JP7471198B2 - 排ガス浄化システムおよび排ガス浄化装置の再生方法 - Google Patents

排ガス浄化システムおよび排ガス浄化装置の再生方法 Download PDF

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Description

本開示は、内燃機関から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化システムおよび排ガス浄化装置の再生方法に関する。
内燃機関から排出される排ガス中のスート(煤)を含むPM(粒子状物質)を捕集除去するため、内燃機関の排気流路にDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)が配置されることがある。DPFにより捕集されたPMは、所定量に達するか又は一定時間毎に強制再生によって除去される。DPFの強制再生には、自動再生および手動再生が含まれる。
強制再生を実施する適切なタイミングを把握するためには、DPFにおけるPMの捕集量を精度よく推定する必要がある。PMの捕集量(スートの堆積量)は、ECU(制御装置)において内燃機関の運転状況に応じた時々刻々の堆積量変化量を演算することにより推定される。特許文献1には、内燃機関の運転状態(内燃機関の回転数および燃料噴射量)に応じてPMの排出量を算出するPM排出量マップを用いて、PMの排出量および堆積量を推定することが開示されている。
特開2011-58487号公報
一般的に、スートの堆積量を推定するためのマップ(例えば、特許文献1のPM排出量マップ)は、内燃機関の運転状態(内燃機関の回転数および燃料噴射量)を一定にした定常試験を実施することにより得られた定常試験データを基に作成されている。ところで、市場に流通する燃料は、燃焼の性状や特性が一様ではなく、製造メーカや地域などにより変動することがあり、燃料の着火性を示す燃料のセタン価も変動することがある。
仮に内燃機関に実際に供給される燃料のセタン価が、定常試験に用いた燃料のセタン価よりも大きい場合には、燃料が気筒内に噴射されてから着火に至るまでの期間である着火遅れ期間が短縮される。着火遅れ期間が短縮されると、着火までに燃料と空気が十分に混合できないことがあり、内燃機関の運転条件によっては、スートの排出量が増加することがある。この場合には、ECUにおいて推定されたスートの推定堆積量よりも、DPFに実際に堆積しているスートの堆積量が多くなり(過堆積)、内燃機関の燃費悪化や強制再生時の過昇温によるDPF破損の原因になる虞がある。
また、上述した過堆積を回避するために、市場に流通する燃料の中で最もセタン価の大きい燃料を用いた定常試験を実施し、スートの堆積量を推定するためのマップを作成した場合には、上述した過堆積を抑制できる。この場合には、スートの堆積量が過大に評価されるため、強制再生の頻度が多くなり、内燃機関の燃費悪化の原因になる虞がある。また、強制再生の頻度が多くなると、強制再生時の燃料によるエンジンオイルの希釈が進むため、エンジンオイルの交換頻度が増大する虞がある。
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、スートの堆積量の推定精度を向上できる排ガス浄化システムおよび排ガス浄化装置の再生方法を提供することにある。
本開示の一実施形態にかかる排ガス浄化システムは、
内燃機関から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化システムであって、
前記排ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)と、
前記DPFに捕集された前記スートの堆積量が所定値を超えたときに、前記DPFを昇温して前記スートを焼却除去するための制御を行うように構成されたDPF再生制御装置と、を備え、
前記DPF再生制御装置は、
前記内燃機関に使用される燃料のセタン価を考慮して、前記スートの堆積量を推定するように構成された堆積量推定部を含む。
本開示の一実施形態にかかる排ガス浄化装置の再生方法は、
内燃機関から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化装置であって、前記排ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を含む排ガス浄化装置の再生方法であって、
前記内燃機関に使用される燃料のセタン価を考慮して、前記DPFに捕集された前記スートの堆積量を推定する堆積量推定ステップと、
前記堆積量推定ステップで推定される前記スートの堆積量が所定値を超えたときに、前記DPFを昇温して前記スートを焼却除去するDPF再生ステップと、を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、スートの堆積量の推定精度を向上できる排ガス浄化システムおよび排ガス浄化装置の再生方法が提供される。
本開示の一実施形態にかかる排ガス浄化システムを備える内燃機関システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。 本開示の一実施形態にかかる排ガス浄化装置の再生方法の一例を示すフロー図である。 本開示の一実施形態におけるDPF再生制御装置の機能を説明するためのブロック図である。 本開示の一実施形態におけるDPF再生制御装置の機能を説明するためのブロック図である。 セタン価とスートの堆積量(排出量)との対応関係を示すグラフである。 本開示の一実施形態におけるDPF再生制御装置の機能を説明するためのブロック図である。 本開示の一実施形態におけるDPF再生制御装置の機能を説明するためのブロック図である。 本開示の一実施形態における推定モデルの機能を説明するためのブロック図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
(内燃機関システム)
図1は、本開示の一実施形態にかかる排ガス浄化システムを備える内燃機関システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。図1に示されるように、内燃機関システム1は、内燃機関2と、内燃機関2から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化システム3と、を備える。
内燃機関2は、複数の気筒21と、複数の気筒21の夫々の内部に収容されるピストン22と、を含む。内燃機関2は、気筒21と該気筒21の内部に収容されたピストン22との間に形成された燃焼室23を有する。内燃機関2は、燃焼室23において燃料および燃焼用気体を燃焼させるように構成されている。図示される実施形態では、内燃機関2は、ディーゼルエンジンからなる。他の幾つかの実施形態では、内燃機関2は、ディーゼルエンジン以外のエンジンであってもよい。
排ガス浄化システム3は、DOC(ディーゼル酸化触媒)41およびDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)42を含む排ガス浄化装置4と、排ガス浄化装置4の昇温手段5を制御することにより、排ガス浄化装置4の再生処理(すなわち、DOC41の回復処理およびDPF42の強制再生処理)を行うように構成されたDPF再生制御装置6(ECU7)と、を備える。DPF再生制御装置6は、DPF42の強制再生処理、すなわち内燃機関2から排出された排ガス中のスートを含むPMを昇温してスートを焼却除去するための制御を行うように構成されている。
