以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)~図1(E)を用いて、本実施形態のゲームシステムを実現するハードウェア装置について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1~TMnはクライアントである。なお、本実施形態のゲームシステム及びその処理は、サーバシステム500により実現してもよいし、端末装置TM1~TMnにより実現してもよい。或いはサーバシステム500と端末装置TM1~TMnの分散処理により実現してもよい。
また本実施形態のゲームシステム及び処理は、ブロックチェーンの手法により実現することも可能である。例えばイーサリウム(Ethereum)で実行可能なスマートコントラクトと呼ばれるプログラムを用いて、本実施形態のゲームシステムの各処理を実行してもよい。この場合には端末装置TM1~TMnはピア・ツー・ピアで接続されることになる。また端末装置TM1~TMnの間で通信されるゲーム情報等の各種の情報は、ブロックチェーンを用いて転送されることになる。なお、以下では、TM1~TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、ユーザ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。或いは、端末装置TMとして、ユーザの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
図2に本実施形態のゲームシステム(サーバシステム)の構成例を示す。なお、ゲームシステムの構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
ゲームシステムは、処理部100、操作部160、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、記憶部170(データベース)に記憶される各種の情報、プログラム、又は操作情報等に基づいて、抽選テーブル処理、抽選処理、ゲーム処理、管理処理、表示処理、或いは音処理などを行う。
処理部100の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部100の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部100は、抽選テーブル処理部102、抽選処理部108、ゲーム処理部110、管理部112、表示処理部120、音処理部130を含む。
抽選テーブル処理部102は、抽選テーブルについての種々の処理を行う。例えば複数の抽選テーブルの中から抽選テーブルを選択する選択処理を行う。例えばテーブル記憶部172に記憶される複数の抽選テーブルの中から選択条件に基づいて抽選テーブルを選択する処理を行う。また抽選テーブル処理部102は、抽選テーブルに関する各種の変更処理を行う。例えば抽選テーブルの選択条件、抽選条件又は遷移条件などについての変更処理を行う。例えば抽選テーブル処理部102はテーブル選択部104と変更部106を含み、選択処理はテーブル選択部104が行い、変更処理は変更部106が行う。抽選テーブル処理の詳細については後述する。
抽選処理部108は、ユーザに付与するゲーム媒体を抽選する抽選処理を行う。具体的には抽選処理部108は、所与の抽選指示に基づいて、複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を選択して抽選する抽選処理を行う。例えば複数のゲーム媒体の中からいずれかのゲーム媒体(1又は複数のゲーム媒体)を選択する抽選処理を行う。
抽選指示は例えばユーザの操作による抽選指示である。例えばユーザが操作部160を用いて抽選指示の操作入力を行った場合に、抽選処理部108は抽選処理を実行する。この場合に、ゲーム内通貨の消費、ガシャチケットなどのチケットの消費、又はゲームポイントの消費などを条件に、ユーザが抽選指示を行えるようにしてもよい。或いは、無料ガシャのように、これらの消費を必要とせずに、ユーザが抽選指示を行えるようにしてもよい。なお、ゲーム内通貨やガシャチケットやゲームポイントは、ガシャに限らず、ログインボーナスや、ゲーム結果や、ユーザへの課金に対する対価の支払いにより入手できるようにしてもよい。またユーザの操作によらずに、システムにより自動的に抽選指示を出すようにしてもよい。例えば、ユーザがプレイするゲームにおいて、敵を倒したり、ステージをクリアするなどして、クエストやミッションを達成すると、システムにより自動的に抽選指示が出され、これにより抽選処理部108が抽選処理を実行するようにしてもよい。
ゲーム媒体は、例えばゲームなどにおいてユーザによって用いられる電子データの総称である。例えばユーザがプレイするゲームにおいては、電子的なアイテム、キャラクタ、アバタ又はカードなどの種々のゲーム媒体が使用される。アイテムは、ゲームでの武器、防具、装備品、道具又は部品等である。キャラクタ、アバタは、ゲームに登場する移動体である。電子的なカードは例えばキャラクタカードやアイテムカードなどである。ゲーム媒体は、電子的なアイテム、キャラクタ、アバタ又はカードなどであり、ゲームプレイの要素となるものある。ゲーム処理部110は、この電子的なゲーム媒体を用いて、ゲーム進行処理等のゲーム処理を実行する。ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じて取得、使用、保有、管理、交換、合成、強化、売却、削除又は贈与されるが、本実施形態のゲーム媒体はこのような利用態様に限定されるものでない。
このようにゲーム媒体は、ゲームパートであるゲーム処理で使用されるキャラクタ又はアイテムなどである。例えばゲーム媒体であるキャラクタ同士の合成も可能である。またアイテムは、キャラクタの強化や進化に使用したり、キャラクタの体力の回復に使用したり、或いはゲームで特殊効果を発動するものなどである。またアイテムは、ゲームをプレイするために使用するアイテムである。例えばゲームプレイに必要なゲーム内通貨の蓄積アイテムや、ゲームプレイに必要なユーザのスタミナやエネルギーを回復するアイテムである。或いはアイテムは、ガシャなどの抽選プレイを行うためのアイテムである。例えばガシャなどの抽選プレイに必要なゲーム内通貨の蓄積アイテム、ガシャチケットなどの抽選プレイを行うためのチケット、所定数だけ溜まると抽選プレイが可能になったり、抽選プレイを行うためのアイテムと交換できたり、キャラクタを任意に選択できるアイテムなどである。これらのキャラクタやアイテムなどのゲーム媒体にはレアリティ(レア度)が設定されている。例えば、キャラクタやアイテムの場合は、能力や効果が高いものや期間限定でしか入手できないものほど、レアリティが高くなる。また、ゲーム内通貨やゲームポイントの蓄積アイテムの場合は、貰えるゲーム内通貨やゲームポイントの量が多いほど、レアリティが高くなる。ガシャチケットなどのチケットの場合は、レアリティの高いゲーム媒体が手に入りやすいチケットほど、レアリティが高くなる。
抽選処理部108が行う抽選処理は、抽選テーブルを用いて行われる。抽選テーブルでは、抽選対象となるゲーム媒体の抽選条件が設定される。例えば図3(A)に示すように、抽選テーブルTBLでは、ゲーム媒体MA、MB、MC・・・のそれぞれに対して抽選確率PMA、PMB、PMC・・・が設定されている。抽選確率は当選確率又は排出確率と言うこともできる。抽選処理は、この抽選確率PMA、PMB、PMC・・・に基づいて行われる。この場合には、所定の変更条件が満たされた場合に、抽選確率を変更するようにしてもよい。例えば、レアリティが高いゲーム媒体の抽選確率を高くする。或いはレアリティが低いゲーム媒体の抽選確率を低くしてもよい。これにより、抽選条件を変更する処理が実現され、ゲーム媒体が抽選される確率が変更される。
或いは、図3(A)のように抽選確率を各ゲーム媒体に設定するものに限らず、図3(B)に示すように、抽選テーブルTBL内においてゲーム媒体MA、MB、MC・・・に対して排出の順番1、2、3・・・を設定して、この順番通りにゲーム媒体を選択して行くようにしてもよい。この場合に抽選処理部108は、この排出の順番がランダムに決まるように抽選処理を行う。この場合には、所定の変更条件が満たされた場合に、排出の順番を変更するようにしてもよい。例えば、レアリティが高いゲーム媒体の順番が手前になるように変更する。或いはレアリティが低いゲーム媒体の順番が後ろになるように変更してもよい。これにより、抽選条件を変更する処理が実現され、ゲーム媒体が抽選される確率が変更される。このように抽選テーブルにおける抽選条件は、ゲーム媒体の抽選確率やゲーム媒体の排出の順番などにより設定(規定、定義)できる。
ゲーム処理部110は、ユーザがゲームをプレイするための種々のゲーム処理を行う。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績を演算する処理などである。ゲーム処理部110は、ゲーム情報記憶部174に記憶されるゲームデータやゲームプログラムなどのゲーム情報に基づいて、ゲーム処理を実行する。例えばゲーム処理部110は、使用可能状態に設定されたゲーム媒体を用いたゲームの処理を行う。即ち、ユーザに取得されて所有されたゲーム媒体を用いたゲームの処理を行う。ゲーム媒体の情報はゲーム媒体情報記憶部176に記憶される。
ブラウザゲームを例にとれば、ゲーム処理部110は、ユーザ情報をユーザごとに管理することで、ユーザごとにゲームの進行を制御する。ユーザ情報はユーザ情報記憶部178に記憶される。例えばゲーム処理部110は、ゲームサービスを提供するウェブサイトを構成するウェブページを、端末装置からの要求に応じて、端末装置に表示させる。具体的には端末装置が備えるウェブブラウザによりウェブページが表示される。表示されたウェブページのハイパーリンクがユーザにより選択されると、ゲーム処理部110は、ハイパーリンクに対応する新たなHTMLデータを端末装置に送信し、端末装置では新たなHTMLデータに基づくウェブページが表示される。このようにゲーム処理部110によって、ウェブページが、ユーザの操作に応じて端末装置に順次に提供されることで、端末装置でのユーザの操作に基づきゲームを進行させることが可能になる。
管理部112は、例えばユーザの認証処理を行う。例えば端末装置を用いてログインしたユーザの認証処理を行う。この認証処理は、例えばユーザが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。また管理部112は、種々の課金処理を行う。例えば課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等を行う。また管理部112は、各種の管理処理を行う。例えば各種サービスの管理処理や、各種情報の管理処理を行う。
例えばユーザは、図1(A)のサーバシステム500等が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、ユーザは、抽選ゲームやソーシャルゲームなどのネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、ユーザ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理部112は、このようなユーザのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データ(HTMLデータ等)を生成する。音処理部130は、音出力部192から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。
操作部160は、ユーザ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、テーブル記憶部172、ゲーム情報記憶部174、ゲーム媒体情報記憶部176、ユーザ情報記憶部178を含む。テーブル記憶部172は、抽選処理に使用される複数の抽選テーブルの情報を記憶する。例えば抽選テーブルにより定義される抽選確率などの抽選条件についての情報を記憶する。ゲーム情報記憶部174は、ゲームプログラムやゲームデータなどのゲーム情報を記憶する。ゲーム媒体情報記憶部176は、アイテム、キャラクタ又はカードなどのゲーム媒体に関する情報であるゲーム媒体情報を記憶する。ゲーム媒体情報は、例えばゲーム媒体の名称情報や、表示物であるゲーム媒体の画像情報や、或いはゲーム媒体のレアリティについてのパラメータ情報や、攻撃力、守備力又は体力などの能力についてのパラメータ情報を含むことができる。ユーザ情報記憶部178は、ユーザの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、ユーザのアカウント情報(ユーザID)もユーザ情報として記憶される。例えば課金処理の対象となる課金情報は、各ユーザの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、ユーザが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196(通信インターフェース)は、外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本実施形態の範囲内に含めることができる。
そして図2に示すように本実施形態のゲームシステムは、テーブル記憶部172と抽選テーブル処理部102と抽選処理部108と表示処理部120を含む。
テーブル記憶部172は、抽選処理に使用される抽選テーブルを記憶する。例えばテーブル記憶部172は、ユーザに付与するゲーム媒体を抽選するための抽選条件が各抽選テーブルに定義される複数の抽選テーブルを記憶する。抽選条件は、例えば前述のようにゲーム媒体の抽選確率又は排出順番などにより設定(規定、定義)される条件である。抽選条件は、ゲーム媒体の当選条件又は排出条件と言うこともできる。テーブル記憶部172は、例えば複数の抽選テーブルの各テーブルにおいて、抽選対象となるゲーム媒体に対して、抽選確率又は排出順番などの抽選パラメータの情報を関連づけて記憶する。
