[第1実施形態]
本発明の実施形態に係るゲームシステム1およびゲームプログラムについて、図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1のゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
本実施形態で説明するゲームは、前記ゲームシステム1にて実行されるオンラインゲームである。前記ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のキャラクタ(プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタ)を仮想ゲーム空間で活動させたり、キャラクタを敵キャラクタと対戦させたりする。その際、ゲーム媒体を適宜利用して、例えば提示された課題(クエスト)をクリアすることによってゲームが進められる。
前記ゲーム媒体は、ゲームに関する要素を表した電子データであって、キャラクタ、キャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)、キャラクタやアイテムを取得する権利(チケット)などが含まれる。ユーザは、前記ゲーム媒体を、課金による直接購入、クエストのクリア、ガチャと呼ばれる仕組みを用いた方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDB221(後述)に記憶され管理される。
ここで、ガチャとは、サーバ装置2にて、抽選リスト222a,222b(後述)の中から、所定の選択確率に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択されたゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置5に付与される。ユーザは、消費媒体の消費指示や、アイテムを取得する権利(ガチャチケット)の使用指示を行うことで、ガチャを引くことができる。
消費媒体は、ゲーム内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
なお、“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザの識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
特に、図2に示すように、本実施形態のゲームでは、ガチャによるゲーム媒体の入手方法として、「通常ガチャ」による入手方法と、「ストックガチャ」による入手方法との、2つがある。
「通常ガチャ」は、ユーザがゲーム装置5から“ガチャを引く”操作を行った際、サーバ装置2がその操作に基づいてゲーム媒体の抽選を行う方法である。通常ガチャでは、ユーザは、図2の画面sc2に示すように、当選したゲーム媒体(キャラクタC)の内容(名称など)を、直ちに把握でき、そのゲーム媒体を直ちにゲームにて使用することもできる。
「ストックガチャ」は、「通常ガチャ」とは別途、サーバ装置2内部でゲーム媒体の抽選が自動的に行われ、その結果当選したゲーム媒体がある場合はこれをストック媒体として一旦ストックする方法である。ストック媒体がストックされた状態では、ユーザは、どのようなゲーム媒体を入手できたのかは把握できず、そのストック媒体(ゲーム媒体)をゲームにて使用することもできない。ストック放出条件が成立した際に、ストック媒体の少なくとも1つが放出される(画面sc5のキャラクタSS)。この放出により、ユーザは、ストックガチャにてどのような内容のゲーム媒体が当選したのかを把握し、以後はそのストック媒体(ゲーム媒体)をゲームにて使用することができる。
「通常ガチャ」と「ストックガチャ」が存在することで、ユーザは、「通常ガチャ」のみの場合よりも、ガチャによってゲーム媒体を獲得できる機会をより多く得られる。「ストックガチャ」の存在により、ユーザは、通常ガチャによってゲーム媒体を獲得しながらゲームを進めつつも、ストック媒体の放出時になれば内部的に当選していたストック媒体の内容を知ることができ、そのストック媒体をゲームにて使用できるようになる。従って、ユーザにとっては、ゲームを進める楽しみが増す。
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、PlayStation Vita(登録商標)などの携帯ゲーム機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどのゲーム装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5が、スマートフォンである場合を例示する。
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。
サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。
なお、ゲーム装置5は、ゲームを進行するにあたり、先ずはサーバ装置2にログインする。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、ユーザ毎の識別情報(ユーザID)およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して複数のゲーム装置5と通信可能に接続される。
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部22には、ゲームをプレイするユーザそれぞれのアカウント情報およびログイン履歴、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムが格納されている。また、記憶部22には、ユーザDB221、複数の抽選リスト222a,222bおよび各種テーブルが格納されている。
-ユーザDB-
図3に示すように、ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、所有するゲーム媒体に関する情報(名称や種類など)、現在の消費媒体の量(コイン数)、通常ガチャの実行回数、ストックしているストック媒体の数(ストック数)、ストック中のストック媒体に関する情報(名称や種類など)、現在のモードが、関連づけて記憶されている。
通常ガチャの実行回数は、これまでに通常ガチャ(通常抽選処理)が実行された回数の累積値である。通常ガチャの実行回数には、ゲーム媒体をストックする処理にて利用される値(ストック用)と、ストック媒体を放出する処理にて利用される値(放出用)との、2つがある。各値は、各処理それぞれにおける個々のタイミングで、累積およびリセットが行われる。
モードは、ストックされているストック媒体の“放出のし易さ”に関連するものである。本実施形態では、“放出のし易さ”が複数段階に定義づけられ、各段階に応じたモードが存在する。従って、本実施形態では、複数のモードが設定されている。このうち、現在どのモードにてユーザがプレイしているかを表すのが、ユーザDB221における“現在のモード”である。
-抽選リスト-
抽選リスト222aは、通常ガチャによる通常抽選処理の際に用いられる。抽選リスト222bは、ストックガチャによるストック抽選処理の際に用いられる。各抽選リスト222a,222bは、ゲーム媒体に関する情報を複数含む。
図4に示すように、各抽選リスト222a,222bでは、各抽選処理にて選択候補となるゲーム媒体についての情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、そのゲーム媒体の抽選による選択確率とが、1レコードとして対応づけられている。各抽選リスト222a,222bは、このようなレコードを複数含んでいる。
通常抽選処理の際に用いられる抽選リスト222aには、希少価値の低いゲーム媒体から高いゲーム媒体まで、幅広い価値のゲーム媒体が含まれている。ストック抽選処理の際に用いられる抽選リスト222bには、抽選リスト222aよりも、希少価値の高いゲーム媒体が多く含まれている。希少価値の高いゲーム媒体が抽選により選択される確率は、通常抽選処理の場合よりも、ストック抽選処理の場合の方が高い。
抽選リスト222aには、ゲーム媒体の欄が“選択しない”であるレコードは存在しないが、抽選リスト222bには、“選択しない”のレコードが存在する。これは、通常抽選処理では、何らかのゲーム媒体が必ず選択されるが、ストック抽選処理では、ゲーム媒体が必ず選択されるとは限らないことを意味する。即ち、ストックガチャでは、ゲーム媒体が選択されない(当選しない)場合が存在する。
また、各抽選リスト222a,222bにおける選択確率の合計値は100%となる。図3の抽選リスト222bでは、ゲーム媒体を“選択しない”確率が80%、ゲーム媒体が選択される確率(即ち、ゲーム媒体をストックすることが決定される確率)が20%である場合を例示する。
このように、ストック抽選処理にてゲーム媒体がストックされる確率(20%)は、通常抽選処理にて何等かのゲーム媒体が選択される確率(100%)よりも低い。その代わり、通常ガチャよりもストックガチャの方が、ユーザは、希少価値の高いゲーム媒体を獲得し易い。
