JP7342332B2 - 伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類 - Google Patents
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Description
なお、本発明に係る下半身用衣類は、ウエスト部を備えて丈が膝下から足首までの間で主としてアウターウェア用途として着用されるパンツタイプの下半身用衣類であって、その一例としてレギンス、スパッツおよびトレンカ(トレンカはスパッツおよびレギンスに対して土踏まずの部分に引っ掛ける部分を持つことが差異)が挙げられるが、本発明に係る下半身用衣類は、このようなレギンス等に限定されるものではなく、大きな伸縮性を備えることにより履き心地を向上させることができる(男性用にも女性用にも限定されない)下半身用衣類であって、たとえば大きなストレッチ性を備えたデニムパンツであっても構わない。
このような三原組織のうちの1つである綾織りを用いることによりデニムと呼ばれる織物(デニム織物)が製造されている。
このようなデニム織物において、よく知られている問題は、100%の綿糸から得られたものは、堅くて柔軟性に欠けることである。そのため、ユーザーにはその着心地が悪いとの不満がある。この問題を解決するため、通常は、デニム織物の緯糸を、伸縮自在のものとしている。この緯糸は、特にジーンズにおいて、織物の堅さを弱め、かつ、衣料としての着心地の良さを向上させる。このような織物は、伸縮性織物と呼ばれている。
この特許文献1に開示された伸縮性織物は、横糸(3)と、縦糸(2,2FS,2BS)を有する織物(1)であって、前記織物(1)は、表面(FS)と、裏面(BS)を有し、前記横糸(3)の少なくとも50%、好ましくは、少なくとも80%は、弾性を有し、前記横糸と縦糸は共に一定の織りパターンで織られており、これにより、前記横糸(3)は、多くの縦糸(2BS)の上と、多くの縦糸(2FS)の下に延在し、前記表面の横上部(5)及び前記裏面(BS)の横下部(4,4´)を備え、前記横糸(3)の前記横上部(5)に対応する前記縦糸(2BS)は、前記横糸(3)の前記横下部(4,4´)に対応する前記縦糸(2FS)の面よりも低い位置で、前記弾性の横糸(3)によって付勢され、かつ、前記織物(1)は、ASTM3107により測定して、少なくとも30%の伸長部を有することを特徴とする。さらに、前記織物(1)は、ASTM3107により測定して、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%の伸長部を有する。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、編物ではなく織物であるにも関わらず大きな伸縮性(よく伸びてよく縮む)を備えた伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類を提供することを目的とする。
すなわち、本発明にある局面に係る伸縮性織物は、よく伸びてよく縮むストレッチ性に優れた伸縮性織物であって、経糸に、弾性を備えた弾性糸を採用して、緯糸に、前記経糸よりも吸水性または通気性に優れた第1の糸および第2の糸を採用して、前記第1の糸と前記第2の糸とは太さが異なり、前記経糸および前記緯糸による綾織りまたは綾織りの変形組織であることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記第2の糸が前記第1の糸よりも2倍以上太いように構成することができる。
さらに好ましくは、前記弾性糸は、ポリウレタン糸を芯糸としてナイロン糸で被覆したカバリング糸であって、前記第1の糸および第2の糸は、綿糸であって、前記第2の糸が前記第1の糸よりも太く、前記カバリング糸の太さを1とした場合に、前記第1の糸の太さが0.93~1.73であって、前記第2の糸の太さが1.86~3.45であるように構成することができる。
好ましくは、前記伸縮性織物における伸縮性の大きい方向が前記下半身用衣類における胴回りまたは太腿回り方向であるように構成することができる。
本実施の形態に係る伸縮性織物の織組織は、三原組織の中の綾織りを基本としてそれを変形させた織組織であって図1の組織図で示される。本発明に係る伸縮性織物の織組織は、後述する経糸および緯糸による綾織りまたは綾織りの変形組織であることを特徴とする。以下においては、本実施の形態に係る伸縮性織物の織組織は、綾織りの変形組織であるとして説明する。
み、11,12の緯糸の上に浮いて、13の緯糸の下に沈み、14,15,16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
二の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3の緯糸の下に沈み、4,5,6の緯糸の上に浮いて、7の緯糸の下に沈み、8,9,10の緯糸の上に浮いて、11,12の緯糸の下に沈み、13,14の緯糸の上に浮いて、15,16の緯糸の下に沈むというように浮沈を繰り返す。