抽選テーブル処理部102は、抽選テーブルについての各種の処理を行う。例えば抽選テーブル処理部102は、複数の抽選テーブルの中から抽選テーブルを選択する処理を行う。即ち抽選テーブル処理部102は、テーブル記憶部172に記憶される複数の抽選テーブルの中から、選択条件に基づいて、抽選処理に使用する抽選テーブルを選択する処理を行う。この選択処理はテーブル選択部104が行う。選択条件は、例えば複数の抽選テーブルの中から、抽選処理に使用する抽選テーブルを選択するための選択確率などにより設定できる。例えば複数の抽選テーブルの各抽選テーブルにその選択確率を対応づけておく。そして抽選テーブル処理部102は、この選択確率により設定される選択条件に基づいて、抽選処理に使用される抽選テーブルを選択する。或いは選択条件は、例えば抽選テーブルの選択順番などにより設定される条件であってもよい。例えば複数の抽選テーブルの中から所定の選択順番又はランダムな選択順番で、抽選処理に使用する抽選テーブルを選択するような処理を行ってもよく、この場合には選択条件は選択の順番により設定される条件になる。
抽選処理部108は、複数の抽選テーブルの中から選択された抽選テーブルを用いて、ユーザに付与するゲーム媒体を抽選する抽選処理を行う。例えば図3(A)の場合には、抽選テーブルTBLの各ゲーム媒体MA、MB、MC・・・に対応づけられる抽選確率PMA、PMB、PMC・・・を用いて、抽選処理を実行し、ユーザに付与する抽選媒体を決定する。また図3(B)の場合には、ゲーム媒体MA、MB、MC・・・に対応づけられる排出の順番1、2、3・・・を用いて、抽選処理を実行し、ユーザに付与する抽選媒体を決定する。例えば抽選処理部108は、この排出の順番がランダムに決まるように抽選処理を行って、ユーザに付与する抽選媒体を決定する。
表示処理部120は、抽選処理についての表示処理を行う。例えば表示処理部120は、ユーザが抽選指示を行うための指示画面を表示したり、抽選が行われる様子を示す抽選画面を表示したり、或いは抽選結果をユーザに提示する抽選結果画面を表示する処理などを行う。また表示処理部120は、抽選処理に関する各種の情報をユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば後述するように、表示処理部120は、選択条件、遷移条件又は抽選条件が変更された場合に、これらの条件が変更されたことをユーザに認識(識別)させるための表示物、文字、記号又はエフェクトなどを表示する処理を行う。
そして本実施形態では、抽選テーブル処理部102は、複数の抽選テーブルの中から今回の抽選テーブルを選択する。例えば抽選テーブル処理部102は、テーブル記憶部172に記憶される複数の抽選テーブルの中から、選択条件に基づいて、今回の抽選処理に使用される抽選テーブルを選択する。そして抽選処理部108は、選択された今回の抽選テーブルを用いて抽選処理を行う。即ち抽選テーブルに設定される抽選条件に基づいて、ユーザに対して付与するゲーム媒体を選択する抽選処理を行う。
そして抽選テーブル処理部102は、遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブル(他の抽選テーブル)に遷移させるか否かを判断する。遷移条件は、遷移元の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルへの遷移確率などにより設定できる。或いは遷移条件は、遷移元の抽選テーブルへの滞在確率により設定してもよい。滞在確率は自己遷移確率と呼ぶことも可能である。或いは遷移条件は、遷移確率又は滞在確率に加えて、遷移確率又は滞在確率以外の確率要素や、ユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに基づいて設定してもよい。そして抽選テーブル処理部102は、判断結果に基づいて次回の抽選テーブルを選択する。次回の抽選テーブルは、例えば今回の抽選テーブル又は遷移先の抽選テーブルである。なお遷移先の抽選テーブルの個数は、1つには限定されず、複数であってもよい。また今回の抽選テーブルについては選択しないような変形実施も可能である。例えば抽選テーブル処理部102は、今回の抽選テーブルと遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかを次回の抽選テーブルとして選択する。例えば抽選テーブル処理部102は、遷移条件に基づいて今回の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルに遷移させるか否かを判断し、遷移させると判断した場合には、遷移先の抽選テーブルを次回の抽選テーブルとして選択する。一方、遷移させないと判断した場合には、遷移元の抽選テーブルである今回の抽選テーブルを、次回の抽選テーブルとして選択する。そして抽選処理部108は、選択された次回の抽選テーブルを用いて抽選処理を行う。即ち、今回の抽選処理の次の次回の抽選処理では、選択された次回の抽選テーブルを用いて抽選処理を行う。
また、例えばn回の連続抽選の指示が行われたとする。ここでnは例えば2以上の整数である。このn回の連続抽選の指示は、ユーザの操作による連続抽選の指示であってもよいし、ユーザの操作によらずに、システムにより自動的に連続抽選の指示を出すようにしてもよい。このようなn回の連続抽選の指示が行われた場合に、第1回目の抽選処理においては、抽選テーブル処理部102は、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する。例えば抽選テーブル処理部102は、選択条件に基づいて、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する。そして抽選処理部108は、選択された第1回目用の抽選テーブルを用いて、第1回目の抽選処理を行う。即ち第1回目用の抽選テーブルに設定される抽選条件にしたがって、ユーザに付与するゲーム媒体を決定する抽選処理を実行する。なお抽選により当選したゲーム媒体を直ぐにユーザに付与する必要はなく、例えばn回の連続抽選の終了後に付与してもよい。
そして抽選テーブル処理部102は、遷移条件に基づいて第2回目用の抽選テーブルを選択する。第2回目用の抽選テーブルは、例えば第1回目用の抽選テーブル又は遷移先の抽選テーブルである。例えば抽選テーブル処理部102は、第1回目用の抽選テーブルと遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかを第2回目用の抽選テーブルとして選択する。即ち遷移条件に基づいて、第1回目用の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブル(他の抽選テーブル)に遷移させるか否かを判断し、その判断結果に基づいて第1回目用の抽選テーブルと遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかを第2回目用の抽選テーブルとして選択する。例えば抽選テーブルを遷移させると判断した場合には、遷移先の抽選テーブルを第2回目用の抽選テーブルとして選択し、遷移させないと判断した場合には、元の第1回目用の抽選テーブルを第2回目用の抽選テーブルとして選択する。
一方、第2回目以降の抽選処理である第i回目(iは2≦i≦nとなる整数)の抽選処理においては、抽選処理部108は、前回に選択された第i回目用の抽選テーブルを用いて、第i回目の抽選処理を行う。そして抽選テーブル処理部102は、遷移条件に基づいて第i+1回目用の抽選テーブルを選択する。第i+1回目用の抽選テーブルは、例えば第i回目用の抽選テーブル又は遷移先の抽選テーブルである。例えば抽選テーブル処理部102は、第i回目用の抽選テーブルと遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかを第i+1回目用の抽選テーブルとして選択する。即ち遷移条件に基づいて、第i回目用の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルに遷移させるか否かを判断し、その判断結果に基づいて第i回目用の抽選テーブルと遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかを第i+1回目用の抽選テーブルとして選択する。例えば抽選テーブルを遷移させると判断した場合には、遷移先の抽選テーブルを第i+1回目用の抽選テーブルとして選択し、遷移させないと判断した場合には、元の第i回目用の抽選テーブルを第i+1回目用の抽選テーブルとして選択する。以上のような処理を、第2回目の抽選処理から第n回目の抽選処理まで繰り返すことで、n回の連続抽選の指示に応じた連続抽選処理が実行される。
また抽選テーブル処理部102は、所定の変更条件が満たされた場合に、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する際の選択条件を変更する。例えば抽選テーブル処理部102は、ゲーム処理に使用されるゲームパラメータに基づいて、変更条件が満たされたか否かを判断できる。ゲームパラメータは、ゲームを進行させたり、ゲームについての種々の状況を設定したり、或いはゲーム成績を演算するためのパラメータである。例えばユーザやキャラクタの状況を設定するゲームパラメータとしては、攻撃力、守備力、耐久力、ヒットポイント、マジックポイント又はレベルなどのパラメータなどがある。具体的には抽選テーブル処理部102は、ユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに基づいて、所定の変更条件が満たされたか否かを判断する。ユーザのゲーム状況は、ユーザのゲームの進行状況、ユーザのゲーム成績の状況、ゲームレベルの状況、ステージクリア数の状況、或いはゲームのマップや環境の状況などである。ゲームプレイ状況は、ユーザのゲーム操作の状況、ゲームプレイの回数や頻度の状況、或いはゲームへのログイン状況などである。アイテムの状況は、アイテムの使用状況や所持状況であり、アイテムの使用状況は、アイテムを使用(消費)したか否かなどの状況であり、アイテムの所持状況は、所定のアイテムを所持しているか否かなどの状況である。抽選状況は、例えばユーザの抽選結果などの状況であり、例えばn回の連続抽選内での各抽選結果や、n回の連続抽選とは別の抽選処理での抽選結果である。時間情報は、日にち、時刻又は期間などの情報であり、例えば現在の日にち、時刻又は期間が、キャンペーン期間などの特定の期間に対応しているか否かなどの情報である。ステータス情報は、ユーザ又はユーザが使用するユーザキャラクタの能力やレベル等についてのステータス情報である。またステータス情報は、他のユーザや他のユーザが使用する他ユーザキャラクタのステータス情報であってもよい。そして抽選テーブル処理部102は、選択条件に対応づけられた所定の変更条件が満たされたと判断すると、第1回目用の抽選テーブルを選択する際の選択条件を変更する。例えば複数の抽選テーブルから第1回目用の抽選テーブルを選択する際の選択確率を変更する。例えば特定の抽選テーブルが選択され易くなるように、選択条件である選択確率を変更する。或いは所与の選択順序で抽選テーブルが選択される場合には、選択条件である選択順序を変更するようにしてもよい。或いは複数の抽選テーブルの中から特定のグループに属する抽選テーブルから第1回目用の抽選テーブルを選択するというように選択条件の変更処理を行ってもよい。
また表示処理部120は、選択条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。選択条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報は、選択条件の変更をユーザに認識させる画像、文字、記号又はエフェクト等の情報であり、選択条件の変更をユーザに報知するための情報である。例えば所定の変更条件が満たされて、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する際の選択条件が変更された場合に、表示処理部120は、選択条件が変更されたことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示部190に表示する処理を行う。例えば変更後の選択条件がどのような条件なのかをユーザに認識させるための表示処理を行う。
また表示処理部120は、n回の連続抽選の指示によるn回の抽選処理のうちの何回目の抽選処理が行われているかをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えばn回の連続抽選の指示が行われると、第1回目の抽選処理、第2回目の抽選処理、第3回目の抽選処理・・・・第n回目の抽選処理というように、各回の抽選処理が順次に実行される。この場合に表示処理部120は、現在、第1回目~第n回目の抽選処理のうちのどの抽選処理を行われているのかをユーザが認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示部190に表示する処理を行う。
また抽選テーブル処理部102は、所定の変更条件が満たされた場合に、遷移条件を変更する。即ち抽選テーブル処理部102は、遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルに遷移させるか否かを判断するが、この抽選テーブルを遷移させる条件である遷移条件を、変更条件が満たされた場合に変更する。例えば抽選テーブル処理部102は、ゲーム処理に使用されるゲームパラメータに基づいて、遷移条件についての変更条件が満たされたか否かを判断できる。具体的には抽選テーブル処理部102は、ユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに基づいて、遷移条件についての変更条件が満たされたか否かを判断する。例えば遷移条件は、遷移元の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルへの遷移確率や、或いは遷移元の抽選テーブルへの滞在確率などにより設定されるが、抽選テーブル処理部102は、変更条件が満たされた場合に、遷移確率又は滞在確率などの遷移条件を変更する。或いは抽選テーブル処理部102は、変更条件が満たされた場合に、複数の抽選テーブルの遷移状況(遷移構成)の変更処理を行ってもよい。例えば変更条件が満たされた場合に、新たな遷移先の抽選テーブルを出現させ、その抽選テーブルに遷移させたり、通常時は遷移先ではない抽選テーブルに遷移させてもよい。
