以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明、例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明等は省略する場合がある。
なお、以下の説明および参照される図面は、当業者が本発明を理解するために提供されるものであって、本発明の請求の範囲を限定するためのものではない。
本発明の実施の形態に係る物品移送システム1は、図1に示すように、ロッカー装置10と解錠判断サーバ20と、ユーザ端末30とが、ネットワーク40を介して通信可能に接続された構成を有する。図1に示す例では、物品移送システム1は、複数のロッカー装置10を有している。そして、複数のロッカー装置10は、それぞれロッカー11を有している。ロッカー11は、本発明の収容設備の一例である。なお、ネットワーク40は、例えばインターネット等の公衆ネットワークである。
図2を参照して、物品移送システム1における処理の流れについて説明する。図2に示すように、物品移送システム1において、複数のロッカー装置10が有するロッカー11のいずれか(ロッカーA)に依頼者が物品を預け入れると、移送者がロッカーAから物品を取り出して他のロッカー(ロッカーB)まで移送する。そして、受取者が、ロッカーBから物品を取り出して受け取る。このような流れにより、ロッカーAに預け入れられた物品がロッカーBまで移送される。
図2を参照して、依頼者、移送者、および受取者について詳細に説明する。依頼者とは、物品をロッカーAに預け入れるとともに、物品移送システム1に対して、ロッカーAに預け入れた物品を、ロッカーBまで移送することを依頼する人物である。
依頼者は、物品移送システム1の利用開始前に、自らが有するユーザ端末30を用いて、物品移送システム1の利用登録を行う。この利用登録は、例えば物品移送システム1の運営管理者が提供するアプリケーションプログラムが依頼者の有するユーザ端末30にインストールされた状態で、依頼者が当該アプリケーションプログラムを動作させ、必要な事項を登録することで行われる。もしくは、この利用登録は、ユーザ端末30で動作するブラウザに表示される物品移送システム1の利用登録用のWEBページ上で行われてもよい。
この利用登録の際に、依頼者が登録すべき情報には、例えば、依頼者の識別情報、物品を預け入れるロッカーAに関する情報、物品の移送を希望するロッカーBに関する情報、物品を受け取る受取者の識別情報、物品に関する情報、および、利用料金の決済方法に関する情報が含まれる。また、依頼者の個人情報(氏名、電話番号、住所、メールアドレス、年齢、性別等)を登録できるようにしてもよい。さらに、物品の受け取り希望日時に関する情報、物品の取り出し希望日時(ロッカーAから取り出される時間の希望)に関する情報等を登録できるようにしてもよい。
依頼者の識別情報とは、例えば、依頼者が有するICカードに記憶された、依頼者個人に与えられた識別IDに関する情報である。または、依頼者の識別情報とは、顔認証、指紋認証、指静脈認証、網膜認証、声紋認証等の生体認証に用いられる生体情報(顔画像、指紋、指静脈形状、網膜画像、声紋等)であってもよい。さらに、依頼者の識別情報とは、依頼者個人の識別IDが含まれるQRコード(登録商標)等の二次元コードやバーコード等のコード情報であってもよい。コード情報は、依頼者の利用登録時に、ユーザ端末30のアプリケーションプログラム、または、解錠判断サーバ20によって発行される。または、コード情報は、例えば外部のコード発行サーバ(図示せず)等によって発行されてもよい。依頼者の識別情報は、本発明の第1識別情報の一例である。
依頼者による、物品を預け入れるロッカーA、および、物品の移送を希望するロッカーBの指定は、例えばユーザ端末30に表示される地図やリスト上で直感的に行うことができることが好適である。または、ロッカーAまたはBの候補が設置された駅、空港、ショッピングモール等の公共施設名を文字で入力できるようにしてもよい。
ロッカーAおよびBの指定は、ロッカー11単位で行うことができるようにしてもよいし、ロッカー装置10単位で行うことができるようにしてもよい。また、1つの施設内に複数のロッカー装置10が存在する場合は、その施設内に設置されたいずれかのロッカー装置10のいずれかのロッカー11を、ロッカーAまたはBとして指定できるようにしてもよい。
物品に関する情報とは、依頼者が移送を希望する物品の形状、重さ、品名、サイズ等の情報である。もしくは、物品に関する情報には、依頼者が物品を撮影した画像等が含まれうる。
また、利用料金の決済方法は、例えば、依頼者の銀行口座に対応するクレジットカードや、依頼者が利用できる電子マネー等が挙げられる。
なお、この利用登録の際に、物品移送システム1の利用料金に関する情報の提示が依頼者に対して行われることが好適である。この利用料金は、例えば、依頼者が登録した、ロッカーAに関する情報、ロッカーBに関する情報、および物品に関する情報等に基づいて決定されればよく、具体的には、ロッカーAおよびロッカーBの大きさ、ロッカーAからロッカーBまでの距離、物品の重さ等に基づいて適宜決定されればよい。利用料金の決定は、ロッカー装置10およびユーザ端末30とネットワーク40を介して通信可能な料金管理サーバ(図1に図示せず)によって行われればよい。
利用登録が完了した時点で、依頼者が登録した、決済方法に関する情報に基づいて、利用料金の決済が行われる。なお、物品移送システム1の利用料金は、依頼者が支払ってもよいが、受取者が支払うようにしてもよい。
利用料金の決済が行われるタイミングは、利用登録の完了時点に限定されず、種々のタイミングで行われればよい。例えば、利用料金の決済は、依頼者が物品をロッカーAに預け入れた時点で行われてもよい。また、利用料金の決済は、受取者が物品をロッカーBから取り出した(物品を受け取った)タイミングで行われてもよい。
受取者は、依頼者と同一人物であってもよいし、異なる人物であってもよい。依頼者と受取者が同一人物である場合、受取者の識別情報は、依頼者の識別情報と同一であるため、受取者の識別情報の登録は省略されてもよい。依頼者と受取者が異なる人物である場合、受取者の識別情報は、例えば事前に受取者から依頼者に与えられた情報(受取者の個人情報、連絡先等)が登録されればよい。なお、受取者の識別情報は、本発明の第3識別情報の一例である。
次に、移送者とは、ロッカーAに預け入れられた物品のロッカーBまでの移送を請け負う人物である。移送者は、物品移送システム1にあらかじめ移送を請け負う人物として登録された人物であればよい。移送者は、例えば運送会社の社員等、業務として移送を行う者であってもよいし、ロッカーBの設置地点まで行く用事がある個人等、業務としてではなく、もののついでで移送を行う者であってもよい。
移送者は、物品の移送を請け負うより前に、自らが有するユーザ端末30を用いて、物品移送システム1の利用登録を行う。この利用登録は、例えば物品移送システム1の運営管理者が提供するアプリケーションプログラムが移送者の有するユーザ端末30にインストールされた状態で、移送者が当該アプリケーションプログラムを動作させ、必要な事項を登録することで行われる。また、この利用登録は、ユーザ端末30で動作するブラウザに表示される物品移送システム1の利用登録用のWEBページ上で行われてもよい。
この利用登録の際に、移送者が登録すべき情報とは、例えば、移送者の識別情報、および、移送に関する報酬を受け取る方法に関する情報等である。移送者の識別情報は、本発明の第2識別情報の一例である。
なお、上述した依頼者、移送者、または受取者は、本発明に係る物品移送システム1のユーザの一例である。そのうち、依頼者は本発明の第1ユーザの一例である。移送者は本発明の第2ユーザの一例である。受取者は本発明の第3ユーザの一例である。
<ロッカー装置10の構成>
