JP7449121B2 - 陶磁器 - Google Patents

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Description

本開示は、陶磁器に関する。
従来の遮熱性能を有する陶磁器は、特許文献1で示されるように、例えば次のように製造されている。近赤外線を反射する遮熱性能のある遮熱顔料を釉薬に混合する。この釉薬を素地坏土に施釉し、施釉した素地坏土を焼成して、陶磁器を製造する。この陶磁器では、釉薬層が遮熱性能を有している。
特開2009-143794号公報
上記の遮熱顔料は、通常使用している顔料とは発色が異なる。このため、上述の陶磁器の製造における釉薬の調整は、狙いの色合いに対し、通常顔料の過去の経験に基づく調整ではなく、遮熱顔料を用いた新たな調整とする必要がある。狙いの色合いが赤、青等の様に変更されると、使用する遮熱顔料も種類を変更する必要があり、その度に過去の通常使用顔料と違った調整が必要となり、全ての色合いに対応できる遮熱釉薬を簡単に作製できない。このように従来の遮熱性能を有する陶磁器は、色合いの調整が難しいという課題があった。
本開示は、上記課題を解決するためのものであり、遮熱性を有し、色合いの調整が容易な陶磁器を提供することを目的とする。
釉薬層と、中間層と、陶磁器素地と、をこの順に備えてなり、前記中間層の近赤外線反射率は、前記釉薬層の近赤外線反射率よりも高くなっており、前記釉薬層を透過した近赤外線は、前記中間層で反射される構成とされている、陶磁器。
実施形態の陶磁器を模式的に示す断面図である。 従来例の陶磁器を模式的に示す断面図である。
1.陶磁器1
陶磁器1は、図1に示すように、釉薬層3と、中間層5と、陶磁器素地7と、をこの順に備えてなる。中間層5の近赤外線反射率は、釉薬層3の近赤外線反射率よりも高くなっている。陶磁器1では、釉薬層3を透過した近赤外線は、中間層5で反射される構成とされている。本明細書における「近赤外線」とは、780nm以上2500nm以下の波長の光を意味する。陶磁器1の用途は、特に限定されない。陶磁器1は、例えば、外装壁タイル、屋外用床タイル、屋根材等に用いることができる。陶磁器1をタイルとして用いる場合には、磁器質タイル、陶器質タイル、せっき質タイル、土器質タイルのいずれのタイルであってもよい。
(1)釉薬層3
釉薬層3は、長石、石灰、粘土、珪砂、ドロマイト、亜鉛華、顔料等を任意に混合し、溶融したもので、一部結晶を含むガラス質からなる。釉薬層3の化学組成は、特に限定されない。釉薬層3の化学組成の一例が以下に示されている。この化学組成は、試験体を切断した断面を樹脂包埋し鏡面研磨した釉薬層3の部分に金(Au)を蒸着して、EDS半定量分析によって測定できる。
SiO:50質量%以上70質量%以下
Al:10質量%以上20質量%以下
CaO:6質量%以上15質量%以下
MgO:0.5質量%以上2.0質量%以下
O:2質量%以上5質量%以下
NaO:2.0質量%以下
ZnO:14質量%以下
Fe:5.0質量%以下
TiO:5.0質量%以下
ZrO:7.0質量%以下
釉薬層3の厚みは、特に限定されない。近赤外線が釉薬層3を透過し、この透過した近赤外線が中間層5で反射されるようにする観点から、釉薬層3の平均の厚みは、60μm以上210μm以下が好ましく、60μm以上160μm以下がより好ましく、60μm以上110μm以下が更に好ましい。釉薬層3の厚みは、マイクロスコープを用いて、陶磁器1の断面を倍率500倍で観察することによって測定できる。釉薬層3の平均の厚みは、当該断面における5点を測定し、測定された5点の厚みの平均値をとることで求めることができる。
(2)中間層5
