JP2009299652A - 内燃機関の制御装置及び制御方法 - Google Patents
内燃機関の制御装置及び制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009299652A JP2009299652A JP2008157875A JP2008157875A JP2009299652A JP 2009299652 A JP2009299652 A JP 2009299652A JP 2008157875 A JP2008157875 A JP 2008157875A JP 2008157875 A JP2008157875 A JP 2008157875A JP 2009299652 A JP2009299652 A JP 2009299652A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- temperature
- operation mode
- internal combustion
- combustion engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】燃料が低温の場合に、内燃機関から発生される煤を低減させることができる内燃機関の制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】 ディーゼル機関の燃料供給通路2に配設された燃料フィルタ25の目詰まり度(P)を検知する目詰まり度検知手段と、燃料供給通路2を流通する燃料の燃料温度(T)を検知する燃料温度計60と、検知された燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ検知された目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高いときに、内燃機関での燃焼を活発にする煤低減運転モードを行う運転制御手段を有する。
【選択図】図1
【解決手段】 ディーゼル機関の燃料供給通路2に配設された燃料フィルタ25の目詰まり度(P)を検知する目詰まり度検知手段と、燃料供給通路2を流通する燃料の燃料温度(T)を検知する燃料温度計60と、検知された燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ検知された目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高いときに、内燃機関での燃焼を活発にする煤低減運転モードを行う運転制御手段を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の制御装置及び制御方法に関し、特に燃料として軽油を用いるディーゼル機関の制御に関する。
ディーゼル車の排ガスには、煤(ディーゼルパティキュレート等)が含まれており、排出量の規制の対象となっている。内燃機関の排気通路には、煤を浄化するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)が設けられている。
例えば、特許文献1に記載されているように、DPFへの煤堆積量が所定量を超えた場合であってエンジンの負荷が低いときには、昇温手段によりDPFを通常の再生温度まで昇温させて再生することが困難であるため、煤がDPFに堆積することを抑制する操作を行うことが示されている。この操作を行うことにより、内燃機関から排出される煤の量が低減され、DPFへの煤堆積量が抑制される。
特開2004−190667号公報(段落番号「0011」)
ところで、内燃機関の始動直後などのように、燃料の温度が低温であるときには、エンジンから排気通路に排出される煤の量が増加する。この場合、DPFを昇温させて再生することもできるが、エンジンからの煤の排出量自体を低減させることはできないかと、発明者は鋭意探求を繰り返した。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関に供給される燃料が低温である場合に、内燃機関から発生される煤を低減させることができる内燃機関の制御装置及び制御方法を提供することを課題とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の燃料供給通路に配設された燃料フィルタの目詰まり度(P)を検知する目詰まり度検知手段と、前記燃料供給通路を流通する燃料の燃料温度(T)を検知する燃料温度検知手段と、検知された前記燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ検知された前記目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高いときに、内燃機関での煤発生を低減させる煤低減運転モードを行う運転制御手段と、を有していることを特徴とする(請求項1)。
燃料温度(T)が低温である場合には、燃料供給通路に配設された燃料フィルタにn−パラフィンを含むワックスが析出して、燃料フィルタに目詰まりが生じやすい。燃料フィルタを通過したアロマ成分は、n−パラフィンに比べて比較的燃焼しにくいため、排ガスに多量の煤が発生する。