次に、図3を参照して、ロッカー装置10の構成について説明する。
複数のロッカー装置10は、駅、空港、またはショッピングモール等の様々な公共施設に設置されることが想定されている。図3に示すように、ロッカー装置10は、物品を収容することができるロッカー11を複数有している。
図3に示すように、ロッカー装置10は、複数のロッカー11と、ロッカー11毎に設けられた施錠装置12と、表示部13と、入力部14と、通信部15とを有する。
複数のロッカー11は、物品を収容することができる。また、各ロッカー11は、施錠装置12により解錠または施錠される。
各ロッカー11は、物品が収容されていない状態では、施錠装置12により施錠されている。そして、物品移送システム1のユーザが、入力部14を介して所定の入力を行うことにより、施錠装置12は、その施錠装置12に対応するロッカー11を解錠する。そして、ユーザが物品をロッカー11に収容した後、施錠装置12は当該ロッカー11を施錠する。これにより、物品が当該ロッカー11に預け入れられる。
施錠装置12の解錠または施錠は、通信部15を介した解錠判断サーバ20の判断に従って行われる。解錠判断サーバ20の判断の詳細については、後述する。
表示部13は、例えばロッカー装置10の利用方法、ユーザに対する案内、または利用できるロッカー11の識別番号等を表示する。
入力部14は、カードリーダである。上述した、ロッカー11を解錠するための所定の入力とは、ユーザの識別ID等、物品移送システム1を利用するための各種情報が記憶されたICカードを入力部14にかざして情報を読み取らせることを意味している。
また、入力部14は、顔認証、指紋認証、指静脈認証、網膜認証、声紋認証等の生体認証用の読取装置であってもよい。この場合、上述した所定の入力とは、ユーザが顔、指紋、指静脈、網膜、声等を入力部14に読み取らせることを意味している。
また、入力部14は、QRコード(登録商標)等のコード情報を読み取る読取装置であってもよい。この場合、上述した所定の入力とは、ユーザが識別IDの含まれたコードを入力部14に読み取らせることを意味している。
通信部15は、ネットワーク40を介して解錠判断サーバ20と各種情報の送受信を行う。特に、通信部15は、入力部14に対して所定の入力が行われたとき、解錠判断サーバ20に対して、解錠の判断に必要な情報を送信する。また、通信部15は、解錠判断サーバ20から、施錠装置12の解錠または施錠を許可するか否かの情報を受信する。
<解錠判断サーバ20の構成>
次に、図4を参照して、解錠判断サーバ20の構成について説明する。解錠判断サーバ20は、例えばクラウドサーバであり、本発明の解錠判断装置の一例である。図4に示すように、解錠判断サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、登録受付部203と、解錠判断部204と、を有する。
通信部201は、ネットワーク40を介して、ロッカー装置10およびユーザ端末30と各種情報の送受信を行う(図1参照)。図4に示すように、通信部201は、第1通知部2011と、第2通知部2012と、を有する。
第1通知部2011は、依頼者が物品をロッカー11に預け入れた時点で、依頼を受ける移送者に対して、移送のために必要な情報を含む移送依頼通知を送信する。移送依頼通知には、例えば、移送が依頼された物品に関する物品情報、物品が預け入れられているロッカーAに関する情報、物品の移送が希望されているロッカーBに関する情報、移送に関する報酬を示す情報等が含まれている。
第2通知部2012は、ロッカー装置10から、あるロッカー11の施錠装置12の解錠または施錠が要求された場合に、後述の解錠判断部204による判断結果をロッカー装置10に対して通知する。
記憶部202は、物品移送システム1の運営に必要な各種情報を記憶する。記憶部202に記憶される情報は、登録受付部203が依頼者から登録を受け付けた情報(例えば、依頼者の識別情報、物品を預け入れるロッカーAに関する情報、物品の移送を希望するロッカーBに関する情報、物品を受け取る受取者の識別情報、物品に関する情報、および、利用料金の決済方法に関する情報等)、登録受付部203が移送者から登録を受け付けた情報(例えば、移送者の識別情報、および、報酬の受取先となる口座番号等)、ロッカーが施錠されているか解錠されているかを示す施錠状態情報、移送距離に応じて移送者に支払う報酬を示す情報、依頼者による物品の預入が完了したことを示す預入完了情報、および、受取者による物品の受け取りが完了したことを示す受取完了情報等である。また、記憶部202には、依頼者の個人情報、物品の受け取り希望日時に関する情報、物品の取り出し希望日時に関する情報等が記憶されてもよい。
登録受付部203は、あるユーザが物品移送システム1を利用しようとする際に、通信部201を介して当該ユーザのユーザ端末30と通信を行い、当該ユーザの利用登録を受け付ける。ユーザ端末30とは、例えばユーザが有する通信デバイスであり、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)等である。
解錠判断部204は、通信部201を介してロッカー装置10から、あるロッカー11についての解錠または施錠の判断を要求された場合に、ロッカー装置10から送信された情報に基づいて、記憶部202に記憶された各種情報を使用して判断を行う。判断の結果は、通信部201を介してロッカー装置10へ送信される。また、解錠判断部204は、当該判断を行う度に、記憶部202に記憶されている情報のうち、複数のロッカー装置10が有する複数のロッカー11毎に、当該ロッカーが施錠されているか解錠されているかを示す施錠状態情報を更新する。
(物品移送システム1における処理の第1の例)
以上のような構成を有する物品移送システム1における処理の第1の例を、図5を参照して説明する。なお、以下の説明におけるロッカーAおよびロッカーBは、図2に示すロッカーAおよびロッカーBに対応している。
まず、ステップS1において、解錠判断サーバ20の登録受付部203は、依頼者および移送者の利用登録を受け付ける。なお、登録完了時に利用料金の決済を行う場合は、ステップS1の完了時に、図示しない料金管理サーバが、登録された依頼者の口座または電子マネーから利用料金を引き落とす。
解錠判断サーバ20の登録受付部203(図4参照)は、登録された各種情報を、記憶部202(図4参照)に記憶させる。記憶部202に記憶された各種情報は、後述の解錠判断処理において使用される。
ステップS2において、ステップS1で利用登録を済ませた依頼者が、物品をロッカーAに預け入れる。このステップS2における処理の詳細は、後出の図6を参照して後に説明する。
ステップS3において、移送者は、解錠判断サーバ20から、移送のために必要な情報を含む移送依頼通知を受け取る。移送依頼通知は、解錠判断サーバ20の第1通知部2011から通知される。
なお、解錠判断サーバ20にあらかじめ登録されている移送者が複数いる場合、解錠判断サーバ20により、移送依頼に適した移送者が適宜選択される。この選択の方法については本発明では特に限定しないが、例えば以下のような方法が採用されうる。
1つの方法として、例えば解錠判断サーバ20が、登録された移送者全てに移送依頼を送信し、最も早く依頼を受けると返信してきた者を、正式に依頼を受ける者として選択する方法が挙げられる。
また、他の方法として、例えば解錠判断サーバ20は、移送者のユーザ端末30から各移送者の現在位置を受信し、当該現在位置に基づいて、ロッカーAの近くにいる移送者に対してのみ依頼を行うようにしてもよい。
この場合でも、移送者が依頼を受けると返信した場合のみ、当該移送者を、正式に依頼を受ける者として選択するようにすればよい。正式に依頼を受ける移送者が決定されると、解錠判断サーバ20は、その移送者の識別情報を、移送依頼の依頼者が登録した情報と関連づけて記憶部202に記憶する。
