以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
図1から図37は、遊技機島1に関する図面である。図38から図67は、遊技機島1を構成するユニット10に関する図面である。図68から図110は、ユニット10を設置するレール20に関する図面である。図111から図118は、ユニット10に収容する補給装置100に関する図面である。図119から図155は、揚送研磨装置30に関する図面である。図156から図177は、補給樋50に関する図面である。図178から図192は、貯留タンク40に関する図面である。図193から図196は、間柱部材106に関する図面である。
各図において、構成要素の相対的な寸法関係や形状等は、適宜設計変更されるものであり、実際のものとは異なる場合がある。また、各図における縮尺比率は必ずしも同一ではない。また、断面図においては、ハッチングを一部省略している。なお、本実施形態で示される構成要素、形状、数値等は、何れも本発明の一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。以下、各構成要素について順に説明する。
<遊技機島1の概要>
先ず、遊技機島1の概要から説明する。
図1から図9に示すように、遊技機島1は、フロア上に設置するユニット10を1ないし複数備えてなり、各ユニット10内には、遊技機2の他、後述する遊技関連機器として、揚送研磨装置30、貯留タンク40、補給樋50等が収容されている。遊技機島1を構成するユニット10は、1台の遊技機2ごとに独立している単体島に相当している。
ユニット10は、複数種類の遊技機2を1台単位で設置可能に構成されている。複数種類の遊技機2としては、例えばパチンコ機2A、パチスロ機2B等がある。本実施形態では遊技機2の種類として、パチンコ機2Aとパチスロ機2Bの2種類を例示するが、この2種類だけに限定されるものではない。なお、パチンコ機2Aとパチスロ機2Bを総称するときは、単に遊技機2と表記する。なお、ユニット10を組み合わせた遊技機島1全体の天井や側壁には、パネル状の天井化粧板6,側壁化粧板7が装着されている。また、ユニット10の下部に重荷重用キャスターを設け、移動できるようにしても良い。
パチンコ機2Aは、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を使用して遊技を行うものである。図1に示すように、パチンコ機2Aは、遊技球を遊技盤面3上に打ち出すためのハンドル4、遊技球を貯留する受け皿5等を備えている。また、パチンコ機2Aに隣接して、紙幣の挿入やキャッシュレス決済媒体(クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、スマートフォン(非接触型IC決済、二次元バーコード決済)等)の受け付けにより遊技球を貸し出す台間サービス機(カードユニット)8が並設されている。このようなパチンコ機2Aは、次述するパチスロ機2Bとは外径寸法が異なり、特にハンドル4は機体の低い位置に配置されている。
パチスロ機2Bは、遊技媒体としてメダルを使用するものであるが、本実施形態では実際のメダルは使用せず、データとして計数される仮想のメダルを使用するタイプ(メダルレス機)である。パチスロ機2Bは、回転する各リールや仮想メダルを表示可能な画面の他、画面上の各リールを回転させたり停止させるボタン等の操作部(図示せず)を備えている。このようなパチスロ機2Bは、前述のパチンコ機2Aとは外径寸法が異なり、特に操作部が全高の中央付近に配置されている。
図1から図9に示す遊技機島1は、2台のユニット10が両側方向に並べて設置され、各ユニット10間に台間部材60が装着されている。さらに、2台のユニット10は、背中合わせに前後2列に組み合わされている。よって、遊技機島1は、合計4台のユニット10を備えている。ここで前後の各列で2台並ぶユニット10には、それぞれ同じ種類の遊技機2が収容されているが、図33に示すように、両側方向に並ぶユニット10には、左右で異なる種類の遊技機2を収容しても良い。
<ユニット10>
図38から図45に示すように、ユニット10は、その正面および背面が縦長の長方形に開口したケース枠状に形成されており、基本的な構造として左右一対の側面板11,11を備えている。ここで側面板11は、本発明の「側面部」に相当する。両側面板11,11の下端側には、後述するレール20の取付構造の一部をなす開口部110が設けられている。
また、開口部110の上方には、取手孔111が設けられている。この取手孔111があるため、ユニット10の施工時には容易に持ち運ぶことができる。ここで取手孔111は、ユニット11の内部で球こぼれの影響のない位置、すなわち外部に球がこぼれ出る虞のない位置に設けられている。具体的には例えば、取手孔111の設ける位置は天板部材13よりも下側が考えられる。また、封入式遊技機の場合は、球がこぼれることがないため、取手孔111の位置は、天板部13より上側かつ切欠部112より下側に設けるようにしても良い。
両側面板11,11の上半側には、その後端縁側から切り欠いた切欠部112が設けられている。切欠部112は、各ユニット11を背中合わせに組み合わせたとき、互いに合わさって1つの開口112a(図63(a)参照)を形成するものである。ここで開口112aは、遊技機島1全体として、その島幅中央部分を貫通する遊技設備機器(例えば搬送装置等)の配置スペースとなる。
従来の単体島では、単体島間に連続させるような関連機器の配置は想定されておらず、よって、単体島間に連なる紙幣搬送装置を配置可能な開口部の類いも一切存在しなかった。ここで紙幣搬送装置は、例えば台間サービス機8に挿入された紙幣を、遊技機島の端に設けた紙幣収納部に搬送するための装置である。ただし、台間サービス機8がキャッシュレス決済により遊技球を貸し出す場合、紙幣搬送装置の配置スペースとなる切欠部112は設けなくても良い。
ユニット10の内部は、複数種類ある遊技機2の異なる外形寸法のものでも収容可能に設定されている。本実施形態のユニット10では、パチンコ機2Aとパチスロ機2Bとを、それぞれ別々のレイアウトに変更した上で収容可能に構成されている。図52に示すように、ユニット10の内部は、下から順に例えば、収納部101と、交換配置部102と、遊技機配置部103とに、それぞれ棚板をなす略水平な仕切部材121,122、それに天板部材13によって区画されている。
図52,図53に示すように、下側の仕切部材121は、ユニット10下側の内部を横断する両側幅と奥行幅を有し、関連機器である後述の揚送研磨装置30を載置可能な強度を備えており、例えば木製で平板状に形成されている。上側の仕切部材122は、前記仕切部材121よりも奥行幅は狭く、天板部材13を直接載置したり、あるいは下部配置部材15を介して天板部材13を載置するものである。
天板部材13は、遊技機2を設置するものであり、各仕切部材121,122よりも奥行幅は広く形成されている。図46から図49に示すように、天板部材13は、基本的には木製で平板状に形成されているが、その上面の前半側は金属板130で覆われている。この金属板表面には、ローレット加工が施されている。すなわち、金属板130の表面には、ユニット10の奥行方向と平行に延びる細かな凹凸が設けられており、特にパチスロ機2Bを載置するときの摺動抵抗を減らすことができる。なお、金属板130は、天板部材13の表面に固着する必要はなく、例えば両側面板11,11間に架設される押えバー133(図46参照)によって上から押さえ付けることもできる。
図52において、ユニット10内の収納部101は、両側面板11,11間でフロア上から、あるいは必要に応じてフロア上に設置した底面板(図示せず)から、両側面板11,11間の所定高さに配置された仕切部材121を経て、さらに上方に配置された仕切部材122に至る内部空間である。収納部101のうち、フロア(底面板)から上方の仕切部材121までの空間は、使用しない関連機器の収容スペースとなっている。
また、収納部101のうち、仕切部材121からその上方の仕切部材122までの空間は、揚送研磨装置30の本体31の収容スペースとなっている。ここで揚送研磨装置30は、パチンコ機2Aのみで使用されるものであるが、パチスロ機2Bに交換しても、そのまま仕切部材121上の収納部101に残置されるように固定されている。よって、仕切部材121および仕切部材122は、それぞれ各側面板11間の当該位置に水平に固定されている。
収納部101において、送研磨装置30以外のスペースには、例えばパチスロ機2Bでは不要な貯留タンク40や補給樋50のほか、後述する上部配置部材16や下部配置部材15等の部材も適宜収容することができる。これにより、上部配置部材16と下部配置部材15を共有化する必要がないので、遊技機2の上方の高さが、パチンコ機2Aに応じた天板部材13と、パチスロ機2Bに応じた天板部材13との高さの差と一致しない場合にも、パチンコ機2Aとパチスロ機2Bの変換設置を問題なく行うことができる。また、貯留タンク40のように容器状の部材には、例えば計数器8a等の比較的小型な関連部品の小物入れとして活用することができ、これにより、細かな部品が紛失することを防止することができる。
交換配置部102は、両側面板11,11間で仕切部材122からその上の天板部材13までの内部空間であり、図53において右側のユニット10に示すように、後述する下部配置部材15によって高さが保持されている。交換配置部102には、パチンコ機2Aの関連機器である貯留タンク40が収容されるが、パチスロ機2Bでは貯留タンク40は不要である。よって、交換配置部102は、ユニット10にパチスロ機2Bを設置する場合は不要となり、上方の遊技機配置部103に統合される。
すなわち、図53において左側のユニット10に示すように、下部配置部材15や貯留タンク40を取り外して、天板部材13を仕切部材122上に載置すると、遊技機配置部103は、交換配置部102を含む領域となり、遊技機2の設置高さを低い位置に変更することができる。このような交換配置部102を含む遊技機配置部103は、パチスロ機2Bの収容に適している。
図46,図47に示すように、天板部材13は、両側面板11,11間に架設される取付ブラケット131を介して設置されており、その高さ位置を変更することが可能である。すなわち、両側面板11,11間に架設される取付ブラケット131の取付位置を、仕切部材122上のパチスロ機2B用の位置と、仕切部材122に配置した下部配置部材15上のパチンコ機2A用の位置とに変更することができる。ここでの取付ブラケット131の取付位置の変更は、後述する上方載置部材127の場合と同様な係合部12a,12bを用いると良い。
また、取付ブラケット131の両側端は、天板部材13で両側面板11,11の内面に露出するが、当該部分は全て後述するフレーム部材113のフレーム端縁の背後に隠れるクリアランスK(図12(c)参照)に収まるように設定されている。このように、ユニット10内における遊技機2の変更時に、天板部材13の位置を変更するための取付ブラケット131は、ユニット10の正面開口の両端をなすフレーム部材113の内側に収められている。
これにより、ユニット10の正面開口において、正面視で側面板11の内面よりフレーム部材11の端縁を越えて内側に突出する他部材は存在しない。従って、ユニット10の正面開口から遊技機2自体や関連機器を導入するときに、他部材と干渉する虞はなく効率良く設置することが可能となる。ここで仮に、固定具等の他部材が突出してしまうと、遊技機2自体や、その他の関連機器に干渉してしまうので、設置に有効なスペースに余分に間柱等(隙間埋め)を使用する必要がある。
そのため、余分にコストがかかるだけなく、場合によっては、何が設置できるかを都度の確認する必要があり、使い勝手が良くない。このように、側面板11の内面よりフレーム部材11の端縁を越えて内側に他部材を突出させない構成は、天板部材13の取付箇所に限らず、後述の上方載置部材127や前述の仕切部材121,122も含めた全ての部材の側面板11,11の内面に対する取付箇所においても同様である。
また、図53において右側のユニット10に示すように、天板部材13がパチンコ機2A用の位置にあるときは、天板部材13の後半側には、上方仕切部材128が重ね合わされて段部が形成されている。ここで上方仕切部材128の後端側は、両側面板11,11間に架設された押えブラケット132によって上からも押さえられている。パチンコ機2Aは、本体の奥行幅が比較的狭いので、パチンコ機2Aの本体は、天板部材13の後半側の上方仕切部材128に載置し、天板部材13の前半側は玉箱を置いたり、遊技者が個人利用できるスペースとなる。かかる天板部材13上のパチンコ機2Aは、ハンドル4が遊技者にとって操作しやすい高さ位置となる。
一方、パチスロ機2Bは、本体の奥行幅が大きいため、天板部材13だけでは収まりきらない。そこで、図50において右側のユニット10に示すように、後述する背面板19の一部である可動背面板190を外して、天板部材13の後端縁に連なるように水平に配置するように設定されている。この可動背面板190および天板部材13の全体に、パチスロ機2Bを載置することになる。かかる天板部材13上のパチスロ機2Bは、操作部が遊技者にとって操作しやすい高さ位置となる。
図38等に示すように、ユニット10の上部では、両側面板11,11の上端間に、前後に並ぶ上端前部材125と上端後部材126とが架設されている。また、両側面板11,11間で上端前部材125の下方には、所定の奥行幅を有する上方載置部材127が架設されている。上方載置部材127は、後述する補給樋50等の関連機器を設置する部位をなすものである。上方載置部材127は、例えば木製で両側方向に水平に延びる細幅な板状に形成されているが、その前端縁に沿って金属製で所定高さに立ち上がるフランジが設けられている。
上方載置部材127は、その高さ位置を変更することができる。すなわち、両側面板11,11の内面には、例えば上下2段の位置決めをなす係合部12a,12bが設けられている。各係合部12a,12bは、例えば上方載置部材127の端縁を載置可能な厚みと奥行幅を有する縦板状に形成された位置決め材からなる。両側面板11,11の内側で相対向する係合部12a,12bの上端縁に、上方載置部材127の両端を載置した状態で、ブラケット等の固定具12cで固定することができる。
