JP7473013B2 - 板材加工システム - Google Patents

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Description

本発明は、板材加工システムに関する。
板材の加工部位を加工位置において加工する加工機と、板材を載置可能な載置台と加工機との間で板材を搬送するローダ装置と、を備える板材加工システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この板材加工システムにおいて、加工機は、板材を載置するテーブルと、左右方向に延びて設けられ前後方向に移動するキャリッジと、板材を把持しつつキャリッジに案内されて左右方向に移動するスライダと、を備える。ローダ装置は、加工機の右側又は左側に配置される載置台と、加工機のテーブルとの間で板材を搬送する。
特許第4035901号公報
特許文献1の板材加工システムは、ローダ装置によって、加工機の右側又は左側に配置された載置台と、加工機のテーブルとの間において板材を左右方向に搬送する。従って、載置台の設置スペース、及びローダ装置のガイドレールなどの設置スペースは、加工機の右側又は左側に広く確保する必要がある。しかしながら、加工機の右側又は左側に載置台及びローダ装置を設置すると、他の装置を加工機の右側又は左側に隣接して配置できず、建屋内のスペース効率がよくない。また、建屋内の加工機の左側及び右側に隣接して他の装置等が既に配置されている場合、この加工機に対して載置台及びローダ装置を設置できないといった課題がある。また、加工機の前側は、作業者用の通路として利用可能なスペースを含んで設定されている場合があり、このスペースを有効に活用することが求められている。
本発明は、加工機の右側及び左側に載置台及びローダ装置の設置スペースを不要とし、加工機の前側のスペースを有効に活用することが可能な板材加工システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に係る板材加工システムは、板材の加工部位を加工位置において加工する加工機と、板材を載置可能な載置台と加工機との間で板材を搬送するローダ装置と、を備える板材加工システムであって、加工機は、板材を載置するテーブルと、左右方向に延びて設けられ前後方向に移動するキャリッジと、板材を把持しつつキャリッジに案内されて左右方向に移動するスライダと、備え、スライダで把持した板材を、キャリッジの前後方向への移動、及びスライダの左右方向への移動の少なくとも一方によりテーブル上を移動させ、この板材の加工部位を加工位置に対して位置決めし、載置台は、前後方向における加工機の前側に配置されており、ローダ装置は、キャリッジの上方において前後方向に延びるガイドレールと、ガイドレールに案内されて前後方向に移動する可動部材と、可動部材に昇降可能に設けられて板材を吸着可能な吸着ヘッドと、を備え、吸着ヘッドで吸着した板材を、テーブルと載置台との間で搬送し、吸着ヘッドは、載置台から加工機に未加工の板材を搬入するための第1吸着ヘッドと、加工機から載置台に加工後の板材を搬出するための第2吸着ヘッドと、を有する。
上記した板材加工システムによれば、載置台が前後方向における加工機の前側に配置され、キャリッジの上方において前後方向に延びるガイドレールに沿ってローダ装置の吸着ヘッドが移動することで板材をテーブルと載置台との間で搬送するため、加工機の右側及び左側に載置台及びローダ装置を設置するためのスペースを確保する必要がない。その結果、加工機の右側及び左側に隣接して他の装置を配置することができ、建屋内のスペース効率を向上させることができる。さらに、加工機の前側に載置台及びローダ装置の一部が配置されるので、加工機の前側のスペースを有効に活用することができる。
また、上記した板材加工システムにおいて、吸着ヘッドが、載置台から加工機に未加工の板材を搬入するための第1吸着ヘッドと、加工機から載置台に加工後の板材を搬出するための第2吸着ヘッドと、を有してもよい。この構成によれば、未加工の板材と加工後の板材とを効率的に搬送できる。また、第1吸着ヘッド及び第2吸着ヘッドが、前後方向に一体として移動してもよい。この構成によれば、第1吸着ヘッド及び第2吸着ヘッドの前後方向における移動を容易に制御できる。また、上記した板材加工システムにおいて、第1吸着ヘッドと第2吸着ヘッドとが、独立して昇降可能であってもよい。この構成によれば、未加工の板材と加工済みの板材とをそれぞれ適切なタイミングで吸着又は解放することができる。
また、上記した板材加工システムにおいて、第1吸着ヘッドと第2吸着ヘッドとが、前後方向に並んで配置されており、載置台が、第1吸着ヘッドで吸着される未加工の板材を載置する第1載置部と、第2吸着ヘッドにより加工後の板材を載置する第2載置部とが、前後方向に並んで設けられてもよい。この構成によれば、第1吸着ヘッド及び第2吸着ヘッドの配置と第1載置部及び第2載置部の配置とを対応させることにより、未加工の板材と加工済みの板材とを効率よく搬送することができる。また、上記した板材加工システムにおいて、第1吸着ヘッドと第2吸着ヘッドとの前後方向の間隔が、第1載置部と第2載置部との前後方向の間隔に応じて設定されてもよい。この構成によれば、未加工の板材と加工済みの板材とを同時又はほぼ同時に吸着又は解放することができる。また、上記した板材加工システムにおいて、第1載置部が、載置されている未加工の板材の縁部を当接させて、この板材を位置決めするための位置決め部材を備えてもよい。この構成によれば、第1吸着ヘッドに対して未加工の板材を容易に位置決めすることができる。
また、上記した板材加工システムにおいて、載置台が、左右方向に設けられたレールに案内され、ガイドレールの下方である進入位置と、ガイドレールの下方から外れた退避位置との間を移動可能であってもよい。この構成によれば、退避位置に載置台を移動させることで、載置台への未加工の板材の補充、又は加工後の板材の回収を容易に行うことができる。また、上記した板材加工システムにおいて、載置台が、上側載置台と下側載置台とが上下方向に重なるように設けられ、上側載置台及び下側載置台のそれぞれがレールに案内されて左右方向に移動可能であってもよい。この構成によれば、2台の載置台を入れ替えて用いることにより、未加工の板材の補充、及び加工後の板材の回収を効率よく行うことができる。
