JP7468451B2 - 電磁ブレーキ付き電動モータ - Google Patents

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Description

この発明は、電磁ブレーキ付き電動モータに関する。
電磁ブレーキ付き電動モータの従来技術としては、例えば、特許文献1に開示されたブレーキ付モータが知られている。特許文献1に開示されたブレーキ付モータは、筒状のモータフレームと、モータフレームの軸方向の一端側(負荷側)にギアブラケットを介して接続されるギアヘッドと、モータフレームの他端側(反負荷側)にモータブラケットを介して接続されるファンカバーと、ファンカバー内でモータブラケットとファンとの間に設けられるブレーキと、モータフレームの上面に設置された端子箱とを備えている。モータブラケットの反負荷側の面に、ブレーキフィールドを保持してブレーキの外側を覆う短筒状の防水スペーサがボルト止めされて、モータブラケットと防水スペーサとの接触面には、Oリングが設けられている。モータブラケットの負荷側でモータ軸の貫通部分には、オイルシールが設けられている。
また、別の従来技術としては、例えば、特許文献2に開示された電磁ブレーキ付き車両用モータが知られている。特許文献2の電磁ブレーキ付き車両用モータは、モータケースからの回転軸の突出部を囲む状態でモータケースから突出した位置決め凸部を有する。また、この電磁ブレーキ付き車両用モータは、位置決め凸部を取り囲む円環状の位置決め部材を備える。位置決め部材は、ブレーキステータの内周部に凹設された位置決め凹部の内側に隙間嵌めされている。そして、電磁ブレーキ付き車両用モータは、回転軸の軸方向に沿って位置決め部材と位置決め凹部とに挟まれているシールリングを備える。
特開2020-150662号公報 特開2017-73949号公報
しかしながら、特許文献1のような電磁ブレーキ付き電動モータでは、モータエンドブラケット(モータブラケット)がモータの端部を密閉するように覆うブラケットであり、モータから電磁ブレーキへ貫通する通風口を有するモータエンドブラケットでは、電磁ブレーキに対する防水は不可能である。また、特許文献1のような電磁ブレーキ付き電動モータでは、モータエンドブラケットと電磁ブレーキとの間に防水のためスペーサを介在するので、スペーサを介在した分だけ回転軸の軸方向のスペースが拡大し、電磁ブレーキ付き電動モータの大型化を招く。
また、特許文献2の電磁ブレーキ付き車両用モータでは、シールリングを備える位置決め部材を用いて電磁ブレーキへの浸水を抑制できるものの、ボルトを用いて位置決め部材をモータケースに固定する必要がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、モータから電磁ブレーキへ貫通する通風口を有するモータエンドブラケットであっても電磁ブレーキに対する確実な防水を可能とする電磁ブレーキ付き電動モータの提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、ロータおよびステータを有する電動モータ本体と、前記電動モータ本体の出力側端部の反対側の反出力側端部を覆うエンドブラケットと、前記エンドブラケットに固定され、前記ロータの回転を制動する電磁ブレーキと、を備えた電磁ブレーキ付き電動モータにおいて、前記エンドブラケットは、前記電動モータ本体から前記電磁ブレーキへ向けて貫通する通風口を有し、前記エンドブラケットと前記電磁ブレーキとの間に介在され、前記エンドブラケットと前記電磁ブレーキとにより挟圧される有孔プレートと、前記有孔プレートの電磁ブレーキ側の面に設けられ、前記電磁ブレーキと密接する第1環状シール部材と、前記有孔プレートのエンドブラケット側の面に設けられ、前記エンドブラケットと密接する第2環状シール部材と、を備え、前記第1環状シール部材は、前記通風口よりも径方向の外側に位置し、前記第2環状シール部材は、前記通風口よりも径方向の中心側に位置することを特徴とする。