四の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3の緯糸の下に沈み、4,5,6の緯糸の上に浮いて、7,8の緯糸の下に沈み、9,10の緯糸の上に浮いて、11,12の緯糸の下に沈み、13,14の緯糸の上に浮いて、15の緯糸の下に沈み、16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
六の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3,4の緯糸の下に沈み、5,6の緯糸の上に浮いて、7,8の緯糸の下に沈み、9,10の緯糸の上に浮いて、11の緯糸の下に沈み、12,13,14の緯糸の上に浮いて、15の緯糸の下に沈み、16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
八の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3,4の緯糸の下に沈み、5,6の緯糸の上に浮いて、7の緯糸の下に沈み、8,9,10の緯糸の上に浮いて、11の緯糸の下に沈み、12,13,14の緯糸の上に浮いて、15,16の緯糸の下に沈むというように浮沈を繰り返す。
このような綾織りの変形組織においては、経糸が浮いた点が織物の表面に斜線として現れる。これを斜文線10として図2に示す。そして、この斜文線10が左下から右上に向かって走る面を織物の表という。なお、図2の「20」および「40」は、それぞれ「綿糸20番手」および「綿糸40番手」を示している。なお、本発明において「番手」は、「綿番手」であって、いわゆる「番手(英式)」であって恒重式単位である。より詳しくは、基準の重さを453.6g(1ポンド)として、かつ、基準の長さを768.1m(840ヤード)とした場合を1番手として、453.6gでA×768.1mあればA番手となる。このようにAが大きい方が綿糸の太さは細くなる。
り詳しくは、ここでは、第2の糸が第1の糸よりも2倍以上太い。さらに具体的には、図3に示すように、第2の糸が第1の糸よりも2倍以上太い一例として、太い方の第2の糸として20番手綿糸を採用して、細い方の第1の糸として40番手綿糸を採用している。
図4(A)に示すように、本実施の形態に係るストレッチ織物は、経糸としてポリウレタン糸の芯糸をナイロン糸で被覆したシングルカバリング糸(SCY)が採用されて、かつ、緯糸として細い方の第1の糸(40番手綿糸)と太い方の第2の糸(20番手綿糸)とが交互に配置されるようにして採用されている。
図5(C)に示す正面図(腹側)および図5(D)に示す背面図(背中側)を参照して、このレギンス100は、大きくは、1本の筒状部(ウエスト部120を含む胴部130)と左右の脚を挿入する2本の筒部(脚部110)とで構成されるように縫製されている。このレギンス100における伸縮性織物の伸縮性の大きな方向を白抜き両矢印で示して
いる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
110 脚部
120 ウエスト部
130 胴部
Claims (4)
- よく伸びてよく縮むストレッチ性に優れた伸縮性織物であって、
経糸に、弾性を備えた弾性糸を採用して、
緯糸に、前記経糸よりも吸水性または通気性に優れた第1の糸および第2の糸を採用して、
前記第1の糸と前記第2の糸とは太さが異なり、
前記経糸および前記緯糸による綾織りまたは綾織りの変形組織であり、
前記緯糸として、前記第1の糸と前記第2の糸とを交互に配置し、
前記第2の糸が前記第1の糸よりも2倍以上太いことを特徴とする伸縮性織物。 - 前記弾性糸は、ポリウレタン糸を芯糸としてナイロン糸で被覆したカバリング糸であって、
前記第1の糸および第2の糸は、綿糸であって、
前記第2の糸が前記第1の糸よりも太く、
前記カバリング糸の太さを1とした場合に、
前記第1の糸の太さが0.93~1.73であって、
前記第2の糸の太さが1.86~3.45であることを特徴とする、請求項1に記載の伸縮性織物。 - 請求項1または請求項2に記載の伸縮性織物を用いた下半身用衣類。
- 前記伸縮性織物における伸縮性の大きい方向が前記下半身用衣類における胴回りまたは太腿回り方向である、請求項3に記載の下半身用衣類。
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JP2019144623A JP7342332B2 (ja) | 2019-08-06 | 2019-08-06 | 伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類 |
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