以下、図面を用いて、本実施形態に係る「作業機」としてのハンマドリル10について説明する。ハンマドリル10は、被加工物に対して穴あけ加工等を行う工具として構成されている。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印LHは、ハンマドリル10の上側、前側、左側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、ハンマドリル10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、前後方向が本発明の「第1方向」に対応し、上下方向が本発明の「第2方向」に対応し、左右方向が本発明の「第3方向」に対応する。また、前側が、本発明の「第1方向一方側」に対応する。
図1及び図2に示されるように、ハンマドリル10は、ハウジング12と、ハウジング12内に収容された、インナカバー40と、モータ43と、モータ43の駆動力を先端工具Tへ伝達する伝達機構50と、バッテリパック70と、「弾性体」としてのバッテリ押え部材80と、モータ43を駆動制御する制御部90と、を含んで構成されている。また、ハンマドリル10は、操作レバー68を有しており、操作レバー68が操作されることで、伝達機構50における先端工具Tへの伝達経路が切替えられて、ハンマドリル10が、先端工具Tに回転力を付与するドリルモード、又は、先端工具Tに回転力及び打撃力を付与するハンマドリルモードに切替わるように構成されている。以下、ハンマドリル10の各構成について説明する。
(ハウジング12について) ハウジング12は、中空状に形成されて、ハンマドリル10の外郭を構成している。このハウジング12は、ハウジング12の前部を構成する「本体部」としての本体ハウジング13と、ハウジング12の後部を構成する「ハンドル部」としてのハンドルハウジング16と、を有している。ハンドルハウジング16は、左側から見た側面視で、前側へ開放された略U字形状に形成されており、本体ハウジング13は、側面視で略逆L字形状に形成されている。
そして、ハンドルハウジング16の上端部及び下端側部分が、防振機構30によって、前後方向に相対移動可能に本体ハウジング13に連結されている。具体的には、本体ハウジング13の後端部には、上端部及び上下方向中間部において、後側へ突出した連結部13Aが形成されており、ハンドルハウジング16の上端部及び下端部が、防振機構30によって本体ハウジング13の連結部13Aに連結されている。そして、図2に示されるハンドルハウジング16の位置を「第1位置」としての初期位置としており、ハンドルハウジング16は、初期位置と、初期位置から前側へ移動した「第2位置」としての押込位置(図3に示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。なお、防振機構30については、後述する。また、以下の説明では、ハンドルハウジング16が初期位置に配置された状態として説明する。
また、ハンドルハウジング16は、2色成形によって成形されて、樹脂材によって構成された層と、エラストマによって構成された層と、の2層構造になっている。具体的には、エラストマの層が、樹脂材の表面を被覆している。また、ハンドルハウジング16は、左右方向に2分割されており、分割されたハウジングを組付けることでハンドルハウジング16が形成されている。
ハンドルハウジング16の後端部は、作業者が把持する把持部16Aとして構成されており、把持部16Aは、上下方向に延在されている。把持部16Aの上端部には、トリガ20が設けられている。また、トリガ20の上側には、後述するモータ43の回転方向を切替える切替ボタン21が設けられている。さらに、トリガ20の後側には、スイッチ機構22が設けられている。スイッチ機構22は、トリガ20及び切替ボタン21によって操作されるスイッチ(図示省略)を有している。当該スイッチは、後述する制御部90に電気的に接続されており、トリガ20の操作状態及び切替ボタン21の切替状態に応じた出力信号を制御部90に出力する構成になっている。
本体ハウジング13は、第1本体ハウジング部14と第2本体ハウジング部15とを含んで構成されている。第1本体ハウジング部14は、後述する伝達機構50を収容するためのハウジング部として構成されて、前後方向を軸方向とした略円筒状に形成されている。第2本体ハウジング部15は、後述するモータ43を収容するためのハウジング部として構成され、上下方向に延在されて、第1本体ハウジング部14の後端部に接続されている。また、第2本体ハウジング部15は、左右方向に2分割されており、分割されたハウジングを組付けることで第2本体ハウジング部15が形成されている。第2本体ハウジング部15の後部には、上下方向中間部において、変速スイッチ23が設けられている。変速スイッチ23は、操作されることで、後述するモータ43の回転数を多段に切替えるスイッチとして構成されており、後述する制御部90に電気的に接続されている。
また、第2本体ハウジング部15の下端部は、ハンドルハウジング16よりも下側へ突出している。すなわち、ハウジング12の後下の角部は、後側及び下側へ開放された凹状に切り欠かれており、ハンドルハウジング16の下端部が、後述するバッテリパック70を装着するバッテリ取付部16Bとして構成されている。図8(A)に示されるように、バッテリ取付部16Bには、左右一対のハウジング側レール部16Cが形成されており、ハウジング側レール部16Cは、前後方向に延在されると共に、後側から見て左右方向内側へ開放された略U字形状に形成されている。
