JP7471332B2 - 滑り止め機能を有する経編地及び繊維製品 - Google Patents
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Description
滑り止め機能を付与する目的は様々であるが、主に、肌と接する製品(例えば、下着類など)への利用を想定したもの、具体的には、肌と接する面に滑り止め機能を付与することで、着用した際に衣類のずれを防止することを狙ったものや、さらに、肌を引っ張り上げながら着用することで、体型補正・姿勢矯正(ヒップアップ、バストアップなど)を狙ったものなどがある。
しかし、肌と接する製品を主たる用途として想定した場合には、編地全体にわたって露出した滑り止め用スパンデックス糸が肌全体を覆うこととなるため、通気性・吸汗性に乏しく、蒸れの原因となる恐れがある。
すなわち、本発明にかかる経編地は、非弾性糸編成組織及び弾性糸編成組織により構成されるベース組織の表面側及び/又は裏面側に、滑り止め用糸による滑り止め用編成組織が編み込まれてなる、滑り止め機能を有する経編地であって、前記滑り止め用編成組織は、少なくとも1種の滑り止め用糸が、ベース組織内に編み込まれる編込部と、ベース組織から露出するように編込部間に形成される露出部を有する一定の繰り返し単位で編み込まれており、前記滑り止め用編成組織の露出部の少なくとも一部において、隣接する露出部同士が1ウェール分以上離間している。
ベース組織に用いる非弾性糸としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、綿、絹などの天然繊維などからなるものを、経編地の用途や要求性能に合わせて適宜に選択して使用することができる。種類としては、仮撚り加工糸、強撚糸、タスラン糸、太細糸、混繊糸、複合糸など、特に限定されない。
非弾性糸の太さとしては、特に限定するわけではないが、例えば、22~156dtexである。
弾性糸の太さとしては、特に限定するわけではないが、例えば、22~470dtexである。
滑り止め用糸の太さとしては、特に限定するわけではないが、例えば、44~470dtexである。
本発明にかかる経編地を編成するに際しては、通常の編成装置および編成方法が適用できる。
経編機としては、特に限定されず、例えば、トリコット編機、ラッセル編機などが使用でき、また、ジャカード編成組織を編成する場合には、ジャカード機構を備えたジャカード編機が使用できる。
編成後は、セット加工や精練処理、染色処理等の、通常の経編地に行われている処理を施すことができる。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の第1の態様に係る経編地を編成するための具体的な編成例(編成例1~6及びその他の変形例)を示す。なお、各編成例において説明が重複する点や、図面から明らかな点は、適宜説明を割愛している。また、各編成例において、共通の構成については、同一の符号を付している。
編成例1の経編地は、筬GB1~筬GB4の4枚筬で編成される。筬GB1及びGB2により滑り止め用編成組織、筬GB3により非弾性糸編成組織、筬GB4により弾性糸編成組織が、それぞれ編成される。
滑り止め用編成組織は、筬GB1に1イン2アウトで通糸された第1の滑り止め用糸11、及び筬GB2に1イン2アウトで通糸された第2の滑り止め用糸12の2種の滑り止め用糸により編成されている。
ベース組織を構成する非弾性糸編成組織は、筬GB3にフルセットで通糸された非弾性糸20により編成され、弾性糸編成組織は、筬GB4にフルセットで通糸された弾性糸30により編成されている。
第2の滑り止め用糸12は、図1に示す通り、01/11/11/11/11/11/12/22/22/33/33/33/43/33/33/33/33/33/32/22/22/11/11/11//の繰り返し単位(24コース)からなる。
具体的には、非弾性糸20は、図1に示す通り、10/12/21/23/21/12//の繰り返し単位からなる。
また、弾性糸30は、図1に示す通り、00/22/11/33/11/22//の繰り返し単位からなる。
図1,2から、滑り止め用編成組織は、編込部として編目形成部を有するとともに、露出部として、ベース組織から露出するように編目形成部間に挿入される露出挿入部を有しており、編目形成部1コース、露出挿入部5コースの繰り返しで構成されていることが分かる。
編成例1では、隣接する2種の滑り止め用糸11,12同士は、離間と接近を繰り返している。両者が最も接近するコース(図1,2では、7コース目及び19コース目)では、両者は同一ウェール上に編目を形成している。他方、両者が最も離間するコース(図1,2では、1コース目及び13コース目)では、2ウェールの間隔が空いている。