また、上記した板材加工システムにおいて、上側載置台及び下側載置台のうちのいずれか一方が、吸着ヘッドで吸着される未加工の板材が載置され、いずれか他方が、吸着ヘッドにより加工後の板材が載置されてもよい。この構成によれば、2台の載置台において未加工の板材と加工済みの板材とを区別して載置するため、未加工の板材の補充、及び加工後の板材の回収をより一層効率よく行うことができる。また、上記した板材加工システムにおいて、加工機が、加工位置において、パンチ機構又はレーザヘッドを備えてもよい。この構成によれば、加工位置にパンチ機構又はレーザヘッドを備える加工機の右側及び左側に、載置台等を設置するスペースを不要とすることができる。
第1実施形態に係る板材加工システムの一例を示す斜視図である。 板材加工システムの一例を示す平面図である。 板材加工システムの一例を示す側面図である。 板材加工システムの一例を示す正面図である。 板材加工システムの動作の一例であって、ローダ装置により載置台から未加工の板材を搬送して加工機に載置した状態を示す図である。 加工機により板材を加工している状態を示す図である。 ローダ装置により次の未加工の板材を搬送している状態を示す図である。 ローダ装置により加工後の板材を吸着した状態を示す図である。 ローダ装置により次の未加工の板材を加工機に載置した状態を示す図である。 ローダ装置により加工後の板材を搬送している状態を示す図である。 ローダ装置により加工後の板材を載置台に載置しかつ次の未加工の板材を吸着した状態を示す図である。 ローダ装置により次の未加工の板材を搬送している状態を示す図である。 ローダ装置の動作の他の例であって、ローダ装置により上側載置台から未加工の板材を搬送して加工機に載置した状態を示す図である。 ローダ装置により加工後の板材を搬送している状態を示す図である。 上側載置台を退避位置に移動させた状態を示す図である。 ローダ装置により加工後の板材を下側載置台に載置した状態を示す図である。 吸着ヘッドを上昇させた状態を示す図である。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは形状、寸法が異なる場合がある。以下の各図においては、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系では、上下方向(鉛直方向)をZ方向とし、水平面に沿ってX方向、Y方向とする。X方向は、水平面内における左右方向D1であり、Y方向は、水平面内における前後方向D2である。また、X、Y、Z方向の各方向について、適宜、矢印が指す向きを+方向(例えば、+X方向、+X側)と表現し、矢印が指す向きの反対方向を-方向(例えば、-X方向、-X側)と表現する。
図1は、実施形態に係る板材加工システムSYSを前方側の上方から見た斜視図である。図2は、板材加工システムSYSを上側(+Z側)から見た平面図である。図3は、板材加工システムSYSを左右方向D1の-X側から見た側面図である。図4は、板材加工システムSYSを前後方向D2の+Y側から見た正面図である。本実施形態において、+X側が左右方向D1における左側であり、-X側が左右方向D1における右側である。また、+Y側が前後方向D2における前側であり、-Y側が前後方向D2における後ろ側である。
図1から図4に示すように、板材加工システムSYSは、加工機101とローダ装置102とを備える。加工機101は、例えば、ワーク(板材)W1の加工部位を加工位置P1においてプレス加工するプレス加工機である。加工機101は、プレス機構10と、プレスフレーム20と、搬送装置30とを有する。なお、本実施形態において、未加工のワーク(板材)をワークW1と表記し、加工後のワークをワークW2と表記している。また、板材加工システムSYS(加工機101)の前後方向D2における前方側(+Y側)のスペースは、例えば、作業者等の通路、この板材加工システムSYSに対してワークW1、W2を搬入、搬出するための搬送路等として用いられ、他の装置は設置されていない。
プレス機構10は、上タレット11と、下タレット12と、を有する。すなわち、加工機101は、タレットパンチプレスである。上タレット11は、プレスフレーム20の上側プレスフレーム部22に回転軸13を介して保持される。下タレット12は、プレスフレーム20の下側プレスフレーム部21に回転軸14を介して保持される。上タレット11及び下タレット12のそれぞれは、円盤状に形成される。上タレット11及び下タレット12のそれぞれは、電動モータ等の図示しない駆動装置を駆動することにより、回転軸13、回転軸14を軸として回転可能に形成される。上タレット11及び下タレット12は、互いに対向した状態で配置される。
上タレット11は、例えばパンチ等の上側プレス工具15を保持する。上タレット11には、複数の上側プレス工具15が回転軸13を中心とした周回方向に並んで配置される。上側プレス工具15は、下面側が刃又は成形部分として作用し、ワークW1を加工する。上タレット11は、上側プレス工具15を上下方向(Z方向)に駆動する。上タレット11には、上側プレス工具15を下方に送り出すヘッド17が配置される。
下タレット12は、例えばダイ等の下側プレス工具16を保持する。下タレット12には、複数の下側プレス工具16が回転軸14を中心とした周回方向に並んで配置される。下側プレス工具16は、上側プレス工具15の下方(-Z方向)に間隔を隔てて配置される。下側プレス工具16は、例えばZ方向を軸方向とする筒状又は凹状の部材であり、上面側が刃又は成形部分として作用し、ワークW1を加工する。下側プレス工具16は、ワークW1の加工時において、上下方向(Z方向)に固定される構成であってもよいし、図示しない駆動部によって上方に送り出される構成であってもよい。
上タレット11及び下タレット12のそれぞれは、図示しない駆動装置により回転し、対となる1組の上側プレス工具15及び下側プレス工具16が加工位置P1に選択される。プレス機構10は、加工位置P1にワークW1の一部である加工対象部分を配置させ、ヘッド17により上側プレス工具15を下方に送り出し、又は、上側プレス工具15を下方に送り出しつつ下側プレス工具16を上方に送り出し、上側プレス工具15と下側プレス工具16とでワークW1の加工部位を挟み込むことにより、ワークW1の加工部位に対して孔開け加工、成形加工、又は切断加工などを行う。
