JP7468460B2 - 疲労強度に優れた回し溶接継手および回し溶接方法 - Google Patents
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Description
〔1〕ガセットを主板に回し溶接して得られる溶接継手であって、前記ガセットと前記主板とを隅肉溶接によって前記ガセットの長辺の一方の側から前記ガセットの短辺を通過し、前記ガセットの長辺の他方の側に至るよう連続的に盛られた第1溶接ビードを有し、さらに前記ガセット長辺の一方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸して形成された第2溶接ビードと、前記ガセット長辺の他方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸して形成された第3溶接ビードとを有し、前記第2溶接ビードの延伸部と前記第3溶接ビードの延伸部との間隔Mが前記ガセットの短辺の長さW以下(M≦W)であることを特徴とする回し溶接継手。
〔2〕〔1〕において、前記ガセットの短辺の長さWが30.0mm以下であり、前記間隔Mが10.0mm以下であることを特徴とする回し溶接継手。
〔3〕〔1〕または〔2〕において、前記間隔Mが1.0mm~4.0mmであることを特徴とする回し溶接継手。
〔4〕〔1〕ないし〔3〕のいずれか一つにおいて、前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板幅または板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.75×10-8m/cycle以下であることを特徴とする回し溶接継手。
〔5〕〔1〕ないし〔4〕のいずれか一つにおいて、前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.00×10-8m/cycle以下であることを特徴とする回し溶接継手。
〔6〕ガセットを主板に回し溶接して接合する溶接方法において、前記ガセットと前記主板とを隅肉溶接によって前記ガセットの長辺の一方の側から前記ガセットの短辺を通過し、前記ガセットの長辺の他方の側に至るよう連続的に盛られた第1溶接ビードを形成し、前記ガセット長辺の一方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸する第2溶接ビードを形成し、前記ガセット長辺の他方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸する第3溶接ビードを形成し、前記第2溶接ビードの延伸部と前記第3溶接ビードの延伸部との間隔Mを前記ガセットの短辺の長さW以下(M≦W)とすることを特徴とする回し溶接方法。
〔7〕〔6〕において、前記ガセットの短辺の長さWを30.0mm以下とし、前記間隔Mを10.0mm以下とすることを特徴とする回し溶接方法。
〔8〕〔6〕または〔7〕において、前記間隔Mを1.0mm~4.0mmとすることを特徴とする回し溶接方法。
〔9〕〔6〕ないし〔8〕のいずれか一つにおいて、前記回し溶接を行うにあたって、前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板幅または板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.75×10-8m/cycle以下であることを特徴とする回し溶接方法。
〔10〕〔6〕ないし〔9〕のいずれか一つにおいて、前記回し溶接を行うにあたって、前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.00×10-8m/cycle以下であることを特徴とする回し溶接方法。
ガセットの板厚は、前述したガセットの短辺の長さWのことであり、具体的には、5.0mm~30.0mmが好ましい。また、ガセットの板長がガセットの長辺の長さであり、具体的には、30.0mm~1,000.0mmが好ましい。さらに、ガセットの板幅がガセットの高さであり、具体的には、50.0mm~1,000.0mmが好ましい。
ガセットの鋼種としては、SM400などが挙げられ、引張強度は、400MPa~720MPaの範囲が好ましい。
主板の形状としては、特に規定されるものではなく、どのような形状であっても適用することができるが、一般的には、板状であれば、板厚は、9.0mm~80.0mmが好ましい。
次に、図面を用いて本発明の溶接継手および施工手順を具体的に説明する。
図1は、本発明に係る回し溶接継手の例を模式的に示す概略斜視図であり、図2の(a)~(c)は、その回し溶接継手を得るための溶接施工の手順を模式的に示す概略平面図である。なお、図3において、ガセット2が主板1に当接する矩形当接面2aは、ガセット2を主板1に投影した矩形線の形状と一致する。
まず、図2(a)に示すように、ガセット2の全周に亘って第1溶接ビード3を形成する。第1溶接ビード3は、ガセット2の周囲を回り込むように形成されているので、ガセット2の短辺よりも長くなり、短辺の周辺領域における溶接ビードの健全性を確保している。
以上のような手順で図2(c)に示す溶接ビード3、4および5を形成した溶接継手の延伸部周辺を拡大したのが、図4である。主板1上に延伸して形成された第2溶接ビード4の延伸部4aと第3溶接ビード5の延伸部5aとの間隔Mがガセット2の短辺の長さWよりも大きくなると、第2溶接ビード4と第3溶接ビード5との間の第1溶接ビード3の溶接止端部に起点を持つ疲労亀裂が発生し易くなる。したがって、上記の間隔Mは、短辺の長さW以下(M≦W)とする。ここで、間隔Mは、第2溶接ビード4の延伸部4aと第3溶接ビード5の延伸部5aとの間の最も短い距離を指す。