そこで、本発明においては、燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ燃料フィルタの目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高くなった場合には、内燃機関での煤発生を低減させる煤低減運転モードを行う。このため、排ガスに煤が排出されることを抑制できる。
更に、前記燃料温度(T)は前記基準温度(T0)以上であり、且つ前記目詰まり度が前記基準値(P0)よりも高いときには、前記燃料フィルタに異物が詰まった可能性があることを警告する警告手段を有していることが好ましい(請求項2)。この場合には、燃料フィルタが燃料成分の析出によって目詰まりが生じたのではなく、燃料フィルタに異物が詰まった場合には、警告手段によって、運転者に、燃料フィルタが異物による目詰まりが生じている可能性があることを知らせることができる。
前記煤低減運転モードは、EGR量を通常運転モードのときよりも低減させる、前記内燃機関への燃料噴射時期を通常運転モードのときよりも早める、過給機の過給圧力を通常運転モードのときよりも高くする、吸気を通常運転モードのときよりも冷却する、又は/及びパイロット噴射量を通常運転モードのときよりも低下させることが好ましい(請求項3)。この場合には、内燃機関の燃焼を活発にすることができ、燃焼しにくいアロマ成分が高効率で燃焼する。ゆえに、煤の発生を効果的に抑制することができる。
前記目詰まり度検知手段は、前記燃料フィルタの上流側に設置された上流側圧力計と、前記燃料フィルタの下流側に設置された下流側圧力計とからなり、前記目詰まり度(P)は、前記上流側圧力計によって検知された上流側の燃料圧力と前記下流側圧力計によって検知された下流側の燃料圧力との差である差圧であることが好ましい(請求項4)。この場合には、上流側圧力計で測定された燃料の上流側圧力と下流側圧力計で測定された燃料の下流側圧力との差圧によって、燃料フィルタの目詰まり度(P)が検知される。
前記目詰まり度検知手段は、前記燃料フィルタの下流側に設置された下流側圧力計からなり、前記目詰まり度(P)は、前記下流側圧力計によって検知された燃料圧力であることが好ましい(請求項5)。この場合には、下流側圧力計で下流側の燃料圧力を測定することにより、燃料フィルタの目詰まり度(P)が検知される。
本発明の内燃機関の制御方法は、内燃機関の燃料供給通路に配設された燃料フィルタの目詰まり度(P)を検知する燃料堆積度検知工程と、前記燃料供給通路を流通する燃料の燃料温度(T)を検知する燃料温度検知工程と、検知された前記燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ検知された前記目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高いときに、内燃機関での煤発生を低減させる煤低減運転モードを行う運転制御工程と、をもつことを特徴とする(請求項6)。
本発明においては、燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ燃料フィルタの目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高くなった場合には、内燃機関での煤発生を低減させる煤低減運転モードを行う。このため、排ガスに煤が排出されることを抑制できる。
本発明の内燃機関の制御装置及び制御方法によれば、燃料温度(T)が低く、且つ燃料フィルタの目詰まり度(P)が高くなった場合に、内燃機関での煤を低減させる煤低減運転モードを行っている。このため、排ガスに煤が排出されることを抑制できる。
本発明の実施形態について図面を用いて具体的に説明する。本実施形態は、エンジン(内燃機関)の制御装置である。図1に示すように、エンジン1は、ディーゼルエンジンであり、シリンダブロック11と、シリンダブロック11に直列に配設された4つのシリンダ12とを有する。なお、シリンダ12の数および配置はこれに限定されるものではない。エンジン1は、燃料をエンジン1に供給する燃料供給通路2と、エンジン1に空気を供給する吸気通路3と、エンジン1で発生した排ガスを排出する排気通路4とを接続している。
燃料供給通路2は、燃料である軽油を蓄積する燃料タンク21と、燃料タンク21に接続された燃料供給管22と、燃料供給管22に接続され加圧された燃料を蓄積するコモンレール23と、コモンレール23に接続され各シリンダ12に燃料を噴射する燃料噴射弁24とを有する。燃料供給管22の途中には、燃料をろ過する燃料フィルタ25が設けられている。また、燃料供給管22には、燃料噴射圧を調整する燃料ポンプ27が配設されており、燃料タンク21に燃料を戻す分岐通路26が接続されている。また、燃料噴射弁24には、燃料タンク21に燃料を還流させる還流通路を接続してもよい。
