JP2002138555A - 便 器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりも洗浄効率を向上させることがで
き、洗浄水量を減らすことのできる便器の提供を目的と
する。 【構成】 便器１の溜水部４の後方に回り込んだ洗浄水
の主流束Ｒａが、トラップ入口５ａに向かって真下方向
に流下するように、溜水部４の後面壁４ａをトラップ入
口５ａから略垂直に立ち上げて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、便器の改良に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、図３の平面図で、ま
た図４の縦断面構成図で示すように、便器１の上面のリ
ム２の後方にはディストリビューター３が設けられてお
り、図示しないロータンクからの水がこのディストリビ
ューター３を通りリム２内に流され、溜水部４からトラ
ップ５の入口に流れ込むように構成されているが、図に
示すように、洗浄水の主流束Ｒａが溜水部４の前方側か
らトラップ５の入口に流れ込む形式では、旋回する洗浄
水の副流束Ｒｂと前記主流束Ｒａが溜水部４で衝突し
て、主流束Ｒａの水勢が低下してしまい、これにより、
汚物をトラップ５内に押し出す力が弱まり、洗浄効率が
低下してしまうという問題点があった。また、図５の平
面図で、図６の縦断面構成図で示すような、主流束Ｒａ
と副流束Ｒｂが溜水部４に向かって旋回流を伴い流れ落
ちるような構成においても、洗浄水が溜水部４で回転す
るばかりで、汚物をトラップ５内に押し出す力が弱ま
り、洗浄効率が低下してしまうという問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、洗浄効率を向上させ、
洗浄水のトラップへの押し込みを強くし、少ない洗浄水
量でも効率良く洗浄できる便器を提供せんことを目的と
し、その第１の要旨は、溜水部後方に回り込んだ洗浄水
の主流束が、トラップ入口に向かって真下方向に流れ込
むように、前記溜水部の後面壁を前記トラップ入口から
立ち上げ形成したことである。また、第２の要旨は、前
記溜水部の後面壁が、横幅６０mm〜８０mmで略垂直な平
面形状に形成されていることである。また、第３の要旨
は、前記溜水部の後面壁の高さが、溜水部内の溜水面か
ら６０mm以上に設定されていることである。

【０００４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、便器の平面構成図であり、また図２は、
便器の中心部の縦断面構成図である。

【０００５】図において、便器１の上面に形成された水
路を形成するリム２の後方には、ディストリビューター
３が配設されており、ディストリビューター３内には図
示しないロータンクから洗浄水が供給されるもので、デ
ィストリビューター３の一方側の先端には、開口の大な
る主流出口３ａが形成され、ディストリビューター３の
他方側の中央部には副流出口３ｂが形成され、その先端
には、小径の半開孔３ｃが形成されている。便器１の底
側の溜水部４には、通常、封水用の水が溜められて溜水
面Ｗを形成しており、溜水部４の後縁下部にはトラップ
部５の入口５ａが開口されており、トラップ部５の下流
端には排水口６が形成されている。

【０００６】本例では、溜水部４の後面壁４ａが、トラ
ップ入口５ａから略垂直に立ち上げ形成されており、こ
の後面壁４ａは、その垂直方向の高さａが、前記溜水面
Ｗから６０mm以上の高さとなるように設定されており、
また、この後面壁４ａの幅方向寸法ｂは６０mm〜８０mm
に設定されている。即ち、溜水部４の後壁面４ａは、横
幅ｂが６０mm〜８０mmで、垂直高さａが６０mm以上の垂
直な平面形状をなして、トラップ入口５ａの真上に立ち
上げ形成されたものとなっている。

【０００７】前記ディストリビューター３の主流出口３
ａから流出されて、リム２内を回り、反対側の小径の半
開孔３ｃから流出した水と衝突して溜水部４に流れ込む
大量の主流束Ｒａが、前記後面壁４ａに回り込むように
設定されており、後面壁４ａに回り込んだ主流束Ｒａ
は、後面壁４ａに沿って真下のトラップ入口５ａに向か
って流下されて、汚物をトラップ入口５ａに強力に押し
込むことができるものである。

【０００８】なお、副流出口３ｂから流れ出る副流束Ｒ
ｂは、溜水部４の後方から旋回して溜水部４の前方側に
回り込むように設定されており、この副流束Ｒｂは前記
主流束Ｒａに衝突することのないように設定されてい
る。従って、大量の洗浄水からなる主流束Ｒａは、副流
束Ｒｂと衝突することなく溜水部４の後方に回り込ん
で、後面壁４ａに沿って一気に真下方向に勢いよくトラ
ップ入口５ａに押し込まれるため、従来よりも主流束Ｒ
ａの水勢が大であり、従って汚物をトラップ入口５ａに
押し出す力が大で、洗浄効率が格段に向上したものとな
る。従って、少ない洗浄水の量でも十分な洗浄効果が得
られ、従来よりも洗浄水量を減らすことができて、例え
ば洗浄水量を６リットル以下に減らして節水を図ること
ができるものとなる。

【０００９】

【発明の効果】本発明は、溜水部後方に回り込んだ洗浄
水の主流束が、トラップ入口に向かって真下方向に流れ
込むように、溜水部の後面壁をトラップ入口から立ち上
げ形成したことにより、主流束は溜水部の後面壁に沿っ
て真下方向に勢いよく落とし込まれてトラップ入口に押
し込まれるため、汚物をトラップに押し出す力が従来よ
りも強くなり、洗浄効率が向上するものとなり、従来よ
りも洗浄水量を少なくしても十分な洗浄効果が得られる
ものとなる。

【００１０】また、溜水部の後面壁が、横幅６０mm〜８
０mmで略垂直な平面形状に形成されていることにより、
主流束は後面壁の横幅に沿って旋回しながら真下方向に
トラップ入口に流れ込むため、トラップ入口へ侵入する
主流束の水勢が従来よりも格段に向上したものとなる。

【００１１】また、溜水部の後面壁の高さが、溜水部内
の溜水面から６０mm以上に設定されていることにより、
主流束に十分な落下力が与えられて、主流束の水勢が増
大されてトラップ入口に押し込まれ、洗浄効率を極めて
向上させることができるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】便器の平面構成図である。

【図２】便器の縦断面構成図である。

【図３】従来の便器の平面構成図である。

【図４】図３の便器の縦断面構成図である。

【図５】さらに異なる従来の便器の平面構成図である。

【図６】図５の便器の縦断面構成図である。

【符号の説明】

１ 便器 ２ リム ３ ディストリビューター ３ａ 主流出口 ３ｂ 副流出口 ３ｃ 半開孔 ４ 溜水部 ４ａ 後面壁 ５ トラップ部 ５ａ トラップ入口 Ｒａ 主流束 Ｒｂ 副流束 ａ 後面壁の溜水面からの高さ ｂ 後壁面の幅寸法

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溜水部後方に回り込んだ洗浄水の主流束
   が、トラップ入口に向かって真下方向に流れ込むよう
   に、前記溜水部の後面壁を前記トラップ入口から立ち上
   げ形成したことを特徴とする便器。
2. 【請求項２】 前記溜水部の後面壁が、横幅６０mm〜８
   ０mmで略垂直な平面形状に形成されていることを特徴と
   する請求項１に記載の便器。
3. 【請求項３】 前記溜水部の後面壁の高さが、溜水部内
   の溜水面から６０mm以上に設定されていることを特徴と
   する請求項２に記載の便器。