中間層5は、近赤外線反射率が釉薬層3よりも高くなっていれば、化学組成は特に限定されない。中間層5には、近赤外線反射率を高くするために、遮熱成分としての無機化合物が含まれていることが好ましい。無機化合物は、特に限定されない。無機化合物は、ジルコン、アルミナ、酸化チタン、亜鉛華、酸化バリウム、及び酸化錫からなる群より選択される1種以上の無機化合物が含まれていることが好ましい。中間層5の近赤外線反射率を、釉薬層3の近赤外線反射率よりも高くするためには、例えば、中間層5における上記無機化合物の濃度を、釉薬層3における上記無機化合物の濃度よりも高くする。例えば、上記無機化合物の中間層5における濃度を7質量%以上100質量%以下、好ましくは28質量%以上100質量%以下とし、上記無機化合物の釉薬層3における濃度を0質量%以上7.0質量%未満、好ましくは0質量%以上5質量%以下とすることで達成できる。中間層5は、例えば、上記無機化合物、長石、フリット等を混合し、溶融したものを好適に用いることができる。中間層5の化学組成のジルコンでの一例が以下に示されている。この化学組成は、試験体を切断した断面を樹脂包埋し鏡面研磨した釉薬層3の部分に金(Au)を蒸着して、EDS半定量分析によって測定できる。
SiO:30質量%以上72質量%以下
ZrO:5質量%以上67質量%以下
Al:2質量%以上15質量%以下
CaO:1.0質量%以下
MgO:1.0質量%以下
O:7.0質量%以下
NaO:3.0質量%以下
中間層5の厚みは、特に限定されない。十分な遮熱性を得るという観点から、中間層の最小の厚みは、60μm以上が好ましく、75μm以上がより好ましく、90μm以上が更に好ましい。中間層5の平均の厚みは、80μm以上210μm以下が好ましく、80μm以上160μm以下がより好ましく、100μm以上160μm以下が更に好ましい。中間層5の厚みは、マイクロスコープを用いて、陶磁器1の断面を倍率500倍で観察することによって測定できる。中間層5の平均の厚みは、当該断面における5点を測定し、測定された5点の厚みの平均値をとることで求めることができる。
(3)陶磁器素地7
陶磁器素地7は、長石、陶石、粘土等を主原料とし、水を加えてボールミル等で湿式粉砕して泥漿(粉体原料を水中に分散させたもの)を調製し、所望の形に成形して焼成されてなる。主原料とは、含有率(質量%)が50質量%以上の原料をいう。陶磁器素地7の原料全体を100質量%とした場合に、長石、陶石、及び粘土の合計は50質量%以上である。陶磁器素地7の原料の配合例が以下に示されている。
原料名 配合量
長石:30質量部以上50質量部以下
陶石:5質量部以上15質量部以下
粘土:40質量部以上60質量部以下
陶磁器素地7の厚みは、特に限定されない。陶磁器素地7の厚みは、5mm以上20mm以下が好ましい。
2.陶磁器1の製造方法
陶磁器1の製造方法は、特に限定されない。陶磁器1は、例えば次のように製造できる。長石、陶石、粘土等からなる陶磁器素地坏土を所定の厚さで成形する。この上に中間層用釉薬を噴霧装置で施釉する。更にこの上に釉薬層用釉薬を噴霧装置で施釉する。施釉した素地坏土を焼成して、磁器タイル等の陶磁器1を作製する。
3.本実施形態の陶磁器1の効果
従来の陶磁器11と比較して、本実施形態の陶磁器1が遮熱性を有しつつも、色合いの調整が容易である推測理由を図1,2の模式図を参照して説明する。図1,2では、光の大きさは、矢印の太さで示されている。遮熱性を有する従来の陶磁器11は、図2に示すように遮熱顔料を含む釉薬層13を備えている。この陶磁器11では、入射した近赤外線L1は、釉薬層13でほとんど反射される。符号L2は反射光を示している。遮熱顔料は通常使用している顔料とは発色が異なる。このため、従来の陶磁器11の製造における釉薬の調整は、狙いの色合いに対し、通常顔料の過去の経験に基づく調整ではなく、遮熱顔料を用いた新たな調整とする必要がある。狙いの色合いが赤、青等の様に変更されると、使用する遮熱顔料も種類を変更する必要があり、その度に過去の通常使用顔料と違った調整が必要となり、全ての色合いに対応できる遮熱釉薬を簡単に作製できない。