-各種テーブル-
各種テーブルとは、ストック放出条件の成立判定、次回放出時におけるストック放出条件の設定、ストック媒体の放出数の決定などに関して、適宜用いられるテーブルである。各種テーブルには、図5~7などが挙げられるが、各テーブルついては後述する。
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、図1に示すように、情報処理手段231、照合手段232、通常抽選手段233、ストック抽選手段234、ストック手段235、恩恵付与手段236、放出判定手段237、および放出数決定手段238として機能する。
-情報処理手段-
情報処理手段231は、サーバ装置2および各ゲーム装置5と各種データを送受信する。情報処理手段231が受信するデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求、ユーザの操作に応じた通常ガチャの抽選要求、ストック媒体の放出要求、アカウント情報、クエスト実行要求などが挙げられる。情報処理手段231が送信するデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ストック放出処理の実行指示、ユーザの識別情報と関連づけられたゲーム媒体に関する情報、などが挙げられる。
-照合手段-
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したアカウント情報を用いて、ユーザの認証処理を行う。
-通常抽選手段-
通常抽選手段233は、通常ガチャの抽選要求の受信に伴って、通常ガチャの抽選リスト222aの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいていずれかのゲーム媒体を選択する。通常抽選手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信の元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連づける。この際、選択したゲーム媒体は、直ちにでもゲームにて使用可能な状態に保たれる。通常抽選手段233によるこれらの一連の処理を、“通常抽選処理”と言う。
通常抽選処理は、通常ガチャの抽選要求の送信の元となる操作が行われる毎に、その操作を行ったユーザに対して個々に行われる。
通常抽選手段233は、通常抽選処理を行うたびに、ユーザDB221内の“通常ガチャの実行回数(ストック用および放出用の双方)”も更新する。
-ストック抽選手段-
ストック抽選手段234は、通常抽選処理とは別途、1以上のゲーム媒体をストック媒体としてストックするか否かのストック抽選処理を行う。具体的に、ストック抽選処理では、図4におけるストックガチャの抽選リスト222bを用いて、ゲーム媒体をストックするか否かと、ストックする場合はどのゲーム媒体をストックさせるかが、抽選により決定される。
ストック抽選処理は、通常抽選処理のたびに行われる。
-ストック手段-
ストック手段235は、ストック抽選処理にて当選したストック媒体がある場合、そのストック媒体をゲームにて使用不可能な状態に遷移させ、かつ、当該ストック媒体に関する情報をユーザDB221内の該当レコードに書き込むことで、ストック媒体をストックした状態にする。このストック処理は、当選したストック媒体の具体的な内容をユーザには報知しない状態で行われる。
更に、ストック手段235は、ストック用の通常ガチャ(通常抽選処理)の実行回数が所定回数に達した場合、抽選リスト222bのうち“選択しない”を除いたゲーム媒体の中から、1以上のゲーム媒体を必ず選択する。ストック手段235は、選択したゲーム媒体をストック媒体とし、ゲームにて使用不可能な状態かつその内容をユーザには報知しない状態にて、ユーザDB221内におけるユーザの識別情報に関連づける。この強制ストック処理は、ストック抽選処理の抽選結果とは関係なく行われる。
なお、上記強制ストック処理が行われた場合、ストック用の通常ガチャの実行回数はリセットされ、再度カウントが開始される。
上記強制ストック処理は、ストック中のストック媒体が存在しない状態でストック放出条件が成立した場合にも別途行われる。この場合に選択されストックされるゲーム媒体(ストック媒体)を、特に“ストック切れ媒体”と言う。
まとめると、ストック媒体がストックされるパターンとしては、以下の(a)~(c)が挙げられる。
(a)通常ガチャ実行毎のストック抽選処理の結果、当選したゲーム媒体がある場合。
(b)ストック用の通常ガチャの実行回数が所定回数に達した場合。
(c)ストック媒体が存在しない状態にてストック放出条件が成立した場合。
-恩恵付与手段-
恩恵付与手段236は、ストック媒体全てが放出されたことによってストック中のストック媒体が存在しなくなった場合、ストック媒体がなくなったユーザの識別情報に、特定ゲーム媒体を関連づける。恩恵付与手段236は、特定ゲーム媒体を、ストック切れの恩恵としてユーザに付与する。
ここで、特定ゲーム媒体とは、抽選で選択されるものではなく、予め決定されているものである。特定ゲーム媒体には、通常ガチャを行うことができる権利(以下、ガチャチケット)、ストック切れの場合にしか入手できないキャラクタやアイテム、キャラクタのボイス、対戦中に使える新技(スキル)、キャラクタのパラメータを特殊な状態に変動させる権利、消費媒体などが挙げられる。
-放出判定手段-
放出判定手段237は、ストック放出条件の成立の有無を判定する。ストック放出条件が成立した場合、放出判定手段237は、ストック放出処理の実行指示を出力する。ストック放出処理の実行指示は、情報処理手段231を介してゲーム装置5に送信される。
ストック放出処理とは、ゲーム装置5側にて、ストック中のストック媒体のうち少なくとも1つの内容がユーザに報知されるとともに、報知対象のストック媒体がゲームにて使用可能な状態に遷移される処理である。ストック放出処理の実行指示の出力に伴い、放出判定手段237は、放出対象となったストック媒体の内容を、図3のユーザDB221における“ストック中のストック媒体”から削除し、“所有するゲーム媒体”に追加する。放出対象となったストック媒体は、“所有するゲーム媒体”に追加されたことに伴い、以降はゲームにて使用可能であると認識される。
ここで、ストック放出条件について説明する。本実施形態のストック放出条件には、以下の(i)~(iii)が含まれる。本実施形態の放出判定手段237は、下記(i)~(iii)のいずれかが成立した場合、ストック放出条件が成立したと判定して、ストック放出処理の実行指示を出力する。
(i)通常ガチャの実行(通常抽選処理が行われる)毎に、図5に示された所定の放出確率にてストック媒体の放出抽選を行い、その結果、ストック媒体の放出が当選した場合。(ii)上記(i)とは別途、放出用の通常ガチャの実行回数が、図5の太枠に示す規定回数に達した場合。
(iii)上記(i)(ii)とは別途、ストック媒体の放出要求を、情報処理手段231がゲーム装置5から受信した場合。
ここで、上記(iii)は、ユーザがゲーム装置5に行った操作に基づき、ストック放出処理の実行が指示された場合に相当する。即ち、上記(iii)は、ゲーム内通貨などの消費媒体の消費と引き替えに、ユーザが自らの意思でストック中のストック媒体を放出させるべき操作を行った際の条件である。
上記(i)は、放出するか否かを抽選で決定する条件であり、上記(ii)(iii)は、ストック放出処理を強制的に行わせる条件である。
更に、放出判定手段237は、ストック放出処理の実行指示を出力するたびに、次回のストック放出処理に向けて、上記(ii)の規定回数を決定する。
図6は、上記(ii)の規定回数を決定する際に用いられるテーブルである。図6では、モード毎に規定回数が設定されており、各モードが選択される確率は、“振り分け”にて表されている。図6によれば、モードAからモードGまでの7つのモードがあり、各モードの規定回数は異なっている。“振り分け”によれば、モードは、モードA、モードG、モードF、モードB~D、モードEの順に選択され易くなっている。
例えば、モードEの状態にてストック放出処理の実行指示を出力したあと、放出判定手段237が、モードBを選択したとする。この場合、上記(ii)における次回の規定回数は、“5回”に設定される。放出判定手段237は、ユーザDB221における放出用の通常ガチャの実行回数が4回に達するまでは、上記(i)に従って、所定の放出確率(例えば0.5%)にてストック媒体の放出抽選を行う。
その結果、ストック媒体の放出が当選した場合、放出判定手段237は、上記(i)のストック放出条件が成立したと判定する。放出が当選しない場合でも、この間に、ストック媒体の放出要求を受信した場合、放出判定手段237は、上記(iii)のストック放出条件が成立したと判定する。上記(i)(iii)が成立しなかったとしても、放出判定手段237は、放出用の通常ガチャの実行回数が5回に達したところで、上記(ii)のストック放出条件が成立したと判定する。