図1に示される実施形態では、DPF再生制御装置6は、ECU7からなる。ECU(Engine Control Unit)7は、内燃機関2をコントロールする電子制御ユニットである。例えば、ECU7は、プロセッサを含む中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及びI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータとして構成されてもよい。
DPF再生制御装置6(ECU7)は、内燃機関システム1に設けられたセンサ類からの各種信号が、I/Oインターフェイスを介してCPUなどに入力されるようになっている。CPUでは、ROMに記憶されている制御プログラムに従って、各種制御を実行するように構成されている。なお、他の幾つかの実施形態では、DPF再生制御装置6は、ECU7の備える機能(プログラムや回路)の一つとして実装されていてもよい。また、他の幾つかの実施形態では、DPF再生制御装置6は、ECU7とは異なる電子制御ユニットとして構成されていてもよい。
内燃機関システム1は、燃焼室23における燃焼に供される燃焼用気体を内燃機関2の外部から内燃機関2に送るための吸気流路11と、内燃機関2から排出された排ガスを送るための排気流路12と、内燃機関2の内部(図示例では、燃焼室23)に未燃燃料を噴射するための燃料噴射装置13と、をさらに備える。吸気流路11は、内燃機関2の上流側に接続され、排気流路12は、内燃機関2の下流側に接続されている。燃焼用気体としては、例えば、大気圧の空気や圧縮機に圧縮された圧縮空気、空気(圧縮空気)とEGRガスを含む混合気などが挙げられる。
図示される実施形態では、燃料噴射装置13は、燃焼室23に高圧の未燃燃料を噴射するように構成されている。他の幾つかの実施形態では、燃料噴射装置13は、吸気流路11の燃焼室23近傍に高圧の未燃燃料を噴射するように構成されている。燃料噴射装置13は、高圧燃料が蓄圧された不図示のコモンレールに接続され、且つDPF再生制御装置6(ECU7)により、その噴射タイミング(噴射クランク角)および燃料噴射量が制御されるように構成されている。
通常運転時に行われるメイン噴射において、燃焼室23又は吸気流路11の燃焼室23近傍に噴射された高圧燃料は、吸気流路11を通じて燃焼室23に送られる燃料用気体と混同後に燃焼室23内で燃焼する。燃焼室23における燃焼により生じた排ガスは、排気流路12を通じて内燃機関システム1の外部に排出される。
(排ガス浄化装置)
DOC41は、排気流路12のDPF42よりも上流側に配置される。DPF42は、排気流路12のDOC41よりも下流側に配置される。ここで、「上流側」は、排気流路12を流れる排ガスの流れ方向における上流側を意味しており、「下流側」は、排気流路12を流れる排ガスの流れ方向における下流側を意味している。
DOC41は、酸化触媒により酸化反応を促進させることで、DOC41を通過する排ガス中の未燃燃料(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化除去する機能、および上記排ガス中の一酸化窒素(NO)を酸化して、DPF42に捕集されたPMとの反応によりPMを燃焼除去できる二酸化窒素(NO)を生成する機能を有する装置である。また、DOC41は、DPF42の強制再生処理時において、排ガス中に含まれる未燃燃料の酸化反応により生じる熱によって、DOC41を通過する排ガスを昇温し、DPF42の入口温度を昇温する機能をさらに有する。DOC41は、例えば、ハニカム状に多数の通気孔を有し、且つ外形が円筒形状又は直方体状に形成された本体と、該本体の内面に担持された酸化触媒と、を含む。
DOC41を通過した排ガスがDPF42に流入する。DPF42は、内燃機関2から排出された排ガス中のスート(煤)を含むPM(粒子状物質)を捕集し、排ガスから除去するフィルタを有する装置である。DPF42によりPMが除去された排ガスは、内燃機関システム1の外部に排出される。DPF42は、例えば、ハニカム状に多数の通気孔を有し、且つ外形が円筒形状又は直方体状に形成された本体と、上記多数の通気孔のうち、互いに隣接する通気孔の入口側と出口側とを交互に閉じるフィルタ(ろ過壁)と、を含む。このため、DPF42は、排ガスがフィルタを通過するように構成されており、排ガスは、DPF42のフィルタを通過する際にPMが除去される。なお、DPF42は、上記本体の内面に担持された酸化触媒をさらに含んでもよい。
内燃機関システム1は、吸気流路11に設置される吸気スロットルバルブ14、又は排気流路12に設置される排気スロットルバルブ15の少なくとも一方をさらに備える。図示される実施形態では、排気スロットルバルブ15は、排気流路12のDOC41よりも上流側に配置されている。吸気スロットルバルブ14および排気スロットルバルブ15の夫々は、DPF再生制御装置6(ECU7)により、その開度が制御されるように構成されている。
図示される実施形態では、内燃機関システム1は、ターボチャージャ16(過給機)をさらに備える。ターボチャージャ16は、吸気流路11に配置されるコンプレッサ161と、排気流路12に配置される排気タービン162と、コンプレッサ161および排気タービン162の夫々が取り付けられた回転シャフト163と、を含む。排気タービン162は、排気流路12の排気スロットルバルブ15およびDOC41よりも上流側に配置されている。コンプレッサ161および排気タービン162は、回転シャフト163により同軸で結合されている。排気流路12を通過する排ガスにより排気タービン162が回転駆動されると、同軸上のコンプレッサ161も回転駆動される。コンプレッサ161の回転駆動により圧縮されて密度が高められた燃焼用気体は、内燃機関2の燃焼室23に送り込まれる。排気流路12を流れる排ガスは、排気タービン162を回転駆動させた後に、DOC41(排ガス浄化装置4)に流入するようになっている。
他の幾つかの実施形態では、内燃機関システム1は、ターボチャージャ16の代わりに、スーパーチャージャや電動コンプレッサを備えていてもよい。また、内燃機関システム1は、ターボチャージャ16などを備えずに、大気圧の空気を燃焼室23に自然吸気するように構成されていてもよい。
図示される実施形態では、内燃機関システム1は、排気流路12を流れる排ガスの一部をEGRガスとして、吸気流路11のコンプレッサ161よりも上流側に還流させるように構成されたEGR装置17をさらに備える。EGR装置17は、吸気流路11と排気流路12とを繋ぐEGR管171と、EGR管171上に配置されたEGRバルブ172と、を含む。
EGR管171は、排気流路12の排気タービン162よりも上流側に一方側の端部が接続され、排気流路12からEGR管171が分岐している。また、EGR管171は、吸気流路11のコンプレッサ161よりも上流側、且つ吸気スロットルバルブ14よりも下流側に他方側の端部が接続されている。EGRバルブ172は、DPF再生制御装置6(ECU7)により、その開度が制御されるように構成されている。EGRバルブ172の開度を制御してEGRバルブ172を開くことで、内燃機関2から排出された排ガスの一部が、EGR管171を通じて吸気流路11に還流するようになっている。
(DPFの強制再生)
上述したように、DPF42を通過する際に排ガス中に含まれるスート(煤)を含むPMがDPF42により捕集される。DPF42により捕集されたPMは、排ガス浄化装置4に流入する排ガスが高温の場合には、高温の排ガスにより燃焼し、自然に除去される(自然再生)。自然再生により除去できないPMは、DPF42のフィルタに蓄積していく。このため、DPF42のフィルタに蓄積するPMを強制的に燃焼させて、フィルタを再生させる強制再生処理を適切なタイミングで実施する必要がある。