このように、2種の滑り止め用糸11,12が離間と接近を繰り返すことで、露出挿入部はメッシュ調に配されることとなり、隣接する露出挿入部同士において1ウェール分以上の離間が生じている。そのため、タテ・ヨコ・ナナメにバランスよく滑り止め機能を付与することができるとともに、隣接する露出挿入部同士が離間している箇所では、ベース組織が滑り止め用糸により覆われることなく外部と通じていることで、通気性・吸汗性にも優れた編地となる。
P=[(1リピート当たりの滑り止め用糸のトータルコース数)/(1リピート当たりのゲージ数×コース数)]×100
ただし、滑り止め用糸が、少なくとも1コースごとに左右に振られてベース組織内に挿入される波型挿入部を有する場合、この波型挿入部はベース組織内に潜り込んでいてこの部分での滑り止め機能は無視できる程度しかないので、当該波型挿入部のトータルコース数は、「1リピート当たりの滑り止め用糸のトータルコース数」から除く。
編成例1の場合、ヨコ3ゲージ、タテ24コースを1リピートとし、この1リピートに、24コースの滑り止め用糸が2本編成されているので、
P=[(24コース×2本)/(ヨコ3ゲージ×タテ24コース)]×100≒66.7%である。
編成例2は、滑り止め用編成組織のみを編成例1から変更した編成例である。ベース組織は、編成例1と共通であり、説明を割愛する。また、滑り止め用編成組織についても、編成例1と共通する点は、説明を割愛する。
図3に、編成例2の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
第2の滑り止め用糸12は、図3に示す通り、01/11/11/22/22/22/23/33/33/44/44/44/54/44/44/33/33/33/32/22/22/11/11/11//の繰り返し単位(24コース)からなる。
P=[(24コース×2本)/(ヨコ4ゲージ×タテ24コース)]×100=50%である。
編成例3も、滑り止め用編成組織のみを編成例1から変更した編成例である。ベース組織は、編成例1と共通であり、説明を割愛する。また、滑り止め用編成組織についても、編成例1と共通する点は、説明を割愛する。
図4に、編成例3の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
第2の滑り止め用糸12は、図4に示す通り、10/11/11/11/22/22/23/33/33/44/44/55/56/55/55/55/44/44/43/33/33/22/22/11//の繰り返し単位(24コース)からなる。
P=[(24コース×4本)/(ヨコ5ゲージ×タテ24コース)]×100=80%である。
編成例4も、滑り止め用編成組織のみを編成例1から変更した編成例である。ベース組織は、編成例1と共通であり、説明を割愛する。また、滑り止め用編成組織についても、編成例1と共通する点は、説明を割愛する。
図5に、編成例4の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
第2の滑り止め用糸12は、図5に示す通り、10/11/22/22/33/33/34/44/55/55/66/66/67/66/55/55/44/44/43/33/22/22/11/11//の繰り返し単位(24コース)からなる。
P=[(24コース×4本)/(ヨコ6ゲージ×タテ24コース)]×100≒66.7%である。
編成例5も、滑り止め用編成組織のみを編成例1から変更した編成例である。滑り止め用編成組織は、上述の編成例2に類似している。ベース組織は、編成例1と共通であり、説明を割愛する。また、滑り止め用編成組織についても、編成例1と共通する点は、説明を割愛する。
図6に、編成例5の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
第2の滑り止め用糸12は、図6に示す通り、01/11/11/12/22/22/23/33/33/34/44/44/54/44/44/43/33/33/32/22/22/21/11/11//の繰り返し単位(24コース)からなる。
編成例2と類似の編成であるが、編成例2との違いは、隣接する2種の滑り止め用糸同士が最も接近するコースと、最も離間するコースとの中間となるコース(図5では、4コース目、10コース目、16コース目及び22コース目)に、編目形成部を設けていることである。
その結果、編成例2と比べて、露出挿入部の割合が少なくなる。したがって、滑り止め機能よりも、通気性や吸汗性を優先した編成例と言える。
