JP3302644B2 - 木口加工機及びプレカット加工設備 - Google Patents

木口加工機及びプレカット加工設備

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JP3302644B2
JP3302644B2 JP16144298A JP16144298A JP3302644B2 JP 3302644 B2 JP3302644 B2 JP 3302644B2 JP 16144298 A JP16144298 A JP 16144298A JP 16144298 A JP16144298 A JP 16144298A JP 3302644 B2 JP3302644 B2 JP 3302644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材の木口加工機
及び当該木口加工機を含むプレカット設備に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、木造住宅用の横架材プレカット設
備として、例えば、図12(A)にす様なものが知られ
ている。この図12(A)に示す横架材プレカット設備
は、加工機として、土台、大引、梁、桁、胴差し、軒
桁、母屋等の各種横架材の長さ切断、側面加工及び上下
面加工を行うための横架材切断・横面加工機Aと、横架
材の木口部分に継手・仕口加工を行う横架材木口加工機
Bと、胴差し等に対して軸方向の穴明けを行う胴差しボ
ルト穴加工機Cと、軒桁等に対して隅木欠きや谷木欠き
の加工を行うための隅木欠き加工機Dとを備えている。
また、木材を横移動させるチェーンスラッシャE1〜E
3と、軸方向移動させるローラコンベアF1〜F6とを
備えて、各加工機への木材の搬入・搬出を行う様に構成
されている。なお、ローラコンベアF5は木材を反転さ
せる木材反転機能を有している。
【0003】この従来の横架材プレカット設備では、最
初に、チェーンスラッシャE1にて横移動させながら木
材を投入し、ローラコンベアF1,F2にて軸方向に木
材を送りながら横架材切断・横面加工機Aによる先端の
切断、側面加工、上面加工及び後端の切断を行った後、
チェーンスラッシャE2にて横架材木口加工機B側へと
横移動させ、ローラコンベアF3,F4にて木材を軸方
向に移動させて横架材木口加工機Bによる木口部分の継
手・仕口の加工を行い、その後、チェーンスラッシャE
3にて横移動させて集材するといった作業がCAD/C
AM装置によって作成されたデータに基づき、自動制御
によって実行される様に構成されている。
【0004】そして、胴差しの様に木口にボルト穴加工
を必要とする横架材については、木材反転機能付きのロ
ーラコンベアF5にて加工すべき木口面を胴差しボルト
穴加工機C側に向かせた上で、人的操作によってボルト
穴加工を行い、軒桁、母屋、棟木の様に隅木欠き加工を
必要とする横架材についても、同様に反転作業を行うな
どした上で、隅木欠き加工機Dへと木材を投入し、やは
り、人的操作によって隅木欠きあるいは谷木欠きの加工
を行うといった作業が実施されている。
【0005】また、図12(B)に示す様に、上述の横
架材切断・横面加工機Aの機能を、長さ切断及び上下面
加工を行う横架材切断・上下面加工機A1と、側面加工
を行う横架材側面加工機A2とに分離し、図示の様に、
これら横架材切断・上下面加工機A1、横架材側面加工
機A2、横架材木口加工機B、胴差しボルト穴加工機C
及び隅木欠き加工機Dを配置し、各加工機A1,A2等
への木材の搬入・搬出を行うための、チェーンスラッシ
ャE11〜E14及びローラコンベアF11〜F18を
図示の如く配置したプレカット設備も知られている。な
お、ここでも、胴差しボルト穴加工機Cの直前に配置さ
れるローラコンベアF17は木材反転機能を有するもの
が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様に、従来は、胴
差しボルト穴は、横架材に対するその他の加工が完了し
た後に、専用の胴差しボルト穴加工機Cを人的操作する
ことによってなされており、加工の有無の判断等や反転
装置の操作等を人的に実行することから、取扱いが煩雑
となり、加工忘れが生じる等の不具合が発生するという
問題がある。
【0007】また、作業者による人的作業により胴差し
ボルト穴加工機Cに対して胴差しの位置合わせ等を行わ
ねばならず、穴あけ位置を正確に合わせるために手間を
要すると共に、穴あけ位置にずれが生じるおそれがあっ
た。
【0008】さらに、プレカット設備全体を見た場合
に、稼働率の低い胴差しボルト穴加工機Cを独立して設
けることは、広い工場スペースを必要とする上、稼動率
の低い専用機を設置しなければならないという点から、
設備コスト面で不利になるという問題もある。逆に、こ
の胴差しボルト穴加工機Cによる加工まで自動化を図ろ
うとすると、専用の搬送ラインをさらに追加しなければ
ならず、益々、工場スペースを圧迫するという問題があ
る。
【0009】一方、横架材木口加工機の加工軸の一つに
ボルト穴加工用の錐を追加しておき、ボルト穴加工が必
要な場合に、この錐を木口に対面させてボルト穴の加工
を行う様にすることは可能である。しかし、例えば胴差
しボルト穴を加工するための錐は、カマオス加工用刃物
等の他の木口加工用の刃物に比べて非常に長く、軸方向
のストロークも大きくとる必要がある。このため、単に
ボルト穴加工用の錐をターレットヘッドの加工軸の一つ
として備えさせたのでは、ターレットヘッドの刃先直径
が大きくなる上、加工ユニット全体の移動ストロークを
大きくしなければならず、木口加工機自体が大型化する
という問題がある。また、かかる機械の大型化により、
長さの短い横架材に対する加工が困難になるおそれもあ
る。
【0010】そこで、本発明は、プレカット加工設備に
おいて、工場スペースを圧迫することなく、また木口加
工機自体を大型化することなしに、胴差しボルト穴の様
な軸方向のボルト穴を加工すべき木材に対して、当該ボ
ルト穴の加工も自動化できる様にすることを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた本発明の木口加工機は、木口加工位置に搬
入された木材をクランプする木材クランプ手段と、複数
の工具を放射状に備えるターレットヘッドを回転させて
前記クランプ手段にクランプされている木材の木口に対
する加工内容に応じた工具を選択する工具選択手段と、
前記ターレットヘッドを、前後、左右及び上下に移動さ
せて前記工具選択手段の選択した工具により前記木材の
木口に対して継手・仕口の加工を行う移動制御手段とを
備える木口加工機において、前記ターレットヘッドに、
前記複数の工具の前方に所定距離ずらして穴加工工具を
備えさせると共に、前記移動制御手段とは別に、前記穴
加工工具を前記木材に向かって突出する位置へと移動さ
せる穴加工工具突出手段を備えていることを特徴とす
る。
【0012】この木口加工機によれば、木口加工位置に
搬入されてクランプ手段によってクランプされている木
材の木口に対して継手・仕口の加工を行う場合には、工
具選択手段によってターレットヘッドを回転させて当該
継手・仕口の加工に適切な工具を選択すると共に、当該
工具を駆動させつつ移動制御手段を駆動して木口に対し
て継手・仕口の加工を実行する。また、木口加工位置に
搬入されてクランプされている木材の木口に対して軸方
向穴を加工する必要がある場合は、工具選択手段及び移
動制御手段を駆動して穴加工工具を木材の木口の穴あけ
位置に対面させる。そして、穴加工工具を駆動すると共
に穴加工工具突出手段を駆動することにより、木材の木
口に対して軸方向穴を加工する。その後は、穴加工工具
突出手段を逆方向に駆動して穴加工工具を木材から抜き
取る。これにより、1台の木口加工機により、継手・仕
口の加工に加えて軸方向穴の加工をも実行することがで
きる。
【0013】また、上記目的を達成する木口加工機のよ
り具体的なものとして、上記木口加工機において、前記
穴加工工具は、その軸心と、前記ターレットヘッドに備
えられている複数の工具の内のほぞ加工用工具の軸心と
が同じ高さで平行となり、かつ該ほぞ加工用工具の刃先
と同じ方向へその刃先を向けて取り付けられると共に、
前記穴加工工具突出手段による突出動作が行われるまで