図2は、本開示の一実施形態にかかる排ガス浄化装置の再生方法の一例を示すフロー図である。図3および図4の夫々は、本開示の一実施形態におけるDPF再生制御装置の機能を説明するためのブロック図である。
幾つかの実施形態にかかる排ガス浄化装置4の再生方法100は、図2に示されるように、上述した内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、DPF42に捕集されたスートの堆積量SAを推定する堆積量推定ステップS101と、堆積量推定ステップS101で推定されるスートの堆積量SAが所定値(閾値T)を超えたときに、DPF42を昇温してスートを焼却除去するDPF再生ステップS102と、を備える。
再生方法100における幾つかのステップは、DPF再生制御装置6(ECU7)により行われてもよい。DPF再生制御装置6(ECU7)は、図3および図4に示されるように、データベース部61と、実セタン価ACを考慮してスートの堆積量SAを推定するように構成された堆積量推定部62と、を含む。堆積量推定部62は、必要な情報をデータベース部61から取得可能に構成されている。データベース部61には、内燃機関システム1に設けられたセンサ類が取得した情報が記憶される。
図2に示される実施形態では、上述した再生方法100は、堆積量推定ステップS101よりも前に、内燃機関2に実際に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を上述したDPF再生制御装置6(ECU7)のデータベース部61に記憶させる実セタン価登録ステップS103をさらに備える。
或る実施形態では、実セタン価登録ステップS103において、作業者(例えば、内燃機関システム1を搭載した車両販売元のセールスマン)が既知の実セタン価ACを、I/Oインターフェイス71(図3参照)を介してデータベース部61に入力することが行われる。実セタン価ACが不明である場合には、上記作業者は、内燃機関2が保証しているセタン価の保証範囲のうちの最大値を、実セタン価ACとして、I/Oインターフェイス71を介してデータベース部61に入力してもよい。
或る実施形態では、実セタン価登録ステップS103において、DPF再生制御装置6(ECU7)又は作業者が推定したセタン価(推定セタン価)を、実セタン価ACとして、データベース部61に記憶させてもよい。DPF再生制御装置6(ECU7)は、内燃機関2に実際に使用されるセタン価を推定するように構成されたセタン価推定部63(図4参照)をさらに備えていてもよい。セタン価推定部63は、必要な情報をデータベース部61から取得可能に構成されている。また、セタン価推定部63は、公知のセタン価の推定手段により推定セタン価を推定するようになっている。なお、推定セタン価は、実セタン価ACとの間に推定誤差が内在するため、実セタン価ACが既知である場合には、既知の実セタン価ACを用いる方が好ましい。
詳細は後述するが、堆積量推定ステップS101では、データベース部61に記憶された実セタン価ACを考慮して、スートの堆積量SAが推定される。図2に示される実施形態では、上述した再生方法100は、堆積量推定ステップS101で推定されたスートの堆積量SAが閾値Tを超えたか否かを判定する判定ステップS104をさらに備える。判定ステップS104において、スートの堆積量SAが閾値Tを超えたと判定された場合(S104で「YES」の場合)には、上述したDPF再生ステップS102が行われる。判定ステップS104において、スートの堆積量SAが閾値T以下の場合には(S104で「NO」の場合)には、堆積量推定ステップS101および判定ステップS104が繰り返される。
図3、図4に示される実施形態では、判定部64が判定ステップS104を実行する。DPF再生制御装置6(ECU7)は、図3および図4に示されるように、DPF42におけるスートの堆積量SAが閾値Tを超えたか否かを判定するように構成された判定部64をさらに含む。判定部64は、必要な情報をデータベース部61から取得可能に構成されている。
DPF再生ステップS102では、排ガス浄化装置4の昇温手段5を制御することにより、DPF42を昇温してスートを焼却除去することが行われる。図3、図4に示される実施形態では、強制再生実行部65が昇温手段5を制御することにより、DPF42が昇温されてスートが焼却除去される。DPF再生制御装置6(ECU7)は、強制再生実行部65をさらに含む。昇温手段5は、燃料噴射装置13、吸気スロットルバルブ14、排気スロットルバルブ15およびEGRバルブ172の少なくとも1つを含む。強制再生実行部65は、燃料噴射装置13の噴射タイミング(噴射クランク角)および燃料噴射量、吸気スロットルバルブ14の開度、排気スロットルバルブ15の開度、EGRバルブ172の開度の内の少なくとも1つを制御することにより、DPF42を昇温させるように構成されている。
幾つかの実施形態にかかる排ガス浄化システム3は、図1に示されるように、内燃機関2から排出される排ガス中のスート(煤)を捕集するDPF42と、DPF42に捕集されたスートの堆積量SAが所定値(閾値T)を超えたときに、DPF42を昇温してスートを焼却除去するための制御を行うように構成されたDPF再生制御装置6と、を備える。DPF再生制御装置6は、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、スートの堆積量SAを推定するように構成された堆積量推定部62を含む。
仮に、予め設定された設定セタン価SCを考慮して、スートの堆積量SAを推定した場合には、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)と、設定セタン価SCとの相違に伴うスートの堆積量の推定誤差が生じる虞がある。上記の構成によれば、DPF再生制御装置6は、上記実セタン価ACを考慮してスートの堆積量SAを推定することで、上記推定誤差を抑制できるため、スートの堆積量SAの推定精度を向上できる。
幾つかの実施形態にかかる排ガス浄化装置4の再生方法100は、図2に示されるように、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、DPF42に捕集されたスートの堆積量SAを推定する堆積量推定ステップS101と、堆積量推定ステップS101で推定されるスートの堆積量SAが所定値(閾値T)を超えたときに、DPF42を昇温してスートを焼却除去するDPF再生ステップS102と、を備える。
上記の方法によれば、堆積量推定ステップS101において、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、スートの堆積量SAを推定することで、予め設定された設定セタン価SCを考慮してスートの堆積量SAを推定する場合に比べて、実セタン価ACと設定セタン価SCの相違に伴うスートの堆積量の推定誤差を抑制できる。このように堆積量推定ステップS101における上記推定誤差を抑制することで、スートの堆積量SAの推定精度を向上できる。堆積量推定ステップS101におけるスートの堆積量SAの推定精度を向上させることで、不必要なスートの焼却除去処理(DPF再生ステップS102)の実施を抑制できる。
幾つかの実施形態では、上述した堆積量推定ステップS101(S105)では、図3に示されるように、燃料のセタン価(設定セタン価SC)が異なる複数の推定手段8のうちの、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)に対応する推定手段8を用いて、スートの堆積量SAを推定することが行われる。