上方載置部材127には、パチンコ機2Aで使用する補給樋50を設置するが、このときは、図52において左側のユニット10のように、補給樋50の高さ分だけ下方位置(係合部12a上)に固定する。一方、パチスロ機2Bでは補給樋50は不要なため、図52において右側のユニット10のように、上方載置部材127は、上方位置(係合部12b上)に取り付けると良い。
また、図33,図57等に示すように、ユニット10は、パチンコ機2Aの下方に配置される下部配置部材15と、パチスロ機2Bの上方に配置される上部配置部材16と、を有している。上部配置部材16は、例えばアルミニウム等の金属製でパネル状に形成されており、ユニット10の上方仕切部材128上の正面開口を覆うように、両側面板11,11間に垂直に立てた状態で配置されている。なお、下部配置部材15は、図53にも示すように、その正面壁を自立させる底面壁と両側壁を備えた略L字形断面の部材であり、例えば木製で板材を組み合わせて構成されている。
また、上部配置部材16には紙幣投入口16aが設けられており、内部に図示しない紙幣識別機が設置されている。このため、上部配置部材16の高さは、パチンコ機2Aの天板部材13とパチスロ機2Bの天板部材13との高さの差と一致しない状態となる。しかし、前述したように上部配置部材16または下部配置部材15を収納可能な収納部101を備えたことにより、上部配置部材16と下部配置部材15を共有化する必要がないので、パチンコ機2Aとパチスロ機2Bの変換設置を問題なく行うことができる。
上部配置部材16および下部配置部材15は、それぞれネジ等の固着手段を用いることなく、着脱可能に取り付けられている。ユニット10にパチンコ機2Aを設置する場合、交換配置部102に貯留タンク40が収容されるが(図52参照)、この交換配置部102の正面側が下部配置部材15によって覆われる。一方、ユニット10にパチスロ機2Bを設置する場合、交換配置部102から貯留タンク40と下部配置部材15は取り外されて収納部101に収容される。このとき、パチスロ機2Bの正面側上方は、収納部101に収容されていた上部配置部材16によって覆われることになる。なお、上部配置部材16の具体的な取付構造については後述する。
ユニット10の正面側において、図33等に示すように、下部配置部材15の下側には腰板部材17が設けられている。腰板部材17は、例えば木製で平板状に形成されている。腰板部材17は、収納部101(図52参照)の上半側で仕切部材121上の収容された揚送研磨装置30を覆うように、両側面板11,11間に配置されている。腰板部材17は、揚送研磨装置30の保守点検時に開ける必要があるため、例えば下端縁を回転中心として、上端縁を前方に開くことができるように取り付けられている。
図58から図60に示すように、腰板部材17は、木製で平板状に形成されている場合、その両側端縁と下端縁が金属製のフレームで補強され、下端縁の両端に、それぞれ側方へ突出する一対の回転軸170,170が設けられている。回転軸170は、両側面板11,11の前端内側あるいは後述のフレーム部材113に設けた軸受孔(図示せず)に回動可能に嵌入されて、腰板部材17の開閉中心となる。なお、腰板部材17は、木製に限らず、例えばアルミニウム等の金属の押出成形により所定厚の平板状に形成しても良い。
腰板部材17の別の取付構造として、例えば腰板部材17の両側端縁に沿って長溝(図示せず)を形成し、この長溝に対して相対的に摺動可能かつ回転可能に嵌入する回転軸を、両側面板11,11の前端内側あるいはフレーム部材113に設けても良い。このような構成によれば、腰板部材17を開きながらスライドさせることができ、腰板部材17を開いた状態でユニット10の内部にスライドさせて仕舞い込むことも可能となる。
ユニット10の正面側において、図33等に示すように、腰板部材17の下側には、最下部配置部材171,172が例えば上下に設けられている。最下部配置部材171,172は、例えば金属製でパネル状に形成されており、収納部101(図52参照)の下半側(仕切部材121より下方)のスペースを覆うように、両側面板11,11間に配置されている。なお、最下部配置部材171,172を開ける頻度は、腰板部材17に比べて少ないため、開閉できなくても着脱可能な取付構造であれば足りる。
また、ユニット10において、両側面板11,11間の上端側の正面には、幕板部材18が設けられている。幕板部材18は、例えば金属製でパネル状に形成されており、上方載置部材127よりも上方の開口を塞ぐものである。図33において右側のユニット10のように、パチスロ機2Bを設置する場合のレイアウトでは、幕板部材18は、上部配置部材16と上下に連なることになる。
詳しくは図62に示すように、幕板部材18は薄板断面のパネル状であり、上端縁に沿って所定幅で後方へ直角に折れ曲がる取付片181と、下端縁に沿ってより短い幅で後方へ直角に折れ曲がる下端片182と、を備えた断面形状に形成されている。ただし、幕板部材18は、他に例えば木製で平板状に形成したり、あるいは、腰板部材17に関して前述したように、例えばアルミニウム等の金属の押出成形により所定厚の平板状に形成しても良い。
また、幕板部材18に関しても、前述した腰板部材17と同様に開閉可能に取り付けることも考えられる。すなわち、幕板部材18の例えば上端縁の両端に、それぞれ側方へ突出する一対の回転軸を設け、この回転軸を介して両側面板11,11の前端内側あるいは後述のフレーム部材113に開閉可能に取り付けても良い。さらに、幕板部材18の別の取付構造として、前述した腰板部材17の場合と同様に、例えば幕板部材18の両側端縁に沿って長溝(図示せず)を形成し、この長溝に対して相対的に摺動可能かつ回転可能に嵌入する回転軸を、両側面板11,11の前端内側あるいはフレーム部材113に設けても良い。
これにより、幕板部材18は脱着して再利用することができ、また遊技機2の正面側にあるためユニット10を水平方向に補強することも可能になる。
従って、幕板部材18をこのような取付構造としたことにより、ユニット10の水平方向に及ぼす強度を向上させつつ、ユニット10の組み立てから解体までを、従来の遊技機島と比較して容易に行うことができる。
なお、幕板部材18は、遊技者の視線に入りやすい高さ位置にあるため、遊技機島1のデザイン上重要である。よって、幕板部材18の表面は、素材そのもの外観、あるいは単なる塗装でも良いが、例えば幕板部材18の表面側に、化粧板やシート等を容易に装着できるように構成すれば、手軽に幕板部材18のデザインを変えることが可能となる。ここでシート等を装着する構成としては、例えば幕板部材18の表面側の上下端で、互いに対向してシート等の上下端を差し込めるようなスリットやフック等を設けることが考えられる。
図52において右側のユニット10のように、ユニット10にパチスロ機2Bを設置する場合、遊技機配置部103の上端を仕切る上方仕切部材128が、両側面板11,11間に架設されている。上方仕切部材128は、前記仕切部材121,122と同様に、例えば木製で平板状に形成され、また両側面板11,11間に対して着脱可能に配置されている。ここで上方仕切部材128の取付構造も、ネジ等の固着手段を用いることなく、部材間の係合関係だけで着脱可能に構成すると良い。
図62(c)に示すように、上方仕切部材128の前端側に、上部配置部材16の下端縁が係合するが、上方仕切部材128の前端側に沿って、上部配置部材16の下端縁が着脱可能に嵌る溝部128aが形成されている。一方、上部配置部材16の上端縁は、幕板部材18の下端片182に係合するが、この下端片182に沿って、上部配置部材16の上端縁が着脱可能に嵌る溝部183が形成されている。これにより、上部配置部材16は、ネジ等の固着手段を用いることなく、幕板部材18と上方仕切部材128との間に、着脱可能に取り付けることができる。
このような上部配置部材16の取付構造によれば、幕板部材18を持ち上げなければ、上部配置部材16を取り外すこともできない。ここで上部配置部材16は、後述する補給樋50を隠蔽するため不正防止上で重要なものであるが、前述した取付構造によって、鍵を付けて固定したり、単に磁石等で開かないように固定することも不要となる。その他、上部配置部材16ないし幕板部材18の取付構造に関しては、それぞれの両側端縁と各側面板11の内面との間に、敢えて光が漏れる程度の隙間を設けておき、例えば何らかのエラー発生を知らせるユニット10内の警報ランプの光を、前記隙間からフレーム部材113を照らして報知するように構成しても良い。
これにより、ユニット10の外部には、あからさまな警報ランプを設けなくても、何らかのエラー(例えば後述する補給エラー)の発生を間接照明的に遊技店店員には分かるように知らしめることが可能となる。その他、上部配置部材16ないし幕板部材18の両側端縁と各側面板11の内面との間に、例えば警報ランプの代わりに光ファイバー等を設けて、エラー発生に発光させることも考えられる。
また、図40に示すように、ユニット10において、両側面板11,11間の下半側の背面開口は、背面板19によって覆われている。背面板19は、例えば木製で平板状に形成されており、両側面板11,11間で仕切部材122の高さ位置より下側に合致する長方形であり、垂直に立てて取り付けられている。この背面板19の直ぐ上には、上下幅が狭く両側方向に延びる可動背面板190が一体に連なるように配置されている。
可動背面板190は、背面板19の上から取り外すことが可能であり、図56において右側のユニット10に示すように、天板部材13の後端縁に連なる状態で水平に配置することができる。この可動背面板190および天板部材13の全体に、パチスロ機2Bの奥行幅が大きい本体を載置することができる。なお、可動背面板190および天板部材13の表面は、同一面上に水平に連なるものであり、このとき上方仕切部材128は、パチスロ機2Bの上方位置に配置される。
以上のようなユニット10によれば、ユニット10ごとに遊技機2の種類を容易に組み換えることが可能となる。特に、パチンコ機2Aからパチスロ機2Bへ、逆にパチスロ機2Bからパチンコ機2Aへ、の何れの組み換え作業においても、同一のユニット10内だけで各部材の配置を変更したり、当該ユニット10内に保管されていた部材を使用することにより、必要な構成は全て1つのユニット10に含まれているもので足りることになる。
特に、本ユニット10によれば、パチンコ機2Aからパチスロ機2Bに組み換える場合でも、揚送研磨装置30の取り外しは不要であり、揚送研磨装置30はそのまま収納部101に残置した状態でも、パチスロ機2Bへの交換作業を行うことができる。これにより、遊技機2の交換に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、パチスロ機2Bの遊技機配置部103を広げるために、交換配置部102から取り外した貯留タンク40は、別の保管場所を用意することなく、収納部101の下段の空いているスペースに収納することができる。
また、パチンコ機が、遊技盤面上に打ち出した遊技球を循環させ使用する封入式パチンコ機である場合も、前述したパチスロ機2Bとパチンコ機2Aとの組み換えと同様に対応することができる。封入式パチンコ機の場合は、揚送研磨装置30は必要ないが、パチンコ機2Aから封入式パチンコ機に代わっても、揚送研磨装置30や貯留タンク40をユニット10内に設置したままでも撤去しても使用することができる。
従来より、遊技機2の種類を組み換え可能な遊技機島はあったが、遊技機2の種類に応じたレイアウト等の島形態にだけ使用する部材は、その都度別途部材を調達したり、別の保管場所から持ってくる必要があった。よって、従来の遊技機島では遊技機2の種類を組み換える場合、結局は必要な部材の調達等が面倒であり、コストが嵩むという問題があった。
特に、従来の遊技機島では、揚送研磨装置30を含む補給装置100(図111参照)の処理の対応までは考慮していない。例えば、単体島ではない通常の遊技機島では、補給装置100の一環をなす揚送研磨装置30や貯留タンク40等を設置するためのスペースが必ず島内部の定位置に用意されている。しかしながら、このような遊技機島で遊技機2を組み換える場合、補給装置100の設置スペースを変更する等の処理の対応が困難であった。さらに、遊技機2を組み換えに際して、不要となった各部材を別途保管するための場所を用意しなければならなかった。
<フレーム部材113>
図46から図49に示すように、ユニット10は、その両側端に立設されたフレーム部材113を備えている。フレーム部材113は、両側面板11,11の前端縁に沿って垂直に立つように固定されている。フレーム部材113は、その上下方向に亘って外側方に開口する凹溝113aを備えている。後述するが、隣り合う各ユニット10間で互いに対向するフレーム部材113の凹溝113aに、台間部材60の両端が着脱自在に嵌装されている。
これにより、台間部材60は脱着して再利用することができ、また遊技機2の正面側にあるため、ユニット10を水平方向に補強することも可能になる。
従って、台間部材60を、このような取付構造としたことにより、ユニット10の水平方向に及ぼす強度を向上させつつ、ユニット10の組み立てから解体までを、従来の遊技機島と比較して容易に行うことができる。
図12(c)に示すように、フレーム部材113は、側面板11の前端縁の両側にある蟻溝11a,11aに係合して、該前端縁に被さる略コ字形断面の固着部114を基幹として備えている。側面板11の前端縁には、その両側から対向して同じ深さに凹む一対の蟻溝11a,11aが全長に亘りスリット状に形成されている。固着部114は、略コ字形断面であり、その両側端縁に、互いに内向きに折れ曲がり対向する一対のフランジが設けられている。
フレーム部材113の開口溝を間にして互いに対向する一対のフランジは、一方が他方より長く延出している。よって、フランジが長い側の固着部114の一端側は、側面板11の両側の基準面(外面または内面)に対して、フランジが短い側の固着部114の他端側よりも離隔して位置する。この離隔した方の固着部114の一端側が、側面板11の外面側ではなく内面側に位置しており、ユニット10の正面開口の内側に出っ張るフレーム端縁をなしている。このフレーム端縁と側面部11の内面との間には、該内面に取り付けた他部材が正面視でフレーム端縁の背後に隠れるクリアランスKが形成されている。
また、図12(c)に示すように、固着部114の開口溝がある面と反対側の前端に沿って、該前端と共に略コ字形断面となる凹溝113aをなすアングル部115が一体に設けられている。凹溝113aは、フレーム部材113の全長に亘って外側方に開口している。このフレーム部材113の凹溝113aの開口は、ユニット10の正面開口と直交しており、凹溝113aの開口端は、側面部11の外面とユニット10の奥行方向に重なっている。