は、前記穴加工工具の刃先を前記ターレットヘッドに備
えられている他の各工具の刃先位置よりも内側に退避し
た位置に後退させておくことを特徴とする木口加工機を
あげることができる。
【0014】この木口加工機によれば、穴加工工具は、
ターレットヘッドに備えられている複数の工具の内のほ
ぞ加工用工具と同じ方向に刃先を向けて取り付けられる
と共に、不使用時には他の工具の刃先よりも内側の退避
位置に刃先を逃がしている。従って、穴加工工具と他の
工具との間隔を小さくしておいても、他の工具による継
手・仕口の加工時に穴加工工具の刃先が木材や周辺の機
器に干渉することがない。その上、胴差しボルト穴の様
に、ほぞ加工と軸方向穴加工とを必要とする木材に対し
ては、工具選択手段によってほぞ加工工具の刃先を木材
の木口に向かせた状態にしてほぞ加工を行った後に、タ
ーレットヘッドを回転させることなく、移動制御手段に
よってそのまま必要な距離だけターレットヘッドを後退
させてやるだけで、穴加工工具の刃先を木材の木口に対
面させることができる。従って、ほぞ加工に連続して軸
方向穴の加工を実行する場合に、加工時間を短くするこ
とができる。なお、先に軸方向穴を加工してからほぞ加
工を行う様に工具選択手段及び移動制御手段を駆動する
様にしても構わない。
【0015】また、より具体的な木口加工機として、上
述した各木口加工機において、前記クランプ手段によっ
てクランプされている木材に対して、継手・仕口及び軸
方向穴の加工をする必要があるときは、該クランプ手段
により前記木材をクランプしたままで、前記工具選択手
段、前記移動制御手段及び前記穴加工工具突出手段を駆
動制御して、継手・仕口の加工と軸方向穴の加工とを実
行する継手・仕口及び軸穴加工制御手段を備えているこ
とを特徴とする木口加工機をあげることができる。
【0016】この木口加工機によれば、継手・仕口及び
軸穴加工制御手段は、継手・仕口の加工と軸方向穴の加
工とが終了するまで、その両方の加工を必要とする木材
をクランプ手段でクランプし続けて加工動作を実行す
る。従って、例えば胴差しにほぞと胴差しボルト穴とを
加工する様な場合に、胴差しのほぞとボルト穴の位置関
係を精度よく仕上げることができる。
【0017】また、本発明の目的を達成するためのより
具体的な木口加工機としては、木口加工位置に搬入され
た木材をクランプする木材クランプ手段と、固定ベース
上を前後方向に移動可能に設けられる第1のスライドベ
ースと、該第1のスライドベース上を左右方向に移動可
能に設けられる第2のスライドベースと、該第2のスラ
イドベース上に立設されたガイドに沿って昇降する昇降
体と、該昇降体の前面に回転可能に設けられ、木材加工
用の工具を放射状に複数種類装着されるターレットヘッ
ドと、前記第1のスライドベースを前後方向に移動制御
する前後方向移動制御手段と、前記第2のスライドベー
スを左右方向に移動制御する左右方向移動制御手段と、
前記昇降体を上下方向に移動制御する上下方向移動制御
手段と、前記ターレットヘッドを回転させて前記クラン
プ手段にクランプされている木材の木口に対する加工内
容に応じた工具を選択する工具選択手段と、前記ターレ
ットヘッドに、前記複数の工具の前方に所定距離ずらし
て取り付けられる穴加工工具と、前記ターレットヘッド
に取り付けられ、前記穴加工工具を、前記放射状に装着
されている各工具の刃先よりも内側の位置と、前記各工
具の刃先よりもさらに飛び出す位置との間で進退させる
穴加工工具進退手段とを備える木口加工機をあげること
ができる。
【0018】この木口加工機によれば、木材に対して継
手・仕口の加工を行う場合には、前後方向制御手段、左
右方向制御手段、上下方向制御手段及び工具選択手段を
駆動して、継手・仕口の加工に必要な工具の刃先を木口
加工位置でクランプ手段によってクランプされている木
材の木口に対面させ、当該工具を駆動すると共に、加工
内容に応じて前後方向制御手段、左右方向制御手段及び
上下方向制御手段を駆動して所定の形状からなる継手・
仕口を加工する。このとき、穴加工工具は穴加工工具進
退手段によってその刃先をターレットヘッドの内側へ後
退させておくことにより、穴加工工具を木材やクランプ
手段等に干渉させることなく上述の継手・仕口の加工を
実行することができる。一方、木材に対して軸方向穴を
加工する場合には、前後方向制御手段、左右方向制御手
段、上下方向制御手段及び工具選択手段を駆動して、穴
加工工具の刃先を木口加工位置でクランプ手段によって
クランプされている木材の木口に対面させる。そして、
左右方向制御手段を駆動して穴加工工具の刃先を軸穴を
加工すべき位置に再接近させた上で、穴加工工具を駆動
すると共に穴加工工具進退手段を駆動して穴加工工具を
突出位置へと前進させることによりこの突出量に応じて
深さの軸方向穴を木材に形成する。その後は、穴加工工
具進退手段を逆方向に駆動して穴加工工具の刃先を木材
の木口から抜け出した位置へと後退させる。
【0019】なお、この木口加工機においても、さら
に、前記穴加工工具は、その軸心と、前記ターレットヘ
ッドに備えられている複数の工具の内のほぞ加工用工具
の軸心とが同じ高さで平行となり、かつ該ほぞ加工用工
具の刃先と同じ方向へその刃先を向けて取り付けられる
構成としておくと、ほぞ加工と軸方向穴の加工とを共に
行う必要がある場合に、工具交換時間を短縮でき、より
好適である。また、さらに、前記クランプ手段によって
クランプされている木材に対して、継手・仕口及び軸方
向穴の加工をする必要があるときは、該クランプ手段に
より前記木材をクランプしたままで、前記工具選択手
段、前記前後方向制御手段、前記左右方向制御手段、前
記上下方向制御手段及び前記穴加工工具進退手段を駆動
制御して、継手・仕口の加工と軸方向穴の加工とを実行
する継手・仕口及び軸穴加工制御手段を備えてる様にし
ておくと、ほぞと軸方向穴との位置関係を精度よく加工
することができて好適である。また、継手・仕口の加工
と軸方向穴の加工とを同一位置で実行できるので加工時
間を短くする効果もある。
【0020】また、上記目的を達成するためになされた
本発明のプレカット設備は、木材の前端及び後端を切断
して長さを整える切断機と、木材の上下面に対して必要
な加工を行う上下面加工機と、木材の側面に対して必要
な加工を行う側面加工機と、上述した様な木口加工機の
内のいずれかと、前記木材切断機へ木材を投入すると共
に、該木材切断機、前記上下面加工機、前記側面加工機
及び前記木口加工機の間で木材を搬送し、加工の終了し
た木材を集材位置へと搬出する木材搬送装置と、前記木
材切断機、前記上下面加工機、前記側面加工機及び前記
木口加工機のそれぞれに対して、各機械に搬入された木
材に対する加工条件を与える加工条件付与手段と、該加
工条件付与手段によって与えられた加工条件に従って、
前記木材切断機、前記上下面加工機、前記側面加工機、
前記木口加工機及び前記木材搬送装置をそれぞれ駆動制
御する加工制御手段とを備え、該加工制御手段が、前記
木口加工機において加工される木材に関して、継手・仕
口に加えて軸方向穴を加工する必要があるときは、当該
木材を前記クランプ手段によって前記木口加工位置にク
ランプしたままで、前記木口加工機を駆動制御して継手
・仕口に加えて軸方向穴を加工した後に当該木材をアン
クランプする様に構成されていることを特徴とする。
【0021】このプレカット設備によれば、木材の長さ
切断から上下面加工、側面加工及び木口加工までを、加
工条件付与手段によって与えられた加工条件に従って加
工制御手段で各機器を駆動制御することにより、一連の
自動化処理として木材に対して必要な加工を施すことが
できる。しかも、このプレカット設備によれば、木口加
工機として上述の如く穴加工工具をも備えるものを採用
することで木材に対して軸方向穴の加工も可能としてい
る。さらに、このプレカット設備によれば、木材の木口
に対して、継手・仕口の加工と軸方向穴の加工を共に実
施する必要があるときは、当該木材をクランプ手段でク
ランプしたままで、継手・仕口の加工と軸方向穴の加工
とを実行する構成となっているので、継手・仕口の位置
と軸方向穴の位置とが互いに精度よい位置関係で加工さ
れる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施の形態