図3に示される実施形態では、堆積量推定部62(62A)が堆積量推定ステップS101(S105)を実行する。堆積量推定部62(62A)は、燃料のセタン価(設定セタン価SC)が異なる複数の推定手段8のうちの、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)に対応する推定手段8を用いて、スートの堆積量SAを推定するように構成されている。
複数の推定手段8の夫々は、予め個々に設定された設定セタン価SC下における、内燃機関2の運転状態とスートの排出量との対応関係を示す第1の対応関係情報81を有する。第1の対応関係情報81は、内燃機関2の運転状態に関する情報を入力情報とし、該入力情報に対応するスートの排出量を出力可能な情報であればよく、入力情報(内燃機関2の運転状態に関する情報)と出力情報(スートの排出量)との対応関係を示すリストや表、マップ、関数、機械学習のモデルなどが含まれる。対応関係情報は、定常試験データを基に作成してもよいし、定常試験データ以外の過去の実績値や実験値、数値解析結果などを基に作成してもよい。
図3に示される実施形態では、複数の推定手段8が、堆積量推定ステップS101よりも前に予めデータベース部61に記憶されている。推定手段8は、内燃機関2の運転状態(内燃機関2の回転数および負荷)に応じてスートの排出量を出力するスート排出量マップ82を含む。DPF再生制御装置6(ECU7)では、不図示のクランクセンサ、カムセンサ、アクセルセンサ、スロットルセンサなどの各種センサからの入力信号を基に、内燃機関2の回転数および負荷が算出されるようになっている。
堆積量推定部62(62A)は、設定セタン価SCが夫々異なる複数のスート排出量マップ82(推定手段8)の中から、設定セタン価SCがデータベース部61に記憶された実セタン価ACに最も近いスート排出量マップ82(推定手段8)を選択する(推定手段選択ステップ)。そして、堆積量推定部62は、選択したスート排出量マップ82(推定手段8)を用いて、内燃機関2の運転状態(内燃機関2の回転数および負荷)に対応するスートの排出量(堆積量の変化量)を時々刻々と算出し、算出されたスートの排出量を積算することにより、スートの堆積量SAを推定する。
上記の構成によれば、セタン価(設定セタン価SC)が夫々異なる複数の推定手段8を予め用意することで、DPF再生制御装置6は、スートの堆積量SAを推定する際に、上記複数の推定手段8のうち、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)に対応した推定手段8を用いることができる。DPF再生制御装置6は、実セタン価ACに対応した推定手段8を用いることで、実セタン価ACを考慮したスートの堆積量SAを容易に推定できる。DPF再生制御装置6は、上記実セタン価ACを考慮してスートの堆積量SAを推定することで、上記推定誤差を抑制できるため、スートの堆積量SAを精度良く推定できる。また、DPF再生制御装置6は、実セタン価ACに対応した推定手段8を用いることで、実セタン価ACを考慮したスートの堆積量SAを容易に推定できるため、堆積量推定部62におけるスートの堆積量SAを推定するための演算処理の複雑化を抑制できる。
幾つかの実施形態では、上述した堆積量推定ステップS101(S105)では、図4に示されるように、予め設定された設定セタン価SCに対応する推定手段8を用いて、スートの堆積量SAを推定し、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、推定手段8を用いて推定したスートの堆積量SAを補正することが行われる。
図4に示される実施形態では、堆積量推定部62(62B)が堆積量推定ステップS101(S105)を実行する。堆積量推定部62(62B)は、予め設定された設定セタン価SCに対応する推定手段8を用いて、スートの堆積量SAを推定するように構成された堆積量仮推定部621と、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、堆積量仮推定部621において推定されたスートの堆積量SAを補正する堆積量補正部622と、を含む。
図4に示される実施形態では、所定の設定セタン価SCに対応する推定手段8が堆積量推定ステップS101よりも前に予めデータベース部61に記憶されている。推定手段8は、内燃機関2の運転状態(内燃機関2の回転数および負荷)に応じてスートの排出量を出力するスート排出量マップ82を含む。
堆積量仮推定部621は、所定の設定セタン価SCに対応するスート排出量マップ82(推定手段8)を用いて、内燃機関2の運転状態(内燃機関2の回転数および負荷)に対応するスートの排出量を時々刻々と算出し、算出されたスートの排出量を積算することにより、スートの堆積量SAを推定する。堆積量補正部622は、セタン価とスートの堆積量(排出量)との対応関係を示す第2の対応関係情報623を用いて、堆積量仮推定部621が推定したスートの堆積量SAを補正する。堆積量補正部622における補正により、実セタン価ACに対応するスートの堆積量SAが推定される。なお、堆積量補正部622における補正には、堆積量仮推定部621が時々刻々と算出するスートの排出量を、第2の対応関係情報623を用いて時々刻々と補正し、補正されたスートの排出量を積算することにより、スートの堆積量SAを推定することも含まれる。
第2の対応関係情報623は、設定セタン価SC、設定セタン価SCに対応するスートの堆積量SA(排出量)および実セタン価ACを入力情報とし、該入力情報に対応するスートの堆積量SA(実セタン価ACに対応するスートの堆積量(排出量))を出力可能な情報であればよく、上記入力情報と上記出力情報との対応関係を示すリストや表、マップ、関数、機械学習のモデルなどが含まれる。第2の対応関係情報623は、定常試験データを基に作成してもよいし、定常試験データ以外の過去の実績値や実験値、数値解析結果などを基に作成してもよい。
上記の構成によれば、DPF再生制御装置6は、堆積量仮推定部621によりスートの堆積量SAを推定する際に、設定セタン価SCに対応する推定手段8を用いることで、設定セタン価SCを考慮したスートの堆積量SAを推定できる。DPF再生制御装置6は、内燃機関2に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、堆積量仮推定部621において推定されたスートの堆積量SA(設定セタン価に対応するスートの堆積量)を補正することで、上記推定誤差を抑制でき、実セタン価ACに対応するスートの堆積量SAを容易且つ精度良く求めることができる。
図5は、セタン価とスートの堆積量(排出量)との対応関係を示すグラフである。図5では、燃料のセタン価を横軸にし、スートの堆積量(排出量)を縦軸にしている。図5中の実線LAは、図5上にプロットされた燃料のセタン価とスートの堆積量との実測値を直線でつないだもの(線形補間)である。図5中の点線LBは、セタン価とスートの堆積量との対応関係を指数関数により表したものである。図5に示されるように、本発明者らは、セタン価とスートの堆積量(排出量)との対応関係を指数関数により表すことで、セタン価から該セタン価に対応したスートの堆積量(排出量)を精度良く求めることができることを発見した。
幾つかの実施形態では、上述した堆積量補正部622は、図5に示されるような、指数関数により表されるセタン価とスートの堆積量と対応関係を示す情報623Aを用いて、堆積量仮推定部621において推定されたスートの堆積量SAを補正するように構成されている。
或る実施形態では、上述した堆積量補正部622は、以下の指数関数式(1)を用いることで、実セタン価ACに対応するスートの堆積量SA(SA2)を算出するように構成されている。
SA2=EXP(CV×AC)/EXP(CV×SC)×SA1 ・・・ (1)
