JP7471565B2 - 水洗大便器 - Google Patents
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Description
さらに、ボウル部の後部に位置している第1の吐水口は、水平方向に扁平な開口であるので、第1の吐水口から吐水される洗浄水の上方向の流れ成分を極力なくすことができる。これにより、リム部の内周面が略垂直方向に延びる平坦面により形成されている場合、つまり、リム部の内周面がオーバーハングしていない場合であっても、第1の吐水口から吐水された洗浄水がリム部を超えて飛散することをより効果的に抑制している。
さらに、導水路の下流端部には絞り流路が形成されているので、吐水口から吐水される水の勢いを向上させつつ、吐水の流れを規制することができる。加えて、吐水口が横長形状の開口であるので、吐水口から吐水される洗浄水の上方向の流れ成分を抑制することができる。そのため、内周面が鉛直方向に立ち上がるように形成された清掃性が高いリム部においても、ボウル部に形成される旋回流の旋回性を向上させることができる。
このように、便器本体の洗浄性及び清掃性を維持しつつ、便器本体の意匠性を向上させることができる。
また、ディストリビューターを備えていることにより、吐水口から吐水される洗浄水の流れをより安定化させることができる。そのため、洗浄水がリム部を超えて飛散してしまうことをより抑制しつつ、ボウル部内に旋回流を良好に生成することができる。
<水洗大便器の構成>
まず、図1~図3を参照して、本発明の第一実施形態に係る水洗大便器について説明する。なお、以下においては、図中に示す方向を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、タンク装置4が給水装置としての機能を果たす。
なお、便座の内周縁の全周がリム部16の内周面よりもボウル部8の内側にせり出していなくてもよく、後述する吐水口18の上方付近における便座の内周縁がリム部16の内周面よりもボウル部8の内側に庇状にせり出していればよい。
また、便座の上方に便蓋(図示せず)が設けられていてもよい。
なお、吐水口18が開口している位置等については、後に詳述する。
なお、絞り流路22は、水平方向の流路幅でなく、鉛直方向やその他の方向の流路幅を絞るように形成されていてもよい。また、単一の方向だけでなく、複数の方向の流路幅を絞るように形成されていてもよい。
つぎに、図4~図6を参照して、本発明の第一実施形態に係る吐水口について詳述する。
また、水洗大便器1の上面視を示す図4において、ボウル部8の中央位置をC1、吐水口18の幅の中央位置をC2、ボウル部8の中央位置C1を通り前後方向に沿う直線(左右中心線)をL、リム部16の内周面を表す曲線上の吐水口18の幅の中央位置C2における接線をP、接線Pに対する垂線をT、垂線Tと左右中心線Lとのなす角度をRで示している。ここで、ボウル部8の中央位置C1は、リム部16の内周面の前端と後端を結ぶ線の略中間位置における点である。
さらに、図5及び図6において、吐水口18を前方(水洗大便器1の前方)から見たときの吐水口18の幅をB1、吐水口18を垂線Tに沿う方向(吐水口18に正対する方向)から見たときの吐水口18の幅をB2で示している。
また、図6において、吐水口18を前方から見たときの吐水口18の開口面積をS1、吐水口18を垂線Tに沿う方向から見たときの吐水口18の開口面積をS2で示している。つまり、開口面積S1は、吐水口18の前方視における見かけ上の開口面積であり、開口面積S2は、吐水口18の実質上の開口面積である。
さらに、吐水口18は、汚物受け面14の上縁(汚物受け面14とリム部16の境界)に吐水口18の下端が接するように形成される。このため、吐水口18から汚物受け面14へ万遍なく洗浄水を吐水することができる。さらに、鉛直方向に立ち上がるリム部16の内周面に吐水口18が開口しているので、上面視で吐水口18を見えにくくすることができ、意匠性を向上させることができる。