吸気通路3は、シリンダブロック11に接続され各シリンダ12に吸気を分配する吸気マニホールド31と、吸気マニホールド31に接続された吸気管32とを有する。吸気管32には、エンジン1に導入される空気をろ過するエアクリーナ33が設けられている。エアクリーナ33の下流には、排ガスを利用してタービン54を回転させて吸気圧を高める過給機5が設けられており、吸気管32には、過給機5のコンプレッサ53が接続されている。吸気管32における過給機5の下流側には、過給機5で圧縮された吸気を冷却するインタークーラ34と、吸気量を調整するスロットル弁35とが設けられている。
排気通路4は、シリンダブロック11に接続され各シリンダ12から排出される排ガスを集める排気マニホールド41と、排気マニホールド41の下流側に接続された排気管42とを有する。排気管42には、過給機5のタービン54が配設されている。なお、タービン54は、排気マニホールド41に直接接続させてもよい。排気通路4には、過給機5をバイパスするバイパス通路44が接続されている。
排気管42には、排気浄化手段43が配設されている。排気浄化手段43は、例えば、酸化触媒、吸蔵還元型または選択還元型のNOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)のうちの一つ、またはこれらの組み合わせなどを用いることができる。
吸気マニホールド31と排気マニホールド41との間には、排気通路4を流通する排ガスの一部を吸気通路3に戻すEGR管(排気還流管)55が設けられている。EGR管55には、EGRを冷却するEGRクーラ56と、EGR量を調整するEGR弁57が設けられている。
図1,図2に示すように、前記エンジン1を制御する制御装置は、燃料フィルタ25の目詰まり度(P)を検知する目詰まり度検知手段としての燃料圧力計60と、燃料供給通路2を流通する燃料の燃料温度(T)を検知する燃料温度検知手段としての燃料温度計63と、エンジンに関する物理量を検知するE/G情報検知手段64と、検知された目詰まり度(P)に基づいて内燃機関の制御データを作成する制御データ作成手段としてのECU7(電子制御装置)と、ECU7で作成された制御データに従ってエンジンを制御するE/G制御手段81と、警告手段82と有する。
燃料圧力計60は、燃料フィルタ25の上流側、下流側にそれぞれ配設された上流側圧力計61及び下流側圧力計62からなる。上流側圧力計61及び下流側圧力計62は、燃料フィルタ25に吸入される燃料の圧力と、燃料フィルタ25から吸入された燃料の圧力とを測定し、両者の差圧に関するデータを燃料フィルタ25の目詰まり度(P)としてECU7に送信する。
燃料温度計63は、燃料供給通路2の燃料フィルタ25の近傍に配設されていて、燃料フィルタ25を流通する燃料の温度を検知する。検知された温度(T)のデータは、ECU7に送信される。
ECU7は、検知された温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低いか否かを判定する温度判定手段71と,検知された燃料フィルタ25の目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高いか否かを判定する目詰まり判定手段72と、通常運転モード時のエンジンの制御データを作成する制御データ作成手段73と、通常運転時の制御データを煤低減運転モード時の制御データに補正する煤低減運転補正手段74とをもつ。
温度判定手段71は、燃料温度計63で測定された燃料温度(T)を所定の基準温度(T0)と比較する。
目詰まり判定手段72は、燃料圧力計60で測定された燃料フィルタ25の目詰まり度(P)を、所定の基準値(P0)と比較する。燃料フィルタ25の目詰まり度(P)は、本実施形態においては、燃料フィルタ25の前後に配設された上流側圧力計61と下流側圧力計62との計測圧力の差圧である。所定の基準値(P0)は、燃料フィルタ25に軽油中のワックス成分が析出するときの差圧である。
また、目詰まり判定手段72は、燃料圧力計60で測定された燃料フィルタ25の目詰まり度(P)を、もう一つの所定の基準値(P1)と比較する。この基準値(P1)は、燃料フィルタ25に異物による目詰まりが生じたときの差圧である。この基準値(P1)は、前記基準値(P0)と同じであっても、異なっていても良い。なお、目詰まり度の基準値(P1)、(P0)、及び基準温度(T0)は、燃料である軽油の成分の物性や経験によってもとめられた値であり、予めECU7に入力されている。
E/G情報検知手段64は、エンジンに関する物理量を検知するものであり、例えば、エンジン回転数を検知するエンジン回転速度計15、スロットル弁35の開度を検知するスロットル開度センサ36、EGR流量を検知するEGR流量センサ58、エンジン1を冷却する水の温度を測定する水温計16、エンジン内に供給されたエンジンオイルの温度を測定する油温計17などがあげられる。E/G情報検知手段64で検知されたエンジンに関する物理量のデータは、制御データ作成手段73に送信される。
制御データ作成手段73では、E/G情報検知手段64から送信されたエンジンに関する物理量に基づいて、通常運転モード時のエンジンを制御する制御データを作成し、E/G制御手段81に送信する。制御データとしては、例えば、EGR量、燃焼室への燃料の噴射時期及び噴射圧、過給圧、吸気冷却温度、燃焼室への燃料のパイロット燃料噴射量などがある。