なお、ACは、実セタン価であり、SCは、設定セタン価、CVは、補正値であり、SA1は、設定セタン価SCに対応するスートの堆積量(堆積量仮推定部621において推定されたスートの堆積量SA)であり、SA2は、実セタン価ACに対応するスートの堆積量である。
補正値CVは、内燃機関2の運転状態に関する情報(内燃機関2の回転数および負荷)を入力情報とし、補正値CVを出力情報とする補正値算出マップにより算出される。補正値算出マップは、定常試験データ、過去の実績値や実験値、数値解析結果などを基に予め作成され、データベース部61に記憶されている。堆積量補正部622は、補正値算出マップにより補正値CVを算出するように構成されている。
上記の構成によれば、堆積量補正部622は、指数関数により表されるセタン価とスートの堆積量と対応関係を示す情報623A(例えば、式(1))を用いて補正することで、上記推定誤差を効果的に抑制できる。このような堆積量補正部622を含む堆積量推定部62(62B)は、実セタン価ACを考慮したスートの堆積量SAを精度良く推定できる。
(過渡運転時の堆積量補正)
上述したスート排出量マップ82(第1の対応関係情報81)は、内燃機関2の回転数および負荷を一定時間所定値に維持し、内燃機関2に供給される空気量(燃焼用気体の量)やスートの排出量が安定状態になった後に得られた定常試験データを基に作成されている。このため、内燃機関2の回転数や負荷を変化させた場合には、内燃機関2に供給される空気量(燃焼用気体の量)やスートの排出量が安定状態に達するまでの期間において、推定されるスートの堆積量SA(排出量)と実際のスートの堆積量SA(排出量)との間に推定誤差が生じる虞がある。
例えば、内燃機関2の回転数を一定に維持した上で、内燃機関2の負荷を低負荷から高負荷にした場合には、低負荷時のスートの堆積量(排出量)から高負荷時のスートの堆積量(排出量)に増加するまでに時間がかかる。これは、気筒21の壁面温度が上昇するまでの遅れ時間によるものである。気筒21の壁面温度が低い場合には、着火遅れ期間が長期化するため、スートの堆積量(排出量)が低いままであるが、時間がたつにつれて気筒21の壁面温度が上昇するので、着火遅れ期間が短期化して、スートの堆積量(排出量)が増加する。
図6は、本開示の一実施形態におけるDPF再生制御装置の機能を説明するためのブロック図である。
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、上述した堆積量推定ステップS101は、実セタン価ACを考慮して、スートの堆積量SAを推定する推定ステップS105だけでなく、推定ステップS105よりも後に、内燃機関2の気筒21の壁面温度(実壁面温度AT)と、予め設定された気筒21の設定壁面温度との差分に基づき、推定ステップS105にて推定されたスートの堆積量SAを補正する過渡時補正ステップS106も含む。
図6に示される実施形態では、過渡時補正部66が過渡時補正ステップS106を実行する。過渡時補正部66は、内燃機関2の気筒21の壁面温度(実壁面温度AT)と、予め設定された気筒21の設定壁面温度STとの差分ΔTに基づき、上述した堆積量推定部62(62A、62B)において推定されたスートの堆積量SAを補正するように構成されている。DPF再生制御装置6は、過渡時補正部66をさらに含む。
設定壁面温度STは、各運転点における定常状態(安定状態)における壁面温度である。設定壁面温度STは、内燃機関2の運転状態に関する情報EC(内燃機関2の回転数ESおよび負荷EL)を入力情報とし、設定壁面温度STを出力情報とする設定壁面温度算出マップ661Aにより算出される。設定壁面温度算出マップ661Aは、定常試験データ、過去の実績値や実験値、数値解析結果などを基に予め作成され、データベース部61に記憶されている。過渡時補正部66は、設定壁面温度算出マップ661Aにより、設定壁面温度STを算出するように構成されている。
過渡時補正部66は、上述した差分ΔTとスートの堆積量(排出量)の補正量ΔSA1との対応関係を示す第3の対応関係情報662を用いて、差分ΔTからスートの堆積量(排出量)の補正量ΔSA1を算出し、算出されたスートの堆積量(排出量)の補正量ΔSA1を、堆積量推定部62(62A、62B)において推定されたスートの堆積量SAに加えることで、該スートの堆積量SAを補正する。第3の対応関係情報662は、少なくとも差分ΔTを入力情報とし、該入力情報に対応するスートの堆積量(排出量)ΔSA1の補正量を出力可能な情報であればよく、上記入力情報と上記出力情報との対応関係を示すリストや表、マップ、関数、機械学習のモデルなどが含まれる。第3の対応関係情報662は、過去の実績値や実験値、数値解析結果などを基に作成される。第3の対応関係情報662の入力情報には、差分ΔTだけでなく、内燃機関2の運転状態に関する情報EC(内燃機関2の回転数ESおよび負荷EL)や設定壁面温度STを含むようにしてもよい。
上記の構成によれば、過渡時補正部66は、内燃機関2の気筒21の壁面温度(実壁面温度AT)と、予め設定された気筒21の設定壁面温度STとの差分ΔTに基づき、堆積量推定部62において推定されたスートの堆積量SAを補正することで、過渡運転時の壁面温度変化に伴う着火遅れ変化を考慮したスートの堆積量SAを求めることができる。このような過渡時補正部66を含む堆積量推定部62は、スートの堆積量SAを精度良く推定できる。
幾つかの実施形態では、上述した過渡時補正部66は、内燃機関2の回転数ES、内燃機関2の負荷ELおよび気筒21の壁面温度が関連付けられた関連付け情報661(例えば、上述した設定壁面温度算出マップ661A)に基づき、内燃機関2の実回転数ESおよび実負荷ELに対応する気筒21の壁面温度を設定壁面温度STとする。
上記の構成によれば、予め用意された内燃機関2の回転数ES、内燃機関2の負荷ELおよび気筒21の壁面温度が関連付けられた関連付け情報661に基づき、内燃機関2の実回転数ESおよび実負荷ELから、内燃機関2の実回転数ESおよび実負荷ELに対応する気筒21の壁面温度を容易に求めることができる。過渡時補正部66は、上記関連付け情報661から求められた気筒21の壁面温度を、補正に用いる設定壁面温度STとすることで、設定壁面温度STを容易に取得可能になる。この場合には、過渡時補正部66における演算処理の複雑化を抑制できる。
幾つかの実施形態では、上述した排ガス浄化システム3は、気筒21の壁面温度を取得するように構成された壁面温度取得装置31をさらに備える。壁面温度取得装置31は、気筒21の壁面(燃焼室23に面する壁面)の温度を実際に時々刻々と計測し、計測した壁面温度をDPF再生制御装置6(ECU7)に出力するように構成された温度センサ31Aを含む。上述した過渡時補正部66は、壁面温度取得装置31により取得された壁面温度を実壁面温度ATとする。すなわち、過渡時補正部66は、壁面温度取得装置31により取得された壁面温度(実壁面温度AT)と、予め設定された気筒21の設定壁面温度STとの差分ΔTに基づき、上述した堆積量推定部62(62A、62B)において推定されたスートの堆積量SAを補正するように構成されている。
上記の構成によれば、過渡時補正部66は、壁面温度取得装置31により取得された壁面温度(実測値)と設定壁面温度STとの差分ΔTに基づき、堆積量推定部62において推定されたスートの堆積量SAを補正する。仮に、過渡時補正部66における補正パラメータに、後述する壁面温度推定部67などにより推定された推定壁面温度ETを用いると、実際の壁面温度と推定壁面温度ETとの差異に伴うスートの堆積量SAの推定誤差が生じる虞がある。過渡時補正部66における補正パラメータに、壁面温度取得装置31により取得された壁面温度(実測値)を用いることで、上記推定誤差を抑制でき、過渡時補正部66における補正精度を向上できるため、過渡時補正部66を含む堆積量推定部62は、スートの堆積量SAを精度良く推定できる。
