JP7460360B2 - タイヤ - Google Patents

タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP7460360B2
JP7460360B2 JP2019229327A JP2019229327A JP7460360B2 JP 7460360 B2 JP7460360 B2 JP 7460360B2 JP 2019229327 A JP2019229327 A JP 2019229327A JP 2019229327 A JP2019229327 A JP 2019229327A JP 7460360 B2 JP7460360 B2 JP 7460360B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
tire
sipe
circumferential
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019229327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021095089A (ja
Inventor
信太郎 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2019229327A priority Critical patent/JP7460360B2/ja
Publication of JP2021095089A publication Critical patent/JP2021095089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7460360B2 publication Critical patent/JP7460360B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本開示は、接地面積が比較的小さいブロックを密集して配置したトレッドパターンが用いられるタイヤに関する。
従来、氷雪路面の走行に適したウインタータイヤ(以下、タイヤ)において、接地面積が比較的小さいブロックを密集して配置したトレッドパターンを用いる方法が知られている(特許文献1)。
このような小ブロックを密集して配置したトレッドパターンは、一般的なサイズのブロックと比べて氷雪路面との接地性が良好であるため、氷雪路面での走行性能(以下、氷上性能)を大幅に向上し得る。
一方で、このような小ブロックが密集して配置されたトレッドパターンの場合、ブロック剛性の確保と、氷雪路面と小ブロックとの間の水膜の除去(除水と呼ばれてもよい)とが課題となる。
そこで、特許文献1に開示されているタイヤでは、小ブロックをサイプによって区画することによって互いに支え合う構造することによってブロック剛性を確保しつつ、サイプのタイヤ径方向内側にサイプよりも幅広の溝部を形成することによって除水性能を向上させている。
特開2017-193202号公報
しかしながら、上述した従来のタイヤには、さらに、次のような改善の余地がある。具体的には、氷雪路面と小ブロックとの間に水膜が発生し難い低温の環境では、十分な除水性能を有している。
一方、摂氏0度近辺の場合、小ブロックが氷雪路面に接地した際に発生する水膜の量が多くなるため、除水性能が不足する。この結果、氷上性能が低下してしまう問題がある。
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、接地面積が比較的小さいブロックを密集して配置したトレッドパターンを用いる場合において、比較的気温が高い条件でも十分な氷上性能を発揮し得るタイヤの提供を目的とする。
本開示の一態様は、タイヤ周方向に延びる一対の周方向溝(例えば、周方向溝41及び周方向細溝50)によって区画されたブロック列(ブロック列31)を複数備えるタイヤ(空気入りタイヤ10)であって、前記ブロック列は、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝(幅方向溝61)によって区画された複数のブロック(ブロック100)を含み、前記ブロックは、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ(周方向サイプ120)と、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプ(幅方向サイプ130)とによって、複数の小ブロック(小ブロック101)に区画され、前記幅方向サイプは、踏面側から底部分まで一定の溝幅を有する。
上述したタイヤによれば、接地面積が比較的小さいブロックを密集して配置したトレッドパターンを用いる場合において、比較的気温が高い条件でも十分な氷上性能を発揮し得る。