このようなフレーム部材113は、側面板11に対してネジ等の固着手段を用いることなく、その一端よりスライドさせるだけで取り付けることが可能である、従って、ユニット10の施工時や組立時におけるフレーム部材113の取り付け作業も簡単に行うことができる。また、フレーム部材113が傷ついた場合やデザイン変更に際しても、フレーム部材113を容易に交換することもできる。
<台間部材60>
遊技機島1において、隣り合う各ユニット10間には、台間部材60が着脱自在に装着されている。図10,図11に示すように、台間部材60は、例えば木製でパネル状に形成されている。図12に示すように、台間部材60は、その両側端縁が両側に位置するフレーム部材113の凹溝113aにそのまま嵌め込まれている。台間部材60の板厚は、凹溝113aの開口幅より若干小さく設計されている。このように台間部材60は、ユニット10自体の構造との係合関係だけで着脱自在に装着されている。
図15,図13に示すように、台間部材60は、正面視では縦長の長方形であり、その横幅は、各ユニット10の両側のフレーム部材113の端縁間の寸法より幅広で、かつ各フレーム部材113間の正面側から鉛直なパネル中心線周りに斜めに傾けた状態で両側の凹溝113a間に挿入可能に設定されている。すなわち、台間部材60は、両側の各凹溝113aに対して上方から挿入しなくても、ユニット10の正面開口に対して正面側から、図11に示すように、斜めにずらせば挿入することができる。
図14,図12に示すように、台間部材60は、両側の凹溝113a間に挿入してから、各フレーム部材113間の正面(ユニット10の正面開口)と平行とすることで、正面視で台間部材60の両側端縁が、両側の凹溝113a内に隠れる位置に配置される。このとき、台間部材60の下端両端は、後述するアンカー25にあるストッパ254の間に嵌まり込み、当該配置に位置決めされる。すなわち、台間部材60は、少し持ち上げた状態で左右に動かしながら、両側のストッパ254の間の段差に落とし込ませるようにして、両側端縁が凹溝113a内に隠れる中央位置に配置することができる。
このように台間部材60は、ユニット10自体の構造、すなわちフレーム部材113等との係合により、ネジ等の固着手段の用いることなく着脱可能に取り付けることができる。従って、台間部材60の着脱は極めて容易に行うことができ、作業時間も短縮されてコストの低減が可能となる。特に、ユニット10間に対する台間部材60の装着は、台間部材60をユニット10より上方へ持ち上げることなく、ユニット10の正面側から容易に行うことができる。
各ユニット10間には、その上下を通じて台間部材60を装着することが可能である。もちろん、各ユニット10間の接続次第で、レイアウトが自由に設定することができる。従来の遊技機島でも、例えば各単体島間のレイアウトを自由に設定できるものはあるが、各単体島間に配置する一つ一つの部材が大物であり、形状が異なるもので組み合わせていた。一方、台間部材60は、さほど大きくない板状の部材で、レイアウトを自由に設定できるだけでなく、各ユニット10間に一体的に容易に装着することが可能であり、取り外しや交換も容易で、しかも一体感のあるデザインとして装飾性を高めることができる。
また、従来の遊技機島では、例えば単体島同士の間をパネル状の部材で連結するような場合、ネジ等の固着手段の用いることが前提であり、部品点数や取付工数の増大を招いていた。また、パネル状の部材を、単純に上方からの差し込むような構造であると、当該部材の着脱に際して遊技機島よりも上方まで、板材を持ち上げる必要がある。そのため、パネル状の部材の着脱作業が大変なだけでなく、天井が低い設置場所の場合には着脱することができないという問題があり得る。
台間部材60は、木製に限らず例えばアルミニウム等の金属の押出成形により所定厚の平板状に形成しても良い。台間部材60の表面には、印刷等により模様や色彩を付加して所望のデザインとすることができ、表裏で別々のデザインとしてリバーシブルの利用が可能にしても良い。もちろん、台間部材60は、前述した化粧板6,7と同様に、予め複数種類のものを用意しておき、適宜取り替えるようにしても良い。なお、図10に示すように、台間部材60の上端縁には、両側方向に長い細幅のカバー部材601が被せられ、カバー部材601の両端側に位置するフレーム部材113の上端に、カバー部材601を固定するためのキャップ部材602が嵌め込まれている。
<連結部材61>
図16から図24に示す遊技機島1Aは、3台のユニット10が両側方向に並べて設置されている。ここで各ユニット10間には、台間部材60は装着されておらず、各ユニット10同士は、連結部材61によって互いに連結されている。さらに、3台のユニット10は、背中合わせに前後2列に組み合わされている。よって、遊技機島1Aは、合計6台のユニット10を備えている。ここで前後の各列で3台ずつ並ぶユニット10には、それぞれ同じ種類の遊技機2が収容されているが、各ユニット10ごとに異なる種類の遊技機2を収容しても良い。
図25から図32に示すように、連結部材61は、両側方向に隣り合う各ユニット10の側面板11同士を近接させた状態で連結するためのフレームである。連結部材61は、各側面板11の前端縁間に取り付けるために、下部フレームガイド62と、上部フレームガイド63と、を備えている。連結部材61も、前記台間部材60と同様に、各ユニット10間に装着する本願発明の「台間部材」に相当する。また、下部フレームガイド62や上部フレームガイド63単独でも、各ユニット10間に装着する本願発明の「台間部材」に相当する。
図32に示すように、連結部材61は、互いに近接させた各側面板11の前端縁同士を接合させた下部フレームガイド62と上部フレームガイド63の上から被さるように、略コ字形断面の金属製のフレームとして形成されている。連結部材61は、ユニット10の全高に亘る長さに設定されており、例えばアルミニウム等の押し出し成形品である。ここで連結部材61は、下部フレームガイド62と上部フレームガイド63を含めて各側面板11の前端縁を覆うように装着可能となっている。
図31に示すように、下部フレームガイド62は、近接させた各側面板11の前端縁の外向きの蟻溝11aに係合して、各前端縁に被さる略コ字形断面の金属製のフレームとして形成されている。また、下部フレームガイド62の開口溝の内側中央には、各前端縁の内向きの蟻溝11aに係合する略T字形断面の隔壁621が設けられている。このような下部フレームガイド62によって、近接し合う各側面板11の各前端縁を接合することができる。また、上部フレームガイド63も、基本的には下部フレームガイド62と同様な略コ字形断面のフレームとして形成されているが、その上端にストッパ631(図29参照)を備えている。
図25,図26に示すように、各ユニット10の近接させた側面板11同士を連結する場合、先ず下部フレームガイド62を、各側面板11の前端縁の上方から両側の蟻溝11a,11a(図31参照)に差し込み、そのまま下方へスライドさせる。下部フレームガイド62が、各ユニット10の下端側まで移動すると、当該位置で例えば後述のベース部材22等にある係脱可能な構造に対して、位置決めして固定できるように構成されている。下部フレームガイド62は、比較的短い部材であるため、各側面板11の上方からでも容易に扱うことができる。
図27,図28に示すように、各側面板11の前端縁に下部フレームガイド62を取り付けた後、連結部材61を、下部フレームガイド62の上から下部フレームガイド62と各側面板11との間の隙間に差し込むように装着する(図32参照)。そして、連結部材61を、そのまま下方へスライドさせる。連結部材61が、各ユニット10の下端側まで移動すると、前記下部フレームガイド62と同様に、当該位置で例えば後述のベース部材22等にある係脱可能な構造に対して、位置決めして固定できるように構成されている。
連結部材61は、ユニット10の全高に亘る長い部材であるが、各側面板11の前端縁間および下部フレームガイド62に装着するときは、ユニット10の上方まで持ち上げることなく、下部フレームガイド62の上からで足りる。すなわち、連結部材61は、図32に示すように、下部フレームガイド62が被さっていない各側面板11の前端縁に対しては、そのままユニット10の正面より容易に装着することができる。これにより、天井が低い設置場所であっても、連結部材61を各側面板11の前端縁に対して支障なく着脱することが可能となる。
図29,図30に示すように、各側面板11の前端縁間に連結部材61を装着した後、最後に上部フレームガイド63を、前記下部フレームガイド62と同様に、各側面板11の前端縁の上方から両側の蟻溝11a,11aに差し込み、そのまま下方へスライドさせる。上部フレームガイド63の上端にはストッパ631が設けられており、ストッパ631が各側面板11の前端縁の上側に被さる位置まで移動すると、連結部材61の装着は完了する。上部フレームガイド63も、比較的短い部材であるため、各側面板11の上方からでも容易に扱うことができる。以上のような連結部材61の装着は、ネジ等の固着手段を用いず、部材間の係合関係だけで行うことができる。
これにより、連結部材61は脱着して再利用することができ、また遊技機2の正面側にあるためユニット10を水平方向に補強することも可能になる。
従って、連結部材61をこのような取付構造としたことにより、ユニット10の水平方向に及ぼす強度を向上させつつ、ユニット10の組み立てから解体までを、従来の遊技機島と比較して容易に行うことができる。
<島付帯装置9>
図34から図37に示す遊技機島1Bは、背中合わせの前側には、2台のユニット10が両側方向に並べて設置され、背中合わせの後側には、前述した遊技機島1A(図16参照)と同様に、3台のユニット10が両側方向に並べて設置されている。このように背中合わせの前後でユニット10の数が異なるが、ユニット10の数が少ない前側では、各ユニット10の間に、各遊技機2前に着座する遊技者の個人空間を演出する島付帯装置9が配置されている。
島付帯装置9は、遊技者が個人利用できる天板部材13に続く設置部や、その上方で持ち物を収納できる棚等を備えており、ユニット10間の前方を仕切るパネル状のパーティション9aもオプションとして付設されている。このような島付帯装置9は、具体的には例えば、本出願人が既に提案している特願2021-210798号公報に記載された発明等を利用すると良い。よって、ここでは島付帯装置9の詳細な説明は省略するが、島付帯装置9も、本願発明の「台間部材」と解釈することができる。
<締結部材70>
図63から図67に示すように、ユニット10は、背中合わせに組み合わせることができる。すなわち、ユニット10を、それぞれの側面板11,11の後端縁を突き合わせて、各側面板11における切欠部112の下方辺りに、それぞれ内面側から締結部材70を宛がってネジ止めすると良い。締結部材70は、例えば金属製で矩形の薄いブレート状に形成されている。締結部材70には、その上下端に沿ってユニット10の奥行方向と平行に複数のネジ穴が連設されている。これにより、背中合わせに突き合わせた各側面板11に対して締結部材70をネジ止めする位置は適宜調整することができる。
各ユニット11を背中合わせに組み合わせると、各ユニット11の切欠部112が合わさって1つの開口112aとなる。この開口112aは、遊技機島1全体として、その島幅中央部分を貫通する遊技設備機器(例えば搬送装置等)の配置スペースとなる。ただし、背中合わせの各ユニット10は、必ずしも突き合わせる必要はなく、例えば図53に示すように、互いに離隔させた状態で組み合わせても良い。
ユニット10を背中合わせに組み合わせれば、両面島として前後で遊技を行うことができるだけでなく、フロアに対する設置面積も大きくなって安定感が増し、また島全体としての剛性も高めることができる。また、背中合わせに組み合わせるユニット10は、前後で1台ずつに限らず、前述したように2台(図1参照)、あるいは3台(図16参照)ずつ等と、複数のユニット10を横並びにした列単位で背中合わせに組み合わせても良い。
また、背中合わせとするユニット10は、必ずしも同一の形状のものに限らず、例えば高さの異なるユニット10同士を組み合わせても良い。この場合、ユニット10間の高さの違いによる段差は、例えば別の構造体等を配置して全高を揃えるようにしても良い。さらに、背中合わせとなる前後のユニット10の少なくとも一方には、通常備えている背面板19やその上の可動背面板190よりも上方の背面開口を覆うように、さらに別の背面板を設けても良い。これにより、背後のユニット10からの異物の混入を防ぐことができる。
同様の趣旨により、ユニット10の背面側には、背中合わせのユニット10や隣接するユニット10から飛び込んでくる異物を防止するために、混入防止材を設けると良い。ここで混入防止材とは、例えばユニット10の背面開口を広く覆うことが可能な可撓性のある平面状のものであれば、メンテナンス時にカーテンの様に簡単に開けることができるので優れている。よって、混入防止材としては、具体的には例えば、網等のシート状のネット材等が適している。
<レール20>
図68から図71に示すように、本実施形態のユニット10は、遊技店等のフロア上にレール20を介して固定されている。ここでユニット10は、レール20の長手方向に沿って移動可能であり、該レール20上の任意に設置位置に固定可能である。レール20は、フロア側に固定され、ユニット10の設置位置の基準となるレール部材21と、ユニット10の下端側に固定され、レール部材21に対して移動可能に係合するベース部材22と、を備えてなる。
このようなレール20によれば、ユニット10を、フロア上のレール部材21上に沿わせて設置位置を簡単に調整することが可能となる。よって、遊技機島1の施工現場における作業負担を大幅に削減することができる。また、遊技機島1の組み立て後も、各ユニット10ごとに、あるいは遊技機島1全体の設置位置を調整することも可能となる。よって、遊技機島1の配置やレイアウトを容易に変更して、遊技店内の模様替を行うことができる。
<<レール部材21>>
レール部材21は、ユニット10の奥行方向に前後に並ぶ一対として、フロア上に略水平な状態で互いに平行に直線状に延びるように固定される。ユニット10は、両側面板11,11の下端が、前後一対のレール部材21,21上に、それぞれベース部材22を介して摺動自在に支持され、各レール部材21上の任意の位置で移動不能に固定することができる。