なお、移送依頼通知に含まれる、移送のために必要な情報には、移送が依頼された物品に関する物品情報、物品が預け入れられているロッカーAに関する情報、物品の移送が希望されているロッカーBに関する情報、移送に関する報酬を示す情報等が含まれる。
図5の説明に戻る。ステップS4において、移送者は、移送依頼に含まれるロッカーAの位置情報に基づいてロッカーAまで赴き、物品をロッカーAから取り出す。このステップS4における処理の詳細は、後出の図7を参照して後に説明する。
ステップS5において、移送者は、取り出した物品をロッカーBまで移送する。ロッカーBの位置情報は、ステップS3で受信した移送依頼に含まれている。移送者が物品をロッカーAからロッカーBまで移送させる手段については、本発明では特に限定しない。
ステップS6において、移送者は、移送した物品をロッカーBに収容する。これにより、物品がロッカーAからロッカーBへ移送される。このステップS6における処理の詳細は、後出の図8を参照して後に説明する。
ステップS7において、あらかじめ登録された受取者は、解錠判断サーバ20から移送完了通知を受け取る。
ステップS8において、受取者は、物品をロッカーBから取り出す。これにより、物品の受け取りが完了する。なお、物品の受け取りが完了した時点で、移送者に対する報酬が支払われる。この支払いは、例えば、あらかじめ登録されている移送者の口座に、移送依頼通知で通知されている報酬額が振り込まれることで行われる。
以上のような処理により、依頼者の依頼に基づいて、依頼者がロッカーAに預け入れた物品が、ロッカーBに移送され、受取者によって受け取られる。
<依頼者が物品をロッカーAに預け入れる処理の詳細>
以下では、図5のステップS2における、依頼者が物品をロッカーAに預け入れる処理について、図6を参照して詳細に説明する。
ステップS21において、ロッカーAを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、依頼者の識別情報を読み取る。入力部14による識別情報の読み取りは、例えば依頼者が、入力部14としてのカードリーダに、自らの識別IDが記憶されたICカードをかざすことにより行われる。なお、識別情報が生体情報である場合、例えば依頼者が、入力部14としての生体認証用の読取装置に、生体認証用の情報を読みとらせることにより行われる。また、識別情報がQRコード等のコード情報である場合、例えば依頼者が、入力部14としてのコード情報の読取装置に、あらかじめ生成された、依頼者の識別IDが含まれるコード情報を読みとらせることにより行われる。
ステップS22において、ロッカーAを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ステップS21で読み取った識別情報を含む、ロッカーAの解錠要求を、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS23において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、依頼者の登録情報と、ステップS22で送信された識別情報と、ロッカーAの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、施錠状態情報に基づいて、ロッカーAが施錠装置12により施錠されている状態であることを確認する。そして、あらかじめ登録されている依頼者の識別情報と、ステップS22で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可すると判断し、一致しない場合、解錠を許可しないと判断する。
解錠を許可すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーAの施錠状態情報を「解錠」に更新する。以降、解錠判断部204が解錠を許可すると判断した場合について説明する。
ステップS24において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーAを有するロッカー装置10に対して、解錠許可通知を送信する。
ステップS25において、解錠許可通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーAを解錠する。これにより、依頼者は、ロッカーAに物品を預け入れることができるようになる。
ステップS26において、ロッカーAは、依頼者による物品の預け入れを受け入れる。
ステップS27において、ロッカーAを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、再度依頼者の識別情報を読み取る。入力部14による識別情報の読み取り方法については、ステップS21と同様である。
ステップS28において、ロッカーAを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ステップS27で読み取った識別情報を含む、ロッカーAの施錠要求を、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS29において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)を施錠するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、依頼者の登録情報と、ステップS22で送信された識別情報と、ロッカーAの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、施錠状態情報に基づいて、ロッカーAが解錠されていることを確認する。そして、あらかじめ登録されている依頼者の識別情報と、ステップS28で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)を施錠すると判断し、一致しない場合、施錠しないと判断する。
施錠すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーAの施錠状態情報を「施錠」に更新する。以降、解錠判断部204が施錠すると判断した場合について説明する。
ステップS210において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーAを有するロッカー装置10に対して、施錠通知を送信する。
ステップS211において、施錠通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーAを施錠する。
ステップS212において、ロッカーAを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、依頼者による物品の預入が完了したことを示す預入完了情報を解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS213において、解錠判断サーバ20は、預入完了情報を、対応する移送依頼の依頼者が登録した情報と関連づけて記憶部202に記憶する。
このようにして、ロッカーAへの物品の預け入れが行われる。依頼者が物品をロッカーAに預け入れるとき以外、ロッカーAは施錠された状態である。このため、ロッカーAの不正利用、物品の盗難、紛失等が防止されうる。
なお、図6に示すフローチャートでは、ロッカーAの解錠の際だけでなく、施錠の際にも、ロッカー装置10における依頼者の識別情報の読み取りと、解錠判断サーバ20における施錠判断と(ステップS27~S210の処理)が行われていた。しかしながら、ロッカーAの施錠の際にはこれらの処理を省略し、例えばロッカーAに物品が預け入れられ、ロッカーAの扉が依頼者によって閉められたことを契機として、自動的に施錠装置12がロッカーAを施錠するようにしてもよい。