としての横架材プレカット設備10を構成する各種加工
機100,200,300等の配置を示す模式的平面図
である。まず最初に、この図1に従って、横架材プレカ
ット設備10の全体配置等について説明する。
【0023】本実施の形態としての横架材プレカット設
備10は、各種加工機として、横架材の先端及び後端の
端切り及び上下面加工を行うための横架材切断・上下面
加工機100と、横架材の側面加工を行うための横架材
側面加工機200と、横架材の木口に対して継手・仕口
の加工を行うための横架材木口加工機300とを備えて
いる。また、木材を横移動させるチェーンスラッシャ2
1〜25と、木材を軸方向移動させるローラコンベア3
1〜42とを備え、CAD/CAMデータに基づいて各
加工機100,200,300の駆動制御及び木材の搬
入・搬出を自動的に実行しつつ横架材のプレカット加工
を実行する様に構成されている。なお、各加工機10
0,200,300の近傍に設けられた短いローラコン
ベア32,35,38は、いずれも下方へ倒すことがで
きる様になっており、各加工機100,200,300
の近傍に、必要に応じて作業者の移動通路を確保可能な
構成とされている。
【0024】ここで、ローラコンベア39,40とロー
ラコンベア41,42との間には、木材を横移動させる
ための多数の桟43が配置されている。この桟43の上
面と各ローラコンベア39〜42の各ローラ及び桟43
側の側面枠の上面とはほぼ同一高さとされている。これ
は、ローラコンベア39,40からローラコンベア4
1,42へと木材を持ち上げることなく、桟43の上面
を滑らせてスムーズに横移動させるためである。
【0025】また、ローラコンベア41とチェーンスラ
ッシャ24との間には、通常時はローラコンベア41の
ローラ上面より下方に沈んだ状態にあり、横架材木口加
工機300による加工の終了後に上昇してローラコンベ
ア41上の木材を持ち上げ、それ自身の傾斜を利用して
チェーンスラッシャ24へと木材を受け渡すための傾斜
式ローラ移送装置44が備えられている。これに対応し
て、チェーンスラッシャ24は、その横に配置されるチ
ェーンスラッシャ25よりも下側に木材を取り込む配置
となっている。なお、最終段のチェーンスラッシャ2
4,25は、工場配置等によっては、ホイールコンベア
とする場合もある。
【0026】加えて、ローラコンベア42とチェーンス
ラッシャ25との間には、それ自身が回転することによ
って、ローラコンベア42上の木材をすくい上げ、上下
を反転させた状態でチェーンスラッシャ25へと受け渡
す上下反転受け渡し装置45が備えられている。
【0027】また、最初に木材を投入する位置に配置さ
れているチェーンスラッシャ21は、移送方向の途中で
部分的に重複して配置される2組の搬送用チェーン群2
1a,21bによって構成されている。同じく、チェー
ンスラッシャ22,23も、2組の搬送用チェーン群2
2a,22b,23a,23bによって構成されてい
る。これは、横移送開始側の搬送用チェーン群21a,
22a,23aによる木材の横移送速度を、横移送終了
側の搬送用チェーン群21b,22b,23bによる木
材の横移送速度よりも遅くすることにより、ローラコン
ベア31,34,37の側面枠にそれぞれ配置されてい
るストッパ51,52,53に対して、多数の木材が重
なって押し付けられない様にするためである。これによ
り、チェーンスラッシャ21,22,23からローラコ
ンベア31,34,37へと木材を載せ代えるために設
けられている木材載せ代え装置61,62,63による
木材の載せ代え動作をスムーズに実行させることができ
る。
【0028】なお、各木材載せ代え装置61〜63は、
チェーンスラッシャ21〜23の上面より所定量沈んだ
位置からストッパ51〜53の上面を乗り越える高さま
で伸縮可能なエアシリンダと、このエアシリンダを横方
向に伸びるガイド61a,62a,63aに沿って移動
させる横移動機構とによって構成されている。また、こ
の横移動機構の駆動には、モータの回転を往復運動に変
換するクランク機構を使用し、載せ代え開始から載せ代
え完了までの横移動速度の変化が、最初は徐々に加速
し、途中で最高速度に達した後で徐々に減速させ、移動
開始時及び停止時の加速度による木材の横倒れを防止す
る工夫がなされている。
【0029】さらに、ローラコンベア33,36,3
9,40には、コンベア上の木材を下流のチェーンスラ
ッシャ22,23やローラコンベア41,42へと押し
出すためのプッシャプレート71〜73が備えられてい
る。これらのプッシャプレート71〜73は、各1対の
エアシリンダ74〜76によって駆動される様に構成さ
れている。なお、各ローラコンベア33,36,39,
40のプッシャプレート71〜73と反対側の側面枠
は、プッシャプレート71〜73による木材の押し出し
を妨げない様に、ローラ上面と同一高さ又は若干低めに
構成されている。
【0030】横架材切断・上下面加工機100は、その
主要な構成として、木材をクランプするためのNo.1
〜No.5バイス111〜115と、木材の端切りを行
うための切断ユニット130と、木材の上下面に対して
ほぞ穴やボルト穴を加工するための上下一対の角のみユ
ニット150と、横架材の上下面に対して間柱欠き、垂
木欠き、隅木欠き及び谷木欠きを加工するための上下一
対のカッターユニット170とを備えている。
【0031】また、この横架材切断・上下面加工機10
0における上下面加工位置を規定するための位置決めユ
ニット400が、ローラコンベア33の側方に配置され
るガイドレール401に沿って移動可能に配置されてい
る。なお、符号116,117で示されているのは、切
断ユニット110に対して搬入される木材の先端を検出
してローラコンベア31,32を停止させるための先端
検出用の光センサユニットである。
【0032】横架材側面加工機200は、その主要な構
成として、その前後に配置される短いローラコンベア2
11,212と、木材をクランプするためのNo.1,
No.2バイス221,222と、これらバイス22
1,222の間の位置において、対面する様に配置され
る一対の側面加工ユニット231,232とを備えてい
る。各側面加工ユニット231,232には、上下方向
に複数の側面加工用工具が装着される様になっている。
この横架材側面加工機200は、例えば、特公平1−1
55964号公報等に記載されている側面加工ユニット
を独立の加工機械として構成したもので、横架材の側面
に対して、大入れ蟻掛け、根太彫り、ボルト穴等の各種
加工を行うものである。
【0033】また、この横架材側面加工機200におけ
る側面加工位置を規定するための位置決めユニット50
0が、ローラコンベア36の側方に配置されるガイドレ
ール501に沿って移動可能に配置されている。この位
置決めユニット500は、横架材切断・上下面加工機1
00における加工位置を規定するための位置決めユニッ
ト400と同一のものである。
【0034】横架材木口加工機300は、その主要な構
成として、上流のローラコンベア37,38側に配置さ
れる第1の固定コンベア311と、この第1の固定コン
ベア311の延長上において、反対側のローラコンベア
39,40の直前に配置される第2の固定コンベア31
2と、この第2の固定コンベア312と同じ側におい
て、ローラコンベア41,42の延長線上に配置される
第3の固定コンベア313と、第1,第2の固定コンベ
ア311,312の間を連絡する連絡位置と図中一点鎖
線で示した前方の退避位置との間をZ軸方向へ移動可能
に配置される中間コンベア314と、各種加工工具を9
0度ずつずらして放射状に配置したターレットモータベ
ース321及びこのターレットモータベース321の前
方に取り付けられたボルト穴加工工具322を備える木
口加工ユニット320と、第1の固定コンベア311の
近傍に出没自在に配置され、ローラコンベア37,3
8,311上を搬送されて来る木材の先端位置を規定す
るためのNo.1ストッパ331と、このNo.1スト
ッパ331によって先端位置を規定された木材をクラン
プするNo.1バイス341と、第3の固定コンベア3
13の近傍に出没自在に配置され、ローラコンベア4
1,42,313上を搬送されて来る木材の先端位置を
規定するためのNo.2ストッパ332と、このNo.