図82から図87に示すように、レール部材21は、長手方向に亘り上面側が開口した溝状断面形に金属材から形成されている。ここでレール部材21の上面側は、その中央に沿って細幅に延びる開口溝を間にして、両側壁の上端縁より内側へ折曲した一対のフランジ状に形成されている。レール部材21は、例えば予め所定長さに設定されているが、適宜裁断して任意の長さとすることができる。また、基本の長さのレール部材20に対して、継ぎ足し用として長さを調整するための短いレール部材21aも予め用意されている。
1つのレール部材21では長さが足りない場合、複数のレール部材21を、あるいは図88から図90に示すように、継ぎ足し用のレール部材21aを、互いに直線状に繋ぎ合わせることになる。図90(b)に示すように、レール部材21,21aの底面部210には、フロアに固定するためのアンカーボルト200を通す固定孔211が設けられている。
各レール部材21,21aの端に位置する固定孔211は、互いに突き合わせる底面部210に、それぞれ半円分ずつ2分割して設けられている。これにより、レール部材21をアンカーボルト200で締め付けてフロア上に固定するとき、2つのレール部材21,21aの端縁を、1つのアンカーボルト200で共締めすることが可能となり、アンカーボルト200の本数を削減することができる。
図71(b)に示すように、レール部材21の内側には、その底面部210上に重ねるように補強板212を挿入することができる。補強板212は、例えばレール部材21の底面部210の横幅より若干小さい細幅で延びる金属板からなる。補強板212がレール部材21と同じ長さである場合には、その端縁にも前述した底面部210の固定孔211と同様に、半円分の固定孔を設けると良い。なお、補強板は1枚とは限らず、その枚数を必要な強度に応じて適宜調整することができる。
図68に示すように、ベース部材22の後述する係合部221に貫通させた締結ボルト220を、レール部材21の内側のスライダ23(図71(b)参照)に螺合させて締め付けることにより、係合部221とスライダ23との間に、レール部材21の上面側を強固に挟持することができる。ここでスライダ23の上面壁231には、その上方へ突出するように締結ボルト220が予め固着されている。
<<スライダ23>>
スライダ23は、レール部材21の端から内側に挿入され、レール長手方向に移動可能なクランプ状に締結金具として形成されている。図91から図96に示すように、スライダ23のうちレール部材21の上面側に裏側から対接する上面壁231は、平面視でレール長手方向と平行となる2長辺を備えた矩形状である。また、上面部231の略中央には、前述した締結ボルト220が固着されている。
上面部231における長辺の寸法は、レール部材21の内側で両側壁の間隔より小さく、かつレール部材21の上面側の開口溝の幅よりは大きく設定されている。また、上面部231における短辺の寸法は、レール部材21の上面側の開口溝の幅より若干小さく設定されている。これにより、スライダ23は、その長辺がレール長手方向と平行になったときだけ、レール部材21の上面側の開口溝を通過させることができるように設定されている。
スライダ23は、上面部231の両長辺より脚壁部232,232が垂下するが、各脚壁部232には、その下端縁側がアンカーボルト200と干渉しないようにボルト回避用の凹部233が設けられている。また、上面部231の両長辺のうち互いに対角に位置する端の延長線上には、それぞれ2短辺と直交する方向に突出してレール部材21の両側壁の内壁(両側内壁)に当接する一対の突片234,234が設けられている。各突片234は、それぞれ脚壁部232の一端が、上面部231の角より長辺方向へ延出するように設けられている。
図97から図99に示すように、スライダ23が、締結ボルト220の締結方向へ回転して、長辺がレール長手方向と直交すると、各突片234は、レール部材21の両側壁の内壁に当接して回り止めとなる。ここで締結方向とは、締結ボルト220が、次述するベース部材22の係合部221上に配されたナット224に対して締め付けられる方向である。よって、締結方向は、底面視で締結ボルト220がナット224に螺合する方向ではなく、平面視でナット224が締結ボルト220に締め付けれられる方向(図97中で時計回り)と定義する。
一方、図99から図98に示すように、スライダ23が、締結ボルト220の前記締結方向と反対方向(図99中で反時計回り)へ回転して、長辺がレール長手方向と交差する角度に回転すると、各突片234は、レール部材21の両側壁の内壁から離脱する。これにより、レール部材21の両側壁の内壁と各突片234との間に隙間が生じるため、スライダ23をレール部材21内で容易にレール長手方向に動かすことが可能となる。また。ナット224を締め付けるときは、締結ボルト220のあるスライダ23を回転止めして、締結ボルト220とナット224の締結ができるように構成されている。
<<ベース部材22>>
図80に示すように、ベース部材22は、レール部材21の上面側に、その開口溝を跨ぐ状態で対接する係合部221と、係合部221に対して略垂直に立ち上がる縦壁部222と、を備えたブラケット状の板金材として形成されている。係合部221は、略水平に配される細幅な板状であり、一対のレール部材21,21の各上面側の間を横断して跨がる長さに設定されている。係合部221において、一対のレール部材21,21の開口溝から覗くスライダ23の締結ボルト220に合致する位置には、それぞれ締結ボルト220を通す一対の挿通孔221a,221aが設けられている。
縦壁部222は、ユニット10の側面板11の下端側に沿わせて固着させる部位であり、係合部221の一端縁から略垂直に立ち上がる板状に形成されている。また、係合部221の両端と、縦壁部222の両端縁との間には、補強用の側壁部223も一体に形成されている。縦壁部222には、同じ高さ位置で横並びに一対の調整孔222a,222aが設けられている。各調整孔222aは、後述する取付ボルト240の締結位置を上下方向へ調整できるように上下に延びたガイド溝となっている
また、縦壁部222において、ユニット10の正面開口側となる一方の側壁部223には、台間部材60の下端両端を受け止めるブラケット225が設けられている。このブラケット225は、金属製でブラケット状に形成されており、一方のレール部材21の前方でフロア側に接地すると共に、台間部材60がフレーム部材113の凹溝113a間の中央に位置したとき、台間部材60の下端に当接するように構成されている。また、一方の側壁部223には、前記ブラケット225と対をなし、他方のレール部材21の後方でフロア側に接地する別のブラケット226が設けられている。
<<補強ブラケット24>>
図102,図103に示すように、ベース部材22は、ユニット10の側面板11に対して、補強ブラケット24やアンカー25を介して固着されている。補強ブラケット24は、ベース部材22の縦壁部222を、ユニット10における木製の側面板11の下端側に固着するための板金材である。図104から図110に示すように、補強ブラケット24は、側面板11にある開口部110を覆う取付面部241と、該取付面部241の一面側に設けられて開口部110の内周縁に嵌着する所定高さの嵌合フランジ242と、を備えている。
ユニット10の側面板11にくり抜かれた開口部110は、横長の略矩形状である。補強ブラケット24の取付面部241も、横長の略矩形状であり、縦幅は開口部110とほぼ等しく、横幅は開口部110より大きく、開口部110の両端より所定幅で延出する。嵌合フランジ242は、取付面部241で開口部110を覆う一面側に、開口部110の内周縁を象るように設けられている。本実施形態の嵌合フランジ242は、開口部110の下端縁と両側縁に対接する略U字形であり、開口部110に対して若干大きく、嵌め込むと密に嵌着するように設定されている。
図104から図110に示すように、補強ブラケット24の取付面部241において嵌合フランジ242の内側には、横並びで一対の取付孔243,243が設けられている。各取付孔243の周りには、取付ボルト240を締め付けるナット244が予め固着されている。また、取付面部241で嵌合フランジ242の外側、すなわち開口部110の両側より延出する部位は、取付片241aとして側面板11における開口部110の両側に別途ビス止めされることになる。
図102,図103に示すように、ベース部材22の縦壁部222は、補強ブラケット24の取付面部241に重ね合わせた状態で、各調整孔222a(図80(b)参照)に貫通させた取付ボルト240を、取付孔243とナット244に螺合させて締め付けることにより固着されている。また、取付ボルト240の締め付け途中で、取付ボルト240が調整孔222aに貫通している状態のベース部材22を上下に動かすことにより、側面板11に対するベース部材22の締結位置を上下方向へ調整することができる。さらに、取付ボルト240は、ベース部材22の縦壁部222に対して直接ではなく、補強材も兼ねたプレート227を噛まして締結されている
このような構成によれば、補強ブラケット24の嵌合フランジ242は、開口部110内で上下4方向に接するため、位置ずれを防止することができる。また、補強ブラケット24の長手方向に関しては、取付片241aを木ネジでビス止めもしており、補強ブラケット24が開口部110から抜け出る虞はない。さらに、開口部110に嵌め込まれる嵌合フランジ242は、補強の役目を担っており、補強ブラケット24の変形を防止している。また、補強ブラケット24が木製の側面板11としっかり締結することで、その下方にあるベース部材22等の板金部材は、側面板11に対して強固に締結させる構造が可能となる。
また、ベース部材22の縦壁部222と、補強ブラケット24の取付面部241との間には、金属製のアンカー25も介在させている。図100(b)に示すように、アンカー25は、縦壁部222と取付面部241との間に挟持させる支持片251と、支持片251の下端に連結した水平バー252と、水平バー252の両端に設けた一対のアジャストボルト253,253と、を備えてなる。
アンカー25によれば、ユニット10の四隅におけるフロア上での水平出しのレベル調整も行うことが可能である。さらに、アンカー25の水平バー252には、ユニット10の正面開口寄りとなる一端側の上方に、前述した台間部材60の下端両端を位置決めするためのストッパ254が設けられている。このストッパ254は、アンカー25と同じく金属製でブロック状のブラケットとして形成されている。ストッパ254は、台間部材60の下端両端を位置決めできる構造であれば、その形状は特に限定されるものではなく、例えばアンカー25にではなくベース部材22の側に設けても良い。
従来より、金物を木材に固定するとき、一般的には、金物のビス穴に木ネジ等で固定するが、以下のような課題があった。すなわち、ビス穴の径は、ビス径よりも大きいので、大きな力が加わった場合、金物がずれることがある。また、金物が単なる板材だと、大きな力が加わり木材が変形すると、共に歪んでしまう。さらに、場合によっては、木ビスが抜けてしまい締結力がまったく無くなってしまう虞があった。
このような従来からの問題は、金物に対して、ボルトとナットでの締結をした場合も同様に、ボルト貫通穴の径と、ボルト径の違いはあるので、ずれ発生は生じてしまう。一方、前述したようにユニット10では、その木製の側面板11に、補強ブラケット24やアンカー25を介して、金物であるベース部材22を固定する構成としている。従って、例えば大きな地震が発生したときに、ユニット10に過大な荷重が加わったとしても、側面板11に対するベース部材22の位置ずれだけでなく、双方の変形や破損も確実に防止することができる。
また、図23,図24に示す遊技機島1Aにおいて、背中合わせの片側のユニット10のように、ユニット10は、遊技店等のフロア上にレール20を介さずに、直接設置する場合もある。ユニット10を、フロアにレール20を介して固定する場合、ベース部材22は、レール部材21の上に載せるサイズに設定されている。一方、フロアに直接固定する場合のベース部材22は、フロア側に接する係合部221上の縦壁部222の高さ等の寸法を大きいサイズに設定すると良い。
<補給装置>
図52において左側のユニット10に示すように、パチンコ機2Aを設置する場合のユニット10の内部には、関連機器として、パチンコ機2Aで使用する遊技球を循環させる補給装置が収容されている。図111から図118に示すように、補給装置100は、遊技球を循環させる各装置の総称である。ユニット10内の遊技機2を、パチンコ機2Aからパチスロ機2Bに交換する場合、次述の揚送研磨装置30はそのまま残置されるが、他の貯留タンク40や補給樋50は、それぞれ取り外されて収納部101に収容される。
補給装置100は、パチンコ機2Aで使用され計数器8a(図52参照)で計数された遊技球を回収して貯留する貯留タンク40と、貯留タンク40から供給された遊技球を研磨しながら揚送する揚送研磨装置30と、揚送研磨装置30により揚送された遊技球を受け入れてパチンコ機2Aへ補給する補給樋50と、を有している。なお、揚送研磨装置30は、研磨装置に対して揚送機能を付加したものである。以下、揚送研磨装置30、補給樋50、貯留タンク40について順に説明する。
<揚送研磨装置30>
図119から図155に示すように、揚送研磨装置30は、パチンコ機2Aで使用されて回収された遊技球を研磨しつつ揚送する装置である。揚送研磨装置30は、本体31と、研磨用歯車32と、研磨手段33と、揚送路34と、駆動手段35と、制御手段36等を、備えている。揚送研磨装置30には、貯留タンク40から遊技球が供給され、研磨された遊技球は、揚送路34を通ってパチンコ機2Aの上方にある補給樋50まで揚送される。
<<本体31>>
揚送研磨装置30の本体31は、金属製のハウジングであり、長方形で扁平な箱状に形成されている。本体31における水平な上面部310には、研磨用歯車32が鉛直な軸心周りに回転可能に配設されている。研磨手段33は、本体31の上面部310で研磨用歯車32に隣接して配設されている。本体31の上面部310には、駆動手段35等も配設されている。また、本体31の内部には、制御手段36等が収容されている。
<<研磨用歯車32>>
図119に示すように、研磨用歯車32は、樹脂製で略円筒状のケーシング320内に回転可能に軸支された状態で、本体31の上面部310に配設されている。ここで研磨用歯車32は、その軸心が上下方向(鉛直方向)に延びている。研磨用歯車32は、樹脂製で略円柱状に形成されている。なお、研磨用歯車32は、縦に2分割されたものを一体に組み合わせている。