また、ボウル部8の後半部において、吐水口18の位置が上面視で左右中心線Lと垂線Tとのなす角度Rが45度となる位置よりも前方であるほど、前方に投影された吐水口18の開口面積S1は小さくなる、つまり、前方から見たときの吐水口18がより小さく見える。
上面視で角度Rが60度となる位置に吐水口18が形成されている場合、前方から吐水口18を見たときの吐水口18の幅B1と、吐水口18の開口と対向する方向から吐水口18を見たときの吐水口18の幅の大きさの比は、「B1:B2=1:2」となる。そのため、前方から吐水口18を見たときの吐水口18の開口面積S1と吐水口18の開口と対向する方向から吐水口18を見たときの吐水口18の開口面積S2の比は、概略、「S1:S2=1:2」となる。言い換えると、吐水口18の開口と対向する方向から吐水口18を見たときの吐水口18の開口面積S2に比べて、前方から吐水口18を見たときの吐水口18の開口面積S1は、約50%の大きさとなる。
このように、吐水口18の位置が角度Rが60度となる位置よりも前方側であれば、前方から吐水口18を見たときの吐水口18の開口面積S1は、吐水口18の開口と対向する方向から吐水口18を見たときの吐水口18の開口面積S2の半分以下の大きさになるため、高い意匠性を得る観点からより好ましい。
つぎに、図7を参照して、本発明の第一実施形態に係る水洗大便器の動作及び作用について説明する。
なお、図6は、図2のIII-III線に沿って見た断面図である。
このように、導水路20の下流端部には、流れ方向に沿って延びる板面が上下に配向した整流板24が設けられているので、吐水口18に対して水の流れを集めることができ、吐水口18から吐水される水の流れについて方向付けを行うことができる。これにより、吐水口18から吐水される水の流れを安定化させることができる。そのため、リム部16の内周面が鉛直方向に立ち上がるように形成された場合であっても、洗浄水がリム部16を超えて飛散してしまうことを抑制しつつ、ボウル部8内に旋回流を良好に生成することができる。
このように、導水路20の下流端部には絞り流路22が形成されているので、吐水口18から吐水される洗浄水の勢いを向上させつつ、吐水の流れを規制することができる。加えて、吐水口18が横長形状の開口であるので、吐水口18から吐水される洗浄水の上方向の流れ成分を抑制することができる。そのため、本実施形態のように、リム部16の内周面が鉛直方向に立ち上がるように形成された場合であっても、洗浄水がリム部16を超えて飛散してしまうことを抑制しつつ、ボウル部8に形成される旋回流の旋回性を向上させることができる。また、本実施形態のようにリム部16の内周面に形成される吐水口18が一穴である場合であっても、絞り流路22によって、洗浄水がリム部16を超えて飛散してしまうことを抑制しつつ、ボウル部8に形成される旋回流の旋回性を向上させることができる。
加えて、ボウル部8に洗浄水を吐水して旋回流を形成する吐水口18は、一穴のみで十分な旋回流を形成することができるので、供給口6から吐水口18に至るまでの流路、例えば導水路20を簡便に構成することができる。そのため、便器本体2の構造をより簡便にすることができる。また、ボウル部8に洗浄水を吐水して旋回流を形成する吐水口18は一穴のみである、つまり、リム部16の内周面には吐水口18のみが設けられているので、リム部16の清掃性をより向上させることができる。
つぎに、図8を参照して、本発明の第二実施形態に係る水洗大便器について説明する。
なお、図8は、図2のIII-III線に沿って見た断面図である。
また、ディストリビューター26を備えていることにより、導水路20内における水の流れをディストリビューター26による管路内に規制することができる。これにより、吐水口18から吐水される洗浄水の流れをより安定化させることができる。また、ディストリビューター26は、陶器に比べて寸法精度の高い樹脂で形成されているので、水洗大便器1間の吐水流量のバラツキを抑制することができる。そのため、洗浄水がリム部16を超えて飛散してしまうことをより抑制しつつ、ボウル部8内に旋回流を良好に生成することができる。