プレスフレーム20は、プレス機構10を支持する。プレスフレーム20は、下側プレスフレーム部21と、上側プレスフレーム部22と、縦プレスフレーム部23と、を有する。下側プレスフレーム部21は、例えば建屋の床面上に設置される。また、下側プレスフレーム部21は、プレス機構10の一部である下タレット12を支持する。上側プレスフレーム部22は、下側プレスフレーム部21に対して、搬送装置30によるワークW1、W2の搬送空間Kを隔てて上方に位置する。上側プレスフレーム部22は、上タレット11を支持する。縦プレスフレーム部23は、下側プレスフレーム部21と上側プレスフレーム部22とを連結する。
また、プレスフレーム20は、固定テーブル(テーブル)24を有する。固定テーブル24は、下側プレスフレーム部21に設けられる。固定テーブル24は、上タレット11と下タレット12との間の高さに配置される。なお、固定テーブル24の上面には、ワークW1、W2の下面側との摩擦を低減するために、ブラシ、フリーボールベアリングなどが設けられてもよい。
プレスフレーム20の下側プレスフレーム部21には、搬送装置30が設けられる。搬送装置30は、可動テーブル(テーブル)31と、キャリッジ32と、Yガイド33と、スライダ34と、ワークホルダ35とを有する。可動テーブル31は、固定テーブル24の左側(+X側)及び右側(-X側)にそれぞれ配置される。2つの可動テーブル31は、例えば、+Y側において互いに連結されており、図示しない駆動部により一体となって、Yガイド33により前後方向D2(Y方向)に移動可能である。Yガイド33は、2つの可動テーブル31を前後方向D2にガイドする。Yガイド33は、下側プレスフレーム部21に設けられるが、この構成に限定されず、加工機101が設置される床面上に設けられてもよい。可動テーブル31の上面には、ワークW1、W2の下面側との摩擦を低減するために、ブラシ、フリーボールベアリングなどの摩擦低減部が設けられてもよい。
キャリッジ32は、左右方向D1(X方向)に延びており、可動テーブル31の前側(+Y側)の端部に、図示しないアーム等の接続部材を介して設けられている。従って、キャリッジ32は、可動テーブル31と一体になって前後方向D2に移動する。換言すると、可動テーブル31は、キャリッジ32が前後方向D2に移動することにより、キャリッジ32とともに前後方向D2に移動する。キャリッジ32は、左側の可動テーブル31と右側の可動テーブル31とを連結する連結部材として機能する。キャリッジ32は、固定テーブル24より高い位置に設けられている。従って、キャリッジ32が前後方向D2に移動する際に、固定テーブル24と干渉しないようにしている。なお、本実施形態では、可動テーブル31とキャリッジ32とが一体で前後方向D2に移動しているが、この形態に限定されない。例えば、加工機101が可動テーブル31を備えていない場合(すなわち、平面視で可動テーブル31の領域まで固定テーブル24が拡がっている場合など)、キャリッジ32が固定テーブル24に対して前後方向D2に移動する形態が用いられてもよい。
スライダ34は、キャリッジ32の後ろ側(-Y側)に設けられる。スライダ34は、図示しない駆動部により、キャリッジ32に沿って左右方向D1(X方向)に移動可能である。スライダ34は、複数の(本実施形態では3つの)ワークホルダ35を備える。複数のワークホルダ35は、スライダ34の後ろ側において左右方向D1に所定の間隔をあけて複数配置され、ワークW1、W2の+Y側の端部を把持する。なお、ワークホルダ35は、スライダ34に対してX方向に移動可能であってもよい。ワークホルダ35により把持されたワークW1、W2は、キャリッジ32が可動テーブル31とともに前後方向D2に移動し、かつ、スライダ34がキャリッジ32に対して左右方向D1に移動することで、水平面内を左右方向D1及び前後方向D2に移動可能となっている。
上記した加工機101の各部の駆動は、制御部Cによって制御される。制御部Cは、搬送装置30の各部を駆動させて、ワークホルダ35で把持したワークW1を、キャリッジ32の前後方向D2への移動、及びスライダ34の左右方向D1への移動の少なくとも一方により固定テーブル24又は可動テーブル31上を移動させ、このワークW1の加工部位を加工位置P1に対して位置決めする。また、制御部Cは、プレス機構10の各部を駆動させて、ワークW1の加工部位に対してプレス加工を実行させる。なお、加工機101における各部の駆動は、制御部Cによる制御に代えて、作業者によるマニュアル操作によって行ってもよい。
ローダ装置102は、ワークWを載置可能な載置台103と加工機101との間でワークWを搬送する。載置台103は、前後方向D2(Y方向)における加工機101の前側(+Y側)に配置される。載置台103は、上側載置台61と下側載置台62とを有する。上側載置台61及び下側載置台62は、加工機101の前側において上下方向に重なるように配置される。上側載置台61及び下側載置台62は、それぞれ左右方向D1に沿って設けられたレール63、64に案内されて左右方向D1に移動可能である。上側載置台61及び下側載置台62は、後述するガイドレール41の下方に位置する進入位置P3と、ガイドレール41の下方から外れた退避位置P4との間を移動可能である。
上側載置台61は、第1載置部61aと、第2載置部61bとを有する。第1載置部61aは、未加工のワークW1が積載された状態で載置される。第2載置部61bは、加工機101で加工された加工後のワークW2が積載されて載置される。本実施形態で示されるワークW1、W2は、左右方向D1に長くかつ前後方向D2に短い長尺の板材である。