図7は、本開示の一実施形態におけるDPF再生制御装置の機能を説明するためのブロック図である。図8は、本開示の一実施形態における推定モデルの機能を説明するためのブロック図である。
幾つかの実施形態では、上述したDPF再生制御装置6(ECU7)は、図7、図8に示されるように、気筒21の壁面温度の変化量CTを推定するための推定モデル9であって、内燃機関2の運転状態に関する情報ECと壁面温度の変化量CTとを関連付ける推定モデル9を用いて、内燃機関2の運転状態から気筒21の壁面温度(推定壁面温度ET)を推定するように構成された壁面温度推定部67をさらに含んでいる。過渡時補正部66は、壁面温度推定部67により推定された推定壁面温度ETと、設定壁面温度STとの差分ΔTに基づき、堆積量推定部62において推定されたスートの堆積量SAを補正するように構成されている。
気筒21の壁面温度の変化量CTは、内燃機関2の運転状態(すなわち、内燃機関2の回転数および負荷)が変化する前の定常状態(安定状態)における壁面温度T1を基準としている。推定モデル9は、堆積量推定ステップS101よりも前に、過去の実績値や実験値、数値解析結果などを基に予め作成され、データベース部61に記憶されている。
上記の構成によれば、壁面温度推定部67は、推定モデル9を用いて内燃機関2の運転状態から気筒21の壁面温度を推定できる。過渡時補正部66は、補正パラメータに壁面温度推定部67により推定された壁面温度(推定壁面温度ET)を用いることで、堆積量推定部62において推定されたスートの堆積量SAを補正し、過渡運転時における着火遅れ変化を考慮したスートの堆積量SAを求めることができる。
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、上述した推定モデル9は、第1推定モデル9Aと、第2推定モデル9Bと、を含む。上述した壁面温度推定部67は、第1推定モデル9Aおよび第2推定モデル9Bの夫々を用いて算出される壁面温度の変化量CTを推定壁面温度ETに反映するように構成されている。
第1推定モデル9Aは、気筒21の壁面と該壁面に面する燃焼室23との間の伝熱量である第1伝熱量であって、内燃機関2の回転数に対応する第1伝熱量と、壁面温度の変化量CT(上昇量CT1)とを関連付けるものである。第1推定モデル9Aは、少なくとも内燃機関2の回転数を入力情報とし、壁面温度の変化量CT(上昇量CT1)を出力情報として出力可能に構成されている。
第2推定モデル9Bは、気筒21の壁面と気筒21を冷却する冷却媒体との間の伝熱量である第2の伝熱量であって、内燃機関2の回転数および燃料の噴射量(内燃機関2の負荷)の夫々に対応する第2伝熱量と、壁面温度の変化量CT(低下量CT2)とを関連付けるものである。第2推定モデル9Bは、少なくとも内燃機関2の回転数および燃料の噴射量(内燃機関2の負荷)を入力情報とし、壁面温度の変化量CT(低下量CT2)を出力情報として出力可能に構成されている。
壁面温度推定部67は、基準とする定常状態(安定状態)における壁面温度T1に、第1推定モデル9Aが求めた壁面温度の変化量CT(上昇量CT1)と、第2推定モデル9Bが求めた壁面温度の変化量CT(低下量CT2)と、を加えることで算出される温度を推定壁面温度ETとする。
上記の構成によれば、壁面温度推定部67は、第1推定モデル9Aを用いることにより、気筒21の壁面に入熱されることにより変化する壁面温度の変化量CT(上昇量CT1)を時々刻々と算出することができる。また、壁面温度推定部67は、第2推定モデル9Bを用いることにより、気筒21の壁面から熱が排出されることにより変化する壁面温度の変化量CT(低下量CT2)を時々刻々と算出することができる。壁面温度推定部67は、第1推定モデル9Aおよび第2推定モデル9Bの夫々を用いて算出される壁面温度の変化量CTを推定壁面温度ETに反映することで、壁面温度推定部67により推定される壁面温度(推定壁面温度ET)の推定精度を向上でき、推定壁面温度ETと実測値との差異を抑制できる。推定壁面温度ETの推定精度を向上させることで、過渡時補正部66における補正精度を向上できるため、過渡時補正部66を含む堆積量推定部62は、スートの堆積量SAを精度良く推定できる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかる排ガス浄化システム(3)は、
内燃機関(2)から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化システム(3)であって、
前記排ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(42)と、
前記DPF(42)に捕集された前記スートの堆積量(SA)が所定値(閾値T)を超えたときに、前記DPF(42)を昇温して前記スートを焼却除去するための制御を行うように構成されたDPF再生制御装置(6)と、を備え、
前記DPF再生制御装置(6)は、
前記内燃機関(2)に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、前記スートの堆積量(SA)を推定するように構成された堆積量推定部(62)を含む。
仮に、予め設定された設定セタン価(SC)を考慮して、スートの堆積量を推定した場合には、内燃機関に使用される燃料のセタン価(実セタン価)と、上記設定セタン価との相違に伴うスートの堆積量の推定誤差が生じる虞がある。上記1)の構成によれば、DPF再生制御装置は、上記実セタン価を考慮してスートの堆積量を推定することで、上記推定誤差を抑制できるため、スートの堆積量の推定精度を向上できる。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記堆積量推定部(62)は、
燃料のセタン価(設定セタン価SC)が夫々異なる複数の推定手段(8)のうちの、前記内燃機関(2)に使用される前記燃料のセタン価(実セタン価AC)に対応する推定手段(8)を用いて、前記スートの堆積量(SA)を推定するように構成された。
上記2)の構成によれば、セタン価が夫々異なる複数の推定手段を予め用意することで、DPF再生制御装置は、スートの堆積量を推定する際に、上記複数の推定手段のうち、内燃機関に使用される燃料のセタン価(実セタン価)に対応した推定手段を用いることができる。DPF再生制御装置は、実セタン価に対応した推定手段を用いることで、実セタン価を考慮したスートの堆積量を容易に推定できる。DPF再生制御装置は、上記実セタン価を考慮してスートの堆積量を推定することで、上記推定誤差を抑制できるため、スートの堆積量を精度良く推定できる。また、DPF再生制御装置は、実セタン価に対応した推定手段を用いることで、実セタン価を考慮したスートの堆積量を容易に推定できるため、推定部におけるスートの堆積量を推定するための演算処理の複雑化を抑制できる。
3)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記堆積量推定部(62)は、
予め設定された設定セタン価(SC)に対応する推定手段(8)を用いて、前記スートの堆積量(SA)を推定するように構成された堆積量仮推定部(621)と、
前記内燃機関(2)に使用される燃料のセタン価(実セタン価AC)を考慮して、前記堆積量仮推定部(621)において推定された前記スートの堆積量(SA)を補正する堆積量補正部(622)と、を含む。