また表示処理部120は、遷移条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば所定の変更条件が満たされて、抽選テーブルを遷移させる遷移条件が変更された場合に、表示処理部120は、遷移条件が変更されたことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示部190に表示する処理を行う。例えば変更後の遷移条件がどのような条件なのかをユーザに認識させるための表示処理を行う。例えば変更条件が満たされて、遷移元の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルへの遷移確率や、或いは遷移元の抽選テーブルに滞在する滞在確率などが変更された場合に、表示処理部120は、遷移確率又は滞在確率が変更されたことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示する処理を行う。或いは、変更条件が満たされて、複数の抽選テーブルの遷移状況(遷移構成)が変更された場合に、この遷移状況の変更をユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示する処理を行う。
また抽選テーブル処理部102は、所定の変更条件が満たされた場合に、複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルの抽選条件を変更する処理を行う。即ち抽選テーブル処理部102は、選択された抽選テーブルの抽選条件に基づいて、ユーザに付与するゲーム媒体を抽選する抽選処理を行うが、この抽選テーブルの抽選条件を、変更条件が満たされた場合に変更する。例えば抽選テーブル処理部102は、ゲーム処理に使用されるゲームパラメータに基づいて、抽選条件についての変更条件が満たされたか否かを判断できる。具体的には抽選テーブル処理部102は、ユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに基づいて、抽選条件についての変更条件が満たされたか否かを判断する。例えば抽選条件は、ゲーム媒体の抽選確率又は排出順番などにより設定されるが、抽選テーブル処理部102は、変更条件が満たされた場合に、抽選確率又は排出順番などを変更する。或いは抽選テーブル処理部102は、変更条件が満たされた場合に、抽選対象となるゲーム媒体やゲーム媒体の種類を変更したり、抽選対象となるゲーム媒体のグループを変更したり、或いは抽選回数などを変更してもよい。
また表示処理部120は、抽選条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば所定の変更条件が満たされて、抽選処理に使用される抽選テーブルの抽選条件が変更された場合に、表示処理部120は、抽選条件が変更されたことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示部190に表示する処理を行う。例えば変更後の抽選条件がどのような条件なのかをユーザに認識させるための表示処理を行う。例えば変更条件が満たされて、抽選テーブルの抽選確率又は排出順番が変更された場合に、表示処理部120は、抽選確率又は排出順番が変更されたことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示する処理を行う。或いは、変更条件が満たされて、抽選対象となるゲーム媒体やゲーム媒体の種類、抽選対象となるゲーム媒体のグループ、或いは抽選回数が変更された場合に、ゲーム媒体やゲーム媒体の種類、抽選対象となるゲーム媒体のグループ、又は抽選回数の変更を、ユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示する処理を行う。
また抽選テーブル処理部102は、n回の連続抽選の指示による連続抽選が行われているときに、所定の変更条件が満たされた場合に、遷移条件又は複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルの抽選条件を変更する。例えば遷移条件についての変更条件が満たされた場合には、遷移条件を変更し、抽選条件についての変更条件が満たされた場合には、抽選テーブルの抽選条件を変更する。そして抽選テーブル処理部102は、n回の連続抽選の指示による第n回目の抽選処理が終了した後に、変更された遷移条件又は抽選条件を初期状態に戻す。即ち遷移条件又は抽選条件を初期化する。例えば連続抽選において変更条件が満たされて、遷移条件や抽選条件が変更されると、遷移条件や抽選条件は、初期状態の条件から変化するようになる。例えば遷移条件である遷移確率又は滞在確率が変更されると、遷移確率又は滞在確率は、初期状態の遷移確率又は滞在確率から変化する。この場合に、n回の連続抽選の指示による第n回目の抽選処理が終了すると、変化した遷移確率又は滞在確率を、初期状態の遷移確率又は滞在確率に戻す。また抽選条件である抽選確率又は排出順番が変更されると、抽選確率又は排出順番は、初期状態の抽選確率又は排出順番から変化する。この場合に、n回の連続抽選の指示による第n回目の抽選処理が終了すると、変化した抽選確率又は排出順番を、初期状態の抽選確率又は排出順番に戻す。
また抽選テーブル処理部102は、抽選処理によりユーザに付与されることが決定されたゲーム媒体については、複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルにおいて、抽選対象となるゲーム媒体から除外する処理を行う。例えば抽選テーブルを用いた抽選処理により、複数のゲーム媒体から1つのゲーム媒体が、ユーザに付与する抽選媒体として抽選されると、そのゲーム媒体については、その抽選テーブルの抽選対象となる複数のゲーム媒体の中から除外されて削除される。そして、その後は、当該ゲーム媒体が削除された複数のゲーム媒体の中から、ユーザに付与されるゲーム媒体が抽選される。なお、複数の抽選テーブルから選択された抽選テーブルを用いて、抽選処理が行われ、抽選されたゲーム媒体が、選択された当該抽選テーブルから除外された場合に、複数の抽選テーブルのうちの当該抽選テーブル以外の抽選テーブルにおいても、抽選されたゲーム媒体を除外するようにしてもよい。
また表示処理部120は、複数の抽選テーブルの遷移状況をユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば表示処理部120は、複数の抽選テーブルの遷移状況をユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示部190に表示する処理を行う。複数の抽選テーブルの遷移状況は、複数の抽選テーブルの遷移構成(接続構成)の状況、抽選テーブル間の遷移確率の状況、或いは各抽選テーブルの滞在確率の状況などである。表示処理部120は、このような複数の抽選テーブルの遷移構成の状況、抽選テーブル間の遷移確率の状況、或いは各抽選テーブルの滞在確率の状況を、ユーザが視覚的に認識できるような画像、文字、記号又はエフェクト等を表示する。
また表示処理部120は、抽選処理に使用される今回の抽選テーブルをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば複数の抽選テーブルの中から今回の抽選テーブルが選択され、選択された今回の抽選テーブルを用いて抽選処理が行われるが、表示処理部120は、この抽選処理に使用される今回の抽選テーブルをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示部190に表示する処理を行う。例えば複数の抽選テーブルのうちのどの抽選テーブルが使用されて抽選処理が行われているのかを、ユーザに認識させるための情報を表示する。或いは表示処理部120は、使用されている抽選テーブルの遷移確率や滞在確率などをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行ってもよい。
また表示処理部120は、所定の属性のゲーム媒体が連続して付与されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば連続抽選などにより、所定の属性のゲーム媒体が連続して当選した場合に、表示処理部120は、所定の属性のゲーム媒体が連続当選したことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示部190に表示する処理を行う。所定の属性のゲーム媒体は、例えばSSR、SRなどの希少なゲーム媒体や、特定のヒーロー又はヒロインなどを表象した特定の種類のゲーム媒体などである。
なお、以上に説明した図2の本実施形態のゲームシステムや処理は、図1(A)のサーバシステム500により実現したり、端末装置TMにより実現したり、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現するなどの種々の変形実施が可能である。
例えば本実施形態を1つのプログラム(アプリケーションプログラム)により実現する場合に、1つのプログラム内に、抽選パートとゲームパートを設けてもよい。抽選パートは、抽選処理などの抽選関連の処理を実行するプログラムモジュールであり、ガシャ関連の処理を実行するガシャパートである。ゲームパートは、ゲーム処理などのゲーム関連の処理を実行するプログラムモジュールである。ゲームパートでのゲームのジャンルは問わない。この場合に本実施形態のゲームシステムは、当該プログラムを実行する端末装置とサーバシステムで構成されるものであってもよいし、サーバシステムを用いずに、当該プログラムを実行する端末装置だけで構成されるものであってもよい。
また本実施形態は、抽選パート(ガシャパート)とゲームパートが別々のプログラムになっているものであってもよい。この場合に、抽選パートを実行する端末装置において取得されたゲーム媒体の情報を、サーバシステムを経由したり、メモリーカードなどの携帯型情報記憶媒体を経由して、ゲームパートを実行する端末装置に読み込んで使用してもよい。また、この場合に、本実施形態のゲームシステムは、抽選パートとゲームパートをそれぞれ実行する端末装置とサーバシステムで構成されるものでもよいし、抽選パートを実行する端末及びサーバシステムと、ゲームパートを実行する端末装置で構成されるものであってもよい。或いは、抽選パートを実行する端末装置と、メモリーカードと、ゲームパートを実行する端末装置とにより、本実施形態のゲームシステムを実現してもよい。
またサーバシステムを用いる場合は、抽選パートやゲームパートをサーバシステムで実行してもよい。また、サーバシステムが有する第1のサーバで抽選パートを実行し、サーバシステムが有する第2のサーバでゲームパートを実行してもよい。
以上に説明したいずれの構成の場合も、ユーザを特定するユーザ識別情報に基づいて、抽選パートやゲームパートが実行される。ユーザ識別情報は、例えばユーザIDや、ユーザが使用する端末装置の端末IDや、或いはユーザがプレイするゲームのゲームIDなどである。なお、上述のようにメモリーカード(携帯型情報記憶媒体)を使用する場合は、メモリーカードのIDをユーザ識別情報として用いてもよい。また本実施形態のプログラムとしては、スマートフォンのアプリケーションプログラム、家庭用ゲーム装置のゲームプログラム、PC用のゲームプログラム、スマートフォンやPC用のブラウザゲームプログラム、或いは業務用ゲーム装置のプログラムなどの種々のプログラムに適用できる。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。
2.1 抽選テーブルの遷移
抽選テーブルを用いた抽選処理では、抽選テーブルによって設定される抽選確率などの抽選条件に基づいてゲーム媒体が抽選されて、ユーザに付与される。しかしながら、抽選処理を調整するパラ-メータとしては、抽選テーブルの抽選確率ぐらいしかなく、多様な要望に対応できる抽選処理を実現できなかった。例えばSSR(ダブルスーパーレア)、SR(スーパーレア)などのゲーム媒体については、抽選テーブルにおいて抽選確率が低い確率に設定されている。従って、例えば10連ガシャなどの連続抽選において、SSRやSRのゲーム媒体が連続して当選することは希であり、連続抽選を行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることが難しかった。一方、SSRやSRのゲーム媒体が連続当選するように、SSRやSRのゲーム媒体の単体での当選の抽選確率を高くする手法も考えられる。しかしながら、この手法では、当選するのが希であるべきSSR等の抽選確率が不必要に高くなってしまい、望ましくない。
そこで本実施形態では、複数の抽選テーブルを用意し、今回の抽選テーブルを用いて今回の抽選処理を行った後、遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルへと遷移させるか否かを判断して次回の抽選テーブルを選択する。例えば遷移させる場合には、遷移先の抽選テーブルを次回の抽選テーブルとして、次回の抽選処理を行い、遷移させない場合には、今回の抽選テーブルを次回の抽選テーブルとして、次回の抽選処理を行うようにする。このように抽選テーブルを順次に遷移させながら抽選処理を行うことで、SSRやSRなどの各レアリティ毎のゲーム媒体の抽選確率は変えることなく、例えばSSRやSRが連続で当選するようなゲーム媒体の排出内容の偏りについて実現でき、多様な要望に対応できる抽選処理を実現できるようになる。