煤低減運転補正手段74は、制御データ作成手段73で作成された制御データの中の制御モード切替対象である制御データを補正して、煤低減運転モード時の制御データを作成する。煤低減運転モード時の制御データは、E/G制御手段81に送信される。
E/G制御手段81は、例えば、EGR量を制御するEGR弁57、燃料の噴射圧及びパイロット燃料噴射量を制御する燃料噴射弁24、燃料ポンプ27,過給機5に供給される排ガス流量を制御するウエストゲートバルブ45、吸気冷却温度を制御するインタークーラ34などのアクチュエータがある。
警告手段82は、警告灯、警告ブザーなどである。
ECU7は、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU7は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、エンジン1の運転状態を制御する。
次に、本実施形態のエンジン制御装置の作動について、図3を用いて説明する。まず、ステップS1において、燃料温度計63により、燃料フィルタ25を通過する燃料の温度(T)を検知する。次に、ステップS2において、温度判定手段71により、燃料の温度(T)が、所定の基準温度(T0)以下であるか否かを判定する。所定の基準温度(T0)は、燃料である軽油中のワックス成分が析出する温度であり、例えば、0℃である。
燃料の温度(T)が、基準温度(T0)を越える場合には、ステップS7に進み、燃料圧力計60により燃料フィルタ25の前後での差圧(P)を検知する。
次に、ステップS8に進み、目詰まり判定手段72により、差圧(P)が所定の基準値(P1)以上であるか否かを判定する。差圧(P)が基準値(P1)以上である場合には、ステップS9に進み、警告灯、警告ブザーなどの警告手段82により、警告を行う。これは、燃料が基準温度(T0)を越えて、且つ燃料フィルタの差圧が所定の基準値(P1)以上の場合には、燃料フィルタ25には燃料中のワックス成分は析出せず、異物が詰まっている可能性があるからである。ステップS8において、差圧(P)が所定の基準値(P1)未満の場合である場合には、ステップS12に進み、本ルーチンを繰り返す。
ステップS2において、燃料の温度(T)が基準温度(T0)以下である場合には、ステップS3に進む。ステップS3では、燃料圧力計60により、燃料フィルタ25の前後での差圧(P)を検知する。次に、ステップS4に進み、目詰まり判定手段72により、差圧(P)が所定の基準値(P0)以上であるか否かを判定する。基準値(P0)は、燃料フィルタ25に軽油中のワックスが析出したときの差圧である。この基準値(P0)は、異物による目詰まりが生じたときの差圧である基準値(P1)と同じであっても、異なっていてもよい。
差圧(P)が基準値(P0)以上の場合には、ステップS5に進み、煤低減運転モード実施中であるか否かを判定する。煤低減運転モードを実施していない場合には、ステップS6に進み、通常運転モードから煤低減運転モードに切り替える。
燃料温度(T)が基準温度(T0)以下であって、且つ差圧(P)が基準値(P0)以上の場合には、軽油中のワックス成分(n−パラフィン)が燃料フィルタ25に析出して、アロマ成分の高くなった軽油がエンジン1に供給される。アロマ成分の高い軽油は、通常の軽油に比べて、燃焼しにくい。低温条件でのエンジン燃焼では、特に、煤(ディーゼルパティキュレートやスモークを含む)が発生しやすく、排ガス通路4に大量の煤が排出されてしまう。そこで、燃料温度(T)が基準温度(T0)以下であって、且つ差圧(P)が基準値(P0)以上の場合には、エンジンの通常運転モードから、エンジンでの煤発生を低減させる煤低減運転モードに切り替えることで、低温時の煤の発生を抑制することができる。
通常運転モードは、制御データ作成手段73により作成されたエンジン制御データである。エンジン制御データは、エンジン始動中は、常に、E/G情報検知手段64から受けたエンジンに関する物理量に基づいて作成され、E/G制御手段81に送信される。ステップS6において、通常運転モードの制御データの作成から煤低減運転モードの制御データの作成に切り替えるにあたっては、制御データの中の切替対象である制御データを煤低減運転モードに補正する。この場合には、煤低減運転補正手段74により、制御モード切替対象である制御データを補正し、補正された制御データを、E/G制御手段81に送信する。
ここで、通常運転モードから煤低減運転モードに切り替える場合に、制御モード切替対象である制御データの補正の具体的手法について説明する。
1)制御モード切替対象がEGR量(吸気に還流する排気量)である場合には、煤低減運転モードでは、EGR弁57の開度を絞り、EGR量を、通常運転モードのときよりも少なくする。この場合には、吸気通路3からの新気の導入量が増えて、エンジンの燃焼が活発になる。
2)制御モード切替対象が燃料噴射時期である場合には、煤低減運転モードでは、燃料噴射弁24の燃料噴射時期を、通常運転モードのときよりも早める。この場合には、燃料の着火が早まり、燃焼が活発になる。