第1載置部61aと第2載置部61bとは、前後方向D2に並んで配置される。第1載置部61aは、前後方向D2における後ろ側に配置され、第2載置部61bは、前後方向D2における前側に配置される。なお、第1載置部61a及び第2載置部61bは、前後方向D2において上記とは逆の配置であってもよい。上側載置台61は、第1載置部61aに位置決め部材61cを有する。位置決め部材61cは、第1載置部61aに載置された複数の未加工のワークW1の縁部を当接させることで、積載された未加工のワークW1を第1載置部61aにおいて位置決めする。
ローダ装置102は、レール機構40と、移動機構50とを有する。レール機構40は、ガイドレール41と、2本の支柱42とを有する。ガイドレール41は、移動機構50を案内する。ガイドレール41は、キャリッジ32の上方において前後方向D2に延びるように設けられている。ガイドレール41は、平面視においてプレスフレーム20の右側(+X側)において、前後方向D2に沿って配置される。ガイドレール41は、右側の可動テーブル31と載置台103とを前後方向D2に跨ぐように配置される。2本の支柱42は、右側の可動テーブル31の後方(-Y方向)と、キャリッジ32(載置台103)の前方(+Y方向)とにそれぞれ配置されている。支柱42は、ガイドレール41の後ろ側の端部及び前側の端部をそれぞれ支持する。
移動機構50は、可動部材51と、昇降ロッド52と、吸着ヘッド53とを有する。可動部材51は、図示しない駆動機構により、ガイドレール41に案内されて前後方向D2(Y方向)に移動する。駆動機構としては、例えば、電動回転モータを用いたラックアンドピニオン機構又はボールねじ機構、又はリニアモータなどが用いられる。可動部材51は、ガイドレール41上に配置され、ガイドレール41に支持された状態で前後方向D2に移動する。また、可動部材51は、駆動機構として電動モータ等により回転駆動する走行輪を備え、この走行輪を回転駆動させることでガイドレール41上を前後方向D2に移動する形態であってもよい。可動部材51は、ガイドレール41に対して左側及び右側にそれぞれ突出した部分を備えている。
昇降ロッド52は、上下方向(Z方向)に延びる棒状体である。昇降ロッド52は、上下方向に移動可能な状態で可動部材51に支持されている。昇降ロッド52は、可動部材51のうちガイドレール41から左側及び右側に突出した部分の前側及び後ろ側にそれぞれ設けられる。昇降ロッド52は、図示しない駆動機構により、可動部材51に対して昇降する。駆動機構としては、例えば、電動回転モータを用いたラックアンドピニオン機構又はボールねじ機構、又はリニアモータなどが用いられる。
昇降ロッド52は、可動部材51の後ろ側に設けられた2本の第1昇降ロッド52aと、可動部材51の前側に設けられた2本の第2昇降ロッド52bとを有する。2本の第1昇降ロッド52aは、可動部材51の後ろ側において左側及び右側にそれぞれ配置される。2本の第1昇降ロッド52aは、双方が一体となって昇降する。2本の第2昇降ロッド52bは、可動部材51の前側において左側及び右側にそれぞれ配置される。2本の第2昇降ロッド52bは、双方が一体となって昇降する。第1昇降ロッド52aの昇降と、第2昇降ロッド52bの昇降は、それぞれ独立して行うことができる。すなわち、第1昇降ロッド52aを昇降させる駆動機構と、第2昇降ロッド52bを昇降させる駆動機構とは、それぞれ個別に設けられている。
吸着ヘッド53は、下面側に複数の吸着パッドを備えており、この吸着パッドによりワークW1、W2を吸着可能である。吸着ヘッド53は、2本の第1昇降ロッド52aの下端にそれぞれ設けられた2つの第1吸着ヘッド53aと、2本の第2昇降ロッド52bの下端にそれぞれ設けられた2つの第2吸着ヘッド53bと、を有する。
第1吸着ヘッド53aは、載置台103の第1載置部61aに載置された未加工のワークW1を加工機101に搬入する際、この未加工のワークW1を吸着する。第1吸着ヘッド53aは、第1昇降ロッド52aとともに昇降する。第2吸着ヘッド53bは、加工機101から加工後のワークW2を搬出する際、この加工後のワークW2を吸着する。第2昇降ロッド52bは、第2昇降ロッド52bとともに昇降する。また、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bは、それぞれ第1昇降ロッド52a及び第2昇降ロッド52bを介して可動部材51と一体となって前後方向D2に移動する。
第1吸着ヘッド53aと第2吸着ヘッド53bとは、前後方向D2(Y方向)に並んで配置されている。第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bの配置は、第1載置部61a及び第2載置部61bの配置に対応している。すなわち、前後方向D2の後ろ側に配置されている第1載置部61aに対応して第1吸着ヘッド53aが可動部材51の後ろ側に配置され、前後方向D2の前側に配置されている第2載置部61bに対応して第2吸着ヘッド53bが可動部材51の前側に配置される。
また、第1吸着ヘッド53aと第2吸着ヘッド53bとの前後方向D2における間隔Vは、第1載置部61aと第2載置部61bとの前後方向D2における間隔に応じて設定されている。すなわち、可動部材51を前後方向D2の所定位置に保持した状態で、第1吸着ヘッド53aが第1載置部61aの上方に位置し、かつ、第2吸着ヘッド53bが第2載置部61bの上方に位置するように、第1吸着ヘッド53aと第2吸着ヘッド53bとの間隔Vが設定されている。その結果、可動部材51を前後方向D2の所定位置に保持したまま、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを下降させることで、第1吸着ヘッド53aによって第1載置部61a上の未加工のワークW1を吸着しつつ、第2吸着ヘッド53bによって加工後のワークW2を第2載置部61bに載置することができる。
上記したローダ装置102の各部の駆動は、制御部Cによって制御される。制御部Cは、ローダ装置102の各部を駆動させて、第1載置部61aから未加工のワークW1を加工機101に搬送し、加工機101から加工後のワークW2を第2載置部61bに搬送する。なお、ローダ装置102における各部の駆動は、制御部Cによる制御に代えて、作業者によるマニュアル操作によって行ってもよい。また、本実施形態では、1つの制御部Cにより加工機101とローダ装置102とを制御しているが、この形態に限定されず、例えば、制御部Cは、加工機101を制御する制御部と、ローダ装置102を制御する制御部とで個別に形成される形態であってもよい。
