JP7470553B2 - 定着部材及び制振ダンパー - Google Patents

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本発明は、定着部材及び制振ダンパーに関する。
地震の発生時、建築物に入力するエネルギーを減衰させる制振ダンパーが知られている。制振ダンパーは、2つの構造体の間に設けられ、地震時に変形する。特許文献1には、制振ダンパーの一例が記載されている。特許文献1に記載されるように、制振ダンパーは、コンクリート構造体との間に無収縮グラウト材を注入してから高力ボルトによって固定される。
特開平11-324399号公報
しかし、特許文献1に記載される方法で制振ダンパーをコンクリート構造体に固定する場合、ある程度の作業工数を要する。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、コンクリート構造体に固定対象物を固定する時の作業量を低減できる定着部材を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本開示の一態様の定着部材は、主筋及びせん断補強筋を備えるコンクリート構造体に埋め込まれる定着部材であって、少なくとも一部が前記コンクリート構造体の外部に配置される板状の基部と、前記基部から前記コンクリート構造体の内部に向かって突出する複数の突出部と、を備え、前記突出部の少なくとも一部は、前記コンクリート構造体の内部に配置され、複数の前記突出部は、前記主筋の長手方向に沿って並び、隣接する前記突出部の間の隙間長さは、前記せん断補強筋の直径よりも大きい。
本開示の定着部材の望ましい態様として、前記突出部から前記基部の厚さ方向に向かって突出する抜け止め部を備える。
本開示の定着部材の望ましい態様として、前記抜け止め部は、前記基部の厚さ方向に延びる棒状である。
本開示の定着部材の望ましい態様として、前記抜け止め部は、板状である。
本開示の定着部材の望ましい態様として、前記突出部は、異形鉄筋である。
本開示の一態様の制振ダンパーは、上述した定着部材であって、第1コンクリート構造体に固定される第1定着部材と、上述した定着部材であって、第2コンクリート構造体に固定される第2定着部材と、前記第1定着部材と前記第2定着部材との間に配置されるダンパー本体と、前記第1定着部材と前記ダンパー本体とを連結する第1連結部材と、前記第2定着部材と前記ダンパー本体とを連結する第2連結部材と、を備える。
本開示の制振ダンパーの望ましい態様として、前記ダンパー本体を両側から挟む2つの前記第1連結部材と、前記ダンパー本体を両側から挟む2つの前記第2連結部材と、を備える。
本開示の制振ダンパーの望ましい態様として、2つの前記第1連結部材は、前記第1定着部材を両側から挟み、2つの前記第2連結部材は、前記第2定着部材を両側から挟む。
本開示の制振ダンパーの望ましい態様として、前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、離れて配置される。
本開示の制振ダンパーの望ましい態様として、前記ダンパー本体は、前記第1定着部材と前記第2定着部材が並ぶ方向における中間位置に切欠部を備える。
本開示の制振ダンパーの望ましい態様として、前記ダンパー本体は、低降伏点鋼である。
本開示の制振ダンパーの望ましい態様として、前記ダンパー本体は、前記第1定着部材と前記第2定着部材が並ぶ方向の中間に配置される中間部と、当該方向における端部に配置され且つ締結部材が貫通する孔を備える締結部と、を備え、当該方向に対して直交する平面で前記中間部を切った場合の断面積は、当該平面で前記孔を含む位置で前記締結部を切った場合の断面積よりも小さい。
本開示の定着部材によれば、コンクリート構造体に固定対象物を固定する時の作業量を低減できる。
図1は、実施形態の制振ダンパーの正面図である。 図2は、実施形態の制振ダンパーの平面図である。 図3は、実施形態の制振ダンパーの斜視図である。 図4は、実施形態の制振ダンパーの一部の斜視図である。 図5は、第1変形例の制振ダンパーの正面図である。 図6は、第1変形例の制振ダンパーの平面図である。 図7は、第2変形例の制振ダンパーの斜視図である。 図8は、第2変形例の制振ダンパーの平面図である。 図9は、第3変形例の制振ダンパーの一部の斜視図である。 図10は、第4変形例の制振ダンパーの一部の斜視図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、実施形態の制振ダンパーの正面図である。図2は、実施形態の制振ダンパーの平面図である。図3は、実施形態の制振ダンパーの斜視図である。図4は、実施形態の制振ダンパーの一部の斜視図である。図1における上下方向が、鉛直方向である。
図1に示すように、実施形態の制振ダンパー90は、第1コンクリート構造体100と、第2コンクリート構造体200との間に配置される。制振ダンパー90の一端が、第1コンクリート構造体100と接続される。制振ダンパー90の他端が、第2コンクリート構造体200と接続される。制振ダンパー90は、鋼材によって製造されるパネルダンパーである。制振ダンパー90は、外力を受けた時に変形することによってエネルギーを減衰させる。なお、制振ダンパー90は、図1に示すように水平方向に並ぶ第1コンクリート構造体100と第2コンクリート構造体200に接続されてもよいし、鉛直方向に並ぶ2つのコンクリート構造体に接続されてもよい。