また、ディストリビューター26の流路を延長し、ディストリビューター26の出口26bは、吐水口18と略一致する位置に設けられていてもよい。このとき、絞り流路22は、ディストリビューター26の内部の流路に形成されていてもよい。
さらに、ディストリビューター26の流路を短縮し、ディストリビューター26の出口26bから吐水された洗浄水が整流板24に導かれて吐水口18に向かって流れるように、ディストリビューター26の出口26bが整流板24の上流に設けられていてもよい。
つぎに、図9を参照して、本発明の第三実施形態に係る水洗大便器について説明する。
なお、図9は、図4のVI-VI線に沿って見た断面図である。
なお、吐水口カバー28は、軸支部28bによりカバー本体28aをリム部16の内側に向かう方向に付勢するように支持する構成であってもよい。この場合、カバー本体28aを付勢する手段として、軸支部28bに例えばバネ等が設けられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
2 便器本体
4 タンク装置
6 供給口
8 ボウル部
10 溜水部
12 排水トラップ管路
12a 入口
12b 出口
14 汚物受け面
16 リム部
18 吐水口
20 導水路
22 絞り流路
24 整流板
26 ディストリビューター
26a 入口
26b 出口
28 吐水口カバー
28a カバー本体
28b 軸支部
B1、B2 前方に投影した吐水口の幅
C1 ボウル部の中央位置
C2 吐水口の幅の中央位置
L 左右中心線
P 接線
R 角度
S1、S2 前方に投影した吐水口の開口面積
T 垂線
W0 初期水位
Claims (4)
- 洗浄水により便器本体を洗浄する水洗大便器であって、
ボウル形状の汚物受け面と、前記汚物受け面の上縁部に沿って形成されその内周面が鉛直方向に立ち上がるように形成されたリム部と、を有するボウル部と、
前記ボウル部に洗浄水を吐水して旋回流を形成する吐水口と、
前記吐水口に洗浄水を供給する導水路と、を備え、
前記導水路は、前記吐水口に向かって前方に延びる部分を有しており、
前記導水路の前記吐水口に向かって前方に延びる部分の一方の側壁は、前記吐水口の後部側の周壁面部と繋がって、鋭角状の角部を形成しており、
前記導水路の前記吐水口に向かって前方に延びる部分の他方の側壁は、前後方向に略直線状に延びて、前記吐水口の前部側の周壁面部と繋がって、鈍角状の角部を形成しており、
前記ボウル部に洗浄水を吐水する前記吐水口は、前記リム部の内周面にのみ設けられており、
前記導水路の下流端部には、絞り流路が形成され、
前記吐水口は、横長形状の開口であり、前記ボウル部の後半部において、上面視において、前記リム部の内周面を表す曲線にある前記吐水口の幅の中央位置における接線に対する垂線と、前記ボウル部の前後方向に沿う直線と、のなす角が45度となる位置よりも前方に形成されており、
前記吐水口は、前記リム部の内周面の前端と後端とを結ぶ線の中央位置よりも後方側の部分に設けられており、
前記リム部の内周面の前端と後端とを結ぶ線と前記垂線とが交差する位置は、前記中央位置よりも後方であり、
前記リム部の内周面は、全周にわたって、前記ボウル部の内側に向かってオーバーハングすることなく、前記汚物受け面の前記上縁部から略鉛直方向に延びる平坦面により形成されており、
前記吐水口は、前記汚物受け面の前記上縁部に当該吐水口の下端が接するように形成されている
水洗大便器。 - 前記吐水口の上下方向の大きさが、後方側よりも前方側の方が小さい
請求項1に記載の水洗大便器。 - 前記導水路の下流端部には、流れ方向に沿って延びる板面が上下に配向した整流板が設けられている
請求項1又は請求項2に記載の水洗大便器。 - 洗浄水源から前記導水路に洗浄水を吐水するディストリビューターを備える
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水洗大便器。
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