JP7472616B2 - ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱性に優れるペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物およびその用途に関するものであり、さらに詳細には、伸びに優れ、低熱伝導率を示すことからコート材、特に自動車アンダーボディコート用、自動車シーラント用として有用なペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及びその用途に関するものである。
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂(以下、ペースト塩ビと略記する場合もある。)は、一般に可塑剤、充填剤、安定剤又はその他の配合剤などと共に混練することにより、ペースト塩ビゾルを調製し、該ペースト塩ビゾルを使用し種々の成形加工法により壁紙、タイルカーペット、コート材などの様々な成形加工品に用いられている。
コート材、特に自動車アンダーボディコート用、自動車シーラント用として有用なペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物として比較的低温でも機械的物性が得られるゲル化溶融性に優れた特性を持つ塩化ビニルに酢酸ビニルを共重合させた塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂が知られている(例えば特許文献1参照。)。
特開2017-105966号公報
しかし、特許文献1に提案の組成物は、優れた加工性の提供について提案されたものであり、断熱性等の熱特性については何ら検討のなされていないものであった。
そして、自動車、特に近年環境対策として注目されている電気自動車、プラグインハイブリット車においては、大容量のバッテリーが搭載されている。該バッテリーは低温又は高温の外気という外部温度環境変化の影響を受け、性能劣化又は破壊されるという課題があり、床下面の断熱に効果的な材料の出現が求められている。
そこで、本発明者は、上記の課題について鋭意検討を重ねた結果、特定のペースト塩ビに可塑剤、特定の中空粒子を含むペースト塩ビ組成物が断熱性に優れるとともに機械的物性にも優れ、コート剤、特に自動車アンダーボディコート用、自動車用シーラント用として優れた断熱性を有するものとなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、酢酸ビニル残基単位が5~20重量%であるペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して、可塑剤50~200重量部、平均粒子径10~100μmの中空粒子5~150重量部を含むことを特徴とするペースト塩ビ組成物に関するものである。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明のペースト塩ビ組成物は、酢酸ビニル残基単位が5~20重量%であるペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して、可塑剤50~200重量部、平均粒子径10~100μmの中空粒子5~150重量部を含むものであり、特に低温加工性に優れると共に、優れた断熱性と機械的特性とを発現するものである。
本発明のペースト塩ビ組成物を構成するペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂は、該ペースト塩ビ組成物に優れた断熱性と機械的物性の両立を提供するものであり、酢酸ビニル残基単位を5~20重量%を含有するものである。ここで酢酸ビニル残基単位が5重量%未満である場合、得られる組成物は、機械的物性の低いものとなる。一方、20重量%を超える場合、ペースト塩ビゾルとした際の粘度が極めて高く、加工性が低いものとなる。なお、酢酸ビニル残基単位含有量は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計を用いて測定した赤外吸収スペクトルにおける1430cm-1付近のC-H面内変角による吸収ピークトップのAbs.値と1740cm-1付近のC=O伸縮による吸収ピークトップのAbs.値の比から求める方法により得ることができる。
該ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂の製造方法としては、酢酸ビニル残基単位を5~20重量%を含有するものを得ることが可能であれば如何なる方法であってもよく、一般的な乳化重合法、ミクロ懸濁重合法、シード乳化重合法、シードミクロ懸濁重合法等の方法を挙げることができ、これら重合法により得られる塩化ビニル系樹脂ラテックスから水分を除去することによりペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂として製造することができる。そして、ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を製造する際には、重合開始剤、脱イオン水、乳化剤、緩衝剤、必要に応じて高級アルコール等の乳化助剤を適宜用いることができる。当該添加剤については、本発明の目的を奏する限りにおいて、ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂に含まれていてもよい。
重合開始剤としては、重合開始剤の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物,ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルペルオキシピバレート、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカボネート等の過酸化物,等の油溶性重合開始剤等を挙げることができる。また、シードミクロ懸濁重合法を行う際には、油溶性開始剤を含む種粒子(シード)であってもよい。
