<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して第1の実施の形態について説明する。
図1乃至図4は第1の実施の形態によるカード移送システムの制御方法を示す図である。
まず図3により、移送システムが組み込まれたカードプリンタ20について述べる。カードプリンタ20は、図2Aおよび図2Bに示すようなICチップ1aを含むICカード(以下、単にカードともいう)1の表面2に対して各個人の必要な表面情報2aおよび顔画像情報2bを印字するとともに、ICカードの裏面3に対して裏面情報3aを印字し、ICチップ1a内に表面情報2aおよび裏面情報3aを書込んで、例えば社員カード、銀行カード、運転免許証等のICカードを作製するものである。
ここで必要な表面情報2aとは、当該個人の氏名、および住所等が考えられる。また裏面情報3aとは表面に書き込めない備考等の詳細情報が考えられ、またICカード1の表面2に個人のID番号(ID情報)2cを印字してもよい。本実施の形態において、カードプリンタ20により、例えば、運転免許証が作製される。
またカードプリンタ20においては、ICカード1のICチップ1a内に、表面情報2aが書込まれる。
さらにカードプリンタ20の下流側には、ICカード1のICチップ1a内に裏面情報3aを書き込み、かつICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する裏面書込機能付プリンタ40が接続されている(図3参照)。
さらにこの裏面書込機能付プリンタ40には、ICカード1のICチップ1aから裏面情報3aを読み取り、裏面情報3aのうちICカード1の裏面3に印字できない追記情報を印字して追記情報ラベルを作製するとともに、この追記情報ラベルを発行する追記情報ラベル発行部28が接続されている(図3参照)。
なお、カードプリンタ20はICカードの代わりにICチップを有しないカードに対して印字のみを施すこともできる。
次に図3によりカードプリンタ20の概略を示す。
図3に示すようにカードプリンタ20は、ケーシング20Aと、ケーシング20A内上方に設けられICカード1を積層して収納する4台のカードマガジン21a~21dと、各カードマガジン21からのICカード1を移送するカード移送システム50と、カード移送システム50の下流側に設けられ、ICカード1の表面2に顔画像情報2bを印字するY印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24とを備えている。このうちY印刷部22はICカード1の表面2にイエロー印刷を施すものであり、M印刷部23はICカード1の表面2にマゼンタ印刷を施すものであり、C印刷部24はICカード1の表面2にシアン印刷を施すものであり、Y印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24により顔画像情報2bが印字される。
またC印刷部24の下流側には、Y印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24によって印刷されたインキをICカード1の表面に定着させるインキ定着部25が設けられ、さらにインキ定着部25の下流側にはICカード1の表面2に表面情報2aおよびID情報2cを印字する表面印字部26が設けられている。この場合、Y印刷部22、M印刷部23、C印刷部24、インキ定着部25および表面印字部26によってプリンタ部22~26が構成されている。
表面印字部26を通過したICカード1は、その後、第1リーダライタ27に送られ、落下部38からケーシング20A下方にある搬送ライン33へ送られる。
このうち、第1リーダライタ27は、ICカード1のICチップ1aに表面情報2aおよびID情報2cを書込むものである。
さらに搬送ライン33に沿って、ICカード1の表面2に印字された表面情報2aおよび顔画像情報2bを保護するためICカード1の表面2上に第1保護シート(図示せず)を設ける第1保護シート形成部29が設けられ、第1保護シート形成部29の下流側に第1保護シート上に更に第2保護シート(図示せず)を設ける第2保護シート形成部30が設けられている。
また搬送ライン33の下流側には、表面情報2a、顔画像情報2b、ID情報2cが表面2に印字され、かつICチップ1a内に表面情報2aおよびID情報2cが書込まれたICカード1を受け取り、第1集積部35a、第2集積部35bまたは裏面印字集積部36へICカード1を振分ける選別排出部37が設けられている。
このうち第1集積部35a、第2集積部35bは、裏面3に対して印字する必要のないICカード1をICカード1の種類に基づいて集積するものである。また裏面印字集積部36は、下流側の裏面書込機能付プリンタ40によりICチップ1a内に裏面情報3aを書き込み、かつICカード1の裏面3に対して裏面情報3aを印字する必要があるICカード1を集積するものである。
裏面印字集積部36に送られたICカード1は、その後、裏面書込機能付プリンタ40および追記情報ラベル発行部28へ順次送られる。
ところで選別排出部37は、ICカード1のICチップ1aに書込まれたID情報2cを読み取る機能を有し、選別排出部37は読み取られたID情報2cに基づいて、当該ICカード1に印字する裏面情報3aが有るか否か判断する。