図6のモードA(図6の太枠内)では、規定回数は“0回”、振り分けは“50%”である。規定回数“0回”は、通常ガチャ(通常抽選処理)を新たに行わずとも、モードAが選択された時点で上記(ii)のストック放出条件が直ちに成立することを意味する。従って、一旦モードAが選択されれば、当該モードAは50%の確率で選択され続け、他のモードB~Gが選択されない限りはストック放出処理の実行指示が出力され続ける。即ち、モードAが一旦選択されれば、ストック媒体の放出が、50%の確率で連続して行われる。
なお、放出判定手段237は、ストック放出処理の実行指示を出力する際、ストック中のストック媒体のうちどのストック媒体を放出するかも決定し、その内容も出力する。本実施形態では、ストック媒体は、ストックされた順番が最も古いものから順に放出される(First In-First Out:FIFO方式)。
-放出数決定手段-
放出数決定手段238は、上述したストック放出条件の成立の際に、ユーザに報知されゲームにて使用可能となるストック媒体の数を決定する。つまり、放出数決定手段238は、ストック放出処理を1回行うにあたり、何個のストック媒体を放出させるかを決定する。
具体的に、上記(i)(ii)のいずれかのストック放出条件が成立した場合、放出数決定手段238は、放出させるストック媒体の数を、図7のテーブルに従って抽選で決定する。図7のテーブルでは、ストック媒体の放出数ごとに、その放出数が選択される確率(振り分け)が規定されている。図7によれば、放出数“1個”は50%、“2個”は25%、“3個”は20%、“全て”は5%の確率で、抽選により選択される。
放出数決定手段238が決定した放出数の情報は、上記ストック放出処理の実行指示とともにゲーム装置5に送信される。放出数の情報の出力に伴い、放出数決定手段238は、図3のユーザDB221におけるストック媒体のストック数を、決定した放出数だけ減算する。
なお、上記(iii)のストック放出条件が成立する場合、ユーザは、ストック媒体の放出数についても指定する。この場合、放出数決定手段238は、図3のユーザDB221におけるストック媒体のストック数を、指定された放出数だけ減算する。
<ゲーム装置5の構成>
複数のゲーム装置5は、いずれも同様の構成を有する。
図1に示すように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
ディスプレイ61およびスピーカ62は、報知部に相当する。
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されており、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
<ゲーム装置5における制御部56の機能的構成>
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562および報知制御手段563として機能する。
-通信手段-
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。
例えば、通信手段561は、アカウント情報、ゲームデータのダウンロード要求、クエスト実行要求、通常ガチャの抽選要求、ストック媒体の放出要求などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきたゲームデータ、ストック放出処理の実行指示、ゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
-ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または三次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。ゲーム実行手段562は、ゲーム媒体を使用して、クエストなどのゲームを実行させる。
-報知制御手段-
報知制御手段563は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御およびスピーカ62の音声出力制御を行う。
通常ガチャに関しては、図2に示すように、報知制御手段563は、通常ガチャを引く操作の受付画面sc1、画面sc1上でユーザが「ガチャを引く」操作を行った後の画面sc2を、ディスプレイ61に表示させる。受付画面sc1上で「ガチャを引く」操作が行われた場合、サーバ装置2に通常ガチャの抽選要求が送信される。画面sc2は、ストックガチャとは関係なく、通常抽選処理の結果当選したゲーム媒体の内容を、ユーザに報知するための画面である。
ストックガチャに関しては、報知制御手段563は、上述したストック放出処理を行い、ストック媒体の放出に関する図8の画面sc3~sc5を、ディスプレイ61に表示させる。
画面sc3は、ストック放出条件のうち、上記(i)(ii)のストック放出条件が自動的に成立した場合の画面例である。画面sc3は、上記(i)(ii)のストック放出条件の成立により、ストック放出処理の実行指示がサーバ装置2から送信されてきた際に表示される。
画面sc4は、上記(iii)のストック放出条件の成立に関連して表示される画面例である。画面sc4から、“放出”ボタンb1をユーザが選択した場合に、上記(iii)のストック放出条件が成立し、ストック媒体の放出要求がゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。画面sc4では、ユーザは、放出対象とするストック媒体の数も、消費媒体の消費量を考慮しながら設定することができる。
画面sc5は、画面sc3,sc4の後に表示される画面であって、放出対象となるストック媒体の内容を、ユーザに報知させるための画面である。画面sc5が表示された際には、そのストック媒体は、ゲームにて使用不可能な状態から使用可能な状態へと遷移されている。画面sc5は、サーバ装置2から送信されてきた、放出対象となるストック媒体に関する情報に従って表示される。この画面sc5により、ユーザは、ストック媒体の内容を初めて知ることができ、以後はそのストック媒体を使用することができる。従って、画面sc5の表示は、ストック放出処理が行われたことを意味する。
なお、画面sc5では、放出対象となるストック媒体の右下に、“継続”と表記されている。これは、今回放出されるストック媒体が更に存在し、ストック媒体が連続して放出されることを意味する。報知制御手段563は、放出数決定手段238が決定したストック媒体の数、または、モードに従って、画面sc5を連続して表示させる。
また、報知制御手段563は、図9の画面sc6,sc7をディスプレイ61に表示させる。
画面sc6は、ゲーム実行中の画面である。画面sc6の上部には、ストック放出条件が成立する期待度を示唆する情報inf1が表記されている。この情報inf1の表記は、ユーザDB221における現在のモード、放出用の通常ガチャの実行回数が規定回数に到達するまでの残り回数などに応じて、適宜決定される。
画面sc7は、上記(i)(ii)のストック放出条件が内部的に成立したが、ストック中のストック媒体が存在しない場合に、この旨の情報inf2をユーザに知らせるための画面である。画面sc7には、ストック切れの恩恵である特定ゲーム媒体の内容“ガチャチケット”も、表示されている。この画面sc7は、上記(i)(ii)のストック放出条件が成立した旨、現時点でのストック媒体の数が“0”である旨、および、特定ゲーム媒体の内容を表す情報が、サーバ装置2から送信されてきた場合に、ディスプレイ61に表示される。
報知制御手段563は、各種画面sc1~sc7の表示に伴い、各画面sc1~sc7の内容に伴った音をスピーカ62から出力させる。
<ゲームシステム1の動作の流れ>
本実施形態のゲームシステム1の動作は、「ゲーム媒体をストックする処理の流れ」「ストック媒体を放出する処理の流れ」に大別される。
-ゲーム媒体をストックする処理の流れ-
図10は、サーバ装置2が行う、ゲーム媒体をストックする処理のフロー図である。
ゲーム装置5のディスプレイ61上に、図2の画面sc1が表示され、この画面sc1上から、ユーザにより「ガチャを引く」操作が行われたとする。この場合、ゲーム装置5は、通常ガチャの抽選要求を出力する。
サーバ装置2は、通常ガチャの抽選要求を受信すると(ステップSt1のYES)、通常ガチャに関する処理を行う。具体的に、通常抽選手段233は、抽選リスト222aを用いて通常抽選処理を実行する。通常抽選手段233は、図3のユーザDB221内における該当レコードにおいて、“通常ガチャの実行回数(ストック用および放出用の双方)”をインクリメントし、通常抽選処理(通常ガチャ)により当選したゲーム媒体を、“所有するゲーム媒体”に追加する。情報処理手段231は、当該ゲーム媒体に関する情報を、抽選要求の送信元であるゲーム装置5に送信する(ステップSt2)。
これにより、ゲーム装置5のディスプレイ61には、図2の画面sc2が表示され、通常ガチャで当選したゲーム媒体の内容はユーザに報知される。当選したゲーム媒体は、直ちにゲームにて使用可能となっている。