また、乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステル等のアルキル硫酸エステル塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩類;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類等のアニオン系乳化剤:ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のソルビタンエステル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルエステル類等のノニオン系乳化剤等の従来より知られているものを1種類又は2種類以上用いることができる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸一水素アルカリ金属塩、リン酸二水素アルカリ金属塩、フタル酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸-苛性カリウム溶液等が挙げられる。
必要に応じて用いられる乳化助剤としては、例えば、セチルアルコール、ラウリルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;そのエステル;芳香族炭化水素、高級脂肪酸炭化水素、塩素化パラフィンのようなハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
本発明の構成成分であるペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂のより具体的な製造方法としては、例えば塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマー、乳化剤、油溶性重合開始剤、必要に応じて脂肪族高級アルコール等の乳化補助剤を脱イオン水に添加しホモジナイザー等で混合分散した後、緩やかな攪拌下で重合を行うミクロ懸濁重合法;ミクロ懸濁重合法で得られた油溶性重合開始剤を含む種粒子(シード)を用いて行うシードミクロ懸濁重合法;塩化ビニル系モノマーを脱イオン水、界面活性剤、水溶性重合開始剤とともに緩やかな攪拌下で重合を行う乳化重合法で得られた粒子をシードとして用いて乳化重合を行うシード乳化重合法等があげられ、その際に、例えば、重合温度は30~80℃とし、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂ラテックスとして得ることができる。これらの重合により製造されたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂ラテックスを噴霧乾燥し、必要に応じて粉砕することにより得ることができる。
ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂とする際に用いる乾燥機は一般的に使用されているものでよく、例えば、噴霧乾燥機等が挙げられる(具体例としては、「SPRAY DRYING HANDBOOK」(K.Masters著、3版、1979年、GeorgegodwinLimitedより出版)の121頁第4.10図に記載されている各種の噴霧乾燥機)。乾燥用空気入口温度、乾燥用空気出口温度に特に制限はなく、乾燥用空気入口温度は80~200℃、乾燥用空気出口温度は45~75℃が一般的に用いられる。乾燥用空気入口温度は100~170℃、乾燥用空気出口温度は50~70℃が更に好ましい。乾燥後に得られるペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂は、ラテックスを構成する1次粒子の集合体であり、通常10~100μmの顆粒状とすることが好ましい。乾燥出口温度が55℃を超える場合には、得られた顆粒状ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を粉砕した方が可塑剤への分散の点から好ましく、乾燥出口温度が55℃以下の場合には、顆粒状のままでも粉砕して使用してもどちらでも良い。
本発明のペースト塩ビ組成物は、ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して、可塑剤50~200重量部を含有するものであり、特に加工性、成形性に優れるペースト塩ビゾルをより容易に提供できることから80~150重量部であることが好ましい。ここで可塑剤が50重量部未満である場合、ペースト塩ビゾルの粘度が極めて高く、加工性が低いものとなるため好ましくない。一方、200重量部を超える場合、ペースト塩ビ組成物を低温加工に供した際の成形品は機械的物性の低いものとなるため好ましくない。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DOPと略記する場合もある)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル類;アジピン酸(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル類;トリメリット酸トリ(2-エチルヘキシル)、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリノルマルオクチル等のトリメリット酸エステル類;リン酸トリ(2-エチルヘキシル)、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル等のリン酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾアート、ジプロピレングリコールジベンゾアート等の安息香酸エステル;その他ポリエステル系可塑剤やセバシン酸エステル、マゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、エポキシ化植物油等、一般に可塑剤として使用されているものを用いることができる。
本発明のペースト塩ビ組成物は、ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して、平均粒子径10~100μmの中空粒子5~150重量部を含有すものであり、特に優れた熱伝導率を発現することから10~100重量部であることが好ましい。ここで中空粒子が5重量部未満であると熱伝導率が高くなるため好ましくない。一方、150重量部を超えると機械的物性の低いものとなるため好ましくない。また、平均粒子径が10μm未満又は100μmを超えるものである場合、ペースト塩ビゾルの粘度が極めて高く、加工性が低いものとなるため好ましくない。そして、該中空粒子としては、例えばシリカより作られるガラスバルーンやアクリル系ポリマー等の熱可塑性高分子から作られるマイクロカプセルなどを挙げることができる。