P=[(24コース×2本)/(ヨコ4ゲージ×タテ24コース)]×100=50%である。
編成例6の経編地は、筬GB1~筬GB4の4枚筬で編成される。筬GB1により非弾性糸編成組織、筬GB2により弾性糸編成組織、筬GB3及びGB4により滑り止め用編成組織が、それぞれ編成される。
滑り止め用編成組織は、筬GB3に1イン3アウトで通糸された第1の滑り止め用糸11、及び筬GB4に1イン3アウトで通糸された第2の滑り止め用糸12の2種の滑り止め用糸により編成されている。
ベース組織を構成する非弾性糸編成組織は、筬GB1にフルセットで通糸された非弾性糸20により編成され、弾性糸編成組織は、筬GB2にフルセットで通糸された弾性糸30により編成されている。
第2の滑り止め用糸12は、図7に示す通り、01/11/11/12/22/22/23/33/33/34/44/44/54/44/44/43/33/33/32/22/22/21/11/11//の繰り返し単位(24コース)からなる。
具体的には、非弾性糸20は、図7に示す通り、23/10//の繰り返し単位からなる。
また、弾性糸30は、図7に示す通り、10/12//の繰り返し単位からなる。
図7,8から分かるように、滑り止め用編成組織は、編目形成部1コース、露出挿入部2コースの繰り返しで構成されている。隣接する2種の滑り止め用糸同士は、離間と接近を繰り返している。両者が最も接近するコース(図8では、7コース目及び19コース目)では、両者は同一ウェール上に編目を形成している。他方、両者が最も離間するコース(図8では、1コース目及び13コース目)では、3ウェールの間隔が空いている。
編成例6は、また、編成例1~5と異なり、ベース組織の弾性糸が挿入組織ではなく、ルーピング組織であることで、スリップアウトし難く、そのため、耐久性の高い編地を編成することができる。
このように、本発明においては、滑り止め用糸組織は、ベース組織の表面側、裏面側のいずれに配置してもよい。また、ベース組織の弾性糸は挿入組織に限らず、ルーピング組織であっても良い。このことは、後述する第2の態様及び第3の態様においても同様である。
P=[(24コース×2本)/(ヨコ4ゲージ×タテ24コース)]×100=50%である。
本発明の第1の態様に係る経編地を編成するための具体的な編成例として、編成例1~6を例示したが、本発明の第1の態様に係る経編地は上記編成例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限度で、種々の実施形態を採り得る。
例えば、編目形成部を2コース以上連続させても良いし、露出挿入部のコース数を3コースや4コース、さらに6コース以上に変更しても良い。
また、滑り止め用糸の振り幅も特に限定されない。振り幅を大きくすると、隣接する2種の滑り止め用糸同士が最も離間するコースにおける両者の間隔を広くすることができることとなる。
なお、隣接する2種の滑り止め用糸同士が最も離間するコースにおける両者の間隔は、目的に応じて適宜決定することができるが、通気性・吸汗性を重視する場合は、2ウェール分以上の間隔を空けることが好ましい。
また、ベース組織を構成する非弾性糸編成組織及び弾性糸編成組織は、それぞれ、1種ずつに限定されるものではなく、2種以上の非弾性糸編成組織及び/又は2種以上の弾性糸編成組織からベース組織が構成されても良い。各編成組織は、総詰めに限定されず、例えば、一対のハーフセット編みであっても良い。また、ジャカード編成組織を含むものであっても良い。
次に、本発明の第2の態様に係る経編地を編成するための具体的な編成例(編成例7~10及びその他の変形例)について、第1の態様と同様、以下に示す。
編成例7の経編地は、筬GB1~筬GB4の4枚筬で編成される。筬GB1により非弾性糸編成組織、筬GB2により弾性糸編成組織、筬GB3及びGB4により滑り止め用編成組織が、それぞれ編成される。
滑り止め用編成組織は、筬GB3に3イン3アウトで通糸された第1の滑り止め用糸11、及び筬GB4に3イン3アウトで通糸された第2の滑り止め用糸12の2種の滑り止め用糸により編成されている。
ベース組織を構成する非弾性糸編成組織は、筬GB1にフルセットで通糸された非弾性糸20により編成され、弾性糸編成組織は、筬GB2にフルセットで通糸された弾性糸30により編成されている。
第2の滑り止め用糸12は、図9に示す通り、11/11/11/00/11/00/11/00/11/00/11/00/11/11/11/11/11/11/11/11/11/11/11/11//の繰り返し単位(24コース)からなる。
具体的には、非弾性糸20は、図9に示す通り、10/12/21/23/21/12//の繰り返し単位からなる。
