JP7452438B2 - 蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び蓄電デバイス Download PDF

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Description

本開示は、蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び蓄電デバイスに関する。
従来、様々なタイプの蓄電デバイスが開発されている。これらの蓄電デバイスにおいて、電極、電解質などにより構成される蓄電デバイス素子は、外装材などにより封止される必要がある。蓄電デバイス用外装材としては、金属製の外装材が多用されている。
近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、多様な形状を有する蓄電デバイスが求められている。また、蓄電デバイスには、薄型化、軽量化なども求められている。しかしながら、従来多用されている金属製の外装材では、蓄電デバイス形状の多様化に追従することが困難である。また、金属製であるため、外装材の軽量化にも限界がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る蓄電デバイス用外装材として、基材層/バリア層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このようなフィルム状の蓄電デバイス用外装材においては、一般的に、成形により凹部が形成され、当該凹部によって形成された空間に電極や電解液などの蓄電デバイス素子を配し、熱融着性樹脂層同士を熱融着させることにより、蓄電デバイス用外装材の内部に蓄電デバイス素子が収容された蓄電デバイスが得られる。
特開2008-287971号公報
蓄電デバイスの内部に水分が侵入すると、水分と電解質などとが反応して、酸性物質を生成することがある。例えば、リチウムイオン蓄電デバイスなどに使用されている電解液には、電解質となるフッ素化合物(LiPF6、LiBF4など)が含まれており、フッ素化合物が水と反応すると、フッ化水素を発生することが知られている。
フィルム状の積層体によって形成された蓄電デバイス用外装材のバリア層は、通常、金属箔などによって構成されており、バリア層に酸が接触すると腐食しやすいという問題がある。このような蓄電デバイス用外装材の耐腐食性を高める技術としては、化成処理によって表面に耐腐食性皮膜を形成したバリア層を用いる技術が知られている。
従来、耐腐食性皮膜を形成する化成処理としては、酸化クロムなどのクロム化合物を用いたクロメート処理、リン酸化合物を用いたリン酸処理など種々の方法が知られている。
しかしながら、本開示の発明者らが検討を重ねたところ、耐腐食性皮膜を備えた従来のバリア層は、耐腐食性皮膜を設けた側に隣接する層との密着性(すなわち、耐腐食性皮膜と、これに接する層との界面における密着性)が不十分になることが明らかとなった。より具体的には、蓄電デバイス用外装材に電解液が付着すると、耐腐食性皮膜と、これに接する層との高い密着性が維持できない場合がある。
また、前記の通り、蓄電デバイス用外装材は成形に供されるため、高い成形性が求められる。
このような状況下、本開示は、電解液が付着した場合にも耐腐食性皮膜を備えたバリア層の高い密着性が維持され、かつ、成形性に優れた蓄電デバイス用外装材を提供することを主な目的とする。さらに、本開示は、当該蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び当該蓄電デバイス用外装材を用いた蓄電デバイスを提供することも目的とする。
本開示の発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、前記バリア層の少なくとも一方側の表面には、耐腐食性皮膜を備えており、前記耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6以上120以下の範囲内にある蓄電デバイス用外装材は、バリア層の表面に耐腐食性皮膜を備えているにも拘わらず、電解液が付着した場合にも高い密着性が維持され、さらに優れた成形性も備えることを見出した。
本開示は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記バリア層の少なくとも一方側の表面には、耐腐食性皮膜を備えており、
前記耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6以上120以下の範囲内にある、蓄電デバイス用外装材。
本開示によれば、電解液が付着した場合にも耐腐食性皮膜を備えたバリア層の高い密着性が維持され、かつ、成形性に優れた蓄電デバイス用外装材を提供することができる。また、本開示によれば、当該蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び当該蓄電デバイス用外装材を用いた蓄電デバイスを提供することもできる。
本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、前記バリア層の少なくとも一方側の表面には、耐腐食性皮膜を備えており、前記耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6以上120以下の範囲内にあることを特徴とする。以下、本開示の蓄電デバイス用外装材、当該蓄電デバイス用外装材を用いた蓄電デバイスについて詳述する。
なお、本明細書において、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.蓄電デバイス用外装材の積層構造
本開示の蓄電デバイス用外装材は、図1に示すように、少なくとも、第1基材層11、第1接着剤層21、第2基材層12、第2接着剤層22、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4をこの順に備える積層体からなる。本開示の蓄電デバイス用外装材において、第1基材層11が最外層側になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。即ち、蓄電デバイスの組み立て時に、蓄電デバイス素子の周縁に位置する熱融着性樹脂層4同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封することにより、蓄電デバイス素子が封止される。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、図3,4に示すように、バリア層3と熱融着性樹脂層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。また、図4に示すように、第1基材層11の外側(熱融着性樹脂層4側とは反対側)には、必要に応じて表面被覆層6などが設けられていてもよい。
バリア層3の少なくとも一方側の表面には、耐腐食性皮膜を備えている。当該耐腐食性皮膜は、クロムを含んでいる。図1には、本開示の蓄電デバイス用外装材が、バリア層3の熱融着性樹脂層4側の表面に、耐腐食性皮膜3aを備える場合の模式図を示している。また、図2から図4には、本開示の蓄電デバイス用外装材が、バリア層3の両面に、それぞれ、耐腐食性皮膜3a,3bを備える場合の模式図を示している。なお、後述の通り、本開示の蓄電デバイス用外装材においては、バリア層3の熱融着性樹脂層4側の表面のみに、耐腐食性皮膜3aを備えていてもよいし、バリア層3の第2基材層12側の表面のみに、耐腐食性皮膜3bを備えていてもよいし、バリア層3の両面に、それぞれ、耐腐食性皮膜3a,3bを備えていてもよい。
蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚みとしては、特に制限されないが、上限については、コスト削減、エネルギー密度向上等の観点からは、好ましくは約180μm以下、約155μm以下、約120μm以下が挙げられ、下限については、蓄電デバイス素子を保護するという蓄電デバイス用外装材の機能を維持する観点からは、好ましくは約35μm以上、約45μm以上、約60μm以上が挙げられ、好ましい範囲については、例えば、35~180μm程度、35~155μm程度、35~120μm程度、45~180μm程度、45~155μm程度、45~120μm程度、60~180μm程度、60~155μm程度、60~120μm程度が挙げられ、これらの中でも60~180μm程度が特に好ましい。
なお、蓄電デバイス用外装材において、後述のバリア層3については、通常、その製造過程におけるMDとTDを判別することができる。例えば、バリア層3がアルミニウム合金箔により構成されている場合、アルミニウム合金箔の圧延方向(RD:Rolling Direction)には、アルミニウム合金箔の表面に、いわゆる圧延痕と呼ばれる線状の筋が形成されている。圧延痕は、圧延方向に沿って伸びているため、アルミニウム合金箔の表面を観察することによって、アルミニウム合金箔の圧延方向を把握することができる。また、積層体の製造過程においては、通常、積層体のMDと、アルミニウム合金箔のRDとが一致するため、積層体のアルミニウム合金箔の表面を観察し、アルミニウム合金箔の圧延方向(RD)を特定することにより、積層体のMDを特定することができる。また、積層体のTDは、積層体のMDとは垂直方向であるため、積層体のTDについても特定することができる。
2.蓄電デバイス用外装材を形成する各層の組成
[第1基材層11及び第2基材層12]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、第1基材層11及び第2基材層12は、蓄電デバイス用外装材の基材としての機能を発揮させることなどを目的として設けられる層である。第1基材層11は、蓄電デバイス用外装材の最外層側に位置する層である。また、第2基材層12は、後述の第1接着剤層21を介して、第1基材層11とバリア層3との間に設けられる層である。
第1基材層11及び第2基材層12を形成する素材については、それぞれ、基材としての機能、すなわち少なくとも絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されない。第1基材層11及び第2基材層12は、それぞれ、例えば樹脂を用いて形成することができ、樹脂には後述の添加剤が含まれていてもよい。
第1基材層11及び第2基材層12がそれぞれ樹脂により形成されている場合、第1基材層11及び第2基材層12は、それぞれ、例えば、樹脂により形成された樹脂フィルムであってもよいし、樹脂を塗布して形成したものであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムとしては、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムが挙げられ、二軸延伸フィルムが好ましい。二軸延伸フィルムを形成する延伸方法としては、例えば、逐次二軸延伸法、インフレーション法、同時二軸延伸法等が挙げられる。樹脂を塗布する方法としては、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、押出コーティング法などがあげられる。
第1基材層11及び第2基材層12を形成する樹脂としては、それぞれ、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂などの樹脂や、これらの樹脂の変性物が挙げられる。また、第1基材層11及び第2基材層12を形成する樹脂は、それぞれ、これらの樹脂の共重合物であってもよいし、共重合物の変性物であってもよい。さらに、これらの樹脂の混合物であってもよい。
第1基材層11及び第2基材層12を形成する樹脂としては、それぞれ、これらの中でも、好ましくはポリエステル、ポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等が挙げられる。また、共重合ポリエステルとしては、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル-ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66との共重合体等の脂肪族ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸-テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミドPACM6(ポリビス(4‐アミノシクロヘキシル)メタンアジパミド)等の脂環式ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’-ジフェニルメタン-ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等のポリアミドが挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第1基材層11及び第2基材層12は、それぞれ、ポリアミド及びポリエステルの少なくとも一方を含むことが好ましい。また、成形性をより向上させる観点から、第1基材層11がポリアミド及びポリエステルの少なくとも一方を含んでおり、第2基材層12がポリアミドを含んでいることがより好ましく、特に、第1基材層11及び第2基材層12が、ポリアミドを含んでいることが好ましく、第1基材層11及び第2基材層12がポリアミドからなることがさらに好ましい。