2ストッパ332によって先端位置を規定された木材を
クランプするNo.2バイス342と、第2の固定コン
ベア312に併設されている印字装置371とを備えて
いる。
【0035】この横架材木口加工機300は、木口加工
ユニット320を図示のX方向及びZ方向に移動させる
と共にターレットモータベース321をY方向(上下方
向)に移動させつつ、No.1バイス341でクランプ
された木材の木口及びNo.2バイス342でクランプ
された木材の木口に対して必要な加工を行うものであ
る。この加工に当たっては、ターレットモータベース3
21を90度刻みで回転させることによって、そこに装
着された各種工具の中から必要なものを選択して継手・
仕口の加工を行うと共に、そのままで、木口加工ユニッ
ト320をZ方向に移動させると共にボルト穴加工工具
322を加工位置に向かせて胴差しボルト穴等の加工を
も行うことができる様に構成されている。
【0036】そして、特に、No.1バイス341でク
ランプされた木材の木口を加工したら、中間コンベア3
14を図示の実線の位置に移動させると共に木口加工ユ
ニット320を図示の様に機械の後方に移動させ、一方
の木口の加工を終了した木材を下流のローラコンベア3
9,40上へと移送し、次の木材をNo.1ストッパ3
31及びNo.1バイス341で位置決めし、No.1
ストッパ331及び中間コンベア314を退避位置へ移
動させると共に、木口加工ユニット320を前進させて
次の木材の木口加工を行い、この間に、先に下流側のロ
ーラコンベア39,40上へと移送しておいた木材をプ
ッシャプレート73によってローラコンベア41,42
上へと移し代え、横架材木口加工機300側に移送して
No.2ストッパ332により先端合わせを行うと共に
No.2バイス342でクランプしておく。この結果、
2本目の木材のNo.1バイス341によるクランプ位
置での木口加工が完了したら、直ちに1本目の木材のN
o.2バイス342によるクランプ位置での木口加工へ
と移行することができ、この間に中間コンベア314を
再び連絡位置へ移動させて2本目の木材をローラコンベ
ア39,40上へと移送しておくことにより、効率良
く、木材の両端木口の加工を実行できる様にしたもので
ある。
【0037】なお、図1において、チェーンスラッシャ
22,23,25は、木材移送用のチェーンを2列で一
組とする構成を採用している。これは、隅木欠きや谷木
欠きの様な大きな切削加工部を下面に有する木材がチェ
ーンにはまり込んで横移送に不具合を来さない様にする
ためである。また、ローラコンベア31,32に比べ
て、これより下流のローラコンベア33,34等は、ロ
ーラの間隔を調整することによって、大きな隅木欠きや
谷木欠きを有する木材の移送をスムーズに行い得る様に
構成している。さらに、ローラコンベア39〜42及び
ローラコンベア313には、中央が窪んだローラを使用
している。これは、印字装置371によってインクジェ
ット方式で印字された記号等がローラ面で擦れて見え難
くならない様にするためである。
【0038】次に、このプレカット加工設備10のなか
で、本発明に関連して特徴的な構成を採用した横架材木
口加工機300の詳細について図2〜図7を用いて説明
する。なお、図2〜図4は、それぞれ平面図、正面図及
び右側面図を示すが、例えば図3では第2の固定コンベ
ア312を省略するなど、他の図に現れている一部の部
品を意図的に省略することによってそれぞれを見易い図
に加工してある。
【0039】本実施の形態における横架材木口加工機3
00は、図2に示す様に、固定ベース301上を移動可
能に設けられた木口加工ユニット320と、固定ベース
301の右側前方に配置される第1の固定コンベア31
1と、この第1の固定コンベア311の反対側に配置さ
れる第2の固定コンベア312と、第1,第2の固定コ
ンベア311,312の間を連絡する中間コンベア31
4と、固定ベース301に対して第2の固定コンベア3
12と同じ側で若干後方にずらして配置される第3の固
定コンベア313とを備えている。なお、第1〜第3の
固定コンベア311〜313は、いずれも3〜4個のロ
ーラを備える短いものであり、図1に関して既に述べた
様に固定ベース301に直接取り付けられている。
【0040】まず、加工ユニット320の全体的な構造
等について説明する。加工ユニット320は、図2〜図
4のそれぞれに示す様に、固定ベース301上を前後方
向(Z軸方向)に伸びるZ軸方向レール302,302
上を移動可能に設けられるZ軸方向スライドベース30
3と、このZ軸方向スライドベース303上を左右方向
(X軸方向)に伸びるX軸方向レール304,304上
を移動可能に設けられるX軸方向スライドベース305
とを備えている。また、この左右方向スライドベース3
05上には門形フレーム306が立設されている。そし
て、木口加工ユニット320は、この門形フレーム30
6の前面に設けられたY軸方向レール307,307
(図4参照)にガイドされて昇降する昇降体308と、
この昇降体308の前面に回転可能に設けられるターレ
ットモータベース321とを備えている。このターレッ
トモータベース321は、90度ずつ間欠的に回転角度
を変更可能なものであり、その前面に木口加工用の複数
種類のカッター刃T1〜T4が90度間隔で放射状に装
着されると共に、さらに、図2,図4に示す様に、錐T
5を有するボルト穴加工工具322をも備えたものであ
る。なお、図2については上方に伸びるカッタ刃T1
を、また図3についてはボルト穴加工ユニット322を
省略して示している。また、図3は、図2,図4に対し
て、ターレットモータベース321を反時計方向へ90
度回転させた状態の図となっている。
【0041】次に、Z軸方向スライドベース303、X
軸方向スライドベース305及び昇降体308の駆動機
構について説明する。
【0042】まず、Z軸方向スライドベース303の駆
動源として、図2,図4に示す様に、固定ベース301
の後方に第1のACサーボモータM1が取り付けられて
いる。この第1のACサーボモータM1は、図示しない
コントローラからの制御信号に基づき、図3に示す様に
固定ベース301上を前後方向に伸びる第1のネジ軸3
51を正逆回転させることにより、この第1のネジ軸3
51に螺合する第1のナット部材(図示略。Z軸方向ス
ライドベース303の底面に固定されている。)とによ
って構成されるネジ送り機構を利用して、Z軸方向スラ
イドベース303を移動制御する様に構成されている。
【0043】また、X軸方向スライドベース305の駆
動源として、図2に示す様に、Z軸方向スライドベース
303の右側に第2のACサーボモータM2が取り付け
られている。この第2のACサーボモータM2も、図示
しないコントローラからの制御信号に基づき、図2,図
4に示す様にZ軸方向スライドベース303上を左右方
向に伸びる第2のネジ軸352を正逆回転させることに
より、この第2のネジ軸352に螺合する第2のナット
部材(こちらも図示略。X軸方向スライドベース305
の底面に固定されている。)とによって構成されるネジ
送り機構を利用して、X軸方向スライドベース305を
移動制御する様に構成されている。
【0044】さらに、昇降体308の駆動源としては、
図2〜図4に示す様に、門形フレーム306の上部に第
3のACサーボモータM3が取り付けられている。この
第3のACサーボモータM3も、図示しないコントロー
ラからの制御信号に基づいて、ネジ軸353を正逆回転
させることにより、この第3のネジ軸353に螺合する
第3のナット部材(こちらも図示略。昇降体308に固
定されている。)とによって構成されるネジ送り機構を
利用して、昇降体308を上下方向に移動制御する様に
なっている。なお、昇降体308は、門形フレーム30
6の上部左右に取り付けられているバランサ用エアシリ
ンダAC1,AC2のロッドAC1a,AC2aによっ
て支持されることにより、上下方向の移動がスムーズに
行われる様に構成されている。
【0045】次に、中間コンベア314について説明す
る。この中間コンベア314は、図3に示す様に、固定
ベース301上を前後方向に伸びるZ軸方向レール30
2にガイドされて前後方向(Z軸方向)移動可能な構成
とされている。この中間コンベア314の前後方向への
移動を行うための駆動源としては固定ベース301上に
固定されている第3のエアシリンダ(図示略)を用いて
いる。具体的には、第3のエアシリンダのロッド先端を
中間コンベア314の台枠314aの下部に取り付けた
プレート部材314bに固定しておき、ロッド伸長時に
は図2に一点鎖線で示す退避位置へと中間コンベア31
4を移動させ、ロッド縮小時には図2に実線で示す連絡
位置へと中間コンベア314を移動させる様に構成され