図1は、空気入りタイヤ10のトレッドの一部平面展開図である。 図2は、トレッド20に一部拡大平面図である。 図3は、周方向サイプ120を含むブロック100の一部断面図である。 図4は、幅方向サイプ130を含むブロック100の一部断面図である。 図5は、ブロック100の拡大平面図である。 図6は、ブロック100による除水性能の説明図である。 図7は、変更例1に係る空気入りタイヤ10Aのトレッドの一部平面展開図である。 図8は、幅方向サイプ131Aを含むブロック100Aの一部断面図である。 図9は、変更例2に係るブロック100Bの拡大平面図である。 図10は、変更例3に係るブロック100Cの拡大平面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)タイヤの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10のトレッドの一部平面展開図である。図1に示すように、空気入りタイヤ10は、タイヤ周方向に延びるブロック列を複数備える。空気入りタイヤ10は、接地面積が比較的小さいブロックを密集して配置したトレッドパターンが用いられる。
空気入りタイヤ10は、氷雪路面、具体的には、氷上路面及び積雪路面を走行することが可能な、いわゆるウインタータイヤであり、スタッドレスタイヤとも呼ばれる。また、空気入りタイヤ10は、非氷雪路面(ウェット路面及びドライ路面)と、氷雪路面とを走行することが可能なオールシーズンタイヤであってもよい。或いは、空気入りタイヤ10は、ウインタータイヤやオールシーズンタイヤではなく、一般的なサマータイヤであってもよい。
また、空気入りタイヤ10が装着される車種は、特に限定されないが、主に乗用自動車(SUV及びミニバンが含まれてもよい)を対象としてよい。
トレッド20は、路面R(図1において不図示、図6参照)と接する部分である。トレッド20には、空気入りタイヤ10の使用環境や装着される車両の種別に応じたトレッドパターンが形成される。
トレッド20には、タイヤ赤道線CLを含む位置にブロック列31が設けられ、ブロック列31のタイヤ幅方向外側にブロック列32及びブロック列33が設けられる。
また、ブロック列32のタイヤ幅方向外側にはブロック列34が設けられ、ブロック列33のタイヤ幅方向外側にはブロック列35が設けられる。
ブロック列31は、タイヤ周方向に延びる一対の周方向溝、具体的には、周方向溝41と周方向細溝50とによって区画される。なお、周方向細溝50の溝幅は、周方向溝41の溝幅よりも狭いが、単に周方向溝と呼ばれてもよい。或いは、周方向細溝50でなく、周方向溝41と同等の溝幅を有する周方向溝が形成されてもよい。
ブロック列32は、周方向溝41と周方向溝42とによって区画される。ブロック列33は、周方向細溝50と周方向溝43とによって区画される。なお、ブロック列34及びブロック列35は、トレッド20のショルダー領域に設けられるため、タイヤ幅方向外側には、周方向溝は形成されていない。
(2)ブロックの形状
図2は、トレッド20に一部拡大平面図である。上述したように、トレッド20には、タイヤ周方向に延びる複数のブロック列が設けられ、当該ブロック列のそれぞれは、路面R(図6参照)と接する複数のブロックを含む。
具体的には、ブロック列は、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝によって区画された複数のブロックを含む。具体的には、図2に示すように、ブロック列31はブロック100を含み、ブロック列32は、ブロック200を含み、ブロック列33は、ブロック300を含み、ブロック列34は、ブロック400を含み、ブロック列35は、ブロック500を含む。
ブロック100は、幅方向溝61によって区画され、ブロック200は、幅方向溝62によって区画され、ブロック300は、幅方向溝63によって区画され、ブロック400は、幅方向溝64によって区画され、ブロック500は、幅方向溝65によって区画される。
ブロック100は、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ120と、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプ130とによって、複数の小ブロック101に区画される。
具体的には、ブロック100は、3本の周方向サイプ120と、2本の幅方向サイプ130とによって、12個の小ブロック101に区画される。
本実施形態では、小ブロック101は、四角形状である。なお、図2に示すように、小ブロック101の角部は、面取りされていてもよい。また、小ブロック101は、図2に示すように、平行四辺形状でもよい。
周方向サイプ120と幅方向サイプ130との交差部分には、周方向サイプ120の溝幅(具体的には、踏面側の溝幅)、及び幅方向サイプ130の溝幅よりも幅が広い孔溝110が形成される。
孔溝110は、周方向サイプ120及び幅方向サイプ130と連通する。孔溝110は、周方向サイプ120及び幅方向サイプ130と同等の溝深さを有してよい。本実施形態では、孔溝110は、トレッド面視において四角形(菱形と呼んでもよい)状である。
幅方向サイプ130のそれぞれの端部は、周方向溝の何れかに連通する。具体的には、幅方向サイプ130の端部は、周方向溝41及び周方向細溝50に連通する。
また、周方向サイプ120のそれぞれの端部は、幅方向溝の何れかに連通する。具体的には、周方向サイプ120の端部は、ブロック100に隣接して形成される幅方向溝61に連通する。
さらに、本実施形態では、幅方向溝61と幅方向サイプ130とは、タイヤ幅方向に対して傾斜し、かつ幅方向溝61と幅方向サイプ130とは、平行である。つまり、幅方向溝61のタイヤ幅方向に対する傾斜角度と、幅方向サイプ130のタイヤ幅方向に対する傾斜角度とは、同一である。