また、弾性糸30は、図9に示す通り、00/22/11/33/11/22//の繰り返し単位からなる。
図9,10から、2種の滑り止め用糸11,12による各滑り止め用編成組織は、それぞれ、編込部として、1コースごとに左右に振られて挿入される波型挿入部を有するとともに、露出部として、ベース組織から露出するように波型挿入部間に挿入される露出挿入部とを有しており、波型挿入部9コース、露出挿入部15コースの繰り返しで構成されていることが分かる。
2種の滑り止め用糸11,12は、露出挿入部においてベース組織から露出する。波型挿入部ではベース組織内部に潜り込んだようになる。したがって、主に露出挿入部において、滑り止め機能が発揮されることになる。
P=[(15コース×6本)/(ヨコ6ゲージ×タテ24コース)]×100=62.5%である。
編成例8は、滑り止め用編成組織のみを編成例7から変更した編成例である。ベース組織は、編成例7と共通であり、説明を割愛する。また、滑り止め用編成組織についても、編成例7と共通する点は、説明を割愛する。
図11に、編成例8の滑り止め用編成組織を示す。
このように、第1の滑り止め用糸による挿入糸群と第2の滑り止め用糸による挿入糸群との間に離間を設けることで、露出挿入部同士がさらに離間することになるので、滑り止め機能よりも通気性や吸汗性を優先したい場合に有効である。
P=[(15コース×6本)/(ヨコ8ゲージ×タテ24コース)]×100≒46.9%である。
編成例9も、滑り止め用編成組織のみを編成例7から変更した編成例である。ベース組織は、編成例7と共通であり、説明を割愛する。また、滑り止め用編成組織についても、編成例7と共通する点は、説明を割愛する。
図12に、編成例9の滑り止め用編成組織を示す。
3本の挿入糸群と離間を繰り返す編成例8と比べると、2本の挿入糸群と離間を繰り返す編成例9のほうが、全体として、離間が多く入ることになるので、滑り止め機能よりも通気性や吸汗性をより優先させた編成例となる。
P=[(15コース×4本)/(ヨコ6ゲージ×タテ24コース)]×100≒41.7%である。
編成例10も、滑り止め用編成組織のみを編成例7から変更した編成例である。ベース組織は、編成例7と共通であり、説明を割愛する。また、滑り止め用編成組織についても、編成例7と共通する点は、説明を割愛する。
図13に、編成例10の滑り止め用編成組織を示す。
滑り止め機能に寄与する挿入糸群の本数を多めにしながら、挿入糸群間の離間を2ウェールと広く取ることで、メリハリのある編成例と言える。
P=[(15コース×6本)/(ヨコ10ゲージ×タテ24コース)]×100=37.5%である。
本発明の第2の態様に係る経編地を編成するための具体的な編成例として、編成例7~10を例示したが、本発明の第2の態様に係る経編地は上記編成例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限度で、種々の実施形態を採り得る。
また、上記編成例7~10では、第1及び第2の滑り止め用糸は、2本以上を単位として、交互に配列されているが、第1及び第2の滑り止め用糸の一方又は双方の単位本数を1本としても良い。
また、編込部として、波型挿入部に代えて、第1の態様に関して上述した編成例7~10で採用しているような編目形成部を採用しても良い。さらに、露出部として露出挿入部を採用しているが、いわゆるシンカーループを露出部として利用することもできる。
最後に、本発明の第3の態様に係る経編地を編成するための具体的な編成例(編成例11~14及びその他の変形例)について、以下に示す。
編成例11の経編地は、1種の滑り止め用糸を用いた例であり、滑り止め用糸を編成するための筬1枚、ベース組織の弾性糸編成組織を編成するための筬1枚、ベース組織の非弾性糸編成組織を編成するための筬1枚の計3枚の筬で編成される。ベース組織は、編成例1と共通であり、説明を割愛する。
図14に、編成例11の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
編成例11の滑り止め用編成組織は、筬GB1に2イン1アウトで通糸された滑り止め用糸10により編成されている。
2イン1アウトで糸通しされた編成筬で編成されていることで、隣接する露出挿入部同士が1ウェール分離間している。
P=[(6コース×2本)/(ヨコ3ゲージ×タテ6コース)]×100≒66.7%である。
編成例12の経編地も、1種の滑り止め用糸を用いた例であり、編成例11と同様に3枚筬で編成される。ベース組織は、編成例1と共通であり、説明を割愛する。
図15に、編成例12の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