図136から図140に示すように、研磨用歯車32は、全体的には略円柱形状であるが、その上半側が太径部32aとなっており、太径部32aの下側は、外径が徐々に先細りになる縮径部32bとなっている。さらに、縮径部32bの下側は、この縮径部32bの下端の最小外径と同一外径に延出する細径部32cとなっている。
太径部32aの外周には、案内歯321が柱面の母線に沿って円周方向に複数設けられている。各案内歯321間の歯溝322は、遊技球の半分以上を抱き込むように円弧状断面形状に形成されている。歯溝322の開口幅は、遊技球を歯溝322内から外側へ離脱不能なように、遊技球の直径より幅狭に設定されている。すなわち、歯溝322は、その上端側から受け入れた遊技球を下端側へ案内可能であり、歯溝322内には、複数の遊技球が上下に重なる状態で順次収容されるように設定されている。
また、縮径部32bの外周には、前記案内歯321に連続して柱面の母線に沿って延びる係止歯323が円周方向に複数設けられている。各係止歯323のピッチは、前記各案内歯321の広めのピッチより徐々に狭くなっており、各係止歯323間の歯溝324は、前記歯溝322から受け入れた遊技球同士を徐々に近づけて接触させるように設定されている。さらに、縮径部32bの外周にも、前記係止歯323に連続して柱面の母線に沿って延びる係止歯325が円周方向に複数設けられている。各係止歯325間の歯溝326間は、前記係止歯323の歯溝324から案内された遊技球同士を接触させた状態に保つように設定されている。
図125に示すように、ケーシング320の上部は、後述する貯留タンク40から遊技球を受け入れて、研磨用歯車32の歯溝322の上端開口に導く受入口として開口している。また、ケーシング320の周壁において、後述するカセット331の湾曲面部332に対向する部位には研磨用窓320a(図128参照)が開設されている。研磨用窓320aは、後述する研磨部材330を、研磨用歯車32の案内歯321の外周に沿わせて配索できるように形成されている。さらに、ケーシング320の底部には、研磨用歯車32の回転により歯溝324の下端から押し出された遊技球を一列に整列させて揚送路34に導く連絡用通路328(図131参照)も設けられている
図119に示すように、本体31における研磨用歯車32の側方には、電動モータ350が取り付けられている。電動モータ350の駆動軸は、図示省略した歯車等からなる伝達機構を介して、研磨用歯車32に回転力を伝達可能に連結されており、研磨用歯車32は、電動モータ350によって回転駆動するように構成されている。電動モータ350は、揚送研磨装置30の動力系である駆動手段35を構成している。なお、研磨用歯車32の下端中心には、駆動手段35の動力伝達系と連結される軸受部327(図137参照)が設けられている。
<<研磨手段33>>
図129に示すように、研磨手段33は、ケーシング320の研磨用窓320aに配される研磨部材330と、該研磨部材330を収容して研磨用歯車32を臨む位置に着脱可能なカセット331と、研磨部材330をカセット331から引き出すと共に、前記研磨用歯車32の外周に沿って移動させる送出機構と、を備えている。ここで送出機構は、本体31側に軸支された駆動歯車351と、カセット331側に軸支された従動歯車352と、を備えている。
駆動歯車351は、本体31の上面部310において、ケーシング320の研磨用窓320aの一端寄りの位置に、鉛直な回転軸により軸支されている。ここで駆動歯車351は、図示省略した歯車等からなる伝達機構を介して、例えば研磨用歯車32の回転に連動するように構成されている。駆動歯車351は、研磨用歯車32の回転による遊技球の移動速度に応じて、研磨部材330を次述するカセット331から引き出すと共に、研磨用歯車32の外周に沿って移動させるように設定されている。ただし、駆動歯車351は、研磨用歯車32の回転とは別に回転駆動するように制御しても良い。
図151から図155に示すように、揚送研磨装置30の本体31の上面部310には、カセット331を着脱可能に取り付けるカセット台座311が設けられている。カセット331は、次述するように平面視で長方形であり、カセット台座311に対して、本体31の長手方向と平行となる自身の長手方向が着脱方向となっている。なお、カセット331のカセット台座311に対する具体的に着脱構造については後述する。
図141から図150に示すように、カセット331は、研磨部材330を収容するものである。カセット331は、平面視で長方形の前端側に円弧形に凹む湾曲面部332を備えた扁平な箱形のケース状に形成されている。研磨部材330は、遊技球を研磨し得る材質からなり、例えば不織布を長尺なテープとして加工したものである。研磨部材330は、例えば紙製の芯管にロール状に巻かれた状態で、図129に示すように、カセット331の内部に回転可能な状態で収容されている。
図143,図144に示すように、カセット331は、湾曲面部332の一端に連なる一側壁331aに、研磨部材330の端部を外側に引き出すためのガイド溝333が開設されている。また、図141,図142に示すように、湾曲面部332の他端に連なる他側壁331bには、前記駆動歯車351と対向する従動歯車352が軸支されている。湾曲面部332は、研磨用歯車32の外周に沿うように円弧形の断面形状に形成されており、例えばフェルト等の弾力性のあるクッション材が装着されている。
研磨部材330は、カセット331のガイド溝333を通って湾曲面部332の一端側へ引き出され、クッション材の弾発力で研磨用歯車32側の遊技球を押圧可能な状態で案内歯321の外周に沿って移動する。ここで研磨部材330は、図129に示すように、湾曲面部332の他端側に位置する一対の駆動歯車351と従動歯車352によって、そのまま送出されるように配索されている。研磨用歯車32の外周から離れた研磨部材330は、カセット331の着脱方向と平行な方向へ送出されるように設定されている。
すなわち、図129(b)に示すように、一対の駆動歯車351と従動歯車352とは、それぞれの回転軸を結ぶ線aが、カセット331の着脱方向bと直交している。また、駆動歯車351と従動歯車352との接点を通り、両歯車351,352の回転軸を結ぶ線aと直交する線cは、研磨用歯車32の接線と直ぐ間近で平行に並ぶように設定されている。
このような両歯車351,352の配置ないし研磨部材330の送出方向によれば、カセット331がその長手方向(前後方向)において取付位置に若干誤差があっても、両歯車351,352間に研磨部材330が噛み込まれると、研磨部材330を確実に送出することが可能である。なお、駆動歯車351および従動歯車352は、必ずしもギヤ状のものに限らず、例えば外周面にローレット等の滑り止め加工が施されたローラ状のものであっても構わない。
また、両歯車351,352の幅は、研磨部材330の幅に対して、なるべく幅広の方が良い。例えば両歯車351,352の幅が、研磨部材330の幅に対して狭い場合は、研磨部材330の幅方向の一部だけが、両歯車351,352間に挟持される状態となる。ここで研磨部材330の幅方向の中央寄りの部分が挟持されて引っ張られると、研磨部材330が幅方向に皺が寄って痩せた状態となり、送出効率も低減してしまう。
そこで、本実施形態では、図150に示すように、従動歯車352の例では、上下に3段に並ぶ構造のうち、その中段が実際の従動歯車352となり、上下段は、研磨部材330に幅広に接触して回転するための歯車仕様の送りガイドとなっている。図128に示す駆動歯車351についても同様である。これにより、両歯車351,352間には、上下の送りガイドも相俟って、研磨部材330を安定した状態に挟持することが可能となり、研磨部材330を確実に送出することが可能となる。
駆動歯車351と従動歯車352によって送出された後の研磨部材330は、カセット331の他側壁331bの前端(従動歯車352の傍ら)から後端に沿って形成されたスリット状のガイド路334(図129参照)を通って排出される。カセット331から排出された使用済みの研磨部材330は、例えばカセット331の後方にまとめて溜められるようになっており適宜回収される。また、研磨部材330を使い切ったときは、本体31からカセット331を取り外して、その内部の研磨部材330を新しいものと交換した後、再びカセット331を本体31に取り付けることになる。
図129(a)に示すように、研磨部材330は、例えば紙製の芯管にロール状に巻かれた状態で、カセット331の内部に回転可能な状態で収容されている。カセット331は、例えばその上半側を開けることができるように構成されている。カセット331の内部の底面内壁上には、ロール状の研磨部材330の芯管を軸支するための取付軸335が設けられている。ここで取付軸335は、ボスやネジ等のように簡易な構成で足りる。
研磨部材330の終端は、芯管に対して強く引くと剥がれる程度の接着力で止着されている。具体的には例えば、図示省略したが粘着テープ材や接着剤等で貼り付けると良い。このような研磨部材330の終端の芯管に対する止着により、研磨部材330の製造も容易となり、製造工程上も仕上がりの品質面でも好ましい。また、研磨部材330が芯管から容易に剥がれる程度の止着とすれば、最後まで研磨部材330を使い切ったとき、研磨部材330が芯管から剥がれて研磨部材330を最後まで送ることができる。
これにより、研磨部材330を最後まで有効に使えるだけなく、何時までも研磨部材330が残っていると、耐久面で研磨部材330の破れや毛羽が発生することで、トラブルになってしまうことも防止することができる。また、研磨部材330の芯管は、前述したように取付軸335に軸支することにより、カセット331内における研磨部材330の挙動が安定し、研磨部材330の送出も安定して動作ができるようになる。
カセット331は、本体31の上面部310にあるカセット台座311に対して、本体31の長手方向と平行となる自身の長手方向から着脱するように構成されている。図144に示すように、カセット331の底面外壁には、取付用の爪状の係合部336,337が、前後に2箇所ずつ合計4つ設けられている。一方、カセット台座311には、図151に示すように、カセット331を対接させると各係合部336,337が入り、カセット331を研磨用歯車32に向けて前方へ動かすと、各係合部336,337が係合する開口溝状の一対の被係合部312,312が設けられている。なお、カセット台座311あるいはケーシング320等には、カセット331を装着した状態に拘束するための簡易なロック機構を設けても良い。
カセット331の各係合部336,337は、カセット331をカセット台座311上にセットしたときに、カセット331の底面の歪み変形を防止するための構造ともなる。また、カセット331の底面外壁には、各係合部336,337に繋がるように、カセット331の着脱方向と平行に延びるリブ338が設けられている。このリブ338によって、カセット331の底面をさら補強するだけでなく、着脱時におけるカセット台座311との摺動抵抗を軽減したり引っ掛かり等も生じないように設定されている。
図119に示すように、揚送路34は、研磨用歯車32の回転に伴い順次押し出された遊技球を上方へ揚送するものである。ここで揚送路34の内径は、遊技球の直径よりわずかに大きく、遊技球を1列に整列させた状態で揚送するように構成されている。詳しく言えば揚送路34は、その下端側をなす下部揚送路341と、下部揚送路341に連通接続されて上方へ直線状に延びる主揚送路342と、を備えている。下部揚送路341は、予め2分割された半管状の成形品を管状に貼り合わせて構成されている。
揚送路34は、その下部揚送路341が、本体31に固定ブラケット340を介して固定されている。下部揚送路341の下端入口は、連絡用通路328(図131参照)に連通接続されている。主揚送路342は、例えば樹脂製のパイプ材から形成されている。主揚送路342は、下部揚送路341の上端から取り外し可能であり、ユニット10の内部に予め配設することができる。図133,図135に示すように、下部揚送路341は屈曲するように形成されているが、所定値以上の曲率で曲がる箇所の外周には補強壁341aが設けられている。
補強壁341aの具体的な形状は、特に限定されるものではないが、例えば2分割された成形品の断面下に沿って所定幅で延出するリブ状に形成して、2枚重ねになるように構成すると良い。遊技球からの荷重を受けやすい下部揚送路341のうち、特に負荷のかかる湾曲部位に補強壁341aを設けたことにより、下部揚送路341の内壁が摩耗しても、補強壁341aの基端側が内側に露出することにより、遊技球の経路としての機能は保たれることにより、揚送路34の寿命を延ばすことができる。
また、一部の図では省略したが、図119に示すように、本体31において研磨用歯車32と電動モータ350との間には、例えば上面部310に開設したスリットから本体31内部に挿脱可能なシャッター313が備えられている。シャッター313は、例えばその下方に位置する連絡用通路328と下部揚送路341とが連通する隙間を開閉するものである。シャッター313は、通常は前記隙間を遮らない位置に保持されるが、下方へ挿入されて前記隙間を塞ぐことにより、研磨用歯車32からの遊技球の流出を防ぐことが可能となっている。図126および図127は、本体31にシャッター313を閉じるように取り付けた状態を示している。
このようなシャッター313により、揚送研磨装置30の保守点検時に遊技球がこぼれ落ちることを防ぐことができる。ここでシャッター313は、専用品を用意することなく、例えば揚送研磨装置30の位置決め部材314を代用しても良い。揚送研磨装置30の本体31を、ユニット10の仕切部材121(設置面)上に配置するとき、本体31の一端側を載せて位置決めするために、例えば平板状の位置決め部材314を用いる。この位置決め部材314を、そのまま前記シャッター313の代わりに用いることも考えられる。
揚送研磨装置30において、遊技球の流れを止めるための別の構成として、シャッター313または位置決め部材314により、遊技球の流れを止める箇所を変更することも考えられる。例えば、本体31において遊技球の受入れるケーシング320の受入口側から研磨用歯車32に至る遊技球の移動経路の途中に、シャッター313等を挿脱可能として、研磨用歯車32への遊技球の供給を止めるように構成することも考えられる。
