JP7472595B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0409Electric motor acting on the steering column

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
車両は、運転者のステアリングホイールの操作を車輪に伝えるため、ステアリング装置を備える。このようなステアリング装置は、ステアリングホールが取り付けられるステアリングシャフトと、ステアリングシャフトを回転自在に支持する外筒のステアリングコラムと、を備える。また、ステアリング装置において、ステアリングホイールの位置をステアリングシャフトの軸方向に変更可能な機構を備えている場合がある。例えば、特許文献1のステアリングシャフトは、ロアシャフトと、ロアシャフトにスライド自在に連結するアッパシャフトと、を備える。また、ステアリングコラムは、ロアシャフトを内包するロアコラムと、ロアコラムに対しスライド自在に連結するアッパコラムと、を備える。そして、ステアリングホイールに軸方向に荷重を加えると、アッパシャフトがスライドし、ステアリングホイールが軸方向に変位する。また、アッパコラムは、アッパシャフトのスライドに追従してスライドする。
さらに特許文献1のアッパコラムは、ロアコラムに摺動自在に外嵌されるクランプ部と、クランプ部からステアリングホイールの方に延出する筒状の筒状部と、クランプ部の外周面から径方向外側に突出する一対の突出部と、を備える。クランプ部には、軸方向に延在するスリットが設けられている。筒状部は、アッパシャフトを支持する軸受が内嵌されている。一対の突出部は、クランプ部のスリットを挟んで配置されている。そして、一対の突出部に圧縮荷重が作用すると、クランプ部のスリットの溝幅が狭くなる。つまり、クランプ部は、内部に配置されたロアコラムを挟持する。これにより、アッパコラムは、ロアコラムに対してスライドしないように規制される。そして、筒状部に支持されるアッパシャフトもスライドが規制され、ステアリングホイールの位置が固定される。
特開2013-256193号公報
ところで、筒状部の両端部に関し、クランプ部と連続する一端側は開口しているものの、ステアリングホイール寄りの他端側の内部は、軸受とアッパシャフトとにより閉じている。よって、筒状部の内部は、クランプ部のスリットを介して外部空間と連通している。しかしながら、筒状部の一端側にロアコラムが進入すると、筒状部の一端側が閉じてしまう。そして、筒状部の内部の空気は、ロアコラムの進入により圧縮される。この結果、筒状部の内部の空気は、ロアコラムの外周面と筒状部の内周面との間を通過して外部空間に漏出する。ロアコラムの外周面と筒状部の内周面とは、摺動面であり、グリスが塗布されている。このため、ロアコラムと筒状部との間を通過する空気とともに、グリスが外部空間に排出する可能性がある。なお、上記特許文献1では、アッパコラムが筒状部とクランプ部を有しているが、従来のステアリング装置においては、ロアコラムが筒状部とクランプ部を有している場合もある。そして、ロアコラムの筒状部にアッパコラムが進入すると同様な課題が生じる。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、ロアコラムがアッパコラムの筒状部の内部に進入してもグリスの排出を防止できるステアリング装置を提供することを目的とする。若しくは、アッパコラムがロアコラムの筒状部の内部に進入してもグリスの排出を防止できるステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係るステアリング装置は、第1方向に延在し、伸縮自在なステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する外筒のステアリングコラムと、を備え、前記ステアリングコラムは、ロアコラムと、一端部が前記ロアコラムにスライド自在に取り付けられ、他端部に前記ステアリングシャフトを支持する軸受が設けられたアッパコラムと、を備え、前記アッパコラムは、前記ロアコラムに摺動自在に外嵌され、前記第1方向に延在するスリットが設けられたクランプ部と、筒状を成し、一端部は前記クランプ部と連続し、他端部は前記軸受が内嵌されて閉じている筒状部と、を備え、前記筒状部は、前記筒状部の一端部から離隔し、かつ外周面と内周面とを貫通する空気孔を有している。
筒状部の内部は、空気孔により常時開放されている。よって、筒状部の内部にロアコラムが進入すると、筒状部の内部の空気は、空気孔を介して外部空間に外部に排出される。よって、ロアコラムの外周面と筒状部の内周面とに塗布されたグリスは、空気とともに外部空間に排出されることがない。
また、上記のステアリング装置は、前記ステアリングシャフトが短縮した場合、前記ロアコラムと前記空気孔とが前記第1方向に対して直交する方向に重なるようにしてもよい。
上記のステアリング装置の望ましい態様として、前記筒状部の内周面は、前記ロアコラムの外周面に摺接可能な第1内径部と、内径が前記第1内径部よりも大きい第2内径部と、を有し、前記空気孔は、前記第2内径部を貫通している。
筒状部の内部にロアコラムが進入すると、ロアコラムは第1内径部により支持される。よって、ロアコラムに対するアッパコラムのがたつきが抑制される。また、ロアコラムが筒状部の内部に進入した場合、ロアコラムと第2内径部との間に隙間が発生する。よって、空気孔は常時開放され、筒状部の内部の空気を確実に排出できる。