ている。なお、この連絡位置は、図示の通り、第1の固
定コンベア311と第2の固定コンベア312との間を
連絡して第1の固定コンベア311から第2の固定コン
ベア312へと木材Wを搬送することができる様にする
位置である。また、退避位置は、第1の加工位置P1に
おいて木口加工ユニット320のターレットモータベー
ス321に取り付けられているカッター刃T1〜T4及
び錐T5を用いてプレカット加工を行う際にその妨げに
ならない位置になっている。また、この中間コンベア3
14の各送りローラは、チェーンCH1によって回転さ
れる駆動ローラとして構成されている。このチェーンC
H1を駆動するためのモータM4は、台枠314aにギ
ヤボックスG1を介して取り付けられている。
【0046】次に、第1の固定コンベア311の直近左
側に設定される第1の加工位置P1に木材Wの左端を臨
ませて固定するための機構について説明する。
【0047】図3に示す様に、第1の固定コンベア31
1は、その固定台311aに取り付けられているモータ
M5によって駆動されるチェーンCH2により各ローラ
を正逆回転可能とされている。また、第1のローラコン
ベア311の側面には、図2においてZ軸方向に接近・
離間する横押さえ用のNo.1バイス341が備えられ
ている。このNo.1バイス341は、図示省略した油
圧駆動装置によって駆動される様になっている。また、
図3,図4に示す様に、固定台311aの側面には支柱
362が取り付けられており、この支柱362の上端部
分に、図3に示す様に、油圧シリンダOC1によって上
下動される上押さえ用クランパ363が備えられてい
る。No.1バイス341及び上押さえ用クランパ36
3の駆動源に油圧を用いているのは、木材Wをしっかり
とクランプするためである。もちろん、No.1バイス
341及び上押さえ用クランパ363の駆動源として
は、油圧の変わりに、大口径のエアシリンダを用いる様
にしても構わない。なお、図3,図4に示す様に、この
上押さえ用クランパ363の右側には、エアシリンダA
C3によって上下動される遊転ローラ364も備えられ
ている。この遊転ローラ364は、第1の固定コンベア
311による木材搬送の際に、木材Wの上面を軽く押さ
えて浮き上がりを防止しつつスムーズな搬送を行うため
のものである。
【0048】また、この第1の固定コンベア311の左
側には、第1の加工位置P1を取り囲む様にフード36
5が取り付けられている。このフード365には図示し
ない粉塵排出ダクトが接続され、第1の加工位置におけ
る木口部のプレカット時に発生する粉塵を周囲にまき散
らすことなく回収することができるようになっている。
なお、このフード365は、図2,図4では図示を省略
している。
【0049】さらに、第1の固定コンベア311の左側
には、図2,図4に示す様に、第1の加工位置P1に木
材Wの左端を臨ませて停止させるためのNo.1ストッ
パ331が設けられている。このNo.1ストッパ33
1は、図2に示す様に、固定ベース301から立設され
た支柱331aに回動可能に取り付けられている。そし
て、No.1ストッパ331は、前述のフード365の
内部において、没入位置(図4の一点鎖線の位置)と、
第1の固定コンベア311上を送られてくる木材Wを停
止させる突出位置(図4の実線の位置)との間を回動可
能に構成されている。なお、このNo.1ストッパ33
1は、図2,図4に示す様に、その回動中心の後方に伸
びるレバー331bを押し上げたり引き下げたりするエ
アシリンダAC4によって回動される様になっている。
このエアシリンダAC4は、図2に示す様に、支柱33
1aに固定されている。また、図2に示す様に、支柱3
31aを挟んで第1のストッパ331の反対側には、木
材Wが第1のストッパ331に衝突した際の衝撃を吸収
しつつ正確な位置に木材Wの先端を停止させるために、
第1のストッパ331用としての衝撃吸収機能を有する
軸受331cが取り付けられている。
【0050】この様な機構により、図2,図3におい
て、第1の固定コンベア311上を右から左へと木材W
を搬送してくるとき、まず、No.1ストッパ331を
突出状態にしておく。そして、No.1ストッパ331
に木材Wを当接させた後も第1の固定コンベア311に
よる木材送り動作を続行し、この間にNo.1バイス3
41及び上押さえ用クランパ363を駆動して木材Wの
上下及び側面をクランプして固定する。なお、No.1
バイス341及び上押さえ用クランパ363を、以下、
総称して第1のクランパ341,363と呼ぶ。
【0051】次に、図2において、第3の固定コンベア
313の直近右側に設定される第2の加工位置P2に木
材Wの右端を臨ませて固定するための機構について説明
する。この機構は、前述した第1の加工位置P1に木材
Wの左端を臨ませて固定するための機構とほぼ同様であ
る。
【0052】図3に示す様に、第3の固定コンベア31
3も、その固定台313aに取り付けられているモータ
M6によって駆動されるチェーンCH3により各ローラ
を正逆回転可能とされ、油圧駆動のNo.2バイス34
2、支柱366、上押さえ用クランパ367、遊転ロー
ラ368及びフード369と、油圧シリンダOC2及び
エアシリンダAC5とを備えている。また、この第3の
固定コンベア313の左側には、図2,図4に示す様
に、第2の加工位置P2に木材Wの右端を臨ませて停止
させるためのNo.2ストッパ332、支柱332a及
び衝撃吸収用の軸受332cが備えられると共に、N
o.2ストッパ332の後方レバー332bの押し上げ
引き下げ用のエアシリンダAC6が備えられている。な
お、図2,図4では、フード369の記載は省略してあ
る。
【0053】この様な機構により、図2,図3におい
て、第3の固定コンベア313上を左から右へと木材W
を搬送してくるとき、まず、No.2ストッパ332を
突出状態にしてこれに木材Wを当接させ、No.2バイ
ス342及び上押さえ用クランパ367を駆動して木材
Wの上下面及び側面をクランプして固定する。なお、N
o.2バイス342及び上押さえ用クランパ367を、
以下、総称して第2のクランパ342,367と呼ぶ。
【0054】次に、第2の固定コンベア312について
も説明しておく。第2の固定コンベア312は、図面上
は図1及び図2の平面図にのみ表れており、ローラコン
ベア39側にインクジェット方式による印字装置371
を備えている。この印字装置371は、第1の加工位置
P1で左端のプレカット加工を行った木材Wの下面に、
組立時の位置を示す符号や、どこの現場で用いる材料で
あるか等の情報を印字するために設けられている。この
印字装置371による符号等の印字により、プレカット
加工後の木材の回収、配材及び現地組立が容易になるよ
うになされているのである。
【0055】また、木材Wをローラコンベア39,40
からローラコンベア41,42へと受け渡すための桟4
3について、図2にその一部が現れているので補足説明
しておく。この桟43は、加工対象となる最小長さの木
材が落下しない間隔で配置されている。この桟43の上
面は、最初にプレカット設備全体の説明においても述べ
た様に、ローラコンベア39,40及びローラコンベア
41,42に備えられている送りローラの上面と同じ高
さに設定される。そして、ローラコンベア39,40及
びローラコンベア41,42の互いに対面する側の側面
枠は、プッシャプレート73を駆動してローラコンベア
39,40からローラコンベア41,42へと桟43の
上を横滑りさせて木材Wを受け渡すときに邪魔にならな
い様に、ローラ上面と同一高さ又は若干低めに構成され
ている。そして、第1の加工位置P1で木口に対する継
手・仕口の加工を終えた木材Wをローラコンベア39,
40からローラコンベア41,42へと受け渡す際に
は、図1に示したエアシリンダ76,76を駆動し、プ
ッシャプレート73で木材Wを横移動させてローラコン
ベア39,40からローラコンベア41,42へと桟4
3の上を横滑りさせながら受け渡す様に構成されてい
る。この実施の形態では、ローラコンベア39,40と
ローラコンベア41,42の間隔がそれほど広くないの
で、エアシリンダ76の様な簡単な機構による木材の受
け渡しが可能となっている。
【0056】なお、本実施の形態では、図2,図4から
理解される様に、第1の加工位置P1でプレカット加工
を行っている最中に、第2の加工位置P2への木材Wの
搬入及び固定が可能であり、かつ、第2の加工位置P2
でプレカット加工を行っている最中に、中間コンベア3
14を連絡位置へ移動して第1の加工位置P1で加工を
終えた木材をローラコンベア39,40へと搬出すると
共に第1の加工位置P1への木材Wの搬入及び固定が可
能となる様に、第1,第2の加工位置P1,P2の位置
