JP7459365B1 - 炭素質材料及びその製造方法、並びにパラジウム錯体の吸着方法 - Google Patents

炭素質材料及びその製造方法、並びにパラジウム錯体の吸着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】様々なパラジウム錯体に対して高い吸着性能を有する炭素質材料を提供すること。【解決手段】本発明の炭素質材料は、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素質材料及びその製造方法、並びにパラジウム錯体の吸着方法に関する。
有機合成化学においては、炭素-炭素結合の生成及び不斉水素化等の反応を促進する目的で、パラジウムを含む均一系触媒が広く用いられている。これらのパラジウム触媒は、溶液中に溶解させることで、効率的に反応を促進させることができる。パラジウム触媒は、反応終了後において、晶析及び蒸溜等により除去することができるが、生成物を電子材料及び医薬品等に用いる場合には、生成物中のパラジウム触媒を除去し、その含有率を十分に低減させることが必要である。
パラジウム触媒の除去方法としては、例えば、特許文献1において、有機反応後の溶液を、比表面積が50m/g以上400m/g以下である活性アルミナで処理する方法が提示されている。
特許文献2においては、医薬品原薬中の残留パラジウムを低減させる方法として、医薬品原薬、溶解補助剤、及び水の混合液に、3置換ホスフィンを加え、更に、貧溶媒を加えて医薬品原薬を晶析させる、残留パラジウムの低減方法が記載されている。
特許文献3においては、有機溶剤中に溶解しているパラジウム触媒などの金属成分を除去するために用いられる吸着剤であって、比表面積が1300m/g以上であり、かつ、平均細孔直径が1.8nm以上である、金属除去用吸着剤が記載されている。
特開2008-260704号公報 特開2011-57602号公報 特開2017-177047号公報
しかしながら、特許文献1に記載の除去方法において、パラジウム触媒を除去するための溶液は、リン系配位子とパラジウム化合物とを含む触媒を用いた有機反応溶液である。そのため、リン系配位子を含まない、例えば、酢酸パラジウムのような触媒に対しては、効果が十分ではない。
特許文献2に記載の低減方法では、残留パラジウムと錯体を形成する3置換ホスフィンを溶液に添加することで、3置換ホスフィンと残留パラジウムとの錯体を除去している。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、多座配位子を有するパラジウム錯体など、3置換ホスフィンと配位子交換がし難いパラジウムについては、除去することが難しい。また、3置換ホスフィンが残留する結果、却って目的物が汚染される懸念もある。
特許文献3では、活性炭によってパラジウム触媒を吸着する方法が記載されており、2価のパラジウム錯体である酢酸パラジウムに対して、吸着剤の細孔特性及び表面官能基量を特定の範囲にすることにより高い除去性能が示すことを記載されている。しかしながら、特許文献3では、0価のパラジウム錯体に対する有効性は示されておらず、特許文献3に記載の活性炭においてもパラジウム触媒等の様々なパラジウム錯体の除去に適用できるとは言い難い。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、様々なパラジウム錯体に対して高い吸着性能を有する炭素質材料及びその製造方法、並びにパラジウム錯体の吸着方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、メソ孔の割合、リアクティブブラック5価、及びよう素吸着量が、それぞれ特定の範囲にある炭素質材料が、様々なパラジウム錯体に対して高い吸着性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の実施態様を含む。
[1]メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である、炭素質材料。
[2]-196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められるメソ孔の細孔容積が、0.16cm/g以上0.60cm/g以下である、[1]に記載の炭素質材料。
[3]-196℃におけるNの吸着等温線からBET法によって求められる比表面積が、950m/g以上1,700m/g以下である、[1]に記載の炭素質材料。
[4]-196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められる比表面積が、23m/g以上500m/g以下である、[1]に記載の炭素質材料。
[5]pHが、4.5以上9.5以下である、[1]に記載の炭素質材料。
[6]タッピング法により測定される充填密度が、0.20g/mL以上0.55g/mL以下である、[1]に記載の炭素質材料。
[7]有機溶剤中で、0価のパラジウム錯体及び/又は2価のパラジウム錯体の吸着に用いられる、[1]~[6]のいずれかに記載の炭素質材料。
[8]原料を炭化して炭化物を得る炭化工程と、前記炭化物を賦活処理して賦活物を得る賦活工程と、を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の炭素質材料の製造方法。
[9]前記賦活物を洗浄する洗浄工程を更に含む、[8]に記載の製造方法。
[10]前記原料が、ヤシ殻及び木粉からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[8]に記載の製造方法。
[11][1]~[6]のいずれかに記載の炭素質材料に、パラジウム錯体を吸着させる吸着工程を、含む、パラジウム錯体の吸着方法。
本発明によれば、様々なパラジウム錯体に対して高い吸着性能を有する炭素質材料及びその製造方法、並びにパラジウム錯体の吸着方法を提供することができる。
図1のIは、ロータリーキルンの模式断面図であり、IIはロータリンキルンの模式側面図である。 図2は、ロータリーキルンを説明するための模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
[炭素質材料]
本実施形態の炭素質材料は、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である。
炭素質材料が、このような要件を備えることにより、パラジウム触媒等の様々なパラジウム錯体に対して高い吸着性能を有する。そのため、本実施形態の炭素質材料を用いることで、種々の用途において、パラジウム錯体を好適に除去することが可能である。
炭素質材料のメソ孔の割合は、6.4%以上50.0%以下である。メソ孔の割合が上記範囲にあることで、炭素質材料は、パラジウム錯体に対して、高い吸着性能を発揮する。メソ孔の割合が6.4%以上であることで、炭素質材料は、分子サイズの大きなパラジウム錯体に対して有効な細孔割合が多くなり、顕著に吸着性能が向上する。メソ孔の割合が50.0%以下であることで、炭素質材料の細孔径が大きくなりすぎず、パラジウム錯体を吸着する細孔の制御が容易となる。
本明細書において、炭素質材料が有する細孔は、IUPAC(国際純正応用化学連合)の分類基準に準拠し、その細孔径(直径)に応じて、細孔径が2.0nm未満の細孔をミクロ孔とし、細孔径が2.0nm以上50.0nm以下の細孔をメソ孔とし、細孔径が50.0nmを超える細孔をマクロ孔と分類する。メソ孔は、ミクロ孔よりも大きな細孔であり、分子サイズの大きなパラジウム錯体の吸着に有効である。
本明細書において、メソ孔の割合とは、炭素質材料において、-196℃におけるNの吸着等温線からBET法によって求められる比表面積(以下、単に「BET比表面積」とも称する)に対する、-196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められる比表面積(以下、単に「BJH比表面積」とも称する)の比率で求められる。メソ孔は、炭素質材料において吸着に寄与する細孔の中で、比較的大きな孔である。すなわち、メソ孔の割合が大きいほど、分子サイズの大きなパラジウム錯体の吸着性能に優れることを示している。メソ孔の割合の具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
様々なパラジウム錯体に対してより高い吸着性能を有することから、メソ孔の割合は、好ましくは10.0%以上40.0%以下であり、より好ましくは15.0%以上35.0%以下である。
炭素質材料のリアクティブブラック5価は、1.0g/L以上8.0g/L以下である。リアクティブブラック5は、下記式(1)で表される染料であり、C.I.リアクティブブラック-5とも称される。