ブロック200、ブロック300、ブロック400及びブロック500も、ブロック100と概ね同様の形状を有する。
具体的には、ブロック200は、2本の周方向サイプ220と、2本の幅方向サイプ230とによって、9個の小ブロック201に区画される。また、周方向サイプ220と幅方向サイプ230との交差部分には、孔溝210が形成される。
幅方向サイプ230の端部は、周方向溝41及び周方向溝42に連通し、周方向サイプ220の端部は、ブロック200に隣接して形成される幅方向溝62に連通する。
また、幅方向溝62と幅方向サイプ230とは、タイヤ幅方向に対して傾斜し、かつ幅方向溝62と幅方向サイプ230とは、平行である。
ブロック300は、2本の周方向サイプ320と、2本の幅方向サイプ330とによって、9個の小ブロック301に区画される。また、周方向サイプ320と幅方向サイプ330との交差部分には、孔溝310が形成される。
幅方向サイプ330の端部は、周方向溝43及び周方向細溝50に連通し、周方向サイプ320の端部は、ブロック300に隣接して形成される幅方向溝63に連通する。
また、幅方向溝63と幅方向サイプ330とは、タイヤ幅方向に対して傾斜し、かつ幅方向溝63と幅方向サイプ330とは、平行である。
ブロック400は、3本の周方向サイプ420と、2本の幅方向サイプ430とによって、12個の小ブロック401に区画される。また、周方向サイプ420と幅方向サイプ430との交差部分には、孔溝410が形成される。
幅方向サイプ430のタイヤ幅方向内側の端部は、周方向溝42に連通し、周方向サイプ420の端部は、ブロック400に隣接して形成される幅方向溝64に連通する。
また、幅方向溝64と幅方向サイプ430とは、タイヤ幅方向に対して傾斜し、かつ幅方向溝64と幅方向サイプ430とは、平行である。但し、図2に示すように、幅方向溝64及び幅方向サイプ430の周方向溝42側の一部は、他の部分よりもさらに傾斜していてもよい。
ブロック500も、3本の周方向サイプ520と、2本の幅方向サイプ530とによって、12個の小ブロック501に区画される。また、周方向サイプ520と幅方向サイプ530との交差部分には、孔溝510が形成される。
幅方向サイプ530のタイヤ幅方向内側の端部は、周方向溝43に連通し、周方向サイプ520の端部は、ブロック500に隣接して形成される幅方向溝65に連通する。
また、幅方向溝65と幅方向サイプ530とは、タイヤ幅方向に対して傾斜し、かつ幅方向溝65と幅方向サイプ530とは、平行である。但し、図2に示すように、幅方向溝65及び幅方向サイプ530の周方向溝43側の一部は、他の部分よりもさらに傾斜していてもよい。
なお、図2に示すように、ブロック400とブロック500とは、点対称となる形状を有している。
(3)周方向サイプ及び幅方向サイプの形状
図3は、周方向サイプ120を含むブロック100の一部断面図である。図4は、幅方向サイプ130を含むブロック100の一部断面図である。
なお、周方向サイプ220、周方向サイプ320、周方向サイプ420及び周方向サイプ520も、周方向サイプ120と同様の形状を有する。また、幅方向サイプ230、幅方向サイプ330、幅方向サイプ430及び幅方向サイプ530も、幅方向サイプ130と同様の形状を有する。
図3に示すように、周方向サイプ120は、サイプ部121と内側溝部122とを含む。サイプ部121は、路面R(図6参照)に形成される部分であり、溝幅GW1が狭いサイプである。
なお、サイプとは、陸部ブロックの接地面内では閉じる細溝であり、非接地時におけるサイプの開口幅は、特に限定されないが、0.1mm~1.5mmであることが好ましく、0.4mm~0.7mmがより好ましい。
内側溝部122は、サイプ部121に連通する。内側溝部122は、サイプ部121のタイヤ径方向内側、つまり、踏面(路面R)と逆側に形成される。
内側溝部122の溝幅GW2は、サイプ部121の溝幅GW1よりも広い部分があってよい。本実施形態では、内側溝部122は、タイヤ径方向内側に行くに連れて内側溝部122の溝幅GW2が広くなるフラスコ型である。このため、周方向サイプ120に入り込んだ水膜は、徐々に溝幅が広くなる内側溝部122に層流としてスムーズに吸い込まれ易い。また、フラスコ型の内側溝部122の形状によって、ブロック100は、タイヤ径方向外側に行くに連れて徐々に剛性が高くなるため、ブロック100の剛性確保にも貢献する。
また、内側溝部122は、トレッド面視では視認できず、周方向サイプ120のタイヤ径方向内側に隠れた状態となっている。内側溝部122は、トンネル溝、トンネル溝部、トンネルサイプ、或いは隠れ溝などと呼ばれてもよい。
さらに、内側溝部122がフラスコ型であるため、内側溝部122を形成するためのブレードを加硫されたトレッド20から引き抜く際に、抵抗にならずに引き抜き易い。なお、内側溝部122の断面形状は、必ずしもフラスコ型でなくてもよく、例えば、タイヤ径方向において長い楕円状などであってもよい。
本実施形態では、周方向サイプ120の深さD1は5.0mm程度、溝幅GW1は0.4mm程度、溝幅GW2は3.0mm程度に設定される。
図4に示すように、幅方向サイプ130は、路面R側から底部分まで一定の溝幅GW3を有する。幅方向サイプ130の断面形状は、直線状であり、タイヤ径方向に沿って略平行に形成される。
本実施形態では、幅方向サイプ130の深さD2は5.0mm程度、溝幅GW3は0.4mm程度に設定される。