第1コンクリート構造体100は、コンクリートを含む構造体である。例えば、第1コンクリート構造体100は、柱、梁又は壁等である。図1に示すように、本実施形態では、第1コンクリート構造体100が柱である場合について説明する。第1コンクリート構造体100は、コンクリート101と、複数の主筋103と、複数のせん断補強筋105と、を備える。主筋103及びせん断補強筋105は、コンクリート101に埋め込まれる。主筋103及びせん断補強筋105は、例えば異形鉄筋である。主筋103の長手方向は、第1コンクリート構造体100の長手方向と平行である。主筋103は、鉛直方向に延びている。複数の主筋103は、図2に示すように矩形の4辺に沿うように配置される。せん断補強筋105は、複数の主筋103を囲む。せん断補強筋105の長手方向は、主筋103の長手方向に対して直交する。せん断補強筋105は、水平方向に延びている。複数のせん断補強筋105は、鉛直方向に等間隔に並ぶ。なお、平面視における第1コンクリート構造体100の形状は、矩形でなくてもよく、円形又は多角形等であってもよい。
第2コンクリート構造体200は、コンクリートを含む構造体である。例えば、第2コンクリート構造体200は、柱、梁又は壁等である。図1に示すように、本実施形態では、第2コンクリート構造体200が柱である場合について説明する。第2コンクリート構造体200は、コンクリート201と、複数の主筋203と、複数のせん断補強筋205と、を備える。主筋203及びせん断補強筋205は、コンクリート201に埋め込まれる。主筋203及びせん断補強筋205は、例えば異形鉄筋である。主筋203の長手方向は、第2コンクリート構造体200の長手方向と平行である。主筋203は、鉛直方向に延びている。複数の主筋203は、図2に示すように矩形の4辺に沿うように配置される。せん断補強筋205は、複数の主筋203を囲む。せん断補強筋205の長手方向は、主筋203の長手方向に対して直交する。せん断補強筋205は、水平方向に延びている。複数のせん断補強筋205は、鉛直方向に等間隔に並ぶ。なお、平面視における第2コンクリート構造体200の形状は、矩形でなくてもよく、円形又は多角形等であってもよい。
以下の説明において、XYZ直交座標系を用いる。X軸は、第1コンクリート構造体100及び第2コンクリート構造体200の長手方向と平行である。Z軸は、X軸に対して直交し且つ第1コンクリート構造体100及び第2コンクリート構造体200を通過する直線と平行である。Y軸は、X軸及びZ軸の両方に対して直交する。X軸に平行な方向はX方向と記載する。Y軸に平行な方向はY方向と記載する。Z軸に平行な方向はZ方向と記載する。鉛直方向の下から上へ向かう方向を+X方向とする。第1コンクリート構造体100から第2コンクリート構造体200へ向かう方向を+Z方向とする。+X方向を上とし、+Z方向を向いた場合の左方向を+Y方向とする。
図1に示すように、制振ダンパー90は、第1定着部材10と、第2定着部材20と、ダンパー本体80と、2つの第1連結部材30と、複数の第1補剛部材50と、2つの第2連結部材40と、複数の第2補剛部材60と、を備える。
図1に示すように、第1定着部材10の一部は、第1コンクリート構造体100に埋め込まれる。図1に示す長さE10は、距離E105よりも大きい。長さE10は、第1定着部材10のうち第1コンクリート構造体100に埋め込まれる部分の長さである。距離E105は、第1コンクリート構造体100の表面からせん断補強筋105までの距離である。第1定着部材10は、主筋103及びせん断補強筋105が配置された後でありコンクリート101が流し込まれる前に、型枠に設けられた開口部に通されて、せん断補強筋105に仮止めされる。その後、コンクリート101が型枠に流し込まれる。第1定着部材10の一部が、コンクリート101の内部に埋め込まれる。コンクリート101が固まると、第1定着部材10が固定される。なお、図1に示す長さE10は、距離E105以下であってもよい。
図3に示すように、第1定着部材10は、基部11と、複数の突出部13と、抜け止め部15と、受圧板19と、を備える。基部11の一部は、第1コンクリート構造体100の外部に配置される。基部11は、第1コンクリート構造体100の表面から第2コンクリート構造体200に向かって突出する。基部11は、板状の部材である。基部11の厚さ方向は、Y方向と平行である。図4に示すように、基部11は、複数の孔17を備える。
突出部13は、基部11から第1コンクリート構造体100の内部に向かって突出する。突出部13は、基部11から-Z方向に延びている。突出部13は、第1コンクリート構造体100の内部に配置される。複数の突出部13は、Y方向に沿って等間隔に並ぶ。隣接する突出部13の間の隙間長さD13は、せん断補強筋105の直径D105(図1参照)よりも大きい。直径D105は、せん断補強筋105の最大外径である。隣接する突出部13の間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋105のY方向の間隔と同じである。隣接する突出部13の間の隙間の基部11側の端部は、Y方向から見て円弧を描く。突出部13は、基部11と平行な板状である。突出部13は、Y方向から見て略矩形である。突出部13のZ方向の長さは、突出部13のX方向の長さよりも大きい。突出部13の厚さは、基部11の厚さと等しい。例えば、突出部13及び基部11は、一枚の部材から成形される。突出部13及び基部11の材料は、例えば鋼材である。なお、突出部13は、基部11と別部材であって、基部11と接合されていてもよい。突出部13の形状は、せん断補強筋105の間に差し込むことができ、且つダンパー本体80を固定する耐力を有していれば、上述した形状に限られない。複数の突出部13は、等間隔に配置されなくてもよい。隣接する突出部13の間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋105のY方向の間隔と同じでなくてもよい。隣接する突出部13の間の隙間の基部11側の端部は、Y方向から見て円弧を描かなくてもよい。突出部13のZ方向の長さは、突出部13のX方向の長さ以下であってもよい。突出部13の厚さは、基部11の厚さと等しくなくてもよい。突出部13及び基部11の材料は、例えば鋼材でない金属、合金、及び樹脂等であってもよい。