図1に示されるように、バッテリ取付部16Bの後端部には、上側へ抉られた抉り部16Dが形成されている。抉り部16Dの下面には、左右方向両端部において、一対の収容部16D1が形成されている(図1には、左側の収容部16D1のみが図示されている)。収容部16D1は、下側及び左右方向外側へ開放された凹状に形成されている。そして、収容部16D1には、左右一対のスペーサ24が設けられている(図1には、左側のスペーサ24のみが図示されている)。スペーサ24は、ゴムなどの弾性材によって構成されると共に、上下方向を厚み方向とする略矩形板状に形成されている。そして、スペーサ24の下面が、抉り部16Dの下面よりも若干下側に配置されるように、スペーサ24の上面が収容部16D1の頂面に固定されている。さらに、バッテリ取付部16Bには、バッテリパック70と接続されるコネクタ25(図2参照)が設けられている。
図7(A)及び(B)に示されるように、第2本体ハウジング部15の下端部の後壁には、ガイド挿通孔15Aが貫通形成されており、ガイド挿通孔15Aは、左右方向を長手方向とする長孔状に形成されている。さらに、第2本体ハウジング部15の内部には、左右一対のガイド片15B(図7(B)参照)が設けられている。ガイド片15Bは、上下方向を板厚方向として、ガイド挿通孔15Aの左右方向外側において第2本体ハウジング部15の後壁から前側へ突出している。ガイド片15Bの左右方向内側端部には、ガイド凹部15Cが形成されており、ガイド凹部15Cは、平面視で左右方向内側へ開放された略台形状に形成されている。
一方、ハンドルハウジング16の下端部には、ガイド挿通孔15Aに対応した位置において、前側へ突出したハンドルガイド16Eが形成されている。ハンドルガイド16Eは、上下方向を板厚方向とした略矩形プレート状に形成され、ガイド挿通孔15A内に後側から挿入されて、第2本体ハウジング部15の内部に配置されている。すなわち、ハンドルガイド16Eが、左右方向において一対のガイド片15Bの間に配置されている。これにより、ハンドルハウジング16の下端部における前後方向の移動をハンドルガイド16E及びガイド片15Bによって案内する構成になっている。換言すると、ハンドルハウジング16の左右方向の振れを、ハンドルガイド16E及びガイド片15Bによって抑制する構成になっている。
また、ハンドルガイド16Eの左右方向両端部には、ガイド片15Bのガイド凹部15Cに対応する位置において、ガイド突起16Fが形成されている。ガイド突起16Fは、ハンドルガイド16Eから左右方向外側へ突出されると共に、平面視で略台形状に形成されている。また、前後方向におけるガイド突起16Fの長さがガイド凹部15Cの長さよりも短く設定されており、ガイド突起16Fがガイド凹部15Cの後端部内に配置されている。これにより、ガイド突起16F及びガイド凹部15Cによって、初期位置におけるハンドルハウジング16の下端部の後側への移動を制限している。一方、図示は省略するが、ハンドルハウジング16の押込位置では、ガイド突起16Fがガイド凹部15Cの前端部内に配置される設定になっている。これにより、ガイド突起16F及びガイド凹部15Cによって、押込位置におけるハンドルハウジング16の下端部の前側への移動を制限する構成になっている。
次に、上側の防振機構30を用いて、防振機構30の構成について説明する。図4及び図5に示されるように、防振機構30は、ダンパ部31と、ガイド機構32と、を含んで構成されている。ダンパ部31は、ハンドルハウジング16の外表面を構成するエラストマの層の一部によって構成されている。具体的には、ハンドルハウジング16の上端部及び本体ハウジング13の連結部13Aを被覆し且つ両者を連結するエラストマの部位が、ダンパ部31を構成している。また、ダンパ部31は、ハンドルハウジング16の上端部の外側へ開放された断面略U字形状に形成されて、本体ハウジング13の連結部13Aと連結されている。これにより、ダンパ部31は、前後方向に弾性変形可能に構成されている。すなわち、ダンパ部31が前後方向に弾性変形することで、ハンドルハウジング16が本体ハウジング13に対して前後方向に相対移動する構成になっている。また、ハンドルハウジング16の初期位置では、ダンパ部31は弾性変形しておらず、ハンドルハウジング16の押込位置では、ダンパ部31が圧縮変形する設定になっている。
ガイド機構32は、本体ハウジング13の連結部13Aと、ハンドルハウジング16の上端部と、の間に架け渡されて、ハンドルハウジング16の前後方向の相対移動をガイドする機構として構成されている。ここで、連結部13Aの内部には、ガイド機構32を収容するためのプレート収容部13Bが形成されており、プレート収容部13Bは、側断面視で後側へ開放された略T字形凹状に形成されている。具体的には、プレート収容部13Bは、収容本体部13B1と、収容本体部13B1と連通し且つ後側へ開放された開口部13B2と、を含んで構成されている。また、ハンドルハウジング16の上端部の内部にも、ガイド機構32を収容するためのプレート収容部16Gが形成されており、プレート収容部16Gは、側断面視で前側へ開放された略T字形凹状に形成されている。具体的には、プレート収容部16Gは、収容本体部16G1と、収容本体部16G1と連通し且つ前側へ開放された開口部16G2と、を含んで構成されている。