(4)ブロックの寸法及び曲げ剛性
図5は、ブロック100の拡大平面図である。なお、上述したように、他のブロックも概ね同様の形状を有するため、ここでは、ブロック100を例に説明する。
図5に示すように、ブロック100のタイヤ幅方向に沿った寸法は、ブロック100のタイヤ周方向に沿った寸法よりも長い。つまり、ブロック100は、横長である。具体的には、ブロック100の幅W2は、ブロック100の長さL2よりも大きい。
また、タイヤ幅方向における小ブロック101の幅W1と、タイヤ幅方向におけるブロック100の幅W2との比W1/W2は、0.25以上、0.50以下である。タイヤ周方向における小ブロック101の長さL1と、タイヤ周方向におけるブロック100の長さL2との比L1/L2は、0.1以上0.5以下、好適には0.15以上0.45以下が好ましい。L1/L2は、W1/W2よりも小さいことが好ましい。W1/W2は、0.30以上、0.45以下であることがより好ましい。
なお、幅W1、幅W2、長さL1及長さL2は、図5に示すように、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向を基準としてもよいし、ブロック100の外縁部分の延在方向を基準としてもよい。
ブロック100の高さ、つまり、ブロック100区画する周方向溝41、周方向細溝50及び幅方向溝61の深さは、一定ではなくてもよいが、6mm~9mm程度である。
ブロック100単体の高さ方向を基準とした断面二次モーメントは、150以上、2200(m4)以下である。ブロック100単体の幅W1及び長さL1の好ましい範囲は、幅W1=9~15mm、長さL1=6~12mmである。また、ブロック100の高さ(周囲の溝深さ)は、6~12mmであることが好ましい。
また、断面二次モーメントは、300~1500(m4)が好ましく、500~1000(m4)がより好ましい。ブロック100は、トレッド平面視の形状が平行四辺形状であり、断面二次モーメントは、(式1)によって求められる。
断面二次モーメントI=(W1*L1^3)/12
長さL1と幅W1との関係は、1.0≦W1/L1≦1.5であることが好ましい。1.0未満だと接地性が悪化して氷上性能が悪化し、1.5を超えると路面Rの表面に発生する水を除水できずに氷上性能が悪化する。
(5)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、ブロック100(他のブロックも同様)は、周方向サイプ120と幅方向サイプ130とによって複数の小ブロック101に区画される。周方向サイプ120は、サイプ部121と内側溝部122とを含み、内側溝部122の溝幅GW2は、サイプ部121の溝幅GW1よりも広い。一方、幅方向サイプ130は、踏面側から底部分まで一定の溝幅GW3を有する。
つまり、タイヤ幅方向については、内側溝部122のような幅広の溝部が形成されていない幅方向サイプ130が延在するため、ブロック100のタイヤ周方向における端部のエッジ圧を大きく低下させることがない。
具体的には、図5に示すように、ブロック100のタイヤ周方向における端部(ブロックエッジ部分)のエッジ圧Pを確保できる。また、ブロック100のブロックエッジ部分は、内側溝部122を含む周方向サイプ120によって分断(区画)されるため、ブロック100の踏面からの除水性能も確保できる。
幅方向サイプ130にも、内側溝部122と同様な拡幅された溝部分を形成してしまうと、特に、ブロック100の踏み込み側及び蹴り出し側のブロック端部におけるエッジ圧Pが低下し過ぎてしまい、特に、氷雪路面での制駆動性能、操縦安定性などの運動性能の低下が大きい。
図6は、ブロック100による除水性能の説明図である。図6に示すように、空気入りタイヤ10は、ブロック100の部位ごとに「接地性」、「エッジ効果」及び「除水(排水)」の役割を分担する思想に基づいて設計されている。
図6に示すように、ブロック100のタイヤ周方向における端部を構成する小ブロック101では、上述したように、十分なエッジ圧Pが確保される。これにより、特に、氷雪路面への引っ掛りが強くなり、制駆動性能を効果的に高め得る。さらに、ブロック100のタイヤ周方向における端部を構成する小ブロック101の側面は、ブロック100が路面R(氷雪路面)と接することによって路面R上に湧き出した水膜を前方(制動時または加速時によって異なる)に効率的に除水できる。また、後方に設けられている他の小ブロック101は、除水された路面Rにしっかりと接することができる。
このように、複数の小ブロック101それぞれが、「接地性」、「エッジ効果」及び「除水(排水)」を狙うのではなく、上述したように、小ブロック101ごとに「接地性」、「エッジ効果」及び「除水(排水)」の役割を分担する。
このように、空気入りタイヤ10によれば、接地面積が比較的小さいブロックを密集して配置したトレッドパターンを用いる場合において、比較的気温が高い条件でも十分な氷上性能を発揮し得る。
また、本実施形態では、小ブロック101とブロック100とのサイズ比W1/W2は、0.25以上、0.50以下であり、ブロック100単体の高さ方向を基準とした断面二次モーメントは、150以上、2200(m4)以下である。