次に図4を用いて本実施形態の手法の詳細について説明する。図4は、本実施形態の手法で用いられる抽選テーブルやその遷移構成の例である。図4では複数の抽選テーブルとして抽選テーブルTA、TB、TCが用意される。これらの抽選テーブルTA、TB、TCの各々には、他の抽選テーブルへの遷移条件が設定されている。例えば抽選テーブルTAからTBへはQ(A,B)=0.492の遷移確率で遷移する。別の言い方をすれば、抽選テーブルTAから遷移せずにTAに滞在する確率は、Q(A,A)=1-Q(A,B)=0.508となる。また抽選テーブルTBからTCへはQ(B,C)=0.31の遷移確率で遷移し、抽選テーブルTCからTBへはQ(C,B)=0.1903の遷移確率で遷移する。また抽選テーブルTBからTAへはQ(B,A)=0.04の遷移確率で遷移する。また抽選テーブルTBから遷移せずにTBに滞在する確率は、Q(B,B)=1-Q(B,C)-Q(B,A)=0.65になり、抽選テーブルTCから遷移せずにTCに滞在する確率は、Q(C,C)=1-Q(C,B)=0.8097になる。また複数の抽選テーブルの中からTA、TB、TCの各抽選テーブルが選択される選択確率は、各々、P(A)=0.03、P(B)=0.36896、P(C)=0.60104になる。
そして抽選テーブルTAが選択された場合には、SSRの抽選確率は1.0となり、TAが選択されると100%の確率でSSRが当選する。このため抽選テーブルTAの選択確率はP(A)=0.03というように最も低くなっている。また抽選テーブルTBが選択された場合には、SR、Rの抽選確率は、各々、0.4、0.6となり、TBが選択されると40%の確率でSRが当選する。このため抽選テーブルTBの選択確率はP(B)=0.36896というように、抽選テーブルTAの選択確率P(A)よりは高いが、抽選テーブルTCの選択確率P(C)よりは低くなっている。また抽選テーブルTCが選択された場合には、SR、Rの抽選確率は、各々、0.0373、0.9627となり、殆どの場合、Rが抽選される。このため抽選テーブルTCの選択確率はP(C)=0.60104というように最も高くなっている。
図4の状態遷移を用いた場合には、SSRが排出される確率は、P(A)×1.0=0.03になる。SRが排出される確率は、P(B)×0.4+P(C)×0.0373=0.36896×0.4+0.60104×0.0373=0.17になる。Rが排出される確率は、P(B)×0.6+P(C)×0.9627=0.36896×0.6+0.60104×0.9627=0.8になる。即ち3%の確率でSSRが排出され、17%の確率でSRが排出され、80%の確率でRが排出される。
図4の状態遷移は、抽選テーブルの次回の選択確率が現在(今回)の選択確率のみから求まるマルコフ性を持つ確率過程となっている。例えば、従来よりマルコフ連鎖モンテカルロ法と呼ばれる手法が知られている。ここでマルコフ過程とは、マルコフ性を持つ確率過程のことをいい、状態遷移が現在の状態のみに依存する確率過程である。確率過程とは時間とともに変化する確率変数のことである。マルコフ連鎖とは、確率過程の一種であるマルコフ過程のうち、とりうる状態が離散的なものをいう。一方、サンプリングを用いて所望の値を求める計算方法としてモンテカルロ法と呼ばれる手法が知られている。そして確率空間のサンプリングにマルコフ連鎖を用いたモンテカルロ法が、マルコフ連鎖モンテカルロ法(以下、適宜、MCMC法と記載する。)と呼ばれる。
例えば図4の状態遷移における抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率は下式(1)のように行列を用いて表すことができる。
上式(1)では、次回の選択確率P(A,i+1)、P(B,i+1)、P(C,i+1)は、今回の選択確率P(A,i)、P(B,i)、P(C,i)に基づいて、上式(1)の右辺の行列(以下、行列Mと呼ぶ。)を用いて求めることができ、マルコフ性を持つ確率過程となっている。行列Mの各要素は、図4の滞在確率Q(A,A)、Q(B,B)、Q(C,C)、遷移確率Q(A,B)、Q(B,A)、Q(B,C)、Q(C,B)により設定される。
例えば抽選テーブルTAの選択確率は、P(A,i+1)=0.508×P(A,i)+0.04×P(B,i)と表すことができる。即ち抽選テーブルTAの次回の選択確率P(A,i+1)は、抽選テーブルTAの今回の選択確率P(A,i)に対してTAの滞在確率Q(A,A)=0.508を乗算したものと、抽選テーブルTBの今回の選択確率P(B,i)に対して抽選テーブルTBからTAへの遷移確率Q(B,A)=0.04を乗算したものとの和として表すことができる。
また抽選テーブルTBの選択確率は、P(B,i+1)=0.492×P(A,i)+0.65×P(B,i)+0.1903×P(C,i)と表すことができる。即ち次回の選択確率P(B,i+1)は、TAの今回の選択確率P(A,i)に対してTAからTBへの遷移確率Q(A,B)=0.492を乗算したものと、TBの今回の選択確率P(B,i)に対してTBの滞在確率Q(B,B)=0.65を乗算したものと、TCの今回の選択確率P(C,i)に対して、TCからTBへの遷移確率Q(C,B)=0.1903を乗算したものとの和として表すことができる。
また抽選テーブルTCの選択確率は、P(C,i+1)=0.31×P(B,i)+0.8097×P(C,i)と表すことができる。即ち次回の選択確率P(C,i+1)は、TBの今回の選択確率P(B,i)に対してTBからTCへの遷移確率Q(B,C)=0.31を乗算したものと、TCの今回の選択確率P(C,i)に対してTCの滞在確率Q(C,C)=0.8097を乗算したものとの和として表すことができる。
このように図4の状態遷移では、抽選テーブルTA、TB、TCの次回の選択確率P(A,i+1)、P(B,i+1)、P(C,i+1)が、現在の選択確率P(A,i)、P(B,i)、P(C,i)のみから求まる確率過程となっており、マルコフ性を持つ確率過程となっている。
図4の状態遷移が定常分布となった場合を考えると、下式(2)が成り立つ。定常分布とは、状態遷移が無限回、遷移した場合にそれぞれの状態がたどり着く確率のことである。定常状態では、P(A,i+1)=P(A,i)=P(A)、P(B,i+1)=P(B,i)=P(B)、P(C,i+1)=P(C,i)=P(C)となると考えることができる。
また選択確率P(A)、P(B)、P(C)については下式(3)が成り立つ。
上式(2)、(3)を線形代数により解くことで、図4に示した抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率P(A)、P(B)、P(C)を下式(4)のように求めることができる。
即ち図4の状態遷移が無限回、遷移した定常分布では、抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率はP(A)=0.03、P(B)=0.36896、P(C)=0.60104に収束すると考えることができる。このように、抽選テーブルTA、TB、TCの状態遷移を、図4のような状態遷移とすることで、抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率を、P(A)=0.03、P(B)=0.36896、P(C)=0.60104に設定できる。例えば、SSRが100%の確率で排出されるSSR確定の抽選テーブルTAの選択確率を、P(A)=0.03というように十分に小さくできる。またSRが40%の確率で排出される抽選テーブルTBの選択確率を、P(B)=0.36896というように、Rの抽選確率が高い抽選テーブルTCの選択確率P(C)=0.60104よりも小さくできる。
例えば上式(1)に、(P(A,i),P(B,i),P(C,i))=(1,0,0)を代入すると、下式(5)に示すように、抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率は、(P(A,i+1),P(B,i+1),P(C,i+1))=(0.508,0.492,0)というように求まる。
即ち、現在、選択されている抽選テーブルがTAである場合には、次回においても、50.8%という高い確率で抽選テーブルTAが選択される。即ち、定常分布における抽選テーブルTAの選択確率は、P(A)=0.03というように非常に低いが、一旦、抽選テーブルTAが選択されれば、次回においても、高い確率で抽選テーブルTAが選択されて抽選処理が行われるようになる。
また上式(1)に、(P(A,i),P(B,i),P(C,i))=(0,1,0)を代入すると、下式(6)に示すように、抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率は、(P(A,i+1),P(B,i+1),P(C,i+1))=(0.04,0.65,0.31)というように求まる。
即ち、現在、選択されている抽選テーブルがTBである場合には、次回においても、65%という高い確率で抽選テーブルTBが選択されて、抽選処理が行われる。一方、SSR用の抽選テーブルTAに昇格する遷移の確率は4%というように非常に低く、31%の確率で、抽選テーブルTCに降格する遷移が行われる。
例えば一般的なMCMC法では、後述の図9、図10で説明するように、状態遷移を多数回、繰り返した後に、確率変数のサンプリングを行う。これに対して本実施形態では、例えば図4において選択確率P(A)=0.03でSSR用の抽選テーブルTAが選択された後は、Q(A,A)=0.508の滞在確率で抽選テーブルTAが選択される。滞在確率は自己遷移確率と呼ぶことも可能である。例えばMCMC法のように状態遷移を多数回、繰り返した後に、サンプリングを行うのではなく、抽選テーブルの選択の際に例えば1回の状態遷移だけを行う。これにより、一度、抽選テーブルTAが選択されてSSRが排出されると、次回においても50.8%の確率でSSRが排出されるようになる。従って、抽選確率が極めて低いSSRであっても、一旦、排出されれば、高い確率で連続して排出されるようになる。なお、上記では、抽選テーブルの選択の際に1回の状態遷移だけを行うと説明したが、定常状態に戻るとみなせない程度の少ない回数(例えば10回以下)の状態遷移を行うようにしてもよい。即ち、遷移条件に基づく抽選テーブルの選択の際に複数回の状態遷移を行うようにしてもよい。例えば6面体のサイコロを振る処理を行って、出た目の数に相当する回数だけ状態遷移を行ってもよい。
例えばこれまでの抽選テーブルを用いた抽選処理では、SSRなどの排出確率が低いゲーム媒体が連続して当選することは極めて希であるため、連続した抽選指示を行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることが難しかった。これに対して本実施形態では、SSRなどの排出確率が低いゲーム媒体であっても、連続して当選する確率が高くなり、連続した抽選指示を行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。しかも本実施形態によれば、各ゲーム媒体の平均的な排出確率についてはそのままにして、排出確率が低い高レアリティのゲーム媒体が、まとまって排出されるようになる。即ち、前述したように図4の状態遷移によれば、定常状態においては、SSR、SR、Rの排出確率は、各々、0.03、0.17、0.8となり、3%の確率でSSRが排出され、17%の確率でSRが排出され、80%の確率でRが排出される。従って、SSR、SR、Rの平均的な排出確率については、それぞれのレアリティに応じた排出確率に維持される。しかしながら、一旦、SSRが当選して排出されると、次回においても高い確率でSSRが当選して排出されるようになる。例えば図4では抽選テーブルTAの選択確率P(A)に比べて、抽選テーブルTAへの滞在確率Q(A,A)を十分に高くすることで、極めて低い排出確率のSSRを連続当選され易くすることが可能なる。SRについても同様に、一旦、SRが当選して排出されると、次回においても高い確率でSRが当選して排出されるようになる。例えば図4では抽選テーブルTBの選択確率P(B)に比べて、抽選テーブルTBへの滞在確率Q(B,B)を高くすることで、低い排出確率のSRを連続当選され易くすることが可能なる。このように本実施形態によれば、SSR、SR、Rの平均的な排出確率については維持しながら、レアリティの高いゲーム媒体の連続当選の確率を高くすることができ、連続した抽選指示を行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
次に本実施形態の処理について詳細に説明する。図5は本実施形態の処理を説明するフローチャートである。まずゲームシステム(サーバシステム、抽選テーブル処理部、プロセッサ)は、選択条件に基づいて、複数の抽選テーブルの中から今回の抽選テーブルを選択する(ステップS1)。図4を例にとれば、抽選テーブルTA、TB、TCの選択条件である選択確率は、各々、P(A)=0.03、P(B)=0.36896、P(C)=0.60104に設定されている。従って、P(A)=0.03、P(B)=0.36896、P(C)=0.60104の選択確率で、抽選テーブルTA、TB、TCの選択処理を行う。なお、この選択処理を、後述の図9、図10で説明するMCMC法を用いて行うことができる。例えば、図4の状態遷移を多数回繰り返すことで抽選テーブルの選択処理を実現する。
次にゲームシステム(サーバシステム、抽選処理部、プロセッサ)は、選択された抽選テーブルを用いて抽選処理を実行する(ステップS2)。例えばステップS1で抽選テーブルTAが選択された場合には、100%の確率でSSRが排出される抽選処理が実行される。抽選テーブルTBが選択された場合には、40%の確率でSRが排出される抽選処理が実行され、抽選テーブルTCが選択された場合には、3.73%の確率でSRが排出される抽選処理が実行される。なお抽選処理により当選したゲーム媒体を、直ぐにはユーザに付与せずに、一連の抽選処理が終了した後に付与するようにしてもよい。