そして、ガイド機構32は、上下一対の第1ガイドプレート33と、前後一対の第2ガイドプレート34と、を含んで構成されている。上下一対の第1ガイドプレート33は、側面視で上下方向外側へ開放された略U字形板状に形成されている。すなわち、上側の第1ガイドプレート33は、上側へ開放された略U字形板状に形成され、下側の第1ガイドプレート33は、下側へ開放された略U字形板状に形成されて、一対の第1ガイドプレート33が、上下方向に重なる状態で固定されている。より詳しくは、第1ガイドプレート33は、第1ガイドプレート33の前後方向中間部を構成するプレート本体33Aと、プレート本体33Aの前後方向両端部において屈曲されたストッパ部33Bと、を含んで構成されている。
そして、第1ガイドプレート33のストッパ部33Bが収容本体部13B1及び収容本体部16G1内に前後方向に相対移動可能に挿入されると共に、プレート本体33Aが、開口部13B2及び開口部16G2内に相対移動可能に挿入されている。また、前側のストッパ部33Bは、収容本体部13B1の後端部に配置され、後側のストッパ部33Bが収容本体部16G1の前端部に配置されている。これにより、ハンドルハウジング16の初期位置において、本体ハウジング13に対するハンドルハウジング16の後側への相対移動を、第1ガイドプレート33によって制限する構成になっている。すなわち、ハンドルハウジング16の初期位置では、ハンドルハウジング16の前側(ハンドルハウジング16の移動方向一方側)への相対移動のみが許可される構成になっている。
前後一対の第2ガイドプレート34は、平面視で、前後方向内側に開放された略U字形板状に形成されている。すなわち、前側の第2ガイドプレート34は、後側へ開放された略U字形板状に形成され、後側の第2ガイドプレート34は、前側へ開放された略U字形板状に形成されている。具体的には、第2ガイドプレート34は、前後方向を板厚方向とするプレート本体34Aと、プレート本体33Aの左右方向両端部において屈曲された一対のプレートガイド部34Bと、を含んで構成されている。
そして、前側(後側)の第2ガイドプレート34が、プレート収容部13B(プレート収容部16G)内に収容されて、本体ハウジング13(ハンドルハウジング16)と一体移動可能に構成されている。具体的には、前側(後側)のプレート本体34Aが、収容本体部13B1(収容本体部16G1)の前端部(後端部)に配置されて、プレート本体34Aは、第1ガイドプレート33のストッパ部33Bと前後方向に離間して配置されている。また、左右一対のプレートガイド部34Bが、第1ガイドプレート33のプレート本体33Aを左右方向外側から挟み込むように配置されると共に、プレート収容部13Bの開口部13B2及びプレート収容部16Gの開口部16G2によってプレートガイド部34Bの左右方向に移動が制限されている。これにより、第1ガイドプレート33及び第2ガイドプレート34によって、ハンドルハウジング16の前後方向の移動をガイドするように構成されている。さらに、ハンドルハウジング16の押込位置では、第2ガイドプレート34のプレート本体34Aが第1ガイドプレート33のストッパ部33Bに当接する構成になっている。これにより、本体ハウジング13及びハンドルハウジング16の摩耗を抑制する構成になっている。
(インナカバー40について) 図2に示されるように、インナカバー40は、前側へ開放された略有底楕円筒状に形成されている。インナカバー40は、第1本体ハウジング部14の内部に配置されて、第1本体ハウジング部14の後端側の開口部を閉塞し且つ第1本体ハウジング部14と第2本体ハウジング部15とを区画するように、第1本体ハウジング部14に取付けられている。これにより、第1本体ハウジング部14及びインナカバー40によって、後述する伝達機構50を収容する収容部41が構成されている。
インナカバー40の上部には、後述するシリンダ57を支持するためのシリンダ支持部材42が固定されている。シリンダ支持部材42は、前後方向を軸方向とした略円筒状に形成されており、シリンダ支持部材42の前端部が、インナカバー40よりも前側へ突出している。また、インナカバー40の下端部には、後述するモータ43の駆動軸44を支持するためのモータ支持部40Aが形成されている。モータ支持部40Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、インナカバー40の内部と連通している。