更に、サーバ装置2は、ストックガチャに関する処理として、強制ストック処理(ステップSt4,St5)、ストック抽選処理に伴うストック処理(ステップSt6~St8)を行う。
具体的に、現時点でのストック用の通常ガチャの実行回数が所定回数に到達した場合(ステップSt3のYes)、ストック手段235は、抽選リスト222bのうち“選択しない”を除いたゲーム媒体の中から1以上のゲーム媒体を選択し、これをストック媒体に決定する(ステップSt4)。
次いで、ストック手段235は、ユーザDB221を更新する(ステップSt5)。具体的に、ストック手段235は、決定したストック媒体を“ストック中のストック媒体”に追加し、“ストック媒体のストック数”をインクリメントする。ストック手段235は、ストック用の通常ガチャの実行回数をリセットする。このステップSt5の処理は、ストック媒体がユーザに報知されることなく行われる。
これにより、当該ストック媒体は、ゲームにて使用不可能な状態にてユーザの識別情報に関連づけられ、ストックされた状態となる。
通常ガチャの実行回数が所定回数に到達していなくても(ステップSt3のNo)、ストック抽選手段234は、抽選リスト222bを用いてストック抽選処理を行う(ステップSt6)。当選したストック媒体がある場合(ステップSt7のYes)、ストック手段235は、上記ステップSt5と同様、ユーザDB221を更新する(ステップSt8)。当選したストック媒体がない場合(ステップSt7のNo)、ステップSt8の処理は行われない。
-ストック媒体を放出する処理の流れ-
図11は、サーバ装置2が行う、ストック媒体を放出する処理のフロー図である。
前提として、図6のテーブルにおけるいずれかのモードが、現在のモードとして予めランダムに設定されているとする。ゲーム装置5側では、設定されたモードに応じた情報inf1を含む画面sc6が、ディスプレイ61に表示される。
上記ステップSt1の通常ガチャの抽選要求に応じて、サーバ装置2の通常抽選手段233が通常抽選処理を実行したとする(ステップSt2)。図10の処理とは別途、放出判定手段237は、放出用の通常ガチャの実行回数を規定回数と比較する(ステップSt11)。
上記実行回数が規定回数に到達し(ステップSt11のYes)、かつ、ストック中のストック媒体が存在する場合(ステップ12のYes)、放出判定手段237は、上記(ii)のストック放出条件が成立したと判定する。この判定結果は、当該実行回数が規定回数に到達したユーザのゲーム装置5に送信される(ステップSt13)。これにより、当該ゲーム装置5のディスプレイ61上には、図8の画面sc3が表示される。
上記実行回数が規定回数に到達していない場合(ステップSt11のNo)、放出判定手段237は、現在のモードに応じた所定の放出確率にてストック媒体の放出抽選を行う(ステップSt14)。ストック媒体の放出が当選した場合(ステップSt15のYes)、放出判定手段237は、上記(i)のストック放出条件が成立したと判定する。その後、ステップSt12およびステップSt13の処理が行われる。
ゲーム装置5側にて、画面sc4上からユーザの意思でストック媒体を放出させるべき操作がなされ、ストック媒体の放出要求をサーバ装置2が受信した場合(ステップSt16のYes)、放出判定手段237は、上記(iii)のストック放出条件が成立したと判定する。
ステップSt13およびステップSt16の後、放出数決定手段238は、ユーザに報知されゲームにて使用可能となるストック媒体の放出数を、図7のテーブルなどを用いて抽選により決定する(ステップSt17)。放出判定手段237は、ストックされた順に、決定された放出数分だけストック媒体を抽出することで、放出するべきストック媒体を決定する(ステップSt18)。
情報処理手段231は、ストック放出処理の実行指示、放出対象のストック媒体における内容および放出数を、対応するゲーム装置5に送信する(ステップSt19)。
一方、サーバ装置2内では、放出対象となったストック媒体を、ユーザDB221の“ストック中のストック媒体”から“所有するゲーム媒体”へと書き換える処理、“ストック媒体のストック数”を放出数分だけ減算する処理、“放出用の通常ガチャの実行回数”をリセットする処理、が行われる。
これにより、ゲーム装置5の報知制御手段563は、図8の画面sc5をディスプレイ61に表示させるとともに、報知対象のストック媒体をゲームにて使用可能な状態に遷移させるストック媒体の放出処理、を行う。ユーザは、ストック媒体の内容を把握することができる。
更に、放出判定手段237は、ストック放出処理が行われたため、図6のテーブルに基づき、次回放出のためのモードを設定し直す。設定し直されたモードは、ユーザDB221に上書きされる。これにより、次回の放出時の規定回数は、場合によっては変更される。
ステップSt12において、ストック中のストック媒体が存在しない場合(ステップSt12のNo)、恩恵付与手段236は、特定ゲーム媒体をユーザに付与する(ステップSt20)。情報処理手段231は、ストック切れの旨、および、特定ゲーム媒体に関する情報(内容)を、ゲーム装置5に送信する(ステップSt21)。これにより、ゲーム装置5のディスプレイ61には、画面sc7が表示される。
図11では図示していないが、ステップSt12において、ストック中のストック媒体が存在しない場合(ステップSt12のNo)、ストック手段235は、図10のステップSt4,St5と同様の強制ストック処理を行い、報知制御手段563は、ストック放出処理を行う。この強制ストック処理では、ゲーム媒体がストック切れ媒体として選択され、ユーザの識別情報に関連づけられる。ストック放出処理では、報知制御手段563により、ストック切れ媒体がユーザに報知されるとともにゲームにて使用可能な状態に遷移される。
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ユーザの操作に応じて、ゲームを実行するゲーム実行手段562として機能させ、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ゲームに関連する複数のゲーム媒体の中から1以上のゲーム媒体をストック媒体としてストックするか否かのストック抽選処理、を行うストック抽選手段234と、当選したストック媒体がある場合、当選したストック媒体を、ゲームにて使用不可能な状態にてユーザの識別情報に関連づけるストック手段235と、として機能させ、ゲーム装置5の制御部(コンピュータ)を、ストック放出条件の成立時、ストック中のストック媒体のうち少なくとも1つの内容を、ディスプレイ61およびスピーカ62(報知部)を介してユーザに報知させるとともに、報知対象のストック媒体をゲームにて使用可能な状態に遷移させるストック放出処理、を行う報知制御手段563、として機能させるものである。
<発明の効果>
本実施形態のストックガチャによれば、ストック抽選処理により当選したゲーム媒体が、ゲームにて使用不可能な状態にてストック媒体としてストックされる。ストック放出条件が成立した際、当該ストック媒体の少なくとも1つの内容がユーザに報知されるとともに、報知対象のストック媒体はゲームにて使用可能な状態に遷移される。これにより、ユーザは、ゲーム媒体がストックされるかもしれないとの期待感を抱きつつ、かつ、ストック放出処理を待ち望みながら、ゲームを進めることができる。従って、ゲームの興趣性が向上する。
また、本実施形態では、ユーザの操作に応じた通常ガチャ(通常抽選処理)が、上記ストックガチャとは別途行われる。通常ガチャで当選したゲーム媒体の内容は、ストック放出条件の成立可否とは関係なく、ゲームにて使用可能な状態にてユーザの識別情報に関連づけられ、ユーザに報知される。これにより、ユーザは、ストックガチャと通常ガチャの双方を楽しむことができる。
ストック抽選手段234は、通常ガチャ(通常抽選処理)が行われる毎に、ストック抽選処理を行う。これにより、ユーザは、通常ガチャを引いた際、「今、内部的にストック媒体がストックされたのではないか」と推測でき、ゲームの興趣性が更に増す。
ストック手段235は、ストック用の通常ガチャの実行回数が所定回数に達した場合、ストック抽選処理の抽選結果とは関係なく、強制ストック処理を行う。これにより、ユーザは、ストック媒体の獲得に向けて、通常ガチャを引くようになる。
ストック抽選処理にてゲーム媒体をストックすることが決定される確率は、通常ガチャにてゲーム媒体が選択される確率と異なる。特に、本実施形態では、ゲーム媒体をストックすることが決定される確率は、通常ガチャにてゲーム媒体が選択される確率よりも低い。
また、ストック中のストック媒体が存在しない状態でストック放出条件が成立した場合、ストック手段235は、ストック抽選処理の抽選結果とは関係なく、ストック切れ媒体をストックする強制ストック処理を行い、報知制御手段563は、ストック切れ媒体をユーザに報知させるとともにゲームにて使用可能な状態に遷移させる。つまり、ストック媒体が存在しなかったとしても、ストック放出条件を成立させることは、ユーザにとって損とはならない。逆に、ストック媒体(ストック切れ媒体)が確実に存在することになるため、ゲームの興趣性を増す要因の1つとなり得る。
