁束を示す。
図11に示される二重ミラーコンバータ1Tは、相巻線C1-C6に6つの相電流IU1-IW2からなる3相電流を供給する。二重ミラーコンバータ1Tは、非対称モードと二重ミラーモードとを有する。非対称モードにおいて、接続スイッチT9がオンされ、コモントランジスタT7、T8がオフされる。これにより、非対称モードをもつ二重ミラーコンバータ1Tは、従来の3相非対称パワーコンバータと本質的に同じとなる。
非対称モードによれば、U1相トランジスタT1及びU2相トランジスタT4は互いに同期動作する。同様に、V1相トランジスタT2及びV2相トランジスタT5は互いに同期動作する。W1相トランジスタT3及びW2相トランジスタT6は互いに同期動作する。
3相巻線C1-C6に3相電流を供給する二重ミラーコンバータ1Tの二重ミラーモードが、図34-図39を参照して説明される。二重ミラーモードでは、接続スイッチT9はオフされ、コモントランジスタT7、T8がスイッチングされる。この二重ミラーモードにおいて、上ミラーコンバータ1A及び下ミラーコンバータ1Bは、互いに独立に公知のミラーモードを実行する。2つのミラーコンバータ1A及び1Bは両方とも、半正弦波モード及び台形波モードのどちらでも実行可能である。
図34及び図35は、図30に示される期間P1におけるミラーコンバータ1A及び1Bのスイッチングパターンを示す。図34によれば、トランジスタT1及びT4及びコモントランジスタT7及びT8がオンされる。これにより、U1相電流IU1及びU2相電流IU2が増加される。さらに、W1相フリーホィーリング電流IW1及びW2相フリーホィーリング電流IW2がトランジスタT7及びT8を通じて個別に循環する。結局、U相電流IU1及びIU2が急速に増加する。しかし、W相電流IW1及びIW2は緩慢に減少する。したがって、図34に示されるスイッチングパターンは、励磁モードと呼ばれる。
図35によれば、トランジスタT1及びT4がオンされ、コモントランジスタT7及びT8がオフされる。これにより、U1相フリーホィーリング電流IU1及びU2相フリーホィーリング電流IU2がトランジスタT1及びT4を個別に通じて循環する。さらに、W1相消磁電流IW1がダイオードD3及びD7を通じて流れる。同様に、W2相消磁電流IW2がダイオードD8及びD6を通じて流れる。結局、U相電流IU1及びIU2はゆっくりと減少する。しかし、W相電流IW1及びIW2は急速に減少する。したがって、図35に示されるこのスイッチングパターンは、消磁モードと呼ばれる。
励磁モードと消磁モードとの比率は、半正弦波波形又は台形波波形をもつ相電流IU1、IU2、IW1及びIW2を供給するために、調整される。
図36、図37は、図30に示される期間P2におけるミラーコンバータ1A、1Bのスイチングパターンを示す。図36によれば、トランジスタT1及びT4とコモントランジスタT7及びT8がオンされる。これにより、U1相電流IU1及びU2相電流IU2が増加される。結局、相電流IU1、IU2は急速に増加する。したがって、図30に示されるスイチングパターンは、励磁モードと呼ばれる。
図37によれば、トランジスタT1、T4がオフされ、コモントランジスタT7、T8がオンされる。これにより、U1相フリーホィーリング電流IU1とU2相電流IU2がコモントランジスタT7、T8を個別に通じて巡回される。結局、U相電流IU1、IU2は緩慢に減少する。したがって、図37に示されるスイチングパターンはフリーホィーリングモードと呼ばれる。励磁モードとフリーホィーリングモードとの比率は、半正弦波波形又は台形波形をもつ相電流IU1、IU2を供給するために調整される。
図38、図39は、図30に示される期間P3におけるミラーコンバータ1A、1Bのスイチングパターンを示す。図38によれば、トランジスタT2、T5及びコモントランジスタT7、T8がオンされる。これにより、V1相電流IV1とV2相電流IV2が増加される。さらに、U1相フリーホィーリング電流IU1とU2相フリーホィーリング電流IU2がコモントランジスタT7、T8を個別に通じて循環する。結局、V相電流IV1、IV2は急速に増加する。しかし、U相電流IU1、IU2が緩慢に低減される。したがって、図38に示されるスイチングパターンが励磁モードと呼ばれる。
図39によれば、トランジスタT2、T5がオンされ、コモントランジスタT7、T8がオフされる。これにより、V1相フリーホィーリング電流IV1及びV2相フリーホィーリング電流IV2がトランジスタT2、T5を個別に通じて循環される。さらに、U1相消磁電流IU1がダイオードD1、D7を通じて流れる。同様に、U2相消磁電流IU2がダイオードD8及びD4を通じて流れる。結局、V相電流IV1及びIV2はゆっくりと減少する。
しかし、U相電流IU1、IU2が急速に減少する。したがって、図39に示されるスイチングパターンは、消磁モードと呼ばれる。励磁モードと消磁モードとの比率は、半正弦波波形又は台形波形をもつ相電流IU1、IU2、IV1及びIV2を供給するために調整される。同様に、他の期間P4-P6におけるスイチングパターンが実行される。結局、2つのミラーコンバータ1A、1Bは、励磁モード、消磁モード及びフリーホィーリングモードをもつミラーモードを実行する。これらの3つのモードは、相電流の要求波形を実現するために、交互に実行される。
第3実施例