(モータ43について) モータ43は、3相のブラシレスモータとして構成されて、ハウジング12の第2本体ハウジング部15内に収容されている。モータ43は、上下方向を軸方向とする駆動軸44と、駆動軸44に固定された略円筒状のロータ45と、ロータ45の径方向外側に配置された略円筒状のステータ46と、を含んで構成されている。駆動軸44の上端側の部分は、軸受47に回転可能に支持されており、軸受47は、インナカバー40のモータ支持部40Aに固定されている。駆動軸44の下端部は、軸受48に回転可能に支持されており、軸受48は、第2本体ハウジング部15に形成された固定壁15Dに固定されている。この固定壁15Dは、上下方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されると共に、左右方向から見て、上側へ開放された略U字形状に形成されている。駆動軸44の上端部は、収容部41の内部に配置されており、駆動軸44の上端部には、モータ側ベベルギヤ44Aが形成されている。ステータ46は、ステータホルダ46Aを有しており、ステータホルダ46Aにはコイルが巻き回されている。そして、モータ43が、後述する制御部90に電気的に接続されている。
駆動軸44の上端側の部分には、軸受47の下側の位置において、ファン49が設けられており、ファン49は、駆動軸44に一体回転可能に固定されている。このファン49は、所謂遠心ファンとして構成されており、ファン49の中央側の空気を径方向外側へ流出させるように構成されている。
(伝達機構50について) 伝達機構50は、中間軸51と、シリンダ57と、ピストン64と、打撃子65と、中間子66と、を含んで構成されて、収容部41の内部に配置されている。
<中間軸51について> 中間軸51は、前後方向を軸方向とした略円柱状に形成されて、収容部41の下部に配置されている。中間軸51の前端部は、第1本体ハウジング部14に固定された軸受52に回転可能に支持されており、中間軸51の後端部は、インナカバー40に固定された軸受53に回転可能に支持されている。中間軸51の後端側部分には、軸側ベベルギヤ54が固定されており、軸側ベベルギヤ54は、モータ43のモータ側ベベルギヤ44Aに噛合している。これにより、モータ43が駆動して駆動軸44が回転することで、中間軸51が自身の軸回りに回転する構成になっている。
中間軸51の前端側部分における外周部には、中間ギヤ部51Aが形成されている。また、中間軸51には、中間ギヤ部51Aの後側において、略円筒状のクラッチ55が外挿されている。クラッチ55は、中間ギヤ部51Aにスプライン嵌合されている。すなわち、クラッチ55が、中間ギヤ部51Aの軸方向に相対移動可能に且つ中間ギヤ部51Aと一体回転可能に連結されている。クラッチ55の後端部には、噛合い部55Aが形成されている。また、クラッチ55の前端部の外周部には、クラッチ溝55Bが形成されており、クラッチ溝55Bは、クラッチ55の周方向に延在され且つ径方向外側へ開放されている。
中間軸51には、クラッチ55の後側において、運動変換部材56が回転可能に外挿されている。運動変換部材56は、中間軸51の回転運動を変換して、後述するピストン64を前後方向へ往復移動させる部材として構成されている。運動変換部材56の前端部には、噛合い部56Aが形成されている。そして、クラッチ55が後側へ移動して、噛合い部55Aが噛合い部56Aに噛合うことで、クラッチ55と運動変換部材56とが連結して、運動変換部材56が中間軸51と一体に回転する構成になっている。また、運動変換部材56は、上方側へ延出されたアーム部56Bを有している。
<シリンダ57について> シリンダ57は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、中間軸51の上側において収容部41内に収容されている。シリンダ57の後端部は、軸受58に回転可能に支持されており、軸受58は、シリンダ支持部材42の内周部に固定されている。一方、シリンダ57の前端側部分は、軸受59に回転可能に支持されており、軸受59は、第1本体ハウジング部14に支持リング60を介して固定されている。また、シリンダ57は、略段付き円筒状に形成されており、シリンダ57の前端部の内径が、他の部分の内径よりも小さく設定されている。シリンダ57の前端部には、工具保持部62が取付けられており、工具保持部62によって、前後方向に延在された先端工具Tの後端部が着脱可能に固定されている。
シリンダ57の軸方向中間部には、径方向外側へ突出したフランジ57Aが形成されている。フランジ57Aの前部には、リング状のシリンダギヤ63が設けられている。シリンダギヤ63の前側には、圧縮コイルスプリングとして構成された付勢バネ67が設けられており、付勢バネ67によって、シリンダギヤ63が、フランジ57Aに押し付けられて、シリンダ57と一体回転可能に構成されている。また、シリンダギヤ63は、中間軸51の中間ギヤ部51Aに噛合している。これにより、モータ43の駆動力によって中間軸51が回転することで、シリンダ57及び先端工具Tがシリンダ57の軸回りに回転する構成になっている。
<ピストン64について> ピストン64は、前側へ開放された略有底円筒状に形成されて、シリンダ57の後部内に前後方向に相対移動可能に挿入されている。ピストン64の底壁には、後側へ延出されたピストン連結部64Aが形成されており、ピストン連結部64Aには、運動変換部材56におけるアーム部56Bの上端部が左右方向を軸方向として回転可能に連結されている。これにより、運動変換部材56が中間軸51と一体に回転するときには、アーム部56Bによってピストン64が前後方向に往復移動する構成になっている。