上記3)の構成によれば、DPF再生制御装置は、堆積量仮推定部によりスートの堆積量を推定する際に、設定セタン価に対応する推定手段を用いることで、設定セタン価を考慮したスートの堆積量を推定できる。DPF再生制御装置は、内燃機関に使用される燃料のセタン価(実セタン価)を考慮して、堆積量仮推定部において推定されたスートの堆積量(設定セタン価に対応するスートの堆積量)を補正することで、上記推定誤差を抑制でき、実セタン価に対応するスートの堆積量を容易且つ精度良く求めることができる。
4)幾つかの実施形態では、上記3)に記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記堆積量補正部(622)は、
指数関数により表される前記セタン価と前記スートの堆積量と対応関係を示す情報を用いて、前記堆積量仮推定部(621)において推定された前記スートの堆積量(SA)を補正するように構成された。
本発明者らは、セタン価とスートの堆積量との対応関係を指数関数により表すことで、セタン価から該セタン価に対応したスートの堆積量を精度良く求めることができることを発見した。上記4)の構成によれば、堆積量補正部は、指数関数により表されるセタン価とスートの堆積量と対応関係を示す情報を用いて補正することで、上記推定誤差を効果的に抑制できる。このような堆積量補正部を含む堆積量推定部は、実セタン価を考慮したスートの堆積量を精度良く推定できる。
5)幾つかの実施形態では、上記1)~4)の何れかに記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記DPF再生制御装置(6)は、
前記内燃機関(2)の気筒(21)の壁面温度(実壁面温度AT)と、予め設定された前記気筒(21)の設定壁面温度(ST)との差分(ΔT)に基づき、前記堆積量推定部(62)において推定された前記スートの堆積量(SA)を補正する過渡時補正部(66)をさらに含む。
上記5)の構成によれば、過渡時補正部は、内燃機関の気筒の壁面温度と、予め設定された気筒の設定壁面温度との差分に基づき、堆積量推定部において推定されたスートの堆積量を補正することで、過渡運転時の壁面温度変化に伴う着火遅れ変化を考慮したスートの堆積量を求めることができる。このような過渡時補正部を含む堆積量推定部は、スートの堆積量を精度良く推定できる。
6)幾つかの実施形態では、上記5)に記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記過渡時補正部(66)は、
前記内燃機関(2)の回転数、前記内燃機関(2)の負荷および前記気筒(21)の壁面温度が関連付けられた関連付け情報に基づき、前記内燃機関(2)の実回転数および実負荷に対応する前記気筒(21)の壁面温度を前記設定壁面温度(ST)とする。
上記6)の構成によれば、予め用意された内燃機関の回転数、内燃機関の負荷および気筒の壁面温度が関連付けられた関連付け情報に基づき、内燃機関の実回転数および実負荷から、内燃機関の実回転数および実負荷に対応する気筒の壁面温度を容易に求めることができる。過渡時補正部は、上記関連付け情報から求められた気筒の壁面温度を、補正に用いる設定壁面温度とすることで、設定壁面温度を容易に取得可能になる。この場合には、過渡時補正部における演算処理の複雑化を抑制できる。
7)幾つかの実施形態では、上記5)又は6)に記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記気筒(21)の前記壁面温度を取得するように構成された壁面温度取得装置(31)をさらに備え、
前記過渡時補正部(66)は、
前記壁面温度取得装置(31)により取得された壁面温度(実壁面温度AT)と、前記設定壁面温度(ST)との差分(ΔT)に基づき、前記堆積量推定部(62)において推定された前記スートの堆積量(SA)を補正するように構成された。
上記7)の構成によれば、過渡時補正部は、壁面温度取得装置により取得された壁面温度(実測値)と設定壁面温度との差分に基づき、堆積量推定部において推定されたスートの堆積量を補正する。仮に、過渡時補正部における補正パラメータに、壁面温度推定部などにより推定された推定壁面温度を用いると、実際の壁面温度と推定壁面温度との差異に伴うスートの堆積量の推定誤差が生じる虞がある。過渡時補正部における補正パラメータに、壁面温度取得装置により取得された壁面温度(実測値)を用いることで、上記推定誤差を抑制でき、過渡時補正部における補正精度を向上できるため、過渡時補正部を含む堆積量推定部は、スートの堆積量を精度良く推定できる。
8)幾つかの実施形態では、上記5)又は6)に記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記DPF再生制御装置(6)は、
前記気筒(21)の壁面温度の変化量(CT)を推定するための推定モデル(9)であって、前記内燃機関の運転状態に関する情報と前記壁面温度の変化量(CT)とを関連付ける推定モデル(9)を用いて、前記内燃機関(2)の運転状態から前記気筒(21)の前記壁面温度を推定するように構成された壁面温度推定部(67)をさらに含み、
前記過渡時補正部(66)は、前記壁面温度推定部(67)により推定された推定壁面温度(ET)と、前記設定壁面温度(ST)との差分(ΔT)に基づき、前記堆積量推定部(62)において推定された前記スートの堆積量(SA)を補正するように構成された。
上記8)の構成によれば、壁面温度推定部は、上記推定モデルを用いて内燃機関の運転状態から気筒の壁面温度を推定できる。過渡時補正部は、補正パラメータに壁面温度推定部により推定された推定壁面温度を用いることで、堆積量推定部において推定されたスートの堆積量を補正し、過渡運転時における着火遅れ変化を考慮したスートの堆積量を求めることができる。
9)幾つかの実施形態では、上記8)に記載の排ガス浄化システム(3)であって、
前記推定モデル(9)は、
前記気筒(21)の壁面と前記壁面に面する燃焼室(23)との間の伝熱量である第1伝熱量であって、前記内燃機関の回転数に対応する第1伝熱量と、前記壁面温度の変化量(CT)とを関連付ける第1推定モデル(9A)と、
前記気筒(21)の壁面と前記気筒(21)を冷却する冷却媒体との間の伝熱量である第2伝熱量であって、前記内燃機関(2)の回転数および前記燃料の噴射量の夫々に対応する第2伝熱量と、前記壁面温度の変化量(CT)とを関連付ける第2推定モデル(9B)と、を含み、
前記壁面温度推定部(67)は、前記第1推定モデル(9A)および前記第2推定モデル(9B)の夫々を用いて算出される前記壁面温度の変化量(CT)を前記推定壁面温度(ET)に反映するように構成された。
上記9)の構成によれば、壁面温度推定部は、第1推定モデルを用いることにより、気筒の壁面に入熱されることにより変化する壁面温度の変化量(上昇量CT1)を時々刻々と算出することができる。また、壁面温度推定部は、第2推定モデルを用いることにより、気筒の壁面から熱が排出されることにより変化する壁面温度の変化量(低下量CT2)を時々刻々と算出することができる。壁面温度推定部は、第1推定モデルおよび第2推定モデルの夫々を用いて算出される壁面温度の変化量を推定壁面温度に反映することで、壁面温度推定部により推定される推定壁面温度の推定精度を向上でき、推定壁面温度と実測値との差異を抑制できる。推定壁面温度の推定精度を向上させることで、過渡時補正部における補正精度を向上できるため、過渡時補正部を含む堆積量推定部は、スートの堆積量を精度良く推定できる。
10)本開示の少なくとも一実施形態にかかる排ガス浄化装置の再生方法は、
内燃機関から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化装置であって、前記排ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を含む排ガス浄化装置の再生方法であって、