上記のステアリング装置の望ましい態様として、前記第1方向と直交する第2方向から前記クランプ部を挟む第1側板及び第2側板を有するブラケットと、前記第1側板及び前記第2側板を貫通する締付軸を有し、前記第1側板と前記第2側板とを締め付ける締付機構と、を備え、前記アッパコラムは、前記スリットを挟んで前記クランプ部から径方向外側に突出し、前記締付機構の締め付け時に前記第1側板及び前記第2側板に押圧される一対の突出部を備え、前記一対の突出部には、前記締付軸が挿入される長溝が設けられ、前記空気孔が貫通している方向は、前記長溝が貫通している方向と平行となっている。
空気孔と長溝を鋳抜きで形成する場合、空気孔を形成する金型と、長溝を形成する金型と、の離型する方向が統一される。つまり、空気孔とテレスコピック用長溝とを一つの金型で形成でき、アッパコラムの製造が容易となる。
また、上記の目的を達成するため、本開示の他の態様に係るステアリング装置は、第1方向に延在し、伸縮自在なステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する外筒のステアリングコラムと、を備え、前記ステアリングコラムは、ロアコラムと、一端部が前記ロアコラムにスライド自在に取り付けられ、他端部に前記ステアリングシャフトを支持する軸受が設けられたアッパコラムと、を備え、前記ロアコラムは、筒状を成す筒状部と、前記筒状の一端部から突出するとともに前記アッパコラムに摺動自在に外嵌され、前記第1方向に延在するスリットが設けられたクランプ部と、を備え、前記筒状部は、前記筒状部の一端部から離隔し、かつ外周面と内周面とを貫通する空気孔を有している。
筒状部の内部は、空気孔により常時開放されている。よって、筒状部の内部にアッパコラムが進入すると、筒状部の内部の空気は、空気孔を介して外部空間に外部に排出される。よって、アッパコラムの外周面と筒状部の内周面とに塗布されたグリスは、空気とともに外部空間に排出されることがない。
また、上記のステアリング装置は前記ステアリングシャフトが短縮した場合、前記アッパコラムと前記空気孔とが前記第1方向に対して直交する方向に重なるようにしてもよい。
上記のステアリング装置の望ましい態様として、前記筒状部の内周面は、前記アッパコラムの外周面に摺接可能な第1内径部と、内径が前記第1内径部よりも大きい第2内径部と、を有し、前記空気孔は、前記第2内径部を貫通している。
筒状部の内部にアッパコラムが進入すると、アッパコラムは第1内径部により支持される。よって、ロアコラムに対するアッパコラムのがたつきが抑制される。また、アッパコラムが筒状部の内部に進入した場合、アッパコラムと第2内径部との間に隙間が発生する。よって、空気孔は常時開放され、筒状部の内部の空気を確実に排出できる。
本開示のステアリング装置は、ロアコラムがアッパコラムの筒状部の内部に進入したとしても、グリスの排出を防止することができる。又は、アッパコラムがロアコラムの筒状部の内部に進入したとしても、グリスの排出を防止することができる。
図1は、本実施形態におけるステアリング装置の側面図である。 図2は、本実施形態におけるステアリング装置の斜視図である。 図3は、本実施形態におけるステアリング装置の側面図である。 図4は、図3のステアリング装置を軸に沿って切った断面図である。 図5は、本実施形態のアッパコラムの側面図である。 図6は、図5のVI-VI線矢視断面図である。 図7は、本実施形態のアッパコラムの底面図である。 図8は、図1のVIII-VIII線矢視断面図である。 図9は、本実施形態のアッパコラムを軸に沿って切った断面図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本実施形態におけるステアリング装置の側面図である。図2は、本実施形態におけるステアリング装置の斜視図である。図3は、本実施形態におけるステアリング装置の側面図である。図4は、図3のステアリング装置を軸に沿って切った場合の断面図である。図5は、本実施形態のアッパコラムの側面図である。図6は、図5のVI-VI線矢視断面図である。図7は、本実施形態のアッパコラムの底面図である。図8は、図1のVIII-VIII線矢視断面図である。図9は、本実施形態のアッパコラムを軸に沿って切った場合の断面図である。
最初に、ステアリング装置100の基本的な構成について説明する。図1に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングホイール101と、ステアリングシャフト102と、第1ユニバーサルジョイント103と、中間シャフト104と、第2ユニバーサルジョイント105と、ピニオンシャフト106と、を備える。
ステアリングホイール101は、ステアリングシャフト102の一端部102aに取り付けられている。そして、運転者がステアリングホイール101を操作すると、軸Oを中心にステアリングシャフト102が回転し、ステアリングシャフト102に操作トルクが付与される。
ステアリングシャフト102の他端部102bと、第1ユニバーサルジョイント103の間には、ギヤボックス110を介在している。ギヤボックス110には、電動モータ120が組み付けられており、ステアリングシャフト102に補助トルクが付与されている。つまり、本実施形態のステアリング装置100は、運転者の操舵を電動モータ120で補助する電動パワーステアリング装置である。なお、本発明は、ギヤボックス110を備えていないステアリング装置に適用してもよい。