このため、「接地性」、「エッジ効果」及び「除水(排水)」のそれぞれの性能を高い次元で達成し得る。仮に、W1/W2が0.25未満だと、小ブロック101のサイズが小さ過ぎて、特に、十分な接地性及びエッジ効果が発揮できない。逆に、W1/W2が0.50を超えると、小ブロック101のサイズが大きくなり過ぎて、やはり、十分な接地性を発揮できない。
また、仮に、曲げ剛性が上述した範囲から外れると、ブロック100としての適度な路面追従性が損なわれ、やはり、十分な接地性及びエッジ効果が発揮できない。
空気入りタイヤ10によれば、W1/W2及びブロック100単体の曲げ剛性を上述した範囲とすることによって、氷雪路面だけでなく、ドライ路面も含めた制駆動性能、操縦安定性などの運動性能を高めることができる。すなわち、空気入りタイヤ10によれば、接地面積が比較的小さいブロックを密集して配置したトレッドパターンを用いる場合において、さらに高い運動性能を発揮し得る。
本実施形態では、小ブロック101(他のブロック及び小ブロックも概ね同様)は、四角形状である。このため、隣接する小ブロック101が、周方向サイプ120及び幅方向サイプ130を介して効率的に支え合うことができるとともに、タイヤ周方向における変形(制駆動時)、及びタイヤ幅方向における変形(コーナリング時)に対して同様の特性を有し得る。これにより、さらに高い運動性能を発揮に貢献できる。
本実施形態では、幅方向サイプ130の端部は、周方向溝41及び周方向細溝50に連通し、周方向サイプ120の端部は、ブロック100に隣接して形成される幅方向溝61に連通する。これにより、ブロック100としての剛性(ブロック剛性)を確保しつつ、十分な除水性能を発揮し得る。
本実施形態では、ブロック100の幅W2は、ブロック100の長さL2よりも大きく、ブロック100は、横長である。これにより、ブロック100のタイヤ周方向における端部によるエッジ効果(エッジ成分と呼んでもよい)を高めることができ、特に、氷雪路面において重要となる制動性能を効果的に高め得る。
本実施形態では、周方向サイプ120と幅方向サイプ130との交差部分には、周方向サイプ120の溝幅(具体的には、踏面側の溝幅)、及び幅方向サイプ130の溝幅よりも幅が広い孔溝110が形成される。これにより、ブロック100の除水性能をさらに高めることができる。
本実施形態では、幅方向溝61と幅方向サイプ130とは、タイヤ幅方向に対して傾斜し、かつ幅方向溝61と幅方向サイプ130とは、平行である。これにより、ブロック100の偏摩耗、及びブロック100が路面Rに接地する際に発生するノイズ(パターン加振音)を抑制できる。
(6)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
例えば、上述した空気入りタイヤ10のトレッドパターンは、次のように変更してもよい。図7は、変更例1に係る空気入りタイヤ10Aのトレッドの一部平面展開図である。
図7に示すように、空気入りタイヤ10Aは、ブロック100A、ブロック200A、ブロック300A、ブロック400A及びブロック500Aを備える。
以下、ブロック100Aを例にして説明する。図7に示すように、ブロック100Aは、周方向サイプ120、幅方向サイプ130A及び幅方向サイプ131Aによって区画される。
周方向サイプ120は、上述したように、内側溝部122(図3参照)を含む。また、幅方向サイプ130Aも、周方向サイプ120と同様な内側溝部を含んでもよい。
図8は、幅方向サイプ131Aを含むブロック100Aの一部断面図である。図8に示すように、幅方向サイプ131Aは、幅方向サイプ130と同様の形状を有しているが、溝深さが浅い。
具体的には、幅方向サイプ131Aの深さD3は3.0mm程度、溝幅GW3は0.4mm程度に設定される。
図8に示す幅方向サイプ131Aよりもタイヤ周方向における端部側に位置するブロック100Aの部分は、水膜を除去するワイピングブロックとして機能する。これにより、ブロック100Aの他の部分の接地性を効果的に高め得る。
図9は、変更例2に係るブロック100Bの拡大平面図である。図10は、変更例3に係るブロック100Cの拡大平面図である。
図9に示すように、ブロック100Bは、9個の小ブロック101Bに区画される。ブロック100と比較すると、ブロック100Bは、タイヤ幅方向において3分割されている点が異なる。ブロック100Bは、ブロック100に代えて設けられてよい。
図10に示すように、ブロック100Cは、6個の小ブロック101Cに区画される。ブロック100と比較すると、ブロック100Cは、タイヤ幅方向において2分割されている点が異なる。ブロック100Cも、ブロック100に代えて設けられてよい。
ブロック100に代えて、図9及び図10に示すブロック100Bまたはブロック100Cが複数設けられた空気入りタイヤは、氷上性能をさらに効果的に高め得る。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
10, 10A 空気入りタイヤ
20 トレッド
31~35 ブロック列
41~43 周方向溝
50 周方向細溝
61~65 幅方向溝
100, 100A~100C ブロック
101, 101B, 101C, 201, 301, 401, 501 小ブロック
110, 210, 310, 410, 510 孔溝
120, 220, 320, 420, 520 周方向サイプ
121 サイプ部
122 内側溝部