Figure 0007459365000002
リアクティブブラック5は、その分子量が995.88と大きく、嵩高い構造を有するため、リアクティブブラック5価は、分子サイズの大きなパラジウム錯体の吸着特性の指標となる。炭素質材料は、リアクティブブラック5価が上記範囲にあることで、様々なパラジウム錯体に対して、高い吸着性能を発揮する。リアクティブブラック5価が1.0g/L以上であることで、炭素質材料は、分子サイズの大きなパラジウム錯体を好適に吸着する細孔量を確保しつつ、分子サイズの小さなパラジウム錯体に対する有効な細孔量も十分保持できるため、顕著に吸着性能が向上する。リアクティブブラック5価が8.0g/L以下の場合、炭素質材料は、分子サイズの大きなパラジウム錯体に対する有効な細孔量を十分保持できる。そのため、特に分子サイズの大きなパラジウム錯体に対して高い吸着性能を有する炭素質材料を得ることができる。
リアクティブブラック5価は、例えば、次のようにして算出することができる。すなわち、まず、紫外可視分光光度計を用いて、波長594nm及び光路長(セル長)10mmの条件にて、リアクティブブラック5を含む試験液と、その試験液に炭素質材料を混合し十分にリアクティブブラック5を炭素質材料に吸着させた後に、リアクティブブラック5が吸着した炭素質材料を除去して得られる残液の、それぞれの吸光度を測定する。そして、これらの吸光度を用いて、残液中に含まれるリアクティブブラック5の残存率(%)と、炭素質材料1g当たりのリアクティブブラック5の吸着量(/g)とを算出する。リアクティブブラック5価(g/L)は、これらの値を用いて、1Lの試験液中のリアクティブブラック5を99%除去するために必要な炭素質材料の量として算出する。なお、リアクティブブラック5価の測定において、炭素質材料としては、体積基準の累積分布の50%粒子径(D50)が9.0μm以上11.0μm以下に調整された炭素質材料を用いることが好ましい。本明細書において、50%粒子径(D50)は、レーザー回折光散乱法粒度分布測定装置を用いて、体積基準のメジアン径として測定される値を称する。リアクティブブラック5価の具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
様々なパラジウム錯体に対してより高い吸着性能を有することから、リアクティブブラック5価は、好ましくは1.3g/L以上7.0g/L以下であり、より好ましくは1.5g/L以上5.0g/L以下であり、更に好ましくは1.6g/L以上4.0g/L以下であり、更により好ましくは1.7g/L以上2.3g/L以下である。
炭素質材料のよう素吸着量は、1,000mg/g以上1,600mg/g以下である。
よう素吸着量は、炭素質材料に存在する、パラジウム錯体を物理吸着することが可能な細孔の表面積の指標である。炭素質材料のよう素吸着量が上記範囲にあることで、炭素質材料は、パラジウム錯体に対して、高い吸着性能を発揮する。よう素吸着量が1,000mg/g以上であることで、物理吸着に寄与する表面積が十分に存在し、パラジウム錯体に対する吸着性能が顕著に向上する。よう素吸着量が1,600mg/g以下であることで、炭素質材料の細孔が大きくなりすぎず、パラジウム錯体を吸着する細孔の制御が容易になる。
よう素吸着量は、JIS K 1474(2014年)に準拠して測定及び算出される。よう素吸着量の具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
様々なパラジウム錯体に対してより高い吸着性能を有することから、よう素吸着量は、好ましくは1,030mg/g以上1,570mg/g以下であり、より好ましくは1,055mg/g以上1,550mg/g以下であり、更に好ましくは1,100mg/g以上1,350mg/g以下である。
炭素質材料において、-196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められるメソ孔の細孔容積(以下、単に「メソ孔の細孔容積」とも称する)は、好ましくは0.16cm/g以上0.60cm/g以下である。メソ孔の細孔容積が上記範囲にあることで、炭素質材料は、様々なパラジウム錯体に対する吸着性能をより高いレベルで実現できる傾向にある。メソ孔の細孔容積が0.16cm/g以上であることで、炭素質材料は、パラジウム錯体の吸着に対して有効である比較的大きな細孔を多く保有することができる。そのため、炭素質材料は、高いパラジウム吸着性能を有する傾向にある。メソ孔の細孔容積が0.60cm/g以下であることで、炭素質材料の細孔が大きくなりすぎず、炭素質材料は、パラジウム錯体の吸着に対して有効な細孔を多く保有することができる。そのため、炭素質材料は、高いパラジウム吸着性能を有する傾向にある。メソ孔の細孔容積の具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
様々なパラジウム錯体に対する吸着性能を更に高いレベルで実現できる傾向にあることから、メソ孔の細孔容積は、好ましくは0.20cm/g以上0.59cm/g以下であり、より好ましくは0.26cm/g以上0.58cm/g以下であり、更に好ましくは0.30cm/g以上0.57cm/g以下であり、更により好ましくは0.35cm/g以上0.56cm/g以下である。
炭素質材料において、-196℃におけるNの吸着等温線からBET法によって求められる比表面積(すなわち、BET比表面積)は、好ましくは950m/g以上1,700m/g以下である。BET比表面積は、炭素質材料の賦活の進行度合を示す指標である。BET比表面積が上記範囲にあることで、様々なパラジウム錯体に対する吸着性能をより高いレベルで実現できる傾向にある。BET比表面積が950m/g以上であることで、炭素質材料は、物理吸着に寄与する表面積を十分に有し、パラジウム錯体に対する高い吸着性能が得られる傾向にある。BET比表面積が1,700m/g以下であることで、炭素質材料の細孔は大きくなりすぎず、炭素質材料は、パラジウム錯体の吸着に対して有効な細孔を多く有する傾向にある。BET比表面積の具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
様々なパラジウム錯体に対する吸着性能を更に高いレベルで実現できる傾向にあることから、BET比表面積は、好ましくは1,000m/g以上1,670m/gであり、より好ましくは1,020m/g以上1,650m/g以下であり、更に好ましくは1,100m/g以上1,550m/g以下であり、更により好ましくは1330m/g以上1,500m/g以下である。
炭素質材料において、-196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められる比表面積(すなわち、BJH比表面積)は、好ましくは23m/g以上500m/g以下である。BJH比表面積は、炭素質材料において、メソ孔の存在量を示す指標である。BJH比表面積が上記範囲にあることで、炭素質材料は、様々なパラジウム錯体に対する吸着性能をより高いレベルで実現できる傾向にある。BJH比表面積が23m/g以上であることで、炭素質材料は、パラジウム錯体を物理吸着することが可能である比較的大きなメソ孔の表面を多く保有することができる。そのため、炭素質材料は、高いパラジウム吸着性能を有する傾向にある。BJH比表面積が500m/g以下であることで、炭素質材料の細孔が大きくなりすぎず、炭素質材料は、パラジウム錯体の吸着に対して有効な細孔表面を多く保有できる。そのため、炭素質材料は、高いパラジウム吸着性能を有する傾向にある。BJH比表面積の具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
様々なパラジウム錯体に対する吸着性能を更に高いレベルで実現できる傾向にあることから、BJH比表面積は、好ましくは25m/g以上470m/g以下であり、より好ましくは50m/g以上450m/g以下であり、更に好ましくは100m/g以上430m/g以下であり、更により好ましくは150m/g以上420m/g以下であり、一層好ましくは250m/g以上410m/g以下でる。
炭素質材料において、pHは、好ましくは4.5以上9.5以下である。本実施形態において、pHは、炭素質材料の電気的特性を示す指標である。pHが上記範囲にあることで、炭素質材料は、その表面において電気的な偏りが少なくなる傾向にある。そのため、炭素質材料は、パラジウム錯体が保有する電気特性に影響され難くなり、様々なパラジウム錯体に対する吸着性能をより高いレベルで実現できる傾向にある。pHは、公知のpH計を用いて測定できるが、具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