中間シャフト104の一端部は、第1ユニバーサルジョイント103と連結している。ピニオンシャフト106は、第2ユニバーサルジョイント105を介して、中間シャフト104の他端部と連結している。以上から、ステアリングシャフト102の操作トルクは、第1ユニバーサルジョイント103、中間シャフト104、第2ユニバーサルジョイント105を介してピニオンシャフト106に伝達される。
図2に示すように、上記した構成以外に、ステアリング装置100は、ステアリングコラム1と、第1ブラケット70と、第2ブラケット80と、締付機構90と、を備える。つぎに、ステアリング装置100の各構成の詳細を説明する。なお、以下の説明において、XYZ直交座標系が用いられる。X軸は、ステアリングシャフト102の軸Oと平行である。Y軸は、ステアリング装置100が搭載された車両の車幅方向に平行である。Z軸は、X軸及びY軸の両方に対して垂直である。X軸と平行な方向はX方向と記載され、Y軸と平行な方向はY方向と記載され、Z軸と平行な方向はZ方向と記載される。X方向のうち車両の前方に向かう方向を+X方向とする。操作者が+X方向を向いた場合の右方向を+Y方向とする。Z方向のうち上方に向かう方向を+Z方向とする。また、X方向を第1方向と言い、Y方向を第2方向と言う場合がある。
図3に示すように、ステアリングシャフト102は、ステアリングコラム1の-X方向の端部から突出した状態で組み付けられている。図4に示すように、ステアリングシャフト102は、円筒軸であるアッパシャフト108と、中実軸であるロアシャフト109と、を備える。アッパシャフト108の-X方向の端部には、ステアリングホイール(図1参照)が取り付けられる。アッパシャフト108の+X方向の端部は、ロアシャフト109に外嵌されている。また、アッパシャフト108の+X方向の端部と、ロアシャフト109の-X方向の端部とは、スプライン嵌合している。よって、アッパシャフト108は、ロアシャフト109に対しX方向にスライド可能となっている。
ロアシャフト109の+X方向の端部は、ギヤボックス110のハウジング111の内部に進入している。ギヤボックス110のハウジング111の内部には、トーションバー112と、トーションバー112の外筒である出力軸114と、出力軸114に外嵌されるウォームホイール115と、が設けられている。ウォームホイール115は、電動モータ120の出力軸114に連結する図示しないウォームと歯合している。よって、電動モータ120が駆動すると、出力軸114にトルクが付与される。
ロアシャフト109の+X方向の端部の外周面は、ハウジング111の内周面に嵌合されたシール部材118と摺接している。また、ロアシャフト109の+X方向の端部は、トーションバー112の-X方向の端部と連結している。トーションバー112の+X方向の端部は、固定ピン113により出力軸114と連結している。出力軸114の+X方向の端部には、第1ユニバーサルジョイント103が連結している。よって、ロアシャフト109の操舵トルクは、トーションバー112と出力軸114と第1ユニバーサルジョイント103を介して、中間シャフト104(図1参照)に伝達される。また、ロアシャフト109の操舵トルクに応じてトーションバー112は捻じれ、ロアシャフト109と出力軸114との間に回転の角度差が生じる。
ロアシャフト109と出力軸114との回転の角度差をなくすため、出力軸114の-X方向の端部には、トルク検出用溝114aが形成されている。また、トルク検出用溝114aの外周側には、円筒部材116が配置されている。円筒部材116は、ロアシャフト109の+方向の端部に固定され、ロアシャフト109と一体に回転する。円筒部材116は、図示しないが径方向に貫通する複数の窓が形成されている。円筒部材116の外周側には、トルクセンサ117が配置されている。
トルクセンサ117は、ハウジング111の内部に設置された図示しないトルク検出回路用基板に検出結果を送信し、トルク検出回路用基板が、ロアシャフト109と出力軸114との回転の角度差を検出する。トルク検出回路用基板は、検出結果に基づいて電動モータ120を駆動し、出力軸114に操舵補助トルクを与える。これにより、ロアシャフト109と出力軸114との回転角度が同じとなる。
図2に示すように、第1ブラケット70は、Y方向に互いに離隔する一対の支持片71を備える。支持片71は、X方向及びY方向に延在する取付板72と、X方向及びZ方向に延在する支持板73と、を備える。取付板72は、図示しないボルトにより車体に固定される。支持板73の-Z方向の端部には、Y方向に延在するピボットシャフト74が回動自在に設けられている。ピボットシャフト74には、ギヤボックス110が固定されている。よって、ギヤボックス110、ステアリングシャフト102、ステアリングコラム1、及びステアリングホイール101は、ピボットシャフト74を中心に回転可能に第1ブラケット70に支持されている(図1の矢印A1、A2参照)。
図4に示すように、ステアリングコラム1は、X方向に延在し、ステアリングシャフト102を囲む外筒である。ステアリングコラム1は、アッパコラム2と、アッパコラム2に対しX方向に配置されるロアコラム3と、を備える。ロアコラム3は、円筒状を成している。ロアコラム3の+X方向の端部は、ギヤボックス110のハウジング111に外嵌されている。ここで、ハウジング111の-X方向の端部の開口は、ロアシャフト109とシール部材118とにより密封されている。また、ギヤボックス110のハウジング111の内部は、密封性が高い。このため、ロアコラム3の内部の気圧が高くなったとしても、ロアコラム3の+X方向の端部の開口からハウジング111の内部に空気が進入し難い。