第1基材層11及び第2基材層12は、それぞれ、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、及びポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルム、及び延伸ポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましい。
第1基材層11と第2基材層12の組み合わせの具体例としては、好ましくは、ポリエステルフィルムとナイロンフィルム、ナイロンフィルムとナイロンフィルム、ポリエステルフィルムとポリエステルフィルムなどが挙げられ、より好ましくは、延伸ナイロンフィルムと延伸ポリエステルフィルム、延伸ナイロンフィルムと延伸ナイロンフィルム、延伸ポリエステルフィルムと延伸ポリエステルフィルムが挙げられる。また、これらの組み合わせにおいて、ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、第1基材層11及び第2基材層12の表面及び内部の少なくとも一方には、それぞれ、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤が存在していてもよい。添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本開示において、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、第1基材層11の表面には、滑剤が存在していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。アミド系滑剤の具体例としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド、芳香族ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族ビスアミドの具体例としては、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
第1基材層11の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4~15mg/m2程度、さらに好ましくは5~14mg/m2程度が挙げられる。
第1基材層11の表面に存在する滑剤は、第1基材層11を構成する樹脂に含有させた滑剤を滲出させたものであってもよいし、第1基材層11の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
本開示において、蓄電デバイス用外装材を薄型化しつつ、成形性を向上させる観点から、第1基材層11の厚さとしては、好ましくは約10μm以上、より好ましくは約12μm以上、また、好ましくは約20μm以下、より好ましくは約18μm以下、さらに好ましくは約15μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、10~20μm程度、10~18μm程度、10~15μm程度、12~20μm程度、12~18μm程度、12~15μm程度が挙げられる。また、同様の観点から、第2基材層12の厚さとしては、好ましくは約12μm以上、より好ましくは約15μm以上、また、好ましくは約30μm以下、より好ましくは約28μm以下、さらに好ましくは約25μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、12~30μm程度、12~28μm程度、12~25μm程度、15~30μm程度、15~28μm程度、15~25μm程度が挙げられる。
さらに、同様の観点から、第1基材層11と第2基材層12の合計厚みとしては、好ましくは約20μm以上、より好ましくは約25μm以上、さらに好ましくは約28μm以上、また、好ましくは約50μm以下、より好ましくは約45μm以下、さらに好ましくは約40μm以下、さらに好ましくは約35μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、20~50μm程度、20~45μm程度、20~40μm程度、20~35μm程度、25~50μm程度、25~45μm程度、25~40μm程度、25~35μm程度、28~50μm程度、28~45μm程度、28~40μm程度、28~35μm程度が挙げられる。
本開示の蓄電デバイス用外装材において、後述の第2接着剤層22のバリア層3側とは反対側(外層側)には、第1基材層11、第1接着剤層21、及び第2基材層12に加えて、さらに他の層を備えていてもよい。他の層を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。他の層を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。他の層を備える場合、他の層の厚みとしては、好ましくは0.1~20μm程度、より好ましくは0.5~10μm程度が挙げられる。
[第1接着剤層21]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、第1接着剤層21は、第1基材層11と第2基材層12とを接着するために設けられる層である。
本開示の蓄電デバイス用外装材においては、第1接着剤層21の硬さと、後述の第2接着剤層22の硬さがとが、それぞれ、20MPa以上であることが好ましい。これにより、基材層が複数の層(すなわち、第1基材層11と第2基材層12)により形成されている蓄電デバイス用外装材において、特に優れた成形性が発揮される。より具体的には、第1接着剤層21及び第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さが、共に20MPa以上であることにより、特に優れた成形性が発揮される。
蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点から、第1接着剤層21の当該硬さとしては、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは51MPa以上、また、好ましくは400MPa以下、より好ましくは350MPa以下が挙げられる。第1接着剤層21の当該硬さの好ましい範囲としては、20~400MPa程度、20~350MPa程度、30~400MPa程度、30~350MPa程度、51~400MPa程度、51~350MPa程度が挙げられる。
本開示において、第1接着剤層21及び第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さは、それぞれ、次のようにして測定された値である。装置として、ナノインデンター((HYSITRON(ハイジトロン)社製の「TriboIndenter TI950」)を用いる。ナノインデンターの圧子としては、Berkovich圧子(三角錐)を用いる。第2接着剤層22の硬さについては、相対湿度50%、23℃環境において、当該圧子を、蓄電デバイス用外装材の第2接着剤層22の表面(第2接着剤層22が露出している面であり、各層の積層方向とは垂直方向)に当て、10秒間かけて、当該表面から荷重40μNまで圧子を接着剤層に押し込み、その状態で5秒間保持し、次に、10秒間かけて除荷する。最大荷重Pmax(μN)と最大深さ時の接触投影面積A(μm2)を用い、Pmax/Aにより、当該インデンテーション硬さ(MPa)を算出する。また、第1接着剤層21の硬さについては、荷重を10μNとすること以外は、第2接着剤層22と同様にして測定する。
第1接着剤層21の硬さは、接着剤に含まれる樹脂の種類だけでなく、樹脂の分子量や架橋点の数、主剤と硬化剤の割合、主剤と硬化剤の希釈倍率、乾燥温度、エージング温度、エージング時間などを調整することにより、上記の値となるように調整することができる。
第1接着剤層21の形成に使用される接着剤は限定されないが、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。また、2液硬化型接着剤(2液性接着剤)であってもよく、1液硬化型接着剤(1液性接着剤)であってもよく、硬化反応を伴わない樹脂でもよい。また、第1接着剤層21は単層であってもよいし、多層であってもよい。
第1接着剤層21に含まれる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステル;ポリエーテル;ポリウレタン;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド;ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;セルロース;(メタ)アクリル樹脂;ポリイミド;ポリカーボネート;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン接着剤が挙げられる。また、これらの接着成分となる樹脂は適切な硬化剤を併用して接着強度を高めることができる。前記硬化剤は、接着成分の持つ官能基に応じて、ポリイソシアネート、多官能エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリアミン樹脂、酸無水物などから適切なものを選択する。
ポリウレタン接着剤としては、例えば、ポリオール化合物を含有する主剤と、イソシアネート化合物を含有する硬化剤とを含むポリウレタン接着剤が挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを主剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型のポリウレタン接着剤が挙げられる。また、ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。第1接着剤層21がポリウレタン接着剤により形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与され、側面に電解液が付着しても第1基材層11が剥がれることが抑制される。
また、第1接着剤層21は、接着性を阻害しない限り他成分の添加が許容され、着色剤や熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、フィラーなどを含有してもよい。第1接着剤層21が着色剤を含んでいることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
顔料の種類は、第1接着剤層21の接着性を損なわない範囲であれば、特に限定されない。有機顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴチオインジゴ系、ペリノン-ペリレン系、イソインドレニン系、ベンズイミダゾロン系等の顔料が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラック系、酸化チタン系、カドミウム系、鉛系、酸化クロム系、鉄系等の顔料が挙げられ、その他に、マイカ(雲母)の微粉末、魚鱗箔等が挙げられる。
着色剤の中でも、例えば蓄電デバイス用外装材の外観を黒色とするためには、カーボンブラックが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、特に制限されず、例えば、0.05~5μm程度、好ましくは0.08~2μm程度が挙げられる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
第1接着剤層21における顔料の含有量としては、蓄電デバイス用外装材が着色されれば特に制限されず、例えば5~60質量%程度、好ましくは10~40質量%が挙げられる。
第1接着剤層21の厚みについては、蓄電デバイス用外装材を薄型化しつつ、成形性を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
[第2接着剤層22]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、第2接着剤層22は、第2基材層12とバリア層3を接着するために設けられる層である。
前述の通り、本開示の蓄電デバイス用外装材においては、前述の第1接着剤層21の硬さと、第2接着剤層22の硬さとが、それぞれ、20MPa以上であることが好ましい。これにより、基材層が複数の層(すなわち、第1基材層11と第2基材層12)により形成されている蓄電デバイス用外装材において、特に優れた成形性が発揮される。より具体的には、第1接着剤層21及び第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さが、共に20MPa以上であることにより、特に優れた成形性が発揮される。