このように、本実施形態の板材加工システムSYSによれば、載置台103が前後方向D2における加工機101の前側に配置され、ローダ装置102がキャリッジ32の上方において前後方向D2に延びるガイドレール41に沿って移動することでワークW1、W2を固定テーブル24及び可動テーブル31と載置台103との間で搬送する。その結果、加工機101の右側及び左側に載置台103及びローダ装置102を設置するためのスペースが必要なく、加工機101の右側及び左側に隣接して他の装置を配置でき、建屋内のスペース効率を向上できる。さらに、加工機101の前側に載置台103及びローダ装置102の一部が配置されるので、加工機101の前側のスペースを有効に活用できる。
また、加工機101は、図2に示すように、プレス機構10に加えてレーザヘッド36を備えてもよい。レーザヘッド36は、ワークW1の加工部位に向けてレーザ光を照射し、加工部位の切断又は孔開け等を行う。レーザヘッド36は、例えば、図示しないガイドによって前後方向D2(Y方向)に移動可能に支持されている。このレーザヘッド36の前後方向D2への移動、及び搬送装置30によるワークW1の左右方向D1への移動により、ワークW1の加工部位をレーザヘッド36によるレーザ光の照射位置に配置させることができる。
次に、実施形態に係る板材加工システムSYSの動作について説明する。図5から図12は、板材加工システムSYSの動作の一例を示しており、主にローダ装置102の動作について説明している。図5は、ローダ装置102により載置台103から未加工のワークW1を搬送して加工機101に載置した状態を示す図である。図5に示すように、ローダ装置102は、加工機101にワークW1を搬入する。まず、制御部Cは、可動部材51を前後方向D2に移動させて、載置台103の上方に配置させる。このとき、第1吸着ヘッド53aは、第1載置部61aの上方に位置するように、可動部材51の位置が設定される。
続いて、制御部Cは、第1昇降ロッド52aを下降させ、第1吸着ヘッド53aを、第1載置部61aにおいて積層されている未加工のワークW1のうち最上部のワークW1の上面に到達するまで下降させる。その後、制御部Cは、第1吸着ヘッド53aによりワークW1を吸着させた後、第1吸着ヘッド53aを上昇させ、可動部材51を前後方向D2にける後方(-Y方向)に移動させて加工機101の搬入出位置P2の上方に第1吸着ヘッド53a(ワークW1)を配置させる。搬入出位置P2は、例えば、固定テーブル24及び右側の可動テーブル31上に跨った位置(図2参照)に設定される。その後、図5に示すように、制御部Cは、第1吸着ヘッド53aを下降させてワークW1を搬入出位置P2に載置して吸着を解放させる。この動作により、未加工のワークW1は、加工機101の搬入出位置P2に搬入される。制御部Cは、吸着を解放した第1吸着ヘッド53aを上昇させ、搬入出位置P2から退避させる。
続いて、制御部Cは、加工機101の搬送装置30を駆動して、載置されたワークW1の+Y側の端部をワークホルダ35に把持させる。加工機101は、ワークW1に対してプレス加工が施される。制御部Cは、例えば、予め設定されている加工プログラムに基づいて、ワークW1の加工部位をプレス加工する。
図6は、加工機101によりワークW1を加工している状態を示す図である。図6に示すように、加工機101は、キャリッジ32(可動テーブル31)及びスライダ34によりワークW1を左右方向D1及び前後方向D2の一方又は双方に移動させて、ワークW1の加工部位を加工位置P1に配置させる。加工機101は、上タレット11及び下タレット12を回転させ、プレス加工に用いる上側プレス工具15及び下側プレス工具16をそれぞれ選択し、加工位置P1に配置させる。続いて、加工機101は、ヘッド17を下降させ、上側プレス工具15を下方に送り出すことで、上側プレス工具15と下側プレス工具16とでワークWの加工部位を挟み込み、プレス加工(孔開け加工、成形加工、又は切断加工など)を行う。加工機101は、この一連の動作を繰り返すことにより、ワークW1の複数の加工部位に対してプレス加工を行う。プレス加工を行った後、加工後のワークW2は、搬入出位置P2に配置される。
また、加工機101がレーザヘッド36を備える場合(図2参照)、プレス機構10によるワークW1へのプレス加工後又はプレス加工前に、レーザヘッド36から照射するレーザ光によりワークW1に対してレーザ加工を行ってもよい。このレーザ加工は、レーザヘッド36からレーザ光を照射しつつ、レーザヘッド36とワークW1とを相対的に移動させることにより加工部位の切断又は孔開け等を行う。例えば、レーザ加工は、レーザヘッド36を前後方向D2に移動させ、搬送装置30でワークW1を左右方向D1に移動させることにより、ワークW1の加工部位をレーザヘッド36によるレーザ光の照射位置に配置させ、レーザヘッド36からレーザ光を照射することにより行う。
加工機101によるワークW1へのプレス加工又はレーザ加工に並行して(プレス加工又はレーザ加工を行っている間に)、制御部Cは、上記と同様に、第1吸着ヘッド53aで第1載置部61a上の未加工のワークW1を吸着させた後、第1吸着ヘッド53aを上昇させ、可動部材51を前後方向D2の-Y方向に移動させる。図7は、ローダ装置102により次の未加工のワークW1を搬送している状態を示す図である。図7に示すように、制御部Cは、第2吸着ヘッド53bが加工後のワークWの上方(搬入出位置P2の上方)となるように、可動部材51を前後方向D2の所定位置に配置させる。
続いて、制御部Cは、第2吸着ヘッド53bを下降させる。このとき、加工機101の搬入出位置P2には、加工後のワークW2が既に配置され、このワークW2からワークホルダ35が+Y側に離れた状態となっている。また、第1吸着ヘッド53aは、下降せずにワークW1を保持したまま加工機101の上方で待機している。図8は、ローダ装置102により加工後のワークW2を吸着した状態を示す図である。図8に示すように、制御部Cは、加工後のワークW2の上面に到達するまで第2吸着ヘッド53bを下降させた後、第2吸着ヘッド53bで加工後のワークW2を吸着させる。その後、制御部Cは、ワークW2を吸着した第2吸着ヘッド53bを上昇させる。
