JP7463139B2 - 金属加工装置および金属加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属加工装置および金属加工方法に関する。
従来の金属加工装置としては、パンチとダイによる剪断打抜き法によって金属板材に穴を形成するものが知られている(たとえば、特許文献1等参照)。このようなものでは、パンチの角を曲面として先端に円錐状凹面を設けている。これにより、穴の剪断切口面に亀裂や破断が生じないようにしている。
特開2002-120025号
従来の金属加工具は、打ち抜かれた孔の周縁に径方向にRが形成されるダレが生じてしまう。また、複数の孔を隣接させて開孔する場合には、孔間の金属材料が沈み込んで材料引込が生じる。
このため、ダレおよび材料引込みを減少させるためには、さらなる改善が求められている。
本発明は、ダレや材料引込を低減させることが出来る金属加工装置および金属加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、被加工物の開口予定部位を鍛造により加工硬化させる鍛造工具と、開口予定部位に開口部を打抜形成する打抜工具とを備える。打抜工具は、開口部と同径の挿入部および挿入部に連設されて打抜工具の基端側に向かうにつれて挿入部よりも拡径する肩部を有し、開口部を打抜形成する際、開口部の内周縁に残存する加工硬化部位に対して肩部が内側面から当接する位置まで打抜工具を挿入すると共に、打抜工具の挿入量を調整することにより、開口部の周縁に微細突出が被加工物の上面よりも上方へ突出する直前で肩部から内側面に加えられる力を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、ダレや材料引込を低減させることが出来る金属加工装置および金属加工方法が提供される。
本発明の実施形態における金属加工装置および金属加工方法で、鍛造工具を用いた鍛造工程を説明する要部の模式的な断面図である。 実施形態で、打抜工具を用いた打抜工程を説明する要部の模式的な断面図である。 実施形態で、叩き工具を用いた叩き工程を説明する要部の模式的な断面図である。 実施形態で、開口部が平坦に加工された様子を示す金属板の要部の模式的な断面図である。 実施形態で、複数の開口部が隣接配置される金属板の平面図である。 実施形態で、図5中VI-VI線に沿った位置での金属板の断面図である。 比較例を示し、図6に相当する位置での金属板の断面図である。 打抜工具の一例を示す要部の側面図である。 実施形態の鍛造工具の変形例を示し、(a)は、平らな端面の鍛造工具を用いて金属板を鍛造により加工硬化させる様子を示す要部の模式的な断面図、(b)は、先端が先細りの円錐形状で周囲に平坦部が存在しない鍛造工具を用いる様子を示す模式的な断面図、(c)は、平らな端面の外周縁に面取りされた傾斜面が形成されている鍛造工具を用いる様子を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
金属加工装置1は、被加工物としての板材2を図示しないクランプ治具によって固定する。この状態で、開口予定部位5を叩いて鍛造することにより加工硬化させる鍛造工程と、板材2の鍛造された開口予定部位5に開口部3を打抜形成する打抜工程と、打抜かれた開口部3の周囲に発生した微細突出6を叩き工具にて叩いて均す叩き工程とが順次行なわれる。
本実施形態の金属加工装置1は、各工程を経て、図5に示すような薄板状の板材2の面外方向に複数の開口部3を貫通形成する。これにより、板材2は、3×4個、合計12個の開口部3が縦横それぞれ等間隔で、かつ升目状に形成された板状製品4となる(図5参照)。本実施形態では、開口部3の孔径と板厚とピッチとの関係については、板厚よりも孔径が小さく、孔径の三倍以下のピッチとなるように設定されている。
なお、説明の容易化のため、本実施形態では、板材2に一個の開口部3を形成する場合を主に例示している。これと同様に形成される他の開口部3の説明については省略する。
まず、鍛造工程に用いられる鍛造工具10の構成について説明する。
金属加工装置1には、板材2を水平に載置して固定する図示しないクランプ治具およびスライド移動体が設けられている。スライド移動体は、鍛造工具10を装着した状態でスライド方向(図1中上下方向)に沿って鍛造工具10を移動させる。