蓄電デバイス用外装材の成形性をより高める観点から、第2接着剤層22の当該硬さとしては、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは51MPa以上、また、好ましくは400MPa以下、より好ましくは350MPa以下が挙げられる。第2接着剤層22の当該硬さの好ましい範囲としては、20~400MPa程度、20~350MPa程度、30~400MPa程度、30~350MPa程度、51~400MPa程度、51~350MPa程度が挙げられる。
本開示において、第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さは、前述の方法により測定された値である。
第2接着剤層22の硬さは、前述の第1接着剤層21と同じく、接着剤に含まれる樹脂の種類だけでなく、樹脂の分子量や架橋点の数、主剤と硬化剤の割合、主剤と硬化剤の希釈倍率、乾燥温度、エージング温度、エージング時間などを調整することにより、上記の値となるように調整することができる。
第2接着剤層22の形成に使用される接着剤は、第2接着剤層22に対して上記硬さを備えさせることができるものであれば、特に限定されず、前述の第1接着剤層21と同じものが例示される。すなわち、第2接着剤層22の形成に使用できる接着成分及び接着剤の具体例としても、前述の第1接着剤層21と同じものが例示される。
また、第2接着剤層22は、着色剤や熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、フィラーなどを含んでいてもよい。第2接着剤層22が着色剤を含んでいることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
着色剤の中でも、例えば蓄電デバイス用外装材の外観を黒色とするためには、カーボンブラックが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、特に制限されず、例えば、0.05~5μm程度、好ましくは0.08~2μm程度が挙げられる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
第2接着剤層22における顔料の含有量としては、蓄電デバイス用外装材が着色されれば特に制限されず、例えば5~60質量%程度、好ましくは10~40質量%が挙げられる。
第2接着剤層22の厚みについては、蓄電デバイス用外装材を薄型化しつつ、成形性を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
[着色層]
着色層は、例えば、第2基材層12とバリア層3との間に必要に応じて設けられる層である(図示を省略する)。着色層は、第2基材層12と第2接着剤層22との間、第2接着剤層22とバリア層3との間に設けてもよい。また、第2基材層12の外側に着色層を設けてもよい。着色層を設けることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。
着色層は、例えば、着色剤を含むインキを第2基材層12の表面、バリア層3の表面などに塗布することにより形成することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
着色層に含まれる着色剤の具体例としては、[第1接着剤層21]の欄で例示したものと同じものが例示される。
[バリア層3]
蓄電デバイス用外装材において、バリア層3は、少なくとも水分の浸入を抑止する層である。
バリア層3としては、例えば、バリア性を有する金属箔、蒸着膜、樹脂層などが挙げられる。蒸着膜としては金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜などが挙げられ、樹脂層としてはポリ塩化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)を主成分としたポリマー類やテトラフルオロエチレン(TFE)を主成分としたポリマー類やフルオロアルキル基を有するポリマー、およびフルオロアルキル単位を主成分としたポリマー類などのフッ素含有樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられる。また、バリア層3としては、これらの蒸着膜及び樹脂層の少なくとも1層を設けた樹脂フィルムなども挙げられる。バリア層3は、複数層設けてもよい。バリア層3は、金属材料により構成された層を含むことが好ましい。バリア層3を構成する金属材料としては、具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン鋼、鋼板などが挙げられ、金属箔として用いる場合は、アルミニウム合金箔及びステンレス鋼箔の少なくとも一方を含むことが好ましい。
アルミニウム合金箔は、蓄電デバイス用外装材の成形性を向上させる観点から、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム合金などにより構成された軟質アルミニウム合金箔であることがより好ましく、より成形性を向上させる観点から、鉄を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。鉄を含むアルミニウム合金箔(100質量%)において、鉄の含有量は、0.1~9.0質量%であることが好ましく、0.5~2.0質量%であることがより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%以上であることにより、より優れた成形性を有する蓄電デバイス用外装材を得ることができる。鉄の含有量が9.0質量%以下であることにより、より柔軟性に優れた蓄電デバイス用外装材を得ることができる。軟質アルミニウム合金箔としては、例えば、JIS H4160:1994 A8021H-O、JIS H4160:1994 A8079H-O、JIS H4000:2014 A8021P-O、又はJIS H4000:2014 A8079P-Oで規定される組成を備えるアルミニウム合金箔が挙げられる。また必要に応じて、ケイ素、マグネシウム、銅、マンガンなどが添加されていてもよい。また軟質化は焼鈍処理などで行うことができる。
また、ステンレス鋼箔としては、オーステナイト系、フェライト系、オーステナイト・フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系のステンレス鋼箔などが挙げられる。さらに成形性に優れた蓄電デバイス用外装材を提供する観点から、ステンレス鋼箔は、オーステナイト系のステンレス鋼により構成されていることが好ましい。
ステンレス鋼箔を構成するオーステナイト系のステンレス鋼の具体例としては、SUS304、SUS301、SUS316Lなどが挙げられ、これら中でも、SUS304が特に好ましい。
バリア層3の厚みは、金属箔の場合、少なくとも水分の浸入を抑止するバリア層としての機能を発揮すればよく、例えば9~200μm程度が挙げられる。バリア層3の厚みは、例えば、上限については、好ましくは約85μm以下、より好ましくは約50μm以下、さらに好ましくは約40μm以下、特に好ましくは約35μm以下が挙げられ、下限については、好ましくは約10μm以上、さらに好ましくは約20μm以上、より好ましくは約25μm以上が挙げられ、当該厚みの好ましい範囲としては、10~85μm程度、10~50μm程度、10~40μm程度、10~35μm程度、20~85μm程度、20~50μm程度、20~40μm程度、20~35μm程度、25~85μm程度、25~50μm程度、25~40μm程度、25~35μm程度が挙げられ、これらの中でも、25~50μm程度、さらには25~40μm程度が特に好ましい。バリア層3がアルミニウム合金箔により構成されている場合、上述した範囲が特に好ましい。また、特に、バリア層3がステンレス鋼箔により構成されている場合、ステンレス鋼箔の厚みとしては、上限については、好ましくは約60μm以下、より好ましくは約50μm以下、さらに好ましくは約40μm以下、さらに好ましくは約30μm以下、特に好ましくは約25μm以下が挙げられ、下限については、好ましくは約10μm以上、より好ましくは約15μm以上が挙げられ、好ましい厚みの範囲としては、10~60μm程度、10~50μm程度、10~40μm程度、10~30μm程度、10~25μm程度、15~60μm程度、15~50μm程度、15~40μm程度、15~30μm程度、15~25μm程度が挙げられる。
[耐腐食性皮膜3a、3b]
本開示の蓄電デバイス用外装材においては、バリア層3の少なくとも一方側の表面に耐腐食性皮膜を備えている。本開示の蓄電デバイス用外装材においては、バリア層3の熱融着性樹脂層4側の表面のみに、耐腐食性皮膜3aを備えていてもよいし、バリア層3の第2基材層12側の表面のみに、耐腐食性皮膜3bを備えていてもよいし、バリア層3の両面に、それぞれ、耐腐食性皮膜3a,3bを備えていてもよい。
本開示の蓄電デバイス用外装材においては、前記耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6~120の範囲内にあることを特徴としている。当該ピーク強度比がこのような特定の範囲内にあることにより、蓄電デバイス用外装材に電解液が付着した場合にも、バリア層3の耐腐食性皮膜を設けた側に隣接する層との密着性に優れている。
なお、バリア層3の両面に耐腐食性皮膜3a,3bを備えている場合、いずれか一方の面の耐腐食性皮膜における前記ピーク強度比PPO3/CrPO4が、上記の範囲内にあればよいが、耐腐食性皮膜3a,3bのいずれについても、前記ピーク強度比PPO3/CrPO4が、上記の範囲内にあることが好ましい。特に、バリア層の熱融着性樹脂層側に位置している耐腐食性皮膜と、これに隣接する層(例えば、必要に応じて設けられる接着層、熱融着性樹脂層など)とは、電解液の浸透によって密着性が低下しやすいため、本開示の蓄電デバイス用外装材においては、バリア層3の少なくとも熱融着性樹脂層4側の表面に、耐腐食性皮膜3aを備えていることが好ましく、耐腐食性皮膜3aについての前記ピーク強度比PPO3/CrPO4が、上記の範囲内にあることが好ましい。これらの点については、以下に示す各ピーク強度比についても、同様である。
本開示において、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4は、6~120の範囲にあればよいが、耐腐食性皮膜を備えたバリア層の密着性をより高める観点から、比PPO3/CrPO4としては、下限は、約10以上が挙げられ、上限は、好ましくは約115以下、より好ましくは約110以下、さらに好ましくは約50以下が挙げられる。また、当該比PPO3/CrPO4の好ましい範囲としては、6~115程度、6~110程度、6~50程度、10~120程度、10~115程度、10~110程度、10~50程度が挙げられる。
耐腐食性皮膜3a,3bについて、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析する方法は、具体的には、飛行時間型2次イオン質量分析装置を用いて、次の測定条件で行うことができる。
(測定条件)
1次イオン:ビスマスクラスターのダブルチャージイオン(Bi3 ++
1次イオン加速電圧:30 kV
質量範囲(m/z):0~1500
測定範囲:100μm×100μm
スキャン数:16 scan/cycle
ピクセル数(1辺):256 pixel
エッチングイオン:Arガスクラスターイオンビーム(Ar-GCIB)
エッチングイオン加速電圧:5.0 kV
また、耐腐食性皮膜にクロムが含まれていることは、X線光電子分光を用いて確認することができる。具体的には、まず、蓄電デバイス用外装材において、バリア層に積層されている層(接着剤層、熱融着性樹脂層、接着層など)を物理的に剥離する。次に、バリア層を電気炉に入れ、約300℃、約30分間で、バリア層の表面に存在している有機成分を除去する。その後、バリア層の表面のX線光電子分光を用いて、クロムが含まれることを確認する。
耐腐食性皮膜3a,3bは、バリア層3の表面を、酸化クロムなどのクロム化合物を含む処理液で化成処理することにより形成することができる。
クロム化合物を含む処理液を用いた化成処理としては、例えば、リン酸及び/またはその塩中に、酸化クロムなどのクロム化合物を分散させたものをバリア層3の表面に塗布し、焼付け処理を行うことにより、バリア層3の表面に耐腐食性皮膜を形成する方法が挙げられる。
耐腐食性皮膜3a,3bのピーク強度比PPO3/CrPO4は、例えば、耐腐食性皮膜3a,3bを形成する処理液の組成、処理後の焼付け処理の温度や時間等の製造条件などによって調整することができる。
クロム化合物を含む処理液におけるクロム化合物とリン酸及び/またはその塩との割合としては、特に制限されないが、上記ピーク強度比PPO3/CrPO4を上記の範囲内に設定する観点からは、クロム化合物100質量部に対するリン酸及び/またはその塩の割合としては、好ましくは30~120質量部程度、より好ましくは40~110質量部程度が挙げられる。リン酸及びその塩としては、例えば、縮合リン酸及びその塩を使用することもできる。
また、クロム化合物を含む処理液には、アニオン性ポリマーと、該アニオン性ポリマーを架橋させる架橋剤をさらに含んでいてもよい。アニオン性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩、(メタ)アクリル酸またはその塩を主成分とする共重合体などが挙げられる。また、架橋剤としては、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基のいずれかの官能基を有する化合物や、シランカップリング剤などが挙げられる。アニオン性ポリマー及び架橋剤は、それぞれ、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