本発明のペースト塩ビ組成物は、必要に応じて充填剤を含むものであってもよく、その際には優れる特性を有するペースト塩ビゾルとなることからペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して、充填剤1~150重量部を含有するものであることが好ましい。該充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、珪藻土、炭酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられ、その際には表面処理を施されたものであってもよい。
さらに、ペースト塩ビ組成物とする際には、本発明の目的を超えない範囲でペースト塩ビゾルに通常添加される添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃剤、希釈剤、滑剤、紫外線吸収剤、顔料等の着色剤、界面活性剤、帯電防止剤等を添加してもよく、またそれらの配合量も一般に使用される範囲で差し支えない。
本発明のペースト塩ビ組成物は、断熱性に優れたコート剤、特に自動車アンダーボディコート用、自動車用シーラント用として優れた特性を有するものである。
以下に、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されて解釈されるものではない。
<酢酸ビニル残基単位含量の測定方法>
ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂中に含有する酢酸ビニル残基含有量(重量%)は、フーリエ変換赤外分光光度計(株式会社島津製作所製、(商品名)IRAffinity-1)を用いて赤外吸収スペクトルを得た。得られた赤外吸収スペクトルにおける1430cm-1付近のC-H面内変角による吸収ピークトップのAbs.値と1740cm-1付近のC=O伸縮による吸収ピークトップのAbs.値の比から、別途測定した検量線を用いて算出した。
<破断伸びの測定方法>
得られたペースト塩ビ組成物シートからJIS3号ダンベルを準拠した試験片を作成し、試験片の中央に20mm間隔の標線を入れ、引張り試験装置に取り付け、23℃で50mm/分の速度で引張り、破断時の標線間の伸びを測定し、破断伸びを求めた。
<熱伝導率の測定方法>
得られたペースト塩ビ組成物シートを用いて温度傾斜法熱伝導率測定にて熱伝導率を測定した。
合成例1
1mステンレス製オートクレーブ中に脱イオン水360kg、塩化ビニルモノマー300kg、過酸化ラウロイル5.7kg及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30kgを仕込み、ホモジナイザーを用いて3時間循環し均質化処理を行なった後、反応系の温度を45℃に上げて重合を開始した。重合系の圧力が低下した後、未反応塩化ビニルモノマーを回収し、固形分含有率35重量%、平均粒子径0.55μm、かつ、ポリマーを幹として2重量%の過酸化ラウロイルを含有するシードラテックスaを得た。
製造例1
2.5リットルオートクレーブ中に脱イオン水500g、塩化ビニルモノマーを640gと酢酸ビニルモノマーを160g(混合単量体の全仕込み量に対して20重量%)、5%水溶液ラウリル硫酸ナトリウムを9g、シードラテックスaを85g、0.1%水溶液硫酸銅を4g仕込み、その後、この反応混合物の温度を35℃に上げて重合を開始するとともに、0.05重量%アスコルビン酸水溶液を全重合時間を通じて、重合温度を維持するように連続的に添加し、重合転化率が90%となったところで重合を終了した。
なお、重合開始してから重合終了までの間、5%水溶液ラウリル硫酸ナトリウム120gを連続的に添加した。
そして、未反応モノマーを回収してラテックスとし、スプレードライヤーにて、熱風入口温度160℃、出口温度55℃で噴霧乾燥を行って、ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を得た。得られたペースト加工用-酢酸ビニル共重合樹脂Aは、酢酸ビニル残基単位含有量15.2重量%含むものであった。
製造例2
2.5リットルオートクレーブ中に脱イオン水500g、塩化ビニルモノマーを704gと酢酸ビニルモノマーを96g(混合単量体の全仕込み量に対して12重量%)、5%水溶液ラウリル硫酸ナトリウムを9g、シードラテックスaを85g、0.1%水溶液硫酸銅を4g仕込み、その後、この反応混合物の温度を35℃に上げて重合を開始するとともに、0.05重量%アスコルビン酸水溶液を全重合時間を通じて、重合温度を維持するように連続的に添加し、重合転化率が90%となったところで重合を終了した。
なお、重合開始してから重合終了までの間、5%水溶液ラウリル硫酸ナトリウム120gを連続的に添加した。
そして、未反応モノマーを回収してラテックスとし、スプレードライヤーにて、熱風入口温度160℃、出口温度55℃で噴霧乾燥を行って、ペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を得た。得られたペースト加工用-酢酸ビニル共重合樹脂Bは、酢酸ビニル残基単位含有量9.0重量%含むものであった。
製造例3
2.5リットルオートクレーブ中に脱イオン水500g、塩化ビニルモノマーを800g、5%水溶液ラウリル硫酸ナトリウムを9g、シードラテックスaを85g、0.1%水溶液硫酸銅を4g仕込み、その後、この反応混合物の温度を35℃に上げて重合を開始するとともに、0.05重量%アスコルビン酸水溶液を全重合時間を通じて、重合温度を維持するように連続的に添加し、重合転化率が90%となったところで重合を終了した。
なお、重合開始してから重合終了までの間、5%水溶液ラウリル硫酸ナトリウム120gを連続的に添加した。
そして、未反応モノマーを回収してラテックスとし、スプレードライヤーにて、熱風入口温度160℃、出口温度55℃で噴霧乾燥を行って、ペースト加工用塩化ビニル単独重合樹脂を得た。
実施例1
製造例1で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂A100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、重質炭酸カルシウム(日東粉化工業株式会社製、(商品名)NN♯500)35重量部、平均粒子径45μmのガラスバルーン(3M Company製、(商品名)3MTM グラスバブルズ K37、以下中空粒子Aと記す。)35重量部を混練してペースト塩ビ組成物を得た。