また、利用料金の決済がロッカーAへの物品の預入完了時に行われる場合、解錠判断サーバ20は、ステップS212で送信された預入完了情報を受信した時点で、図示しない料金管理サーバに料金の決済を行わせる。この際、料金管理サーバは、ステップS21で読み取られた依頼者の識別情報に基づいて、あらかじめ登録された決済方法を用いて決済を行うようにすればよい。
<移送者が物品をロッカーAから取り出す処理の詳細>
以下では、図5のステップS4における、移送者が物品をロッカーAから取り出す処理について、図7を参照して詳細に説明する。
ステップS41において、ロッカーAを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、移送者の識別情報を読み取る。
ステップS42において、ロッカーAを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ロッカーAの解錠要求と、ステップS41で読み取った識別情報とともに、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS43において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の登録情報と、ステップS42で送信された識別情報と、ロッカーAに物品が預け入れられていることを示す預入完了情報と、ロッカーAの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、預入完了情報および施錠状態情報に基づいて、ロッカーAに物品が預け入れられており、ロッカーAが施錠されていることを確認する。そして、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の識別情報と、ステップS42で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可すると判断し、一致しない場合、解錠を許可しないと判断する。
解錠を許可すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーAの施錠状態情報を「解錠」に更新する。以降、解錠判断部204が解錠を許可すると判断した場合について説明する。
ステップS44において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーAを有するロッカー装置10に対して、解錠許可通知を送信する。
ステップS45において、解錠許可通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーAを解錠する。これにより、移送者は、ロッカーAから物品を取り出すことができるようになる。
ステップS46において、移送者による物品の取り出しが行われる。
ステップS47において、ロッカーAを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、再度移送者の識別情報を読み取る。
ステップS48において、ロッカーAを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ステップS47で読み取った識別情報を含む、ロッカーAの施錠要求を、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS49において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)を施錠するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の登録情報と、ステップS42で送信された識別情報と、ロッカーAの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、施錠状態情報に基づいて、ロッカーAが解錠されていることを確認する。そして、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の識別情報と、ステップS48で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーAの施錠装置12(図3参照)を施錠すると判断し、一致しない場合、施錠しないと判断する。
施錠すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーAの施錠状態情報を「施錠」に更新する。以降、解錠判断部204が施錠すると判断した場合について説明する。
ステップS410において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーAを有するロッカー装置10に対して、施錠通知を送信する。
ステップS411において、施錠通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーAを施錠する。
ステップS412において、ロッカーAを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、移送者による物品の取り出しが完了したことを示す取出完了情報を解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS413において、解錠判断サーバ20は、取出完了情報を、対応する移送依頼の依頼者が登録した情報と関連づけて記憶部202に記憶する。
このようにして、ロッカーAから物品の取り出しが行われる。物品の移送依頼を正式に受けた移送者が物品を取り出すとき以外、ロッカーAは施錠された状態である。このため、ロッカーAの不正利用、物品の盗難、紛失等が防止されうる。
なお、図7に示すフローチャートにおいても、ロッカーAの施錠の際の処理(ステップS47~S410)を省略し、ロッカーAから物品が取り出され、扉が閉められたことを契機として、自動的に施錠装置12がロッカーAを施錠するようにしてもよい。
<移送者が物品を移送先のロッカーBに収容する処理の詳細>
以下では、図5のステップS6における、移送者が物品を移送先のロッカーBに収容する処理について、図8を参照して詳細に説明する。
ステップS61において、ロッカーBを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、移送者の識別情報を読み取る。
ステップS62において、ロッカーBを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ステップS61で読み取った識別情報を含む、ロッカーBの解錠要求を、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS63において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の登録情報と、ステップS62で送信された識別情報と、ロッカーAからの物品の取り出しが完了したことを示す取出完了情報と、ロッカーBの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、取出完了情報および施錠状態情報に基づいて、ロッカーAから物品が取り出されたこと、および、ロッカーBが施錠されていることを確認する。そして、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の識別情報と、ステップS62で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可すると判断し、一致しない場合、解錠を許可しないと判断する。