鍛造工具10は、下端部に押圧部11と、押圧部11の周縁に位置する平坦部12とを設けている。
本実施形態の押圧部11は、先細りの円錐形状で径方向中央の中心軸S上で最も下方となるように先端11aを凸設させている。
押圧部11は、スライド移動体への装着により、クランプ治具により水平に固定された板材2のうち、板状製品4として完成した状態で開口部3となる開口予定部位5に先端11aを対向させている。
そして、スライド移動体をスライド方向下方へ移動させると、鍛造工具10の押圧部11は、板材2の上面の一部2aに円錐形の先端11aを当接させて、開口予定部位5を上方から押圧する。
先細りの円錐形状に形成されている押圧部11は、開口予定部位5の金属材料を径方向中央から外径方向に向けて押し退ける。押し退けられた部分2bは、板材2の他の部分と比して密度が増大して加工硬化(母材硬化)する。
開口予定部位5の周縁で、加工硬化している部分の径寸法c2は、押圧部11の径寸法c1よりも大きくなる(c1<c2)。
また、本実施形態の押圧部11の周囲には、環状の平坦部12が設けられている。平坦部12は、クランプ治具に装着された板材2と平行に設けられている。そして、板材2が押圧部11によって鍛造される際に開口予定部位5の周縁に上方から平坦部12が当接する。
平坦部12は、開口予定部位5の周縁に当接して、下支えするクランプ治具に向けて、板材2を面外方向上方から下方へ押圧する。これにより、開口予定部位5の周縁の金属材料は、面外方向上方への移動が阻害されて、加工硬化が促進される。
本実施形態の金属加工装置1は、図2に示すように、打抜工程に用いられる打抜工具20を備えている。打抜工具20は、板材2のうち開口予定部位5に開口部3を打抜形成する。
打抜工具20は、先端(下端)側に位置して、鍛造工具10の押圧部11の径寸法c1とほぼ同等の径を有する円柱形状の挿入部22と、挿入部22よりも大径で、スライド移動体に装着されて上下方向へのスライド移動とともに移動する基端(上端)側の基端部24と、挿入部22と基端部24との間で挿入部22のスライド方向(上下方向)の上方に連設される肩部26とを一体に有している。
このうち、肩部26の傾斜角度α2は、図1に示す押圧部11の傾斜角度α1よりも小さい(α1>α2)。本実施形態では、α1=約45度、α2=約10度とした。
図8に示すように、本実施形態の肩部26には、湾曲面28が形成されている。湾曲面28は、挿入部22から基端部24に向かうにつれて外方へ拡径するように形成されている。
湾曲面28の拡径率(増加した半径方向の寸法r/スライド方向の寸法h)は、挿入部22から基端部24に向かうにつれて徐々に増大するように設定されている。
例えば、湾曲面28上の各部におけるスライド方向の寸法を均等(h1=h2=h3)とすると各部における半径方向の増加量は、徐々に増加する(r1<r2<r3)。
これにより、湾曲面28の拡径率は、挿入部22との連結部側では、最小となり挿入部22の側面と面一となる。また、湾曲面28の拡径率は、基端部24側との連結部側では、最大となる。
図2に示すように、打抜工具20は、挿入部22を開口予定部位5の加工硬化した部位に当接させて開口部3を打抜形成する。この際、開口部3は、開口予定部位5の加工硬化した範囲内に収まることが好ましい。
打抜工具20の挿入部22は、スライド方向への挿入により、密度が増大して加工硬化した金属材料を周囲に残して下面側へ板材2を打抜く。
打抜工具20の肩部26は、開口部3の開口部の内側面16に当接すると、周縁の金属材料を拡径方向へ押し広げるとともに開口部3の上方に押出そうとする。
これにより、打抜工具20に引きずられてスライド方向下方へ移動しようとする周縁の金属材料は、その場に留まり、開口部3の周縁にダレや材料引込が発生しないように抑制される。
また、本実施形態の金属加工装置1は、図3に示すように、叩き工程に用いられる叩き工具30を備えている。叩き工具30は、スライド移動体とともに上下方向にスライド移動して開口部3の周囲に発生した微細突出6を上方から叩いて平坦とする。
たとえば、打抜工具20により開口部3が打抜かれる際、肩部26の挿入量によっては図2に示すように開口部3の周縁に上方へ突出する微細突出6が発生する場合がある。