得られたペースト塩ビ組成物を離型紙で2mm厚に塗布し、140℃×30min分間加熱してペースト塩ビ組成物シートを作成した。得られたペースト塩ビ組成物シートを用いて破断伸び及び熱伝導率の測定を行い、評価した。破断伸びは270%であり、熱伝導率は0.21W/(m・K)であった。
評価結果を表1に示す。
実施例2
製造例2で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂B100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、重質炭酸カルシウム(日東粉化工業株式会社製、(商品名)NN♯500)35重量部、中空粒子A35重量部を混練してペースト塩ビ組成物を得た。
得られたペースト塩ビ組成物を実施例1と同様の方法にて評価した。評価結果を表1に示す。破断伸びは210%であり、熱伝導率は0.21W/(m・K)であった。
実施例3
製造例1で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂A100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、中空粒子A70重量部を混練してペースト塩ビ組成物を得た。
得られたペースト塩ビ組成物を実施例1と同様の方法にて評価した。評価結果を表1に示す。破断伸びは160%であり、熱伝導率は0.18W/(m・K)であった。
実施例4
製造例1で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂A100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、重質炭酸カルシウム(日東粉化工業株式会社製、(商品名)NN♯500)35重量部、平均粒子経60μmのアクリル系ポリマー製マイクロカプセル(松本油脂製薬株式会社製、(商品名)MFL-HD60CA以下、中空粒子Bと記す。)13重量部を混練してペースト塩ビ組成物を得た。
得られたペースト塩ビ組成物を実施例1と同様の方法にて評価した。評価結果を表1に示す。破断伸びは170%であり、熱伝導率は0.16W/(m・K)であった。
実施例5
製造例1で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂A100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、中空粒子B26重量部を混練してペースト塩ビ組成物を得た。
得られたペースト塩ビ組成物を実施例1と同様の方法にて評価した。評価結果を表1に示す。破断伸びは150%であり、熱伝導率は0.15W/(m・K)であった。
比較例1
製造例1で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂A100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、重質炭酸カルシウム(日東粉化工業株式会社製、(商品名)NN♯500)70重量部を混練してペースト塩ビ組成物を得た。
得られたペースト塩ビ組成物を実施例1と同様の方法にて評価した。評価結果を表2に示す。破断伸びは300%であり、熱伝導率は0.29W/(m・K)と高いものであった。
比較例2
製造例3で得られたペースト加工用塩化ビニル単独重合樹脂100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、中空粒子A70重量部を混練してペースト塩ビ組成物を得た。
得られたペースト塩ビ組成物を実施例1と同様の方法にて評価した。評価結果を表2に示す。破断伸びは10%であり、熱伝導率は0.28W/(m・K)と高いものであった。
比較例3
製造例1で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂A100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、平均粒子経6μmのアクリル系ポリマー製マイクロカプセル((松本油脂製薬株式会社製、(商品名)FN-100SS)以下、中空粒子Cと記す。)70重量部を混練しペースト塩ビ組成物の製造を試みたが、粘度が極めて高く、ゾル状にならなかった。
比較例4
製造例1で得られたペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂A100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル45重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製、(商品名)NEOLIGHT SP-60)70重量部、中空粒子A70重量部を混練しペースト塩ビ組成物の製造を試みたが、粘度が極めて高く、ゾル状にならなかった。
本発明により得られるペースト塩ビ組成物は、断熱性に優れ、コート剤、特に自動車アンダーボディコート剤、自動車用シーラント剤として優れた特性を有するものであり、その産業上の利用価値は高いものである。

Claims (5)

  1. 酢酸ビニル残基単位が5~20重量%であるペースト加工用塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(酢酸ビニルの割合が10重量%以下の塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体を除く。)100重量部に対して、可塑剤50~200重量部、平均粒子径10~100μmの中空粒子5~150重量部を含み、中空粒子がガラスバルーン及び/又はアクリル系ポリマー製マイクロカプセルであることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. さらに、充填剤1~150重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 充填剤が、表面処理充填剤を含むものであることを特徴とする請求項2に記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物のシート状物であることを特徴とするシート。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物の加熱溶融成形体であることを特徴とする自動車アンダーボディコート。
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