図3に示すように、抜け止め部15は、第1コンクリート構造体100の内部に配置される。抜け止め部15は、複数の突出部13の表面に配置される。抜け止め部15は、突出部13からY方向に突出する。抜け止め部15は、X方向に延びる棒状の部材である。抜け止め部15は、シアキーとも呼ばれる。抜け止め部15は、例えば溶接によって突出部13と接合される。複数の抜け止め部15が、突出部13に一つ一つ溶接される。2つの抜け止め部15が、1つの突出部13の+Y方向の面に配置される。2つの抜け止め部15が、1つの突出部13の-Y方向の面に配置される。なお、1つの突出部13に配置される抜け止め部15の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。1つの突出部13に配置される1つの抜け止め部15と、他の突出部13に配置される1つの抜け止め部15は、X軸と平行な同一直線上に配置される。なお、1つの突出部13に配置される1つの抜け止め部15と、他の突出部13に配置される1つの抜け止め部15は、X軸と平行な同一直線上に配置されなくてもよい。
受圧板19は、基部11のX方向の端部に配置される。受圧板19は、板状の部材である。受圧板19は、基部11のX方向の端面、及びX方向の端部に配置される突出部13のX方向の端面に取り付けられる。受圧板19の厚さ方向は、X方向と平行である。受圧板19は、例えば溶接によって基部11及び突出部13と接合される。受圧板19は、第1定着部材10がせん断力をコンクリート101に伝える時に、コンクリート101に生じる応力を分散させる。これにより、コンクリート101の圧壊が抑制される。
図1に示すように、第2定着部材20の一部は、第2コンクリート構造体200に埋め込まれる。図1に示す長さE20は、距離E205よりも大きい。長さE20は、第2定着部材20のうち第2コンクリート構造体200に埋め込まれる部分の長さである。距離E205は、第2コンクリート構造体200の表面からせん断補強筋205までの距離である。第2定着部材20は、主筋203及びせん断補強筋205が配置された後でありコンクリート201が流し込まれる前に、型枠に設けられた開口部に通されて、せん断補強筋205に仮止めされる。その後、コンクリート201が型枠に流し込まれる。第2定着部材20の一部が、コンクリート201の内部に埋め込まれる。コンクリート201が固まると、第2定着部材20が固定される。なお、図1に示す長さE20は、距離E205以下であってもよい。
図3に示すように、第2定着部材20は、基部21と、複数の突出部23と、抜け止め部25と、を備える。基部21の一部は、第2コンクリート構造体200の外部に配置される。基部21は、第2コンクリート構造体200の表面から第1コンクリート構造体100に向かって突出する。基部21は、板状の部材である。基部21の厚さ方向は、Y方向と平行である。図4に示すように、基部21は、複数の孔27を備える。
突出部23は、基部21から第2コンクリート構造体200の内部に向かって突出する。突出部23は、基部21から+Z方向に延びている。突出部23は、第2コンクリート構造体200の内部に配置される。複数の突出部23は、Y方向に沿って等間隔に並ぶ。隣接する突出部23の間の隙間長さD23は、せん断補強筋205の直径D205(図1参照)よりも大きい。直径D205は、せん断補強筋205の最大外径である。隣接する突出部23の間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋205のY方向の間隔と同じである。隣接する突出部23の間の隙間の基部21側の端部は、Y方向から見て円弧を描く。突出部23は、基部21と平行な板状である。突出部23は、Y方向から見て略矩形である。突出部23のZ方向の長さは、突出部23のX方向の長さよりも大きい。突出部23の厚さは、基部21の厚さと等しい。例えば、突出部23及び基部21は、一枚の部材から成形される。突出部23及び基部21の材料は、例えば鋼材である。なお、突出部23は、基部21と別部材であって、基部21と接合されていてもよい。突出部23の形状は、せん断補強筋205の間に差し込むことができ、且つダンパー本体80を固定する耐力を有していれば、上述した形状に限られない。複数の突出部23は、等間隔に配置されなくてもよい。隣接する突出部23の間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋205のY方向の間隔と同じでなくてもよい。隣接する突出部23の間の隙間の基部21側の端部は、Y方向から見て円弧を描かなくてもよい。突出部23のZ方向の長さは、突出部23のX方向の長さ以下であってもよい。突出部23の厚さは、基部21の厚さと等しくなくてもよい。突出部23及び基部21の材料は、例えば鋼材でない金属、合金、及び樹脂等であってもよい。