続いて、制御部Cは、可動部材51を前後方向D2の+Y方向に移動させ、未加工のワークW2を吸着した第1吸着ヘッド53aを搬入出位置P2の上方に配置させる。その後、制御部Cは、第1吸着ヘッド53aを下降させる。図9は、ローダ装置102により次の未加工のワークW1を加工機101に載置した状態を示す図である。図9に示すように、制御部Cは、第1吸着ヘッド53aを下降させてワークW1を搬入出位置P2に載置させて吸着を解放させる。この動作により、次の未加工のワークW1が加工機101の搬入出位置P2に搬入される。このとき、第2吸着ヘッド53bは、下降せずにワークW2を保持したまま加工機101の上方で待機している。その後、制御部Cは、第1吸着ヘッド53aを上昇させて搬入出位置P2から退避させる。
搬入出位置P2に載置されたワークW1は、上記と同様に、+Y側の端部がワークホルダ35に把持され、図6に示すように、搬送装置30により搬送されて、加工位置P1において複数の加工部位がプレス加工される。
このワークW1に対するプレス加工に並行して(プレス加工を行っている間に)、制御部Cは、可動部材51を前後方向D2の+Y方向に移動させて、吸着ヘッド53を載置台103の上方に配置させる。図10は、ローダ装置102により加工後のワークW2を搬送している状態を示す図である。図10に示すように、制御部Cは、可動部材51を移動させて、第1吸着ヘッド53aが第1載置部61aの上方に位置し、かつ第2吸着ヘッド53bが第2載置部61bの上方に位置するように可動部材51を配置させる。このとき、第2吸着ヘッド53bはワークW2を保持しており、第1吸着ヘッド53aはワークW1を保持していない。
続いて、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a(第1昇降ロッド52a)及び第2吸着ヘッド53b(第2昇降ロッド52b)の双方を下降させる。図11は、ローダ装置102により加工後のワークW2を載置台103に載置し、かつ次の未加工のワークW1を吸着した状態を示す図である。図11に示すように、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bの双方を同時又はほぼ同時に下降させる。なお、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bが同時又はほぼ同時に下降することに限定されない。例えば、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bのいずれか一方を先に下降させ、その下降中又は下降後にいずれか他方を下降させてもよい。
第1吸着ヘッド53aは、未加工のワークW1のうち最上部のワークW1の上面に到達するまで下降し、最上部のワークW1を吸着する。第2吸着ヘッド53bは、吸着している加工後のワークW2が第2載置部61bに到達するまで下降し、第2載置部61bに到達したワークW2の吸着を解放する。その結果、未加工のワークW1が第1吸着ヘッド53aに保持され、加工後のワークW2が第2載置部61bに載置された状態となる。
続いて、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bの双方を上昇させる。図12は、ローダ装置102により次の未加工のワークW1を搬送している状態を示す図である。図12に示すように、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bの双方を同時又はほぼ同時に上昇させる。なお、第1昇降ロッド52a及び第2昇降ロッド52bが同時又はほぼ同時に上昇することに限定されない。例えば、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bのいずれか一方を先に上昇させ、その上昇中又は上昇後にいずれか他方を上昇させてもよい。
その後、制御部Cは、可動部材51を前後方向D2の-Y方向に移動させて、第1吸着ヘッド53aで未加工のワークW1を吸着した状態で、第2吸着ヘッド53bを加工機101の搬入出位置P2の上方に配置させる(図7参照)。以降、制御部Cは、上記のように、図7から図12に示す動作を繰り返して実行させる。なお、未加工のワークW1を第1載置部61aに補充する場合、又は第2載置部61bに載置された加工後のワークW2を回収する場合は、上側載置台61を進入位置P3(図2参照)から退避位置P4(図2参照)に退避させて行う。このとき、下側載置台62の第1載置部61aに相当する部分に予め未加工のワークW1を載置しておき、下側載置台62上を第1載置部61aと第2載置部61bと同様に用いることで、上側載置台61の退避後であっても下側載置台62において上記と同様に用いることができる。また、上側載置台61と下側載置台62とを交互に利用する形態であってもよい。
このように、ローダ装置102を動作させることにより、第1吸着ヘッド53aによる第1載置部61a上の未加工のワークW1の吸着と、第2吸着ヘッド53bによる第2載置部61bへの加工後のワークW2の載置とを、可動部材51を前後方向D2に移動させることなく、同時又はほぼ同時に行うことができ、ワークW1、W2の搬送効率を向上させ、複数のワークW1に対する加工効率を向上させることができる。
なお、上記した実施形態では、第1吸着ヘッド53aと第2吸着ヘッド53bとが用いられる形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、1つの吸着ヘッド53が用いられる形態であってもよい。この場合、1つの吸着ヘッド53により未加工のワークW1の搬送と、加工後のワークW2の搬送とが繰り返して実行される。また、上記した実施形態では、載置台103のうち上側載置台61のみを用いているが、下側載置台62のみを用いる形態であってもよいし、上側載置台61及び下側載置台62の双方を用いる形態であってもよい。上側載置台61及び下側載置台62の双方を用いる場合、例えば、上側載置台61及び下側載置台62のいずれか一方に未加工のワークW1が載置され、いずれか他方に加工後のワークW2が載置される形態であってもよい。