解錠を許可すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーBの施錠状態情報を「解錠」に更新する。以降、解錠判断部204が解錠を許可すると判断した場合について説明する。
ステップS64において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーBを有するロッカー装置10に対して、解錠許可通知を送信する。
ステップS65において、解錠許可通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーBを解錠する。これにより、移送者は、ロッカーBに移送した物品を収容することができるようになる。
ステップS66において、移送者による物品の収容が行われる。
ステップS67において、ロッカーBを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、再度移送者の識別情報を読み取る。
ステップS68において、ロッカーBを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ステップS67で読み取った識別情報を含む、ロッカーBの施錠要求を、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS69において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)を施錠するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の登録情報と、ステップS62で送信された識別情報と、ロッカーBの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、施錠状態情報に基づいて、ロッカーBが解錠されていることを確認する。そして、移送依頼を受けたことが登録されている移送者の識別情報と、ステップS68で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)を施錠すると判断し、一致しない場合、施錠しないと判断する。
施錠すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーBの施錠状態情報を「施錠」に更新する。以降、解錠判断部204が施錠すると判断した場合について説明する。
ステップS610において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーBを有するロッカー装置10に対して、施錠通知を送信する。
ステップS611において、施錠通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーBを施錠する。
ステップS612において、ロッカーBを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、移送者による物品の移送が完了したことを示す移送完了情報を解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS613において、解錠判断サーバ20は、移送完了情報を、対応する移送依頼の依頼者が登録した情報と関連づけて記憶部202に記憶する。
このようにして、ロッカーBへの物品の収容が行われる。物品の移送依頼を正式に受けた移送者が物品を収容するとき以外、ロッカーBは施錠された状態である。このため、ロッカーBの不正利用、物品の盗難、紛失等が防止されうる。
なお、図8に示すフローチャートにおいても、ロッカーBの施錠の際の処理(ステップS67~S610)を省略し、ロッカーBに物品が収容され、扉が閉められたことを契機として、自動的に施錠装置12がロッカーBを施錠するようにしてもよい。
<受取者が物品をロッカーBから取り出す処理の詳細>
以下では、図5のステップS8における、受取者が物品をロッカーBから取り出す処理について、図9を参照して詳細に説明する。
ステップS81において、ロッカーBを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、受取者の識別情報を読み取る。
ステップS82において、ロッカーBを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ステップS81で読み取った識別情報を含む、ロッカーBの解錠要求を、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS83において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、あらかじめ登録されている受取者の登録情報と、ステップS82で送信された識別情報と、ロッカーBへの移送が完了したことを示す移送完了情報と、ロッカーBの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、移送完了情報および施錠状態情報に基づいて、ロッカーBに移送された物品が収容されていること、および、ロッカーBが施錠されていることを確認する。そして、あらかじめ登録されている受取者の識別情報と、ステップS82で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)の解錠を許可すると判断し、一致しない場合、解錠を許可しないと判断する。
解錠を許可すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーBの施錠状態情報を「解錠」に更新する。以降、解錠判断部204が解錠を許可すると判断した場合について説明する。
ステップS84において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーBを有するロッカー装置10に対して、解錠許可通知を送信する。
ステップS85において、解錠許可通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーBを解錠する。これにより、受取者は、ロッカーBに移送した物品を取り出すことができるようになる。
ステップS86において、受取者による物品の取り出しが行われる
ステップS87において、ロッカーBを有するロッカー装置10の入力部14(図3参照)は、再度受取者の識別情報を読み取る。
ステップS88において、ロッカーBを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、ステップS87で読み取った識別情報を含む、ロッカーBの施錠要求を、解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS89において、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)は、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)を施錠するか否かを判断する。当該判断は、記憶部202に記憶された、あらかじめ登録されている受取者の登録情報と、ステップS82で送信された識別情報と、ロッカーBの施錠状態情報と、に基づいて行われる。
まず、解錠判断サーバ20は、施錠状態情報に基づいて、ロッカーBが解錠されていることを確認する。そして、あらかじめ登録されている受取者の識別情報と、ステップS88で送信された識別情報とが一致した場合、ロッカーBの施錠装置12(図3参照)を施錠すると判断し、一致しない場合、施錠しないと判断する。
施錠すると判断した場合、解錠判断部204は、ロッカーBの施錠状態情報を「施錠」に更新する。以降、解錠判断部204が施錠すると判断した場合について説明する。