本発明者らは、pHが上記範囲にある炭素質材料によれば、炭素質材料の吸着性能がより向上する理由について定かではないが、次のように推定している。
すなわち、pHが4.5以上9.5以下の範囲にあるということは、炭素質材料を水中に浸漬した場合、その水中の水素イオン濃度が10-4.5mol/L以上10-9.5mol/L以下の範囲にあることを意味する。このことは、例えば、炭素質材料が、その表面に酸解離可能な基を有する場合であっても、その基から遊離する水素イオン量が十分少ないことを示している。また、例えば、炭素質材料が、不純物としてその表面に吸着されている金属水酸化物などを含む場合であっても、その金属水酸化物から遊離する水酸化物イオン量が、十分少ないことを示している。
そのことから、pHが4.5以上9.5以下の範囲にあると、炭素質材料の表面は電気的にほぼ中性であり、表面はより疎水的な状態であると言える。そのため、炭素質材料は、電気的に中性な物質に対する物理吸着特性がより向上し、例えば、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)等の電気的に中性なパラジウム錯体に対しても、その吸着性能はより優れる。
また、pHが4.5以上9.5以下の範囲にあると、炭素質材料の表面に存在する酸解離可能な基は、大部分が解離せずに存在する。そのような基は、例えば、パラジウム(II)イオン等の比較的酸性の強い金属イオンと好適に反応することができ、水素イオンを解離しながら、Pd-O結合等の金属と酸素との結合が形成させる。そのことから、炭素質材料は、例えば、酢酸パラジウム等の比較的酸性の強いパラジウム(II)錯体に対しても、その吸着性能に優れる。
以上から、pHが4.5以上9.5以下の範囲にあると、炭素質材料は、電気的に中性なパラジウム錯体に対しても、また、比較的酸性の強いパラジウム(II)錯体に対しても、吸着特性により優れる、そのことから、炭素質材料は、様々なパラジウム錯体に対する吸着特性をより高いレベルで実現できると推定している。なお、酸解離可能な基としては、例えば、ヒドロキシル基、及びカルボキシル基が挙げられる。但し、理由はこれに限定されない。
様々なパラジウム錯体に対する吸着性能を更に高いレベルで実現できる傾向にあることから、pHは、好ましくは5.0以上9.0以下であり、より好ましくは5.5以上8.5以下であり、更に好ましくは6.0以上8.0以下である。
炭素質材料において、タッピング法により測定される充填密度(以下、単に「充填密度」とも称する)は、好ましくは0.20g/mL以上0.55g/mL以下である。充填密度は、炭素質材料の細孔容積の影響を大きく受ける傾向にある。そのため、体積基準の累積分布の50%粒子径(D50)が9.0μm以上11.0μm以下に調整された炭素質材料を用いて、その充填密度を測定した場合、その充填密度の値は、炭素質材料の保有する細孔容積の指標となる。充填密度が上記範囲にあることで、炭素質材料は、様々なパラジウム錯体に対する吸着性能をより高いレベルで実現できる傾向にある。充填密度が0.20g/mL以上であることで、物理吸着に寄与する細孔が十分に存在する傾向にある。そのため、炭素質材料は、パラジウム錯体に対するより高い吸着性能を有する傾向にある。充填密度が0.55g/mL以下であることで、炭素質材料の細孔が大きくなりすぎず、パラジウム錯体の吸着に対して有効な細孔を多く保有することができる。そのため、炭素質材料は、高いパラジウム吸着性能を有する傾向にある。充填密度の具体的な測定及び算出方法は、実施例を参照すればよい。
様々なパラジウム錯体に対する吸着性能を更に高いレベルで実現できる傾向にあることから、充填密度は、好ましくは0.25g/mL以上0.50g/mL以下である。
炭素質材料の形状は、用途によっても異なり、特に限定されない。そのような形状としては、例えば、粉末状、塊状、破砕状、球状、円柱、楕円柱、楕円錐台、並びに三角柱、四角柱、五角柱、及び六角柱などの多角柱などの棒状、中実ペレット及び中空ペレットなどのペレット状、基板状(シート状)、及びブロック状等が挙げられる。
粉末状の炭素質材料は、例えば、回分式処理、及び成型体の原料に用いられる。本明細書において、粉末状とは、例えば、微粉状、粉状、細粒状、及び顆粒状の粉体を称し、通常、体積基準の累積分布の50%粒子径(D50)は、1μm以上150μm以下である。
破砕状の炭素質材料は、例えば、流通式処理、及びクロマトグラフ用のカラム等に用いられる。本明細書において、破砕状とは、形状が一定ではなく、通常、角のある任意の形状をもつ粒子を称する。
例えば、カラム等に用いる場合には、その形状は、円柱形状であることが好ましい。本明細書において、「円柱形状」とは、幾何学的に厳密な円柱である必要はなく、円柱における中心軸に対して垂直な平面での断面形状(以下、単に「断面形状」という。)が、卵形、直円形、及び楕円形である柱体形状を包含し、円柱が多少湾曲したり、円柱の表面が多少凹凸を有していたりするものも包含する。なお、本明細書において、直円形又は楕円形としては、例えば、その形状の長軸と短軸との比(長軸/短軸)が3以下のものを意味する。断面形状としては、カラム等に炭素質材料をより高密度で充填することが可能となることから、円形、及び楕円形が好ましい。
炭素質材料が円柱形状である場合には、その断面形状の直径の長さは、用途によっても異なるが、例えば、カラム等に用いる場合には、通常、1.0mm以上10.0mm以下程度である。なお、本明細書において、「直径」とは、断面形状が、円形の場合、その円形の直径を意味する。一方、断面形状が、卵形、長円形又は楕円形の場合、「直径」とは、それらの形状において、最も長い方向(すなわち、長軸方向)を意味する。なお、本明細書において、「円形」とは、真円に加えて、卵形、直円形、及び楕円形も包含する。
炭素質材料が円柱形状である場合には、その円柱における長手方向の長さは、用途によっても異なるが、例えば、カラム等に用いる場合には、通常、1.0mm以上20.0mm以下程度である。
炭素質材料の形状がペレット状である場合、その平面視形状は、例えば、カラム等に適用可能な形状とすることができる。そのような形状としては、例えば、平面視で、円状、楕円状、矩形状、棒状、及び歪曲状等が挙げられる。炭素質材料の形状がペレット状である場合、その厚さも特に限定されず、カラム等に適用される公知の吸着材を参考にすることができる。厚さとしては、カラム等に適用できるような厚さであることが好ましく、通常、100μm以上10,000μm以下である。
炭素質材料の形状が円柱ペレット状である場合、ペレットの直径は、好ましくは2mm以上10mm以下であり、アスペクト比は、好ましくは1:1~1:10である。このようなペレットは、カラム等における吸着材として好適である。本明細書において、アスペクト比は、1個の炭素質材料の直径と高さとの比、すなわち、炭素質材料の直径:炭素質材料の高さを意味する。アスペクト比は、炭素質材料を無作為に30個採取し、これらの炭素質材料のアスペクト比の平均値を意味する。
炭素質材料としては、活性炭であることが好ましい。
[炭素質材料の製造方法]
本実施形態の炭素質材料は、公知の製造方法によって得ることができる。
そのような方法としては、例えば、熱分解法、賦活法、被覆法、及び蒸着法等を挙げることができる。製造方法としては、賦活法を用いることが好ましい。それらの製造方法を用いることで、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料をより容易に製造できる傾向にある。
本実施形態の炭素質材料の製造方法は、原料を炭化して炭化物を得る炭化工程と、炭化物を賦活処理して賦活物を得る賦活工程と、を含む。本実施形態の炭素質材料の製造方法は、賦活物を洗浄する洗浄工程を含むことが好ましい。
(炭化工程)
炭素質材料の製造方法は、原料を炭化して炭化物を得る炭化工程を含む。
原料としては、所望の炭素質材料を得ることができる材料であれば特に限定されない。原料としては、例えば、木材、木粉、ヤシ殻などの果実殻、パーム核、梅、及び桃等の種子、パルプ製造時の副産物、バガス、廃糖蜜、石炭(泥炭、亜炭、褐炭、及び瀝青炭など)、無煙炭、石油蒸留残渣成分、石油ピッチ、コークス、及びコールタールなどの植物系原料又は化石系原料;フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール樹脂、セルロイド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及びポリアミド樹脂などの各種合成樹脂;ポリブチレン、ポリブタジエン、及びポリクロロプレンなどの合成ゴム;その他合成木材;合成パルプなどが挙げられる。これらの原料は、単独で用いることもでき、要求仕様に応じて、2種以上を任意の比率で混合して使用することもできる。