また、優れた耐腐食性を発揮しつつ、耐腐食性皮膜を備えたバリア層の密着性を高める観点から、クロム化合物を含む処理液には、アミノ化フェノール重合体が含まれることが好ましい。クロム化合物を含む処理液において、アミノ化フェノール重合体の含有量としては、クロム化合物100質量部に対して、好ましくは100~400質量部程度、より好ましくは200~300質量部程度が挙げられる。また、アミノ化フェノール重合体の重量平均分子量としては、好ましくは5000~20000程度が挙げられる。なお、アミノ化フェノール重合体の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。
クロム化合物を含む処理液の溶媒としては、処理液に含まれる成分を分散させ、その後の加熱により蒸発させられるものであれば特に制限されないが、好ましくは水が挙げられる。
耐腐食性皮膜を形成する処理液に含まれるクロム化合物の固形分濃度としては、特に制限されないが、上記ピーク強度比PPO3/CrPO4を上記所定の範囲に設定して、優れた耐腐食性を発揮しつつ、耐腐食性皮膜を備えたバリア層の密着性を高める観点から、例えば1~15質量%程度、好ましくは7.0~12.0質量%程度、より好ましくは8.0~11.0質量%程度、さらに好ましくは9.0~10.0質量%程度が挙げられる。
耐腐食性皮膜の厚さとしては、特に制限されないが、優れた耐腐食性を発揮しつつ、耐腐食性皮膜を備えたバリア層の密着性を高める観点から、好ましくは1nm~10μm程度、より好ましくは1~100nm程度、さらに好ましくは1~50nm程度が挙げられる。なお、耐腐食性皮膜の厚さは、透過電子顕微鏡による観察、又は、透過電子顕微鏡による観察と、エネルギー分散型X線分光法もしくは電子線エネルギー損失分光法との組み合わせによって測定することができる。
同様の観点から、バリア層3の表面1m2当たりの耐腐食性皮膜の量としては、好ましくは1~500mg程度、より好ましくは1~100mg程度、さらに好ましくは1~50mg程度が挙げられる。
クロム化合物を含む処理液をバリア層の表面に塗布する方法としては、例えば、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などが挙げられる。
上記ピーク強度比PPO3/CrPO4を上記所定の範囲に設定して、優れた耐腐食性を発揮しつつ、耐腐食性皮膜を備えたバリア層の密着性を高める観点から、処理液を焼付けして耐腐食性皮膜にする際の加熱温度としては、好ましくは170~250℃程度、より好ましくは180~230℃程度、さらに好ましくは190~220℃程度が挙げられる。また、同様の観点から、焼付けする時間としては、好ましくは2~10秒程度、より好ましくは3~6秒程度が挙げられる。
バリア層の表面の化成処理をより効率的に行う観点から、バリア層3の表面に耐腐食性皮膜を設ける前には、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法などの公知の処理方法で脱脂処理を行うことが好ましい。
[熱融着性樹脂層4]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、蓄電デバイスの組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮する層(シーラント層)である。
熱融着性樹脂層4を構成している樹脂については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン骨格を含む樹脂が好ましい。熱融着性樹脂層4を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能である。また、熱融着性樹脂層4を構成している樹脂を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出されることが好ましい。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。熱融着性樹脂層4が無水マレイン酸変性ポリオレフィンより構成された層である場合、赤外分光法にて測定すると、無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;エチレン-αオレフィン共重合体;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;プロピレン-αオレフィン共重合体;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンが好ましい。共重合体である場合のポリオレフィン樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリオレフィンは、環状ポリオレフィンであってもよい。環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンを酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。酸変性されるポリオレフィンとしては、前記のポリオレフィンや、前記のポリオレフィンにアクリル酸若しくはメタクリル酸等の極性分子を共重合させた共重合体、又は、架橋ポリオレフィン等の重合体等も使用できる。また、酸変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸またはその無水物が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンは、酸変性環状ポリオレフィンであってもよい。酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、酸成分に代えて共重合することにより、または環状ポリオレフィンに対して酸成分をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、酸変性に使用される酸成分としては、前記のポリオレフィンの変性に使用される酸成分と同様である。
好ましい酸変性ポリオレフィンとしては、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリオレフィン、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層4は、1種の樹脂単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層4は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されていてもよい。
また、熱融着性樹脂層4は、必要に応じて滑剤などを含んでいてもよい。熱融着性樹脂層4が滑剤を含む場合、蓄電デバイス用外装材の成形性を高め得る。滑剤としては、特に制限されず、公知の滑剤を用いることができる。滑剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。滑剤の具体例としては、第1基材層11で例示したものが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱融着性樹脂層4の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、好ましくは10~50mg/m2程度、さらに好ましくは15~40mg/m2程度が挙げられる。
熱融着性樹脂層4の表面に存在する滑剤は、熱融着性樹脂層4を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、熱融着性樹脂層4の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
また、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば約100μm以下、好ましくは約85μm以下、より好ましくは15~85μm程度が挙げられる。なお、例えば、後述の接着層5の厚みが10μm以上である場合には、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約85μm以下、より好ましくは15~45μm程度が挙げられ、例えば後述の接着層5の厚みが10μm未満である場合や接着層5が設けられていない場合には、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約20μm以上、より好ましくは35~85μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、接着層5は、バリア層3(又は耐腐食性皮膜)と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、バリア層3と熱融着性樹脂層4とを接着可能である樹脂によって形成される。接着層5の形成に使用される樹脂としては、例えば第1接着剤層21で例示した接着剤と同様のものが使用できる。なお、接着層5の形成に使用される樹脂としては、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましく、前述の熱融着性樹脂層4で例示したポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンが挙げられる。接着層5を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。また、接着層5を構成している樹脂を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出されることが好ましい。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
バリア層3と熱融着性樹脂層4とを強固に接着する観点から、接着層5は、酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。酸変性ポリオレフィンとしては、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリオレフィン、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。
さらに、蓄電デバイス用外装材の厚みを薄くしつつ、成形後の形状安定性に優れた蓄電デバイス用外装材とする観点からは、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることがより好ましい。酸変性ポリオレフィンとしては、好ましくは、前記のものが例示できる。
また、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましく、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが特に好ましい。また、接着層5は、ポリウレタン、ポリエステル、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリウレタン及びエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。ポリエステルとしては、例えばアミドエステル樹脂が好ましい。アミドエステル樹脂は、一般的にカルボキシル基とオキサゾリン基の反応で生成する。接着層5は、これらの樹脂のうち少なくとも1種と前記酸変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物の硬化物であることがより好ましい。なお、接着層5に、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、エポキシ樹脂などの硬化剤の未反応物が残存している場合、未反応物の存在は、例えば、赤外分光法、ラマン分光法、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)などから選択される方法で確認することが可能である。
また、バリア層3と接着層5との密着性をより高める観点から、接着層5は、酸素原子、複素環、C=N結合、及びC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。複素環を有する硬化剤としては、例えば、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C=N結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、イソシアネート基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C-O-C結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤、ポリウレタンなどが挙げられる。接着層5がこれらの硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることは、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)、赤外分光法(IR)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)、X線光電子分光法(XPS)などの方法で確認することができる。