アッパコラム2は、鋳造により製造されている。図3、図4、図5に示すように、アッパコラム2は、ロアコラム3に外嵌されるクランプ部10と、クランプ部10から-X方向に延出する筒状の筒状部20と、クランプ部10の+X方向の端部に設けられた取付部30と、クランプ部10の外周面から-Z方向に突出する一対の突出部40(図3、図5では1つのみ図示)と、X方向に延在する当接リブ50(図3、図5参照)と、を備える。
筒状部20は、内周面が円形状となっている。筒状部20の内径は、内部にロアコラム3が進入可能な大きさとなっている。筒状部20の-X方向の端部には、軸受21が内嵌されている。そして、筒状部20は、軸受21を介してアッパシャフト108を回転自在に支持している。つまり、筒状部20の-X方向の端部の開口は、軸受21とアッパシャフト108とにより閉じており、密封性が高い。また、軸受21は、軸受21の内部のグリスが漏出することを防止する図示しないシールを有した場合には、筒状部20の-X方向の端部の開口は、さらに密封性が高くなる。よって、筒状部20の内部の気圧が高くなったとしても、筒状部20の-X方向の端部の開口から外部に空気が排出され難い。筒状部20のその他の構成については後述する。
図6に示すように、クランプ部10は、スリット11が設けられている。図7に示すように、クランプ部10のスリット11は、X方向に延在している。よって、クランプ部10は、断面形状が円弧状の状態で、X方向に延在している。そして、クランプ部10に対し外力が作用していない状態で、クランプ部10の内径は、ロアコラム3の外径と略同一となっている。つまり、クランプ部10は、ロアコラム3に対しスライド自在となっている。
図6に示すように、クランプ部10のスリット11は、軸Oから視て-Z方向に位置している。よって、スリット11の溝幅はY方向となっている。これによれば、Y方向から締め付ける圧縮荷重がクランプ部10に作用すると、スリット11の溝幅が狭くなるようにクランプ部10が変形する。つまり、クランプ部10は、縮径して内部に配置されたロアコラム3を挟持する。この結果、クランプ部10の内周面とロアコラム3の外周面との間で高い摩擦力が作用し、アッパコラム2のスライドが規制される。
図7、図9に示すように、取付部30の+Z方向の一部は、切り欠き31が設けられている。図7に示すように、取付部30は、ロアコラム3に対し、-Z方向に円弧状に回り込んでいる。取付部30の外周面であって-Z方向を向く面には、取付リブ32が設けられている。取付リブ32には、雌ねじ穴33が設けられている。雌ねじ穴33には、ハーネス等を支持する図示しないブラケットが取り付けられる。
なお、クランプ部10のスリット11のX方向の両端部には、スリット11よりも溝幅が周方向に拡張している第1拡張スリット12及び第2拡張スリット13が設けられている。この第1拡張スリット12及び第2拡張スリット13により、クランプ部10は、X軸方向に隣り合う筒状部20や取付部30と連続していない部分が増加する。この結果、クランプ部10は、筒状部20や取付部30の剛性の影響が少なくなり、変形し易くなる。
図7に示すように、一対の突出部40、40は、-Z方向から視た場合、スリット11を挟むように配置されている。以下において、一対の突出部40、40のうちスリット11よりも-Y方向に配置されるものを第1突出部41とい、+Y方向に配置されるものを第2突出部42という。第1突出部41及び第2突出部42は、クランプ部10とほぼ同じ長さでX方向に延在している。図5に示すように、X方向に延在する長溝43、44が設けられている。図6に示すように、長溝43、44は、Y方向に貫通している。
図6に示すように、当接リブ50は、一対の第1当接リブ51、51と、一対の第2当接リブ52、52と、を備える。第1当接リブ51は、クランプ部10の外周面から突出している。第2当接リブ52は、第1突出部41、第2突出部42の外側面から突出している。
図5に示すように、第1当接リブ51及び第2当接リブ52は、X方向に直線状に延在している。第1当接リブ51は、Y方向から視て軸Oと重なっている。第1当接リブ51の-X方向の端部は、第2環状リブ23に連続している。第2当接リブ52は、第1突出部41及び第2突出部42の-Z方向の端部に位置し、長溝43、44の縁部に沿って延在している。以上から、第1当接リブ51と第2当接リブ52は、長溝43、44を挟んで配置されている。
図8に示すように、第2ブラケット80は、一対の取付板81、81と、上板82と、第1側板83と、第2側板84と、を備えている。なお、第2ブラケット80を単にブラケットと呼ぶ場合がある。
一対の取付板81は、ステアリングコラム1を挟んでY方向に離隔する板状部材である。取付板81は、離脱カプセル85を介して車体に連結される。離脱カプセル85は、取付板81の-X方向の端部に配置されている。離脱カプセル85は、樹脂部材86によって取付板81に一体化している。離脱カプセル85は、ボルト等によって車体側部材に固定される。そして、車両の2次衝突によりステアリングコラム1に+X方向の荷重が作用した場合(図1の矢印D1参照)、樹脂部材86が剪断して取付板81のみが+X方向に移動し、第2ブラケット80が車体から離脱する。