3)制御モード切替対象が燃料噴射圧力である場合には、煤低減運転モードでは、燃料ポンプ27のポンプ圧を増加させることにより、燃料噴射弁24からの燃料噴射圧力を、通常運転モードのときよりも高くする。また、燃料噴射弁24と燃料タンク21との間を接続する還流通路(図示略)がある場合には、還流通路に設けた弁を絞ることで、燃料噴射弁24に供給された燃料の燃料タンク21への還流量を少なくして、燃料噴射弁24からの燃料噴射圧力を高くすることもできる。これらの場合には、噴射燃料が微粒化され、燃焼が活発になる。
4)制御モード切替対象が過給圧である場合には、煤低減運転モードでは、ウエストゲートバルブ45の開度を絞ることにより、過給機5により圧縮された吸気の過給圧を、通常運転モードのときよりも高くする。この場合には、燃焼室に供給される空気量が多くなり、燃焼が活発になる。
5)制御モード切替対象が吸気冷却温度である場合には、煤低減運転モードでは、通常運転モードに比べて、吸気の冷却温度を低くする。具体的には、インタークーラ34による冷却率を高めたり、EGR弁57を更に開放する。この場合には、吸気が冷却されて、吸気量が多くなり、燃焼が活発になる。
6)制御モード切替対象がパイロット燃料噴射量である場合には、煤低減運転モードでは、通常運転モードに比べて、パイロット噴射時の燃料噴射弁24の開度を絞ることにより、パイロット燃料噴射量を低下させる。この場合には、パイロット噴射後に行われるメイン噴射による燃焼が、通常運転モードの場合よりも活発になる。
上記1)〜6)のいずれの場合にも、煤低減運転モードでは、通常運転モードのときに比べて、燃焼室内での軽油の燃焼が活発になる。ゆえに、燃焼しにくいアロマリッチの軽油でも、十分に燃焼して、煤の発生を抑制できる。なお、上記1)〜6)は、それぞれ単独で行っても良いが、複数を組み合わせて行っても良い。
ステップS5において、煤低減運転モード実施中であると判定された場合には、ステップS12に進み、本ルーチンを繰り返す。
ステップS4において、差圧(P)が基準値(P0)未満の場合には、ステップS10に進み、煤低減運転モード実施中か否かを判定する。煤低減運転モード実施中である場合には、ステップS11に進み、煤低減運転モードから通常運転モードに切り替える。この場合には、煤低減運転補正手段74による煤低減運転モードを止めて、通常運転モードに切り替える。即ち、ECU7において、制御モード切替対象である制御データの補正を止めて、制御データ作成手段73のみによって制御データを作成する。この場合、前記の1)〜6)の逆の制御が行われる。
即ち、1)制御モード切替対象がEGR量である場合には、EGR弁を開放させて、EGR量を、煤低減運転モードのときよりも多くする。
2)制御モード切替対象が燃料噴射時期である場合には、燃料噴射弁の燃料噴射時期を、煤低減運転モードのときよりも遅くする。
3)制御モード切替対象が燃料噴射圧力である場合には、燃料噴射弁の燃料噴射圧力を、煤低減運転モードのときよりも低くする。
4)制御モード切替対象が過給圧である場合には、過給機による過給圧を、煤低減運転モードのときよりも低くする。
5)制御モード切替対象が吸気冷却温度である場合には、燃焼室に供給される空気の冷却温度を、煤低減運転モードのときよりも高くする。
6)制御モード切替対象がパイロット燃料噴射量である場合には、煤低減運転モードに比べて、パイロット燃料噴射量を多くする。
このような制御を行うことによって、燃焼室での燃焼を活発な状態から通常の燃焼状態に戻すことができる。
なお、ステップS11において、煤低減運転モード実施中でない場合には、通常運転モードが実施されている。この場合には、ステップS12に進み、本ルーチンを繰り返す。
本実施形態において、エンジン始動後、燃料温度が基準温度(T0)以下である場合、燃料フィルタに燃料のワックス成分が析出して目詰まりを起こし、燃焼しにくいアロマ成分を多く含む燃料がエンジン1に供給されて、煤の排出量が多くなる。そこで、このように燃料フィルタが目詰まりして、燃料フィルタ前後の吸気通路3の差圧が基準値(P0)よりも大きくなった場合には、それまで実施していた通常運転モードから煤低減運転モードに切り替える。これにより、燃焼室での燃料の燃焼が、通常運転モードのときよりも活発になり、燃焼室での煤の発生が抑えられる。
やがて、エンジンが暖機状態になり、燃料がエンジンにより加温されて燃料温度(T)が基準温度(T0)よりも高くなった場合には、燃料フィルタ25に析出していたワックス成分は溶け出してエンジン側へ流れ去る。これにより、燃料フィルタ25のワックス成分による目詰まりが解消され、ワックス成分とアロマ成分とをバランスよく配合した燃料がエンジンに供給される。ゆえに、燃料は、燃焼室で十分に燃焼される。そこで、煤低減運転モードを実施している間に、燃料温度(T)が基準温度(T0)を越えた場合には、煤低減運転モードから通常運転モードに戻す。この場合にも、燃料は、そのバランスのよい配合比によって、十分に燃焼するため、煤の発生は抑えられ、煤低減を維持しつつ、NOx排出量も抑制される。