次にゲームシステム(サーバシステム、抽選テーブル処理部、プロセッサ)は、遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルに遷移させるか否かを判断する(ステップS3)。例えば抽選テーブルTAが選択されている場合には、遷移確率Q(A,B)=0.492や滞在確率Q(A,A)=0.508などで設定される遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルであるTAから、遷移先の抽選テーブルであるTBに遷移させるか否かが判断される。抽選テーブルTBが選択されている場合には、遷移確率Q(B,A)=0.04、Q(B,C)=0.31や滞在確率Q(B,B)=0.65などで設定される遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルであるTBから、遷移先の抽選テーブルであるTA又はTCに遷移させるか否かが判断される。抽選テーブルTCが選択されている場合には、遷移確率Q(C,B)=0.1903や滞在確率Q(C,C)=0.8097などで設定される遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルであるTCから、遷移先の抽選テーブルであるTBに遷移させるか否かが判断される。
次にゲームシステム(サーバシステム、抽選テーブル処理部、プロセッサ)は、ステップS3での判断結果に基づいて次回の抽選テーブルを選択する(ステップS4)。例えば今回の抽選テーブルと遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかを次回の抽選テーブルとして選択する。例えば今回の抽選テーブルがTAであるときに、ステップS3で抽選テーブルを遷移させると判断した場合には、遷移先の抽選テーブルTBを次回の抽選テーブルとして選択し、遷移させないと判断した場合には、今回の抽選テーブルTAを次回の抽選テーブルとして選択する。抽選テーブルがTBであるときに、ステップS3で抽選テーブルを遷移させると判断した場合には、遷移先の抽選テーブルTA又はTCを次回の抽選テーブルとして選択し、遷移させないと判断した場合には、今回の抽選テーブルTBを次回の抽選テーブルとして選択する。今回の抽選テーブルがTCであるときに、ステップS3で抽選テーブルを遷移させると判断した場合には、遷移先の抽選テーブルTBを次回の抽選テーブルとして選択し、遷移させないと判断した場合には、今回の抽選テーブルTCを次回の抽選テーブルとして選択する。
なおステップS4で、今回の抽選テーブルと遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかを次回の抽選テーブルとして選択する場合に、後述の図7(A)~図7(C)、図8(A)~図8(C)のように遷移先の抽選テーブルの個数は複数であってもよい。例えば図7(A)では、抽選テーブルTAの遷移先の抽選テーブルの個数は、TB、TCというように2個になっている。図8(C)では、抽選テーブルTEの遷移先の抽選テーブルの個数は、TA、TB、TC、TDというように4個になっている。またステップS4での次回の抽選テーブルの選択候補として、今回の抽選テーブルが除外されるようにしてもよい。例えば図7(A)~図7(C)において、抽選テーブルTA、TB、TC、TDの滞在確率Q(A,A)、Q(B,B)、Q(C,C)又はQ(D,D)が0に設定されていてもよい。また図8(D)では今回の抽選テーブルに滞在することなく常に次の抽選テーブルに遷移している。
次にゲームシステム(サーバシステム、抽選処理部、プロセッサ)は、選択された次回の抽選テーブルを用いて抽選処理を実行する(ステップS5)。例えば今回の抽選テーブルがTAであり、次回の抽選テーブルもTAである場合には、SSR確定の抽選テーブルTAを用いた抽選が、連続して実行されるようになる。また今回の抽選テーブルがTBであり、次回の抽選テーブルもTBである場合には、SRが40%の確率で排出される抽選テーブルTBを用いた抽選が、連続して実行されるようになる。
このように本実施形態では、複数の抽選テーブルの中から今回の抽選テーブルが選択され、選択された今回の抽選テーブルを用いて抽選処理が行われる。また抽選テーブルを遷移させるか否かが判断され、その判断結果に基づいて次回の抽選テーブルが選択され、選択された次回の抽選テーブルを用いて抽選処理が行われる。
例えば、これまでの抽選テーブルを用いた抽選処理では、抽選の調整パラ-メータとしては、抽選テーブルの抽選確率ぐらいしかなく、多様な要望に対応できる抽選処理を実現することが難しかった。これに対して本実施形態の手法によれば、遷移条件に基づいて抽選テーブルを遷移させるか否かが判断され、判断結果に基づいて次回の抽選テーブルが選択され、抽選処理が実行される。従って、抽選の調整パラメータとして、抽選条件のパラメータに加えて、遷移条件のパラメータを用いることが可能になる。これにより、例えば高いレアリティのゲーム媒体などの特定のゲーム媒体が連続して排出され易くすることなどが可能になり、多様な要望に対応できる抽選処理を実現できるようになる。従って、抽選テーブルを用いたこれまでの抽選処理では実現できなかった処理を実現することが可能になる。
なお図4では抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率がP(A)<P(B)<P(C)の関係になっている。例えばレアリティが高いゲーム媒体が排出される抽選テーブルほど選択確率が低くなるように設定されている。これによりゲーム媒体のレアリティに応じた選択確率の設定が可能になる。またSSRを排出する抽選テーブルTAでは、選択確率P(A)に比べて滞在確率Q(A,A)が十分に大きくなっている。これにより、レアリティが高いゲーム媒体が連続当選し易くなるような抽選テーブルやその遷移を実現できるようになる。また抽選テーブルTAからTBに降格する遷移の遷移確率Q(A,B)に比べて、抽選テーブルTBからTAに昇格する遷移の遷移確率Q(B,A)が小さくなっている。これにより、昇格する遷移の確率の方が降格する遷移の確率よりも低くなるような抽選テーブルの遷移を実現できる。昇格する遷移とは、例えばレアリティの高いゲーム媒体の獲得の確率が高くなるような抽選テーブルへの遷移であり、降格する遷移とは、例えばレアリティの高いゲーム媒体の獲得の確率が低くなるような抽選テーブルへの遷移である。
図6は本実施形態の詳細な処理例を説明するフローチャートである。図6は10連ガシャなどの連続ガシャに本実施形態の手法を適用した場合の処理例である。
まずゲームシステムは、ユーザによりn回の連続抽選の指示が行われたか否かを判断する(ステップS11)。例えば10連ガシャの場合にはn=10となり、11連ガシャの場合にはn=11となる。なお、ユーザの操作によらずに、クエストやミッションの達成により自動的に連続抽選の指示が行われるようにしてもよい。そしてゲームシステムは、n回の連続抽選の指示が行われた場合には、選択条件に基づいて、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する(ステップS12)。図4を例にとれば、抽選テーブルTA、TB、TCの中から、P(A)=0.03、P(B)=0.36896、P(C)=0.60104の選択確率による選択条件に基づいて、第1回目の抽選テーブルを選択する。なおMCMC法により状態遷移を多数回繰り返すことで抽選テーブルの選択処理を実現してもよい。
次にゲームシステムは、第1回目用の抽選テーブルを用いて第1回目の抽選処理を実行する(ステップS13)。例えば第1回目用として図4の抽選テーブルTAが選択された場合には、SSRの抽選確率が100%となる抽選条件で抽選処理が実行される。第1回目用として抽選テーブルTBが選択された場合には、SRの抽選確率が40%となり、Rの抽選確率が60%となる抽選処理が実行される。第1回目用として抽選テーブルTCが選択された場合には、SRの抽選確率が3.73%となり、Rの抽選確率が96.27%となる抽選処理が実行される。
次にゲームシステムは、遷移条件に基づいて、第2回用の抽選テーブルを選択する(ステップS14)。例えば第1回目用として図4の抽選テーブルTAが選択された場合には、49.2%の確率で抽選テーブルTBに遷移し、50.8%の確率で抽選テーブルTAに留まるという遷移条件に基づいて、抽選テーブルTA、TBのいずれかが第2回目用の抽選テーブルとして選択される。第1回目用として抽選テーブルTBが選択された場合には、各々、4%、31%の確率で、抽選テーブルTA、TCに遷移し、65%の確率で抽選テーブルTBに留まるという遷移条件に基づいて、抽選テーブルTA、TB、TCのいずれかが第2回目用の抽選テーブルとして選択される。第2回目用として抽選テーブルTCが選択された場合には、19.03%の確率で抽選テーブルTBに遷移し、80.97%の確率で抽選テーブルTCに留まるという遷移条件に基づいて、抽選テーブルTB、TCのいずれかが第2回目用の抽選テーブルとして選択される。
次にi=2に設定され、ゲームシステムは、前回に選択された第i回目用の抽選テーブルを用いて第i回目の抽選処理を実行する(ステップS15、S16)。即ち、前回に選択された第2回目用の抽選テーブルを用いて第2回目の抽選処理が実行される。そして遷移条件に基づいて、第i+1回目用の抽選テーブルを選択する(ステップS17)。例えば図4に示した遷移確率や滞在確率などに設定される遷移条件に基づいて、第2回目用の抽選テーブルと、第2回目用の抽選テーブルの遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかが、第3回目の抽選処理に使用される第3回目用の抽選テーブルとして選択される。そしてi=nに達したか否かが判断されて、i=nに達してない場合には、i=i+1として、ステップS16に戻る(ステップS18、S19)。そして前回に選択された第3回目用の抽選テーブルを用いて第3回目の抽選処理が実行され、第3回目用の抽選テーブルとその遷移先の抽選テーブルのうちのいずれかが、第4回目用の抽選テーブルとして選択される。このようにしてi=nに達するまで、ステップS16~S19の処理が繰り返され、i=nに達すると処理が終了する。
以上のように図6の詳細な処理例によれば、n回の連続抽選の指示が行われると、第1回目用の抽選テーブルが選択されて第1回目の抽選処理が行われた後、遷移条件に応じた抽選テーブルの遷移が行われながら、第2回目用~第n回目用の抽選テーブルを用いた第2回目~第n回目の抽選処理が実行されるようになる。これにより、抽選処理に使用される抽選テーブルを遷移させながら、10連ガシャなどの連続抽選処理を実行できるようになる。そして、連続する抽選処理において、例えば高いレアリティのゲーム媒体などの特定のゲーム媒体が連続して排出され易くすることなどが可能になり、多様な要望に対応できる連続抽選処理を実現できるようになる。
なお本実施形態の処理としては種々の変形実施が可能である。例えば抽選テーブルの遷移処理と抽選処理の順番は任意であり、ユーザに付与するゲーム媒体を決定した後に、抽選テーブルの移行先を決めてもよい。例えば抽選テーブルを遷移させた後に、抽選処理によりゲーム媒体を付与してもよいし、抽選処理によりゲーム媒体を付与した後に、抽選テーブルを遷移させてもよい。また抽選によってユーザに付与することが決まったゲーム媒体は、連続抽選処理の各抽選処理のタイミングで付与する必要は無く、例えば連続抽選処理の全てが終了したタイミングなどで、ユーザにゲーム媒体を付与してもよい。例えばSSRなどの特定のゲーム媒体が当選した場合に、各抽選処理のタイミングではそのゲーム媒体の具体的な内容についてはユーザに提示せず、連続抽選処理の終了後に、その具体的な内容を提示するようにしてもよい。また連続抽選処理は、必ずしも時間的に連続して行われる必要はなく、1つの抽選処理と次の抽選処理の間が時間的に離れていてもよい。例えばログインの後に今回の抽選処理を実行し、日付が変わって以降の最初のログインの後に次回の抽選処理を実行するようにしてもよい。また抽選テーブルの遷移処理をリアルタイムに実行せずに、抽選テーブルの遷移処理に基づき取得されて展開されたゲーム媒体の確率分布を用いて、連続抽選処理などの抽選処理を実行する変形実施も可能である。また同じ1つの抽選テーブルで抽選確率などの抽選条件を変えたものを、複数の抽選テーブルと見なしてもよい。
また複数の抽選テーブルとその遷移態様については種々の変形実施が可能である。図7(A)~図7(C)、図8(A)~図8(D)は、抽選テーブルの種々の遷移構成例の説明図である。
例えば図7(A)に示すように抽選テーブルTAからTCに遷移する経路があってもよい。図7(A)では、例えば低い遷移確率Q(A,C)で抽選テーブルTAからTCに降格する遷移経路がある。或いは図7(B)に示すように抽選テーブルTCからTAに遷移する経路があってもよい。図7(B)では、例えば低い遷移確率Q(C,A)で抽選テーブルTCからTAに昇格する遷移経路がある。また抽選テーブルの個数は図4のように3個には限定されず、4個以上であってもよいし、2個とする変形実施も可能である。例えば図7(C)では、抽選テーブルTA、TB、TCに加えて抽選テーブルTDが設けられている。そして抽選テーブルTCとTDの間では、遷移確率Q(C,D)、Q(D,C)の遷移条件で遷移し、抽選テーブルTBとTDの間では遷移確率Q(B,D)、Q(D,B)の遷移条件で遷移する。図7(C)において更に5個目の不図示の抽選テーブルTEを設けてもよい。
また抽選テーブル間の遷移経路についても、図4に示すような遷移経路には限定されず、例えば複数の遷移経路を設けるなどの種々の変形実施が可能である。例えば図8(A)では、抽選テーブルTAとTCの間に、抽選テーブルTBを介した遷移経路の他に、抽選テーブルTB’を介した遷移経路を設けている。抽選テーブルTB’は例えば抽選テーブルTBの派生のテーブルであり、例えば抽選確率などの抽選条件が同一又は類似の設定になっている。そして例えば抽選テーブルTBとTB’とでは、排出されるゲーム媒体の種類やレアリティの度合いが異なっている。或いは逆に、抽選テーブルTBとTB’とで、排出されるゲーム媒体の種類やレアリティの度合いを同一又は類似に設定して、抽選条件を異ならせてもよい。図8(B)では、抽選テーブルTBとTCの間の遷移経路に加えて、抽選テーブルTBとTC’の間の遷移経路が設けられている。抽選テーブルTC’も抽選テーブルTCの派生のテーブルになっている。