そして、印字すべき裏面情報3aが有るICカード1のみが選別排出部37により裏面印字集積部36に送られ、印字すべき裏面情報3aがないICカード1が第1集積部35aおよび第2集積部35bに送られる。
また裏面書込機能付プリンタ40は、ICカード1のICチップ1a内に必要な裏面情報3aを書き込む第2リーダライタ41と、ICカード1の裏面3に必要な裏面情報3aを印字する裏面印字部42とを有している。さらに第2リーダライタ41および裏面印字部42の上流側に入口スタッカ40aが設けられ、第2リーダライタ41および裏面印字部42の下流側に出口スタッカ40bが設けられている。
ところでカードプリンタ20および裏面書込機能付プリンタ40は制御装置20aにより駆動制御される。
次に本実施の形態によるカード移送システム50について図1により述べる。カード移送システム50は、上述のように、4台のカードマガジン21a~21d内に積載されたICカード1をカードマガジン21a~21d内から取り出し、移送して反転させるものである。
この場合、4台のカードマガジン21a~21dは、各々カードプリンタ20の上方に直線上に配置された載置部21A~21D上に載置され、このため載置部21A~21D上に載置された各カードマガジン21a~21dも直線L方向に並んで配置されている。各カードマガジン21a~21d内には、複数のICカード1がその裏面3が上方を向くように多層に積層され収納されている。また各カードマガジン21a~21dには、新しいカードマガジン21a~21dであるか否か示す交換フラグ検出部95a~95dが設けられている。また各カードマガジン21a~21dにはカードマガジン21a~21d内のICカード1の種類を検知するカード種類検出部96a~96dが設けられている。
本実施の形態によるカード移送システム50は、カードマガジン21a~21d内のICカード1の裏面3を上方から吸着してカードマガジン21a~21dの上方開口から取り出す吸着装置(吸着ヘッドともいう)60と、この吸着装置60を水平方向に送り出す送り出し装置、例えば搬送ベルト51とを有するカード送り出し機構60Aを備えている。このうち搬送ベルト51は駆動ローラ51aおよび駆動ローラ51b間に掛け渡され、直線L方向に沿って水平方向に往復移動可能となっている。
次に吸着装置60と搬送ベルト51との連結構造について図5および図6により説明する。図5および図6に示すように、搬送ベルト51には昇降機構56が固定され、この昇降機構56は搬送ベルト51により水平方向に移動可能となっている。昇降機構56は搬送ベルト51により水平方向に移動可能となる昇降機構本体56Aと、この昇降機構本体56A内に配置され上下方向に移動可能な昇降ベルト57とを有し、このうち昇降ベルト57は駆動ローラ57aおよび駆動ローラ57b間に掛け渡され、上下方向に往復移動可能となっている。
また昇降ベルト57には保持具61が取り付けられており、この保持具61には吸着部60aを有する吸着装置60が回動自在に設けられている。図5および図6において、保持具61が昇降ベルト57から直線Lと直交する直線x方向に突出して設けられ、吸着装置60はこの保持具61に直線x回りに回動可能に設けられている。吸着装置60は、吸着装置本体60bと、吸着装置本体60bに設けられ、ICカード1の裏面3を吸着する吸着部(吸着盤ともいう)60aを有し、保持具61に対して回動することにより、吸着部60aを下方に向けたり上方に向けたりすることができる。
次に吸着装置(吸着ヘッド)60について、図7により更に述べる。上述のように、昇降ベルト57に保持具61が取り付けられており、この保持具61の先端に吸着装置60が回動自在に設けられている。吸着装置60は吸着装置本体60bと、吸着装置本体60bに設けられ、ICカード1の裏面を吸着する吸着部(吸着盤)60aとを有している。さらに吸着装置本体60bには、吸着部60aの近傍にICカード1の有無を検知する、例えば投光部81と、受光部82とを有するカード検知センサ(光センサ)80が取り付けられている。
図7において、投光部81からICカード1に対して光が照射されると、ICカード1に照射された光は、ICカード1で反射した後受光部82に入り、受光部82によりICカード1の有無が検知される。そして受光部82からの情報が制御装置20aに送られ、制御装置20aにおいて、ICカード1の有無が判定される。
また吸着装置60の吸着部60aには、吸着装置本体60bと、吸着装置本体60bと保持具61との間の回転シール93と、保持具61とを貫通して延びる真空ライン91が連結され、この真空ライン91には、吸引ポンプ90が連結されている。
また搬送ベルト51の搬送方向(直線L方向)下流側には、ICカード1が挿入される挿入口55aを有する回転体55が配置されている。
また回転体55の挿入口55a内には、吸着装置60の吸着部60aにより吸着されたICカード1を引き込む搬送ローラ(図示せず)が設けられている。そして吸着装置60の吸着部60aにより吸着されたICカード1を回転体55の挿入口55a内に直線L方向に引き込む。その後、回転体55が直線Lと平行する回転軸回りに180°回転する。このことにより裏面3を上方に向けて吸着装置60の吸着部60aにより吸着され、回転体55の挿入口55a内に挿入されたICカード1を、回転体55により180°反転させてICカード1の姿勢を表面2が上方を向くよう変えることができる。