上板82は、一対の取付板81、81同士を連結する板状部材である。第1側板83と第2側板84は、X方向及びZ方向に延在する板状部材である。第1側板83は、クランプ部10よりも-Y方向に配置されている。第2側板84は、クランプ部10よりも+Y方向に配置されている。つまり、第1側板83と第2側板84とは、ステアリングコラム1のクランプ部10を挟んで、Y方向に離隔している。第1側板83と第2側板84は、一対の取付板81、81と上板82とに対し、溶接により一体化している。第1側板83と第2側板84とには、Z方向に延在する円弧溝83a、84aが形成されている。円弧溝83a、84aは、ピボットシャフト74(図1、図2、図3参照)を中心に円弧状に形成されている。また、第1側板83におけるX方向の端部には、-Y方向に突出する突出板87が設けられている。このため、第1側板83は、Y方向に対する剛性が第2側板84よりも高い。
締付機構90は、クランプ部10を締め付けてクランプ部10に圧縮荷重を与えるための装置である。締付機構90は、締付軸91と、操作レバー92と、固定カム93と、回転カム94と、ナット95と、スペーサ96と、スラストベアリング97と、を備える。
締付軸91は、棒状部材である。締付軸91は、-Y方向から+Y方向に向かって順に、第1側板83の円弧溝83a、クランプ部10の長溝43、44、第2側板84の円弧溝84aに挿入され、Y方向に延在している。締付軸91の-Y方向の端部には、頭部91aが設けられている。締付軸91の-Y方向の端寄りには、操作レバー92が連結している。操作レバー92は、締付軸91から-X方向に延出し、車内の運転者によって操作可能となっている(図1、図2参照)。そして、運転手が締付軸91を中心に操作レバー92を回転操作すると、締付軸91が連動して回転する。
固定カム93及び回転カム94は、締付軸91に貫通された状態で、第1側板83と操作レバー92との間に配置されている。固定カム93は、第1側板83に隣接している。固定カム93の一部は、第1側板83の円弧溝83aに嵌合している。よって、固定カム93は、締付軸91に連動して回転しない。回転カム94は、操作レバー92に隣接している。回転カム94は、操作レバー92と連結し、操作レバー92と一体に回転する。固定カム93と回転カム94との互いの対向面には、周方向に沿った傾斜面が設けられている。操作レバー92の操作により回転カム94が回転すると、回転カム94の傾斜面に固定カム93の傾斜面が乗り上げたり、若しくは乗り下げたりする。これにより、固定カム93と回転カム94とのY方向の距離が変化する。
締付軸91の+Y方向の端部に、雄ねじ部91bが設けられている。この雄ねじ部91bには、ナット95が螺合している。これにより、締付軸91が円弧溝83a、84a、長溝43、44から抜け落ちないようになっている。スペーサ96及びスラストベアリング97は、締付軸91に貫通された状態で、第2側板84とナット95との間に配置されている。スペーサ96は、第2側板84であって円弧溝84aの周辺に当接している。スラストベアリング97は、ナット95とスペーサ96との間に配置されている。
以上から、操作レバー92の操作により固定カム93と回転カム94とがY方向に離間した場合、締付軸91の頭部91aが-Y方向に押圧され、ナット95が-Y方向に移動する。これにより、固定カム93とスペーサ96とにおけるY方向の距離が縮まり、固定カム93と第1側板83の摩擦力と、スペーサ96と第2側板84の摩擦力と、が大きくなる。この結果、締付軸91は、円弧溝83a、84aに沿ってZ方向に移動することが規制される。よって、締付軸91に貫通されるアッパコラム2もZ方向に移動することが規制され、ステアリングホイール101におけるZ方向の位置が固定される。
また、第1側板83及び第2側板84は、固定カム93及びスペーサ96からY方向に締め付けられる。このため、第1側板83及び第2側板84の内側面は、アッパコラム2の一対の第2当接リブ52に当接する。また、第1側板83及び第2側板84は、一対の第2当接リブ52同士が圧縮するように押圧する。これにより、第1突出部41及び第2突出部42は、Y方向への圧縮荷重を受ける。クランプ部10は、スリット11の溝幅が狭くなり、ロアコラムを挟持する。これにより、アッパコラム2は、ロアコラム3に固定され、ステアリングホイール101のX方向の移動が規制される。
また、第1側板83及び第2側板84は、一対の第2当接リブ52、52以外に、一対の第1当接リブ51、51を押圧する。これによれば、一対の第1当接リブ51、51に圧縮荷重が作用し、クランプ部10を縮径させることができる。なお、第1当接リブ51は、締付力が作用する締付軸91から離隔している。よって、第1当接リブ51に作用する圧縮荷重は、第2当接リブ52に作用する圧縮荷重よりも小さい。一方で、第2当接リブ52に圧縮荷重を与えても、第1突出部41及び第2突出部42の-方向の端部のみが近接するように、第1突出部41及び第2突出部42が傾倒してクランプ部10のスリットが狭くならない可能性がある。つまり、第1当接リブ51によれば、第1突出部41及び第2突出部42を介することなく、クランプ部10に圧縮荷重を与えることができる。このため、操作レバー92の操作時、クランプ部10がロアコラム3を確実に挟持するようになっている。