また、カセット331において、ガイド溝333から一対の歯車351,352に至る研磨部材330の移動経路の途中に、研磨部材330の有無を検知する検知部を設けると良い。例えば図143に示すガイド溝333の傍らで、研磨部材330に干渉しない位置に検知部を設けることが考えられる。検知部は、研磨部材330の有無を検知することで、カセット331内の研磨部材330を全て使い切ったことを判断するものである。このような検知部は、具体的には例えば、光センサや近接センサ等の各種センサにより構成することができる。
さらに、本体31には、揚送研磨装置30の動力系である駆動手段35と、該駆動手段35の動作を制御する制御手段とが、それぞれ一体に組み付けられている。駆動手段35は、前述したように本体31の上面部310上に配設されている。また、図示省略したが制御手段は、CPU,ROM,RAMを具備した基板として構成されており、駆動手段35の電動モータ350等を制御するものである。かかる制御手段は、本体31の内部に配設すると良い。このような構成によれば、装置全体をコンパクト化することが可能となり、配線処理も削減することができる。
ところで、揚送研磨装置30は、ユニット10内における収納部101に収容されているが、パチンコ機2Aからパチスロ機2Bに交換する場合も、そのまま仕切部材121上に残置することができる。これにより、遊技機2の組み換え作業をより容易に行うことができる。その一方、揚送研磨装置30は、その本体31に駆動手段35や制御手段も一体化されているため、メンテナンス時やトラブル時には、ユニット交換での対応を容易にしている。揚送研磨装置30は、腰板部材17を開ければ、収納部101から引き出せる状態で収容されている。
<補給樋50>
図52,図53に示すように、補給樋50は、ユニット10の内部で遊技機2より上方に配置され、揚送された遊技球を遊技機2へ補給する部材である。補給樋50は、遊技球が1列ずつ整列して流下するレール状の経路52が両側方向に複数並設された樋本体51を備えている。樋本体51は、例えば樹脂により図示した形状に形成されている。各経路52は、それぞれ樋本体51の長手方向と平行に直線状に延び、何れも底面壁は、遊技球の直径よりも若干広い円弧形断面に形成されている。
本実施形態の経路52は、四叉樋として4つ設けられている。各経路52のうち両端の経路52は、遊技機2または台間サービス機8へ遊技球を補給する一対の補給経路52A,52Aをなしている。また、両端の補給経路52A,52Aより内側の経路52は、余剰な遊技球を落下させる一対の落下経路52B,52Bをなしている。両端の補給経路52A,52Aは、落下経路52B,52Bよりも高い位置に配置され、各補給経路52Aで余剰な遊技球は、落差によって落下経路52Bへ移動可能に設定されている。なお、補給経路52Aおよび落下経路52Bを総称するときは、単に経路52と表記するが、図面においては52Aまたは52Bと区別している。
図156および図158に示すように、各経路52の上流側がある樋本体51の基端側には、揚送研磨機30によって揚送された遊技球を受け入れる受入部53が設けられている。各経路52は、それぞれの上流側が受入部53から4叉に分かれている。図163(b)に示すように、樋本体51の両側端に沿って、各補給経路52Aが同じ高さに配置されており、その内側に、一段低い位置で同じ高さに並ぶ各落下経路52Bが配置されている。
図163(b)に示すように、補給経路52Aと隣接する落下経路52Bとの間の仕切壁521は、補給経路52Aから落下経路52Bへ遊技球が移動可能な高さに設定されている。ここで仕切壁521の具体的な高さは、例えば遊技球の直径の半分程度に設定されている。また、仕切壁521の上端には、内側の落下経路52Bに向けて傾斜するテーパー(傾斜面)が形成されている。また、各落下経路52Bの間の仕切壁522は、互いに遊技球が移動不能な高さに設定されている。
落下経路52Bは、補給経路52Aよりも下方に位置するので、これらの間の仕切壁522にはテーパーを設けなくても良いが、稀に、補給経路52Aで遊技球が連なって移動しているときに、図177(a)に示すように、上に乗り上がる遊技球が発生する場合があり得る。このような状態のままで、遊技球が樋本体51の側壁の上面を滑るように移動すると、図177(b)に示すように、後述する球出口523,524の入口付近で遊技球がブリッジしてしまうことが想定される。このため、仕切壁522にテーパーを設けることにより、補給経路52A上で乗り上げた遊技球を、確実に落下経路52B側へ落下させることができるようにしている。
図158に示すように、受入部53は、樋本体51の長手方向と直交する両側方向に一列に並ぶ各経路52の上流端より、平面視で基端側へ半円形に広がるステージ状に形成されている。受入部53の半円形の頂端付近には、揚送研磨機30の揚送路34の上流端開口が連通する供給口531が設けられている。受入部53および両側の補給経路52A,52Aの上流側は、所定高さのガイド壁54によって、球流下方向の反対側である後方から球流下方向である前方へ向かって囲まれている。ガイド壁54は、例えば樹脂により樋本体51とは別体として形成され、樋本体51の基端側にネジ止め等により取り付けられている。
ガイド壁54は、受入部53の外縁を半円形に囲ってから、両サイドの幅が一段狭まりつつ、両側の補給経路52A,52Aの外縁に沿って延出し、両サイドの前端縁540は、各落下経路52Bの内寄りの上方を臨むように開口している。このようなガイド壁54の前側の開口により、各経路52が一時的に異物等で詰まり遊技球が溢れる状態になっても、ガイド壁54の前側の開口より落下経路52Bへの遊技球の流れは維持され、遊技球が詰まり上がることはない。なお、ガイド壁54の前端縁540に至る前端側は、各補給経路52Aの上流側の上方にて遊技球の流下を妨げない高さ位置に配されている。
また、ガイド壁54の両サイドで幅が一段狭まる部位により、各補給経路52A上で重なった遊技球を、内側の落下経路52Bへ崩すことができる。ここでガイド壁54の両サイドの幅が一段狭まる部位には、ガイド壁54の下端側に隙間を生じさせる切欠部541が設けられている。このような切欠部541によって、補給経路52Aを流下する遊技球がガイド壁54の下端側に強く干渉することはなく、ガイド壁54に沿って遊技球が重なり合うブリッジが発生することを防止することができる。
さらに、ガイド壁54の両サイドの前端側は、図163(b)に示すように、両補給経路52A,52Aの上流側の上方を横切るように内側へ湾曲し、その前端縁540が、仕切壁521の頂端を少し越えて落下経路52B側へ傾斜するテーパー上方まで延出している。これにより、ガイド壁54の開口手前で重なった遊技球を、落下経路52Bへスムーズに誘導することができるので、遊技球の詰まり上がりを防止することができる。
図156,図158に示すように、受入部53には、供給された遊技球を、内側の落下経路52Bよりも外側の補給経路52Aへ誘導するためのガイド部532が設けられている。ガイド部532は、前記供給口531よりも前方で、ガイド壁54の半円形の囲い部分との間に、遊技球が通過可能な通路を空ける半円形断面のブロック状に形成されている。ここで通路の出口が、両側の補給経路52A,52Aの上流端を臨むように設定されている。すなわち、受入部53に供給された遊技球は、落下経路52Bよりも補給経路52Aへ誘導される。
図165(b)に示すように、ガイド部532の高さは、ガイド壁54の高さよりも低く設定されている。これにより、受入部53に遊技球が余剰に揚送された場合は、ガイド部532を越えて遊技球が前記通路を通らずに、落下経路52Bへと誘導される。ここでガイド部532よりガイド壁54の方が高いため、ガイド部532を乗り越えて遊技球が、さらにガイド壁54を乗り越えてこぼれ落ちることはない。
このような補給樋50によれば、図175に示すように、受入部53に揚上された遊技球は、両側の補給経路52A,52Aに均等に流下する。そして、両側の補給経路52A,52Aの一方に遊技球が充満すると、図176に示すように、受入部53に揚上された遊技球が流下する補給経路52Aがもう一方の補給経路52Aのみになるため、一部の遊技球は、仕切壁521(図163(b)参照)を乗り越えて、内側の落下経路52Bへ誘導される。
図156に示すように、両側のうち一方の補給経路52Aは、パチンコ機2Aに遊技球を補給するものであり、その下流端は、下方に位置するパチンコ機2Aに向けて下側に屈曲した球出口523に連通している。球出口523は、ジャバラと称される屈曲可能な管部材(図示せず)を介して遊技機2に連結されている。また、両側のうち他方の補給経路52Aは、台間サービス機8に遊技球を補給するものであり、その下流端は、側方に位置する台間サービス機8に向けて側方に延出した球出口524に連通している。球出口524は、ジャバラと称される屈曲可能な管部材(図示せず)を介して台間サービス機8に連結されている。
各落下経路52Bは、後述する貯留タンク40に、オーバーフローし余剰な遊技球を落下させるものであり、それぞれ下流端は、下方に位置する貯留タンク40に向けて下側に屈曲した球出口525に連通している。各球出口525は、ジャバラと称される屈曲可能な管部材(図示せず)を介して貯留タンク40に連結されている。なお、一方の球出口525は、他方の球出口525に対して途中から離れるように屈曲している。これは各球出口525に連結される管部材に、別々の方向性を付与することで干渉することを防止するためである。
図163(b)に示すように、各経路52は、それぞれ前述したように円弧形断面に形成されている。これにより、各経路52と円管状の球出口523~525との接続箇所においては、互いの内周面同士を滑らかに連続させることができる。仮に各経路52を、底が平らな平面経路にすると、球出口523~525に接続する箇所に絞り部分ができてしまう。このような絞り部分では、逆段差部が生じてしまうため、当該箇所で遊技球の流れが阻害され虞がある。
また、各落下経路52Bを流下した遊技球が球出口525に入らずに、次述する下流上半部510に飛び乗った場合には、遊技球が下流上半部510上をそのまま流下して、下方へ落下するように設定されている。これにより、球出口525に入らなかった遊技球が、落下経路52B側へ戻って球詰まりとなること防止している。
図168,図169に示すように、樋本体51の先端側は、その下半部に対して上半側が、下流上半部510として分割されて形成されており、この下流上半部510が下半側に一体に組み合わされている。各球出口523,524,525は、何れも樋本体51の先端側に設けられているが、樋本体51の先端側の下半部と、下流上半部510とに、それぞれ2分割されたものが後から一体に組み合わされているように形成されている。ここで2分割された各球出口523,524,525の片割れ同士の合わせ目に、互いに嵌合し合う凸条と凹溝を設ければ、合わせ目が振動等によりずれたり外れることを防止することができる。
下流上半部510において、各球出口523,524の上方に重なる位置には、それぞれ遊技球を検知可能な検知部511,512が設けられている。各検知部511,512は、それぞれ球出口523,524に遊技球が滞留した場合に継続してONとなり、ON状態が所定時間(例えば2秒)以上継続したとき、球詰まりを補給エラーとして検知する信号を出力するように設定されている。各検知部511,512は、具体的には例えば、磁気センサや近接センサ等の各種センサにより構成されている。
図170から図173に示すように、補給樋50は、支持ブラケット55を介してユニット10内の上部(図52参照)に設置される。図164(b),図165(b)に示すように、樋本体51の底面側には、該樋本体51を水平な支持ブラケット55上に載せたとき、各経路52を上流端から下流端に亘って下方へ傾斜させる勾配を確保するようにリブ513,514が設けられている。また、図167に示すように、樋本体51の先端側には、各経路52の下流端が開口しているが、適所に補強用のリブ515,516が設けられており、必要な強度が確保されている。
図174に示すように、支持ブラケット55は、平面視で前後方向に延びる長方形の板金材から形成されており、その底面板551の前後端には垂直に所定高さに立ち上がるフランジ552,553が形成されている。前側のフランジ552と、その傍らの底面板551には、支持ブラケット55から取り外した補給樋50を下方へ挿通させることができる大きさの開口部554が設けられている。
底面板551には、その上に設置した補給樋50の底面側にある供給口531に合致する位置に、主揚送路342の上流端を通して接続するための貫通孔555が設けられている。この貫通孔555は、補給樋50の取り付け誤差を吸収できるように長孔となっている。主揚送路342の上端側は、供給口531に対して所定長さの嵌合代で差し込むことにより固定され、この固定によって、補給樋50より垂下した状態に保持することが可能である。
補給樋50を支持ブラケット55の底面板551上に取り付けるには、樋本体51の底面側の前後にある係合爪517,518を、底面板551にある被取付孔556および被取付溝557にスナップフィット係合させることで容易に行うことができる。すなわち、樋本体51の前側にある一対の係合爪517,517は、底面板551の開口部554の手前にある一対の被取付孔556,556に対して係脱可能である。また、樋本体51の後側にある一対の係合爪518,518は、底面板551にある被取付溝557の両端に対して係脱可能となっている。
また、支持ブラケット55の底面板551において、その一長辺の前寄りの位置には、下方へ垂下する取付板558が一体に設けられている。この取付板558には、図174に示すように、各球出口525に連通接続する管部材(図示せず)を把持して固定可能なブラケット状の固定具559が設けられている。なお、管部材は、前述したようにジャバラと称される屈曲可能なものが採用されている。
<貯留タンク40>
図111等に示すように、貯留タンク40は、揚送研磨装置30の本体31上に対して着脱可能に固定することができる。図52に示すように、ユニット10の内部において、揚送研磨装置30は、本体31も含めて収納部101に設置され、貯留タンク40は、交換配置部102に設置されている。収納部101と交換配置部102との間を仕切る仕切部材122は奥行幅が狭く(図53参照)、仕切部材122の後方で、揚送研磨装置30と貯留タンク40とは上下に一体に組み合わされている。
図178から図184に示すように、貯留タンク40は、上面側が開口した略長方形の箱状に板金等で形成されている。貯留タンク40は、その主要部をなすタンク本体41と、タンク本体41の上流側に連なる付属部42と、を備えている。付属部42も、上面側が開口した略長方形の箱状に板金等で形成されているが、その長さは短く深さも浅く形成されている。