ところで回転体55のICカード1の搬送方向下流側に、上述のようにY印刷部22が配置され、このY印刷部22はM印刷部23およびC印刷部24と略同一構造をもつ。すなわちY印刷部22は、インクリボン22rを加熱する印刷ヘッド22aと、インクリボン22rの送り出し部22bと、インクリボン22rの巻き取り部22cとを有する。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について図4により説明する。
まずカードプリンタ20の載置部21A~21D上に複数のICカード1を多層に積層したカードマガジン21a~21dが装着され、カードマガジン21a~21dは直線L上に並ぶよう配置される。各カードマガジン21a~21d内に積層されたICカード1は印字および書き込みがなされていない生のICカード1となっており、ICカード1は裏面3を上方に向けてカードマガジン21a~21d内に収納されている。
装着されたカードマガジン21a~21dが新規のものである場合、交換フラグ検出部95a~95dが当該カードマガジン21a~21dは新規である旨の情報(「マガジン交換フラグ=1」)を制御装置20aに送る。制御装置20aは、この交換フラグ検出部95a~95dからの情報に基づいて、新規のカードマガジン21a~21dに対して保持具61を基準位置にもってきて停止させる(下降距離がクリアされる)。
また、カードマガジン21a内には優良者向け運転免許証を作製するためのICカード1が収納され、カードマガジン21b内には一般人向け運転免許証を作製するためのICカード1が収納され、カードマガジン21c内には新規者向け運転免許証を作製するためのICカード1が収納され、カードマガジン21dには経歴者向け(免許を返納した方向け)のICカード1が収納されている。これらカードマガジン21a~21d内のICカード1の種類はカード種類検出部96a~96dにより検出され、カード種類検出部96a~96dからの情報は制御装置20aに送られる。
次に制御装置20aはICカード1の発行要求が有るか否か判断し、ICカード1の発行要求が有れば、その発行要求があるICカード1が収納されたカードマガジン21a~21dまで、吸着装置60を保持する昇降機構56が搬送ベルト51に沿って移動する。
次に制御装置20aは交換フラグ検出部95a~95dからの情報に基づいて当該カードマガジン21a~21dが新規なカードマガジンであり、カードマガジン21a~21d内の最上層のICカード1はカードマガジン21a~21d中の1枚目のICカードである(「マガジン交換フラグ=1」)と認識して保持具61および吸着装置60を低速の第1降下速度αで降下させる。
カードマガジン21a~21dは、その上方が開口しており、かつカードマガジン21a~21dのうち昇降機構56側の側面(図1においてカードマガジン21a~21dの背面)も開口している。
例えば発行要求があるICカード1がカードマガジン21d内に収納されている場合、昇降機構56がカードマガジン21dの背面に達し、昇降機構56の昇降ベルト57に取り付けられた保持具61がカードマガジン21d内に背面から侵入する。次に保持具61が昇降ベルト57により降下して、保持具61の先端に取り付けられている吸着装置60の吸着部60aが最上層のICカード1の裏面3を吸着する。
次に吸着装置(吸着ヘッド)60によるICカードの吸着作用について図7により説明する。まず昇降ベルト57の降下に伴って保持具61および吸着装置60が降下し、カードマガジン21d内に積層されているICカード1のうち最上層のICカード1の裏面3に接近する。この場合、昇降ベルト57の駆動ローラ57aはステッピングモータにより駆動され、一定ピッチで徐々に降下していく。
この間、カード検知センサ80の投光部81からICカード1に対して常に光が照射される。
更に吸着装置60が降下して投光部81からICカード1に対して照射された光がICカード1から反射して受光部82により受光されると、制御装置20aはカードマガジン21d内にICカード1が存在していると判断し、昇降ベルト57、保持具61および吸着装置60の降下を停止する。
この間、制御装置20aはカード検知センサ80の受光部82によりICカード1からの反射光が受光されるまで駆動ローラ57aのステッピングモータの駆動を続ける。
また制御装置20aは保持具61および吸着装置60が上述した基準位置からどれくらい降下したか、その降下距離を求める。そして制御装置20aは求めた降下距離が一定の降下距離以上の場合、カードマガジン21d内にICカード1がない「カード空状態」と判断して、カードプリンタの装置全体を停止し、新たなカードマガジンの装着を指示する。
このように制御装置20aはカードマガジン21a~21dが新規なカードマガジンであり、カードマガジン21a~21d内の最上層のICカード1が1枚目のICカードと認識した場合、保持具61および吸着装置60を低速の第1降下速度αで降下させる。
一般に新規のカードマガジン21a~21dについては、カードマガジン21a~21d内のカード枚数および最上層のICカードまでの降下距離は不明となっている。このため、本実施の形態によれば、保持具61および吸着装置60を高速で降下させる場合に比較して吸着装置60がカードマガジン21a~21d内の最上層のICカード1に衝突して、吸着装置60を破損させたり、ICカード1に傷を付けることを確実に防止することができる。