叩き工具30は、下面側で板材2に対向する部分に、平坦な叩き面32を有している。
叩き面32は、クランプ治具に固定された板材2の上面2cと平行に設けられていて、スライド移動体の下方へのスライド移動により開口部3の周囲に発生した微細突出6を均等に叩いて均すことができる。
打抜工具20は、開口部3から引抜かれる。開口部3の周囲に発生した微細突出6は、叩き工具30によって上方から叩かれて上面2cと同じ高さまで潰されて平坦となる(図4参照)。
本実施形態では、図5に示すように、3×4個、合計12個の開口部3が縦横それぞれ等間隔で、かつ升目状に板状製品4に形成される。
打抜き工程では、図6に示すように、各スライド移動体のスライド方向の移動量を制御して打抜工具20の開口部3への挿入量が調整される。そのため、肩部26の挿入寸法を微調整できる設備であることが好ましい。また、金属加工装置のスライド方向の位置精度は、±1/100~1/1000mmであることが望ましい。これにより、開口部3の周縁の内側面16に当接する肩部26の押圧力が調整されて、微細突出6の発生を抑制することができる。
これに対して挿入部がストレートで肩部26が存在しない通常の打抜き工具を使用して、加工硬化していない金属板材を加工した比較例を図7に示す。この比較例で、各開口部3a~3cの周縁にダレが発生する。このようなダレの大きさ(以下、ダレ量d1,d2…とも記す)は、複数の開口部3が形成される部分ではさらに大きくなる(例えばd1<d2)。ここで、ダレ量d1は、約0.1mm,d2は、約0.15mm程度生じる。
特に、開口部3a~3cが直線状に整列配置されている場合、各開口部3a~3cの周縁に形成されるダレ量d1,d2…が中間位置に向けて重積される。このため、中央の開口部3b付近では、周囲の上面2cよりも所定寸法H、下方に沈み込む材料引込が発生する。ここで、所定寸法Hは、約0.05mm程度生じる。
次に、実施形態の金属加工装置および金属加工方法の作用効果について説明する。
本実施形態では、図1に示すように鍛造工具10を用いて板材2の開口予定部位5を鍛造して加工硬化させる。
詳しくは、本実施形態の鍛造工具10を用いた鍛造工程では、まず、スライド移動体に鍛造工具10を装着する。鍛造工具10の先端11aは、先細りの円錐形状で径方向中央の中心軸S上に凸設されて、開口予定部位5の中央部の真上に配置される。
スライド移動体のスライド方向下方への移動により、押圧部11は、水平に固定された板材2に近接するように下方に移動する。そして、板材2の開口予定部位5の中央に先端11aを当接させる。
さらにスライド移動体をスライド方向下方へ移動させると、鍛造工具10の押圧部11は、先端11aが当接した径方向中央から外径方向に向けて金属材料を押し退ける。押し退けられた部分2bは、板材2の他の部分と比して密度が増大して加工硬化(母材硬化)する。
そして、本実施形態の押圧部11は、円錐形の先端11aを凸設させているので、中心軸Sから外径方向の何れの方向へも均等に押圧された金属材料は押し退けられる。
しかも、本実施形態の鍛造工具10の円錐形状の押圧部11は、先細りに突設されている。このため、開口予定部位5では、均等に金属材料が押し退けられる際、押圧部11の下方に向けて金属材料を圧縮する。また、外径方向の周囲に多くの金属材料を均等に押し退けるためクラック等の発生も抑制される。したがって、押圧部11の外径寸法c1よりも大きな径方向寸法c2で加工硬化された開口予定部位5を得ることができる。
なお、鍛造工程では、板材2を固定するクランプ治具に上面側を凹ませた凹部が形成されていてもよい。凹部は、中心軸Sと一致するように形成されるとなおよい。
鍛造工具10による鍛造工程では、平坦部12によって、開口予定部位5の周縁の金属材料が面外方向上方へ逃げないように抑えこまれる。このため、より圧縮されて加工硬化の効率が良好である。
図2に示すように、打抜工具20の挿入部22は、開口予定部位5の加工硬化した部位に挿入されて開口部3が打抜形成される。打抜工具20は、開口部3の内周縁に残存する加工硬化している部位に対して、肩部26を内側面16から当接させる。