原料は、天然物であることが好ましく、ヤシ殻及び木粉からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。そのような原料を用いることで、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料を更に容易に製造できる傾向にある。
原料は、必要に応じて、添加剤等を含んでもよい。また、添加物等は、必要に応じて、炭化物に加えてもよい。
そのような添加剤等としては、例えば、水、コールタール、無水タール、硬質ピッチ、コールタール系ピッチ、及び石油系ピッチが挙げられる。添加剤等は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
添加剤等は、それぞれ、原料又は炭化物100質量部に対して、通常1.0質量部以上50.0質量部以下で配合される。また、添加剤等の合計量は、原料又は炭化物100質量部に対して、通常1質量部以上100質量部以下である。原料又は炭化物と、添加剤と、を混合するに際しては、必要に応じて、予め原料又は炭化物中の酸素量を、原料又は炭化物100質量%に対して、1.0質量%以上20.0質量%以下の範囲で調節してもよい。酸素量の調節は、例えば、150℃以上300℃以下の加熱下で、原料又は炭化物と、酸素と、を混合することで行うことができる。
炭素質材料の製造方法では、原料を炭化させる前に、原料を粉砕あるいは成型してもよい。そのような方法としては、例えば、原料を炭化させる前に、原料を公知の粉砕機を用いて粉末状に粉砕した後、炭化を行う方法が挙げられる。また、原料を炭化させる前に、原料を公知の方法でペレット状に成型した後、炭化を行う方法が挙げられる。
原料の形状を粉末状とした場合、粉末の粒度(体積基準の累積分布の50%粒子径、D50)は、好ましくは1μm以上150μm以下である。
原料の炭化方法は、特に限定されず、例えば、無酸素の条件で300℃以上900℃以下、好ましくは400℃以上800℃以下まで加熱する方法が挙げられる。
炭化時間は、原料、及び炭化を行う設備によって適宜設定できる。炭化時間としては、例えば、15分以上20時間以下であり、好ましくは30分以上10時間以下である。炭化処理は、例えば、ロータリーキルンなどの公知の製造設備を用いて行うことができる。また、炭化処理は、空気を排除して減圧下で行ってもよく、窒素雰囲気下で行ってもよい。
炭素質材料の製造方法では、公知の粉砕機を用いて、炭化物を粉末状に粉砕してもよい。これにより、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料を一層容易に製造できる傾向にある。炭素質材料の製造方法では、炭化物を粉末状に粉砕した後、必要に応じて粉末状の炭化物に添加剤等を加えて公知の方法で混練し、得られた混練物を公知の方法で成型してもよい。
炭化物の形状を粉末状とした場合、炭化物の粒度(体積基準の累積分布の50%粒子径、D50)は、好ましくは1μm以上150μm以下である。
炭素質材料の製造方法では、公知の方法を用いて、炭化物、粉末状の炭化物、混練物、又は粉末状の混練物を円柱ペレット状に成型してもよい。これにより、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料を一層容易に製造できる傾向にある。
炭化物の形状を円柱ペレット状とした場合、円柱ペレットの直径は、好ましくは0.1mm以上4.0mm以下である。また、円柱ペレットのアスペクト比(直径:高さ)は、好ましくは1:1~1:10である。
上記炭化工程により、原料の炭化物が得られる。
炭素質材料の製造方法は、炭化工程の後に、炭化物を洗浄処理及び/又は乾燥処理等を行う、洗浄工程及び/又は乾燥工程を有してもよい。これらの工程における条件は、特に限定されず、公知の条件を採用できる。また、下記の洗浄工程及び乾燥工程を参照してもよい。
(賦活工程)
炭素質材料の製造方法は、炭化物を賦活処理して賦活物を得る賦活工程を含む。
賦活処理としては、公知の方法を採用できる。そのような方法としては、例えば、水蒸気、酸素、及び二酸化炭素などの活性ガスによる賦活方法が挙げられる。賦活処理は、ロータリーキルン、流動炉、及びスリープ炉(縦型炉)などの公知の製造設備を用いることができる。また、賦活処理は、空気を排除して減圧下で行ってもよく、窒素雰囲気下で行ってもよい。賦活処理としては、例えば、水蒸気を用いた場合、水蒸気を1分間当たり10リットル(L)以上300リットル(L)以下の流量で1分以上1,440分以下の間、炭化物と接触させる方法が挙げられる。なお、活性ガスと共に窒素などの不活性ガスを併用してもよい。
賦活処理は、ロータリーキルンを用いて行うことが好ましい。ロータリーキルンを用いることにより、炭化物の賦活の進行に伴って質量が軽くなった賦活物は、炉外へと飛散せず、キルン炉内にて留まることが可能となる。そのため、炭化物をより十分に賦活することができるため、パラジウム錯体の吸着に対して有効な細孔が十分発達した賦活物を得ることができる傾向にある。
また、ロータリーキルンを用いることで、炭化物と活性ガスとを効率よく接触させることが可能となる。その結果、パラジウム触媒等の様々なパラジウム錯体に対して高い吸着性能を有する炭素質材料を好適に製造できる傾向にある。
ロータリーキルンを用いて賦活処理を行う場合、ロータリーキルンに投入される炭化物は、JIS Z8801-1:2019で規定する標準篩用金網にて、好ましくは70メッシュ(目開き寸法:243μm)篩上2メッシュ篩下(目開き寸法:10.7mm)の粒度を有し、より好ましくは32メッシュ(目開き寸法:490μm)篩上2メッシュ篩下(目開き寸法:10.7mm)の粒度を有する。炭化物の粒度が上記範囲にあることにより、炭化物の賦活の進行に伴って質量が軽くなった賦活物が、キルン内により留まり、賦活をより効率的に行うことが可能となる。炭化物としては、炭化工程の前に予め所望のサイズに原料を切断することで粒度を調整した炭化物を用いてもよく、炭化物を所望のサイズに破砕分級することで粒度を調整した炭化物を用いてもよい。
賦活処理の温度は、特に限定されないが、好ましくは750℃以上1,200℃以下であり、より好ましくは800℃以上1,100℃以下である。そのような温度で賦活処理すると、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料を更に容易に製造できる傾向にある。
活性ガスの分圧は、例えば、10%以上100%以下であり、好ましくは30%以上100%以下である。
活性ガスとしては、水蒸気ガスと共に、酸素ガスと二酸化炭素ガスとを用いることが好ましい。その場合、水蒸気のガス分圧は、40.0容量%を超えて60.0容量%以下であることが好ましく、45.0容量%以上55.0容量%以下であることがより好ましい。酸素ガス分圧は、5.0容量%を超えて20.0容量%以下であることが好ましく、7.0容量%以上15.0容量%以下であることがより好ましい。二酸化炭素ガス分圧は、1.0容量%以上15.0容量%以下であることが好ましく、3.0容量%以上10.0容量%以下であることがより好ましい。なお、その他のガスとして、窒素などの不活性ガスが含まれていてもよい。その場合、不活性ガスの分圧は、5.0容量%以上54.0容量%未満であることが好ましく、20.0容量%以上25.0容量%以下であることがより好ましい。それらの割合が上記範囲にあることにより、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料を更に容易に製造できる傾向にある。
賦活時間は、原料、賦活温度、及び製造設備などの条件によって適宜設定できる。賦活時間としては、例えば、20分間以上48時間以下であり、好ましくは30分間以上36時間以下であり、より好ましくは40分間以上24時間以下であり、更に好ましく45分間以上120分間以下であり、更により好ましく50分間以上100分間以下である。賦活時間が上記範囲にあることにより、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料を更に容易に製造できる傾向にある。
賦活処理を行うための賦活装置としては、例えば、図1及び2で示すようなロータリーキルンが挙げられる。図1は、ロータリーキルンの断面図I及び側面図IIである。図2は、ロータリーキルンを説明するための模式断面図である。