ストック中のストック媒体が存在しない場合、報知制御手段563は、画面sc7の情報inf2に示すように、その旨をユーザに報知させる。この画面sc7により、ユーザは、ストック媒体の有無を把握することができる。
更に、ストック中のストック媒体が存在しない場合、画面sc7に示すように、予め定められた特定ゲーム媒体“ガチャチケット”がユーザに付与される。これにより、ストック媒体が存在しないことによるユーザの期待感の薄らぎは、より抑制される。
報知制御手段563は、画面sc6に示すように、ストック放出条件が成立する期待度を示唆する情報inf1を、ユーザに報知させる。これにより、ストック放出が近いのではないかとの期待感を、ユーザは持つことができる。
放出判定手段237は、上記(i)に示すように、通常ガチャの実行の毎に、所定の放出確率にてストック媒体の放出抽選を行う。放出判定手段237は、放出抽選によりストック媒体を放出すると決定した場合、ストック放出条件が成立したと判定する。これにより、ユーザは、ストック媒体の放出を期待して、通常ガチャを実行することができる。
更に、放出判定手段237は、上記(ii)に示すように、放出用の通常ガチャの実行回数が規定回数に達した場合、ストック放出条件が成立したと判定する。これにより、放出用の通常ガチャの実行回数を規定回数に到達させるために、ユーザは、通常ガチャの回数を重ねていく。通常ガチャの回数が増すことは、ストック媒体が確実に放出されることに繋がるため、ストック媒体が放出されることへの期待感が増していく。
また、放出判定手段237は、ストック放出処理が行われる毎に、規定回数を決定する。つまり、規定回数が一定とは限らないため、ゲームの興趣性が増す。
また、放出判定手段237は、上記(iii)に示すように、ユーザによる操作に基づきストック放出処理の実行が指示された場合、ストック放出条件が成立したと判定する。即ち、にユーザは、自身の意思でストック媒体を放出させることができる。
本実施形態では、放出数決定手段238によって、ストック放出条件の成立の際にユーザに報知されゲームにて使用可能となるストック媒体の数が決定される。特に、本実施形態では、当該ストック媒体の数は、抽選で決定される。これにより、ストック媒体の放出数が常に一定である場合に比べて、ゲームの興趣性が増す。
[第2実施形態]
本実施形態では、ストック放出条件が、上記第1実施形態とは異なる場合について説明する。
ストック放出条件以外については上記第1実施形態と同様であるため、以下では、放出判定手段237によって成立の有無が判定されるストック放出条件についてのみ説明する。
-ストック放出条件について-
図12は、図5の代わりに、本実施形態におけるストック放出条件の成立判定にて用いられるテーブルである。本実施形態においても、ストック媒体の“放出のし易さ”を複数段階に定義づけた複数のモードA~Cが設定されている。モードA~Cは、第1モードに相当する。図12(a)に示すように、ストック媒体の放出確率は、モード毎に異なっている。放出確率は、モードAにて最も放出されにくく、モードCにて最も放出され易いように、設定されている。
図12(b)は、各モードA~Cの移行確率を表す。例えば、現在のモードが“モードA”である場合、モードAに滞在し続ける確率は70%、モードBに移行する確率は20%。モードCに移行する確率は10%である。現在のモードが“モードC”である場合、モードAに移行する確率は10%、モードBに移行する確率は20%。モードCに滞在し続ける確率は70%である。
放出判定手段237は、所定タイミングにて、図12(b)を用いてモードA~Cの移行抽選を行う。所定タイミングとしては、通常ガチャを行ったタイミング、ストック媒体の放出を行ったタイミング、通常ガチャにて特殊なゲーム媒体が当選したタイミング、特殊なゲーム媒体を使用したタイミング、例えば同一のゲーム媒体が連続して3回当選した場合のように、通常ガチャにて当選したゲーム媒体が所定条件を満した場合、などが挙げられる。
なお、後述する本実施形態の動作の流れでは、上記所定タイミングが、ストック媒体の放出を行ったタイミングである場合を例示する。
そして、放出判定手段237は、通常ガチャの実行(通常抽選処理が行われる)毎に、図12(a)を用いて、現在滞在中のモードに応じた放出確率にてストック媒体の放出抽選を行う。放出抽選の結果、ストック媒体の放出が当選した場合、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。
つまり、本実施形態では、第1実施形態の上記(i)とは異なり、放出確率は一定ではなく、滞在中のモードによって変化する。
また、上記第1実施形態の上記(iii)と同様、情報処理手段231がストック媒体の放出要求をゲーム装置5から受信した場合も、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。
ストック放出条件が成立した場合、放出判定手段237は、ストック放出処理の実行指示を出力する。その際、放出判定手段237は、ストック中のストック媒体のうちどのストック媒体を放出するかを、例えばFIFO方式にて決定し、その内容も出力する。
なお、本実施形態では、ストック放出条件の成立を判定するにあたり、放出用の通常ガチャの実行回数を、パラメータとして用いていない。従って、本実施形態では、図3のユーザDB221における“放出用の通常ガチャの実行回数”は、不要である。
<ゲームシステム1の動作の流れ>
“ゲーム媒体をストックする処理の流れ”は、上記第1実施形態と同様である。以下では、“ストック媒体を放出する処理の流れ”について、図13を用いて説明する。
-ストック媒体を放出する処理の流れ-
前提として、図12のテーブルにおけるいずれかのモードが、現在のモードとして予めランダムに設定されているとする。ゲーム装置5側では、設定されたモードに応じた情報inf1を含む画面sc6が、ディスプレイ61に表示される。
サーバ装置2の通常抽選手段233が、上記ステップSt1の通常ガチャの抽選要求に基づく通常抽選処理を実行したとする(ステップst2)。放出判定手段237は、ユーザDB221から現在滞在中のモードを判定し、図12(a)のテーブルから、当該モードに対応する放出確率を抽出する(ステップSt31)。
放出判定手段237は、ステップSt31にて抽出した放出確率にて、ストック媒体の放出抽選を行う(ステップSt32)。ストック媒体の放出が当選した場合(ステップSt33のYes)、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。ストック中のストック媒体が存在する場合(ステップSt34のYes)、サーバ装置2は、ゲーム装置5に、図8の画面sc3の表示指示を送信する(ステップSt35)。これにより、ゲーム装置5のディスプレイ61には、画面sc3が表示される。
また、放出が当選しなくても(ステップSt33のNo)、ゲーム装置5側にて、画面sc4上からユーザの意思でストック媒体を放出させるべき操作がなされ、ストック媒体の放出要求をサーバ装置2が受信した場合(ステップSt36のYes)、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。
ステップSt35およびステップSt36の後、放出数決定手段238は、ユーザに報知されゲームにて使用可能となるストック媒体の放出数を、図7のテーブルなどを用いて抽選により決定する(ステップSt37)。放出判定手段237は、ストックされた順に、決定された放出数分だけストック媒体を抽出することで、放出するべきストック媒体を決定する(ステップSt38)。
情報処理手段231は、ストック放出処理の実行指示、放出対象のストック媒体における内容および放出数を、対応するゲーム装置5に送信する(ステップSt39)。
一方、サーバ装置2内では、放出対象となったストック媒体を、ユーザDB221の“ストック中のストック媒体”から“所有するゲーム媒体”へと書き換える処理、“ストック媒体のストック数”を放出数分だけ減算する処理が行われる。
これにより、ゲーム装置5の報知制御手段563は、図8の画面sc5をディスプレイ61に表示させるとともに、報知対象のストック媒体をゲームにて使用可能な状態に遷移させるストック媒体の放出処理、を行う。ユーザは、ストック媒体の内容を把握することができる。
更に、放出判定手段237は、ストック放出処理が行われたため、図12(b)のテーブルに基づきモード移行抽選を行う(ステップSt40)。モード移行抽選の結果、当選したモードは、ユーザDB221に上書きされる。これにより、次回放出時の放出確率は、場合によっては変更される。