ステップS810において、解錠判断サーバ20の第2通知部2012は、ロッカーBを有するロッカー装置10に対して、施錠通知を送信する。
ステップS811において、施錠通知を受信したロッカー装置10の施錠装置12は、ロッカーBを施錠する。
ステップS812において、ロッカーBを有するロッカー装置10の通信部15(図3参照)は、受取者による物品の受け取りが完了したことを示す受取完了情報を解錠判断サーバ20へ送信する。
ステップS813において、解錠判断サーバ20は、受取完了情報を、対応する移送依頼の依頼者が登録した情報と関連づけて記憶部202に記憶する。
このようにして、ロッカーBから物品の取り出しおよび受け取りが行われる。あらかじめ登録されている受取者が物品を取り出すとき以外、ロッカーBは施錠された状態である。このため、ロッカーBの不正利用、物品の盗難、紛失等が防止されうる。
なお、図9に示すフローチャートにおいても、ロッカーBの施錠の際の処理(ステップS87~S810)を省略し、ロッカーBから物品が取り出され、扉が閉められたことを契機として、自動的に施錠装置12がロッカーBを施錠するようにしてもよい。
また、物品移送システム1の利用料金の決済が、ロッカーBから物品が取り出された(受け取りが完了した)時に行われる場合、解錠判断サーバ20は、ステップS812で送信された受取完了情報を受信した時点で、図示しない料金管理サーバに料金の決済を行わせる。この際、料金管理サーバは、ステップS21で読み取られた依頼者の識別情報に基づいて、あらかじめ登録された決済方法を用いて決済を行うようにすればよい。
なお、依頼者が受取者と同一人物ではなく、かつ、受取者が利用料金を支払う場合、依頼者が受取者の決済方法を知らず、利用登録時に登録することができないことも考えられる。このように利用登録時に受取者の決済方法が登録されていない場合には、ロッカーに予め備え付けられた装置(ICカード読取装置や貨幣処理装置)に対応する決済方法を利用してもよいし、以下のようにして受取者から決済方法を取得すればよい。
1つの例として、利用登録時に、依頼者が受取者の識別情報として受取者の生体情報(顔画像等)を登録しておき、解錠判断サーバ20が受取完了情報を受信した時点で、料金管理サーバが受取者の生体情報に紐付けられた受取者の決済方法の情報を取得する方法が挙げられる。受取者の生体情報に紐付けられた受取者の決済方法の情報は、例えば外部の生体認証管理サーバ等が管理していればよく、料金管理サーバは当該生体認証管理サーバに受取者の生体情報を送信することで、受取者の決済方法の情報を取得すればよい。
以上説明したように、依頼者による物品のロッカーAへの預け入れと、移送者による物品のロッカーAからの取り出しと、移送者による物品のロッカーBへの収容と、受取者による物品のロッカーBからの取り出し(受け取り)が行われる。そして、ロッカーAおよびロッカーBは、解錠判断サーバ20の解錠判断部204(図4参照)による解錠許可判断により、必要なとき以外は施錠されている。
図10には、図5に示すフローチャートの各タイミングにおける、解錠判断部204の解錠判断が示されている。図10において、○は解錠要求があった場合に解錠を許可することを示しており、×は解錠要求があっても解錠を許可しないことを示している。
図10に示すように、ステップS2において依頼者が物品をロッカーAに預け入れるより前には、解錠判断部204は、依頼者の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、依頼者以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図10に示すように、ステップS3において移送者が移送依頼通知を受け取った後、かつ、ステップ4において移送者が物品をロッカーAから取り出すより前には、解錠判断部204は、移送者の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図10に示すように、ステップS5において移送者が物品の移送を開始した後、かつ、ステップ6において移送者が物品をロッカーBに収容するより前には、解錠判断部204は、移送者の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
さらに、図10に示すように、ステップS7において受取者が移送完了通知を受け取った後、かつ、ステップ8において受取者が物品をロッカーBから取り出す(受け取る)より前には、解錠判断部204は、受取者の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、受取者以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
そして、図10に示すように、ステップS8における受取者が物品を受け取った後には、解錠判断部204は、例え解錠要求を受信したとしても、ロッカーAおよびBの解錠を一切許可しない。
以上のように解錠判断部204は、物品がどのような状況にあるかに応じて、適切な解錠判断を行う。これにより、ロッカー11の不正利用、物品の盗難、紛失等が好適に防止される。
(物品移送システム1における処理の第2の例)
次に、物品移送システム1における処理の第2の例を、図11~図13を参照して説明する。
上述した、物品移送システム1における処理の第1の例では、預入先のロッカーAから受取先のロッカーBまで、1人の移送者が移送する場合について説明した。以下では、物品移送システム1における処理の第2の例では、預入先のロッカーAから受取先のロッカーBまでの間に、他のロッカーを経由して、複数の移送者が移送を分担して行う場合について説明する。
図11には、依頼者によりロッカーAに預け入れられた物品が、移送者1によってロッカーXまで移送され、移送者2によってロッカーYまで移送された後、移送者3によってロッカーBまで移送される様子が示されている。なお、図11では、煩雑さを避けるため、各移送者による物品の取り出しおよび収容の様子は、図示が省略されている。図11における移送者1は本発明の第1移送ユーザの一例である。
このように、物品の移送を複数の移送者が分担できるようにすることにより、物品移送システム1の使い勝手が向上する。具体的には、移送者が自らの用事により移動する移動ルートと、ロッカーAからロッカーBまでの移動ルートとが一部重なる場合、重なる部分のみの移送を担当することができるようになる。
図12には、図11に示す物品移送システム1における処理の第2の例の各タイミングでの、解錠判断部204の解錠判断が示されている。図12において、○は解錠要求があった場合に解錠を許可することを示しており、×は解錠要求があっても解錠を許可しないことを示している。