回し溶接を行なう溶接方法は、被覆アーク溶接法、ガスメタルアーク溶接法が主であるが、それ以外の手段についても適宜用いることができ、手動溶接または自動溶接いずれを採用しても良い。
溶接継手および鋼板(ガセット、主板)の耐疲労亀裂伝播特性は、ASTM E647の規格に準拠した疲労亀裂伝播試験により、応力拡大係数範囲ΔKと疲労亀裂伝播速度(da/dN)を求めて評価している。この応力拡大係数範囲ΔKとは、ΔK=Kmax-Kminであり、応力拡大係数の最大値と最小値の差を表している。また、疲労亀裂伝播速度(da/dN)は、試験片に一定荷重が繰り返し負荷されると疲労亀裂が伝播し、そのときの速度(疲労亀裂伝播速度)は、亀裂長さaと繰り返し数Nの関係を表す曲線の接線(da/dN)として求められる。
主板1(板厚:12mm、板幅:80mm、長さ:500mm)にガセット2(板厚:25mm、板幅:75mm、高さ:60mm)をフラックス入り溶接ワイヤを用いたガスシールドアーク溶接によって回し溶接を行い、溶接継手を作製した。フラックス入り溶接ワイヤは、(株)神戸製鋼所製MX-Z200(ワイヤ径1.2mm)を用い、溶接条件は電圧240V、電流36Aを狙いとし、脚長が8mm程度となるよう溶接を行った。ガセット2は、主板1の板幅および長さ方向それぞれの中央に位置するようにした。主板1およびガセット2には、表1に示す成分を有する材料を使用した。
2 ガセット
2a 矩形当接面
3 第1溶接ビード
3a 溶接止端部
4、6 第2溶接ビード
5、7 第3溶接ビード
4a 第2溶接ビードの延伸部
5a 第3溶接ビードの延伸部
Claims (10)
- ガセットを主板に回し溶接して得られる溶接継手であって、前記ガセットと前記主板とを隅肉溶接によって前記ガセットの全周に亘って、前記ガセットの周囲を回り込むように形成された第1溶接ビードを有し、さらに前記ガセット長辺の一方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸して形成された第2溶接ビードと、前記ガセット長辺の他方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸して形成された第3溶接ビードとを有し、前記第2溶接ビードの延伸部と前記第3溶接ビードの延伸部との間隔Mが前記ガセットの短辺の長さW以下(M≦W)であることを特徴とする回し溶接継手。
- 前記ガセットの短辺の長さWが30.0mm以下であり、前記間隔Mが10.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の回し溶接継手。
- 前記間隔Mが1.0mm~4.0mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の回し溶接継手。
- 前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板幅または板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.75×10-8m/cycle以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の回し溶接継手。
- 前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.00×10-8m/cycle以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の回し溶接継手。
- ガセットを主板に回し溶接して接合する溶接方法において、前記ガセットと前記主板とを隅肉溶接によって前記ガセットの全周に亘って、前記ガセットの周囲を回り込むように第1溶接ビードを形成し、前記ガセット長辺の一方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸する第2溶接ビードを形成し、前記ガセット長辺の他方の側の前記第1溶接ビードに沿って前記主板上に延伸する第3溶接ビードを形成し、前記第2溶接ビードの延伸部と前記第3溶接ビードの延伸部との間隔Mを前記ガセットの短辺の長さW以下(M≦W)とすることを特徴とする回し溶接方法。
- 前記ガセットの短辺の長さWを30.0mm以下とし、前記間隔Mを10.0mm以下とすることを特徴とする請求項6に記載の回し溶接方法。
- 前記間隔Mを1.0mm~4.0mmとすることを特徴とする請求項6または7に記載の回し溶接方法。
- 前記回し溶接を行うにあたって、前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板幅または板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.75×10-8m/cycle以下であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか一項に記載の回し溶接方法。
- 前記回し溶接を行うにあたって、前記主板の応力拡大係数範囲ΔKが15MPa・m1/2である場合に、前記主板の板厚方向への疲労亀裂伝播速度が1.00×10-8m/cycle以下であることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか一項に記載の回し溶接方法。
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