そしてICカードから反射した光をカード検知センサ80の受光部82が受光することにより、制御装置20aはカードマガジン21a~21d内のICカード1の枚数および保持具61の基準位置から最上層のICカード1までの降下距離を確実に求めることができる。
図7に示す本実施の形態において、投光部81と受光部82とからなるカード検知センサ80がICカード1の存在を検知した際、吸着部60aとICカード1との間の距離は吸着部60aによりICカード1を十分に吸着することが可能な距離となっていることが好ましい。
この場合、吸引ポンプ90は未だ作動しておらず、受光部82からの信号により制御装置20aがICカード1の存在を認識したとき、はじめて制御装置20aは吸引ポンプ90を作動させる。この際、吸着装置60の吸着部60aによりカードマガジン21内の最上層のICカード1の裏面を吸着することができる。
その後投光部81からICカード1に対して引き続いて光が照射され、ICカード1からの反射光が受光部82により受光される。このようにして制御装置20aにより、吸着装置60の吸着部60aにより、ICカード1が間違いなく吸着保持されていることを認識することができる。
その後、保持具61および吸着装置60が昇降ベルト57により高速γで上昇し、昇降機構56が全体として搬送ベルト51を有するカード送り出し機構60Aによって搬送ベルト51に沿って移動する。次に吸着装置60の吸着部60aに吸着されたICカード1が搬送ローラにより回転体55の挿入口55a内に導入され、回転体55が180°回転してICカード1は表面2を上方に向くようその姿勢が変化して表裏反転処理される。
次に回転体55の挿入口55a内のICカード1は、回転体55の挿入口55a内の搬送ローラによりY印刷部22側へ送られる。
その後、ICカード1の表面2に対してY印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24によって、各々イエロー印刷、マゼンタ印刷、およびシアン印刷が施され、このようにしてICカード1の表面2に顔画像情報2bが印字される。
次にICカード1はインキ定着部25へ送られ、このインキ定着部25においてY印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24によって印字された顔画像情報2bのインキがICカード1の表面に定着される。
その後ICカード1は表面印字部26に送られ、この表面印字部26においてICカード1の表面2に表面情報2aおよびID情報2cが印字される。
次にICカード1は第1リーダライタ27へ送られ、この第1リーダライタ27においてICカード1のICチップ1aに対して表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが書込まれる。
このようにして表面情報2a、顔画像情報2b、ID情報2cが表面2に印字され、かつICチップ1aに表面情報2aおよびID情報2cが書込まれたICカード1は、その後、落下部38から搬送ライン33に沿って搬送されて第1保護シート形成部29へ送られ、この第1保護シート形成部29においてICカード1の表面に第1保護シートが形成される。次にICカード1は搬送ライン33に沿って第2保護シート形成部30へ送られ、この第2保護シート形成部30においてICカード1の第1保護シート上に第2保護シートが形成される。
次にICカード1は搬送ライン33により搬送され、選別排出部37に達する。ICカード1はこの選別排出部37により振分けられる。すなわちICカード1のうち、表面2のみに表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが印字され、ICチップ1aに表面情報2aおよびID情報2cが書込まれるとともに、裏面3に裏面情報3aを印字する必要がなく、かつICチップ1aに裏面情報3aを書込む必要のないICカード1は第1集積部35a、第2集積部35bへ送られる。
他方、表面2に表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが印字され、ICチップ1aに表面情報2aおよびID情報2cが書込まれるとともに、裏面3にも裏面情報3aを印字する必要があり、かつICチップ1aに裏面情報3aを書込む必要があるICカード1は裏面印字集積部36へ送られる。
次に裏面印字集積部36に送られたICカード1は、その後裏面書込機能付プリンタ40へ送られる。そしてICカード1はこの裏面書込機能付プリンタ40内において、第2リーダライタ41によりICチップ1a内に裏面情報3aが書込まれ、続いて裏面印字部42によりICカード1の裏面3に裏面情報3aが印字される。
このようにしてカードプリンタ20および裏面書込機能付プリンタ40によって、ICカード1に対する印字および書込作業が終了し、印字および書込済のICカード1が得られる。
なお、カードプリンタ20および裏面書込機能付プリンタ40における各構成部分は、上述のように制御装置20aにより駆動制御される。