このように貯留タンク40を、タンク本体41と付属部42とに2分割としたことにより、それぞれ部分的に着脱することが可能となり、配線等の収まりの関係で設置寸法の誤差があっても、十分に収めることができる。以下、貯留タンク40の長手方向のうち、付属部42に遠い側を「前側」とし、付属部42に近い側を「後側」として説明する。なお、貯留タンク40全体としては、付属部42が遊技球の流下方向における最上流端となる。
付属部42は、前方にも開口した箱状であり、タンク本体41の上流端として設けられた段部41aに対して着脱可能に構成されている。付属部42は、タンク本体41に装着した状態では、タンク本体41と一連の内部空間をなし、付属部42の底面部は段部41aの底面上に連なっている。一方、タンク本体41は、付属部42を分離した状態でも、段部41aの開口側から遊技球が漏れることはなく遊技球を貯留可能である。
付属部42の内側には、補給樋50からオーバーフローした遊技球を受け入れるための複数の管接続部材423,424が、上下に重なる状態で別々の固定金具421,422を介して固定されている。管接続部材423,424および固定金具421,422は、補給樋50から延びた2本の管部材(図示せず)に合わせて2つずつある。各管接続部材423,424は、落下してくる遊技球の勢いを減殺するように湾曲しており、その一端に前記管部材(図示せず)の下端が連通接続され、他端はタンク本体41側を臨むように配置されている。
各固定金具421,422は、各管接続部材423,424の湾曲して近接した一端と他端を上から跨ぐように押さえるブラケット状であり、互いに上下に管部材421等の外径分の間をあけて重なるように固定されている。図178では、上側の固定金具421しか見えないが、実際にはこの固定金具421の内側に、下側の固定金具422も固定されている。このように、上段側と下段側の固定金具421,422を別にすることで、施工の容易化するだけでなく、保守点検時に両方が外れることがないようにしている。
図178から図184に示すように、タンク本体41は、その上流端の前記段部41aの他、底面板410と、両側面板411,411と、前面板412と、後面板413と、で囲まれている。底面板410は、前面板412側から後面板413側に向けて、遊技球が自重で流下するように下方へ傾斜している。また、図186,図187に示すように、タンク本体41内の中段付近には、上段樋部材43が、底面板410の傾斜とは逆向きに傾斜するように配設されている。
上段樋部材43は、略長方形の板状に樹脂で形成されており、特に透明な樹脂により下方を透過可能に形成されている。上段樋部材43は、前後に並ぶ2枚が組み合わされており、前面板412側の上段樋部材43は、その上流端となる後端縁が、後述の付属部42に連なるように配置されている。また、後面板413側の上段樋部材43は、その下流側となる前端縁が、前面板412との間に遊技球の落下口を形成するように、前面板412から離隔した位置に配置されている。上段樋部材43は、透明であり下方を透過可能であるため、下流側の異物詰まり等を確認することができ、メンテナンスも容易に行うことができる。なお、上段樋部材43は、タンク本体41内に対して嵌め込み式で着脱可能に構成されている。
図187に示すように、タンク本体41の底面板410上には、遊技球から異物を分離する下段篩部材44が前後に2つ並ぶように設けられている。図179に示すように、底面部410において、各下段篩部材44の取付箇所には、異物を下方へ落下させるための開口部414が開設されている。図188から図194に示すように、下段篩部材44は、樹脂により形成されており、遊技球の流下方向に対向する側の導入面部441と、導入面部441に続く異物落下部442と、を備えている。
導入面部441は、平板状に形成されており、遊技球が流下する上面は、タンク本体41の底面板410の傾斜角とほぼ同様な傾斜に設定されている。異物落下部442は、左右並びにレーンが並設されており、各レーンは、板厚分の細幅なレーン底面をなす縦板状の突条443と、その両側を遊技球が通過可能な間隔で区画する仕切板444と、からなる。
レーンの突条443は、導入面部441と傾斜角が異なっている。すなわち、貯留タンク40の通常の設置状態において、下段篩部材44自身の上流側となる導入面部441の傾斜角は、異物落下部442におけるレーン底面をなす突条443の傾斜角よりも急な勾配となるように設定されている。これにより、下段篩部材44を流下する遊技球が、異物落下部442で各レーンごとに分離するとき、遊技球の流下速度の低下による重なり合い(通称ブリッジ)を防いでいる。
また、各仕切板444は、その上端縁が導入面部441上から後側へ底面板410の傾斜と逆向きに傾斜しており、球を1列ずつ仕分けて流下させることができる。さらに、各仕切板444の上端縁の後端間には、遊技球の上下の重なり合いを崩して一段に均す球崩しバー445が架設されている
図187に示すように、前面板412側の下段篩部材44における異物落下部442の後端と、後面板413側の下段篩部材44における導入面部441の前端とは、互いに連結されている。この各下段篩部材44間の連結箇所には、下流側に一段下がる段差446が設けられている。この段差446により、遊技球を落下させる動きを付加することで、遊技球の上に乗った異物を下方により確実に落とすことを可能としている。下段篩部材44をタンク本体41の底面部410に取り付けるには、下段篩部材44の底面側の前後にある係合爪447,448を、底面部410の開口部414の周囲にある被取付孔(図示せず)にスナップフィット係合させることで容易に行うことができる。
また、タンク本体41の底面部410の下流端となる部位は略水平な面をなし、該部位に球排出口415が設けられている。図111等に示すように、貯留タンク40は、揚送研磨装置30の本体31上に組み合わせたとき、タンク本体41の球排出口415が本体31上のケーシング320の受入口に連通するように設定されている。球排出口415の傍らには、該球排出口415を開閉するシャッター45を挿脱可能な取付部416が設けられる。
図185に示すように、シャッター45は、略長方形の平板状の板金から形成され、操作側となる一短辺と、両側の長辺には、例えば前記取付部に案内されるフランジが立ち上がるように形成されている。シャッター45は、図186に示すように、タンク本体41の前後方向と直交する挿入方向aから球排出口415の下側に挿入される。シャッター45において、挿入方向aを向く他短辺は、操作側の一短辺と平行ではなく、挿入方向aに対して交差する傾斜端縁450として形成されている。
シャッター45の傾斜端縁450は、タンク本体41内で遊技球の流下方向の上流側ではなく下流端に向かって、遊技球を逃がすように傾斜している。このような傾斜端縁450によれば、球排出口415の下側に遊技球が重なり合って圧接し合う状態でも、弱い力で球排出口415の下側に差し込むことが可能となる。すなわち、傾斜端縁450に接する遊技球は、流下方向の下流端に押されるように逃げるので、球排出口415の下側に容易に差し込むことができる。
<間柱部材106>
また、図33に示すように、ユニット10内に設置した遊技機2の両脇には、両側面板11,11の内面との隙間を塞ぐ間柱部材105等が配設されている。図33において左側のユニット10に示すように、パチンコ機2Aを設置した場合、その左側には台間サービス機8が配設されているが、右側には2本の間柱部材106が、それぞれ幅広な正面壁106aを正面にして配設されている。
一方、図33において右側のユニット10に示すように、パチスロ機2Bを設置した場合、その右側には専用の間柱部材105が配設されているが、左側には2本の間柱部材106が、一方は幅広な正面壁106aを正面にして、他方は幅狭な側面壁106bを正面にして配設されている。このように間柱部材105は、その幅広な正面壁106aと、幅狭な側面壁106bと、を有している。
図193に示すように、2本の間柱部材106を、それぞれの正面壁106aが正面をなすように組み合わせれば、遊技機2と側面板11との間でより広い隙間を塞ぐことができる。図194に示すように、2本の間柱部材106を、一方は幅広な正面壁106aが、他方は幅狭な側面壁106bが、それぞれ正面をなすように組み合わせれば、図193の場合よりも狭い横幅となる。
このように、1本の間柱部材106だけでも、2種類の横幅を選択することが可能であり、少ない部品点数でも多様な隙間を塞ぐように調整することが可能となる。図33に示すように、間柱部材106に関しては、パチンコ機2Aを設置するときと、パチスロ機2Bを設置するときでは、間柱部材106の数の増減はなく、ともに2本だけで足りることになる。
また、間柱部材106の取り付けは、上下それぞれに間柱ブラケット107を用いるが、この間柱ブラケット107に関しても、1つだけで前述した間柱部材106の2通りの位置に対応することができる。すなわち、間柱ブラケット107は、幅広に取付片107aと、これに対して直角に折れ曲がる幅狭な取付片107bと、を備えてなり、間柱ブラケット107の上下端に異なる向きに取り付けることができる。
間柱部材106の幅広な正面壁106aを正面に向けて固定するときは、図195(a),(b)に示す姿勢で、間柱ブラケット107の上下端に取り付ける。一方、間柱部材106の幅狭な側面壁106bを正面に向けて固定するときは、図196(a),(b)に示す姿勢で、間柱ブラケット107の上下端に取り付ける。図195および図196においては、それぞれ紙面の左手前側が正面となる。
ところで、間柱部材106の幅広な正面壁106aは、台間サービス機8と同じ幅に設定されている。従って、台間サービス機8を入れるときは、間柱部材106を1本だけ外すことになる。このとき、余った間柱部材106は、例えば設置済みの間柱部材106の後側等に収納するように設置することができる。
<本発明について>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
[1]遊技機2より上方に配置され、遊技球を遊技機2へ補給する補給樋50において、
遊技球が1列ずつ整列して流下するレール状の経路52が両側方向に複数並設され、
前記各経路52は、遊技機2または関連機器8へ遊技球を補給する補給経路52Aと、当該補給経路52Aに隣接した経路には、余剰な遊技球を落下させる落下経路52Bが形成され、
前記補給経路52Aの上流側は、所定高さのガイド壁54によって、球流下方向の反対側である後方から球流下方向である前方へ向かって囲まれ、当該カイド壁54のサイドで幅が一段狭まる部位が形成されていることを特徴とする。
[2]前記ガイド壁54のサイドの幅が一段狭まる部位には、該ガイド壁54の下側に隙間を生じさせる切欠部541が設けられていることを特徴とする。
<別発明1について>
また、前述した実施形態からは、次のような別発明1も導かれる。
[1]複数種類の遊技機2を1台単位で設置可能な遊技機島1の構造(ユニット10)において、
一の遊技機2Aの下方に配置される下部配置部材15と、別の遊技機2Bの上方に配置される上部配置部材16とを有し、前記下部配置部材15または前記上部配置部材16を収納可能な収納部101を備え、
前記一の遊技機2Aから前記別の遊技機2Bに変更して設置する場合は、前記収納部101に収納される上部配置部材16を取り出して前記別の遊技機2Bの上方に配置すると共に、前記下部配置部材15を取り外して前記収納部101に収納し、
前記別の遊技機2Bから前記一の遊技機2Aに変更して設置する場合には、前記収納部101に収納される下部配置部材15を取り出して前記一の遊技機2Aの下方に配置すると共に、前記上部配置部材16を取り外して前記収納部101に収納したことを特徴とする。
[2]前記下部配置部材15および前記上部配置部材16は、平板状に形成されていることを特徴とする。
[3]前記収納部101は、前記下部配置部材15の下方に配置されたことを特徴とする。
[4]前記収納部101には、遊技媒体を揚送する揚送機が収容されていることを特徴とする。
ここで揚送機は、遊技媒体の研磨機能を付加した前述の揚送研磨機30であっても良い。
従来の遊技機島として、例えば特開2001-224826号公報に記載のものでは、パチンコ機を設置する場合は、下部フレーム部の上面に球箱棚を設置し、この球箱棚の上に膳板(天板部材)を設置し、その上にパチンコ機を設置し、パチスロ機を設置する場合は、下部フレーム部の上面に膳板を設置し、その上にパチスロ機を設置し、更にその上に球箱棚を設置している。
この場合、パチンコ機の膳板とパチスロ機の膳板との高さの差と球箱棚の高さが一致していることが前提となっている。そのため、パチンコ機とパチスロ機の共有部材としての球箱棚を利用することが可能であるが、遊技機の上方の高さが紙幣識別機の設置等のため、パチンコ機の膳板とパチスロ機の膳板との高さの差と一致しない場合には適用することができない。
これに対して、本遊技機島1の構造(ユニット10)によれば、パチスロ機2Bの上方に配置される上部配置部材16と、パチンコ機2Aの下方に配置される下部配置部材15とを有し、上部配置部材16または下部配置部材15を収納可能な収納部101を備える。これにより、上部配置部材16と下部配置部材15を共有化する必要がないので、遊技機2の上方の高さが、パチンコ機2Aに応じた天板部材13と、パチスロ機2Bに応じた天板部材13との高さの差と一致しない場合にも、問題なく適用することが可能となる。
<別発明2について>
また、前述した実施形態からは、前記別発明1に関連して次のような別発明2も導かれる。
[1]前記ユニット10の内部は、下から順に少なくとも、収納部101と、交換配置部102と、遊技機配置部103と、に区画され、
前記交換配置部102は、遊技機の種類に応じて前記遊技機配置部に統合可能であり、
一の遊技機2Aを設置する場合は、該一の遊技機2Aの関連機器が前記交換配置部102に収容され、該交換配置部102の正面側は、下部配置部材15によって覆われ、
別の遊技機2Bを設置する場合は、前記一の遊技機2Aの関連機器が前記交換配置部102から取り外されて、前記下部配置部材15と共に前記収納部101に収容され、空いた前記交換配置部102は前記遊技機配置部と統合されて別の遊技機2Bが収容され、該別の遊技機2Bの正面側上方は、前記収納部101に収容されていた上部配置部材16によって覆われることを特徴とする。