一方で、操作レバー92の操作により、固定カム93と回転カム94とがY方向に近接した場合、固定カム93とスペーサ96とにおけるY方向の距離が拡大する。これにより、固定カム93と第1側板83の摩擦力が低下する。併せて、スペーサ96と第2側板84の摩擦力も低下する。よって、締付軸91は、円弧溝83a、84aに沿ってZ方向に移動することが許容される。そして、ステアリングホイール101に対してZ方向への荷重を加えると、ステアリングコラム1、ステアリングシャフト102、及びギヤボックス110は、ピボットシャフト74(図1を参照)を中心として、矢印A1方向又は矢印A2方向に回転する。これにより、ステアリングホイール101のZ方向の位置が変更する。
また、第1当接リブ51及び第2当接リブ52は、第1側板83及び第2側板84の締め付けが解除される。よって、クランプ部10は、スリット11の溝幅が広くなり、ロアコラム3の挟持を解除する。そして、ステアリングホイール101に対してX方向への荷重を加えると、アッパコラム2及びアッパシャフト108がX方向にスライドする。これにより、ステアリングホイール101のX方向の位置が変更される(図1の矢印B1、B2参照)。
次にアッパコラム2の筒状部20の詳細について説明する。図5に示すように、筒状部20の外周面20aには、互いにX方向に離隔して配置された第1環状リブ22及び第2環状リブ23が設けられている。筒状部20の外周面20aであって第1環状リブ22及び第2環状リブ23との間には、X方向に延在する直線状の直線リブ24a、24b、24c、24d(直線リブ24dについては図7参照)が90度間隔で4つが設けられている。このため、筒状部20の剛性は非常に高い。
ここで、図1に示すように、2次衝突の際、ステアリングホイール101には、車両の前方に向かう荷重が作用する(図1の矢印D1参照)。これにより、図5に示すように、筒状部20において軸Oから視て+Z方向の壁部には、圧縮荷重(図5の矢印D2参照)が作用する。また、筒状部20において軸Oから視て-Z方向の壁部には、引っ張り荷重(図5の矢印D3参照)が作用する。仮に、筒状部20が変形すると、筒状部20の内部にロアコラム3が進入できなくなる。言い換えると、2次衝突時、ステアリングシャフト102を短縮させて衝突エネルギーを吸収する、ということが達成できなくなる。以上から、直線リブ24a、24cは、2次衝突時に筒状部20に作用する圧縮荷重と引っ張り荷重に対する剛性を向上させるリブである。
図5、図9に示すように、筒状部20には、筒状部20の外周面20aと内周面20bとを貫通する空気孔25が設けられている。空気孔25は、筒状部20のうち軸Oから視て+Y方向に位置する壁部に設けられ、直線リブ24bに隣り合っている。よって、筒状部20に空気孔25に設けたとしても、筒状部20のうち軸Oから視て+Z方向や-方向に配置された壁部の剛性が低下しないようになっている。
空気孔25は、Y方向に延在している。つまり、空気孔25が貫通している方向は、突出部40の長溝43、44が貫通している方向と平行となっている。ここで、長溝43、44は、鋳抜きにより形成される。詳細には、長溝43は、アッパコラム2から-Y方向に離型する金型によって形成される(図6の矢印C1参照)。長溝44は、アッパコラム2から+Y方向に離型する金型によって形成される(図6の矢印C2参照)。よって、空気孔25を形成する金型と長溝44を形成する金型との離型方向が統一され、単一の金型で空気孔25と長溝44とを形成することができる。
図9に示すように、筒状部20の内周面20bは、軸受21が+X方向に移動することを規制する鍔部26と、ロアコラム3の外周面に摺接する第1内径部27と、内径が第1内径部27よりも大きい第2内径部28と、を備えている。
鍔部26は、筒状部20の-X方向の端寄りに設けられている。第1内径部27は、筒状部20の+X方向の端寄りに設けられている。また、第1内径部27は、+X方向に延出し、クランプ部10の内周面に跨って設けられている。この第1内径部27は、クランプ部10が縮径していない場合、ロアコラム3の外周面が摺動する面である。また、クランプ部10の内周面には、第1内径部27から+X方向に離隔し、内径が第1内径部27の内径と同一である第3内径部14が設けられている。言い換えると、第1内径部27と第3内径部14との間には、第1内径部27と第3内径部14の内径よりも大径に形成された第4内径部15が設けられている。これにより、クランプ部10が縮径した場合、クランプ部10の挟持力は、第1内径部27と第3内径部14に集中するようになる。第2内径部28は、筒状部20のX方向の中央部に位置している。また、空気孔25は、筒状部20のX方向の中央部に位置し、筒状部20の+X方向の端から離間している。そして、空気孔25は、第2内径部28を貫通している。
次に筒状部20とロアコラム3との関係について図9を参照しながら説明する。なお、符号3A、3B、及び3Cで示す破線は、ロアコラム3の-X方向の端面を示す。ステアリングシャフト102のX方向の長さが最長となっている場合、アッパコラム2は-X方向にスライドしている。この時、図9の符号3Aに示すように、ロアコラム3は、筒状部20の内部に進入していない。よって、筒状部20の+X方向の端部は、開口している。筒状部20の内部の空気は、空気孔25、若しくはクランプ部10のスリット11を介して、外部空間と連通している。