イソシアネート基を有する化合物としては、特に制限されないが、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高める観点からは、好ましくは多官能イソシアネート化合物が挙げられる。多官能イソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ペンタンジイソシアネート(PDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。また、アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
接着層5における、イソシアネート基を有する化合物の含有量としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
オキサゾリン基を有する化合物は、オキサゾリン骨格を備える化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン基を有する化合物の具体例としては、ポリスチレン主鎖を有するもの、アクリル主鎖を有するものなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層5における、オキサゾリン基を有する化合物の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、分子内に存在するエポキシ基によって架橋構造を形成することが可能な樹脂であれば、特に制限されず、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、好ましくは50~2000程度、より好ましくは100~1000程度、さらに好ましくは200~800程度が挙げられる。なお、第1の開示において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。
エポキシ樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル誘導体、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層5における、エポキシ樹脂の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
ポリウレタンとしては、特に制限されず、公知のポリウレタンを使用することができる。接着層5は、例えば、2液硬化型ポリウレタンの硬化物であってもよい。
接着層5における、ポリウレタンの割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、電解液などのバリア層の腐食を誘発する成分が存在する雰囲気における、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
なお、接着層5が、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と、前記酸変性ポリオレフィンとを含む樹脂組成物の硬化物である場合、酸変性ポリオレフィンが主剤として機能し、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物は、それぞれ、硬化剤として機能する。
接着層5の厚さは、上限については、好ましくは、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約5μm以下が挙げられ、下限については、好ましくは、約0.1μm以上、約0.5μm以上が挙げられ、当該厚さの範囲としては、好ましくは、0.1~50μm程度、0.1~40μm程度、0.1~30μm程度、0.1~20μm程度、0.1~5μm程度、0.5~50μm程度、0.5~40μm程度、0.5~30μm程度、0.5~20μm程度、0.5~5μm程度が挙げられる。より具体的には、接着剤層2で例示した接着剤や、酸変性ポリオレフィンと硬化剤との硬化物である場合は、好ましくは1~10μm程度、より好ましくは1~5μm程度が挙げられる。また、熱融着性樹脂層4で例示した樹脂を用いる場合であれば、好ましくは2~50μm程度、より好ましくは10~40μm程度が挙げられる。なお、接着層5が接着剤層2で例示した接着剤や、酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である場合、例えば、当該樹脂組成物を塗布し、加熱等により硬化させることにより、接着層5を形成することができる。また、熱融着性樹脂層4で例示した樹脂を用いる場合、例えば、熱融着性樹脂層4と接着層5との押出成形により形成することができる。
[表面被覆層6]
本開示の蓄電デバイス用外装材は、意匠性、耐電解液性、耐傷性、成形性などの向上の少なくとも一つを目的として、必要に応じて、第1基材層11の上(第1基材層11のバリア層3とは反対側)に、表面被覆層6を備えていてもよい。表面被覆層6は、蓄電デバイス用外装材を用いて蓄電デバイスを組み立てた時に、蓄電デバイス用外装材の最外層側に位置する層である。
表面被覆層6は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂により形成することができる。
表面被覆層6を形成する樹脂が硬化型の樹脂である場合、当該樹脂は、1液硬化型及び2液硬化型のいずれであってもよいが、好ましくは2液硬化型である。2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ポリウレタン、2液硬化型ポリエステル、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも2液硬化型ポリウレタンが好ましい。
2液硬化型ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール化合物を含有する主剤と、イソシアネート化合物を含有する硬化剤とを含むポリウレタンが挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを主剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型のポリウレタンが挙げられる。また、ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。表面被覆層6がポリウレタンにより形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与される。
表面被覆層6は、表面被覆層6の表面及び内部の少なくとも一方には、該表面被覆層6やその表面に備えさせるべき機能性等に応じて、必要に応じて、前述した滑剤や、アンチブロッキング剤、艶消し剤、難燃剤、酸化防止剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、平均粒子径が0.5nm~5μm程度の微粒子が挙げられる。添加剤の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
添加剤は、無機物及び有機物のいずれであってもよい。また、添加剤の形状についても、特に制限されず、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、鱗片状などが挙げられる。
添加剤の具体例としては、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロナイト、マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、高融点ナイロン、アクリレート樹脂、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコストなどの観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理などの各種表面処理を施してもよい。
表面被覆層6を形成する方法としては、特に制限されず、例えば、表面被覆層6を形成する樹脂を塗布する方法が挙げられる。表面被覆層6に添加剤を配合する場合には、添加剤を混合した樹脂を塗布すればよい。
表面被覆層6の厚みとしては、表面被覆層6としての上記の機能を発揮すれば特に制限されず、例えば0.5~10μm程度、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
3.蓄電デバイス用外装材の製造方法
蓄電デバイス用外装材の製造方法については、本開示の蓄電デバイス用外装材が備える各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、少なくとも、第1基材層11、第1接着剤層21、第2基材層12、第2接着剤層22、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4がこの順となるように積層する工程を備える方法が挙げられる。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材の製造方法は、少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、前記バリア層を積層する際に、前記バリア層の少なくとも一方側の表面に、耐腐食性皮膜を備えており、耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6~120の範囲内である。
本開示の蓄電デバイス用外装材の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、第1基材層11、第1接着剤層21、第2基材層12、第2接着剤層22、バリア層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成においては、第1基材層11、第1接着剤層21、第2基材層12が順に積層された積層体を用意することが好ましい。当該積層体は、第1基材層11又は第2基材層12に、第1接着剤層21の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該接着剤を介して第1基材層11と第2基材層12を積層させて、第1接着剤層21を硬化させるドライラミネート法によって行うことができる。次に、得られた積層体の第2基材層12側、又はバリア層3(耐腐食性皮膜を備えている)に、第2接着剤層22の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該接着剤を介して前記積層体の第2基材層12側とバリア層3を積層させて、第2接着剤層22を硬化させるドライラミネート法によって、積層体Aが得られる。
次いで、積層体Aのバリア層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4をこの順になるように積層させる。例えば、(1)積層体Aのバリア層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネート法)、(2)別途、接着層5と熱融着性樹脂層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aのバリア層3上に熱ラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aのバリア層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングし、高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4をサーマルラミネート法により積層する方法、(4)積層体Aのバリア層3と、予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと熱融着性樹脂層4を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)等が挙げられる。
表面被覆層6を設ける場合には、第1基材層11のバリア層3とは反対側の表面に、表面被覆層6を積層する。表面被覆層6は、例えば表面被覆層6を形成する上記の樹脂を第1基材層11の表面に塗布することにより形成することができる。なお、第1基材層11の表面にバリア層3を積層する工程と、第1基材層11の表面に表面被覆層6を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、第1基材層11の表面に表面被覆層6を形成した後、第1基材層11の表面被覆層6とは反対側の表面にバリア層3を形成してもよい。