130, 130A, 131A, 230, 330, 430, 530 幅方向サイプ
200, 200A ブロック
300, 300A, 400, 400A, 500, 500A ブロック
CL タイヤ赤道線
P エッジ圧
R 路面

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に延びる一対の周方向溝によって区画されたブロック列を複数備えるタイヤであって、
    前記ブロック列は、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝によって区画された複数のブロックを含み、
    前記ブロックは、タイヤ周方向に延びる周方向サイプと、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプとによって、トレッド面視において平行四辺形状である複数の小ブロックに区画され、
    前記幅方向サイプは、踏面側から底部分まで一定の溝幅を有し、
    前記周方向サイプと前記幅方向サイプとの交差部分には、前記周方向サイプ及び前記幅方向サイプの溝幅よりも幅が広い孔溝が形成され、
    前記幅方向溝と前記幅方向サイプとは、タイヤ幅方向に対して傾斜し、かつ平行であり、
    前記孔溝は、トレッド面視において菱形状であるタイヤ。
  2. 前記周方向サイプは、
    踏面側に形成されるサイプ部と、
    前記サイプ部に連通し、前記サイプ部のタイヤ径方向内側に形成される内側溝部と
    を含み、
    前記内側溝部の溝幅は、前記サイプ部の溝幅よりも広い請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記小ブロックは、四角形状である請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記幅方向サイプのそれぞれの端部は、前記周方向溝の何れかに連通する請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記周方向サイプのそれぞれの端部は、前記幅方向溝の何れかに連通する請求項1乃至4の何れか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記ブロックのタイヤ幅方向に沿った寸法は、前記ブロックのタイヤ周方向に沿った寸法よりも長い請求項1乃至5の何れか一項に記載のタイヤ。
JP2019229327A 2019-12-19 2019-12-19 タイヤ Active JP7460360B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019229327A JP7460360B2 (ja) 2019-12-19 2019-12-19 タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019229327A JP7460360B2 (ja) 2019-12-19 2019-12-19 タイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021095089A JP2021095089A (ja) 2021-06-24
JP7460360B2 true JP7460360B2 (ja) 2024-04-02

Family

ID=76430362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019229327A Active JP7460360B2 (ja) 2019-12-19 2019-12-19 タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7460360B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005170187A (ja) 2003-12-10 2005-06-30 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006051863A (ja) 2004-08-10 2006-02-23 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006082651A (ja) 2004-09-15 2006-03-30 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2007050775A (ja) 2005-08-18 2007-03-01 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2010269769A (ja) 2009-05-25 2010-12-02 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
US20150273950A1 (en) 2012-09-13 2015-10-01 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Tread and tire for heavy vehicle