<打撃子65について> 打撃子65は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、ピストン64の内部に前後方向に相対移動可能に挿入されている。そして、ピストン64内におけるピストン64の底壁と打撃子65との間の空間が、空気室64Bとして構成されている。また、打撃子65の前面には、略中心部において、前側へ開放された凹部65Aが形成されている。
<中間子66について> 中間子66は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、シリンダ57の前端部内に前後方向に相対移動可能に挿入されている。また、中間子66の後端部は、打撃子65の凹部65Aの内部と当接可能に、打撃子65の前側に隣接して配置されている。これにより、ピストン64が前側へ移動して空気室64B内の圧力が上昇することで、打撃子65及び中間子66が前側へ移動して、前後方向に沿った打撃力が先端工具Tに付与される構成になっている。
(操作レバー68について) 図1に示されるように、操作レバー68は、ハンマドリル10の第1本体ハウジング部14の左壁に回動操作可能に設けられると共に、第1本体ハウジング部14の外側に回転操作可能に露出されている。具体的には、操作レバー68が、図1において実線にて示されるハンマドリルモード設定位置と、ハンマドリルモード設定位置から略90度回転したドリル設定位置(図1において2点鎖線にて示される位置)と、の間を回転可能に構成されている。
操作レバー68は、伝達機構50の先端工具Tへの伝達経路を切替える部材として構成されている。また、ハンマドリル10では、先端工具Tを被加工物に押し付けて、被加工物に負荷を付与した状態(以下、この状態を負荷状態という)で、被加工物に対して加工を行うようになっている。具体的には、作業者がハンドルハウジング16の把持部16Aを前側へ押込んで、被加工物に対する加工を行うようになっている。すなわち、ハンドルハウジング16が本体ハウジング13に対して相対移動する方向と、ハンドルハウジング16が押込まれる押込方向と、が一致している。これにより、ハンドルハウジング16が初期位置から本体ハウジング13に対して前側へ相対移動した状態(以下、このハンドルハウジング16の状態を押込状態という)で、被加工物に対する加工を行う構成になっている。
そして、操作レバー68のドリルモード設定位置における負荷状態では、伝達機構50におけるクラッチ55と運動変換部材56との非連結状態が維持される構成になっている。これにより、ハンマドリル10がドリルモードになり、伝達機構50によって先端工具Tに回転力のみが付与される構成になっている。
一方、操作レバー68のハンマドリルモード設定位置における負荷状態では、伝達機構50におけるクラッチ55の噛合い部55Aと運動変換部材56の噛合い部56Aとが噛合い、クラッチ55と運動変換部材56とが連結する構成になっている。これにより、ハンマドリル10がハンマドリルモードになり、伝達機構50による回転力及び打撃力が先端工具Tに付与される構成になっている。
(バッテリパック70) 図1、図6、及び図8示されるように、バッテリパック70は、略直方体に形成されている。バッテリパック70には、上側へ突出したコネクタ部70Aが形成されており、コネクタ部70Aの左右方向両端部には、バッテリ側レール部70Bが形成されている。バッテリ側レール部70Bは、前側から見て略逆L字型状に形成され、前後方向に延在されると共に、前側へ開放されている。そして、バッテリパック70が、ハウジング12のバッテリ取付部16Bに後側から装着されて、ハウジング側レール部16Cがバッテリ側レール部70B内に前後方向にスライド可能に挿入されている(図8(A)参照)。換言すると、バッテリ側レール部70Bが、ハウジング側レール部16Cに前後方向にスライド可能に係合されている。さらに、バッテリパック70のバッテリ取付部16Bへの装着状態では、コネクタ部70Aがコネクタ25に接続されて、バッテリパック70から後述する制御部90へ電力が供給される構成になっている。
また、バッテリパック70の上端部には、コネクタ部70Aの後側において、上側へ隆起した隆起部70Cが形成されている。そして、バッテリパック70のバッテリ取付部16Bへの装着状態では、隆起部70Cが、スペーサ24の下側に隣接して配置されている(図1参照)。具体的には、スペーサ24と隆起部70Cとの間に略隙間のない状態で、バッテリパック70の後端部がスペーサ24の下側に隣接して配置されている。
また、隆起部70Cには、左右一対のロック部材71が設けられており、ロック部材71は、バッテリパック70の左右の側部に配置されている。そして、バッテリパック70のバッテリ取付部16Bへの装着完了時には、ロック部材71がハンドルハウジング16に係合して、バッテリパック70の装着状態が維持される構成になっている。
また、バッテリパック70の前面には、左右一対の突起部70Dが形成されている。突起部70Dは、上側から見て、前側へ凸となる略円弧状に形成されて、バッテリパック70の前面から僅かに突出している。