なお印字すべき裏面情報がないと判断されて第1集積部35aおよび第2集積部35bへ送られたICカード1は、裏面書込機能付プリンタ40を経ることなく外方へ排出される。
次に裏面書込機能付プリンタ40を経たICカード1は、追記情報ラベル発行部28に送られる。この追記情報ラベル発行部28では、ICカード1のICチップ1aから裏面情報3aを読み取り、裏面情報3aのうちICカード1の裏面に印字できない追記情報を印字して追記情報ラベルを作製し発行する。このようにして得られた追記情報ラベルは、その後ICカード1の裏面3の所望位置に貼付される。
このようにして表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが表面2に印字され、裏面情報3aが裏面3に印字され、表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cがICチップ1aに書込まれ、追記情報ラベルが裏面3に貼付されたICカード1を精度良くかつ効率良く作製することができる。
次に図4により、制御装置20aがカードマガジン21a~21dが交換フラグ検出部95a~95dからの情報に基づいて、当該カードマガジン21a~21dが新規なカードマガジンではない(「マガジン交換フラグ=1ではない」)、と判断した場合の作用について述べる。この場合、制御装置20aは当該カードマガジン21a~21d内の最上層のICカード1は1枚目のICカード1ではなく、2枚目以降のICカード1であると判断する。
制御装置20aは、新規のカードマガジン21a~21dについて、保持具61の基準位置から1枚目のICカード1までの降下距離およびカードマガジン21a~21d内のICカードの枚数を上述のように予め求めている。このため制御装置20aは、基準位置からカードマガジン21a~21d内の2枚目以降のICカード1までの保持具61の降下距離を求めることができ、制御装置20aは、保持具61および吸着装置60をその基準位置から2枚目以降のICカード1近傍まで、具体的には1枚目のICカード1の位置まで、上述した第1降下速度αより高速の第2降下速度βで降下させる。
その後制御装置20aは、保持具61および吸着装置60を低速で、具体的には第1降下速度αまで低速にして2枚目以降のICカード1まで接近させる。
この場合、昇降ベルト57の駆動ローラ57aはステッピングモータにより駆動され、一定ピッチで徐々に降下していく。
この間、カード検知センサ80の投光部81aからICカード1に対して常に光が照射される。
更に吸着装置60が降下して投光部81からICカード1に対して照射された光がICカード1から反射し受光部82により受光されると、制御部20aはカードマガジン21a~21d内にICカード1が存在していると判断して、昇降ベルト57、保持具61および吸着装置60の降下を停止する。
この間、制御装置20aはカード検知センサ80の受光部82によりICカード1からの反射光が受光されるまで駆動ローラ57aのステッピングモータの駆動を続ける。
また制御装置20aは保持具61および吸着装置60が上述した基準位置からどれくらい降下したか、その降下距離を求める。そして制御装置20aは求めた降下距離が一定の降下距離以上の場合、カードマガジン21d内にICカード1がない「カード空状態」と判断して、装置全体を停止し、新たなカードマガジンの装着を指示する。
次に図10Aおよび図10Bにより、本実施の形態の比較例について述べる。
図10Aおよび図10Bに示すように、カードマガジン21a,21bが載置部21A,21B上に載置され、載置部21A,21B上に載置されたカードマガジン21a,21b内にはICカード1が表面2を上方に向けて積層して配置されている。カードマガジン21a,21b内のICカード1は、最下層のICカード1から各カードマガジン21a,21b毎に設けられた送り出し装置32a,32bにより集合搬送ライン32側へ送られ、次にこの集合搬送ライン32からY印刷部22側へ送られる。
図10Aおよび図10Bに示す比較例において、各カードマガジン21a,21b毎に送り出し装置32a,32bが設けられ、送り出し装置32a,32bにより各カードマガジン21a,21bの下方から送り出されたICカード1は送り出し装置32a,32bの送り出し方向と直交する集合搬送ライン32によりY印刷部22側へ送られる。
また各カードマガジン21a,21bの出口には、最下層のICカード1のみを送り出すストッパ62が設けられ、送り出し装置32a,32bには各カードマガジン21a,21b内のICカード1を送り出す爪63が設けられている。このような比較例において、各カードマガジン21a,21bは各々送り出し装置32a,32bを有し、かつ送り出し装置32a,32bから送り出されたICカード1は、平面視でみて90°向きを変えて集合搬送ライン32に沿って搬送される。このため各カードマガジン21a,21bの送り出し装置の構造が複雑となり、各カードマガジン21a,21bの送り出しラインも90°向きを変える部分があり、複雑となっている。更に各カードマガジン21a,21b内のICカード1は表面を上方に向けて収納されているため、ICカード1に傷が付き易い。