本発明では、有孔プレートがエンドブラケットと電磁ブレーキとの間に介在され、エンドブラケットと電磁ブレーキとにより挟圧される。第1環状シール部材は、電磁ブレーキと密接し、第2環状シール部材はエンドブラケットと密接するので、エンドブラケットと電磁ブレーキとの間に浸入する水分は、第1環状シール部材および第2環状シール部材に妨げられる。その結果、電動モータ本体から電磁ブレーキへ向けて開口する通風口を有しているエンドブラケットであっても、電磁ブレーキに対する確実な防水が可能となる。
また、上記の電磁ブレーキ付き電動モータにおいて、前記エンドブラケットは、前記通風口の径方向の外側に形成される段差部を備え、前記段差部は、前記エンドブラケットと前記電磁ブレーキとの間に間隙を形成し、前記有孔プレートは、前記間隙に配置される構成としてもよい。
この場合、エンドブラケットの段差部によりエンドブラケットと電磁ブレーキとの間に間隙が形成される。有孔プレートはエンドブラケットと電磁ブレーキとの間の間隙に配置される。有孔プレートが配置されても電磁ブレーキ付き電動モータの回転軸の軸方向にスペースが拡大することはなく、電磁ブレーキ付き電動モータの大型化を防止できる。
また、上記の電磁ブレーキ付き電動モータにおいて、前記第1環状シール部材および前記第2環状シール部材は、前記有孔プレートに貼着されている構成としてもよい。
この場合、第1環状シール部材および第2環状シール部材が有孔プレートに貼着されることで、第1環状シール部材、第2環状シール部材および有孔プレートが一体化され、電磁ブレーキ付き電動モータの組付作業が、第1環状シール部材、第2環状シール部材および有孔プレートが一体化されていない場合と比較して容易となる。
また、上記の電磁ブレーキ付き電動モータにおいて、前記第1環状シール部材および前記第2環状シール部材は、スポンジゴムにより形成されている構成としてもよい。
この場合、スポンジゴムは発泡体であるので、発泡されていないゴム系材料と比較すると、弾性変形は大きくシール機能に優れている。
本発明によれば、モータから電磁ブレーキへ貫通する通風口を有するモータエンドブラケットであっても電磁ブレーキに対する確実な防水を可能とする電磁ブレーキ付き電動モータを提供できる。
実施形態に係る電磁ブレーキ付電動モータを一部破断して示す側面図である。 実施形態に係る電磁ブレーキ電動モータの要部の分解斜視図である。 図2におけるA-A線矢視図である。 (a)は有孔プレートの電磁プレート側の板面から見た斜視図であり、(b)は有孔プレートの電動モータ本体側の板面からみた斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る電磁ブレーキ付き電動モータについて図面を参照して説明する。本実施形態の電磁ブレーキ付き電動モータは、車両に搭載される走行用の電磁ブレーキ付き電動モータであり、車両は産業車両としてのフォークリフトである。
図1に示すように、電磁ブレーキ付き電動モータ(以下、単に「電動モータ」)10は、ロータ12とステータ13とを備えた電動モータ本体11と、電動モータ本体11のロータ12の回転を制動可能とする電磁ブレーキ14と、を備えている。
ロータ12は、ロータコア15と、ロータコア15を貫通して固定されている回転軸16と、を有している。回転軸16はロータ12の両端から突出する。ステータ13は、円筒状のステータコア17およびステータコイル18を備えている。ステータコア17の両端部にはステータコイル18のコイルエンド19が形成されている。図1では一方の端部のコイルエンド19は図示されず、他方の端部のコイルエンド19のみが図示される。
電動モータ本体11は、ステータ13の一方の端部に取り付けられるフロントブラケット21と、ステータ13の他方の端部に取り付けられるエンドブラケット22と、を備えている。フロントブラケット21は、軸受(図示せず)を介して出力軸側の回転軸16を回転可能に支持する。エンドブラケット22は、軸受23を介して回転軸16において出力軸の反対側となる軸部を回転可能に支持する。つまり、フロントブラケット21は、ステータ13の出力側端部を覆い、エンドブラケット22はステータ13の出力側端部の反対側の反出力側端部を覆う。フロントブラケット21およびエンドブラケット22は通しボルト(図示せず)により連結されている。回転軸16の一部は、出力軸としてフロントブラケット21から突出している。また、回転軸16の一部は、エンドブラケット22から突出している。エンドブラケット22には電磁ブレーキ14が取り付けられている。電磁ブレーキ14の詳細については後述する。