第3実施例が、図40、図41を参照して説明される。RAは径方向を示し、AXは軸方向を示す。図40は、6相横磁束スイッチドリラクタンスモータ(TFSRM)を示す断面図である。図41は、3相横磁束スイッチドリラクタンスモータ(TFSRM)を示す断面図である。図4に示されるパワーコンバータ1S及び図11に示されるパワーコンバータ1Tは、図40に示される6相TFSRMの6つの相巻線C1-C6に6相電流を供給する。同様に、図41に示される3相TFSRMの6つの相巻線C1-C6に3相電流を供給する。
図40、図41に示されるTFSRMは、ステータ2及びロータ4を有する。図40に示される6相TFSRMは、タンデム配列された6つの単相TFSRMからなる。図41に示される3相TFSRMは、タンデム配列された3つの単相TFSRMからなる。単相TFSRMはそれぞれ、ステータコア2の環状スロットに収容されたリング状の相巻線C1-C6を有する。ステータ2のステータコア2は、ステータハウジング2Aに固定されている。ロータ4は、ロータハウジング4Aに固定されている。図41において、U相巻線C1、C4は、同じ環状スロットに収容されている。同様に、V相巻線C2、C5は、同じ環状スロットに収容されている。W相巻線C3、C6は、同じ環状スロットに収容されている。
スイッチドリラクタンスモータに関する3つの技術がこの実施例において開示される。第1の技術は、図5、図9に示される半正弦波波形をもつ相電流を用いるSRM駆動法である。特に、半正弦波波形をもつ6相電流により駆動される6相SRMは、3相シンクロナスリラクタンスモータ(SynRM)のようになる。これにより、たとえモータがスイッチドリラクタンスモータの構造をもつとしても、振動、騒音、鉄損及び電流リップルが大幅に低減される。
図4に示される第2の技術は、星形結線された6相巻線をもつ6相SRMを駆動するための6相パワーコンバータに関連する。図4に示されるこの6相パワーコンバータ1Sは、たとえSRMが6相をもつとしても、より少ないトランジスタとより少ないダイオードをもつことができる。したがって、パワーコンバータ1Sの製造コストが低減される。
第3の技術は、図11に示される二重ミラー・コンバータ1Tに関する。2つのミラー・コンバータと接続スイッチT9とをもつ6相パワーコンバータ1Tは、二重ミラーモードを実行することができる。好適には、この二重ミラーモードは、高速領域にて採用される。したがって、SRMの逆起電力(バックEMF)は、高速領域にて相対的に低減される。
変形態様が図11を参照して説明される。コモンレグ1LU、1LLのコモントランジスタT7、T8は、接続スイッチT9がオンされる非対称モードにおいて、オンされる。好適には、コモントランジスタT7は、中性点NU、NLの電位が上昇する時にオンされる。同様に、コモントランジスタT8は、中性点NU、NLの電位が低下する時にオンされる。これにより、中性点NU、NLの電位変化が抑制される。
もう1つの変形態様が以下に説明される。この変形態様によれば、パワーコンバータ1S、1Tは、半正弦波電流成分Is及び台形波電流成分Itのいずれかと、直流電流成分Idcとの合成電流Iをスイッチドリラクタンスモータの各相巻線に供給する。これにより、モータトルクを増加することができる。特に、この直流電流成分の追加は、高速領域において好適である。
すなわち、半正弦波電流成分Isが選択される時、モータトルクTは、以下の式で表される。シンボルKは、比例定数である。
T=K*((Is+Idc)*(Is+Idc)ー(Idc)*(Idc))
=K(Is*Is+2Is*Idc)
なお、スイッチドリラクタンスモータがモータとして動作する時、K*(Is+Idc)*(Is+Idc)は、インダクタンス増加期間の正トルク成分であり、K*(Idc)*(Idc)は、インダクタンス減少期間の負トルク成分である。

Claims (12)

  1. スイッチドリラクタンスモータと、パワーコンバータ(1S、1T)とコントローラ(300)とを備えるスイッチドリラクタンスモータ装置において、
    このスイッチドリラクタンスモータは、スイッチドリラクタンスモータの所定のステータティースに個別に巻かれた所定数の相巻線(C1-C6)を有し、
    パワーコンバータ(1S、1T)を制御するコントローラ(300)は、半正弦波モードを有し、
    パワーコンバータ(1S、1T)は、それぞれ半正弦波波形をもつ所定数の相電流を、この半正弦波モードの間中、相巻線(C1-C6)に個別に供給し、
    それぞれ半正弦波波形をもつこの相電流は、正半波成分と負半波成分とからなる正弦波電流の正半波成分により本質的に構成されることを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ装置。
  2. このスイッチドリラクタンスモータは、順番に配列された少なくとも6個のステータティース(21-26)に個別に巻かれた少なくとも6つの相巻線(C1-C6)を有し、
    パワーコンバータ(1S、1T)は、6つの相電流(IU1、IV1、IW1、IU2、IV2及びIW2)からなる6相電流を6つの相巻線(C1-C6)に個別に通電し、
    6つの相電流(IU1、IV1、IW1、IU2、IV2及びIW2)は、互いに異なる位相をもつ請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  3. スイッチドリラクタンスモータは、6つのステータティース(21-26)当たり7つのローターティース(41)をもつロータコアを有する請求項2記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  4. スイッチドリラクタンスモータは、順番に配列された少なくとも6つのステータティース(21-26)を有し、