図1及び2に示すとおり、ロータリーキルンは、通常、管体1と、その管体1の内壁面に配置された攪拌羽A~Fとを備える。活性ガスは、通常、一方から他方に、すなわち、図1及び2に示すようなロータリーキルンであれば、管体1の活性ガスの流れ方向2に向かって送気される。
管体1の材質は、ロータリーキルンに用いられる材質であれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼が挙げられる。
図1及び2では、攪拌羽の数は6枚であるが、原料である炭化物5の装入量に応じて、適宜調整できる。攪拌羽の数は、通常1枚以上20枚以下であり、好ましくは3枚以上12枚以下であり、より好ましくは5枚以上10枚以下である。また、攪拌羽は、管体1の中心軸周りに等間隔で設置することが好ましい。例えば、攪拌羽の数が6枚であれば、管体1の中心軸周りに60°毎に設置することになる。
攪拌羽の高さ(管体1の壁から中心に向かう方向における高さ)は、管体1の大きさ及び炭化物5の装入量に応じて適宜設定できるが、攪拌羽が、管体1に装入される炭化物5により覆われず視認できる程度の高さであることが好ましい。具体的には、攪拌羽の高さは、攪拌羽が管体1の最底面に位置(図2の右図における攪拌羽Bの位置)する場合、その攪拌羽が、炭化物5により最底面から1/2以上2/3以下覆われる高さであることが好ましい。攪拌羽の高さは、管体1の内半径に対して、10%以上30%以下であることがより好ましい。
攪拌羽の厚さ(管体1の回転方向3の厚さ)は、管体1の大きさ及び炭化物5の装入量に応じて適宜設定できるが、攪拌羽が、管体1に装入される炭化物5により破損しない程度の強度を有する厚さであることが好ましい。具体的には、攪拌羽の厚さは、管体1の壁厚さに対して、通常1%以上100%以下であり、20%以上90%以下であることが好ましく、30%以上95%以下であることがより好ましい。
攪拌羽の材質は、ロータリーキルンに用いられる材質であれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼が挙げられる。
管体1内の攪拌羽が、そのように配置されることで、炭化物5と活性ガスとの接触効率がより向上する傾向にある。このことから、所望の比表面積を有する炭素質材料をより容易に製造できる傾向にある。
図2に示すとおり、炭化物5は、管体1の内部に適量装入されている。そして、管体1が管体の回転方向3に回転することで、例えば、攪拌羽Aに捕集されていた炭化物5は、攪拌羽Aにより持ち上げられ、その後、炭化物の落下方向4に向って攪拌羽Aを超えながら混合され、活性ガスと接触して賦活されながら、攪拌羽AとBとの間に捕集される。このように管体1が回転することで、炭化物5は、攪拌羽A~Fを超えながら混合されつつ、活性ガスと効率的、かつ均一に接触して賦活される。このことから、所望の細孔径分布を有する炭素質材料をより容易に製造できる傾向にある。
このように、賦活装置としてロータリーキルンを用いることで、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料をより容易に製造できる傾向にある。
上記賦活工程により、賦活物が得られる。
炭素質材料の製造方法は、賦活工程の後に、賦活物を洗浄処理及び/又は乾燥処理等を行う、洗浄工程及び/又は乾燥工程等を有してもよい。これらの工程における条件は、特に限定されず、公知の条件を採用できる。また、下記の洗浄工程及び乾燥工程を参照してもよい。
(洗浄工程)
炭素質材料は、賦活工程で得られた賦活物を洗浄する洗浄工程を経て得られることが好ましい。洗浄としては、酸洗浄であることがより好ましい。そのような洗浄工程を経ることで、メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である炭素質材料を更に容易に製造できる傾向にある。
酸洗浄に用いる酸の種類は、例えば、塩酸及び硝酸などの鉱酸;ギ酸及び酢酸などの有機酸が挙げられる。これらの酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
酸濃度、及び酸洗浄における温度及び時間は、目的とする炭素質材料が得られるように適宜調整すればよい。
(乾燥工程)
炭素質材料は、洗浄工程で得られた洗浄物を乾燥する乾燥工程を経て得られることが好ましい。
乾燥方法としては、特に限定されず、自然乾燥、加熱乾燥、及び熱風乾燥などの公知の乾燥方法を用いることができる。乾燥方法としては、加熱及び/又は減圧する方法が好ましい。加熱にて乾燥する方法としては、乾燥ムラがなく、安定して乾燥できる点から、熱風による乾燥方法が好ましい。乾燥条件において、炭素質材料の水分率が20.0質量%以下になるまで乾燥することが好ましく、10.0質量%以下になるまで乾燥することがより好ましい。
加熱方法としては、例えば、静置型の定温乾燥機;静置型の熱風乾燥機;真空乾燥機;回転式のエバポレーター;コニカルドライヤー、ナウタードライヤー等の混合式の乾燥機等による加熱方法が挙げられる。加熱温度は、炭素質材料が硬化し、かつ、融解しない温度であればよく、例えば、40℃以上300℃以下が好ましい。
減圧方法としては、例えば、オイルポンプ、オイルレスポンプ、及びアスピレータ等を用いた減圧方法が挙げられる。減圧方法における圧力は、通常0.00001MPa以上0.05MPa以下である。
乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常1分以上20時間以下程度である。
このようにして得られた炭素質材料は、そのまま用いてもよいし、必要に応じて公知の方法によって、破砕、粉砕、及び分級による粒子サイズの調節;例えば、水、有機溶剤、酸水溶液、及びアルカリ水溶液を用いた、追加の洗浄による高純度化;追加の熱処理を用いた耐久性付与及び構造調整を実施して、炭素質材料を得てもよい。
[用途]
炭素質材料は、パラジウム触媒等の様々なパラジウム錯体を、除去、吸着、濃縮、及び回収する様々な用途に好適に用いることができる。そのような用途は、除去、吸着、濃縮、及び回収の操作を、適宜組み合わせる用途であってもよい。そのような用途としては、例えば、排水処理、廃油処理、反応液からの触媒回収、生成物の脱色、及び反応液からの不純物の除去、濃縮、並びに吸着が挙げられる。
炭素質材料は、有機溶剤中でパラジウム錯体の吸着に好適に用いられる。炭素質材料は、有機溶剤中で、0価のパラジウム錯体及び/又は2価のパラジウム錯体の吸着に、より好適に用いられる。
0価のパラジウム錯体としては、例えば、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。より高い吸着性能を有することから、0価のパラジウム錯体としては、好ましくはビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)である。
2価のパラジウム錯体としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。より高い吸着性能を有することから、2価のパラジウム錯体としては、好ましくは酢酸パラジウム(II)である。
有機溶剤としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、フロン-112、フロン-113、HCFC、HFC、臭化プロピル、よう化ブチル、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メタクリル酸メチル、炭酸ジエチル、ギ酸エチル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、アニソール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、アリルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、キシレノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン、アセトニトリル、アクリロニトリル、n-ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、イソノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、テトラデカン、デカリン、ベンゼン、トルエン、m-キシレン、o-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン、n-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種であっても、複数種が混合された状態であってもよい。
[パラジウム錯体の吸着方法]