関係を設定してある。
【0057】次に、本実施の形態の特徴であるターレッ
トモータベース321に対して取り付けられている各種
工具等について、図5〜図7に基づいてさらに詳細に説
明する。ターレットモータベース321には、既に説明
した様に、90度ずつ角度をずらして4種類のカッター
刃T1〜T4が備えられている。カッター刃T1はカマ
オス加工用のものであり、カッター刃T2は大入れアリ
オス加工用のものであり、カッター刃T3はカマメス加
工用のものであり、カッター刃T4はアリ加工用のもの
である。以下、T1〜T4をそれぞれ、カマオス加工用
刃物T1、大入れアリオス加工用刃物T2、カマメス加
工用刃物T3、アリ加工用刃物T4とよぶ。
【0058】また、各刃物T1〜T4は、それぞれカマ
オス加工用モータM11、大入れアリオス加工用モータ
M12、カマメス加工用モータM13、アリ加工用モー
タM14によって駆動される。そして、これら各モータ
M11〜M14がターレットモータベース321の前面
にそれぞれ90度ずつ角度をずらして固定されている。
本実施の形態では、胴差しにほぞ加工を行う刃物として
カマオス加工用刃物T1を使用している。
【0059】また、このターレットモータベース321
には、カマオス加工用刃物T1と同じ方向に刃先を向け
たボルト穴加工用の錐T5を備えたボルト穴加工工具3
22も取り付けられている。このボルト穴加工工具32
2は、ターレットモータベース321の前面に、カマオ
ス加工用モータM11及びカマメス加工用モータM13
の上方及び下方で前方へ伸びる上下の水平枠381,3
82(図6ではボルト締め用の台座のみが示されてい
る。)を介して、カマオス加工用モータM11及びカマ
メス加工用モータM13の前方所定距離の位置に取り付
けられている。
【0060】この上下の水平枠381,382には、そ
れぞれの両端を連結する様に垂直方向に伸びる垂直枠3
83,384が固定されている。また、この垂直枠38
3,384の上部及び下部には、X軸方向に水平に伸び
る支持ロッド385,386が固定されている。そし
て、錐T5を駆動するためのボルト穴加工用モータM1
5が、その錐T5側に固定された取付板387の上下に
固定したメタル軸受388,389を介して支持ロッド
385,386に対してX軸方向スライド可能となる様
に、軸心を水平にして支持されている。また、図5〜図
7に示す様に、錐T5は、カマオス加工用刃物T1に対
して軸心がY軸方向同一高さの位置で平行となる様に、
垂直枠383から前方へ張り出す様に取り付けられたブ
ラケット390に固定されたボールベアリング391に
よって回転可能に支持されている。
【0061】また、図7に示す様に、垂直枠384に固
定されたブラケット392には、錐T5及びモータM1
5の回転軸と平行に配置されたエアシリンダAC11の
後端が固定されている。そして、ボルト穴加工用モータ
M15は、図5〜図7に示す様に、このエアシリンダA
C11のロッド393の先端に取り付けられた連結部材
394に固定されることにより、X軸方向へ移動可能と
されている。このエアシリンダAC11のロッド393
を伸縮することにより、図7に示す様に、ボルト穴加工
用モータM15によって駆動されている錐T5を、ほぞ
加工の完了した胴差しWDに向かって移動させ、錐T5
による胴差しボルト穴の加工を実行できる様に構成され
ているのである。
【0062】以上の構成により、本実施の形態の木口加
工機300によれば、次の様にして胴差しWDに対して
ほぞ加工だけではなく胴差しボルト穴の加工をも自動化
することができ、しかも精度よくプレカット加工するこ
とができる。
【0063】次に、この実施の形態の横架材プレカット
設備10における制御系統について説明する。この横架
材プレカット設備10は、図8に示す様に、プレカット
設備10の全体を制御する全体制御装置601と、この
全体制御装置601に対してCAD/CAMデータを入
力するCAD/CAMデータ入力装置602とから構成
されている。また、全体制御装置601は、大きく分け
て、横架材切断・上下面加工機100に対応する切断・
上下面加工制御装置611と、横架材側面加工機200
に対応する側面加工制御装置612と、横架材木口加工
機300に対応する木口加工制御装置613とから構成
されている。そして、切断・上下面加工制御装置611
は、横架材切断・上下面加工機100に木材を投入し、
加工を行った後次工程へ排出するまでの制御を実行して
おり、横架材切断・上下面加工機100はもちろん、チ
ェーンスラッシャ21、ローラコンベア31〜33、位
置決めユニット400及びプッシャプレート71等をそ
の制御対象としている。また、側面加工制御装置612
も、同様に、横架材側面加工機200、チェーンスラッ
シャ22、ローラコンベア34〜36、位置決めユニッ
ト500及びプッシャプレート72等をその制御対象と
している。さらに、木口加工制御装置613は、チェー
ンスラッシャ23以降の各機器を制御対象としている。
【0064】次に、木口加工制御装置613による横架
材の木口に対する継手・仕口及びボルト穴加工の制御内
容について説明する。この木口加工制御装置613は、
CAD/CAMデータ入力装置602からの加工情報に
従って、図9,図10に示す様な制御処理を実行する。
【0065】まず最初に、CAD/CAMデータ入力装
置602からの加工情報を読み込んでおく(S10)。
次に、No.1ストッパ331を突出位置にセットし
(S20)、第1の固定コンベア311に備えさせてお
いた光センサ等の信号によって横架材が第1の加工位置
P1に到達したか否かを判断する(S30)。そして、
横架材が第1の加工位置P1に到達したと判断できたら
(S30:YES)、第1のクランパ341,363を
駆動して第1の加工位置P1へ搬入された横架材をクラ
ンプする(S40)。続いて、No.1ストッパ331
を没入位置に移動させると共にローラコンベアによる送
り動作を停止する(S50)。そして、中間コンベア3
14を退避位置へ移動させると共に(S60)、木口加
工ユニット320をZ軸方向に前進させて木口加工用の
刃物T1〜T4の中心線を横架材の中心線と一致させた
加工開始位置へと移動させる(S70)。そして、加工
情報に従って、ターレットモータベース321を90度
刻みで回転させて刃物T1〜T4の中で今回の加工に適
切な刃物を横架材に対面させる刃物選択動作を実行する
(S80)。
【0066】そして、選択した刃物の駆動モータを駆動
して刃物を回転させると共に、加工情報に従って、AC
サーボモータM1〜M3を駆動して第1の加工位置P1
に投入されている横架材に対する継手・仕口の加工を実
行し(S90)、その後刃物駆動モータを停止させると
共にACサーボモータM1〜M3を駆動して再び加工開
始位置へと木口加工ユニット320を戻す(S10
0)。
【0067】次に、第1の加工位置P1における継手・
仕口の加工が完了した横架材がボルト穴加工の必要な胴
差しであるか否かを判断する(S110)。S10で読
み込んだ加工情報から、ボルト穴加工が必要な胴差しで
あると判断された場合には(S110:YES)、錐T
5とカマオス加工用刃物T1の軸心間の距離に相当する
量だけ木口加工ユニット320を後方へ移動させて錐T
5を横架材の軸心に対面させる(S120)。なお、先
に説明した様に、本実施の形態では、胴差しに対するほ
ぞ加工にはカマオス加工用刃物T1を使用すると共に、
錐T5はこのカマオス加工用刃物T1と平行に前方所定
距離の位置に取り付けられている。従って、S120の
処理においては、単純にZ軸方向駆動用のACサーボモ
ータM1を駆動してカマオス加工用刃物T1と錐T5と
の軸心間距離に対応する距離だけ木口加工ユニット32
0を後方へ移動させるだけで錐T5が胴差しの軸心に対
面した状態になる。
【0068】こうして錐T5を胴差しに対面させた後、
加工情報に従って、ACサーボモータM3を駆動してボ
ルト穴をあけるべき位置へとY軸方向に昇降体308を
昇降させると共に、ACサーボモータM2を駆動して錐
T5の先端が第1の加工位置P1に可能な限り近付いた
状態となる様に木口加工ユニット320全体をX軸方向
にも移動させることを内容とするボルト穴加工用位置決
め動作を実行する(S130)。続いて、ボルト穴加工
用モータM15を駆動すると共に、エアシリンダAC1
1をそのロッド393を突き出す方向へ駆動してボルト
穴加工を実行する(S140)。これにより、図7に二
点鎖線で示した様に錐T5が回転しながら胴差しWDに
向かって移動し、胴差しボルト穴が形成される。この
後、エアシリンダAC11をそのロッド393を後退さ
せる様に駆動すると共に(S150)、当該胴差しに対
する全てのボルト穴加工が完了したか否かを判断する