図12に示すように、依頼者が物品をロッカーAに預け入れるより前には、解錠判断部204は、依頼者の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、依頼者以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図12に示すように、移送者1が移送依頼通知を受け取った後、かつ、移送者1が物品をロッカーAから取り出すより前には、解錠判断部204は、移送者1の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、ロッカーAの解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者1以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図12に示すように、移送者1が物品の移送を開始した後、かつ、移送者1が物品をロッカーXに収容するより前には、解錠判断部204は、移送者1の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、ロッカーXの解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者1以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図12に示すように、移送者2が移送依頼通知を受け取った後、かつ、移送者2が物品をロッカーXから取り出すより前には、解錠判断部204は、移送者2の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、ロッカーXの解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者2以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図12に示すように、移送者2が物品の移送を開始した後、かつ、移送者2が物品をロッカーYに収容するより前には、解錠判断部204は、移送者2の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、ロッカーYの解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者2以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図12に示すように、移送者3が移送依頼通知を受け取った後、かつ、移送者3が物品をロッカーYから取り出すより前には、解錠判断部204は、移送者3の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、ロッカーYの解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者3以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
また、図12に示すように、移送者3が物品の移送を開始した後、かつ、移送者3が物品をロッカーBに収容するより前には、解錠判断部204は、移送者3の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、ロッカーBの解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、移送者3以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
さらに、図12に示すように、受取者が移送完了通知を受け取った後、かつ、受取者が物品をロッカーBから取り出す(受け取る)より前には、解錠判断部204は、受取者の識別情報を含む解錠要求に対してのみ、解錠を許可する。一方、解錠判断部204は、受取者以外の識別情報を含む解錠要求を受信した場合には、例えその識別情報があらかじめ登録されていたとしても、解錠を許可しない。
そして、図12に示すように、受取者が物品を受け取った後には、解錠判断部204は、例え解錠要求を受信したとしても、ロッカーA、B、XおよびYの解錠を一切許可しない。
以上のように解錠判断部204は、物品がどのような状況にあるかに応じて、適切な解錠判断を行う。これにより、ロッカー11の不正利用、物品の盗難、紛失等が好適に防止される。
図13には、物品移送システム1における処理の第2の例のフローチャートが示されている。なお、図13に示すフローチャートでは、預入先のロッカーAから受取先のロッカーBまでの間にロッカーXのみを経由する場合が示されているが、経由するロッカーが複数ある場合には、他の移送者がロッカーXから他のロッカーへ移送させるステップが適宜追加されればよい。
まず、ステップS101において、解錠判断サーバ20の登録受付部203は、依頼者、移送者、および受取者の登録を受け付ける。
ステップS102において、ステップS101で利用登録を済ませた依頼者が、物品をロッカーAに預け入れる。このステップS102における処理の詳細は、図6を参照した上述の説明と同様である。
ステップS103において、複数の移送者のうち、1の移送者は、解錠判断サーバ20から、移送のために必要な情報を含む移送依頼通知を受け取る。移送依頼通知は、解錠判断サーバ20の第1通知部2011から通知される。
なお、ステップS103の時点で、ロッカーAからロッカーBまでの移送を行う全ての移送者があらかじめ決定されていることが好適であるが、本発明は必ずしもこれに限定されない。
すなわち、ステップS103の時点では、ロッカーAから、ロッカーAとロッカーBとの間に存在する他のロッカーXまで移送させる最初の移送者のみ決定されていてもよい。その場合には、最初の移送者が物品をロッカーXまで移送させた後に、ロッカーXからロッカーB、またはさらに他のロッカーYまで物品を移送させる他の移送者を適宜決定するようにすればよい。依頼を正式に受ける移送者の決定方法については、上述した第1の例と同様の方法を採用すればよい。
なお、ロッカーXは、ロッカーAからロッカーBへの移動経路の途中に存在するロッカー装置10が有するロッカーであることが好適である。しかしながら、ロッカーXは、必ずしもロッカーAとロッカーBとを結ぶ直線上に存在する必要はなく、多少外れた位置に存在していてもよい。
ステップS104において、1の移送者は、移送依頼に含まれるロッカーAの位置情報に基づいてロッカーAまで赴き、物品をロッカーAから取り出す。このステップS104における処理の詳細は、図7を参照した上述の説明と同様である。
ステップS105において、1の移送者は、取り出した物品をロッカーXまで移送する。
ステップS106において、1の移送者は、移送した物品をロッカーXに収容する。これにより、物品がロッカーAからロッカーXへ移送される。このステップS106における処理の詳細は、図8を参照した上述の説明において、ロッカーBをロッカーXに読み替えた場合と同様である。
ステップS107において、複数の移送者のうち、他の移送者は、解錠判断サーバ20から、ロッカーXからの更なる移送のために必要な情報を含む移送依頼通知を受け取る。移送依頼通知は、解錠判断サーバ20の第1通知部2011から通知される。依頼を正式に受ける他の移送者の決定方法については、上述した第1の例と同様の方法を採用すればよい。
ステップS108において、他の移送者は、移送依頼に含まれるロッカーXの位置情報に基づいてロッカーXまで赴き、物品をロッカーXから取り出す。このステップS104における処理の詳細は、図7を参照した上述の説明において、ロッカーBをロッカーXに読み替えた場合と同様である。
ステップS109において、他の移送者は、取り出した物品をロッカーBまで移送する。
ステップS110において、他の移送者は、移送した物品をロッカーBに収容する。これにより、物品がロッカーXからロッカーBへ移送される。このステップS110における処理の詳細は、図8を参照した上述の説明と同様である。
ステップS112において、あらかじめ登録された受取者は、解錠判断サーバ20から移送完了通知を受け取る。
ステップS113において、受取者は、物品をロッカーBから取り出す。これにより、物品の受け取りが完了する。
以上のような処理により、依頼者の依頼に基づいて、依頼者がロッカーAに預け入れた物品が、複数の移送者によってロッカーBに移送され、受取者によって受け取られる。
<物品の移送を希望するロッカーが変更された場合の処理>
依頼完了後、依頼者が、物品の移送を希望するロッカー(図2における移送先のロッカーB)の変更を行った場合の処理について説明する。
(1)変更が移送者への通知前に行われた場合
依頼者による移送先の変更が、移送者への通知(図5に示すフローチャートのステップS3)より前に行われた場合には、解錠判断サーバ20は、記憶部202に記憶された移送先に関する情報を変更する。その後の処理は例えば図4に示す処理の通りである。