本実施形態のパラジウム錯体の吸着方法は、炭素質材料に、パラジウム錯体を吸着させる吸着工程を含む。パラジウム錯体を吸着する方法としては、例えば、炭素質材料にパラジウム錯体を吸着させて、炭素質材料中にパラジウム錯体を濃縮させる方法が挙げられる。濃縮方法は、炭素質材料として本実施形態の炭素質材料を用いること以外に、公知の金属パラジウムの吸着方法、濃縮方法、及び回収方法等と同様の工程を有していてもよい。
吸着工程では、例えば、パラジウム錯体を炭素質材料と接触させることで、パラジウム錯体を炭素質材料に吸着させる。
[装置]
装置は、炭素質材料を備える。装置は、炭素質材料として本実施形態の炭素質材料を用いること以外に、公知の装置と同様の構成を有していてもよい。
炭素質材料の機能は、これを含む装置によって利用される。装置は、処理装置であることが好ましい。なお、本明細書において、「処理装置」とは、例えば、排水、廃液、及び油等の処理対象物に含まれるパラジウム触媒等の様々なパラジウム錯体を、本実施形態の炭素質材料により、除去、吸着、濃縮、及び回収できる装置であれば、特に限定されない。そのような処理装置は、除去、吸着、濃縮、及び回収の操作が、適宜組み合わせる装置であってもよい。そのような処理装置としては、例えば、炭素質材料を含む、フィルター、カラム、タンク又は浴、チューブ、カートリッジ、ボンベ、及びシート(以下、単に「炭素質材料を含むフィルター等」とも称す)を含む装置、並びにろ過装置、吸着装置、及び濃縮装置が挙げられる。
装置は、例えば、パラジウム錯体と炭素質材料を接触させるための吸着部を備える。吸着部では、必要に応じて、本実施形態に係る炭素質材料以外の吸着材を含んでもよい。そのような吸着材としては、例えば、本実施形態に係る炭素質材料以外の活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、不織布、及び多孔性有機化合物が挙げられる。
ろ過装置としては、例えば、炭素質材料を含む、カートリッジ式ろ過装置、膜処理装置、及び限外濾過膜装置が挙げられる。
処理装置は、炭素質材料を含むフィルター等と共に、その他の吸着フィルターを備えてもよい。このようなその他の吸着フィルターとしては、例えば、ステンレス製、アルミニウム製、ブロンズ製、銅製、チタン製、及びニッケル製等を使用した金属製フィルター;ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリアミド、及びフッ素系樹脂等を使用した樹脂フィルターが挙げられる。
また、処理装置は、バッチ式でも、連続式でもよく、炭素質材料は、どちらの様式にも用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
〔評価方法〕
(1)BET比表面積
-196℃におけるNの吸着等温線からBET法によって求められる炭素質材料の比表面積(m/g)を測定した。
具体的には、BET比表面積(m/g)を、下記のようにして求めた。すなわち、まず、比表面積/細孔分布測定装置(マイクロトラック・ベル(株)製のBELSORP(登録商標)-miniII(商品名))を使用し、炭素質材料を減圧下(真空度:0.1kPa以下)にて250℃で3時間加熱した後、-196℃における炭素質材料の窒素吸着等温線を測定した。得られた窒素吸着等温線を使用し、BET解析により、得られた曲線から多点法により相対圧P/P0=0.01以上0.10以下の領域での直線を得て、この直線からBET比表面積を算出した。
(2)メソ孔の細孔容積
-196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められる炭素質材料のメソ孔の細孔容積(cm/g)を測定した。具体的には、上記のBET比表面積の算出で用いた窒素吸着等温線を使用し、相対圧P/P0=0.385以上0.99以下の領域でBJH解析により曲線を得た。得られた曲線から、各細孔径に対する累積細孔容積を算出し、細孔径が50.0nmまでの累積細孔容積から、細孔径が2.0nmまでの累積細孔容積を差し引くことで、細孔径が2.0nm以上50.0nm以下のメソ孔の細孔容積を算出した。
(3)BJH比表面積
-196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められる炭素質材料の比表面積(m/g)を測定した。なお、BJH比表面積は、BJH法に基づいて測定した、炭素質材料の細孔容積と細孔径より求められる比表面積である。
具体的には、上記のBET比表面積の算出で用いた窒素吸着等温線を使用し、相対圧P/P0=0.385以上0.99以下の領域でBJH解析により曲線を得た。得られた曲線から、細孔径が2.0nm以上50.0nm以下の範囲の各細孔径毎にメソ孔の細孔容積を算出し、それらの値と下記式(I)とを用いて、比表面積を算出した。得られた細孔径毎の比表面積を足し合わせることで、炭素質材料のBJH比表面積を算出した。
Ap=2×Vp/(rp×10)×0.0001・・・(I)
なお、式(I)において、Apはある細孔径における比表面積(m/g)を示し、Vpはある細孔径における細孔容積(cm/g)を示し、rpはその細孔径(nm)を示す。
(4)メソ孔の割合
炭素質材料を用いて、メソ孔の割合(%)を算出した。
具体的には、炭素質材料のメソ孔の割合(%)は、上記で求められたBET比表面積(m/g)と、BJH比表面積(m/g)とを用いて、下記式(II)より算出した。
メソ孔の割合=BJH比表面積/BET比表面積×100・・・(II)
(5)リアクティブブラック5価
炭素質材料を用いて、リアクティブブラック5価(g/L)を測定した。
具体的には、まず、炭素質材料を、体積基準の累積分布の50%粒子径(D50)が10.0μm以下程度になるよう粉砕し、115℃の定温乾燥器(ヤマト科学(株)DVS402(商品名))中で3時間乾燥した。その後、乾燥剤としてシリカゲルを使用したデシケーター中にて室温まで放冷し、放冷後の炭素質材料を得た。
一方、次のようにして、リン酸緩衝液とリアクティブブラック5(シグマアルドリッチ製)とを含む試験液Aを調製した。すなわち、まず、リン酸二水素カリウム(富士フィルム和光純薬(株)製)7.26gと、リン酸水素二ナトリウム・12水和物(富士フィルム和光純薬(株)製)28.66gとを2Lの蒸留水に溶解させて、リン酸緩衝液(pH:7.0)を調製した。その後、得られたリン酸緩衝液1Lに対して、リアクティブブラック5を約0.5g以上1.2g以下の範囲で加えて試験液Aを調製した。なお、その際、リアクティブブラック5の量は、次のようにして調整した。すなわち、得られた試験液Aを蒸留水にて20倍希釈した溶液の吸光度が1.18以上1.23以下の範囲に入るようにリン酸緩衝液1Lに加えるリアクティブブラック5の量を適宜調整した。吸光度は波長594nmの吸光度であり、光路長10mmのガラスセルを用いて、紫外可視分光光度計((株)日立ハイテク製ダブルビーム分光光度計U-2910(商品名))にて測定した。なお、上述のようにして得られた試験液Aを20倍に希釈した溶液を試験液Bとして、その試験液Bを下記の吸光度の測定に用いた。
次いで、共栓付き三角フラスコ100mLに、上記の放冷後の炭素質材料を任意の質量(下記式(IV)による、ろ液中に含まれるリアクティブブラック5の残存率が10%程度となる量)だけ分取し、その炭素質材料を上記で調製した試験液A50mLに加え、振とう恒温槽(タイテック(株)製ウォーターバスシェーカーMM-10(商品名))を用いて、40℃の水浴中にて150回/分の速度で5時間振とうし、混合液を得た。その後、メンブレンフィルター(アドバンテック東洋(株)製DISMIC(登録商標)25HP045AN(商品名))を用いて、混合液をろ過することにより、ろ液を得た。
光路長10mmのガラスセルを用いて、紫外可視分光光度計((株)日立ハイテク製ダブルビーム分光光度計U-2910(商品名))にて、得られた試験液Bとろ液とについて、それぞれの波長594nmにおける吸光度を測定した。それらの吸光度を用いて、下記式(III)により、炭素質材料1g当たりのリアクティブブラック5の吸着量(以下、「炭素質材料1g当たりのRB5吸着量(/g)」と称する)を算出した。
炭素質材料1g当たりのRB5吸着量(/g)=(試験液Bの波長594nmにおける吸光度×20-ろ液の波長594nmにおける吸光度)/炭素質材料の質量(g)・・・(III)
また、下記式(IV)により、ろ液中に含まれるリアクティブブラック5の残存率(以下、単に「RB5残存率(%)」と称する)を算出した。
RB5残存率(%)=(ろ液の波長594nmにおける吸光度/試験液Bの波長594nmにおける吸光度×20)×100・・・(IV)