(S160)。そして、さらに他の位置にもボルト穴加
工が必要である場合は(S160:NO)、再びS13
0の処理に戻って、Y軸方向に錐T5を移動させると共
に残りのボルト穴の加工を行う。
【0069】こうして胴差しに対するボルト穴の加工が
完了したら(S160:YES)、ACサーボモータM
1〜M3を駆動して木口加工ユニット320を第2の加
工位置P2における加工開始位置へと移動させると共に
(S170)、中間コンベア314を連絡位置へと移動
させ(S180)、第1のクランパ341,363をア
ンクランプ状態にすると共にローラコンベア38等を駆
動して第1の加工位置P1での加工が終了した横架材を
木口加工機300から搬出して反対側のローラコンベア
39等へと搬出する(S190)。
【0070】次に、第2の加工位置P2に継手・仕口を
加工すべき横架材がセットされた状態になっているか否
かを判断する(S200)。最初は、S200の判断は
NOとなり、エアシリンダ76を駆動してプッシャプレ
ート73を駆動して、ローラコンベア39,40上の横
架材をローラコンベア41,42へと横移動させる(S
210)。そして、No.2ストッパ332を突出させ
ると共にローラコンベア41,42等を駆動して第2の
加工位置P2への横架材の搬入を行うと共に第2のクラ
ンパ342,367によるクランプ動作を実行してから
ローラコンベア41等による搬入動作を停止し、第2の
加工位置P2へと横架材をセットする(S220)。そ
してS20の処理へと移行する。
【0071】一方、第2の加工位置P2に継手・仕口を
加工すべき横架材がセットされた状態になっている場合
は(S200:YES)、第2の加工位置P2における
木口加工を実行すると共に、第1の加工位置P1からの
横架材の搬出動作及び第1の加工位置P1への横架材の
セッティング動作を並行して実行する(S300)。こ
の様な状態は、2本目の横架材に対する第1の加工位置
P1での木口加工が完了している場合に成立する。な
お、S300における第2の加工位置P2での木口加工
の内容は、第1の加工位置P1におけるS70〜S17
0の処理と同様の処理内容となっている。
【0072】そして、S300の処理が完了したら、第
2のクランパ342,367をアンクランプ状態にする
と共に、ローラコンベア41,42等を木材搬出方向に
駆動して両端の木口に対する加工が完了した横架材の搬
出動作を実行し(S310)、上下反転受け渡し装置4
5を回転させて横架材を集材位置へと搬送する動作を実
行する(S320)。そして、この後で全ての横架材に
対する加工が完了したか否かを判断し(S330)、完
了していない場合は(S330:NO)、S60以下の
処理へと移行する。一方、全ての横架材に対する加工が
完了していると判定された場合は(S330:YE
S)、本処理を終了する。なお、全ての横架材に対する
加工が完了していると判定される様な状況下では、S3
00の処理では第2の加工位置P2における木口加工だ
けが実行されることになる。
【0073】以上説明した様に、本実施の形態による
と、図11(A),(B)に示す様に、胴差しや梁、桁
を柱に対してボルト締めによって固定する必要がある場
合には、同図(C)に示す様なボルト穴付きのほぞ加工
を、木口加工機300による一連の木口加工動作の中で
実行することができる。
【0074】より具体的には、本実施の形態によると、
ほぞ加工とボルト穴加工とが必要な胴差しに対しては、
カマオス加工用刃物T1によるほぞ加工を行った後、そ
のまま胴差しをクランプし続けておき、錐T5によるボ
ルト穴加工を続けて自動的に実行している。しかも、こ
のボルト穴加工は、ほぞ加工のためにクランプした状態
を解かずに実行するので、穴あけ位置が正確になり、胴
差しに対して精度よくボルト穴をあけることができる。
【0075】また、本実施の形態において採用した木口
加工機300では、胴差しに対してほぞ加工を行う刃物
T1に対して平行に前方へずらした位置に錐T5を備え
る構成を採用したので、ほぞ加工からボルト穴加工への
移行がスムーズに行われ、加工時間を最短に抑えること
ができる。
【0076】さらに、本実施の形態では、ターレットモ
ータベース321の1つの加工軸としてではなく刃物T
1の前方へずらして錐T5を配置し、しかもこの錐T5
を駆動するモータM15をエアシリンダAC11によっ
てX軸方向へ大きなストロークで進退可能に構成したの
で、木口加工ユニット320のX軸方向移動量を大きく
する必要がなく、装置を大型化することなくコンパクト
な構成としている。
【0077】加えて、錐T5はブラケット390及びベ
アリング391によって先端部を支持されているので、
胴差しに対して穴あけを開始するときに木の節の様に部
分的に硬い位置へ穴あけを行う場合にも錐T5に曲げ方
向の力が加わっても真っ直ぐに穴あけを実行することが
できる様になっている。
【0078】また、上述の様に、第1の加工位置P1で
木口を加工している間に第2の加工位置P2へと横架材
をセットしておくことができ、逆に、第2の加工位置P
2で木口加工をしている間に第1の加工位置P1からの
横架材の搬出と第1の加工位置P1への次の横架材のセ
ッティングとを並行して行うことができるので、横架材
の両端に木口加工を行うに当たっての待ち時間をなくし
て加工効率を高める効果も発揮されている。
【0079】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明は上述した実施の形態に限られることな
く、その要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々
の態様にて実施することができる。
【0080】本実施の形態では胴差しに対するほぞ加工
とボルト穴加工とを対象に説明したが、継手・仕口に加
えて軸方向穴をあける必要のある横架材であれば、胴差
しに限らず、本発明の木口加工機を適用することができ
る。また、本実施の形態ではカマオス加工用刃物T1の
前方に錐T5を備えることとしたが、ほぞ加工用刃物と
してカマオス加工用刃物を用いない加工機であれば、カ
マオス加工用刃物以外のほぞ加工用刃物の前方に錐を配
置する構成とすればよい。さらに、ほぞ加工用刃物と錐
とを平行に設けなくてもよい。この場合、ほぞ加工を実
行した後でターレットモータベースを回転する動作が必
要になるものの、この様な構成を採用しても本発明の要
旨を逸脱するものではない。
【0081】また、本実施の形態では、4種類の刃物T
1〜T4をそれぞれを駆動する独立のモータM11〜M
14と共にターレットヘッドであるターレットモータベ
ース321に取り付ける構造の木口加工機を例に説明し
たが、例えば、ターレットヘッドには放射状に木口加工
用の刃物を備えさせておき、ターレットヘッドを回転さ
せて刃物を選択した上でターレットヘッドに内蔵してい
るクラッチ機構を利用して選択された刃物に対して、各
刃物に共通の駆動モータと連結して駆動する構造とした
木口加工機に対しても本発明を適用することができる。
この場合も、そのターレットヘッドの前方にボルト穴加
工工具を取り付け、当該ボルト穴加工工具をボルト穴加
工に必要なストロークだけ出没させ得る構造の装置とし
てやれば、本発明の目的を達成することができるからで
ある。加えて、ターレットヘッドに放射状に備えさせて
おく工具の種類及び数についても、実施の形態のものに
限る必要はない。
【0082】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、胴
差しボルト穴の様な木口面から軸方向に伸びる穴の加工
を自動化することができる。また、胴差しボルト穴加工
機の様な稼働率の低い専用機をプレカット工場内に設置
しておく必要がなく、プレカット設備全体としてのコン
パクト化及びコストダウンを図ることができる。さら
に、木口加工機に穴加工工具を備えるに当たって、ター
レットヘッドに放射状に設けられる複数の工具の前方に
ずらして取り付けると共に、穴加工工具用の突出手段又
は進退手段を備えることにより、ターレットヘッドの刃
先直径を大きくしたり、木口加工ユニット全体の移動ス
トロークを大きくしなくてもよく装置の大型化を招かな
いという効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態としての横架材プレカット設備の
全体配置を示す模式的な平面図である。
【図2】 実施の形態における横架材木口加工機の主要
な構成を示す平面図である。
【図3】 実施の形態における横架材木口加工機の主要
な構成を示す正面図である。
【図4】 実施の形態における横架材木口加工機の主要
な構成を示す右側面図である。
【図5】 実施の形態における横架材木口加工機のター