ステップSt33において、ストック媒体の放出が当選したものの、ストック中のストック媒体が存在しない場合(ステップSt34のNo)、恩恵付与手段236は、特定ゲーム媒体をユーザに付与する(ステップSt41)。情報処理手段231は、ストック切れの旨、および、特定ゲーム媒体に関する情報(内容)を、ゲーム装置5に送信する(ステップSt42)。これにより、ゲーム装置5のディスプレイ61には、画面sc7が表示される。
図13では図示していないが、ステップSt34において、ストック中のストック媒体が存在しない場合(ステップSt34のNo)、ストック手段235は、図10のステップSt4,St5と同様の強制ストック処理を行い、報知制御手段563は、ストック放出処理を行う。この強制ストック処理では、ゲーム媒体がストック切れ媒体として選択され、ユーザの識別情報に関連づけられる。ストック放出処理では、報知制御手段563により、ストック切れ媒体がユーザに報知されるとともにゲームにて使用可能な状態に遷移される。
<発明の効果>
上記第1実施形態に係る効果に加え、本実施形態は、以下の効果を奏する。
本実施形態では、図12(a)に示すように、ストック媒体の放出確率が互いに異なる複数のモードが設定されている。放出判定手段237は、所定タイミングにて、滞在するモード(第1モード)の移行抽選を行うとともに、滞在中のモード(第1モード)に応じた放出確率にてストック媒体の放出抽選を行う。放出判定手段237は、放出抽選によりストック媒体を放出すると決定した場合、ストック放出条件が成立したと判定する。これにより、ストック媒体の放出処理は、より複雑になり、その分ゲームの興趣性が増す。
[第3実施形態]
本実施形態では、ストック放出条件が、上記第1実施形態および上記第2実施形態とは異なる場合について説明する。
ストック放出条件以外については上記第1実施形態と同様であるため、以下では、放出判定手段237によって成立の有無が判定されるストック放出条件についてのみ説明する。
-ストック放出条件について-
図14は、図5の代わりに、本実施形態におけるストック放出条件の成立判定にて用いられるテーブルである。本実施形態においても、ストック媒体の“放出のし易さ”を複数段階に定義づけた複数のモードA~Cが設定されている。モードA~Cは、第2モードに相当する。図14(a)に示すように、通常ガチャの実行回数に対するストック媒体の放出確率、および、放出確率が100%である時の実行回数の上限値は、モード毎に異なっている。
例えば、ユーザDB221内における放出用の通常ガチャの実行回数が0~10回である場合、モードAおよびモードBにおける放出確率は、それぞれ1%(1/100)であるが、モードCにおける放出確率は、20%(1/5)である。つまり、通常ガチャの実行回数が0~10回の範囲内であれば、現在滞在中のモードが“モードA”“モードB”である場合よりも、“モードC”である場合の方が、ストック媒体は放出され易い。
放出用の通常ガチャの実行回数が31~40回である場合、モードAにおける放出確率は1%(1/100)、モードBにおける放出確率は50%(1/2)、モードCにおける放出確率は100%である。通常ガチャの実行回数が31~40回の範囲内の場合、現在滞在中のモードが”モードA”であればストック媒体が最も放出されにくく、“モードC”であれば強制的(確実に)にストック媒体が放出される。
つまり、図14(a)では、通常ガチャの実行回数に対するストック媒体の放出確率の分布は、モードA~Cに応じて異なっている。そして、放出確率“100%”は、ストック媒体の放出が強制的に行われることを意味するため、実行回数の上限値(即ち規定回数)も、モードA~Cに応じて異なっていると言える。
図14(b)は、図12(b)と同様、各モードA~Cの移行確率を表す。例えば、現在のモードが“モードA”である場合、モードAに滞在し続ける確率は50%、モードBに移行する確率は40%。モードCに移行する確率は10%である。現在のモードが“モードB”である場合、モードAに移行することはなく、モードBへは60%、モードCへは40%の確率で移行する。
放出判定手段237は、所定タイミングにて、図14(b)を用いてモードA~Cの移行抽選を行う。所定タイミングとしては、通常ガチャを行ったタイミング、ストック媒体の放出を行ったタイミング、通常ガチャにて特殊なゲーム媒体が当選したタイミング、特殊なゲーム媒体を使用したタイミング、例えば同一のゲーム媒体が連続して3回当選した場合のように、通常ガチャにて当選したゲーム媒体が所定条件を満した場合、などが挙げられる。
なお、後述する本実施形態の動作の流れでは、上記所定タイミングが、ストック媒体の放出を行ったタイミングである場合を例示する。
そして、放出判定手段237は、通常ガチャの実行(通常抽選処理が行われる)毎に、図14(a)を用いて、現在滞在中のモードおよび現時点における放出用の通常ガチャの実行回数に応じた放出確率にて、ストック媒体の放出抽選を行う。放出抽選の結果、ストック媒体の放出が当選した場合、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。
つまり、本実施形態では、第1実施形態の上記(i)(ii)とは異なり、ストック媒体の放出抽選時の放出確率および規定回数は、一定ではなく、滞在中のモードによって変化することがある。
また、上記第1実施形態の上記(iii)と同様、情報処理手段231がストック媒体の放出要求をゲーム装置5から受信した場合も、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。
ストック放出条件が成立した場合、放出判定手段237は、ストック放出処理の実行指示を出力する。その際、放出判定手段237は、ストック中のストック媒体のうちどのストック媒体を放出するかを、例えばFIFO方式にて決定し、その内容も出力する。
<ゲームシステム1の動作の流れ>
“ゲーム媒体をストックする処理の流れ”は、上記第1実施形態と同様である。以下では、“ストック媒体を放出する処理の流れ”について、図15を用いて説明する。
-ストック媒体を放出する処理の流れ-
前提として、図14のテーブルにおけるいずれかのモードが、現在のモードとして予めランダムに設定されているとする。ゲーム装置5側では、設定されたモードに応じた情報inf1を含む画面sc6が、ディスプレイ61に表示される。
サーバ装置2の通常抽選手段233が、上記ステップSt1の通常ガチャの抽選要求に基づく通常抽選処理を実行したとする(ステップst2)。放出判定手段237は、ユーザDB221から現在滞在中のモードを判定し、当該モードに対応する規定回数と、放出用の通常ガチャの実行回数に対応する当該モードでの放出確率とを、図14(a)のテーブルから抽出する(ステップSt51)。
上記実行回数が規定回数に到達し(ステップSt52のYes)、かつ、ストック中のストック媒体が存在する場合(ステップSt53のYes)、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。この判定結果は、当該実行回数が規定回数に到達したユーザのゲーム装置5に送信される(ステップSt54)。これにより、当該ゲーム装置5のディスプレイ61上には、図8の画面sc3が表示される。
上記実行回数が規定回数に到達していない場合(ステップSt52のNo)、放出判定手段237は、ステップSt51で抽出した放出確率にてストック媒体の放出抽選を行う(ステップSt55)。ストック媒体の放出が当選した場合(ステップSt56のYes)、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。その後、ステップSt53およびステップSt54の処理が行われる。
ゲーム装置5側にて、画面sc4上からユーザの意思でストック媒体を放出させるべき操作がなされ、ストック媒体の放出要求をサーバ装置2が受信した場合(ステップSt57のYes)、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したと判定する。
ステップSt54およびステップSt57の後、放出数決定手段238は、ユーザに報知されゲームにて使用可能となるストック媒体の放出数を、図7のテーブルなどを用いて抽選により決定する(ステップSt58)。放出判定手段237は、ストックされた順に、決定された放出数分だけストック媒体を抽出することで、放出するべきストック媒体を決定する(ステップSt59)。
情報処理手段231は、ストック放出処理の実行指示、放出対象のストック媒体における内容および放出数を、対応するゲーム装置5に送信する(ステップSt60)。
一方、サーバ装置2内では、放出対象となったストック媒体を、ユーザDB221の“ストック中のストック媒体”から“所有するゲーム媒体”へと書き換える処理、“ストック媒体のストック数”を放出数分だけ減算する処理、“放出用の通常ガチャの実行回数”をリセットする処理、が行われる。
これにより、ゲーム装置5の報知制御手段563は、図8の画面sc5をディスプレイ61に表示させるとともに、報知対象のストック媒体をゲームにて使用可能な状態に遷移させるストック媒体の放出処理、を行う。ユーザは、ストック媒体の内容を把握することができる。