次いで、横軸にRB5残存率(%)を、縦軸に炭素質材料1g当たりのRB5吸着量(/g)を用いて累乗近似曲線を作成した、その累乗近似式を用いて、リアクティブブラック5残存率が1%におけるリアクティブブラック5の吸着量(以下、単に「RB5残存率が1%におけるRB5吸着量(/g)」と称する)を求め、式(V)により、リアクティブブラック5価(g/L)を算出した。
リアクティブブラック5価(g/L)=(試験液Bの波長594nmにおける吸光度×20×0.99/RB5残存率が1%におけるRB5吸着量(/g))/0.05(L)・・・(V)
なお、式(V)中の0.05(L)は、試験液の量である。
(6)よう素吸着量(よう素吸着性能)
炭素質材料のよう素吸着量(mg/g)を測定及び算出した。
具体的には、よう素吸着量の測定は、JIS K 1474(2014年)に準拠して行った。すなわち、まず、JIS Z 8801-1に準拠して、45μmの網篩を90%以上通過するまで炭素質材料を粉砕し、115℃の定温乾燥器(ヤマト科学(株)製DVS402(商品名))中で3時間乾燥した。その後、乾燥剤としてシリカゲルを使用したデシケーター中で室温まで放冷し、放冷後の炭素質材料を得た。
一方、蒸留水約1Lに、よう化カリウム(富士フィルム和光純薬(株)製)25.0gと、よう素(富士フィルム和光純薬(株)製)13.0gとを溶解させ、よう素溶液とした。よう素溶液を0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液(富士フィルム和光純薬(株)製)により滴定し、よう素溶液に適宜蒸留水を加えることで、0.05mol/Lのよう素溶液を調製した。
次いで、上記の放冷後の炭素質材料の任意量(下記ろ液の上澄み液中のよう素残留濃度が、およそ2.5g/Lとなる量)を秤量し、共栓付き三角フラスコ100mLに入れ、更に上記の0.05mol/Lのよう素溶液50mLを全量ピペットで加えた。室温(20℃以上30℃以下)にて、振とう機(タイテック(株)製中型振とう機レシプロシェーカーNR-10(商品名))を使用して200回/分で15分振とうし、よう素を炭素質材料に吸着させ、混合液を得た。その後、セルロース混合エステルメンブレンフィルター(アドバンテック東洋(株)製A045A025A(商品名))を用いて、混合液をろ過することにより、ろ液を得た。ろ液の上澄み液10mLを全量ピペットで採取し、0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液(富士フィルム和光純薬(株)製、ファクター:1.000)により滴定し、下記式(VI)により、よう素残留濃度を算出した。
よう素残留濃度(g/L)=滴定に用いた0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液の量(mL)×0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター×12.69/10・・・(VI)
下記式(VII)により、炭素質材料1g当たりのよう素吸着量を算出した。
炭素質材料1g当たりのよう素吸着量=(10×0.05mol/Lのよう素溶液のファクター-滴定に用いた0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液の量(mL)×0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター)×12.69×5/炭素質材料の質量(g)・・・(VII)
なお、0.05mol/Lのよう素溶液のファクターは、式(VIII)により算出した。
0.05mol/Lのよう素溶液のファクター=(滴定に用いた0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液の量(mL)×0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター)/10・・・(VIII)
フロインドリッヒの吸着等温式より、横軸をよう素残留濃度とし、縦軸を炭素質材料1g当たりのよう素吸着量とする吸着等温線を作成し、よう素残留濃度2.5g/Lにおける炭素質材料1g当たりのよう素吸着量(mg/g)を算出した。そのよう素吸着量をよう素吸着性能とした。
(7)pH
炭素質材料を用いて、水懸濁液のpHを測定した。
具体的には、まず、JIS K 1474(2014年)に準拠して、粒径が150μm未満の炭素質材料を粉末とし、また、粒径が150μm以上の炭素質材料を粒状とした。そして、粉末状の炭素質材料については、乾燥質量換算で1.0gを秤量し、粒状の炭素質材料については、乾燥質量換算で3.0g秤量した。
その後、秤量した炭素質材料を100mLトールビーカーに加え、蒸留水100mLを更に加えて、混合液を得た。ホットプレート(アズワン(株)製セラミックホットプレートCHP-400DN(商品名))を用いて、得られた混合液を5分間静かに沸騰させた。その後、混合液を室温まで放冷し、混合液の量が100mLとなるように蒸留水を加え、攪拌することで、懸濁液を得た。pH計((株)堀場製作所製卓上型pHメーターF-51(商品名))を用いて、得られた懸濁液のpHを測定した。
(8)充填密度
炭素質材料を用いて、タッピング法により測定される充填密度(g/mL)を算出した。
具体的には、まず、炭素質材料を、体積基準の累積分布の50%粒子径(D50)が9.0μm以上11.0μm以下程度になるよう粉砕し、115℃の定温乾燥器(ヤマト科学(株)製DVS402(商品名))中で3時間乾燥した。その後、乾燥剤としてシリカゲルを使用したデシケーター中で室温まで放冷し、放冷後の炭素質材料を得た。
上記の放冷後の炭素質材料5.0gを秤量し、それを概ね3等分し、その一部(約1/3の量)の炭素質材料を150mLメスシリンダー(内径:31mm、(筒井理化学器械(株))へ入れた。メスシリンダーにゴム栓を施して自動タッピング装置(筒井理化学器械(株)製粉体減少度測定機TPM-3A型(商品名))にセットし、振とう幅45mm、及び振とう回数35~36回/分にて1分間タッピングを行った。タッピング終了後、先に3等分したうちの別の一部(約1/3の量)の炭素質材料を更にメスシリンダーへ加えて、ゴム栓を施して、上記と同様の条件で、1分間タッピングを行った。その後、先に3等分したうちの最後の一部(約1/3の量)の炭素質材料を更にメスシリンダーへ加えて、ゴム栓を施して、上記と同様の条件で、30分間タッピングを行った。
タッピング終了後、ゴム栓を外してメスシリンダー内の試料上面をスパーテル等で平らにし、メスシリンダーの目盛りから試料体積(mL)を目視で計測した。計測した試料体積を用いて、下記式(IX)により、タッピング法により測定される充填密度を算出した。
充填密度(g/mL)=炭素質材料の質量(g)/計測した試料体積(mL)・・・(IX)
(9)パラジウム(II)錯体の除去率
炭素質材料を用いて、2価のパラジウム(パラジウム(II))錯体に対する吸着性能を測定した。
具体的には、まず、酢酸パラジウム(II)(富士フィルム和光純薬(株)製)をトルエンに溶解させることで、パラジウム濃度が50ppmであるパラジウム溶液(以下、単に「吸着性能測定用パラジウム(II)溶液」とも称する)を調製した。そのパラジウム溶液25mLを、共栓付き三角フラスコ100mLに入れ、更に炭素質材料0.5gを加えた。その後、25℃にて、振とう恒温槽(タイテック(株)製クールバスシェーカーML-10F(商品名))を使用して、1時間振とうし、混合液を得た。その後、メンブレンフィルター(アドバンテック東洋(株)製DISMIC(登録商標)25HP(商品名))を用いて、混合液をろ過することにより、ろ液を得た。
光路長1mmのガラスセルを用いて、紫外可視分光光度計((株)日立ハイテク製ダブルビーム分光光度計U-2910(商品名))を用いて、吸着性能測定用パラジウム(II)溶液と、上記で得られたろ液とについて、それぞれの波長393nmにおける吸光度を測定した。それらの吸光度と、予め作成した検量線とを用いて、吸着性能測定用パラジウム(II)溶液と、上記で得られたろ液とにおける、それぞれのパラジウム(II)錯体の残存濃度(ppm)を算出した。なお、検量線は、次のようにして作成した。すなわち、パラジウム(II)錯体の濃度が50ppmであるパラジウム溶液を、トルエンにて5倍、50倍、及び100倍に希釈した溶液をそれぞれ調製した。その後、それらの溶液を用いて、上記の測定方法と同様にして、波長393nmにおける吸光度を測定し、それらの測定結果に基づいて、検量線を作成した。
次いで、得られたパラジウム(II)錯体の残存濃度(ppm)を用いて、下記式(X)により、パラジウム(II)錯体の除去率(%)を算出した。そのパラジウム(II)錯体の除去率を、パラジウム(II)錯体に対する炭素質材料の吸着性能とした。