ここで交換配置部102に収容される一の遊技機2Aの関連機器は、例えば貯留タンク40等が該当する。
[2]前記収納部101には、一の遊技機2Aで使用する遊技媒体を研磨しつつ揚送する揚送研磨機30が収容され、
前記揚送研磨機30は、該揚送研磨機30を使用しない別の遊技機2Bへの組み換え後も、前記収納部101にそのまま残置されることを特徴とする。
ここで揚送研磨機30は、その制御手段と一体に構成され、前記揚送機および制御部は、保守点検時(交換時も含む)に一体として前記揚送機配置部に対して着脱可能であることを特徴とする。
[3]前記ユニット10の内部を上下に複数の領域に区画する仕切部材121等を有することを特徴とする。
[4]前記ユニット10の内面に前記仕切部材121等を設置可能な係合部12a等を設けたことを特徴とする。
ここで係合部12a等は、例えばユニット10の側面板11の内面に、上下の異なる位置に複数設けると良い。
[5]未使用の前記仕切部材121等は、前記ユニット10内部の何れかの領域に収納可能としたことを特徴とする。
ここで何れかの領域とは、例えば収納部101である。
<別発明3について>
また、前述した実施形態からは、次のような別発明3も導かれる。
[1]遊技機2を設置可能なユニット10からなる遊技機島1において、
前記ユニット10は、フロア上にレール20を介して固定され、
前記ユニット10は、前記レール20の長手方向に沿って移動可能であり、該レール20上の任意の設置位置に固定可能であることを特徴とする。
[2]前記レール20は、フロア側に固定され、前記ユニット10の設置位置の基準となるレール部材21と、前記ユニット10の下端側に固定され、前記レール部材21に対して移動可能に嵌合するベース部材22と、を備えることを特徴とする
[3]前記レール部材21は、長手方向に亘り上面側が開口した溝状断面形に形成され、
前記ベース部材22は、前記レール部材21の上面側にその開口を跨ぐ状態で対接する係合部221を備え、
前記レール部材21の内側に挿入されて移動可能なスライダ23を備え、
前記ベース部材22の係合部221は、前記レール部材21の上面側を間にして前記スライダ23にネジ止めされ、該ネジの締結により前記レール部材21の上面側を前記スライダ23との間に挟持して固定されることを特徴とする。
ここでのネジには、ボルトも含まれる。
[4]前記レール部材21は、前記ユニット10の奥行方向に前後に並ぶ一対として設けられ、
前記ベース部材22は、前記ユニット10の両側端の下端側に設けられ、
前記各ベース部材22の係合部221は、前記一対のレール部材21の各上面側の間に跨がって配置されることを特徴とする。
[5]前記スライダ23は、平面視で略矩形状に形成され、レール長手方向と平行となる2長辺のうち互いに対角に位置する端に、それぞれ前記レール部材21の両側内壁に当接する一対の突片234,234が設けられ、
前記一対の突片234,234は、前記スライダ23がネジの締結方向へ回転して前記2長辺がレール長手方向と直交すると、前記レール部材21の両側内壁に当接して回り止めとなる一方、前記スライダ23がネジの締結方向と反対方向へ回転して前記2長辺がレール長手方向と交差する角度になると、前記レール部材21の両側内壁から離脱することを特徴する。
[6]前記ベース部材22は、金属製の補強ブラケット24を介して、前記ユニット10の両側端をなす側面板11の下端側に固着され、
前記ベース部材22は、前記係合部221から略垂直に立ち上がり前記側面板11の下端側に沿わせる縦壁部222を備え、
前記補強ブラケット24は、前記側面板11にくり抜かれた開口部110を覆う取付面部241と、該取付面部241に設けられ前記開口部110の内周縁に嵌着するフランジ242と、を備え、
前記ベース部材22の縦壁部222を、前記補強ブラケット24の取付面部241に重ねてネジ止めして固着したことを特徴とする。
<別発明4について>
また、前述した実施形態からは、次のような別発明4も導かれる。
[1]遊技機2を1台単位で設置可能なユニット10を複数備える遊技機島1において、
前記ユニット10は両側方向に並べて設置され、隣り合う各ユニット10間に、該ユニット10自体の構造との係合により台間部材60を着脱自在に装着可能としたことを特徴とする。
ここで台間部材60とは、パネル状の台間部材60のほか、ユニット10同士を連結する連結部材61も該当する。
[2]前記ユニット10は、その両側端に立設されたフレーム部材113を備え
前記フレーム部材113には、その上下方向に沿って外側方に開口する凹溝113aが設けられ、
隣り合う各ユニット10間で互いに対向する前記フレーム部材113の凹溝113aに、前記台間部材60の両端が着脱自在に嵌装されることを特徴とする。
[3]前記台間部材60は、パネル状に形成されており、その両側端縁が、前記凹溝113aに嵌め込まれることを特徴とする。
[4]前記ユニット10は、その両側端で互いに平行な側面部(側面板)11を備え、
前記側面部11の前端縁に沿って前記フレーム部材113は固定され、
前記フレーム部材113は、前記側面部11の前端縁に沿って、前記ユニット10の正面開口を縁取るフレーム端縁が、前記側面部11の内面より正面開口の内側に出っ張る状態で固定され、前記フレーム端縁と前記側面部11の内面との間に、該内面に取り付けた他部材が正面視でフレーム端縁の背後に隠れるクリアランスが形成されたことを特徴とする。
[5]前記フレーム部材113は、前記側面部11の前端縁に形成された蟻溝11aに係合して、該前端縁に被さる略コ字形断面の固着部114を備え、該固着部114の一端側が前記フレーム端縁をなし、
前記固着部114の前端に沿って、該前端と共に略コ字形断面となる前記凹溝113aをなすアングル部115が一体に設けられていることを特徴とする。
[6]前記台間部材60の横幅は、前記各ユニット10の前記フレーム部材113間の寸法より幅広で、かつ各フレーム部材113間の正面側から鉛直なパネル中心線周りに斜めに傾けた状態で両側の前記凹溝113a間に挿入可能に設定され、
前記両側の凹溝113a間に挿入した前記台間部材60を、各フレーム部材113間の正面と平行とし、両側端縁が両側の凹溝113a内に隠れる左右位置に配置したとき、該台間部材60の下端両端が嵌まって当該配置に位置決めされるストッパ254を備えることを特徴とする。
[7]前記ユニット10は、その背面側の少なくとも一部を覆う背面部(可動背面板)190を備え、
前記背面部(可動背面板)190は、着脱可能であり、取り外したときに前記両側面部11間に設置して遊技機2の載置面の一部として利用可能であることを特徴とする。
<別発明5について>
また、前述した実施形態からは、前記別発明4に関連して次のような別発明5も導かれる。
[1]遊技機2を1台単位で設置可能なユニット10において、
ユニット10の隅にフレーム部材113を立設し、該フレーム部材113に溝部113aを形成し、遊技機2の正面側または背面側であり、かつ遊技機2の周囲に嵌装部材を備え、該嵌装部材の相対する両縁部を前記溝部113aに嵌め込むことで取り付けたことを特徴とする。
[2]前記嵌装部材は、互いに離間させて配置した前記ユニット10間に取り付けた台間部材60であることを特徴とする。
[3]前記嵌装部材は、前記遊技機2の上方に取り付けた幕板部材18であることを特徴とする。
前記幕板部材18に関しても、例えば上端縁の両端に、それぞれ側方へ突出する一対の回転軸を設け、この回転軸を介して両側面板11,11の前端内側あるいはフレーム部材113に開閉可能に取り付ければ、前記嵌装部材の一種として解釈することも可能である。
また、前記連結部材61に関しても、前記下部フレームガイド62や前記上部フレームガイド63を「フレーム部材」に相当するものとし、これらの一部を「溝部」に相当するものと捉えれば、前記嵌装部材の一種として解釈することも可能である。
さらに、前記背面板19、前記可動背面板190、前記下部配置部材15、前記上部配置部材16の取り付けに関しても、例えばフレーム部材113の溝部113を利用して取り付け可能に構成したり、あるいはフレーム部材113に、前記溝部113とは別に、下部配置部材15等を嵌め込み取り付けられる溝部を設けることも考えられる。このような構成によれば、前記背面板19、前記可動背面板190、下部配置部材15、前記上部配置部材16に関しても、前記嵌装部材の一種として解釈することも可能となる。
従来の遊技機島として、例えば特開2017-144343号公報に記載のものでは、側面装飾パネルを側面板に取り付ける場合、受け部や差込部等の特別な固着手段を付加する必要があり、受け部を差込部に対して上方から差し込むことにより、側面装飾パネルを側面板に取り付けることができた。また、背面装飾パネルの内面壁の上下にある受け部を、ケース枠の背面側にある下部補強板および上部補強板にある差込部に上方から差し込むことにより、背面装飾パネルをケース枠に対して取り付けていた。
これに対して、本実施形態のユニット10では、遊技機2の正面側または背面側であり、かつ遊技機2の周囲に嵌装部材を備えて、該嵌装部材の相対する両縁部を、フレーム部材113の溝部113aに嵌め込むことで取り付けることにより、補強に使える嵌装部材を再利用することができる。また、遊技機島1の水平方向に及ぼす強度を向上させつつ、遊技機島1の組み立てから解体までを、従来の遊技機島と比較して容易に行うことができる。
<別発明6について>
また、前述した実施形態からは、次のような別発明6も導かれる。
[1]遊技機2で使用する遊技球を貯留するための貯留タンク40において、
タンク本体41と、該タンク本体41に着脱可能な付属部42と、を備え、
前記付属部42は、前記タンク本体41に装着した状態で、該タンク本体41と一連の内部空間をなし、
前記タンク本体41は、前記付属部42を分離した状態でも、遊技球を貯留可能であることを特徴とする。
[2]前記付属部42は、前記タンク本体41の上流端に着脱可能であり、
前記付属部42の内側に、外部から遊技球を受け入れるための複数の管部材423,424が、上下に重なる状態で別々の固定金具421,422を介して、順に取り外し可能な状態で固定されたことを特徴とする。
[3]前記タンク本体41内の中段付近は、該タンク本体41の底面板410の傾斜とは逆向きに傾斜する上段樋部材43を配設し、
前記上段樋部材43は、透明な樹脂により下方を透過可能に形成されたことを特徴とする。
[4]前記タンク本体41の底面板410上に、遊技球から異物を分離する下段篩部材44を前後に並べて配設し、前後に隣り合う各下段篩部材44の間に、上流側から下流側へ一段低くなる段差446を設けたことを特徴とする。
<別発明7について>
また、前述した実施形態からは、次のような別発明7も導かれる。
[1]遊技機2から回収された遊技媒体を研磨しつつ揚送する研磨装置30において、
遊技媒体を円周方向に並ぶ歯溝322に保持し、軸心周りに回転可能な研磨用歯車32と、該研磨用歯車32の外周に沿って配され、遊技媒体に接して研磨可能な研磨部材330と、を備え、
前記研磨部材330は、長尺なテープであってロール状に巻かれた状態でカセット331内に収納され、該カセット331は、前記研磨用歯車32が設けられた本体31に対して着脱可能であり、
前記カセット331は、前記本体31に装着されたとき、該カセット331の外部に引き出された前記研磨部材330を前記研磨用歯車32の外周に沿わせてから、該カセット331の着脱方向と平行な方向へ送出可能であることを特徴とする。
[2]前記研磨部材330を送出するために、該研磨部材330の途中を挟持した状態で回転可能な一対の回転体351,352を備え、
前記一対の回転体351,352は、それぞれの回転軸を結ぶ線が、前記カセット331の着脱方向と直交していることを特徴とする。
ここで回転体351,352とは、歯車ら限らず外周に滑り止め加工が施されたローラでも良い。
[3]前記一対の回転体351,352のうち、一方は、従動回転体352として前記カセット331に軸支され、他方は、駆動回転体351として前記本体31に軸支され動力により回転駆動することを特徴とする。
[4]前記カセット331は、その前端側で前記研磨用歯車32の外周に沿って円弧形に凹む湾曲面部332と、該湾曲面部332の一端に連なる一側壁331aに開設され、前記研磨部材330を外側に引き出すガイド溝333と、を備え、
前記従動回転体352は、前記湾曲面部332の他端に連なる他側壁331bに配置され、
前記研磨部材330は、前記ガイド溝333から前記湾曲面部332の一端側へ引き出され、前記研磨用歯車32の外周に沿って移動しつつ、前記駆動回転体351と前記従動回転体352とによって送出されることを特徴とする。
[5]前記カセット331において前記ガイド溝333から前記一対の回転体351,352に至る前記研磨部材330の移動経路の途中に、前記研磨部材330の有無を検知する検知部を設けたことを特徴とする。
[6]前記本体31に、前記研磨装置30の動力系である駆動手段35と、該駆動手段35の動作を制御する制御手段とを、それぞれ一体に組み付けたことを特徴とする。
[7]前記本体31を設置面上に配置するときに、該本体31の一端側を載せて位置決めするための平板状の位置決め部材314を備え、
前記位置決め部材は、前記本体31における前記研磨用歯車32から遊技球の排出側に至る遊技球の移動経路の途中に挿脱可能であり、当該途中に挿入されたときに、前記研磨用歯車32からの遊技球の流出を止めるシャッターを兼ねることを特徴とする。
[8]前記研磨用歯車32の回転に伴い順次押し出された遊技球を上方へ揚送する揚送路34を備え、
前記揚送路34において所定値以上の曲率で曲がる箇所の外周に補強壁341aを設けたことを特徴とする。
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、遊技機島1におけるユニット10の配置や個数は、前述した実施形態の態様に限られず、遊技店内の壁際に設置する場合には、ユニット10は背中合わせではなく、両側方向へのみ配置される。
また、ユニット10自体を構成するフレーム部材113、天板部材13、下部配置部材15、上部配置部材16、腰板部材17、幕板部材18等の各部材だけでなく、レール20等も、それぞれ繰り返し再利用することが可能である。その他、遊技機島1の構造に関する台間部材60、連結部材61、締結部材70、さらに関連機器である貯留タンク40、揚送研磨装置30、補給樋50等も含めて、本実施形態のユニット10ないし遊技機島1に係わる全ての部材・機器も、それぞれ繰り返し再利用することが可能である。