これに対して本実施の形態によれば、各カードマガジン21a~21dから送り出されるICカード1の送り出し方向は、カードマガジン21a~21dの配置方向Lと平行する一方向に限られるため、ICカード1の送り出し装置の構造を簡略化することができる。またカードマガジン21a~21d内に収納されるICカード1は裏面3を上方に向けているので、カードマガジン21a~21d内でICカード1の表面2に傷が付くことはない。
以上のように本実施の形態によれば、吸着装置60の吸着装置本体60bのうち吸着部60a近傍に投光部81と受光部82とからなるカード検知センサ80を設けたので、このカード検知センサ80によりカードマガジン21a~21d内にICカード1が積層され収納されていることを確実に検知することができる。このようにカード検知センサ80によりICカード1を検知した後、制御装置20aにより昇降ベルト57および吸着装置60の降下を停止させる。この場合、吸着装置60の吸着部60aとICカード1との間の距離は、吸着部60aによりICカード1を吸着することが可能な距離だけ保たれている。このため吸着装置60が降下して、吸着装置60の吸着部60aがカードマガジン21a~21d内に積層されたICカード1に衝突することはなく、吸着部60aの破損および傷の発生、あるいはICカード1の破損および傷の発生を未然に防ぐことができる。さらにまた吸着装置60の吸着部60aに吸着されたICカード1が落下した場合は、カード検知センサ80によりこの落下を検知することができ、制御装置20aがシステム全体を停止させて、落下したICカード1による移送ジャムを未然に防ぐことができる。
また、吸着装置60にカード検知センサ80を設けて、カードマガジン21a~21d内に積層されたICカード1の有無を検知するので、カードマガジン21a~21d内のICカード1を検知するために各カードマガジン21a~21d内にカード検知センサを設ける必要がない。このためカードマガジン21a~21dを多数設置しても、カードマガジン21a~21d毎にカード検知センサを設ける場合に比べて製造コストの低減を図ることができる。さらにカード検知センサ80によりカードマガジン21a~21d内にICカード1が積層されて収納されていることを検知して、はじめて吸引ポンプ90を作動させて吸着装置60の吸着部60aによりカードマガジン21a~21d内のICカード1を吸着させることができる。このため不必要に吸引ポンプ90を作動させて吸着部60aの吸着面にゴミや不純物を付着させることはなく、吸着部60aの吸着面を清浄に保つことができる。
またマガジン21a~21dが新規の場合に、カードマガジン21a~21d内の最上層にある1枚目のICカード1に対して、保持具61および吸着装置60を低速の第1降下速度αで降下させるため、カードマガジン21a~21d内のICカード1の枚数が不明であり、保持具61および吸着装置60をどの程度降下すべき不明な場合であっても、吸着装置60を高速で降下させて吸着装置60がICカード1と衝突する恐れを未然に防ぐことができる。このため吸着装置60が破損したり、ICカード1に傷を付けることを防止することができる。
またカードマガジン21a~21dが新規ではない場合、カードマガジン21a~21d内の最上層にある2枚目以降のICカード1に対して、保持具61および吸着装置60を高速の第2降下速度βで降下させるため、保持具61および吸着装置60を過度にゆっくり降下させる必要はなく、カードプリンタの装置全体の処理速度を過度に低下させることはない。すなわち、交換フラグ検出部95a~95dからの情報に基づいて、2枚目以降のICカード1に対して保持具61および吸着装置60を高速の第2降下速度βで降下させるため、カードプリンタの装置全体の処理速度を向上させることができる。
なお、カードマガジン21a~21dが新規ではない場合に、保持具61および吸着装置60を高速の第2降下速度βで降下させ、その後低速の第1降下速度αでICカード1まで降下させる例を示したが、これに限らず保持具61および吸着装置60を高速の第2降下速度βで連続的にICカード1まで降下させてもよい。
また、図7に示す実施の形態において、カードマガジン21a~21dの底面に光投光部からの光が照射された際ICカード1からの反射光と異なる反射光を発する反射面89を形成してもよい(図11参照)。このような反射面としては、例えば黒色板からなる反射面89が考えられ、ICカード1からの反射光とは異なる強度の反射光を発する。
このようにカードマガジン21a~21dの底面に黒色板からなる反射面89を設けることにより、吸着装置60が降下して投光部81から光を照射した際、受光部82からICカード1からの反射光とは異なる反射面からの反射光を受光した際、制御装置20aは受光部82からの情報に基づいて、制御装置20aはカードマガジン21a~21d内にICカード1が残っていない、すなわちカードマガジン21a~21d内が空である旨認識することができる。
次に吸着装置(吸着ヘッド)60の変形例について、図8により更に述べる。上述のように、昇降ベルト57に保持具61が取り付けられており、この保持具61の先端に吸着装置60が回動自在に設けられている。吸着装置60は吸着装置本体60bと、吸着装置本体60bに設けられ、ICカード1の裏面を吸着する吸着部(吸着盤)60aとを有している。さらに吸着装置本体60bには、吸着部60aの近傍にICカード1の有無を検知する、例えばセンサ本体86と、センサ本体86に進退自在に設けられたリミットスイッチ87と、センサ本体86に揺動自在に取り付けられ、ICカード1に接触することによりリミットスイッチ87を押圧して作動させる揺動体88とを有するカード検知センサ(接触センサ)85が取り付けられている。