JP2017193202A (ja) 2016-04-18 2017-10-26 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP2018034697A (ja) 2016-08-31 2018-03-08 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005170187A (ja) 2003-12-10 2005-06-30 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006051863A (ja) 2004-08-10 2006-02-23 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006082651A (ja) 2004-09-15 2006-03-30 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2007050775A (ja) 2005-08-18 2007-03-01 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2010269769A (ja) 2009-05-25 2010-12-02 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
US20150273950A1 (en) 2012-09-13 2015-10-01 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Tread and tire for heavy vehicle
JP2017193202A (ja) 2016-04-18 2017-10-26 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP2018034697A (ja) 2016-08-31 2018-03-08 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021095089A (ja) 2021-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5099914B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4299804B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4285609B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN107539031B (zh) 轮胎
JP4406454B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2010167931A (ja) 空気入りタイヤ
JP4381869B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4735137B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4860132B2 (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
JP4262650B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5170416B2 (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
JP7460360B2 (ja) タイヤ
JP2008049971A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006232218A (ja) 空気入りタイヤ
JP7460361B2 (ja) タイヤ
JP4872004B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2007015655A (ja) 空気入りタイヤ
JPH1024707A (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
JP2008143437A (ja) 空気入りタイヤ
JP4499808B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4425247B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4830695B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4500320B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2007216871A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006007797A (ja) タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7460360

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150