更に、放出判定手段237は、ストック放出処理が行われたため、図14(b)のテーブルに基づきモード移行抽選を行う(ステップSt61)。当選したモードは、ユーザDB221に上書きされる。これにより、次回の放出時の放出確率の分布および規定回数は、場合によっては変更される。
ステップSt53において、ストック放出条件が成立したものの、ストック中のストック媒体が存在しない場合(ステップSt53のNo)、恩恵付与手段236は、特定ゲーム媒体をユーザに付与する(ステップSt62)。情報処理手段231は、ストック切れの旨、および、特定ゲーム媒体に関する情報(内容)を、ゲーム装置5に送信する(ステップSt63)。これにより、ゲーム装置5のディスプレイ61には、画面sc7が表示される。
図13では図示していないが、ステップSt34において、ストック中のストック媒体が存在しない場合(ステップSt34のNo)、ストック手段235は、図10のステップSt4,St5と同様の強制ストック処理を行い、報知制御手段563は、ストック放出処理を行う。この強制ストック処理では、ゲーム媒体がストック切れ媒体として選択され、ユーザの識別情報に関連づけられる。ストック放出処理では、報知制御手段563により、ストック切れ媒体がユーザに報知されるとともにゲームにて使用可能な状態に遷移される。
<発明の効果>
上記第1実施形態に係る効果に加え、本実施形態は、以下の効果を奏する。
本実施形態では、図14(a)に示すように、通常ガチャの実行回数に対するストック媒体の放出確率、および、放出確率が100%である時の実行回数の上限値、が互いに異なる複数のモード(第2モード)が設定されている。放出判定手段237は、所定タイミングにて、滞在するモードの移行抽選を行うとともに、滞在中のモードおよび実行回数に応じた放出確率にてストック媒体の放出抽選を行う。放出判定手段237は、放出抽選によりストック媒体を放出すると決定した場合、ストック放出条件が成立したと判定する。これにより、ストック媒体の放出処理は、より複雑になり、その分ゲームの興趣性が増す。
[他の実施形態]
第1実施形態~前記第3実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
前記ゲームは、ゲーム媒体を使用するタイプのものであればよく、その種類は限定されない。
第1実施形態~第3実施形態では、通常ガチャ(通常抽選処理)があることを前提として説明したが、通常ガチャ(通常抽選処理)は必須ではない。
第1実施形態~第3実施形態では、希少価値の高いゲーム媒体が抽選により選択される確率は、通常抽選処理の場合よりも、ストック抽選処理の場合の方が高いと説明したが、これは必須ではない。希少価値の高いゲーム媒体が抽選により選択される確率は、ストック抽選処理の場合よりも通常抽選処理の場合の方が高くてもよい。また、希少価値の高いゲーム媒体が抽選により選択される確率は、通常抽選処理の場合とストック抽選処理の場合とで等しくても良い。
また、図4では、通常抽選処理にて何らかのゲーム媒体が選択される確率は100%であり、ストック抽選処理にて何らかのゲーム媒体がストックされる確率は20%である場合を例示した。しかし、ストック抽選処理にてゲーム媒体をストックすることが決定される確率は、通常抽選処理にてゲーム媒体が選択される確率と同じであってもよい。また、ストック抽選処理にてゲーム媒体をストックすることが決定される確率は、通常抽選処理にてゲーム媒体が選択される確率よりも高くてもよい。
また、第1実施形態~第3実施形態では、ストック抽選処理にて用いられる抽選リスト222bには、通常抽選処理にて用いられる抽選リスト222aよりも、希少価値の高いゲーム媒体が多く含まれている場合を説明した。しかし、希少価値の高いゲーム媒体の含有率の違いは、上記に限定されない。例えば、抽選リスト222aと抽選リスト222bとで希少価値の高いゲーム媒体の含有率は同じであってもよいし、抽選リスト222aの方が、抽選リスト222bよりも希少価値の高いゲーム媒体の含有率が高くても良い。
第1実施形態~第3実施形態では、ストック媒体がストックされるパターンとして、上記(a)~(c)を説明した。しかし、当該パターンは、上記(a)~(c)のうち1つであってもよいし、上記(a)~(c)のうちいずれか2つの組み合わせであってもよい。また、当該パターンには、上記(a)(b)の代わりに、以下の(d)が含まれていても良い。
(d)ストック用の通常ガチャの実行回数が所定回数に達した場合に、ストック抽選手段234によるストック抽選処理が行われ、その結果当選したストック媒体がある場合。
報知制御手段563は、図16の画面sc8に示すように、ゲーム媒体がストックされた旨およびストック媒体の数の少なくとも1つを示唆する情報を、ディスプレイ61およびスピーカ62を介してユーザに報知させてもよい。画面sc8は、ゲーム実行中にディスプレイ61に表示される画面例であって、何らかのゲーム媒体がストックされたことを表す情報inf3と、ストック媒体の数を表す情報inf4とを含む。これにより、ユーザは、ストック媒体の放出がより待ち遠しくなる。
なお、各情報inf3,inf4の報知の仕方は、図16に限定されない。各情報inf3,inf4は、いずれか一方が画面sc8に含まれていても良いし、音声のみまたは音声と表示との組合せでユーザに報知されてもよい。また、各情報inf3,inf4は、ゲーム装置5の振動、振動と音声の組合せ、振動と音声と表示との組合せ、のいずれかで、ユーザに報知されてもよい。
また、画面sc8では、ストック放出条件の成立期待度を示唆する情報inf1’が、図9の画面sc6とは異なる態様(オブジェクト“月”の満ち欠け)で表されている。画面sc8では、月オブジェクトinf1’が満月に近い程、ストック放出条件の成立期待度が高く、逆に新月に近い程、ストック放出条件の成立期待度が低いことを示唆する。このように、ストック放出条件の成立期待度(滞在中のモード)を示唆する情報inf1は、画面sc6,sc8に限定されず、どのような演出、態様(色、図形など)で表されても良い。
なお、ストック放出条件の成立期待度(滞在中のモード)を示唆する情報inf1’は、設けられなくても良い。
第1実施形態~第3実施形態では、ストック放出条件の成立時にストック媒体が存在しない場合、ゲーム装置5のディスプレイ61には、この旨の情報inf2を含む画面sc7が表示されると説明した。しかし、当該情報inf2のユーザへの報知の演出および態様は、画面sc7に限定されず、どのような態様および演出であってもよい。また、当該情報inf2のユーザへの報知は、必須ではない。
第1実施形態~第3実施形態では、ストック媒体が非存在の状態にてストック放出条件が成立した場合、特定ゲーム媒体“ガチャチケット”がユーザに付与されると説明したが、これは必須ではない。
また、特定ゲーム媒体の付与が行われる場合は、ストック放出処理によってストック媒体が存在しなくなった直後であってもよい。
第1実施形態では、ストック放出条件が上記(i)~(iii)の3つの組み合わせである場合を説明した。しかし、ストック放出条件は、上記(i)~(iii)のうちいずれか1つのみであってもよし、いずれか2つの組み合わせであってもよい。
第2実施形態および第3実施形態では、ストック放出条件に上記(iii)が必ず含まれていたが、上記(iii)は含まれていなくても良い。従って、通常ガチャが実行される毎にのみ、所定の放出確率にてストック媒体の放出抽選が行われる態様であってもよい。また、放出用の通常ガチャの実行回数が規定回数に達した場合にのみ、ストック媒体が放出される態様であってもよい。
第1実施形態および第3実施形態では、ストック放出処理が行われる毎に、規定回数を設定し直す場合を例示した。しかし、規定回数は固定値であってもよいし、規定回数が変動値であるとしても、設定されない場合があってもよい。
ストック放出条件には、以下の(iv)~(ix)が新たに追加されてもよい。
(iv)通常ガチャにおいて特定ゲーム媒体が当選した場合。
(v)通常ガチャにおいて、希少価値が比較的高い(所定価値以上の)ゲーム媒体が連続して所定数当選した場合(例えば10連)。
(vi)通常ガチャにおいて、同じ属性を有するゲーム媒体が連続して所定数当選した場合(例えば3連)。
(vii)希少価値の比較的高い(所定価値以上の)ゲーム媒体が当選し易い特定モードの下で、通常ガチャにおいて所定ゲーム媒体(希少価値の高いゲーム媒体)が当選した場合。
(viii)通常ガチャのみ、ストックガチャのみ、もしくは通常ガチャおよびストックガチャに関係なく、同じゲーム媒体が所定回数連続して当選した場合。
(ix)通常ガチャが連続して所定回数行われた際、その当選結果の中に、同じゲーム媒体が予め定められた個数(複数個)含まれていた場合。
上記(iv)~(ix)に関連して、放出判定手段237は、通常ガチャ(通常抽選処理)にて当選した1以上のゲーム媒体に応じて、ストック放出条件、または、ストック放出条件が成立する期待度を変更してもよい。