図8において、カード検知センサ85の揺動体88がICカード1と接触すると、揺動体88がリミットスイッチ87を押圧して作動させる。このようにしてリミットスイッチ87によりICカード1の有無が検出され、リミットスイッチ87からの情報が制御装置20aに送られ、制御装置20aにおいて、ICカード1の有無が判定される。
また吸着装置60の吸着部60aには、吸着装置本体60bと保持具61を貫通して延びる真空ライン91が連結され、この真空ライン91には、吸引ポンプ90が連結されている。
次に図8に示す吸着装置(吸着ヘッド)60の変形例によるICカードの吸着作用について説明する。まず昇降ベルト57の降下に伴って吸着装置60が降下し、例えばカードマガジン21d内に積層されているICカード1のうち最上層のICカード1の裏面3に接近する。この場合、昇降ベルト57の駆動ローラ57aはステッピングモータにより駆動され、一定ピッチで徐々に降下していく。
更に吸着装置60が降下してカード検知センサ85の揺動体88がICカード1に接触すると、揺動体88が揺動してリミットスイッチ87を押圧して作動させ、このようにしてICカード1が存在することを検知する。
次にリミットスイッチ87からの情報が制御装置20aへ送られ、制御装置20aはカードマガジン21d内にICカード1が存在していると判断し、昇降ベルト57および吸着装置60の降下を停止する。
図8に示す変形例において、センサ本体86と、リミットスイッチ87と、揺動体88とを有するカード検知センサ85がICカード1の存在を検知した際、吸着部60aとICカード1との間の距離は吸着部60aによりICカード1を吸着することが可能な距離となっていることが好ましい。
この場合、吸引ポンプ90は未だ作動しておらず、リミットスイッチ87からの信号により制御装置20aがICカード1の存在を判断したとき、はじめて制御装置20aは吸引ポンプ90を作動させる。この際、吸着装置60の吸着部60aによりカードマガジン21内の最上層のICカード1の裏面を吸着することができる。
その後リミットスイッチ87が引き続いて作動し、リミットスイッチ87からの情報が制御装置20aに送られる。このようにして制御装置20aにより、吸着装置60の吸着部60aにより、ICカード1が間違いなく吸着保持されていることを認識することができる。
以上のように図8に示す変形例によれば、吸着装置60の吸着装置本体60bのうち吸着部60a近傍にセンサ本体86と、リミットスイッチ87と、揺動体88とからなるカード検知センサ85を設けたので、このカード検知センサ85によりカードマガジン21a~21d内にICカード1が積層され収納されていることを確実に検知することができる。このようにカード検知センサ85によりICカード1を検知した後、制御装置20aにより昇降ベルト57および吸着装置60の降下を停止させる。この場合、吸着装置60の吸着部60aとICカード1との間の距離は、吸着部60aによりICカード1を吸着することが可能な距離だけ保たれている。このため吸着装置60が降下して、吸着装置60の吸着部60aがカードマガジン21a~21d内に積層されたICカード1に衝突することはなく、吸着部60aの破損および傷の発生、あるいはICカード1の破損および傷の発生を未然に防ぐことができる。さらにまた吸着装置60の吸着部60aに吸着されたICカード1が落下した場合は、カード検知センサ85によりこの落下を検知することができ、制御装置20aがシステム全体を停止させて、落下したICカード1による移送ジャムを未然に防ぐことができる。
また、吸着装置60にカード検知センサ85を設けて、カードマガジン21a~21d内に積層されたICカード1の有無を検知するので、カードマガジン21a~21d内のICカード1を検知するために各カードマガジン21a~21d内にカード検知センサを設ける必要がない。このためカードマガジン21a~21dを多数設置しても、カードマガジン21a~21d毎にカード検知センサを設ける場合に比べて製造コストの低減を図ることができる。さらにカード検知センサ80によりカードマガジン21a~21d内にICカード1が積層されて収納されていることを検知して、はじめて吸引ポンプ90を作動させて吸着装置60の吸着部60aによりカードマガジン21a~21d内のICカード1を吸着させることができる。このため不必要に吸引ポンプ90を作動させて吸着部60aの吸着面にゴミや不純物を付着させることはなく、吸着部60aの吸着面を清浄に保つことができる。
<第2の実施の形態>
次に第2の実施の形態によるカード移送システム50について図9により述べる。カード移送システム50は、4台のカードマガジン21a~21d内に積載されたICカード1をカードマガジン21a~21d内から取り出し、移送して反転させるものである。
この場合、4台のカードマガジン21a~21dは、各々カードプリンタ20の上方に直線上に配置された載置部21A~21D上に載置され、このため載置部21A~21D上に載置された各カードマガジン21a~21dも直線L方向に並んで配置されている。各カードマガジン21a~21d内には、複数のICカード1がその裏面3が上方を向くように多層に積載されている。