図3に示すように、抜け止め部25は、第2コンクリート構造体200の内部に配置される。抜け止め部25は、複数の突出部23の表面に配置される。抜け止め部25は、突出部23からY方向に突出する。抜け止め部25は、X方向に延びる棒状の部材である。抜け止め部25は、シアキーとも呼ばれる。抜け止め部25は、例えば溶接によって突出部23と接合される。複数の抜け止め部25が、突出部23に一つ一つ溶接される。2つの抜け止め部25が、1つの突出部23の+Y方向の面に配置される。2つの抜け止め部25が、1つの突出部23の-Y方向の面に配置される。なお、1つの突出部23に配置される抜け止め部25の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。1つの突出部23に配置される抜け止め部25と他の突出部23に配置される抜け止め部25は、X軸と平行な同一直線上に配置される。なお、1つの突出部23に配置される1つの抜け止め部25と、他の突出部23に配置される1つの抜け止め部25は、X軸と平行な同一直線上に配置されなくてもよい。
受圧板29は、基部21のX方向の端部に配置される。受圧板29は、板状の部材である。受圧板29は、基部21のX方向の端面、及びX方向の端部に配置される突出部23のX方向の端面に取り付けられる。受圧板29の厚さ方向は、X方向と平行である。受圧板29は、例えば溶接によって基部21及び突出部23と接合される。受圧板29は、第2定着部材20がせん断力をコンクリート201に伝える時に、コンクリート201に生じる応力を分散させる。これにより、コンクリート201の圧壊が抑制される。
図4に示すように、ダンパー本体80は、第1定着部材10と第2定着部材20との間に配置される。ダンパー本体80は、第1定着部材10との間に隙間を空けて配置される。ダンパー本体80は、第2定着部材20との間に隙間を空けて配置される。ダンパー本体80は、板状の部材である。ダンパー本体80の厚さ方向は、Y方向と平行である。図4に示すように、ダンパー本体80は、複数の孔891と、複数の孔892と、2つの切欠部87と、を備える。
複数の孔891は、X方向に等間隔に配置される。複数の孔891は、ダンパー本体80の-Z方向の端部に配置される。複数の孔892は、X方向に等間隔に配置される。複数の孔892は、ダンパー本体80の+Z方向の端部に配置される。2つの切欠部87は、ダンパー本体80のZ方向における中間位置に配置される。2つの切欠部87は、複数の孔891と複数の孔892との間に配置される。切欠部87は、ダンパー本体80の+X方向の端部及び-X方向の端部に配置される。ダンパー本体80は、中間部800と、締結部801と、締結部802と、を備える。中間部800は、ダンパー本体80におけるZ方向の中間に配置される。中間部800は、切欠部87が設けられていることにより、ダンパー本体80のうち2つの切欠部87で挟まれる部分である。締結部801は、ダンパー本体80における-Z方向の端部に配置される。締結部801は、複数の孔891を含む。締結部802は、ダンパー本体80における+Z方向の端部に配置される。締結部802は、複数の孔892を含む。中間部800の断面積は、孔891を含む位置における締結部801の断面積、及び孔892を含む位置における締結部802の断面積よりも小さい。このため、中間部800においては、締結部801及び締結部802よりも降伏せん断力が小さい。そのため、ダンパー本体80に外力が加わる時、中間部800が変形することによってエネルギーが吸収される。ここで、中間部800の断面積とは、中間部800のX方向の長さにY方向の長さを乗じた値をいう。孔891を含む位置における締結部801の断面積とは、締結部801のX方向の長さにY方向の長さを乗じた値から、複数の孔891の断面積(孔891のX方向の長さにY方向の長さを乗じた値に孔891の個数を乗じた値)を引いた値をいう。孔892を含む位置における締結部802の断面積とは、締結部802のX方向の長さにY方向の長さを乗じた値から、複数の孔892の断面積(孔892のX方向の長さにY方向の長さを乗じた値に孔892の個数を乗じた値)を引いた値をいう。
ダンパー本体80の形成材料は、鋼材、金属、合金、樹脂のいずれかを含む。例えば、ダンパー本体80は、低降伏点鋼である。ダンパー本体80は、例えば、少なくともクロム(Cr)及びニッケル(Ni)のいずれか一方を含むFe-Mn-(Cr、Ni)-Si系の合金であってもよい。ダンパー本体80は、例えば、当該合金に加えアルミニウム(Al)を含む合金であってもよい。ダンパー本体80は、地震時にダンパーとしての機能を発揮できるものであればよく、地震エネルギーを吸収できるものであればよい。
図3に示すように、第1連結部材30は、第1定着部材10とダンパー本体80を連結する。第1連結部材30は、鋼材である。第1連結部材30は、板状である。第1連結部材30の厚さ方向は、Y方向と平行である。第1連結部材30は、第1定着部材10及びダンパー本体80をY方向の両側から挟む。図3に示すように、第1連結部材30及び第1定着部材10は、複数の締結部材35によって連結される。締結部材35は、例えば高力ボルトである。締結部材35は、第1連結部材30が備える孔、及び図4に示す孔17を貫通する。第1連結部材30及びダンパー本体80は、複数の締結部材36によって連結される。締結部材36は、例えば高力ボルトである。締結部材36は、第1連結部材30が備える孔、及び図4に示す孔891を貫通する。なお、第1連結部材30の材料は、鋼材でない金属、合金、又は樹脂等であってもよい。
図3に示すように、第1補剛部材50は、第1連結部材30に設けられる。第1補剛部材50は、第1連結部材30を補剛する。第1補剛部材50は、板状である。第1補剛部材50の厚さ方向は、X方向と平行である。複数の第1補剛部材50は、X方向に沿って並ぶ。なお、第1補剛部材50は、板状に限られず、例えば山形、溝形、又は棒状等であってもよい。