パラジウム(II)錯体の除去率(%)=ろ液におけるパラジウム(II)錯体の残存濃度(ppm)/吸着性能測定用パラジウム(II)溶液におけるパラジウム(II)錯体の残存濃度(ppm)×100)・・・(X)
(10)パラジウム(0)錯体の除去率
炭素質材料を用いて、0価のパラジウム(パラジウム(0))錯体に対する吸着性能を測定した。
具体的には、まず、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(富士フィルム和光純薬(株)製)をトルエンに溶解させることで、パラジウム濃度が50ppmであるパラジウム溶液(以下、単に「吸着性能測定用パラジウム(0)溶液」とも称する)を調製した。そのパラジウム溶液25mLを、共栓付き三角フラスコ100mLに入れ、更に炭素質材料0.5gを加えた。その後、25℃にて、振とう恒温槽(タイテック(株)製クールバスシェーカーML-10F(商品名))を使用して、1時間振とうし、混合液を得た。その後、メンブレンフィルター(アドバンテック東洋(株)製DISMIC(登録商標)25HP(商品名))を用いて、混合液をろ過することにより、ろ液を得た。
光路長1mmのガラスセルを用いて、紫外可視分光光度計((株)日立ハイテク製ダブルビーム分光光度計U-2910(商品名))を用いて、吸着性能測定用パラジウム(0)溶液と、上記で得られたろ液とについて、それぞれの波長523nmにおける吸光度を測定した。それらの吸光度と、予め作成した検量線とを用いて、吸着性能測定用パラジウム(0)溶液と、上記で得られたろ液とにおける、それぞれのパラジウム(0)錯体の残存濃度(ppm)を算出した。なお、検量線は、次のようにして作成した。すなわち、パラジウム(0)錯体の濃度が50ppmであるパラジウム溶液を、トルエンにて5倍、50倍、及び100倍に希釈した溶液をそれぞれ調製した。その後、それらの溶液を用いて、上記の測定方法と同様にして、波長523nmにおける吸光度を測定し、それらの測定結果に基づいて、検量線を作成した。
次いで、得られたパラジウム(0)錯体の残存濃度(ppm)を用いて、下記式(XI)により、パラジウム(0)錯体の除去率(%)を算出した。そのパラジウム(0)錯体の除去率を、パラジウム(0)錯体に対する炭素質材料の吸着性能とした。
パラジウム(0)錯体の除去率(%)=ろ液におけるパラジウム(0)錯体の残存濃度(ppm)/吸着性能測定用パラジウム(0)溶液におけるパラジウム(0)錯体の残存濃度(ppm)×100)・・・(XI)
〔実施例1〕
(炭化工程)
温度550℃及び約8時間にて、日本国内及びマレーシア産の木粉の炭化を行うことで炭化物を得た。
(賦活工程)
得られた炭化物を、図1及び2に示すような、850℃に加熱した炉内に攪拌羽が搭載されているロータリーキルン中に、ロータリーキルンの容積1m3に対して約0.06倍にて投入した。その後、回転数3.0rpmでキルンを回転させながら、ガス(水蒸気50.0容量%、酸素10.0容量%、窒素35.0容量%、及び二酸化炭素5.0容量%)をキルン内に導入し、60分間賦活処理を行うことで賦活物を得た。
なお、用いたロータリーキルンにおいて、攪拌羽は、管体の中心軸周りに60°毎に、6枚設置されていた。また、攪拌羽の高さは、管体の内半径に対して15%以上25%以下であり、攪拌羽の厚さは、管体の厚さに対して40%以上80%以下とした。
(酸洗浄工程及び乾燥工程等)
得られた賦活物を希塩酸で洗浄し、次いで残留した塩酸を除去するため水で十分に洗浄及び乾燥させ、乾燥物を得た。その後、得られた乾燥物を粉砕して、活性炭である粉砕状の炭素質材料1を得た。
〔実施例2〕
賦活工程において、80分間賦活処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、活性炭である粉砕状の炭素質材料2得た。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして賦活物を得た。その後、得られた賦活物について、洗浄を実施しないこと以外は、実施例1と同様にして、乾燥及び粉砕を行うことで活性炭である粉砕状の炭素質材料3を得た。
〔実施例4〕
賦活工程において、90分間賦活処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、活性炭である粉砕状の炭素質材料4を得た。
〔比較例1〕
(炭化工程)
温度550℃及び約8時間にて、フィリピン産のヤシ殻の炭化を行うことで炭化物を得た。
(賦活工程)
得られた炭化物を、図1及び2に示すような、900℃に加熱した炉内に攪拌羽が搭載されているロータリーキルン中に、ロータリーキルンの容積1m3に対して約0.06倍にて投入した。その後、回転数3.0rpmでキルンを回転させながら、ガス(水蒸気40.0容量%、酸素5.0容量%、窒素50.0容量%、及び二酸化炭素5.0容量%)をキルン内に導入し、250分間賦活処理を行うことで賦活物を得た。
なお、用いたロータリーキルンにおいて、攪拌羽は、管体の中心軸周りに60°毎に、6枚設置されていた。また、攪拌羽の高さは、管体の内半径に対して15%以上25%以下であり、攪拌羽の厚さは、管体の厚さに対して40%以上80%以下とした。
(酸洗浄工程及び乾燥工程等)
得られた賦活物について、実施例1と同様にして、酸洗浄、乾燥、及び粉砕を行うことで、活性炭である粉砕状の炭素質材料5を得た。
〔比較例2〕
賦活工程において、130分間賦活処理を行うこと以外は、比較例1と同様にして、活性炭である粉砕状の炭素質材料6を得た。
〔比較例3〕
比較例2と同様にして賦活物を得た。その後、得られた賦活物について、洗浄を実施しないこと以外は、実施例1と同様にして、乾燥及び粉砕を行うことで活性炭である粉砕状の炭素質材料7を得た。
〔比較例4〕
比較例2と同様にして賦活物を得た。その後、得られた賦活物を希塩酸で洗浄した後、希硝酸で洗浄した。次いで残留した硝酸を除去するために水で十分に洗浄及び乾燥させ、乾燥物を得た。その後、得られた乾燥物を粉砕して、活性炭である粉砕状の炭素質材料8を得た。
Figure 0007459365000003
本実施形態の炭素質材料は、パラジウム触媒等の様々なパラジウム錯体を、除去、吸着、濃縮、及び回収する様々な用途に好適に用いることができる。
A,B,C,D,E,F…攪拌羽、1…管体、2…活性ガスの流れ方向、3…管体の回転方向、4…炭化物の落下方向、5…炭化物。

Claims (11)

  1. メソ孔の割合が6.4%以上50.0%以下であり、リアクティブブラック5価が1.0g/L以上8.0g/L以下であり、よう素吸着量が1,000mg/g以上1,600mg/g以下である、炭素質材料。
  2. -196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められるメソ孔の細孔容積が、0.16cm/g以上0.60cm/g以下である、請求項1に記載の炭素質材料。
  3. -196℃におけるNの吸着等温線からBET法によって求められる比表面積が、950m/g以上1,700m/g以下である、請求項1に記載の炭素質材料。
  4. -196℃におけるNの吸着等温線からBJH法によって求められる比表面積が、23m/g以上500m/g以下である、請求項1に記載の炭素質材料。
  5. pHが、4.5以上9.5以下である、請求項1に記載の炭素質材料。
  6. タッピング法により測定される充填密度が、0.20g/mL以上0.55g/mL以下である、請求項1に記載の炭素質材料。
  7. 有機溶剤中で、0価のパラジウム錯体及び/又は2価のパラジウム錯体の吸着に用いられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の炭素質材料。
  8. 原料を炭化して炭化物を得る炭化工程と、
    前記炭化物を賦活処理して賦活物を得る賦活工程と、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の炭素質材料の製造方法。
  9. 前記賦活物を洗浄する洗浄工程を更に含む、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記原料が、ヤシ殻及び木粉からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の製造方法。
  11. 請求項1~6のいずれか一項に記載の炭素質材料に、パラジウム錯体を吸着させる吸着工程を含む、パラジウム錯体の吸着方法。
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