続いて、ステアリングシャフト102のX方向の長さが縮められ、アッパコラム2がX方向にスライドした場合、図9の符号3Bに示すように、ロアコラム3は、筒状部20の内部に進入する。すると、筒状部20の内部は、ロアコラム3の-X方向の端部の開口を介して、ロアコラム3の内部と連続する(図4参照)。そして、筒状部20の内部とロアコラム3の内部とからなる空間は、+X方向の端部がロアシャフト109とシール部材118とギヤボックス110とにより閉じている。また、筒状部20の内部とロアコラム3の内部とからなる空間は、-X方向の端部が軸受21とアッパシャフト108とにより閉じられている。一方で、筒状部20の内部は、空気孔25を介して、外部空間と連通している。よって、筒状部20の内部とロアコラム3の内部とからなる空間の気圧が上昇すると、筒状部20の内部の空気が空気孔25を介して外部空間に排出される。
続いて、ステアリングシャフト102のX方向の長さが最短となった場合、図9の符号3Cに示すように、ロアコラム3は、筒状部20の内部に進入する進入量が増加する。そして、ロアコラム3の進入量が所定量を超えると、ロアコラム3の外周面は、空気孔25と対向するようになる。言い換えると、ロアコラム3と空気孔25は、軸Oに対して直交する方向に重なる。ここで、第2内径部28の内径は、第1内径部27の内径よりも大径となっており、第2内径部28とロアコラム3の外周面の間には、隙間が生じている。よって、筒状部20の内部の空気は、第2内径部28とロアコラム3の外周面の間に生じた隙間と空気孔25を介して、外部空間と連通している。以上、本実施形態によれば、筒状部20の内部の空気は、ロアコラム3と第1内径部27との間を通過して外部空間に排出されることがない。
以上で説明したように、実施形態のステアリング装置100は、第1方向に延在し、伸縮自在なステアリングシャフト102と、ステアリングシャフト102を回転自在に支持する外筒のステアリングコラム1と、を備える。ステアリングコラム1は、ロアコラム3と、一端部がロアコラム3にスライド自在に取り付けられ、他端部にステアリングシャフト102を支持する軸受21が設けられたアッパコラム2と、を備える。アッパコラム2は、ロアコラム3に摺動自在に外嵌され、第1方向に延在するスリット11が設けられたクランプ部10と、筒状を成し、一端部はクランプ部10と連続し、他端部は軸受21が内嵌されて閉じている筒状部20と、を備える。筒状部20は、筒状部20の一端部から離隔し、かつ外周面20aと内周面20bとを貫通する空気孔25を有している。
筒状部20の内部の空気は、空気孔25を介して外部空間に外部に排出される。つまり、筒状部20の内部の空気は、ロアコラム3の外周面と筒状部20の内周面の間から排出されない。よって、ロアコラム3の外周面と筒状部20の内周面とに塗布されたグリスが外部空間に排出されることを防止できる。
実施形態のステアリング装置100において、ステアリングシャフト102が短縮した場合、ロアコラム3と空気孔25とが第1方向に対して直交する方向に重なる。また、実施形態のステアリング装置100の筒状部20の内周面20bは、ロアコラム3の外周面に摺接可能な第1内径部27と、内径が第1内径部27よりも大きい第2内径部28と、を有する。空気孔25は、第2内径部28を貫通している。
筒状部20の内部に進入したロアコラムは、第1内径部27により支持される。よって、ロアコラム3に対するアッパコラム2のがたつきが抑制される。また、ロアコラム3と第2内径部28との間に隙間が発生するため、空気孔25は常時開放される。
実施形態のステアリング装置100において、第1方向と直交する第2方向からクランプ部10を挟む第1側板83及び第2側板84を有するブラケットと、第1側板83及び第2側板84を貫通する締付軸91を有し、第1側板83と第2側板84とを締め付ける締付機構90と、を備える。アッパコラム2は、スリット11を挟んでクランプ部10から径方向外側に突出し、締付機構90の締め付け時に第1側板83及び第2側板84に押圧される一対の突出部40、40を備える。一対の突出部40、40には、締付軸91が挿入される長溝43、44が設けられている。空気孔25が貫通している方向は、長溝43、44が貫通している方向と平行となっている。
空気孔25と長溝44とを鋳抜きにより形成する場合、空気孔25を形成する金型と長溝44を形成する金型との離型方向が統一され、単一の金型で空気孔25と長溝44とを形成することができる。よって、ロアコラム3の製造が容易となる。
以上、実施形態について説明したが、本開示のステアリング装置は、ロアコラムが筒状部とクランプ部を有し、ロアコラムの筒状部にアッパコラムが進入するものにも適用可能である。つまり、ステアリング装置は、第1方向に延在し、伸縮自在なステアリングシャフトと、ステアリングシャフトを回転自在に支持する外筒のステアリングコラムと、を備える。ステアリングコラムは、ロアコラムと、一端部が前記ロアコラムにスライド自在に取り付けられ、他端部にステアリングシャフトを支持する軸受が設けられたアッパコラムと、を備える。そして、ロアコラムは、筒状を成す筒状部と、筒状の一端部から突出するとともにアッパコラムに摺動自在に外嵌され、第1方向に延在するスリットが設けられたクランプ部と、を備える。筒状部は、前記筒状部の一端部から離隔し、かつ外周面と内周面とを貫通する空気孔を有している。このようなステアリング装置であれば、ロアコラムの筒状部にアッパコラムが進入した場合、筒状部の内部の空気は、空気孔を介して外部空間に外部に排出される。よって、アッパコラムの外周面と筒状部の内周面とに塗布されたグリスが外部空間に排出されることを防止できる。