例えば、放出判定手段237は、ストック媒体がより放出され易いモードに移行させたり、現在の規定回数を減少させるかまたは通常ガチャの実行回数を増加させることで放出条件の成立を近づけたりしてもよい。また、放出判定手段237は、ストック媒体が次回放出される際のモードが、現在よりも放出され易いモードとなるように、モードの選択を優遇したり、モード選択時に用いるテーブル(図5,図6,図12,図14)内の諸条件(規定回数、放出確率など)を適宜書き換えたりしてもよい。これにより、ゲームの興趣性は更に増す。
また、ストック媒体をストックできる上限数は有限であってもよい。ストック数が上限数に達した場合、放出判定手段237は、ストック放出条件が成立したものと判定し、報知制御手段563は、強制的にストック放出処理を行ってもよい。
第1実施形態~第3実施形態において、放出数決定手段238は必須ではない。ストック媒体の放出数は、変更されず、常に一定数(例えば1個)であってもよい。
また、放出数決定手段238は、抽選以外の方法で放出数を決定してもよい。放出数決定手段238は、次回のストック放出処理にて放出されるストック媒体の数が、前回のストック放出処理にて放出されたストック媒体の数よりも増加するように、ユーザに報知されるストック媒体の数を決定することができる。例えば、初回放出時は“1個”、2回目放出時は“2個”のように決定されることで、1回の放出でユーザが獲得できるストック媒体の数は次第に増えるため、ゲームの興趣性は更に増す。
ストック媒体の放出時、ストック媒体が放出される順序は、FIFO方式でなくてもよい。例えば、放出対象となるストック媒体は、抽選により決定されてもよいし、LIFO(Last in first out)方式にて決定されてもよい。
前記第1実施形態~第3実施形態において、ストック媒体をストックするにあたり、ピックアップガチャや常設ガチャなどの“抽選処理(ガチャ)の種類”に応じて、ストック媒体や抽選リストが分けられていたり、ストックする際のパターン(条件)が異なっていたりしてもよい。また、“抽選処理(ガチャ)の種類”に応じて、ストック放出条件が異なっていても良い。
前記第1実施形態~第3実施形態では、ストック媒体は、放出以外の諸条件によって、放出されることなく消去されてもよい。この場合、消去対象のストック媒体は、ユーザDB221から消去される。諸条件としては、現在の時刻が所定時刻に至った場合、所定時間が経過した場合、ピックアップガチャなどのイベントが終了した場合、などが挙げられる。
また、ストック媒体が最初からいくつかストックされている状態にて、ゲームが始まっても良い。
前記第1実施形態~第3実施形態のストック抽選処理では、ストック媒体をストックするか否かと、ストックする場合はどのゲーム媒体をストックするかが決定されると説明した。しかし、ストック抽選処理では、ストック媒体をストックするか否かのみを決定するにとどまり、どのゲーム媒体をストックするかを抽選により決定する処理は、ストック抽選処理とは別の機会に行われても良い。別の機会とは、ストック放出条件の成立時、ユーザが何らかのクエストをクリアした時、などが挙げられる。
また、ストック中のストック媒体の内容は、所定条件が満たされることにより、途中で書き換えられてもよい。この場合、所定条件としては、上述したストック放出条件(iv)~(ix)と同等の条件などが挙げられる。
前記第1実施形態~第3実施形態では、ユーザの意思に基づくストック放出の例として、図8の画面sc4を介して“放出”ボタンb1が選択された場合に前記(iii)のストック放出条件が満たされると説明した。しかし、“放出”ボタンb1は、画面sc6のような通常のゲーム実行画面に、通常ガチャの実行ボタンと同様に設けられていてもよい。そのボタンb1をユーザが選択することで、前記(iii)のストック放出条件が満たされてもよい。
また、前記(iii)のストック放出条件が満たされたことによりストック媒体が放出された際に、モードの移行抽選が行われる場合、モードの移行確率は、当該場合以外の場合とで異なっていてもよい。例えば、ユーザの意思に基づきストック媒体が放出された際((iii)のストック条件成立時)、(i)、(ii)、(iv)~(ix)のストック放出条件成立によりモード移行抽選が行われる場合よりも、モードの選択が優遇されてもよい。
前記第1実施形態~第3実施形態では、初期のモードがランダムに設定される場合について説明した。しかし、初期のモードは、固定されていてもよいし、初回の通常ガチャやガチャのイベント(ピックアップガチャなど)開始時に抽選により決定されてもよい。
前記(iii)のストック放出条件の成立に基づくストック切れ発生時には(即ち、ユーザの意思に基づくストック放出によってストック媒体が放出され尽くした場合)、恩恵付与手段236は、ユーザへの恩恵である特定ゲーム媒体を付与しないようにしてもよい。
また、ストック媒体を放出した直後や、ストック媒体を放出してから通常ガチャによる通常抽選処理が所定回数行われるまでは、報知制御手段563は、ユーザの意思に基づくストック放出処理の実行を禁止してもよい。この場合、報知制御手段563は、ストック媒体が放出されてから通常抽選処理が所定回数行われるまでの間、“放出”ボタンb1のユーザによる選択を禁止することができる。
前記第1実施形態~第3実施形態では、ユーザ一人に対する、ストック媒体のストックおよび放出の処理を例示した。しかし、ストック媒体のストックおよび放出の処理は、ユーザが複数人であって、その複数人のユーザが1つまたは複数のグループ(ギルド)に所属する場合にも適用できる。
この場合、ゲーム実行手段562は、グループ(ギルド)に所属する複数のユーザそれぞれの操作に応じて、ゲームを実行する。ストック抽選手段234は、ゲームに関連する複数のゲーム媒体の中から、1以上のゲーム媒体をストック媒体としてストックするか否かのストック抽選処理、を行う。当選したストック媒体がある場合、ストック手段235は、当選したストック媒体を、ゲームにて使用不可能な状態にて、グループ(ギルド)の識別情報に関連づける。ストック放出条件の成立時、報知制御手段563は、ストック中のストック媒体のうち少なくとも1つの内容を、報知部を介して複数のユーザの少なくとも一人に報知させるとともに、報知対象のストック媒体をゲームにて使用可能な状態に遷移させるストック放出処理、を行う。
ここでは、各ユーザが個々にゲームを進めた結果は、そのユーザのみならず、他ユーザのゲームの進行に影響を与えることができる。例えば、グループ(ギルド)に所属するユーザのうち一人がゲームを進めた結果は、同じグループ(ギルド)に所属する複数人のユーザのゲームの進行に影響を与えることができる。逆に、グループ(ギルド)に所属する複数人のユーザが協力してゲームを進めた結果は、進めたゲームに仮に参加していなくても、同じグループ(ギルド)に所属するユーザのうち一人のゲーム進行に影響を与えることもできる。
そして、ストック媒体は、個々のユーザではなく、一旦はグループ(ギルド)に付与された状態でストックされる。複数のユーザのうちの一人においてストック放出条件が成立した場合、そのユーザに対してストック媒体が放出されてもよいし、グループ(ギルド)に属するユーザの一部もしくは全員に対してストック媒体が放出されてもよい。
この場合に、ストック媒体がストックされるパターン(条件)としては、例えば以下が挙げられる。
(e)グループ(ギルド)単位でクエストに参加した時点でストック抽選処理を行った結果、当選したゲーム媒体がある場合。
(f)グループ(ギルド)単位でクエストに参加し、そのクエスト内で所定条件が満たされた場合。
上記(f)における“クエスト内で所定条件が満たされた場合”としては、例えば、宝箱がブラックホールに吸い込まれるようなイベント演出が発生した場合のように、クエスト内で特殊なイベントが発生した場合が挙げられる。上記(e)(f)におけるクエストへの参加は、グループ(ギルド)に所属するユーザが個別に行うこともできるし、複数人にて共に行うこともできる。
また、グループ(ギルド)に付与されたストック媒体のストック放出条件としては、例えば以下が挙げられる。
(x)クエストをクリアした場合。
(xi)クエストをクリアした回数が所定回数に達した場合。
(xii)グループ(ギルド)に所属するユーザの、通常ガチャを引いた回数の累積値が、規定回数に達した場合。
上記によれば、例えば、グループ(ギルド)に所属するユーザが個別にクエストを行うことで、ストック媒体をグループ(ギルド)にストックしておき、ストック放出条件の成立に向けてユーザ全員で通常ガチャを引くことで、協力プレイができる。また、グループ(ギルド)に所属するユーザ全員でクエストを行うことで、ストック媒体をグループ(ギルド)にストックしておき、そのユーザが個々に通常ガチャを引くことで、誰がいち早くストック放出条件を成立させるかを競い合うこともできる。
これにより、グループ(ギルド)に所属するユーザは、ゲーム媒体がストックされるかもしれないとの期待感とストック放出処理への期待感とを、グループ内での共通認識として抱きながら、ゲームを楽しむことができる。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。