    奇数番目のステータティース(21、23、25)に巻かれた奇数番目の相巻線(C1, C2, C3) は、奇数番目のステータティース(21、23、25)の先端部をN極に磁化し、
    偶数番目のステータティース(22、24、26)に巻かれた偶数番目の相巻線(C5, C4, C6) は、偶数番目のステータティース(22、24、26)の先端部をS極に磁化する請求項2記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  5. このスイッチドリラクタンスモータは、順番に配列された少なくとも6個のステータティース(21-26)に個別に巻かれた少なくとも6つの相巻線(C1-C6)を有し、
    パワーコンバータ(1S、1T)は、6つの相電流(IU1、IV1、IW1、IU2、IV2及びIW2)からなる6相電流を6つの相巻線(C1-C6)に個別に通電し、
    U1相電流(IU1)は、U2相電流(IU2)と同相をもち、
    V1相電流(IV1)は、V2相電流(IV2)と同相をもち、
    W1相電流(IW1)は、W2相電流(IW2)と同相をもつ請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  6. スイッチドリラクタンスモータは、6つのステータティース(21-26)当たり8つのローターティース(41)をもつロータコアを有する請求項5記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  7. コントローラ(300)は、台形波形の各相電流を相巻線(C1-C6)に供給する台形波モードを有し、
    コントローラ(300)は、低トルク領域にて半正弦波モードを選択し、かつ、高トルク領域にて台形波モードを選択する請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  8. パワーコンバータ(1S、1T)は、星形結線された6つの相巻線(C1-C6)に個別に接続された3つの上レグ (L1-L3) と3つの下レグ (L4-L6)とを有し、
    直列接続されたハイサイドトランジスタ(T1-T3)とローサイドダイオード(D1-D3)との3つのペアをもつこの3つの上レグ (L1-L3)は、3つの相電流(IU1, IV1, IW1)を3つの相巻線(C1-C3)に供給し、
    直列接続されたローサイドトランジスタ(T4-T6)とハイサイドダイオード(D4-D6)との3つのペアをもつこの3つの下レグ (L4-L6)は、3つの相電流(IU2, IV2, IW2)を3つの相巻線(C4-C6)から吸収し、
    3つの相電流(IU1, IV1, IW1)の合計電流(IA)は、3つの相電流(IU2, IV2, IW2)の合計電流(IB)に等しい請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  9. パワーコンバータ(1T)はさらに、上コモンレグ(ILU)と下コモンレグ(ILL)と接続スイッチ(T9)とを有し、
    星形結線された3つの相巻線(C1-C3)は、上中性点(NU)を有し、
    星形結線された3つの相巻線(C4-C6)は、接続スイッチ(T9)を通じて上中性点(NU)に接続された下中性点(NL)を有し、
    上中性点(NU)は、直列接続されたハイサイドダイオード(D7)及びローサイドトランジスタ(T7)のペアをもつ上コモンレグ(ILU)の出力点に接続され、
    下中性点(NL)は、直列接続されたハイサイドトランジスタ(T8)及びローサイドダイオード(D8)のペアをもつ下モンレグ(ILL)の出力点に接続されている請求項6記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  10. コントローラ(300)は、非対称モード及び二重ミラーモードを有し、
    接続スイッチ(T9)は、非対称モードにおいてオンされ、二重ミラーモードにおいてオフされ、
    3つの上レグ(L1-L3)及び上コモンレグ(1LU)は、二重ミラーモードにおいて1つのミラー・コンバータとして運転され、
    3つの下レグ(L4-L6)及び下コモンレグ(1LL)は、二重ミラーモードにおいてもう1つのミラー・コンバータとして運転される請求項9記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  11. コントローラ(300)は、低速領域にてパワーコンバータ(1T)に非対称モードを指令し、かつ、高速領域にてパワーコンバータ(1T)に二重ミラーモードを指令する請求項10記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
  12. パワーコンバータ(1S、1T)は、半正弦波波形又は台形波波形とのどちらかをもつ基本電流成分と直流電流成分とを含む相電流を供給する請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ装置。
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