また、燃料の温度が上昇しても、燃料フィルタ25の差圧が大きい場合には、異物で燃料フィルタ25が目詰まりを起こしている可能性があり、この場合には警告手段82により警告を行っている。そのため、操作者に燃料フィルタの異常を知らせることができる。
本実施形態においては、燃料フィルタ25の上流側、下流側に配設した上流側圧力計61及び下流側圧力計62により計測し、両者の差圧を燃料フィルタ25の目詰まり度として判定しているが、燃料フィルタ25の下流側に配設した下流側圧力計62のみによる圧力によっても、燃料フィルタ25の目詰まり度を判定することができる。この場合、下流側圧力計62で測定された燃料圧力が基準値以下であって、燃料温度が基準温度(T0)以下のときには、燃料フィルタ25にワックスが析出している可能性がある。この場合には、通常運転モードから煤低減運転モードに切り替える。一方、燃料圧力が基準値(T0)を越える場合には、燃料フィルタへ析出したワックス成分は溶出して取り除かれたと判定される。この場合には、煤低減運転モードから通常運転モードに戻す。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
1:エンジン、2:燃料供給通路、3:吸気通路、4:排気通路、5:過給機、8:ECU、11:シリンダブロック、12:シリンダ、21:燃料タンク、22:燃料供給管、23:コモンレール、24:燃料噴射弁、25:燃料フィルタ、31:吸気マニホールド、32:吸気管、33:エアクリーナ、34:スロットル弁、41:排気マニホールド、42:排気管、43:排気浄化手段、53:コンプレッサ、54:タービン、55:EGR管、56:EGRクーラ、57:EGR弁、60:燃料圧力計、61:上流側圧力計、62:下流側圧力計、63:燃料温度計、64:E/G情報検知手段、71:温度判定手段、72:目詰まり判定手段、73:制御データ作成手段、74:煤低減運転補正手段、81:E/G制御手段、82:警告手段。
Claims (6)
- 内燃機関の燃料供給通路に配設された燃料フィルタの目詰まり度(P)を検知する目詰まり度検知手段と、
前記燃料供給通路を流通する燃料の燃料温度(T)を検知する燃料温度検知手段と、
検知された前記燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ検知された前記目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高いときに、内燃機関での煤発生を低減させる煤低減運転モードを行う運転制御手段と、を有していることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 更に、前記燃料温度(T)は前記基準温度(T0)以上であり、且つ前記目詰まり度が前記基準値(P0)よりも高いときには、前記燃料フィルタに異物が詰まった可能性があることを警告する警告手段を有していることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
- 前記煤低減運転モードは、EGR量を通常運転モードのときよりも低減させる、前記内燃機関への燃料噴射時期を通常運転モードのときよりも早める、過給機の過給圧力を通常運転モードのときよりも高くする、吸気を通常運転モードのときよりも冷却する、又は/及びパイロット噴射量を通常運転モードのときよりも低下させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目詰まり度検知手段は、前記燃料フィルタの上流側に設置された上流側圧力計と、前記燃料フィルタの下流側に設置された下流側圧力計とからなり、前記目詰まり度(P)は、前記上流側圧力計によって検知された上流側の燃料圧力と前記下流側圧力計によって検知された下流側の燃料圧力との差である差圧であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目詰まり度検知手段は、前記燃料フィルタの下流側に設置された下流側圧力計からなり、前記目詰まり度(P)は、前記下流側圧力計によって検知された燃料圧力であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の燃料供給通路に配設された燃料フィルタの目詰まり度(P)を検知する燃料堆積度検知工程と、
前記燃料供給通路を流通する燃料の燃料温度(T)を検知する燃料温度検知工程と、
検知された前記燃料温度(T)が所定の基準温度(T0)よりも低く、且つ検知された前記目詰まり度(P)が所定の基準値(P0)よりも高いときに、内燃機関での煤発生を低減させる煤低減運転モードを行う運転制御工程と、をもつことを特徴とする内燃機関の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008157875A JP2009299652A (ja) | 2008-06-17 | 2008-06-17 | 内燃機関の制御装置及び制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008157875A JP2009299652A (ja) | 2008-06-17 | 2008-06-17 | 内燃機関の制御装置及び制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009299652A true JP2009299652A (ja) | 2009-12-24 |