第1接着剤層21の硬化は、例えば、第1基材層11と第1接着剤層21と第2基材層12との積層体を得た段階で、エージングを行うことによって実施することができ、さらに、バリア層3を積層した積層体Aについてエージングを行うことによって実施することもできる。また、第2接着剤層22の硬化は、第2基材層12と第2接着剤層22とバリア層との積層体についてエージングを行うことによって実施することもできるし、積層体Aについてエージングを行うことによって実施することもできるし、さらに、必要に応じて設けられる接着層5、熱融着性樹脂層4などを積層した後に、エージングを行うことによって実施することもできる。第1接着剤層21及び第2接着剤層22の硬化条件は、前述の通り、これらの層の形成に使用する接着剤の種類などに応じて、上記所定の硬さとなるように調整する。エージングの条件は特に制限されないが、例えば、温度としては60~120℃程度、時間としては12~120時間程度が挙げられる。
上記のようにして、必要に応じて設けられる表面被覆層6/第1基材層11/第1接着剤層21/第2基材層12/第2接着剤層22/少なくとも一方の表面に耐腐食性皮膜を備えるバリア層3/必要に応じて設けられる接着層5/熱融着性樹脂層4からなる積層体が形成されるが、第1接着剤層21または第2接着剤層22の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近赤外線式又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150~250℃で1~5分間が挙げられる。
蓄電デバイス用外装材において、積層体を構成する各層には、必要に応じて、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施すことにより加工適性を向上させてもよい。例えば、第1基材層11のバリア層3とは反対側の表面にコロナ処理を施すことにより、第1基材層11表面へのインクの印刷適性を向上させることができる。
4.蓄電デバイス用外装材の用途
本開示の蓄電デバイス用外装材は、正極、負極、電解質等の蓄電デバイス素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスとすることができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を、本開示の蓄電デバイス用外装材で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、蓄電デバイス素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、蓄電デバイス用外装材を使用した蓄電デバイスが提供される。なお、本開示の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に蓄電デバイス素子を収容する場合、本開示の蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂部分が内側(蓄電デバイス素子と接する面)になるようにして、包装体を形成する。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、蓄電デバイス(コンデンサー、キャパシター等を含む)などの蓄電デバイスに好適に使用することができる。また、本開示の蓄電デバイス用外装材は、一次蓄電デバイス、二次蓄電デバイスのいずれに使用してもよいが、好ましくは二次蓄電デバイスである。本開示の蓄電デバイス用外装材が適用される二次蓄電デバイスの種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン蓄電デバイス、リチウムイオンポリマー蓄電デバイス、全固体蓄電デバイス、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気蓄電デバイス、多価カチオン蓄電デバイス、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次蓄電デバイスの中でも、本開示の蓄電デバイス用外装材の好適な適用対象として、リチウムイオン蓄電デバイス及びリチウムイオンポリマー蓄電デバイスが挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示して本開示を詳細に説明する。ただし、本開示は、実施例に限定されない。
<蓄電デバイス用外装材の製造>
実施例1
ドライラミネート法により、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)からなる第1基材層の上に、第1接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物、硬化後の厚みは3μm)を塗布し、その上から延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)からなる第2基材層を積層させて、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層が順に積層された積層体を得た。次に、得られた積層体の第2基材層側に、後述の方法で両面に化成処理を施して、耐腐食性皮膜(厚さ10nm)を備えたアルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚さ40μm)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐腐食性皮膜を備えたアルミニウム合金箔の一方面に、第2接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に第2接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成した。次いで、バリア層上の第2接着剤層と、前記積層体の第2基材層側を積層することにより、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体Aを作製した。
積層体Aについて、表1に記載のエージング処理条件にて、エージング処理を行い、第1接着剤層と第2接着剤層の硬さを調整した。具体的には、実施例1のエージング処理条件では、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aについて、表1に記載のエージング処理条件(80℃で24時間)にて第1接着剤層と第2接着剤層の硬化を同時に行った。
バリア層の表面における耐腐食性皮膜の形成は、次のようにして行った。水100質量に対して、アミノ化フェノール重合体43質量部、フッ化クロム16質量部、リン酸13質量部を含む処理液を用意し、バリア層の両面に当該処理液を塗布し(乾燥後の膜厚が10nm)、バリア層の表面温度が190~230℃程度となる温度で、3~6秒間程度、加熱乾燥させた。
次に、得られた積層体Aのバリア層の上に、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ20μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ15μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させて、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(25μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(20μm)/熱融着性樹脂層(15μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例2
バリア層として、実施例1と同じ耐腐食性皮膜(厚さ10nm)を備えた、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚さ35μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(25μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(35μm)/接着層(20μm)/熱融着性樹脂層(15μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例3
第2基材層として、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いたこと、及び、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ23μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ22μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させたこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(23μm)/熱融着性樹脂層(22μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例4
第2基材層として、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いたこと、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ40μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ40μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させたこと、及び、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aについて、表1に記載のエージング処理条件(120℃で24時間)にて第1接着剤層と第2接着剤層の硬化を同時に行ったこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(40μm)/熱融着性樹脂層(40μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例5
実施例1と同じ耐腐食性皮膜を備えた、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚さ40μm)から構成されるバリア層の上に、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)からなる第2基材層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐腐食性皮膜を備えたアルミニウム合金箔の一方面に、第2接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に第2接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成し、その上から延伸ナイロンフィルムからなる第2基材層を積層して、第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体を得た。次に、ドライラミネート法により、当該積層体の第2基材層側に、第1接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物、硬化後の厚みは3μm)を塗布し、その上から、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ15μm)からなる第1基材層を積層して、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体Aを作製した。
表1に記載のエージング処理条件にて、エージング処理を行い、第1接着剤層と第2接着剤層の硬さを調整した。具体的には、実施例5のエージング処理条件では、第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体を作製した段階で、表1に記載のエージング処理条件(80℃で24時間)にて第2接着剤層の硬化を行い、次いで、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aを作製した段階で、表1に記載のエージング処理条件(60℃で24時間)にて第1接着剤層の硬化を行った。
バリア層の表面における耐腐食性皮膜の形成は、実施例1と同様にして行った。
次に、得られた積層体Aのバリア層の上に、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ40μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ40μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させて、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(40μm)/熱融着性樹脂層(40μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例6