この際、打抜工具20の挿入量を調整することにより、微細突出6が上面2cよりも上方へ突出する直前で肩部26が内側面16に加える力を停止させる。これにより、開口部3の周縁は、上面2cと面一となり、外観品質を向上させることができる。
また、打抜工具20の挿入量によっては、発生した微細突出6が開口部3の周縁から上方に向けて突出する。
本実施形態では、図3に示すように叩き工具30を用いて、開口部3の周囲から突出した微細突出6を叩いて、図4に示すように上面2cと面一となる平坦面を形成することができる。
このため、金属加工装置1の性能により、スライド移動体のスライド方向の位置精度が高精度なものでなくても、ダレや材料引込を低減させることが出来、製造コストを増大させることなく所望の外観品質を有する板状製品4が得られる。
また、図8に示すように、肩部26の湾曲面28は、先端側の挿入部22から基端側の基端部24に向かうにつれて拡径率(r/h)を増大させている。
すなわち、先端側の挿入部22付近では、拡径率を小さく設定することができる。このため、スライド方向の位置精度が高精度な金属加工装置1でなくても、肩部26が内側面16を押圧する力は急変しない。よって、スライド移動体のスライド方向の位置精度が低い精度の金属加工装置、たとえばスライド方向の位置精度が1/10mm程度の金属加工装置を使用でき、製造コストの増大が抑制される。
たとえば、拡径率r2/h2(またはr3/h3)よりも小さい拡径率r1/h1(またはr2/h2)を有する湾曲面28では、スライド方向の位置ズレによる開口部3の加工量の変動が少ない。
また、肩部26の基端部24側の拡径率を挿入部22側より大きく設定することができる。このため、肩部26が基端部24と連接される部分において中心軸と直交する方向の断面積の変化量を少なくして、折曲がりの起点となる部分を設けないようにすることができる。したがって、打抜工具20は、挿入部22の支持剛性を向上させることが出来、微細な開口部3の加工についても容易に行える。
また、図3に示すように、叩き工具30は、平坦な叩き面32を当接させて、開口部3の周囲に発生した微細突出6を叩いて平坦とする。
このため、スライド移動体のスライド方向の位置精度が高精度なものでなくても、図4に示すように、開口部3の周囲を、板材2の他の上面2cと面一とすることができる。
したがって、ダレや材料引込を減少させて、所望の外観品質を有する板状製品4が得られる。
図9は、実施形態の鍛造工具の変形例を示している。なお、実施形態の金属加工装置および金属加工方法と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図9(a)は、変形例の鍛造工具40を示している。鍛造工具40は、平坦な端面41を押圧面として有する。そして、鍛造工具40は、板材2を鍛造して加工硬化させる。
加工硬化により開口予定部位5は、実施形態と比較して広い面積で、径方向中央から外径方向に向けて押し退けられて密度を向上させることができる。
他の構成および作用効果については、実施形態の金属加工装置および金属加工方法と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図9(b)は、先端が先細りの円錐形状の押圧面51を有し、押圧面51の周囲に平坦部が存在しない(図1中、平坦部12参照)鍛造工具50を用いて板材2を鍛造により加工硬化させる。
このように構成された鍛造工具50では、開口予定部位5が径方向中央から外径方向に向けて押し退けられて密度を向上させることができる。
他の構成および作用効果については、実施形態の金属加工装置および金属加工方法と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図9(c)は、平担な端面61の平らな端面の外周縁に面取りされた傾斜面62が形成されている鍛造工具60を用いて板材2を鍛造により加工硬化させる。
このように構成された鍛造工具60では、開口予定部位5の特に外周縁部分が径方向中央から外径方向に向けて押し退けられて密度を向上させることができる。
他の構成および作用効果については、実施形態の金属加工装置および金属加工方法と同一乃至均等であるので説明を省略する。