(バッテリ押え部材80について) 図1~図3、及び図8(B)に示されるように、バッテリ押え部材80は、ゴム等の弾性材によって構成されている。バッテリ押え部材80は、ベース部81を有しており、ベース部81は、前後方向を厚み方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。そして、ベース部81が、第2本体ハウジング部15のガイド挿通孔15Aの下側で且つバッテリパック70の下部の前側において、第2本体ハウジング部15に固定されている。具体的には、第2本体ハウジング部15の下端部の後壁には、後側へ開放された凹状の押え収容部15Eが形成されている。また、押え収容部15Eの開口部には、押え収容部15Eの内側へ突出した抜止部15Fが形成されており、抜止部15Fが押え収容部15Eの開口部の周方向全周に亘って形成されている。そして、ベース部81が、押え収容部15E内に収容されると共に、ベース部81の外周部が、押え収容部15Eの底面と抜止部15Fとによって前後方向に挟み込まれている。これにより、バッテリ押え部材80が、バッテリパック70の前側(ハンドルハウジング16の押込方向側)において、第2本体ハウジング部15に固定されている。
ベース部81の後面には、左右方向両端部において、一対の「リブ」としての押えリブ82A,82Bがそれぞれ形成されている。押えリブ82A,82Bは、上下方向に延在され、左右方向に並んで配置される共に、押え収容部15Eの開口部から後側へ突出している。また、押えリブ82A,82Bは、前後方向に弾性変形可能に構成されている。そして、バッテリ押え部材80の最も左右方向外側に配置された押えリブ82Aの上端部が、バッテリパック70の突起部70Dに当接している。具体的には、前後方向における押えリブ82Aの後端部の位置と突起部70Dの前端部の位置とが一致しており、押えリブ82Aが、隙間のない状態で突起部70Dの前側に隣接配置されている。一方、押えリブ82Aに対して左右方向内側に配置された押えリブ82Bは、バッテリパック70の前側に僅かな隙間を空けて配置されている。
そして、ハンドルハウジング16が初期位置から押込位置へ移動するときには、バッテリパック70が押えリブ82A,82Bを押圧して、押えリブ82A,82Bが圧縮変形する構成になっている。すなわち、バッテリ押え部材80(押えリブ82A,82B)は、ハンドルハウジング16の押込状態において、バッテリパック70を押込方向側から押える部材として構成されている。
(制御部90について) 制御部90は、第2本体ハウジング部15の下端部に設けられている。制御部90には、前述したスイッチ機構22のスイッチ、切替ボタン21、変速スイッチ23、及びバッテリパック70が電気的に接続されている。そして、トリガ20が引き操作されることで、制御部90によってモータ43が駆動して、伝達機構50によってモータ43の駆動力が先端工具Tに伝達される構成になっている。また、制御部90によってモータ43が駆動するときには、切替ボタン21の切替状態に応じて、モータ43の回転方向が設定され、変速スイッチ23に操作位置に応じた回転速度でモータ43が回転する構成になっている。
(作用効果) 次に、バッテリパック70をハウジング12に装着する手順を説明しつつ、本実施の形態の作用効果を説明する。
バッテリパック70をハウジング12に装着するときには、作業者が、一方の手でハンマドリル10の把持部16Aを把持すると共に、他方の手でバッテリパック70を把持する。また、バッテリパック70をハンドルハウジング16の下側で且つ後側に配置する。そして、バッテリパック70のバッテリ側レール部70Bの上下位置をハウジング12のハウジング側レール部16Cの上下位置に合わせると共に、バッテリパック70を前側へ移動して、ハウジング側レール部16Cをバッテリ側レール部70Bの内部に挿入させる。これにより、バッテリパック70がハンドルハウジング16に前後方向にスライド可能に係合する。
ハウジング側レール部16Cのバッテリ側レール部70Bへの挿入後、バッテリパック70をハウジング側レール部16Cに沿って前側へ移動させる。そして、バッテリパック70が装着位置に到達すると、ロック部材71がハンドルハウジング16と係合してバッテリパック70の後側への移動が規制される。また、このときには、バッテリパック70の突起部70Dがバッテリ押え部材80の押えリブ82Aの後側に隣接して配置されると共に、バッテリパック70の隆起部70Cがスペーサ24の下側に隣接して配置されている。これにより、バッテリパック70の装着が完了する。
そして、ハンマドリル10における被加工物に対する加工時には、作業者がハンマドリル10の把持部16Aを前側へ押して、先端工具Tを被加工物に押し付ける。これにより、ハンドルハウジング16に前側の荷重が作用して、防振機構30が作動する。具体的には、防振機構30におけるダンパ部31が圧縮変形して、ハンドルハウジング16が、初期位置から押込位置側へ変位すると共に、本体ハウジング13に対して前側へ相対移動する。これにより、ハンマドリル10のモータ43の作動時に生じる振動がダンパ部31によって吸収されて、ハンドルハウジング16に伝達される振動が低減される。その結果、ハンマドリル10の作業性を向上することができる。
また、バッテリパック70はハンドルハウジング16に装着されているため、ハンドルハウジング16が初期位置から押込位置側へ移動するときには、バッテリパック70も本体ハウジング13に対して前側へ相対移動する。これにより、バッテリパック70がバッテリ押え部材80の押えリブ82A,82Bを押圧して、押えリブ82A,82Bが圧縮変形する。したがって、ハンマドリル10の作動時におけるバッテリパック70の振動をバッテリ押え部材80(押えリブ82A,82B)によって吸収することができる。その結果、バッテリパック70の装着状態を良好に維持することができる。