第2基材層として、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いたこと、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ40μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ40μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させたこと、及び、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aについて、表1に記載のエージング処理条件(40℃で24時間)にて第1接着剤層と第2接着剤層の硬化を同時に行ったこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(40μm)/熱融着性樹脂層(40μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例7
第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aについて、第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体を作製した段階で、表1に記載のエージング処理条件(120℃で24時間)にて第2接着剤層の硬化を行い、次いで、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aを作製した段階で、表1に記載のエージング処理条件(40℃で24時間)にて第1接着剤層の硬化を行ったこと以外は、実施例5と同様にして、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(40μm)/熱融着性樹脂層(40μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例8
第1基材層として、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)を用いたこと、第2基材層として、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いたこと、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ40μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ40μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させたこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層(12μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(40μm)/熱融着性樹脂層(40μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例9
第2基材層として、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いたこと、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ23μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ22μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させたこと、及びバリア層の表面における耐腐食性皮膜の形成において、リン酸の含有量を実施例1の1/2倍(質量比)程度としたこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(23μm)/熱融着性樹脂層(22μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例10
第2基材層として、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いたこと、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ23μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚さ22μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させたこと、バリア層の表面における耐腐食性皮膜の形成において、リン酸の含有量を実施例1の1.3倍(質量比)程度としたこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層(15μm)/第1接着剤層(3μm)/第2基材層(15μm)/第2接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(23μm)/熱融着性樹脂層(22μm)が順に積層された積層体Bからなる蓄電デバイス用外装材を得た。
比較例1,2
基材層としての2軸延伸ナイロンフィルム(25μm)の表面に、後述の方法で両面に化成処理を施して、耐腐食性皮膜(厚さ10nm)を備えたアルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚さ40μm)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐腐食性皮膜を備えたアルミニウム合金箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、耐腐食性皮膜を備えたバリア層上の接着剤層と、基材層の2軸延伸ナイロンフィルム側を積層した後、エージング処理(60℃で24時間静置した後、さらに80℃で24時間静置する)を実施することにより、2軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/両面に耐腐食性皮膜を備えたバリア層の積層体を作製した。
次に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンとランダムポリプロピレンとを共押出しすることにより、前記積層体のバリア層上に、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(23μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(23μm)を積層した。次に、得られた積層体をエージングすることにより、2軸延伸ナイロンフィルム(25μm)/接着剤層(3μm)/両面に耐腐食性皮膜(10nm)を備えたバリア層(40μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(23μm)/ランダムポリプロピレン(23μm)がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
バリア層の表面における耐腐食性皮膜の形成において、比較例1では、リン酸が実施例1の1/3倍(質量比)程度、比較例2では、リン酸が実施例の1.5倍(質量比)程度となるようにして化成処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして耐腐食性皮膜を形成した。
<飛行時間型2次イオン質量分析>
耐腐食性皮膜の分析は、次のようにして行った。まず、バリア層と接着層との間を引き剥がした。この際、水や有機溶剤、酸やアルカリの水溶液などを利用せずに、物理的に剥離させた。バリア層と接着層との間を剥離した後には、バリア層の表面に接着層が残存していたため、残存している接着層をAr-GCIBによるエッチングで除去した。このようにして得られたバリア層の表面について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて、耐腐食性皮膜の分析を行った。それぞれ、CrPO4 -及びPO3 -に由来するピーク強度PCrPO4及びPPO3と、ピーク強度PCrPO4に対するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4を、それぞれ、表1に示す。
飛行時間型2次イオン質量分析法の測定装置及び測定条件の詳細は次の通りである。
測定装置:ION-TOF社製 飛行時間型2次イオン質量分析装置TOF.SIMS5
(測定条件)
1次イオン:ビスマスクラスターのダブルチャージイオン(Bi3 ++
1次イオン加速電圧:30 kV
質量範囲(m/z):0~1500
測定範囲:100μm×100μm
スキャン数:16 scan/cycle
ピクセル数(1辺):256 pixel
エッチングイオン:Arガスクラスターイオンビーム(Ar-GCIB)
エッチングイオン加速電圧:5.0 kV
<密着性の評価>
以下の方法により、蓄電デバイス用外装材に電解液が付着した場合のバリア層と熱融着性樹脂層との間の密着性の評価を、剥離強度(N/15mm)を測定することにより行った。
まず、上記で得られた各蓄電デバイス用外装材をそれぞれ、15mm(TD:Transverse Direction、横方向)、100mm(MD:Machine Direction、縦方向)のサイズに裁断して試験片とした。ガラス瓶に試験片を入れ、さらに電解液(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1の容積比で混合した溶液に6フッ化リン酸リチウム(溶液中濃度1×103mol/m3))を入れて、試験片の全体が電解液に浸漬されるようにした。この状態でガラス瓶に蓋をして密封した。密封したガラス瓶を、85℃に設定されたオーブン内に入れ、24時間静置した。次に、ガラス瓶をオーブンから取り出し、さらに試験片をガラス瓶から取り出して水洗し、試験片の表面の水分をタオルで拭き取った。
次に、試験片の熱融着性樹脂層とバリア層間を剥離させ、試験片の熱融着性樹脂層側とバリア層側とを引張試験機(島津製作所製の商品名AG-XPlus)を用いて、標線間距離50mm、50mm/分の速度で180°の方向に引張り、試験片の剥離強度(N/15mm)を測定した。なお、試験片の剥離強度の測定は、試験片の表面の水分をタオルで拭き取ってから10分以内に行った。標線間距離が57mmに達した際の強度を試験片の剥離強度とした。
一方、初期密着性を次のようにして評価した。まず、上記で得られた各蓄電デバイス用外装材を15mm(TD)、100mm(MD)のサイズに裁断して試験片とした。次に、試験片の熱融着性樹脂層とバリア層間を剥離させ、熱融着性樹脂層とバリア層とを引張試験機(島津製作所製の商品名AG-XPlus)を用いて、標線間距離50mm、50mm/分の速度で180°の方向に引張り、試験片の剥離強度(N/15mm)を測定し、初期密着性とした。結果を表1に示す。初期密着性における剥離強度を100%とし、これに対する、電解液浸漬後の密着性における剥離強度の維持率と剥離強度(24時間後)についても表1に示す。なお、熱融着性樹脂層とバリア層間を剥離させた際、これらの層の間に位置する接着層は、熱融着性樹脂層とバリア層のいずれか一方又は両層に積層された状態となる。
<各層の硬さの測定>
装置として、ナノインデンター((HYSITRON(ハイジトロン)社製の「TriboIndenter TI950」)を用いる。ナノインデンターの圧子としては、Berkovich圧子(三角錐)を用いた。まず、相対湿度50%、23℃環境において、当該圧子を、蓄電デバイス用外装材の第2接着剤層の表面(第2接着剤層が露出している面であり、各層の積層方向とは垂直方向)に当て、10秒間かけて、当該表面から荷重40μNまで圧子を接着剤層に押し込み、その状態で5秒間保持し、次に、10秒間かけて除荷した。最大荷重Pmax(μN)と最大深さ時の接触投影面積A(μm2)を用い、Pmax/Aにより、当該インデンテーション硬さ(MPa)を算出した。測定箇所を変え5か所を測定し平均値を用いた。第1接着剤層の硬さは、荷重を10μNとすること以外は第2接着剤層と同様にして測定した。それぞれの硬さを表1に示す。なお、圧子を押し込む表面は、蓄電デバイス用外装材の中心部を通るように厚み方向に切断して得られた、測定対象(第2接着剤層など)の断面が露出した部分である。切断は、市販品の回転式ミクロトームなどを用いて行った。なお、比較例1,2においては、基材層が1層であり、第1接着剤層に相当する層が存在しないため、接着剤層の硬さの測定を省略し、表1には「-」で示した。
<成形性の評価>
上記で得られた各蓄電デバイス用外装材を長さ(MD(Machine Direction)の方向)90mm×幅(TD(Transverse Direction)の方向)150mmの長方形に裁断して試験サンプルとした。このサンプルを31.6mm(MDの方向)×54.5mm(TDの方向)の口径を有する矩形状の成形金型(雌型、表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)と、これに対応した成形金型(雄型、表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)を用いて、押さえ圧(面圧)0.25MPaで0.5mmの成形深さから0.5mm単位で成形深さを変えて、それぞれ10個のサンプルについて冷間成形(引き込み1段成形)を行った。このとき、雄型側に熱融着性樹脂層側が位置するよう、雌型上に上記試験サンプルを載置して成形を行った。また、雄型及び雌型のクリアランスは、0.3mmとした。冷間成形後のサンプルについて、暗室の中にてペンライトで光を当てて、光の透過によって、アルミニウム合金箔にピンホールやクラックが生じているか否かを確認した。アルミニウム合金箔にピンホール、クラックが10個のサンプル全てにおいて発生しない最も深い成形深さをAmm、アルミニウム合金箔にピンホール等が発生した最も浅い成形深さにおいてピンホール等が発生したサンプルの数をB個とし、以下の式により算出される値を小数点以下2桁目で四捨五入し、蓄電デバイス用外装材の限界成形深さとした。結果を表1に示す。