上述してきたように、本実施形態の金属加工装置1を用いた金属加工方法では、板材2の開口予定部位5を鍛造により加工硬化させる鍛造工程(図1参照)と、板材2の鍛造された開口予定部位5に開口部3を打抜形成する打抜工程(図2参照)とを備えている。
このため、鍛造工程にて、加工硬化が行われた開口予定部位5を、打抜工程にて打抜いて、開口部3が形成される。
開口部3の周縁の金属材料は、径方向中央から外径方向に向けて押し退けられて密度を向上させている。したがって、開口部3の周縁では、ダレや材料引込を低減させることができる。
また、叩き工程(図3参照)は、打抜かれた開口部3の周囲に発生した微細突出6を叩き工具30にて叩いて均す。このため、打抜工程の際に、打抜工具20のスライド方向への移動量の精度が良好ではない等、微細突出6が発生した場合であっても、叩き工程にて微細突出6を叩いて他の上面2cと面一とすることができる。
このように、本実施形態の金属加工装置および金属加工方法では、ダレや材料引込を低減させることが出来、板状製品4の外観品質を向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、たとえば以下のようなものである。
本実施形態では、図9(a)~(c)に示すように三種類の鍛造工具の変形例を列挙したが鍛造工具、打抜工具および叩き工具は、本実施形態のものに限定されるものではない。たとえば、先端が半球形形状等であってもよく、開口予定部位を鍛造により加工硬化させるものであれば、鍛造工具、打抜工具および叩き工具の形状、数量および材質が特に限定されるものではない。
1 金属加工装置
3 開口部
5 開口予定部位
10 鍛造工具
16 内側面
20 打抜工具
22 挿入部
24 基端部
26 肩部

Claims (8)

  1. 被加工物の開口予定部位を鍛造により加工硬化させる鍛造工具と、
    前記開口予定部位に開口部を打抜形成する打抜工具と、を備え、
    前記打抜工具は、前記開口部と同径の挿入部および前記挿入部に連設されて前記打抜工具の基端側に向かうにつれて前記挿入部よりも拡径する肩部を有し、
    前記開口部を打抜形成する際、前記開口部の内周縁に残存する加工硬化部位に対して前記肩部が内側面から当接する位置まで前記打抜工具を挿入すると共に、前記打抜工具の挿入量を調整することにより、前記開口部の周縁に微細突出が前記被加工物の上面よりも上方へ突出する直前で前記肩部から内側面に加えられる力を停止させることを特徴とする金属加工装置。
  2. 前記鍛造工具は、前記開口予定部位を径方向中央から外径方向に向けて押し退ける押圧部を凸設させていることを特徴とする請求項1に記載の金属加工装置。
  3. 前記押圧部は、先細りの円錐形状であることを特徴とする請求項2に記載の金属加工装置。
  4. 前記押圧部の周囲には、鍛造される際に前記開口予定部位の周縁に当接する平坦部が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の金属加工装置。
  5. 前記打抜工具の前記肩部は、
    前記基端側に向かうにつれて拡径率が増大する湾曲面を有していることを特徴とする請求項1~4のうち何れか一項に記載の金属加工装置。
  6. 前記開口部を打抜いた状態で前記開口部の周囲を叩いて平坦とする叩き工具を備え、
    前記叩き工具は、前記打抜工具の前記肩部の挿入により前記開口部の周縁に発生した微細突出を叩いて均す叩き面を有することを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の金属加工装置。
  7. 被加工物の開口予定部位を鍛造により加工硬化させる鍛造工程と、
    被加工物の鍛造された開口予定部位に開口部を打抜形成する打抜工程と、を備えて、前記打抜工程では、打抜工具の挿入量を調整することにより、前記開口予定部位の周縁に微細突出が前記被加工物の上面よりも上方へ突出する直前で挿入により加えられる力を停止させることを特徴とする金属加工方法。
  8. 打抜かれた前記開口部の周囲に発生した微細突出を叩き工具にて叩いて均す叩き工程をさらに備える請求項7に記載の金属加工方法。
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