ここで、ハンマドリル10では、ハウジング12が本体ハウジング13とハンドルハウジング16とを含んで構成されており、ハンドルハウジング16が、防振機構30によって本体ハウジング13に対して前後方向に相対移動可能に連結されている。そして、上述のように、バッテリパック70が、ハンドルハウジング16のバッテリ取付部16Bに着脱自在に装着され、バッテリ押え部材80が、本体ハウジング13に設けられている。すなわち、ハウジング12において、バッテリパック70が装着されるハウジング部と、バッテリ押え部材80が設けられているハウジング部と、が別々のハウジング部として構成され、両ハウジング部が相対移動可能に構成されている。そして、バッテリ押え部材80が、バッテリパック70と本体ハウジング13(第2本体ハウジング部15)との間に配置されている。具体的には、バッテリ押え部材80がバッテリパック70に対して前側(押込方向側)に配置されている。
このため、ハンマドリル10の非作業時(ハンドルハウジング16の初期位置)においてバッテリ押え部材80によってバッテリパック70を押えない設定にしても、ハンマドリル10の作業時(ハンドルハウジング16の押込状態)には、バッテリパック70がバッテリ押え部材80を押圧するため、バッテリ押え部材80によってバッテリパック70を押えることができる。これにより、バッテリパック70の装着時においてバッテリ押え部材80が圧縮変形することを抑制できる。したがって、バッテリパック70の装着荷重を低減することができる。また、ハンマドリル10の作業時にはバッテリ押え部材80によってバッテリパック70が押えられるため、バッテリパック70の振動を抑制することができる。以上により、バッテリパック70の振動を抑制しつつ、バッテリパック70の装着性を向上することができる。
また、ハンドルハウジング16が初期位置から押込位置側へ向かうに従い、バッテリ押え部材80(押えリブ82A,82B)の圧縮変形量が大きくなる。このため、作業者のハンドルハウジング16への押込力が増加するに従い、バッテリ押え部材80(押えリブ82A,82B)からバッテリパック70に作用する反力が高くなる。これにより、ハンマドリル10の作業時におけるバッテリパック70の振動を効果的に抑制することができる。
また、バッテリパック70の装着時には、バッテリパック70の突起部70Dが、バッテリ押え部材80の押えリブ82Aに当接している。具体的には、押えリブ82Aが、略圧縮変形しない状態で、突起部70Dの前側に隣接して配置されている。これにより、バッテリパック70の装着荷重が高くなることを抑制しつつ、ハンドルハウジング16の初期位置におけるバッテリパック70の前後方向のがたつきを押えリブ82Aによって抑制することができる。すなわち、作業者によってハンドルハウジング16が前側へ押込まれたときに、押えリブ82Aを直ちに圧縮変形させて、バッテリパック70を押えることができる。
また、バッテリ押え部材80は、バッテリパック70側へ突出した複数の押えリブ82A,82Bを有している。このため、ハンマドリル10の作動時においてバッテリパック70に伝達される振動をバッテリ押え部材80(押えリブ82A,82B)によって効果的に吸収することができる。すなわち、例えば、仮にバッテリ押え部材80において押えリブ82A,82Bを省略して、ベース部81の厚みを厚くしてベース部81によってバッテリパック70を押える構成にした場合(以下、このバッテリ押え部材80を比較例のバッテリ押え部材80という)には、バッテリ押え部材80のばね性(ばね定数)が高くなる。このため、ハンマドリル10の作動時には、比較的高いばね性を有するバッテリ押え部材80の後面が、バッテリパック70を受けるため、モータ43などの振動が直接的にバッテリパック70に伝達される。これにより、バッテリパック70に伝達される振動に対するバッテリ押え部材80の吸収効果が低減する可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、バッテリ押え部材80が、バッテリパック70側へ突出した複数の押えリブ82A,82Bを有している。これにより、バッテリ押え部材80(押えリブ82A,82B)のばね性を上記比較例のバッテリ押え部材80よりも低くすることができる。このため、ハンドルハウジング16の本体ハウジング13に対する前側への相対移動時に、押えリブ82A,82Bを良好に圧縮変形させてバッテリパック70に押えることができる。これにより、モータ43などの振動を押えリブ82A,82Bによって良好に吸収することができる。したがって、バッテリ押え部材80における振動吸収効果を高くすることができる。
しかも、一対の押えリブ82A,82Bが、バッテリ押え部材80の左右方向両端部に設けられている。これにより、ハンマドリル10の作業時にハンドルハウジング16が前側へ押込まれたときには、押えリブ82A,82Bによってバッテリパック70の左右方向両端側部分を支持することができる。これにより、バッテリパック70の左右方向の振れを抑制することができる。したがって、バッテリパック70の装着状態を良好に維持することができる。