本実施の形態によるカード移送システム50は、カードマガジン21a~21d内のICカード1の裏面3を上方から吸着してカードマガジン21a~21dの上方開口から取り出す吸着装置60と、この吸着装置60を水平方向に送り出す送り出し装置、例えば搬送ベルト51とを有するカード送り出し機構60Aを備えている。このうち搬送ベルト51は駆動ローラ51aおよび駆動ローラ51b間に掛け渡され、直線L方向に沿って水平方向に往復移動可能となっている。
次に吸着装置60と搬送ベルト51との連結構造について説明する。搬送ベルト51には昇降機構56が固定され、この昇降機構56は搬送ベルト51により水平方向に移動可能となっている。昇降機構56は搬送ベルト51により水平方向に移動可能となる昇降機構本体56Aと、この昇降機構本体56A内に配置され、上下方向に移動可能な昇降ベルト57とを有し、このうち昇降ベルト57は駆動ローラ57aおよび駆動ローラ57b間に掛け渡され、上下方向に往復移動可能となっている(図5および図6参照)。
また昇降ベルト57には保持具61が取り付けられており、この保持具61には吸着部60aを有する吸着装置60が回動自在に設けられている。保持具61が昇降ベルト57から直線Lと直交する直線x方向に突出して設けられ、吸着装置60はこの保持具61に直線x回りに回動可能に設けられている。吸着装置60は、ICカード1の裏面3を吸着する吸着部60aを有し、保持具61に対して回動することにより、吸着部60aを下方に向けたり上方に向けたりすることができる。
また搬送ベルト51の搬送方向(直線L方向)下流側には、吸着装置60が通過する開口70aを有する載置台70が配置されている。
ところで載置台70のICカード1の搬送方向下流側に、上述のようにY印刷部22が配置され、このY印刷部22はM印刷部23およびC印刷部24と略同一構造をもつ。すなわちY印刷部22は、インクリボン22rを加熱する印刷ヘッド22aと、インクリボン22rの送り出し部22bと、インクリボン22rの巻き取り部22cとを有する。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まずカードプリンタ20の載置部21A~21D上に複数のICカード1を多層に積層したカードマガジン21a~21dが装着され、カードマガジン21a~21dは直線L上に並ぶよう配置される。各カードマガジン21a~21d内に積層されたICカード1は印字および書き込みがなされていない生のICカード1となっており、ICカード1は裏面3を上方に向けてカードマガジン21a~21d内に収納されている。
この場合、カードマガジン21a内には優良者向け運転免許証を作製するためのICカード1が収納され、カードマガジン21b内には一般人向け運転免許証を作製するためのICカード1が収納され、カードマガジン21c内には新規者向け運転免許証を作製するためのICカード1が収納され、カードマガジン21dには経歴者向け(免許を返納した方向け)のICカード1が収納されている。
次に図示しない検出部により、各カードマガジン21a~21d内に上述したICカードが収納されているか否か確認する。
次にICカード1の発行要求が有るか否か判断し、ICカード1の発行要求が有れば、その発行要求があるICカード1が収納されたカードマガジン21a~21dまで、吸着装置60を保持する昇降機構56が搬送ベルト51に沿って移動する。
この場合カードマガジン21a~21dは、その上方が開口しており、かつカードマガジン21a~21dのうち昇降機構56側の側面(図9においてカードマガジン21a~21dの背面)も開口している。
例えば発行要求があるICカード1がカードマガジン21d内に収納されている場合、昇降機構56がカードマガジン21dの背面に達し、昇降機構56の昇降ベルト57に取り付けられた保持具61がカードマガジン21d内に背面から侵入する。次に保持具61が昇降ベルト57により降下して、保持具61の先端に取り付けられている吸着装置60の吸着部60aが最上層のICカード1の裏面3を上方から吸着する。この場合、吸着装置60の吸着部60aは下方を向いている。
その後、保持具61が昇降ベルト57により上昇し、昇降機構56が全体として搬送ベルト51に沿って移動する。
次に昇降機構56が載置台70上方に達する。次に昇降機構56の昇降ベルト57に取り付けられた吸着装置60が直線x回りに180°回転し、吸着部60aが上方を向き、これに伴い吸着部60aに吸着されたICカード1は吸着部60aの上方に位置する。次に昇降機構56の昇降ベルト57が降下し、吸着部60a上のICカード1が載置台70上に載置される。吸着装置60はその吸着機能を停止させ、載置台70の開口70aを通過して載置台70の下方へ降下する。
このように吸着装置60が180°回転し、かつ吸着装置60が載置台70の開口70a内を通過して降下することにより、載置台70上のICカード1は表面2が上方に向くようその姿勢を変える。
次に載置台70上のICカード1は、その後図示しない搬送ローラによりY印刷部22側へ送られる。その後の工程は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に行われる。