(2)変更が移送者への通知後に行われた場合
依頼者による移送先の変更が、移送者への通知(図5に示すフローチャートのステップS3)より後に行われた場合には、解錠判断サーバ20は、移送者に対して、変更後の移送先を通知する。これとともに、解錠判断サーバ20は、移送者に対して、変更後の移送先への移送が可能か否か、可能である場合、移送完了予定日時がいつになるか、を問い合わせる。問い合わせに対して、移送が可能であり、移送完了予定日時に関する返答があった場合、解錠判断サーバ20は、新たな移送完了予定日時を依頼者に通知し、その日時でよいか否かを確認する。そして、依頼者がその日時を了承した場合には、解錠判断サーバ20は、その移送先に向かって物品を移送するように移送者に依頼する。
問い合わせに対して、移送が不可能である旨の返答があった場合、解錠判断サーバ20は、その時点の移送者の近くにあるロッカー装置10のロッカー11に物品を預け入れさせるように移送者に対して通知を送信する。そして、移送者が預け入れたロッカー11を起点として、変更後の移送先まで移送が可能な移送者を新たに募集するため、他の移送者に対して移送依頼通知を送信する。そして、新たな移送者が決定したら、解錠判断サーバ20は、新たな移送者による移送完了予定日時を依頼者に通知するとともに、新たな移送者に対して物品を移送するように依頼する。
<受取者が受け取りに現れなかった場合の処理>
移送先まで物品の移送が完了したが、受取者が受け取りに表れなかった場合の処理について説明する。
このような場合、解錠判断サーバ20は、受け取り希望日時から所定の日数が経過したことを契機として、依頼者に対して物品の受け取りが完了していない旨の通知を行う。所定の日数とは、例えばロッカー装置10の管理者があらかじめ定めた約款等に決められている日数である。
それでも受取者が現れない場合、解錠判断サーバ20は、ロッカー装置10の管理者に対して、物品の取り出しを要求するとともに、利用登録時に登録された依頼者の住所に対して、物品を宅配便等で返送させる。物品の返送料金または違約金は、依頼者に通知した上で、登録されている依頼者の決済方法を用いて徴収すればよい。
なお、依頼者と受取者が異なる場合、物品の受け取りが完了していない旨および物品の返送料金または違約金は受取者にも通知してもよい。
<作用、効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る解錠判断サーバ20は、複数のロッカー11(収容設備)のうち、依頼者(第1ユーザ)が物品を収容するロッカーA(第1収容設備)に関する収容先情報、および、依頼者が物品の移送を希望する移送先であって、複数のロッカー11のうちのロッカーB(第2収容設備)に関する移送先情報を互いに関連づけて記憶する記憶部202と、物品をロッカーAからロッカーBに移送させる移送者に対して、収容先情報、および、移送先情報を通知する第1通知部2011と、複数のロッカー11のそれぞれに設けられた、ロッカー11を施錠する施錠装置12から、施錠装置12を解錠しようとするユーザの識別情報、および、施錠装置12の解錠要求を受信した場合に、識別情報に基づいて、解錠を許可するか否かの判断を行う解錠判断部204と、判断の結果を施錠装置12に対して通知する第2通知部2012と、を有する。
このような構成により、複数のロッカー間で物品を移送させる場合に、各ロッカーの解錠制御を好適に行うことができるようになる。
また、本発明の実施の形態に係る解錠判断サーバ20において、記憶部202は、依頼者の識別情報である第1識別情報をあらかじめ記憶しており、解錠判断部204は、依頼者が物品をロッカーAに収容する前に、ロッカーAの施錠装置12から依頼者の識別情報である第1識別情報を受信した場合に、当該施錠装置12の解錠を許可すると判断する。
また、本発明の実施の形態に係る解錠判断サーバ20において、記憶部202は、移送者の識別情報である第2識別情報をあらかじめ記憶しており、解錠判断部204は、依頼者が物品をロッカーAに収容した後、ロッカーBの施錠装置12から移送者の識別情報である第2識別情報を受信した場合に、当該施錠装置12の解錠を許可すると判断する。
また、本発明の実施の形態に係る解錠判断サーバ20において、解錠判断部204は、移送者が物品をロッカーAから取り出した後、ロッカーBに収容する前に、ロッカーBの施錠装置12から第2識別情報を受信した場合に、当該施錠装置12の解錠を許可すると判断する。
また、本発明の実施の形態に係る解錠判断サーバ20において、記憶部202は、ロッカーBに移送された物品を受け取る受取者の識別情報である第3識別情報を記憶しており、解錠判断部204は、移送者が物品をロッカーBに収容した後、ロッカーBの施錠装置12から第3識別情報を受信した場合に、当該施錠装置12の解錠を許可すると判断する。
また、本発明の実施の形態に係る解錠判断サーバ20において、記憶部202は、移送者が、物品の移送を行う複数の移送者を含む場合に、複数の移送者の識別情報を記憶しており、解錠判断部204は、複数の移送者のうちの1の移送者が物品を取り出した後、複数のロッカー11のうち、ロッカーAおよびロッカーBを除くロッカーX(第3ロッカー)の施錠装置12から移送者1の識別情報を受信した場合に、当該施錠装置12の解錠を許可すると判断する。
このような構成により、物品がどのような状況にあるかに応じて、適切な解錠判断を行うことができ、ロッカー11の不正利用、物品の盗難、紛失等を好適に防止することができるようになる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
上述した実施の形態において、本発明の収容設備の一例としてロッカー装置10が有するロッカー11を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明の収容設備は、物品を収容して収容設備を施錠することで、物品を取り出すことができなくなるような設備であればよい。具体的には、本発明の収容設備としては、口を施錠可能な袋、または、入口を施錠可能な部屋(ホテル等の宿泊施設の部屋や、カラオケボックス等の娯楽施設の部屋)等であってもよい。
上述した実施の形態では、あらかじめ決められた設置場所に固定されているロッカー装置10を用いた物品移送システム1について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ロッカー装置は、移動可能であってもよい。この場合、ロッカー装置は、例えばコンテナのように、トレーラーまたは鉄道車両等の輸送機械に積み下ろしが可能な形態に構成されていることが好適である。
また、ロッカー装置が、輸送機械そのもの、つまり車両等の形態を有していてもよい。言い換えると、輸送機械が複数のロッカーの集合体として製造されていてもよい。このような構成によれば、荷物の預け入れおよび受け取りの場所の自由度を高めることができる。
ロッカー装置は、例えば上述した輸送機械により、一定時間毎に固定と移動とを繰り返してもよい。
また、ロッカー装置が輸送機械そのものである場合、依頼者が、物品を預け入れたロッカーを含む輸送機械(車両等)を、所望の移送先まで移動させることを依頼できるように構成してもよい。この場合、移送者は輸送機械の運転者であり、依頼を受けた移送者は輸送機械を運転して移送先まで移動させる。この際、輸送機械の駆動源の始動や解錠に関しては、上述した実施の形態におけるロッカーの解錠と同様の処理によって行われればよい。これにより、移送者が移送先まで輸送機械を移動させた後には、移送者が再度輸送機械を移動させることができなくなり、安全性が高まる。
このような構成によっても、ユーザにとって利便性の高い物品移送システムを提供することができる。