図8(C)では、ヒーローのゲーム媒体が排出される抽選テーブルTAと、ヒロインのゲーム媒体が排出される抽選テーブルTDと、ペットのゲーム媒体が排出される抽選テーブルTEが設けられている。これらのヒーロー、ヒロイン、ペットのゲーム媒体は、例えば高いレアリティのゲーム媒体になっている。例えば抽選テーブルTA、TD、TEの選択確率は、他の抽選テーブルTB、TCに比べて低くなっている。一方、抽選テーブルTA、TD、TEの滞在確率は、それぞれの選択確率に比べて高くなっている。これにより、一度、抽選テーブルTA、TD、TEが選択されると、次回もその抽選テーブルに滞在する確率が高くなり、ヒーロー、ヒロイン又はペットのゲーム媒体が連続当選され易くなるような遷移条件に設定されている。例えばユーザがヒーローのゲーム媒体の収集を目指している場合には、例えば特定のアイテムを使用するなどして、抽選テーブルTAが選択され易くなるようにして、収集しているヒーローのゲーム媒体の連続獲得を目指すことになる。一方、ユーザがヒロイン又はペットのゲーム媒体の収集を目指している場合には、例えば特定のアイテムを使用するなどして、抽選テーブルTD又はTEが選択され易くなるようにして、収集しているヒロイン又はペットのゲーム媒体の連続獲得を目指すことになる。
また図8(D)では、10個の抽選テーブルTA、TB、TC・・・TJが環状に接続されている。そして抽選テーブルTAからTB、TBからTC、TCからTD・・・TIからTJ、TJからTAの遷移確率Q(A,B)、Q(B,C)、Q(C,D)・・・Q(I,J)、Q(J,A)は1.0に設定されており、100%の遷移確率で次の抽選テーブルに遷移する。即ち滞在確率が0%に設定されている。そして抽選テーブルTA~TIについては、SSRの抽選確率が0.0に設定されているが、抽選テーブルTJではSSRの抽選確率は0.3に設定されており、抽選テーブルTJでは30%の確率でSSRが排出される。10連ガシャの第1回目では、抽選テーブルTA~TJの中から1つの抽選テーブルが選択される。TA~TJの各抽選テーブルの選択確率は0.1に設定されている。図8(D)に示すような遷移構成の抽選テーブルTA~TJを用いれば、10連ガシャにおいて3%の排出確率でSSRが排出されるような抽選処理を実現できる。例えば図8(D)では、10連ガシャにおいて、SSRが複数回、当たることはないが、SSRが全く当たらない確率を70%に設定できる。例えば10連ガシャにおいて、SSRの抽選確率が3%である抽選処理を10回繰り返すと、SSRが全く当たらない確率は、(1-0.3)10=0.9710=0.737となり、73.7%になるため、SSRが全く当たらない確率を70%に設定することはできない。これに対して図8(D)では、SSRが複数回、当たることはないが、その代わりに10連ガシャにおいてSSRが全く当たらない確率を70%にすることが可能になり、3.7%の分だけリスクヘッジをすることが可能になる。
また前述したように第1の回目の抽選テーブルの選択処理をMCMC法により実現してもよい。例えば図9、図10はMCMC法についての説明図である。
図9では、i=1となる1回目(1連目)の抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率P(A,1)、P(B,1)、P(C,1)は、各々、33%、33%、34%に設定されている。この場合のSSRの排出確率は33%×1.0=33%になり、SRの排出確率は33%×0.4+34%×0.0373=14.468%になる。またRの排出確率は33%×0.6+34%×0.9627=52.532%になる。
そしてi=2となる2回目(2連目)の選択確率P(A,2)、P(B,2)、P(C,2)は、初期ベクトルである(P(A,1),P(B,1),P(C,1))に対して、前述の式(1)の行列Mを乗算することで求められる。例えば図9では、P(A,2)、P(B,2)、P(C,2)は、各々、18.084%、44.156%、37.760%になり、これらの選択確率に基づくSSR、SR、Rの排出確率は、各々、18.084%、19.071%、62.845%になる。次にi=3となる3回目の選択確率P(A,3)、P(B,3)、P(C,3)は、(P(A,2),P(B,2),P(C,2))に対して行列Mを乗算することで求められる。例えば図9では、P(A,3)、P(B,3)、P(C,3)は、各々、10.953%、44.785%、44.263%になり、これらの選択確率に基づくSSR、SR、Rの排出確率は、各々、10.953%、19.565%、69.482%になる。
このようにMCMC法では、無限ループで行列Mを乗算する動作を繰り返す。そして定常状態に収束したか否かを判断する。例えばゲーム媒体の排出確率が、ある区間のn連全部(例えばn=10)で誤差0.0005%以内に収まる回数i=icvを求める。図9、図10では例えばi=icv=24で、定常状態に収束していると判断できる。即ち、選択確率P(A,24)、P(B,24)、P(C,24)は、各々、3.000%、36.896%、60.104%に収束しており、これらの選択確率に基づくSSR、SR、Rの排出確率は、各々、3.000%、17.000%、80.000%に収束している。そしてMCMC法では、例えばi=icv以上となるランダムな値を求め、その値に対応する回数だけ状態を遷移させる。このようにi=icv以上となるランダムな値を求めるのは、例えば図8(D)のように周期性があって定常状態の無いマルコフ連鎖において一様な分布を得るためである。以上のようにMCMC法では定常状態に収束するまで状態遷移を多数回繰り返すが、本実施形態では、抽選テーブルの選択の際に例えば1回(或いは前述したように複数回)の状態遷移だけを行うようにしている。
2.2 変更処理、表示処理
本実施形態では、例えば図6のステップS12の第1回目用の抽選テーブルを選択する際の選択条件の変更処理を行う。例えば所定の変更条件が満たされた場合に、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する際に使用する選択条件を変更する。図11は、抽選テーブルの選択条件を変更する処理の例を説明するフローチャートである。
まずゲームシステムは、ユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに基づいて、選択条件についての変更条件が満たされたかを判断する(ステップS21)。ゲーム状況は、ゲームの進行状況、ゲーム成績の状況、ゲームレベルの状況、ステージクリア数の状況、或いはゲームのマップや環境の状況などである。ゲームプレイ状況は、ゲーム操作の状況、ゲームプレイの回数や頻度の状況、或いはログイン状況などである。アイテムの状況は、アイテムの使用状況や所持状況である。抽選状況は、抽選結果などの状況であり、例えば連続抽選内での各抽選結果や連続抽選とは別の抽選処理での抽選結果の状況である。時間情報は、現在の日にち、時刻又は期間などの情報である。ステータス情報は、ユーザ、ユーザキャラクタ、他ユーザ、又は他ユーザキャラクタのステータス情報である。例えばゲーム進行が所定の進行状況になった場合、ゲーム成績やゲームレベルが所定の成績やレベルになった場合、或いはステージのクリア数が所定のクリア数になった場合に、変更条件が満たされたと判断される。或いは、ユーザが所定のゲーム操作を行ったり、ゲームプレイの回数や頻度が所定の回数や頻度になった場合や、ユーザのログインの回数や頻度が所定の回数や頻度になった場合に、変更条件が満たされたと判断される。或いは、ユーザが所定のアイテムを使用したり、所持している場合に、変更条件が満たされたと判断される。或いは、連続抽選内外での抽選結果が所定の結果である場合に、変更条件が満たされたと判断される。或いは、現在の日にち、時刻又は期間が、キャンペーン期間などの特定の期間に対応する場合に、変更条件が満たされたと判断される。或いは、ユーザ、ユーザキャラクタ、他ユーザ、他ユーザキャラクタの能力やレベル等のステータスが所定のステータスになった場合に、変更条件が満たされたと判断される。
このようにして、ゲームシステムは、選択条件についての変更条件が満たされたか否かを判断し、変更条件が満たされたと判断した場合に、選択条件の変更処理を実行する(ステップS22、S23)。例えば抽選テーブルの選択確率や選択順番などの選択条件を変更する。例えばユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに応じて、ユーザに有利になるように選択条件を変更したり、逆にユーザに不利になるように選択条件を変更する。例えば特定の抽選テーブルの選択確率を高くしたり、低くするような変更処理を実行する。そしてゲームシステムは、選択条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する(ステップS24)。例えば選択条件が変更されたことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示する。そして選択条件に基づいて、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する(ステップS25)。例えばステップS23で選択条件が変更された場合には、変更後の選択条件に基づいて第1回目用の抽選テーブルを選択し、選択条件が変更されなかった場合には、変更されていない選択条件に基づいて第1回目用の抽選テーブルを選択する。そしてゲームシステムは、図6のステップS13以降の処理を実行する。
図12に、抽選テーブルの選択条件が変更されたことをユーザに認識させる情報の表示例を示す。例えば図12では、選択条件についての変更条件が満たされて、SSR確定の抽選テーブルTAの選択確率を上昇させる変更処理が行われたことを、ユーザに知らせている。例えば変更条件が満たされることで、図4の抽選テーブルTAの選択確率P(A)が上昇する。このように、SSRが排出される抽選テーブルTAの選択確率P(A)が上昇すると、10連ガシャによりSSRを連続獲得できるチャンスになるため、そのことをユーザに知らせる表示が行われている。このようにすることで、10連ガシャなどの連続抽選のプレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができ、ゲームシステムの稼働率の向上等を図れる。
以上のように本実施形態では、所定の変更条件が満たされると、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する際の選択条件が変更される。このようにすれば、ユーザについての種々の状況(ゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテム状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報)に応じて、抽選テーブルの選択条件が多様に変化するようになる。従って、抽選テーブルの選択確率等の選択条件が画一的に決まっている場合に比べて、第1回目用の抽選テーブルの選択態様を様々に変化させることが可能になる。これにより、抽選プレイの面白味を向上させることができ、抽選プレイを行うことの動機づけをユーザに与えることができる。例えば本実施形態では、第1回目の抽選処理でSSRなどの特定のゲーム媒体が当選すると、次の抽選処理においても当該ゲーム媒体が連続して当選する確率を高くできる。従って、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する選択処理は、ユーザの抽選プレイにとって重要であり、この選択処理の選択条件がユーザの状況に応じて変化することで、連続抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また本実施形態では、図12に示すように、選択条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば図12では、SSR確定の抽選テーブルTAの選択確率が上昇したことをユーザに知らせる表示が行われている。そして、このように抽選テーブルTAの選択確率が上昇したタイミングで、10連ガシャの抽選プレイを行うのは、ユーザにとってチャンスであるため、10連ガシャの抽選プレイを行うことを促すことができる。即ち、このような情報を表示することで、ユーザは、所定の変更条件が満たされて、複数の抽選テーブルの中から第1回目用の抽選テーブルを選択する際の選択条件が変更されたことを、視覚的に認識できるようになる。そして、例えば選択条件がユーザにとって有利な条件に変更されたことなどを視覚的に確認したユーザは、連続抽選プレイを開始するようになる。例えば図12のような表示を行うことで、第1回目の抽選処理でSSRなどの特定のゲーム媒体を獲得し、その後も連続して当該ゲーム媒体を獲得できる可能性が高いことを、ユーザは認識できるようになる。従って、連続抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
なお本実施形態では例えば図12のA1に示すように、ゲーム媒体の排出確率の表示を指示するアイコンを設けてもよい。例えばユーザがA1のアイコンを選択すると、ゲーム媒体の排出確率が表示される。具体的には、前述したようにSSR、SR、Rの排出確率が、各々、3%、17%、80%であることがユーザに表示される。そして図12のように選択確率などの選択条件が変更された場合には、選択条件の変更後のSSR、SR、Rの排出確率を表示するようにする。更に具体的には10連ガシャのような連続抽選の場合には、各抽選回での排出確率を表示するようにする。