図3に示すように、第2連結部材40は、第2定着部材20とダンパー本体80を連結する。第2連結部材40は、鋼材である。第2連結部材40は、板状である。第2連結部材40の厚さ方向は、Y方向と平行である。第2連結部材40は、第2定着部材20及びダンパー本体80をY方向の両側から挟む。図3に示すように、第2連結部材40及び第2定着部材20は、複数の締結部材45によって連結される。締結部材45は、例えば高力ボルトである。締結部材45は、第2連結部材40が備える孔、及び図4に示す孔27を貫通する。第2連結部材40及びダンパー本体80は、複数の締結部材46によって連結される。締結部材46は、例えば高力ボルトである。締結部材46は、第2連結部材40が備える孔、及び図4に示す孔892を貫通する。なお、第2連結部材40の材料は、鋼材でない金属、合金、又は樹脂等であってもよい。
図3に示すように、第2補剛部材60は、第2連結部材40に設けられる。第2補剛部材60は、第2連結部材40を補剛する。第2補剛部材60は、板状である。第2補剛部材60の厚さ方向は、X方向と平行である。複数の第2補剛部材60は、X方向に沿って並ぶ。なお、第2補剛部材60は、板状に限られず、例えば山形、溝形、又は棒状等であってもよい。
以上で説明したように、定着部材(第1定着部材10)は、コンクリート構造体(第1コンクリート構造体100)に埋め込まれる部材である。第1コンクリート構造体100は、主筋103及びせん断補強筋105を備える。第1定着部材10は、基部11と、突出部13と、を備える。基部11は、少なくとも一部が第1コンクリート構造体100の外部に配置される板状の部材である。複数の突出部13は、基部11から第1コンクリート構造体100の内部に向かって突出する。突出部13の少なくとも一部は、第1コンクリート構造体100の内部に配置される。複数の突出部13は、主筋103の長手方向に沿って並ぶ。隣接する突出部13の間の隙間長さD13は、せん断補強筋105の直径D105よりも大きい。
隣接する突出部13の間の隙間長さD13がせん断補強筋105の直径D105よりも大きいので、第1コンクリート構造体100のうちせん断補強筋105よりも内部側に突出部13を配置することが可能である。第1定着部材10は、せん断補強筋105と干渉せずに、第1コンクリート構造体100に深く埋め込むことができる。このため、第1定着部材10は、固定対象物(ダンパー本体80)を支持するために十分な耐力を備えることができる。第1定着部材10を埋め込む時には、第1コンクリート構造体100との間に無収縮グラウト材は不要である。また、複数の突出部13が基部11で繋がっているので、例えば複数のアンカーをそれぞれ埋め込む場合と比較して、第1定着部材10を埋め込む作業は容易である。したがって、本実施形態の定着部材(第1定着部材10)は、コンクリート構造体(第1コンクリート構造体100)に固定対象物(ダンパー本体80)を固定する時の作業量を低減できる。
第1定着部材10は、突出部13から基部11の厚さ方向に向かって突出する抜け止め部15を備える。
これにより、第1定着部材10は、第1コンクリート構造体100からより引き抜けにくくなる。言い換えると、抜け止め部15を備えることにより、第1定着部材10の引き抜き抵抗力が大きくなる。このため、第1定着部材10は、固定対象物(ダンパー本体80)をより強固に支持できる。
制振ダンパー90は、第1定着部材10と、第2定着部材20と、ダンパー本体80と、第1連結部材30と、第2連結部材40と、を備える。第1定着部材10は、第1コンクリート構造体100に固定される。第2定着部材20は、第2コンクリート構造体200に固定される。ダンパー本体80は、第1定着部材10と第2定着部材20との間に配置される。第1連結部材30は、第1定着部材10とダンパー本体80とを連結する。第2連結部材40は、第2定着部材20とダンパー本体80とを連結する。
第1定着部材10及び第2定着部材20を用いることによって、第1コンクリート構造体100及び第2コンクリート構造体200に、ダンパー本体80を固定する作業が容易となる。また、外力を受けてダンパー本体80が変形した場合、第1コンクリート構造体100及び第2コンクリート構造体200を取り外さずに、ダンパー本体80を交換できる。このため、制振ダンパー90は、ダンパー本体80の交換作業を容易にすることができる。
制振ダンパー90は、ダンパー本体80を両側から挟む2つの第1連結部材30と、ダンパー本体80を両側から挟む2つの第2連結部材40と、を備える。
第1連結部材30及び第2連結部材40によって、ダンパー本体80が両側から押さえ付けられる。このため、外力を受けた時に、ダンパー本体80が厚さ方向へ変形しにくい。制振ダンパー90は、ダンパー本体80によって吸収されるエネルギーの設計値からのずれを低減できる。言い換えると、ダンパー本体80の座屈が拘束されることによって、せん断座屈耐力ではなく、断面積にせん断応力度を乗じて求められる降伏せん断力が制振ダンパー90の耐力となる。制振ダンパー90は、降伏せん断力によって地震エネルギーを吸収できる。
制振ダンパー90において、2つの第1連結部材30は、第1定着部材10を両側から挟む。2つの第2連結部材40は、第2定着部材20を両側から挟む。
これにより、制振ダンパー90は、第1連結部材30と第1定着部材10との連結、及び第2連結部材40と第2定着部材20との連結を強固にすることができる。また、制振ダンパー90は、ダンパー本体80のせん断座屈を拘束することができる。
制振ダンパー90において、第1連結部材30及び第2連結部材40は、離れて配置される。