また、ロアコラムの筒状部にアッパコラムが進入して、ステアリングシャフトが短縮した場合には、アッパコラムと空気孔とが前記第1方向に対して直交する方向に重なるようになる。このような場合、筒状部の内周面は、アッパコラムの外周面に摺接可能な第1内径部と、内径が前記第1内径部よりも大きい第2内径部と、を有する。そして、空気孔は、前記第2内径部を貫通するようにしてもよい。これによれば、筒状部の内部に進入したアッパコラムは、第1内径部により支持される。よって、ロアコラムに対するアッパコラムのがたつきが抑制される。また、アッパコラムと第2内径部との間に隙間が発生するため、空気孔は常時開放される。
100 ステアリング装置
101 ステアリングホイール
102 ステアリングシャフト
108 アッパシャフト
109 ロアシャフト
110 ギヤボックス
1 ステアリングコラム
2 アッパコラム
3 ロアコラム
10 クランプ部
11 スリット
12 第1拡張スリット
13 第2拡張スリット
20 筒状部
21 軸受
25 空気孔
27 第1内径部
28 第2内径部
30 取付部
40(41、42) 突出部(第1突出部、第2突出部)
43、44 長溝
50 当接リブ
51 第1当接リブ
52 第2当接リブ
70 第1ブラケット
74 ピボットシャフト
80 第2ブラケット(ブラケット)
83 第1側板
84 第2側板
90 締付機構
91 締付軸
92 操作レバー
93 固定カム
94 回転カム
95 ナット

Claims (3)

  1. 第1方向に延在し、伸縮自在なステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する外筒のステアリングコラムと、
    を備え、
    前記ステアリングコラムは、
    ロアコラムと、
    一端部が前記ロアコラムにスライド自在に取り付けられ、他端部に前記ステアリングシャフトを支持する軸受が設けられたアッパコラムと、
    を備え、
    前記アッパコラムは、
    前記ロアコラムに摺動自在に外嵌され、前記第1方向に延在するスリットが設けられたクランプ部と、
    筒状を成し、一端部は前記クランプ部と連続し、他端部は前記軸受が内嵌されて閉じている筒状部と、
    を備え、
    前記筒状部は、前記筒状部の一端部から離隔し、かつ外周面と内周面とを貫通する空気孔を有しており、
    前記ステアリングシャフトが短縮した場合、前記ロアコラムと前記空気孔とが前記第1方向に対して直交する方向に重なり、
    前記筒状部の内周面は、
    前記ロアコラムの外周面に摺接可能な第1内径部と、
    内径が前記第1内径部よりも大きい第2内径部と、
    を有し、
    前記空気孔は、前記第2内径部を貫通している
    ステアリング装置。
  2. 第1方向に延在し、伸縮自在なステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する外筒のステアリングコラムと、
    前記第1方向と直交する第2方向から前記ステアリングコラムのクランプ部を挟む第1側板及び第2側板を有するブラケットと、
    前記第1側板及び前記第2側板を貫通する締付軸を有し、前記第1側板と前記第2側板とを締め付ける締付機構と、
    を備え、
    前記ステアリングコラムは、
    ロアコラムと、
    一端部が前記ロアコラムにスライド自在に取り付けられ、他端部に前記ステアリングシャフトを支持する軸受が設けられたアッパコラムと、
    を備え、
    前記アッパコラムは、
    前記ロアコラムに摺動自在に外嵌され、前記第1方向に延在するスリットが設けられた前記クランプ部と、
    筒状を成し、一端部は前記クランプ部と連続し、他端部は前記軸受が内嵌されて閉じている筒状部と、
    を備え、
    前記筒状部は、前記筒状部の一端部から離隔し、かつ外周面と内周面とを貫通する空気孔を有しており、
    前記アッパコラムは、前記スリットを挟んで前記クランプ部から径方向外側に突出し、前記締付機構の締め付け時に前記第1側板及び前記第2側板に押圧される一対の突出部を備え、
    前記一対の突出部には、前記締付軸が挿入される長溝が設けられ、
    前記空気孔が貫通している方向は、前記長溝が貫通している方向と平行となっている
    ステアリング装置。
  3. 第1方向に延在し、伸縮自在なステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する外筒のステアリングコラムと、
    を備え、
    前記ステアリングコラムは、
    ロアコラムと、
    一端部が前記ロアコラムにスライド自在に取り付けられ、他端部に前記ステアリングシャフトを支持する軸受が設けられたアッパコラムと、
    を備え、
    前記ロアコラムは、
    筒状を成す筒状部と、
    前記筒状部の一端部から突出するとともに前記アッパコラムに摺動自在に外嵌され、前記第1方向に延在するスリットが設けられたクランプ部と、
    を備え、
    前記筒状部は、前記筒状部の一端部から離隔し、かつ外周面と内周面とを貫通する空気孔を有しており、
    前記ステアリングシャフトが短縮した場合、前記アッパコラムと前記空気孔とが前記第1方向に対して直交する方向に重なり、
    前記筒状部の内周面は、
    前記アッパコラムの外周面に摺接可能な第1内径部と、
    内径が前記第1内径部よりも大きい第2内径部と、
    を有し、
    前記空気孔は、前記第2内径部を貫通している
    ステアリング装置。
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