例えば図13は、抽選テーブルの選択確率を変更した場合の具体例の説明図である。図13では、1回目の選択確率P(A,1)、P(B,1)、P(C,1)が変更されている。例えば図4では、P(A,1)、P(B,1)、P(C,1)は、各々、3%、36.896%、60.104%であるのに対して、図13では、10%、29.860%、60.104%に変更されている。即ち、SSR確定の抽選テーブルTAの選択確率P(A,1)が3%から10%に上昇している。一方、抽選テーブルTBの選択確率P(B,1)は36.896%から29.860%に減少している。これにより、図13に示すようにSSR、SR、Rの排出確率は、10%、14.187%、75.813%になる。従って、このように選択確率が変更されたときに、図12のA1のアイコンをユーザが選択すると、SSR、SR、Rの排出確率が10%、14.187%、75.813%であることがユーザに表示される。
そして図13に示すように、抽選テーブルTA、TB、TCの選択確率やSSR、SR、Rの排出確率は、2回目、3回目、4回目となるごとに変化して行く。そして図9、図10で説明したように、十分に回数が繰り替えされることで定常状態に収束して行く。従って、例えば10連ガシャのような連続抽選において、1回目の選択確率を変更すると、各抽選回でのSSR、SR、Rの排出確率が変化することになる。従って、ユーザに対して排出確率の適正な表示を行うために、連続抽選の各抽選回でのSSR、SR、Rの排出確率をユーザに表示することが望ましい。即ち図13の各回でのSSR、SR、Rの排出確率を表示するようにする。
また本実施形態では、n回の連続抽選の指示によるn回の抽選処理のうちの何回目の抽選処理が行われているかをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば図14では、n=10となる10連ガシャの連続抽選の指示が行われている。そして図14では、n=10回の抽選処理のうちの3回目の抽選処理が行われていることをユーザに認識させるための情報が表示されている。例えば図14では、第1回目~第3回目までに当選したゲーム媒体であるアイテムが表示され、第7回目~第10回目のアイテムの表示部分についてはブラックアウトされている。これによりユーザは、10連ガシャの10回の抽選処理のうちの第3回目までが行われたことを、視覚的に認識できるようになる。従って、連続抽選の指示により行われる抽選処理により順次にゲーム媒体が獲得されて行く様子を、ユーザは視覚的に認識して連続抽選プレイを楽しむことが可能になり、連続抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また本実施形態では、所定の変更条件が満たされた場合に、遷移条件を変更する。そして遷移条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。また本実施形態では、所定の変更条件が満たされた場合に、複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルの抽選条件を変更する処理を行う。そして抽選条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。図15は、遷移条件や抽選条件を変更する処理の例を説明するフローチャートである。
まずゲームシステムは、選択条件に基づいて、複数の抽選テーブルの中から今回の抽選テーブルを選択し、選択された抽選テーブルを用いて抽選処理を実行する(ステップS31、S32)。そしてユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに基づいて、遷移条件又は変更条件についての変更条件が満たされたかを判断する(ステップS33)。これらのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報は、図11のステップS21で説明したものと同様であるため、以降では詳細な説明を省略する。
そしてゲームシステムは、遷移条件又は抽選条件についての変更条件が満たされたと判断した場合に、遷移条件又は抽選条件の変更処理を実行する(ステップS34、S35)。例えばゲームシステムは、抽選テーブルについての遷移確率又は滞在確率などの遷移条件の変更処理を行う。或いは遷移条件の変更処理として、複数の抽選テーブルの遷移状況(遷移構成)の変更処理を行う。またゲームシステムは、抽選テーブルの抽選確率又は排出順番などの抽選条件の変更処理を行う。或いは、抽選条件の変更処理として、抽選対象となるゲーム媒体やゲーム媒体の種類を変更したり、抽選対象となるゲーム媒体のグループを変更したり、或いは抽選回数などを変更する処理を行う。そしてゲームシステムは、遷移条件又は抽選条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する(ステップS36)。例えば遷移条件又は抽選条件が変更されたことをユーザに認識させるための画像、文字、記号又はエフェクト等を表示する。
次にゲームシステムは、遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルに遷移させるか否かを判断する(ステップS37)。例えばステップS35で遷移条件の変更処理が行われた場合には、変更処理が行われた遷移条件に基づいて、今回の抽選テーブルから遷移先の抽選テーブルに遷移させるか否かを判断する。そしてゲームシステムは、判断結果に基づいて次回の抽選テーブルを選択し、選択された次回の抽選テーブルを用いて抽選処理を実行する(ステップS38、S39)。例えばステップS35で抽選条件の変更処理が行われた場合には、変更処理が行われた抽選テーブルの抽選条件に基づいて、抽選処理を実行する。
図16は、10連ガシャなどの連続抽選処理において、抽選テーブルの遷移条件や抽選条件を変更する処理を行った場合のフローチャートである。
ゲームシステムは、前回に選択された第i回目用の抽選テーブルを用いて第i回目の抽選処理を実行する(ステップS41)。次に、ユーザのゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテムの状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報などに基づいて、遷移条件又は変更条件についての変更条件が満たされたかを判断する(ステップS42)。そして遷移条件又は抽選条件についての変更条件が満たされたと判断した場合に、遷移条件又は抽選条件の変更処理を実行する(ステップS43、S44)。そして遷移条件又は抽選条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する(ステップS45)。次に、遷移条件に基づいて第i+1回目用の抽選テーブルを選択する(ステップS46)。そしてi=nに達したか否かが判断されて、i=nに達してない場合には、i=i+1として、ステップS41に戻る(ステップS47、S48)。このようにしてi=nに達するまで、ステップS41~S48の処理が繰り返される。そしてi=nに達すると、ゲームシステムは、遷移条件、抽選条件を初期状態に戻す(ステップS49)。即ち、ステップS44の変更処理により変更された遷移条件又は抽選条件を、n回の連続抽選が行われる前の初期状態に戻す処理が行われ、処理を終了する。
以上のように本実施形態では、遷移条件についての変更条件が満たされると、抽選テーブルの遷移条件が変更される。このようにすれば、ユーザについての種々の状況(ゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテム状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報)に応じて、抽選テーブルの遷移条件が多様に変化するようになる。従って、抽選テーブルの遷移確率又は滞在確率等の遷移条件が画一的に決まっている場合に比べて、抽選テーブルの遷移態様を様々に変化させることが可能になる。これにより、抽選プレイの面白味を向上させることができ、抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。例えばユーザのゲーム状況やゲームプレイ状況や抽選状況が所定の状況になったり、ユーザが所定のアイテムを使用したり、或いは現在の日時が特定の期間である場合に、遷移条件が、ユーザに有利な条件に変化するようになる。例えばユーザのゲーム成績やレベルが高い場合、ユーザが所定のアイテムを使用した場合、或いはキャンペーン期間などにおいて、SSRなどの特定のゲーム媒体が排出される抽選テーブルへの滞在確率が上昇したり、当該抽選テーブルに遷移する遷移確率が上昇する。これによりSSRなどの特定のゲーム媒体を獲得したり、当該ゲーム媒体を連続獲得する可能性が高くなり、抽選プレイを行うことに対する効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また本実施形態では、抽選条件についての変更条件が満たされると、複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルの抽選条件が変更される。このようにすれば、ユーザについての種々の状況(ゲーム状況、ゲームプレイ状況、アイテム状況、抽選状況、時間情報又はステータス情報)に応じて、抽選テーブルの抽選条件が多様に変化するようになる。従って、抽選テーブルの抽選条件が画一的に決まっている場合に比べて、抽選テーブルによる抽選処理の内容を様々に変化させることが可能になる。これにより、抽選プレイの面白味を向上させることができ、抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。例えばユーザのゲーム状況やゲームプレイ状況や抽選状況が所定の状況になったり、ユーザが所定のアイテムを使用したり、或いは現在の日時が特定の期間である場合に、抽選条件が、ユーザに有利な条件に変化するようになる。例えばユーザのゲーム成績やレベルが高い場合、ユーザが所定のアイテムを使用した場合、或いはキャンペーン期間などにおいて、SSRやSRなどの特定のゲーム媒体が排出される抽選テーブルにおいて、当該ゲーム媒体の抽選確率が上昇したり、当該ゲーム媒体が排出され易くなる排出順番に変更される。これによりSSRやSRなどの特定のゲーム媒体を獲得したり、当該ゲーム媒体を連続獲得する可能性が高くなり、抽選プレイを行うことに対する効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また本実施形態では、図17に示すように、変更条件が満たされて抽選テーブルの遷移条件が変更された場合に、遷移条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば図17では、SSR確定の抽選テーブルTAへの遷移確率が上昇したことをユーザに知らせる表示が行われている。例えば図4において、現在、使用されている抽選テーブルがTBである場合に、抽選テーブルTBからTAの遷移確率Q(B,A)が上昇したことをユーザに知らせる表示が行われる。例えばユーザが所定のアイテムを使用したり、ユーザのゲーム成績やゲームレベルが所定の成績や所定のレベルに達すると、遷移条件の変更条件が満たされて、遷移確率Q(B,A)が上昇する。そして、抽選テーブルTBからTAに遷移して、SSRを獲得できるチャンスであることがユーザに知らされる。或いは、現在、使用されている抽選テーブルがTCである場合に、変更条件が満たされると、図7(B)に示すように抽選テーブルTCからTAへの遷移経路が生成されるような遷移条件の変更処理を行ってもよい。そして、遷移条件が変更されたことをユーザに認識させる表示として、抽選テーブルTCからTAへの遷移経路が生成されたことをユーザに知らせる表示を行ってもよい。このようにすることで、SSRを獲得することができない抽選テーブルTCから、SSR確定の抽選テーブルTAに昇格する遷移経路が生成されたことをユーザに知らせることが可能になる。以上のような情報を表示することで、ユーザは、所定の変更条件が満たされて、抽選テーブルの遷移条件が変更されたことを、視覚的に認識できるようになる。そして、例えば遷移条件がユーザにとって有利な条件に変更されたことなどを視覚的に確認したユーザは、次回の抽選プレイを積極的に行うようになる。例えば図17のような表示を行うことで、今回に使用される抽選テーブルがTBである場合に、ユーザは、次回の抽選プレイを積極的に行うようになり、抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また本実施形態では、図18に示すように、変更条件が満たされて、複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルの抽選条件が変更された場合に、抽選条件が変更されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば図18では、抽選テーブルTBでのSRの抽選確率が上昇したことをユーザに知らせる表示が行われている。例えば図4において、現在、使用されている抽選テーブルがTBである場合に、SRの抽選確率は0.4であるが、この0.4の抽選確率が上昇したことをユーザに知らせる表示が行われる。例えばユーザが所定のアイテムを使用したり、ユーザのゲーム成績やゲームレベルが所定の成績や所定のレベルに達すると、抽選条件の変更条件が満たされて、SRの抽選確率が上昇する。そしてSRを獲得できるチャンスであることがユーザに知らされる。このような情報を表示することで、ユーザは、所定の変更条件が満たされて、抽選テーブルの抽選条件が変更されたことを、視覚的に認識できるようになる。そして、例えば抽選条件がユーザにとって有利な条件に変更されたことなどを視覚的に確認したユーザは、抽選プレイを積極的に行うようになり、抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また本実施形態では、図16のステップS42~S44に示すように、10連ガシャのようなn回の連続抽選の指示による抽選処理においても、所定の変更条件が満たされた場合に、遷移条件又は複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルの抽選条件を変更する。そしてステップS49に示すように、n回の連続抽選の指示による第n回目の抽選処理が終了した後に、変更された遷移条件又は抽選条件を初期状態に戻す。即ち、n回の抽選処理が行われている間に、ステップS44の変更処理により、遷移条件や抽選条件が初期状態の条件から変化する。そこで、n回の抽選処理が行われた場合には、変化した遷移条件や抽選条件を、元の初期状態の条件に戻す。即ち遷移条件や抽選条件のリセット処理を行う。例えば遷移条件である遷移確率や滞在確率を変更した場合には、遷移確率や滞在確率を初期状態の確率に戻す。また新たな遷移経路を生成するなどの遷移条件の変更処理を行った場合には、この遷移経路を消去して、複数の抽選テーブルの遷移経路を初期状態の経路に戻す。また抽選条件である抽選確率や排出順番を変更した場合には、抽選確率や排出順番を初期状態の確率や順番に戻す。このようにすれば、次にn回の連続抽選の指示が行われた場合に、初期状態の遷移条件又は抽選条件から抽選処理をスタートすることが可能になり、適正な抽選処理の実行が可能になる。