エンドブラケット22には端子台24が設けられている。ステータコイル18の他方のコイルエンド19からリード線25が引き出されており、引き出されたリード線25は端子台24に引き込まれている。端子台24は、リード線25と接続されるとともに、外部機器(例えば、インバータ)と接続する外部配線と接続可能な端子部(図示せず)を有している。リード線25は、電動モータ本体11へ電力供給するための配線である。
ここで、エンドブラケット22の構造について詳しく説明する。図1に示すように、エンドブラケット22の中心には、回転軸16が挿通される軸孔26が形成されている。エンドブラケット22のモータ側端面27には、回転軸16を支持する軸受23の装着のための凹部28が形成されている。図2に示すように、エンドブラケット22のブレーキ側端面29には、電磁ブレーキ14と嵌合する嵌合部31が設けられている。
嵌合部31は、ブレーキ側端面29において軸孔26から径方向外側へ向けて延在し、電磁ブレーキ14と嵌合する部位である。本実施形態では、3つの嵌合部31が周方向において120°の角度を保ち放射状に配置されている。図2、図3に示すように、嵌合部31には外周付近に形成された外段差部32と、軸孔26付近に形成された内段差部33とにより、電磁ブレーキ14側に突出する突出部34が形成されている。嵌合部31において突出部34よりも外周側にねじ孔35が形成されている。外段差部32は、次に説明する通風口37の径方向の外側に形成される段差部に相当する。
エンドブラケット22は、電動モータ本体11から電磁ブレーキ14へ向けて軸方向に貫通する複数の通風口37を備えている。通風口37は、嵌合部31の間に形成されており、電磁ブレーキ14側からみて扇状である。したがって、3個の通風口37は回転軸16の軸心Pを中心に周方向に略環状に形成されている。通風口37は、電動モータ本体11の周囲の空気の流れを促進して、電動モータ本体11を冷却し易くするために設けられている。ブレーキ側端面29において通風口37よりも外側の面38は、ブレーキ側端面29よりも回転軸16の軸方向において電動モータ本体11側に位置する。
次に、電磁ブレーキ14について説明する。電磁ブレーキ14は、ブレーキステータ41と、ブレーキアーマチャ42と、固定板43と、ブレーキハブ44と、ブレーキロータ45と、防水カバー46と、を有している。
ブレーキステータ41は、中央に回転軸16が貫通する貫通孔47を備える円筒状(円環状)の部材である。ブレーキステータ41には、電磁コイル48が内蔵されている。電磁コイル48は、通電を受けることによりブレーキステータ41を励磁し、通電の停止によりブレーキステータ41を非励磁とする。
ブレーキステータ41のモータ側端面49には、段差部51が形成されている。ブレーキステータ41のブレーキ側端面52は面一である。段差部51が形成されていることにより、モータ側端面49において段差部51よりも径方向の外側の部位は、段差部51の径方向の中心側の部位よりもブレーキステータ41の軸方向の長さ(厚さ)が大きい。段差部51はエンドブラケット22の外段差部32と嵌合し、段差部51の外段差部32への嵌合により、ブレーキステータ41は、エンドブラケット22に対して位置決め(芯出し)される。ブレーキステータ41は、ボルト53を挿通する通孔54を有しており、通孔54に挿通されたボルト53がねじ孔35に螺入されることによりエンドブラケット22に固定される。なお、モータ側端面49はエンドブラケット22の面38と離間しており、外部と通風口37とを通じる空間を形成する。
ブレーキステータ41は、電磁コイル48よりも外周側に複数のコイルばね55を内蔵している。複数のコイルばね55は、ブレーキステータ41の周方向へ等間隔おきに配置されている。各コイルばね55は、コイルばね55の中心軸が回転軸16の軸心Pに沿うようにブレーキステータ41に内蔵されている。コイルばね55は、ブレーキアーマチャ42を付勢する付勢部材である。