これにより、地震によって第1連結部材30及び第2連結部材40が動いた時に、第1連結部材30及び第2連結部材40の接触が抑制される。このため、制振ダンパー90は、第1連結部材30及び第2連結部材40が壊れることによってダンパー本体80の座屈を拘束できなくなる可能性が低減できる。
制振ダンパー90において、ダンパー本体80は、第1定着部材10と第2定着部材20が並ぶ方向における中間位置に切欠部87を備える。
これにより、外力を受けた時、ダンパー本体80の切欠部87の周辺部分が変形する。制振ダンパー90によれば、ダンパー本体80の所望の部分を変形させることができる。したがって、制振ダンパー90は、エネルギーを吸収することができる。
制振ダンパー90において、ダンパー本体80は、低降伏点鋼である。
これにより、制振ダンパー90は、エネルギー吸収能力を向上させることができる。
制振ダンパー90において、ダンパー本体80は、第1定着部材10と第2定着部材20が並ぶ方向(Z方向)の中間に配置される中間部800と、当該方向における端部に配置され且つ締結部材36が貫通する孔891を備える締結部801と、を備える。当該方向に対して直交する平面で中間部800を切った場合の断面積は、当該平面で孔891を含む位置で締結部801を切った場合の断面積よりも小さい。
これにより、中間部800においては、締結部801及び締結部802よりも降伏せん断力が小さい。そのため、ダンパー本体80に外力が加わる時、中間部800が変形することによってエネルギーが吸収される。
(第1変形例)
図5は、第1変形例の制振ダンパーの正面図である。図6は、第1変形例の制振ダンパーの平面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図5に示すように、第1変形例の制振ダンパー90Aは、第1定着部材10Aと、第2定着部材20Aと、第3連結部材70と、を備える。
図5に示すように、第1定着部材10Aは、基部11と、複数の突出部13Aと、を備える。突出部13Aは、基部11から第1コンクリート構造体100の内部に向かって突出する。突出部13Aは、基部11から-Z方向に延びている。突出部13Aの一部は、第1コンクリート構造体100の内部に配置される。複数の突出部13Aは、Y方向に沿って等間隔に並ぶ。隣接する突出部13Aの間の隙間長さD13Aは、せん断補強筋105の直径D105よりも大きい。隣接する突出部13Aの間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋105のY方向の間隔と同じである。突出部13Aは、表面に凹凸を備える円柱状の鉄筋である。突出部13Aは、異形鉄筋である。突出部13Aは、例えば溶接によって基部11と接合される。なお、突出部13Aの形状は、せん断補強筋105の間に差し込むことができ、且つダンパー本体80を固定する耐力を有していれば、上述した形状に限られない。複数の突出部13Aは、等間隔に配置されなくてもよい。隣接する突出部13Aの間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋105のY方向の間隔と同じでなくてもよい。
図5に示すように、第2定着部材20Aは、基部11と、複数の突出部23Aと、を備える。突出部23Aは、基部21から第2コンクリート構造体200の内部に向かって突出する。突出部23Aは、基部21から+Z方向に延びている。突出部23Aは、第2コンクリート構造体200の内部に配置される。複数の突出部23Aは、Y方向に沿って等間隔に並ぶ。隣接する突出部23Aの間の隙間長さD23Aは、せん断補強筋205の直径D205よりも大きい。隣接する突出部23Aの間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋205のY方向の間隔と同じである。突出部23Aは、表面に凹凸を備える円柱状の鉄筋である。突出部23Aは、異形鉄筋である。突出部23Aは、例えば溶接によって基部21と接合される。なお、突出部23Aの形状は、せん断補強筋205の間に差し込むことができ、且つダンパー本体80を固定する耐力を有していれば、上述した形状に限られない。複数の突出部23Aは、等間隔に配置されなくてもよい。隣接する突出部23Aの間の隙間同士のY方向の間隔は、隣接するせん断補強筋205のY方向の間隔と同じでなくてもよい。
図6に示すように、第3連結部材70は、第1定着部材10A、ダンパー本体80、及び第2定着部材20Aを連結する。第3連結部材70は、第1定着部材10Aから第2定着部材20Aに亘って設けられる。第3連結部材70は、板状である。第3連結部材70の厚さ方向は、Y方向と平行である。第3連結部材70は、ダンパー本体80を挟んで第1連結部材30及び第2連結部材40の反対側に配置される。第1連結部材30及び第3連結部材70は、第1定着部材10AをY方向の両側から挟む。第2連結部材40及び第3連結部材70は、第2定着部材20AをY方向の両側から挟む。
上述したように、第1変形例の定着部材(第1定着部材10A)において、突出部13Aは、異形鉄筋である。
これにより、第1定着部材10Aは、第1コンクリート構造体100からより引き抜けにくくなる。このため、第1定着部材10Aは、固定対象物(ダンパー本体80)をより強固に支持できる。
(第2変形例)
図7は、第2変形例の制振ダンパーの斜視図である。図8は、第2変形例の制振ダンパーの平面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第2変形例の制振ダンパー90Bは、ダンパー本体80Bを備える。第1外板8と、第2外板82と、第3外板83と、第4外板84と、第1内板85と、第2内板86と、を備える。なお、図8においては、第1外板81、第2外板82、第3外板83、及び第4外板84は破線で示される。