編成例12の滑り止め用編成組織は、筬GB1に1イン1アウトで通糸された滑り止め用糸10により編成されている。
1イン1アウトで糸通しされた編成筬で編成されていることで、隣接する露出挿入部同士が1ウェール分離間している。
編成例11では滑り止め用糸が同一ウェール上に編成されているが、編成例12では、滑り止め用糸が斜め方向に挿入されているので、露出挿入部も斜め方向に露出することとなる。
P=[(12コース×1本)/(ヨコ2ゲージ×タテ12コース)]×100=50%である。
編成例13の経編地も、1種の滑り止め用糸を用いた例であり、編成例11,12と同様に3枚筬で編成される。ベース組織は、編成例1と共通であり、説明を割愛する。
図16に、編成例12の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
編成例13の滑り止め用編成組織は、筬GB1に1イン2アウトで通糸された滑り止め用糸10により編成されている。
1イン2アウトで糸通しされた編成筬で編成されていることで、隣接する露出挿入部同士が2ウェール分離間している。
P=[(24コース×1本)/(ヨコ3ゲージ×タテ24コース)]×100≒33.3%である。
編成例14の経編地も、1種の滑り止め用糸を用いた例であり、編成例11~13と同様に3枚筬で編成される。
図17に、編成例14の編地を構成する滑り止め用編成組織を示す。
編成例14の滑り止め用編成組織は、筬GB3に2イン1アウトで通糸された滑り止め用糸10により編成されている。
具体的には、非弾性糸20は、図17に示す通り、23/10//の繰り返し単位からなる。
また、弾性糸30は、図17に示す通り、10/12//の繰り返し単位からなる。
図17,18から分かるように、滑り止め用編成組織は、編込部として編目形成部を有するとともに、露出部として、ベース組織から露出するように編目形成部間に挿入される露出挿入部を有しており、編目形成部1コース、露出挿入部2コースの繰り返しで構成されている。
2イン1アウトで糸通しされた編成筬で編成されていることで、隣接する露出挿入部同士が1ウェール分離間している。
編成例14は、また、編成例11~13と異なり、ベース組織の弾性糸が挿入組織ではなく、ルーピング組織であることで、スリップアウトし難く、そのため、耐久性の高い編地を編成することができる。
P=[(12コース×2本)/(ヨコ3ゲージ×タテ12コース)]×100≒66.7%である。
本発明の第3の態様に係る経編地を編成するための具体的な編成例として、編成例11~14を例示したが、本発明の第3の態様に係る経編地は上記編成例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限度で、種々の実施形態を採り得る。
上述の第1及び第2の態様では、2種以上の滑り止め用糸を用いて、その組み合わせ方を工夫することによって、露出部同士の離間を確保しているが、編成例11~14では、滑り止め用糸の糸通しの仕方のみによって、露出部同士の離間を確保している。
そのため、編成例11~14では、滑り止め用編成組織を編成するための筬が1枚で済むので、上記第1及び第2の態様(滑り止め用編成組織を編成するための筬は2枚)と比べて、少ない筬枚数で経編地を編成することができる。筬枚数が少なくなることで、編立が早くなり、生産効率の向上にも繋がる。
このように、編成例11~14は、少ない筬枚数で経編地を編成できる点を利点の1つとするものであるが、敢えて、同様の滑り止め用編成組織を、2種以上の滑り止め用糸を用いて編成しても構わない。
Xの値が大きいほど、露出部の密度が大きくなり、滑り止め機能が強く発揮され、また、Yの値が大きいほど、露出部同士の離間が大きくなり、通気性や吸汗性が高くなる。
このような観点から、目的に合わせてX,Yの値を適宜調整することにより、様々な経編地を作製することができる。
編成例11~14のように、1種の滑り止め用糸で滑り止め用編成組織を編成する場合、Xの値は、特に限定するわけではないが、例えば、1~5程度とすることができる。また、Yの値も、特に限定するわけではないが、例えば、1~5程度とすることができる。
本発明にかかる経編地は、様々な繊維製品に利用でき、特にその用途が限定されるものではないが、例えば、ファンデーションやインナーウェア、スポーツウェア、アウターウェアなどの衣類、枕カバー、ベッドカバーなどの寝具や、カーテンなどに好適に利用でき、特に、下着類などの肌と接する製品への利用に適している。
カールマイヤー社製のRSE5EL(28ゲージ)を用いて、図1,2の編成例に従い、経編地を作製した。
編成条件を下表1に示す。