上記した実施形態では、左右方向D1に長くかつ前後方向D2に短いワークW1、W2を搬送する場合について説明しているが、前後方向D2に長いワーク(板材)W11、W12を搬送する場合は、ローダ装置102の動作が異なる。図13から図17は、ローダ装置102の動作の他の例を示している。なお、ワークW11、W12は、左右方向D1及び前後方向D2の双方が長い板材を示している。また、図13から図17に示すローダ装置102の動作では、載置台103のうち上側載置台61に未加工のワークW11が載置され、下側載置台62に加工後のワークW12が載置される形態について説明しているが、この逆の形態であっても同様に説明できる。
図13は、ローダ装置102により上側載置台61から未加工のワークW11を搬送して加工機101に載置した状態を示す図である。まず、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bが上側載置台61に積層された未加工のワークW11の上方に位置するように、可動部材51を前後方向D2の所定位置に配置させる。その後、制御部Cは、未加工のワークW11のうち最上部のワークW11の上面に到達するまで第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを同時又はほぼ同時に下降させる。なお、制御部Cは、第1吸着ヘッド53aと第2吸着ヘッド53bとを異なるタイミングで下降させてもよい。
続いて、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bで未加工のワークW11を吸着させた後、ワークW11を吸着した第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを同時に上昇させ、可動部材51を前後方向D2における-Y方向に移動させて加工機101の搬入出位置P2の上方にワークW11を配置させる。その後、図13に示すように、制御部Cは、ワークW11を吸着している第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを下降させてワークW11を搬入出位置P2に載置させ、吸着を解放させる。この動作により、未加工のワークW11が加工機101に搬入される。
続いて、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを上昇させる。なお、搬入出位置P2に載置されたワークW11は、+Y側の端部がワークホルダ35に把持され、図6と同様に、搬送装置30により左右方向D1及び前後方向D2の少なくとも一方に移動し、加工位置P1で複数の加工部位がプレス加工される。ワークW11がプレス加工される間、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bは、搬入出位置P2の上方で待機している。また、加工後のワークW12は、搬入出位置P2に配置される。
続いて、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを下降させ、加工後のワークW12を吸着させる。このとき、ワークホルダ35は、ワークW12の把持を解放して+Y側に退避している。図14は、ローダ装置102により加工後のワークW12を搬送している状態を示す図である。図14に示すように、制御部Cは、加工後のワークW12を吸着した第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを上昇させた後、可動部材51を前後方向D2における+Y方向に移動させて載置台103(上側載置台61)の上方に配置させる。
加工後のワークW12を載置台103の上方まで搬送する間又は搬送した後に、上側載置台61を進入位置P3から退避位置P4に退避させる。図15は、上側載置台61を退避位置P4に退避させた状態を示す図である。図15に示すように、上側載置台61は、レール63に沿って左右方向D1の+X方向に移動し、退避位置P4に配置される。なお、上側載置台61の移動は、制御部Cによって制御されてもよいし、作業者による操作によって行われてもよい。下側載置台62は、進入位置P3にそのまま配置されており、上側載置台61が退避位置P4に移動することで、下側載置台62の上方側の空間が開放される。
続いて、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを下降させる。図16は、ローダ装置102により加工後のワークW12を下側載置台62に載置した状態を示す図である。図16に示すように、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを同時に下降させ、吸着している加工後のワークW12を下側載置台62上まで下降させる。その後、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bの吸着を解放させることで、加工後のワークW12を下側載置台62に載置させる。
続いて、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを上昇させる。図17は、吸着ヘッド53を上昇させた状態を示す図である。図17に示すように、制御部Cが第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを上昇させた後、上側載置台61は、レール63に沿って左右方向D1の-X方向に退避位置P4から進入位置P3に進入する。上側載置台61の進入位置P3への進入は、制御部Cによって制御されてもよいし、作業者の操作により行われてもよい。
その後、制御部Cは、第1吸着ヘッド53a及び第2吸着ヘッド53bを下降させて、上側載置台61上の未加工のワークW11を吸着させる。以降、制御部Cは、上記と同様に、図13から図17の動作を繰り返して実行させる。また、上記した動作を繰り返して実行させる場合、例えば、上側載置台61が退避位置P4に位置している際に未加工のワークW11を補充してもよいし、下側載置台62が退避位置P4に位置している際に加工後のワークW12を回収してもよい。また、未加工のワークW11を加工機101に搬入するときは下側載置台62が退避位置P4に配置され、加工後のワークW12を加工機101から搬出するときに下側載置台62が進入位置P3に配置される形態であってもよい。