ブレーキアーマチャ42は、回転軸16の軸心P方向においてブレーキステータ41と対向する。ブレーキアーマチャ42は、円板状であり、中央部を回転軸16が貫通している。ブレーキアーマチャ42は、回転軸16の軸心P方向に移動可能である。また、ブレーキステータ41に内蔵されているコイルばね55は、軸方向の一端がブレーキステータ41に連結され、ブレーキステータ41から突出した軸方向の他端がブレーキアーマチャ42に連結されている。コイルばね55は、ブレーキアーマチャ42を、回転軸16の軸方向に沿ってブレーキステータ41から離間する方向へ付勢する。
電磁コイル48への通電によってブレーキステータ41が励磁されると、ブレーキアーマチャ42は、コイルばね55の付勢力に抗してブレーキステータ41に吸着される。電磁コイル48へ通電されず、ブレーキステータ41が非励磁のときは、ブレーキアーマチャ42は、コイルばね55の付勢力を受けてブレーキステータ41から離間する方向へ移動する。
電磁ブレーキ14は、ブレーキステータ41に固定された円板状の固定板43を備える。固定板43は、回転軸16の軸方向に沿ってブレーキステータ41から一定の距離を離れて位置する。ブレーキステータ41および固定板43は回転軸16の軸心P方向に並んで配置されている。図2に示すように、固定板43は、固定板43およびブレーキアーマチャ42を貫通したボルト59をブレーキステータ41に締結することで、ブレーキステータ41に固定されている。ブレーキアーマチャ42は、回転軸16の軸方向において、ブレーキステータ41と固定板43の間に配設されている。
電磁ブレーキ14は、回転軸16と一体回転するブレーキハブ44を備え、このブレーキハブ44にはブレーキロータ45が一体に固定されている。ブレーキロータ45は円板状であり、回転軸16の軸心P方向において、ブレーキアーマチャ42と固定板43の間に配設され、回転軸16の軸心P方向に移動可能である。電磁ブレーキ14は、電磁ブレーキ14を固定板43側から覆う防水カバー46を備える。防水カバー46は、蓋部56と、蓋部56の縁部に一体形成された円筒状の周壁部57とを有する。周壁部57は、固定板43と、ブレーキロータ45と、ブレーキアーマチャ42を径方向外側から覆う。
このように構成される電磁ブレーキ14では、電磁コイル48が励磁されると、ブレーキアーマチャ42がブレーキステータ41に吸着され、ブレーキアーマチャ42がブレーキロータ45から離間し、ブレーキロータ45の固定板43への押し付けが解除される。その結果、回転軸16が制動状態から開放され、回転自在となる。
一方、電磁コイル48が励磁されない場合には、コイルばね55によってブレーキアーマチャ42がブレーキロータ45に向けて押し付けられ、ブレーキロータ45が固定板43に押し付けられる。その結果、ブレーキロータ45がブレーキアーマチャ42と固定板43によって挟み込まれる。その結果、ブレーキアーマチャ42とブレーキロータ45との間で発生する摩擦力により回転軸16が制動状態となる。つまり、パーキングブレーキが作動する。
ところで、電磁ブレーキ14が電動モータ本体11に取り付けられた状態では、エンドブラケット22のブレーキ側端面29とブレーキステータ41のモータ側端面49との間に間隙58が形成される。間隙58は、エンドブラケット22の嵌合部31における内段差部33よりも径方向の中心側に形成されている。間隙58には、エンドブラケット22とブレーキステータ41との間をシールするために、有孔プレート61と、第1環状シール部材62と、第2環状シール部材63と、が介在されている。有孔プレート61はエンドブラケット22の内段差部33によって位置決めされる。有孔プレート61は、エンドブラケット22と電磁ブレーキ14とにより挟圧される。
図3に示すように、有孔プレート61は、金属製の円板であり、有孔プレート61の中心には回転軸16が挿通される円形孔64を有している。図4(a)に示すように、有孔プレート61のブレーキステータ41と対向する板面65における外周縁付近には、第1環状シール部材62が貼着されている。図4(b)に示すように、有孔プレート61のエンドブラケット22と対向する板面66における円形孔64付近には、第2環状シール部材63が貼着されている。したがって、有孔プレート61が間隙58に配置された状態では、第1環状シール部材62は、通風口37よりも径方向外側の内段差部33付近においてブレーキステータ41と対向し、第2環状シール部材63は、通風口37よりも径方向中心側においてエンドブラケット22と対向する。なお、板面65は有孔プレート61の電磁ブレーキ側の面に相当し、板面66は、有孔プレート61のエンドブラケット側の面に相当する。