限界成形深さ=Amm+(0.5mm/10個)×(10個-B個)
Figure 0007452438000001
*表1に記載された比較例1,2のエージング処理条件に関し、比較例1,2では第1接着剤層に相当する層が存在しておらず、当該エージング処理条件は、耐腐食性皮膜を備えたバリア層上の接着剤層と、基材層の2軸延伸ナイロンフィルム側を積層した後に行った、エージング処理(60℃で24時間静置した後、さらに80℃で24時間静置する)の条件を意味している。
実施例1~10の蓄電デバイス用外装材は、少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、前記バリア層の少なくとも一方側の表面には、耐腐食性皮膜を備えており、前記耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6~120の範囲内にある。表1に示される結果から明らかなとおり、実施例1~10の蓄電デバイス用外装材は、電解液が付着した場合にも耐腐食性皮膜を備えたバリア層の高い密着性が維持され、かつ、成形性に優れていた。また、これらの中でも、実施例1~5,8~10の蓄電デバイス用外装材は、第1接着剤層及び第2接着剤層の硬さが共に20MPa以上に設定されており、特に高い成形性を備えていた。
これに対して、比較例1では、ピーク強度比PPO3/CrPO4が6未満であり、初期密着性及び電解液浸漬後の密着性も実施例よりも劣っており、また、限界成形深さも7.5mmを下回っており、実施例よりも成形性に劣っていた。
また、比較例2についても、ピーク強度比PPO3/CrPO4が120を超えており、電解液浸漬後の密着性が実施例よりも劣っており、また、限界成形深さも7.5mmを下回っており、実施例よりも成形性に劣っていた。
以上の通り、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記バリア層の少なくとも一方側の表面には、耐腐食性皮膜を備えており、
前記耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6以上120以下の範囲内にある、蓄電デバイス用外装材。
項2. 前記第1接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上であり、かつ、
前記第2接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上である、項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
項3. 前記第1基材層が、ポリアミド及びポリエステルの少なくとも一方を含んでおり、
前記第2基材層が、ポリアミドを含んでいる、項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
項4. 前記耐腐食性皮膜が、少なくとも、前記バリア層の前記熱融着性樹脂層側の表面に設けられており、
前記耐腐食性皮膜と前記熱融着性樹脂層とが、接着層を介して積層されている、項1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項5. 前記接着層を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を有している、項4に記載の蓄電デバイス用外装材。
項6. 前記接着層が、酸変性ポリオレフィンを含む、項4又は5に記載の蓄電デバイス用外装材。
項7. 前記接着層を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出される、項4~6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項8. 前記接着層の前記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリプロピレンであり、
前記熱融着性樹脂層が、ポリプロピレンを含む、項6に記載の蓄電デバイス用外装材。
項9. 少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、
前記バリア層を積層する際に、前記バリア層の少なくとも一方側の表面に、耐腐食性皮膜を備えており、
耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6以上120以下の範囲内である、蓄電デバイス用外装材の製造方法。
項10. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、項1~8のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
10 蓄電デバイス用外装材
11 第1基材層
12 第2基材層
21 第1接着剤層
22 第2接着剤層
3 バリア層
4 熱融着性樹脂層
5 接着層
6 表面被覆層

Claims (24)

  1. 少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
    前記バリア層の少なくとも一方側の表面には、耐腐食性皮膜を備えており、
    前記耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6以上120以下の範囲内にある、蓄電デバイス用外装材。
  2. 前記第1接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上であり、かつ、
    前記第2接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上である、請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
  3. 前記第1基材層が、ポリアミド及びポリエステルの少なくとも一方を含んでおり、
    前記第2基材層が、ポリアミドを含んでいる、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
  4. 前記耐腐食性皮膜が、少なくとも、前記バリア層の前記熱融着性樹脂層側の表面に設けられており、
    前記耐腐食性皮膜と前記熱融着性樹脂層とが、接着層を介して積層されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  5. 前記接着層を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を有している、請求項4に記載の蓄電デバイス用外装材。
  6. 前記接着層が、酸変性ポリオレフィンを含む、請求項4又は5に記載の蓄電デバイス用外装材。
  7. 前記接着層を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出される、請求項4~6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  8. 前記接着層の前記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリプロピレンであり、
    前記熱融着性樹脂層が、ポリプロピレンを含む、請求項6に記載の蓄電デバイス用外装材。
  9. 前記積層体の厚みが、180μm以下であって、
    前記積層体の厚みが、155μm以下であるか、
    又は、前記積層体の厚みが、155μm超180μm以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  10. 前記基材層の表面及び内部の少なくとも一方には、2種類以上の滑剤が存在する、請求項1~9のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  11. 前記基材層の表面には滑剤が存在し、
    前記滑剤の存在量は、3mg/m 2 以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  12. 前記第1基材層と前記第2基材層の合計厚みが、50μm以下であって、
    前記第1基材層と前記第2基材層の合計厚みが、35μm以下であるか、
    又は、前記第1基材層と前記第2基材層の合計厚みが、35μm超50μm以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  13. 前記バリア層は、アルミニウム合金箔及びステンレス鋼箔の少なくとも一方を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  14. 前記バリア層の厚みが、200μm以下であって、
    前記バリア層の厚みが、50μm以下であるか、
    又は、前記バリア層の厚みが、50μm超200μm以下である、請求項1~13のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  15. 前記熱融着性樹脂層は、ポリオレフィン骨格を含む樹脂により構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  16. 前記熱融着性樹脂層は、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン及び酸変性環状ポリオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  17. 前記熱融着性樹脂層は、2種以上の樹脂を組み合わせたブレンドポリマーにより形成されている、請求項1~16のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  18. 前記熱融着性樹脂層は、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されている、請求項1~17のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  19. 前記熱融着性樹脂層の表面及び内部の少なくとも一方には、2種類以上の滑剤が存する、請求項1~18のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  20. 前記熱融着性樹脂層の表面及び内部の少なくとも一方には、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド及び芳香族ビスアミドからなる群より選択される少なくとも2種が存在している、請求項1~19のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  21. 少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、
    前記バリア層を積層する際に、前記バリア層の少なくとも一方側の表面に、耐腐食性皮膜を備えており、
    耐腐食性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、CrPO4 -に由来するピーク強度PCrPO4に対するPO3 -に由来するピーク強度PPO3の比PPO3/CrPO4が、6以上120以下の範囲内である、蓄電デバイス用外装材の製造方法。
  22. 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に接着層を備えており、
    前記接着層と熱融着性樹脂層とは、共押出しラミネート法、熱ラミネート法、サンドイッチラミネート法、又は、前記バリア層上に前記接着層を形成させるための接着剤を積層させ、前記接着層上に予めシート状に製膜した前記熱融着性樹脂層を積層する方法により形成する、請求項21に記載の蓄電デバイス用外装材の製造方法。
  23. 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に接着層を備えており、
    前記熱融着性樹脂層は、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されている、請求項21又は22に記載の蓄電デバイス用外装材の製造方法。
  24. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、請求項1~20のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
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