前記内燃機関に使用される燃料のセタン価を考慮して、前記DPFに捕集された前記スートの堆積量を推定する堆積量推定ステップと、
前記堆積量推定ステップで推定される前記スートの堆積量が所定値を超えたときに、前記DPFを昇温して前記スートを焼却除去するDPF再生ステップと、を備える。
上記10)の方法によれば、推定ステップにおいて、内燃機関に使用される燃料のセタン価(実セタン価)を考慮してスートの堆積量を推定することで、予め設定された設定セタン価を考慮してスートの堆積量を推定する場合に比べて、実セタン価と設定セタン価の相違に伴うスートの堆積量の推定誤差を抑制できる。このように推定ステップにおける上記推定誤差を抑制することで、スートの堆積量の推定精度を向上できる。推定ステップにおけるスートの堆積量の推定精度を向上させることで、不必要なスートの焼却除去処理(DPF再生ステップ)の実施を抑制できる。
1 内燃機関システム
2 内燃機関
3 排ガス浄化システム
4 排ガス浄化装置
5 昇温手段
6 DPF再生制御装置
7 ECU
8 推定手段
9 推定モデル
9A 第1推定モデル
9B 第2推定モデル
11 吸気流路
12 排気流路
13 燃料噴射装置
14 吸気スロットルバルブ
15 排気スロットルバルブ
16 ターボチャージャ
17 EGR装置
21 気筒
22 ピストン
23 燃焼室
31 壁面温度取得装置
31A 温度センサ
41 DOC
42 DPF
61 データベース部
62 堆積量推定部
63 セタン価推定部
64 判定部
65 強制再生実行部
66 過渡時補正部
67 壁面温度推定部
81 第1の対応関係情報
82 スート排出量マップ
100 排ガス浄化装置の再生方法
161 コンプレッサ
162 排気タービン
163 回転シャフト
171 EGR管
172 EGRバルブ
621 堆積量仮推定部
622 堆積量補正部
623 第2の対応関係情報
662 第3の対応関係情報
AC 実セタン価
AT 実壁面温度
CT 壁面温度の変化量
CT1 壁面温度の上昇量
CT2 壁面温度の低下量
CV 補正値
ET 推定壁面温度
S101 堆積量推定ステップ
S102 DPF再生ステップ
S103 実セタン価登録ステップ
S104 判定ステップ
S105 推定ステップ
S106 過渡時補正ステップ
SA スートの堆積量
SC 設定セタン価
ST 設定壁面温度
T 閾値

Claims (9)

  1. 内燃機関から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化システムであって、
    前記排ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)と、
    前記DPFに捕集された前記スートの堆積量が所定値を超えたときに、前記DPFを昇温して前記スートを焼却除去するための制御を行うように構成されたDPF再生制御装置と、を備え、
    前記DPF再生制御装置は、
    前記内燃機関に使用される燃料のセタン価を考慮して、前記スートの堆積量を推定するように構成された堆積量推定部を含み、
    前記DPF再生制御装置は、
    前記内燃機関の気筒の壁面温度と、予め設定された前記気筒の設定壁面温度との差分に基づき、前記堆積量推定部において推定された前記スートの堆積量を補正する過渡時補正部をさらに含む、
    排ガス浄化システム。
  2. 前記堆積量推定部は、
    燃料のセタン価が夫々異なる複数の推定手段のうちの、前記内燃機関に使用される前記燃料のセタン価に対応する推定手段を用いて、前記スートの堆積量を推定するように構成された、
    請求項1に記載の排ガス浄化システム。
  3. 前記堆積量推定部は、
    予め設定された設定セタン価に対応する推定手段を用いて、前記スートの堆積量を推定するように構成された堆積量仮推定部と、
    前記内燃機関に使用される燃料のセタン価を考慮して、前記堆積量仮推定部において推定された前記スートの堆積量を補正する堆積量補正部と、を含む、
    請求項1に記載の排ガス浄化システム。
  4. 前記堆積量補正部は、
    指数関数により表される前記セタン価と前記スートの堆積量と対応関係を示す情報を用いて、前記堆積量仮推定部において推定された前記スートの堆積量を補正するように構成された、
    請求項3に記載の排ガス浄化システム。
  5. 前記過渡時補正部は、
    前記内燃機関の回転数、前記内燃機関の負荷および前記気筒の壁面温度が関連付けられた関連付け情報に基づき、前記内燃機関の実回転数および実負荷に対応する前記気筒の壁面温度を前記設定壁面温度とする、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の排ガス浄化システム。
  6. 前記気筒の前記壁面温度を取得するように構成された壁面温度取得装置をさらに備え、
    前記過渡時補正部は、
    前記壁面温度取得装置により取得された壁面温度と、前記設定壁面温度との差分に基づき、前記堆積量推定部において推定された前記スートの堆積量を補正するように構成された、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の排ガス浄化システム。
  7. 前記DPF再生制御装置は、
    前記気筒の壁面温度の変化量を推定するための推定モデルであって、前記内燃機関の運転状態に関する情報と前記壁面温度の変化量とを関連付ける推定モデルを用いて、前記内燃機関の運転状態から前記気筒の前記壁面温度を推定するように構成された壁面温度推定部をさらに含み、
    前記過渡時補正部は、前記壁面温度推定部により推定された推定壁面温度と、前記設定壁面温度との差分に基づき、前記堆積量推定部において推定された前記スートの堆積量を補正するように構成された、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の排ガス浄化システム。
  8. 前記推定モデルは、
    前記気筒の壁面と前記壁面に面する燃焼室との間の伝熱量である第1伝熱量であって、前記内燃機関の回転数に対応する第1伝熱量と、前記壁面温度の変化量とを関連付ける第1推定モデルと、
    前記気筒の壁面と前記気筒を冷却する冷却媒体との間の伝熱量である第2伝熱量であって、前記内燃機関の回転数および前記燃料の噴射量の夫々に対応する第2伝熱量と、前記壁面温度の変化量とを関連付ける第2推定モデルと、を含み、
    前記壁面温度推定部は、前記第1推定モデルおよび前記第2推定モデルの夫々を用いて算出される前記壁面温度の変化量を前記推定壁面温度に反映するように構成された、
    請求項に記載の排ガス浄化システム。
  9. 内燃機関から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化装置であって、前記排ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を含む排ガス浄化装置の再生方法であって、
    前記内燃機関に使用される燃料のセタン価を考慮して、前記DPFに捕集された前記スートの堆積量を推定する堆積量推定ステップであって、前記内燃機関の気筒の壁面温度と、予め設定された前記気筒の設定壁面温度との差分に基づき、推定された前記スートの堆積量を補正する過渡時補正ステップを含む堆積量推定ステップと、
    前記過渡時補正ステップにおいて補正された前記スートの堆積量が所定値を超えたときに、前記DPFを昇温して前記スートを焼却除去するDPF再生ステップと、
    を備える、
    排ガス浄化装置の再生方法。
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