滑り止め用編成組織において、隣接する2種の滑り止め用糸同士が離間と接近を繰り返すことにより、露出挿入部がメッシュ調に配されている。これにより、タテ・ヨコ・ナナメにバランスよく滑り止め機能を付与することができた。また、隣接する露出挿入部同士が離間している箇所では、ベース組織が滑り止め用糸により覆われることなく外部と通じていることで、通気性・吸汗性の良好な編地であった。
カールマイヤー社製のRSE5EL(28ゲージ)を用いて、図3の編成例に従い、経編地を作製した。
編成条件を下表2に示す。
実施例1と比較すると、滑り止め機能はやや控えめだが、より通気性・吸汗性に優れた編地であった。
カールマイヤー社製のRSE5EL(28ゲージ)を用いて、図9,10の編成例に従い、経編地を作製した。
編成条件を下表3に示す。
滑り止め用編成組織において、波型挿入部と露出挿入部とが、タテ方向及びヨコ方向において、一定の間隔で交互に配されている。これにより、比較的バランスよく滑り止め機能を付与することができた。また、波型挿入部によって隣接する露出挿入部同士が離間した箇所では、ベース組織が滑り止め用糸により覆われることなく外部と通じていることで、通気性・吸汗性の良好な編地であった。
20 非弾性糸
30 弾性糸
GB1~GB4 筬
Claims (5)
- 非弾性糸編成組織及び弾性糸編成組織により構成されるベース組織の表面側及び/又は裏面側に、滑り止め用糸による滑り止め用編成組織が編み込まれてなる、滑り止め機能を有する経編地であって、
前記滑り止め用編成組織は、少なくとも1種の滑り止め用糸が、ベース組織内に編み込まれる編込部と、ベース組織から露出するように編込部間に形成される露出部を有する一定の繰り返し単位で編み込まれており、
前記滑り止め用編成組織の露出部の少なくとも一部において、隣接する露出部同士が1ウェール分以上離間しており、
前記滑り止め用編成組織は、少なくとも、第1の滑り止め用糸及び第2の滑り止め用糸の2種の滑り止め用糸により編成され、かつ、前記2種の滑り止め用糸が、それぞれ、ベース組織内に編み込まれる編込部と、ベース組織から露出するように編込部間に形成される露出部を有する一定の繰り返し単位で編み込まれており、
隣接する2種の滑り止め用糸同士が離間と接近を繰り返すことにより、隣接する露出部同士の離間が形成されており、
前記隣接する2種の滑り止め用糸が最も接近したコースにおいて、同一ウェール上に編目を形成している経編地。 - 非弾性糸編成組織及び弾性糸編成組織により構成されるベース組織の表面側及び/又は裏面側に、滑り止め用糸による滑り止め用編成組織が編み込まれてなる、滑り止め機能を有する経編地であって、
前記滑り止め用編成組織は、少なくとも1種の滑り止め用糸が、ベース組織内に編み込まれる編込部と、ベース組織から露出するように編込部間に形成される露出部を有する一定の繰り返し単位で編み込まれており、
前記滑り止め用編成組織の露出部の少なくとも一部において、隣接する露出部同士が1ウェール分以上離間しており、
前記滑り止め用編成組織は、少なくとも、第1の滑り止め用糸及び第2の滑り止め用糸の2種の滑り止め用糸により編成され、
前記2種の滑り止め用糸の繰り返し単位は、第1の滑り止め用糸の編込部が形成されているコースにおいて第2の滑り止め用糸の露出部が形成された組合せ箇所、及び、第1の滑り止め用糸の露出部が形成されているコースにおいて第2の滑り止め用糸の編込部が形成された組合せ箇所を備えており、
1本又は2本以上の第1の滑り止め用糸と、1本又は2本以上の第2の滑り止め用糸とが交互に配列されていることにより、隣接する露出部同士の離間が形成されている、経編地。 - 前記滑り止め用編成組織は、滑り止め用糸がXインYアウト(ただし、X,Yはそれぞれ独立して1以上の自然数)で糸通しされた編成筬で編成されたものであることにより、隣接する露出部同士の離間が形成されている、
請求項1、又は請求項2に記載の経編地。 - 前記滑り止め用編成組織において、以下に定義される割合Pが30~80%である、請
求項1から請求項3のいずれか1項に記載の経編地。
P=[(1リピート当たりの滑り止め用糸のトータルコース数)/(1リピート当たり
のゲージ数×コース数)]×100
ただし、滑り止め用糸が、少なくとも1コースごとに左右に振られてベース組織内に挿
入される波型挿入部を有する場合、当該波型挿入部のトータルコース数は、「1リピート
当たりの滑り止め用糸のトータルコース数」から除く。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の経編地からなる、繊維製品。
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