本実施形態の第1環状シール部材62および第2環状シール部材63は、環状のシール部材であり、EPDM等の混和物を半独立半連続状態で発泡させた高機能発泡体を主体とするスポンジゴムであり、水密特性および気密特性を有する。第1環状シール部材62および第2環状シール部材63の断面は矩形である。第1環状シール部材62および第2環状シール部材63は、有孔プレート61の中心を同じとする同心円状に貼着されている。
ところで、有孔プレート61の板厚は、間隙58の軸心P方向距離よりも小さく設定されているが、第1環状シール部材62および第2環状シール部材63の厚さを加算した厚さは、間隙58の軸心P方向距離よりも大きい。つまり、有孔プレート61の板厚と間隙58の軸心P方向距離との差は、第1環状シール部材62の厚さと第2環状シール部材63の厚さとを加算した厚さよりも小さい。したがって、有孔プレート61が間隙58に配置された状態では、第1環状シール部材62および第2環状シール部材63は回転軸16の軸心方向の圧縮力を受けて弾性変形する。
次に、本実施形態の電磁ブレーキ付き電動モータ10における防水について説明する。図3に示す電磁ブレーキ付き電動モータ10では、電磁ブレーキ14は、ボルト53の締結によりエンドブラケット22に固定されている。電磁ブレーキ14が、エンドブラケット22に固定された状態では、有孔プレート61は、エンドブラケット22とブレーキステータ41とより狭圧されて保持される。有孔プレート61が狭圧されているため、第1環状シール部材62および第2環状シール部材63は回転軸16の軸心P方向に沿って潰れるように弾性変形する。したがって、第1環状シール部材62はブレーキステータ41に密接し、第2環状シール部材63はエンドブラケット22に密接する。
図3に示す電磁ブレーキ付き電動モータ10では、電動モータ本体11と電磁ブレーキ14との間から水分が回転軸16へ向かって入り込むことが可能である。第1環状シール部材62は、ブレーキステータ41のモータ側端面49に沿って貫通孔47へ入り込もうとする水分を遮る。また、第2環状シール部材63は、エンドブラケット22のブレーキ側端面29に沿って貫通孔47へ入り込もうとする水分を遮る。このため、水分は貫通孔47に入り込むことができず、ブレーキアーマチャ42、固定板43、ブレーキハブ44およびブレーキロータ45は水分による悪影響を受け難くなる。なお、エンドブラケット22の嵌合部31とブレーキステータ41との間に入り込む水分についても、第1環状シール部材62および第2環状シール部材63により貫通孔47への浸入が妨げられる。
本実施形態の電磁ブレーキ付き電動モータ10は以下の効果を奏する。
(1)有孔プレート61がエンドブラケット22と電磁ブレーキ14との間に介在され、エンドブラケット22と電磁ブレーキ14とにより挟圧される。第1環状シール部材62は、電磁ブレーキ14と密接し、第2環状シール部材63はエンドブラケット22と密接するので、エンドブラケット22と電磁ブレーキ14との間の水分は第1環状シール部材62および第2環状シール部材63に妨げられる。電動モータ本体11から電磁ブレーキ14へ向けて開口する通風口37を有しているエンドブラケット22であっても、電磁ブレーキ14に対する確実な防水が可能となる。
(2)エンドブラケット22は、通風口37の径方向の外側に形成される外段差部32を備える。外段差部32は、エンドブラケット22と電磁ブレーキ14との間に間隙58を形成し、有孔プレート61は間隙58に配置される。このため、有孔プレート61が間隙58に配置されても、電磁ブレーキ付き電動モータ10の回転軸16の軸方向にスペースが拡大することはなく、電磁ブレーキ付き電動モータ10の大型化を防止できる。