図7に示すように、第1外板81、第2外板82、第3外板83、第4外板84、第1内板85、及び第2内板86は、板状の部材である。第1外板81及び第2外板82の厚さ方向は、X方向と平行である。第3外板83及び第4外板84の厚さ方向は、Z方向と平行である。第1内板85及び第2内板86の厚さ方向は、Y方向と平行である。
第1外板81、第2外板82、第3外板83、及び第4外板84は、Y方向から見て矩形を描くように配置される。第1外板81、第2外板82、第3外板83、及び第4外板84は、例えば溶接によって接合される。第1定着部材10の基部11は、例えば溶接によって第3外板83と接合される。第2定着部材20の基部21は、例えば溶接によって第4外板84と接合される。
第1内板85及び第2内板86は、第1外板81、第2外板82、第3外板83、及び第4外板84の内側に配置される。第1内板85は、例えば溶接によって第1外板81、第2外板82、第3外板83、及び第4外板84と接合される。第2内板86は、第1内板85の中央に配置される。第2内板86の厚さは、第1内板85の厚さよりも小さい。第2内板86は、例えば第1内板85の一部を削ることによって形成される。ダンパー本体80Bは、外力を受けた時、第2内板86が変形することによってエネルギーを吸収する。
(第3変形例)
図9は、第3変形例の制振ダンパーの一部の斜視図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第3変形例の制振ダンパー90Cは、第1定着部材10Cと、第2定着部材20Cと、ダンパー本体80Cと、2つの第1連結部材30Cと、2つの第2連結部材40Cと、を備える。
図9に示すように、第1定着部材10Cは、抜け止め部15Cを備える。抜け止め部15Cは、第1コンクリート構造体100の内部に配置される。抜け止め部15Cは、複数の突出部13に配置される。抜け止め部15Cは、突出部13からY方向に突出する。抜け止め部15Cは、Y方向に延びる棒状の部材である。抜け止め部15Cは、突出部13を貫通する。抜け止め部15Cは、例えば溶接によって突出部13と接合される。
図9に示すように、第2定着部材20Cは、抜け止め部25Cを備える。第2コンクリート構造体200の内部に配置される。抜け止め部25Cは、複数の突出部13に配置される。抜け止め部25Cは、突出部13からY方向に突出する。抜け止め部25Cは、Y方向に延びる棒状の部材である。抜け止め部25Cは、突出部13を貫通する。抜け止め部25Cは、例えば溶接によって突出部23と接合される。
図9に示すように、ダンパー本体80Cは、第1定着部材10Cと第2定着部材20Cとの間に配置される。ダンパー本体80Cは、第1定着部材10Cとの間に隙間を空けて配置される。ダンパー本体80Cは、第2定着部材20Cとの間に隙間を空けて配置される。ダンパー本体80Cは、板状の部材である。ダンパー本体80Cの厚さ方向は、Y方向と平行である。図9に示すように、ダンパー本体80Cは、2つの切欠部88を備える。
2つの切欠部88は、ダンパー本体80CのZ方向における中間位置に配置される。2つの切欠部88は、複数の孔891と複数の孔892との間に配置される。2つの切欠部88は、X方向に並ぶ。Y方向から見て、切欠部88は、六角形である。ダンパー本体80Cのうち2つの切欠部88で挟まれる部分の断面積が小さくなるので、降伏せん断力小さくなる。ダンパー本体80Cに外力が加わる時、当該部分が変形することによってエネルギーが吸収される。
図9に示すように、第1連結部材30Cは、第1定着部材10Cとダンパー本体80Cを連結する。第1連結部材30Cは、プレキャストコンクリートである。第1連結部材30Cは、板状である。第1連結部材30Cの厚さ方向は、Y方向と平行である。第1連結部材30Cは、第1定着部材10C及びダンパー本体80CをY方向の両側から挟む。第1連結部材30C及び第1定着部材10Cは、複数の締結部材によって連結される。第1連結部材30C及びダンパー本体80Cは、複数の締結部材によって連結される。
図9に示すように、第2連結部材40Cは、第2定着部材20Cとダンパー本体80Cを連結する。第2連結部材40Cは、プレキャストコンクリートである。第2連結部材40Cは、板状である。第2連結部材40Cの厚さ方向は、Y方向と平行である。第2連結部材40Cは、第2定着部材20C及びダンパー本体80CをY方向の両側から挟む。第2連結部材40C及び第2定着部材20Cは、複数の締結部材によって連結される。第2連結部材40C及びダンパー本体80Cは、複数の締結部材によって連結される。
上述したように、第3変形例の定着部材(第1定着部材10C)において、抜け止め部15Cは、基部11の厚さ方向に延びる棒状である。
これにより、第1定着部材10Cは、第1コンクリート構造体100からより引き抜けにくくなる。このため、第1定着部材10Cは、固定対象物(ダンパー本体80C)をより強固に支持できる。
なお、第3変形例の抜け止め部15C及び抜け止め部25Cは、上述した実施形態の定着部材に適用されてもよい。また、2つの定着部材のうち一方のみに、Y方向に延びる棒状の抜け止め部が適用されてもよい。
(第4変形例)
図10は、第4変形例の制振ダンパーの一部の斜視図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第4変形例の制振ダンパー90Dは、第1定着部材10Dと、第2定着部材20Dと、を備える。