Family
ID=41546782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008157875A Pending JP2009299652A (ja) | 2008-06-17 | 2008-06-17 | 内燃機関の制御装置及び制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009299652A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120204833A1 (en) * | 2011-02-10 | 2012-08-16 | Denso Corporation | Fuel injection device |
JP2013068195A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-18 | Hino Motors Ltd | 燃料フィルタの異常検出装置 |
-
2008
- 2008-06-17 JP JP2008157875A patent/JP2009299652A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120204833A1 (en) * | 2011-02-10 | 2012-08-16 | Denso Corporation | Fuel injection device |
JP2012167559A (ja) * | 2011-02-10 | 2012-09-06 | Denso Corp | 燃料噴射装置 |
JP2013068195A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-18 | Hino Motors Ltd | 燃料フィルタの異常検出装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4709220B2 (ja) | パティキュレートフィルタの再生方法 | |
JP5573391B2 (ja) | 排気ガス浄化システム | |
JP2008025565A (ja) | ディーゼル粒子フィルターの再生管理 | |
JP2006316746A (ja) | 内燃機関の排ガス浄化装置 | |
US8156736B2 (en) | Exhaust hydrocarbon injection control system and method | |
EP2330285A1 (en) | Control device for engine | |
JP4544011B2 (ja) | 内燃機関排気浄化装置 | |
JP6417889B2 (ja) | 排気管燃料噴射器用故障診断装置 | |
US9512785B2 (en) | Exhaust gas purification system for internal combustion engine | |
US20130067896A1 (en) | Exhaust gas purification system | |
JP4211611B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP5834773B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP5287794B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2012122336A (ja) | 内燃機関用エアフィルタの目詰まり判定装置 | |
JP2008150966A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2007040269A (ja) | エンジンの背圧制御装置 | |
JP2007064182A (ja) | 排気浄化装置 | |
JP2007107474A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2009299652A (ja) | 内燃機関の制御装置及び制御方法 | |
JP2008231951A (ja) | エンジンの排気温度推定装置及びエンジンの排気浄化装置 | |
JP2012021480A (ja) | 排気浄化装置 | |
JP5136465B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2005163652A (ja) | 排気浄化装置 | |
JP2008525702A (ja) | 濃度1のディーゼル・エンジンを制御するための方法および装置 | |
JP6962262B2 (ja) | 排気処理システム |