また、ハンドルハウジング16の初期位置では、一方の押えリブ82Aがバッテリパック70の突起部70Dに当接しており、他方の押えリブ82Bが、バッテリパック70の前側へ僅かな隙間を空けて離間して配置されている。このため、バッテリパック70の装着時にハンドルハウジング16が本体ハウジング13に対して前側へ仮に相対移動して、バッテリパック70が押えリブ82A,82Bに当接しても、押えリブ82A,82Bの圧縮変形量を極力少なくすることができる。
また、ハウジング12では、防振機構30によってハンドルハウジング16が本体ハウジング13に対して相対移動可能に構成されている。そして、防振機構30は、ハンドルハウジング16と本体ハウジング13の連結部13Aとを連結するダンパ部31を有しており、ダンパ部31が、ハンドルハウジング16のエラストマにより構成された層の一部を構成している。これにより、ハンドルハウジング16の表面をカバーするエラストマの層を活用して、ハンドルハウジング16を本体ハウジング13に対して相対移動可能に連結することができる。
また、バッテリパック70はバッテリ側レール部70Bを有しており、バッテリ側レール部70Bがハウジング12のハウジング側レール部16Cに前後方向にスライド可能に係合している。そして、バッテリ押え部材80が、前後方向においてバッテリパック70とハウジング12の第2本体ハウジング部15との間に配置されている。具体的には、バッテリ押え部材80が、バッテリパック70の前側(装着方向側)に配置されている。このため、バッテリパック70のハウジング12への装着途中にバッテリ押え部材80の押えリブ82Aをバッテリパック70に当接することを抑制できる。すなわち、バッテリパック70の装着完了時に押えリブ82Aをバッテリパック70に当接させることができる。これにより、バッテリパック70の装着荷重を一層低減することができる。
また、防振機構30は、ガイド機構32を有しており、ハンドルハウジング16の本体ハウジング13に対する前後方向の相対移動がガイド機構32によってガイドされている。これにより、ハンマドリル10の作動時におけるハンドルハウジング16の左右方向の振れを抑制してハンドルハウジング16を本体ハウジング13に対して前後方向に相対移動させることができる。
また、防振機構30は、ハンドルハウジング16の上端部及び下端部の2箇所に設けられている。これにより、ハンマドリル10の作動時に、ハンドルハウジング16の下端部を前側へ良好に移動させて、バッテリパック70によって押えリブ82A,82Bを圧縮変形させることができる。したがって、ハンマドリル10の作動時におけるバッテリパック70の振動を良好に抑制することができる。
また、ハンドルハウジング16の抉り部16Dには、スペーサ24が設けられており、スペーサ24がバッテリパック70の隆起部70Cに当接している。つまり、スペーサ24がバッテリパック70の後側の上端部に当接している。これにより、ハンマドリル10の作動時におけるバッテリパック70の振動を効果的に抑制することができる。すなわち、ハンドルハウジング16が前側へ移動してバッテリパック70がバッテリ押え部材80を押圧するときには、バッテリパック70の前側下部に後側への反力が作用する。このため、バッテリパック70には、左側から見て反時計回りの回転モーメントが作用する。これにより、バッテリパック70の隆起部70Cが上側へ変位するように回転しようする。ここで、隆起部70Cの上側には、スペーサ24が設けられており、スペーサ24が隆起部70Cに当接している。これにより、隆起部70Cがスペーサ24を上側へ押し付けて、スペーサ24が圧縮変形する。すなわち、バッテリパック70が、バッテリ押え部材80とスペーサ24とによって挟まれるようになる。したがって、ハンマドリル10の作動時におけるバッテリパック70の振動を効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態では、押えリブ82Aが、バッテリパック70の突起部70Dに当接する構成になっているが、図9に示されるように、初期位置において押えリブ82A,82Bをバッテリパック70に対して前側へ離間させる構成にしてもよい。例えば、押えリブ82Aのベース部81からの突出高さを本実施の形態よりも低くして、前後方向において、押えリブ82A、82Bとバッテリパック70との間に僅かな隙間を空けてもよい。また、図9に示される変形例においても、押込位置においては押えリブ82A、82Bがバッテリパック70に当接し、圧縮変形する。この場合においても、バッテリパック70の装着荷重を低減することができると共に、ハンマドリル10の作動時におけるバッテリパック70の振動を抑制することができる。
また、本実施の形態では、バッテリ押え部材80の左右方向両端部に、一対の押えリブ82A,82Bが形成されている。すなわち、バッテリ押え部材80に、4本の押えリブが形成されているが、バッテリ押え部材80における押えリブの本数は任意に設定することができる。例えば、バッテリ押え部材80において、押えリブを5本以上形成してもよい。この場合には、押えリブをバッテリ押え部材の左右方向中間部に形成してもよい。また、例えば、バッテリ押え部材80において押えリブ82A,82Bを省略して、バッテリ押え部材80の後面をバッテリパック70に当接するように、バッテリ押え部材80の厚みを設定してもよい。