(3)第1環状シール部材62および第2環状シール部材63は、有孔プレート61に貼着されている。このため、第1環状シール部材62、第2環状シール部材63および有孔プレート61が一体化される。その結果、電磁ブレーキ付き電動モータ10の組付作業が、第1環状シール部材62、第2環状シール部材63および有孔プレート61が一体化されていない場合と比較して容易となる。
(4)第1環状シール部材62および前記第2環状シール部材63は、スポンジゴムにより形成され、スポンジゴムは発泡体であるので、発泡されていないゴム系材料と比較すると、弾性変形は大きくシール機能に優れている。
(5)また、有孔プレート61が狭圧により保持されるので、有孔プレート61をエンドブラケット22又は電磁ブレーキ14に取り付けるためのボルトなどの取り付けのための部材や有孔プレート61への加工を必要としない。したがって、部品点数や組付けのための作業時間を低減することができ、製作コストを抑制できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、第1環状シール部材および第2環状シール部材が有孔プレートに貼着されるとしたが、これに限らない。第1環状シール部材および第2環状シール部材は、例えば、有孔プレートに貼着されず、別体としてもよく、あるいは、第1環状シール部材を電磁ブレーキに貼着し、第2環状シール部材をエンドブラケットに貼着してもよい。
○ 上記の実施形態では、第1環状シール部材および第2環状シール部材は、スポンジゴムにより形成されたがこれに限らない。第1環状シール部材および第2環状シール部材は、例えば、スポンジゴム以外のゴム系材料により形成されてもよい。また、第1環状シール部材および第2環状シール部材の断面形状は矩形以外でもよい。
10 電磁ブレーキ付き電動モータ
11 電動モータ本体
12 ロータ
13 ステータ
14 電磁ブレーキ
16 回転軸
21 フロントブラケット
22 エンドブラケット
26 軸孔
31 嵌合部
32 外段差部
33 内段差部
34 突出部
37 通風口
41 ブレーキステータ
42 ブレーキアーマチャ
43 固定板
44 ブレーキハブ
45 ブレーキロータ
47 貫通孔
51 段差部
55 コイルばね
58 間隙
61 有孔プレート
62 第1環状シール部材
63 第2環状シール部材
P 軸心

Claims (4)

  1. ロータおよびステータを有する電動モータ本体と、
    前記電動モータ本体の出力側端部の反対側の反出力側端部を覆うエンドブラケットと、
    前記エンドブラケットに固定され、前記ロータの回転を制動する電磁ブレーキと、を備えた電磁ブレーキ付き電動モータにおいて、
    前記エンドブラケットは、前記電動モータ本体から前記電磁ブレーキへ向けて貫通する通風口を有し、
    前記エンドブラケットと前記電磁ブレーキとの間に介在され、前記エンドブラケットと前記電磁ブレーキとにより挟圧される有孔プレートと、
    前記有孔プレートの電磁ブレーキ側の面に設けられ、前記電磁ブレーキと密接する第1環状シール部材と、
    前記有孔プレートのエンドブラケット側の面に設けられ、前記エンドブラケットと密接する第2環状シール部材と、を備え、
    前記第1環状シール部材は、前記通風口よりも径方向の外側に位置し、
    前記第2環状シール部材は、前記通風口よりも径方向の中心側に位置することを特徴とする電磁ブレーキ付き電動モータ。
  2. 前記エンドブラケットは、前記通風口の径方向の外側に形成される段差部を備え、
    前記段差部は、前記エンドブラケットと前記電磁ブレーキとの間に間隙を形成し、
    前記有孔プレートは、前記間隙に配置されることを特徴とする請求項1記載の電磁ブレーキ付き電動モータ。
  3. 前記第1環状シール部材および前記第2環状シール部材は、前記有孔プレートに貼着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁ブレーキ付き電動モータ。
  4. 前記第1環状シール部材および前記第2環状シール部材は、スポンジゴムにより形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の電磁ブレーキ付き電動モータ。
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