また本実施形態では、抽選処理によりユーザに付与されることが決定されたゲーム媒体については、複数の抽選テーブルの少なくとも1つの抽選テーブルにおいて、抽選対象となるゲーム媒体から除外する処理を行う。例えば図19(A)では、抽選テーブルTAを用いた抽選処理により、アイテムであるゲーム媒体IT1が当選している。この場合には、この抽選テーブルTAにおいて、ゲーム媒体IT1は、抽選対象となるゲーム媒体(ゲーム媒体群)から除外される。即ち、次回の抽選処理において、ゲーム媒体IT1は、抽選テーブルTAの抽選対象にならない。また図19(B)では、抽選テーブルTAを用いた抽選処理によりゲーム媒体IT1が当選しており、抽選テーブルTAにおいて、ゲーム媒体IT1は、抽選対象となるゲーム媒体から除外されている。更に図19(B)では、他の抽選テーブルTB、TCにおいても、ゲーム媒体IT1は、抽選対象となるゲーム媒体から除外されている。即ち、次回の抽選処理において、ゲーム媒体IT1は、全ての抽選テーブルTA、TB、TCにおいて抽選対象にならない。
以上のように、抽選処理によりユーザに付与されることが決定されたゲーム媒体を、抽選対象となるゲーム媒体から除外することで、連続抽選処理を行ったときに、同じゲーム媒体が当選してしまい、ユーザにとって無用なゲーム媒体がユーザに付与されてしまう事態を防止できるようになる。
なお、抽選処理によりユーザに付与されることが決定されたゲーム媒体を除外する処理は、今回の連続抽選の最中にだけ行うようにしてもよいし、次回の連続抽選の際にも継続して行うようにしてもよい。即ち、今回の連続抽選において除外されたゲーム媒体については、次回の連続抽選の際にも除外する。或いは、ゲーム媒体を除外する処理を、SSRなどの特定のゲーム媒体が排出されるまで継続して行うようにしてもよい。即ち、SSRなどの特定のゲーム媒体が排出されるまでは、抽選処理によりユーザに付与されることが決定されたゲーム媒体を抽選対象から除外する処理を継続し、特定のゲーム媒体が排出された場合には、除外したゲーム媒体を抽選対象となるゲーム媒体に戻す。
例えば、ゲーム媒体を除外する処理を今回の連続抽選の最中にだけ行う具体例としては、10連ガシャなどの連続抽選の場合に、連続抽選の規定回数(例えばn=10)の間だけ、ゲーム媒体を除外する処理を有効にする。或いは、現在の抽選テーブルに滞在している間だけ、ゲーム媒体を除外する処理を有効にし、他の抽選テーブルに遷移したら、ゲーム媒体を除外する処理を無効にしてリセットしてもよい。
また例えばSSRとしてSSR-α、SSR-β、SSR-γというような異なる種類のゲーム媒体が用意される場合がある。そしてゲームによっては、ユーザが、SSRの中でも同じ種類のゲーム媒体の収集だけを望む場合がある。例えばSSR-αの収集だけを望む場合がある。例えばSSR-αを複数個収集することで、ユーザのキャラクタが順次に強化される。また例えばSSR-αをK個収集するまではキャラクタが成長するが、それ以降は成長しないというような成長限界が設定される場合がある。
この場合に、例えばSSR確定の抽選テーブルTAに移行したら、同じ種類のSSRだけが排出されるようにしてもよい。例えばSSR-α(広義には特定種類のゲーム媒体)だけが排出されるようにする。そして、このときに、抽選テーブルTAから他の抽選テーブルに遷移するまで、SSR-αが連続排出されるようにしてもよい。或いは、10連ガシャなどの連続抽選の間、SSR-αが連続排出されるようにしてもよい。或いは成長限界に相当するK個に達するまで、SSR-αが連続排出されるようにしてもよい。例えばK個に達するまでは、SSR-αだけが抽選対象になり、SSR-β、SSR-γは抽選対象から除外されるが、K個に達した後は、SSR-β、SSR-γも抽選対象になる。或いはこのような設定が、次回の連続抽選のときにも引き継ぐようにしてもよい。例えば1回目の10連ガシャでは、SSR-αの個数がK個に達せずにL個(L<K)であった場合に、2回目の10連ガシャでは、このL個まで達したことを引き継ぎ、SSR-αの個数がL個からK個に達するまで、SSR-αが連続排出されるようにする。
図20は、特定種類のSSRの連続排出を実現する手法の説明図である。例えば図20では、SSR-α、SSR-β、SSR-γが確定である抽選テーブルTA、TA’、TA”の初回の選択確率は1%というように低くなっている。しかしながら、抽選テーブルTAが選択されて、SSR-αが当選すると、抽選テーブルTAの滞在確率が40.64%というように高いため、SSR-αが連続当選され易くなっている。同様に、抽選テーブルTA’、TA”が選択されて、SSR-β、SSR-γが当選すると、抽選テーブルTA’、TA”の滞在確率が高いため、SSR-β、SSR-γが連続当選され易くなっている。また抽選テーブルTA、TA’、TA”の間での遷移確率は5.08%というように低いため、特定種類のSSRが当選した後に、他の種類のSSRの抽選テーブルに移行する確率は低くなり、同じ種類のSSRが連続当選され易くなっている。なお抽選テーブルTA、TA’、TA”からは、49.2%の確率で抽選テーブルTBに降格する遷移が行われ、抽選テーブルTBからは、1.333%の確率で抽選テーブルTA、TA’、TA”に昇格する遷移が行われる。
なお図20等において示す確率は、小数点以下第四位%を四捨五入している。このため、例えば抽選テーブルTBから抽選テーブルTA、TA’、TA”の各々に対する遷移確率(1.333%)と、抽選テーブルTBの滞在確率(65%)と、抽選テーブルTCへの遷移確率(31%)の合計である1.333%×3+65%+31%は、100%にはなっていないが、実際には100%になる。その他の箇所でも同様である。
また本実施形態では、複数の抽選テーブルの遷移状況をユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば図21では、ユーザがガシャの抽選プレイを開始した場合に、そのガシャで使用される複数の抽選テーブルTA、TB、TCや、抽選テーブルTA、TB、TCについての遷移確率、滞在確率、抽選確率、選択確率や、抽選テーブルTA、TB、TCの遷移構成などが、遷移状況としてユーザに表示されている。このようにすれば、ユーザは、表示されている抽選テーブルの遷移状況を見ることで、使用されている抽選テーブルや、各抽選テーブルの遷移確率、滞在確率、抽選確率、選択確率や、抽選テーブルの遷移構成(接続構成)を視覚的に認識できるようになる。従って、ユーザは、表示される抽選テーブルの遷移状況を確認しながら、連続抽選プレイなどの抽選プレイを行うことが可能になり、ユーザの利便性を向上できる。なお、前述したように、所定条件が満たされて、抽選テーブルの遷移確率、滞在確率、抽選確率又は選択確率が変化したり、図4から図7(A)、図7(B)、図8(A)、図8(B)のように抽選テーブルの遷移構成が変化した場合には、その変化する様子をリアルタイムにユーザに表示することが望ましい。このようにすれば、ユーザは、リアルタイムに変化する抽選テーブルの遷移状況を見ながら、抽選プレイの戦略などを立てることが可能になり、抽選プレイの面白さを更に向上できるようになる。
また本実施形態では、抽選処理に使用される今回の抽選テーブルをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば図22では、現在、SSR確定の抽選テーブルTAに滞在しており、今回に使用される抽選テーブルがTAであることをユーザに知らせる表示が行われている。そして抽選テーブルTAの滞在確率が50.8%というように高く、SSRの連続獲得のチャンスであることがユーザに知らされている。このようにすれば、ユーザは、今回の抽選処理に使用される今回の抽選テーブルの状況等を視覚的に認識できるようになる。従って、ユーザは、今回に使用される抽選テーブルの状況等を確認しながら、連続抽選プレイなどの抽選プレイを行うことが可能になり、ユーザの利便性を向上できる。例えばユーザは、SSRなどの特定のゲーム媒体が排出される抽選テーブルに滞在している時には、抽選プレイを継続し、有用なゲーム媒体が排出されないような抽選テーブルに滞在している場合には、抽選プレイを止めるなどの戦略を立てることが可能になり、抽選プレイの面白さを更に向上できるようになる。
なお図21、図22に示す遷移状況や今回の抽選テーブルの状況は、ユーザの操作指示によって表示するようにしてもよいし、連続抽選の各抽選のタイミングで表示するなど、所定スケジュールにしたがって表示するようにしてもよい。
また本実施形態では、所定の属性のゲーム媒体が連続して付与されたことをユーザに認識させるための情報を表示する処理を行う。例えば図23では、SSRの4連コンボが達成されて、所定の属性のゲーム媒体であるSSRが連続して付与されたことをユーザに知らせる表示が行われている。例えば図4の抽選テーブルTAに滞在して、10連ガシャのうちの連続した4回の抽選処理で、4つのSSRが連続して排出されたことをユーザに知らせる表示が行われている。このようにすれば、図23の表示を見たユーザは、所定の属性のゲーム媒体が連続して付与されたことが動機づけとなって、抽選プレイを継続して行うようになり、抽選プレイを行うことの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。例えばユーザは、10連ガシャの全ての抽選処理でSSRが排出されるSSRの10連コンボを目指すようになり、連続抽選プレイを行うことの効果的な動機づけを与えることが可能になる。
以上のように本実施形態では、選択条件、遷移条件、抽選条件に関する種々の情報をユーザに表示している。このようにすることで、例えば抽選ゲームを提供するメーカーは、ガシャなどの抽選ゲームについてのユーザへの説明責任を果たすことができる。例えば当該説明責任を果たすためには、前述したように実際の排出確率等をユーザに表示することが望まれる。例えば図4のような抽選テーブルの遷移状況を表示するだけではなく、遷移条件により設定されるSSR、SR、Rの各々の排出確率である3%、17%、80%をユーザに表示する。
また本実施形態では、抽選テーブルの遷移処理をリアルタイムに実行せずに、抽選テーブルの遷移処理に基づき取得されて展開されたゲーム媒体の確率分布を用いて、連続抽選処理などの抽選処理を行うことも可能である。また以上では、遷移条件の例として遷移確率や滞在確率を説明したが本実施形態はこれに限定されない。例えばボックスガシャにおける目玉カードのような特定のゲーム媒体を用意し、当該特定のゲーム媒体が当選したら、他の抽選テーブルに遷移するような遷移条件であってもよい。或いは、毎日、ログインボーナスとして抽選プレイができるガシャにおいて、当該ガシャの開催中のイベントの獲得ポイントが所定値以上になったら、そのタイミング以降のログインボーナスの抽選プレイにおいて他の抽選テーブルに遷移するような遷移条件であってもよい。
またこのようなログインボーナスによるガシャにおいて、例えばログイン時において抽選処理を行って、抽選処理後に遷移先の抽選テーブルをユーザに表示してもよい。或いは、抽選処理後に他の抽選テーブルへの遷移処理は行うが、遷移先の抽選テーブルについてはユーザに表示しないようにしてもよい。そして次の日のログイン時に、遷移先の抽選テーブルをユーザに表示する。或いは、ログイン時に、他の抽選テーブルへの遷移処理を行い、遷移処理後に抽選処理を行うようにしてもよい。そして次の日のログイン時においても、他の抽選テーブルへの遷移処理を行い、遷移処理後に抽選処理を行う。
また本実施形態では、複数の抽選テーブルが予め用意される場合を例にとり説明したが、抽選処理に使用される抽選テーブルを自動生成するようにしてもよい。例えば連続抽選の各抽選プレイを開始する毎に抽選テーブルを自動生成する。例えば初期状態では、抽選テーブルTAしか用意されていないが、連続抽選の抽選プレイが開始すると、抽選テーブルTAを複製して抽選テーブルTBを生成し、抽選テーブルTBについてのゲーム媒体の排出確率を設定する。また抽選テーブルTBについての遷移確率や滞在確率を設定する。このようにすることで、抽選プレイが行われる毎に、新規な抽選テーブルがリアルタイムに生成されるようになる。或いは、例えば図4の遷移構成の抽選テーブルから、図7(A)~図7(C)、図8(A)~図8(C)に示すような遷移構成の抽選テーブルを自動生成するようにしてもよい。このようにすれば、様々な態様の抽選構成の抽選テーブルを自動生成できるようになり、抽選プレイの面白味や戦略性を向上できるようになる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、抽選テーブルの選択処理、選択条件や遷移条件や抽選条件の変更処理、抽選処理、ゲーム処理、各種の情報の表示処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本開示の範囲に含まれる。