レットモータベースの部分を拡大して示す正面図であ
る。
【図6】 実施の形態における横架材木口加工機のター
レットモータベースの部分を拡大して示す右側面図であ
る。
【図7】 実施の形態における横架材木口加工機のター
レットモータベースの部分を拡大して示す平面図であ
る。
【図8】 実施の形態としての横架材プレカット設備の
制御系統の構成を示すブロック図である。
【図9】 実施の形態の横架材木口加工機において実行
される制御処理の内容の一部を示すフローチャートであ
る。
【図10】 実施の形態の横架材木口加工機において実
行される制御処理の内容の一部を示すフローチャートで
ある。
【図11】 実施の形態において胴差しに対して実行さ
れる加工の内容を示し、(A)及び(B)は平面図、
(C)は斜視図である。
【図12】 従来の横架材プレカット設備の全体配置を
示す模式的平面図である。
【符号の説明】
10・・・横架材プレカット設備、21〜25・・・チ
ェーンスラッシャ、31〜42・・・ローラコンベア、
43・・・桟、44・・・傾斜式ローラ移送装置、45
・・・上下反転受け渡し装置、71〜73・・・プッシ
ャプレート、74〜76・・・エアシリンダ、100・
・・横架材切断・上下面加工機、200・・・横架材側
面加工機、300・・・横架材木口加工機、301・・
・固定ベース、302・・・Z軸方向レール、303・
・・Z軸方向スライドベース、304・・・X軸方向レ
ール、305・・・X軸方向スライドベース、306・
・・門形フレーム、307・・・Y軸方向レール、30
8・・・昇降体、311・・・第1の固定コンベア、3
12・・・第2の固定コンベア、313・・・第3の固
定コンベア、314・・・中間コンベア、320・・・
木口加工ユニット、321・・・ターレットモータベー
ス321、322・・・ボルト穴加工工具、331・・
・No.1ストッパ、332・・・No.2ストッパ、
341・・・No.1バイス、342・・・No.2バ
イス、363・・・上押さえ用クランパ、367・・・
上押さえ用クランパ、381,382・・・水平枠、3
83,384・・・垂直枠、385,386・・・支持
ロッド、387・・・取付板、388,389・・・メ
タル軸受、390・・・ブラケット、391・・・ボー
ルベアリング、392・・・ブラケット、393・・・
ロッド、394・・・連結部材、400,500・・・
位置決めユニット、601・・・全体制御装置、602
・・・CAD/CAMデータ入力装置、611・・・切
断・上下面加工制御装置、612・・・側面加工制御装
置、613・・・木口加工制御装置、AC11・・・エ
アシリンダ、M1・・・第1のACサーボモータ、M2
・・・第2のACサーボモータ、M3・・・第3のAC
サーボモータ、M11・・・カマオス加工用モータ、M
12・・・大入れアリオス加工用モータ、M13・・・
カマメス加工用モータ、M14・・・アリ加工用モー
タ、M15・・・ボルト穴加工用モータ、P1・・・第
1の加工位置、P2・・・第2の加工位置、T1・・・
カマオス加工用刃物、T2・・・大入れアリオス加工用
刃物、T3・・・カマメス加工用刃物、T4・・・アリ
加工用刃物、T5・・・錐、W・・・木材、WD・・・
胴差し。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木口加工位置に搬入された木材をクラン
    プする木材クランプ手段と、 複数の工具を放射状に備えるターレットヘッドを回転さ
    せて前記クランプ手段にクランプされている木材の木口
    に対する加工内容に応じた工具を選択する工具選択手段
    と、 前記ターレットヘッドを、前後、左右及び上下に移動さ
    せて前記工具選択手段の選択した工具により前記木材の
    木口に対して継手・仕口の加工を行う移動制御手段とを
    備える木口加工機において、 前記ターレットヘッドに、前記複数の工具の前方に所定
    距離ずらして穴加工工具を備えさせると共に、 前記移動制御手段とは別に、前記穴加工工具を前記木材
    に向かって突出する位置へと移動させる穴加工工具突出
    手段を備えていることを特徴とする木口加工機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の木口加工機において、 前記穴加工工具は、その軸心と、前記ターレットヘッド
    に備えられている複数の工具の内のほぞ加工用工具の軸
    心とが同じ高さで平行となり、かつ該ほぞ加工用工具の
    刃先と同じ方向へその刃先を向けて取り付けられると共
    に、前記穴加工工具突出手段による突出動作が行われる
    までは、前記穴加工工具の刃先を前記ターレットヘッド
    に備えられている他の各工具の刃先位置よりも内側に退
    避した位置に後退させておくことを特徴とする木口加工
    機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の木口加工機
    において、 前記クランプ手段によってクランプされている木材に対
    して、継手・仕口及び軸方向穴の加工をする必要がある
    ときは、該クランプ手段により前記木材をクランプした
    ままで、前記工具選択手段、前記移動制御手段及び前記
    穴加工工具突出手段を駆動制御して、継手・仕口の加工
    と軸方向穴の加工とを実行する継手・仕口及び軸穴加工
    制御手段を備えていることを特徴とする木口加工機。
  4. 【請求項4】 木口加工位置に搬入された木材をクラン
    プする木材クランプ手段と、 固定ベース上を前後方向に移動可能に設けられる第1の
    スライドベースと、 該第1のスライドベース上を左右方向に移動可能に設け
    られる第2のスライドベースと、 該第2のスライドベース上に立設されたガイドに沿って
    昇降する昇降体と、 該昇降体の前面に回転可能に設けられ、木材加工用の工
    具を放射状に複数種類装着されるターレットヘッドと、 前記第1のスライドベースを前後方向に移動制御する前
    後方向移動制御手段と、 前記第2のスライドベースを左右方向に移動制御する左
    右方向移動制御手段と、 前記昇降体を上下方向に移動制御する上下方向移動制御
    手段と、 前記ターレットヘッドを回転させて前記クランプ手段に
    クランプされている木材の木口に対する加工内容に応じ
    た工具を選択する工具選択手段と、 前記ターレットヘッドに、前記複数の工具の前方に所定
    距離ずらして取り付けられる穴加工工具と、 前記ターレットヘッドに取り付けられ、前記穴加工工具
    を、前記放射状に装着されている各工具の刃先よりも内
    側の位置と、前記各工具の刃先よりもさらに飛び出す位
    置との間で進退させる穴加工工具進退手段とを備える木
    口加工機。
  5. 【請求項5】 木材の前端及び後端を切断して長さを整
    える切断機と、 木材の上下面に対して必要な加工を行う上下面加工機
    と、 木材の側面に対して必要な加工を行う側面加工機と、 請求項1〜請求項4のいずれか記載の木口加工機と、 前記木材切断機へ木材を投入すると共に、該木材切断
    機、前記上下面加工機、 前記側面加工機及び前記木口加工機の間で木材を搬送
    し、加工の終了した木材を集材位置へと搬出する木材搬
    送装置と、 前記木材切断機、前記上下面加工機、前記側面加工機及
    び前記木口加工機のそれぞれに対して、各機械に搬入さ
    れた木材に対する加工条件を与える加工条件付与手段
    と、 該加工条件付与手段によって与えられた加工条件に従っ
    て、前記木材切断機、前記上下面加工機、前記側面加工
    機、前記木口加工機及び前記木材搬送装置をそれぞれ駆
    動制御する加工制御手段とを備え、 該加工制御手段が、前記木口加工機において加工される
    木材に関して、継手・仕口に加えて軸方向穴を加工する
    必要があるときは、当該木材を前記クランプ手段によっ
    て前記木口加工位置にクランプしたままで、前記木口加
    工機を駆動制御して継手・仕口に加えて軸方向穴を加工
    した後に当該木材をアンクランプする様に構成されてい
    ることを特徴とするプレカット設備。
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JP5690390B1 (ja) * 2013-10-21 2015-03-25 宮川工機株式会社 タレット式木口加工装置及び木材プレカット加工設備
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