図9に示すように、第1定着部材10Dは、抜け止め部15Dを備える。抜け止め部15Dは、第1コンクリート構造体100の内部に配置される。抜け止め部15Dは、複数の突出部13に配置される。抜け止め部15Dは、突出部13の端面に配置される。抜け止め部15Dは、突出部13からY方向に突出する。抜け止め部15Dは、板状の部材である。抜け止め部15Dの厚さ方向は、Z方向と平行である。抜け止め部15Dは、例えば溶接によって突出部13と接合される。
図9に示すように、第2定着部材20Dは、抜け止め部25Cを備える。第2コンクリート構造体200の内部に配置される。抜け止め部25Dは、複数の突出部13に配置される。抜け止め部25Dは、突出部13の端面に配置される。抜け止め部25Dは、突出部13からY方向に突出する。抜け止め部25Dは、板状の部材である。抜け止め部25Dの厚さ方向は、Z方向と平行である。抜け止め部25Dは、例えば溶接によって突出部23と接合される。
上述したように、第4変形例の定着部材(第1定着部材10D)において、抜け止め部15Dは、板状である。
これにより、第1定着部材10Dは、第1コンクリート構造体100からより引き抜けにくくなる。このため、第1定着部材10Dは、固定対象物(ダンパー本体80C)をより強固に支持できる。
なお、第4変形例の抜け止め部15D及び抜け止め部25Dは、上述した実施形態の定着部材に適用されてもよい。また、2つの定着部材のうち一方のみに、板状の抜け止め部が適用されてもよい。
10、10A、10C、10D 第1定着部材
11 基部
13、13A 突出部
15、15C、15D 抜け止め部
17 孔
19 受圧板
20、20A、20C、20D 第2定着部材
21 基部
23、23A 突出部
25、25C、25D 抜け止め部
27 孔
29 受圧板
30、30C 第1連結部材
35、36 締結部材
40、40C 第2連結部材
45、46 締結部材
50 第1補剛部材
60 第2補剛部材
70 第3連結部材
80、80B、80C ダンパー本体
891、892 孔
87、88 切欠部
90、90A、90B、90C、90D 制振ダンパー
100 第1コンクリート構造体
101 コンクリート
103 主筋
105 せん断補強筋
200 第2コンクリート構造体
201 コンクリート
203 主筋
205 せん断補強筋

Claims (12)

  1. 主筋及びせん断補強筋を備えるコンクリート構造体に埋め込まれる定着部材であって、
    少なくとも一部が前記コンクリート構造体の外部に配置される板状の基部と、
    前記基部と一体の板状の部材であり、前記基部から前記コンクリート構造体の内部に向かって突出する複数の突出部と、
    を備え、
    前記突出部の少なくとも一部は、前記コンクリート構造体の内部に配置され、
    複数の前記突出部は、前記主筋の長手方向に沿って並び、前記せん断補強筋の間に差し込まれ、
    隣接する前記突出部の間の隙間長さは、前記せん断補強筋の直径よりも大きい
    定着部材。
  2. 前記突出部から前記基部の厚さ方向に向かって突出する抜け止め部を備える
    請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記抜け止め部は、前記基部の厚さ方向に延びる棒状である
    請求項2に記載の定着部材。
  4. 前記抜け止め部は、板状である
    請求項2に記載の定着部材。
  5. 前記突出部は、異形鉄筋である
    請求項1に記載の定着部材。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載される定着部材であって、第1コンクリート構造体に固定される第1定着部材と、
    請求項1から5のいずれか1項に記載される定着部材であって、第2コンクリート構造体に固定される第2定着部材と、
    前記第1定着部材と前記第2定着部材との間に配置されるダンパー本体と、
    前記第1定着部材と前記ダンパー本体とを連結する第1連結部材と、
    前記第2定着部材と前記ダンパー本体とを連結する第2連結部材と、
    を備える制振ダンパー。
  7. 前記ダンパー本体を両側から挟む2つの前記第1連結部材と、
    前記ダンパー本体を両側から挟む2つの前記第2連結部材と、
    を備える請求項6に記載の制振ダンパー。
  8. 2つの前記第1連結部材は、前記第1定着部材を両側から挟み、
    2つの前記第2連結部材は、前記第2定着部材を両側から挟む
    請求項7に記載の制振ダンパー。
  9. 前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、離れて配置される
    請求項6から8のいずれか1項に記載の制振ダンパー。
  10. 前記ダンパー本体は、前記第1定着部材と前記第2定着部材が並ぶ方向における中間位置に切欠部を備える
    請求項6から9のいずれか1項に記載の制振ダンパー。
  11. 前記ダンパー本体は、低降伏点鋼である
    を備える請求項6から10のいずれか1項に記載の制振ダンパー。
  12. 前記ダンパー本体は、前記第1定着部材と前記第2定着部材が並ぶ方向の中間に配置される中間部と、当該方向における端部に配置され且つ締結部材が貫通する孔を備える締結部と、を備え、
    当該方向に対して直交する平面で前記中間部を切った場合の断面積は、当該平面で前記孔を含む位置で前記締結部を切った場合の断面積よりも小さい
    請求項6から11のいずれか1項に記載の制振ダンパー。
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