このように、ローダ装置102によるワークW11、W12の搬送においては、上側載置台61及び下側載置台62のいずれか一方(上側載置台61)に未加工のワークW11が載置され、いずれか他方(下側載置台62)に加工後のワークW12が載置されるので、未加工のワークW11の補充、及び加工後のワークW12の回収の一方又は双方を効率よく行うことができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上記した実施形態で説明した形態に限定されない。また、上記した実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記した実施形態では、加工機101の加工位置P1にプレス機構10が配置された構成を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。例えば、加工機101の加工位置P1には、プレス機構10に代えてレーザヘッドが配置された形態が適用されてもよい。この形態では、レーザヘッドから照射されるレーザ光により、加工位置P1に配置されたワークW1の加工部位に対して切断又は孔開け等を行う。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2020-206123、及び上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
P1・・・加工位置
P3・・・進入位置
P4・・・退避位置
V・・・間隔
W1、W11・・・未加工のワーク(板材)
W2、W12・・・加工後のワーク(板材)
SYS・・・板材加工システム
10・・・プレス機構
24・・・固定テーブル(テーブル)
30・・・搬送装置
31・・・可動テーブル(テーブル)
32・・・キャリッジ
34・・・スライダ
35・・・ワークホルダ
36・・・レーザヘッド
40・・・レール機構
41・・・ガイドレール
51・・・可動部材
52・・・昇降ロッド
52a・・・第1昇降ロッド
52b・・・第2昇降ロッド
53・・・吸着ヘッド
53、53b・・・第2吸着ヘッド
53、53a・・・第1吸着ヘッド
61・・・上側載置台
61a・・・第1載置部
61b・・・第2載置部
61c・・・位置決め部材
62・・・下側載置台
63、64・・・レール
101・・・加工機
102・・・ローダ装置
103・・・載置台

Claims (10)

  1. 板材の加工部位を加工位置において加工する加工機と、板材を載置可能な載置台と前記加工機との間で板材を搬送するローダ装置と、を備える板材加工システムであって、
    前記加工機は、
    板材を載置するテーブルと、左右方向に延びて設けられ前後方向に移動するキャリッジと、板材を把持しつつ前記キャリッジに案内されて左右方向に移動するスライダと、備え、前記スライダで把持した板材を、前記キャリッジの前後方向への移動、及び前記スライダの左右方向への移動の少なくとも一方により前記テーブル上を移動させ、板材の前記加工部位を前記加工位置に対して位置決めし、
    前記載置台は、前後方向における前記加工機の前側に配置されており、
    前記ローダ装置は、
    前記キャリッジの上方において前後方向に延びるガイドレールと、前記ガイドレールに案内されて前後方向に移動する可動部材と、前記可動部材に昇降可能に設けられて板材を吸着可能な吸着ヘッドと、を備え、前記吸着ヘッドで吸着した板材を、前記テーブルと前記載置台との間で搬送し、
    前記吸着ヘッドは、前記載置台から前記加工機に未加工の板材を搬入するための第1吸着ヘッドと、前記加工機から前記載置台に加工後の板材を搬出するための第2吸着ヘッドと、を有する、板材加工システム。
  2. 前記第1吸着ヘッド及び前記第2吸着ヘッドは、前後方向に一体として移動する、請求項に記載の板材加工システム。
  3. 前記第1吸着ヘッドと前記第2吸着ヘッドとは、独立して昇降可能である、請求項又は請求項に記載の板材加工システム。
  4. 前記第1吸着ヘッドと前記第2吸着ヘッドとは、前後方向に並んで配置されており、
    前記載置台は、前記第1吸着ヘッドで吸着される未加工の板材を載置する第1載置部と、前記第2吸着ヘッドにより加工後の板材を載置する第2載置部とが、前後方向に並んで設けられている、請求項から請求項のいずれか一項に記載の板材加工システム。
  5. 前記第1吸着ヘッドと前記第2吸着ヘッドとの前後方向の間隔は、前記第1載置部と前記第2載置部との前後方向の間隔に応じて設定される、請求項に記載の板材加工システム。
  6. 前記第1載置部は、載置されている未加工の板材の縁部を当接させて、板材を位置決めするための位置決め部材を備える、請求項又は請求項に記載の板材加工システム。
  7. 前記載置台は、左右方向に設けられたレールに案内され、前記ガイドレールの下方である進入位置と、前記ガイドレールの下方から外れた退避位置との間を移動可能である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の板材加工システム。
  8. 前記載置台は、上側載置台と下側載置台とが上下方向に重なるように設けられ、前記上側載置台及び前記下側載置台のそれぞれが前記レールに案内されて左右方向に移動可能である、請求項に記載の板材加工システム。
  9. 前記上側載置台及び前記下側載置台のうちのいずれか一方は、前記吸着ヘッドで吸着される未加工の板材が載置され、いずれか他方は、前記吸着ヘッドにより加工後の板材が載置される、請求項に記載の板材加工システム。
  10. 前記加工機は、前記加工位置において、パンチ機構又はレーザヘッドを備える、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の板材加工システム。
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