これに対して、本実施形態の陶磁器1は、図1に示すように、近赤外線L1は、釉薬層3でほとんど反射されずに、釉薬層3を透過して中間層5で大きく反射される。符号L3,L4はいずれも反射光を示している。本実施形態の陶磁器1の場合には、釉薬層3に遮熱顔料を用いることが必須でなく、過去の経験を有効に利用可能な通常の顔料を用いることできるから、全ての色合いに対応できる。しかも、近赤外線L1は、中間層5で大きく反射されるから、遮熱効果も高い。
以下、実施例により更に具体的に説明する。
1.実験1
実施例1-1~1-7は、中間層と、黒釉薬の釉薬層と、を備えた磁器タイルである。実施例2-1~2-7は、中間層と、白釉薬の釉薬層と、を備えた磁器タイルである。比較例1-1は、中間層がなく、黒釉薬の釉薬層のみを備えた磁器タイルである。比較例2-1は、中間層がなく、白釉薬の釉薬層のみを備えた磁器タイルである。
(1)試験体の作製(陶磁器の例としての磁器タイルの作製)
(1.1)実施例1-1~1-7,2-1~2-7
表1に示す、長石、陶石、粘土からなる一般的なタイル用の陶磁器素地坏土を、焼成後6.5~7.0mmになる様な所定の厚さで成形して成形体を得た。
Figure 0007449121000001
成形体の上に、下記表2の配合を有する各中間層用釉薬を調製して、エアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で200g/m(2.0g/100cm)となるように施釉した。更にこの上に下記表3の配合を有する釉薬(黒釉薬、若しくは白釉薬)を、エアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で200g/m(2.0g/100cm)となるように施釉したタイル素地を得た。実施例1-1~1-7では黒釉薬を用い、2-1~2-7では白釉薬を用いた。施釉したタイル素地を1250℃で焼成して、磁器タイルを作製した。添加した黒顔料は、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、V(バナジウム)、Si(ケイ素)の複合酸化物よりなるB-750(日研株式会社製)であり、白顔料はファインZ/KPS(日陶顔料工業製のジルコン)である。表4には、表1,2の各原料の化学組成が示されている。
(1.2)比較例1-1,2-1
比較例1-1は、中間層を形成しなかったこと以外は、実施例1-1~1-7と同様に作製した磁器タイルである。比較例2-1は、中間層を形成しなかったこと以外は、実施例2-1~2-7と同様に作製した磁器タイルである。
Figure 0007449121000002
Figure 0007449121000003
Figure 0007449121000004
(2)評価方法
(2.1)ジルコン濃度(質量%)
試験体を切断した断面(50mm×10mm)を樹脂包埋し鏡面研磨した。釉薬層、中間層、陶磁器素地の部分に金(Au)を蒸着して、EDS半定量分析を行った。測定装置及び測定条件の詳細を以下に示す。中間層の領域50μm×300μm程度に電子線を当て測定を行い、検出した元素を酸化物換算した。金を除いて合計が100%になる様に規格化した時のZrO定量値をジルコン(ZrSiO4)量に換算した。
<SEM-EDS装置>
SEM:日立製作所(S-3400)
EDS:堀場製作所(EX-250)
加速電圧:15KV
観察モード:反射電子像
倍率:300倍
(2.2)中間層厚み(μm)
試験体を切断した断面(50mm×10mm)を樹脂包埋し鏡面研磨した釉薬層、中間層、陶磁器素地の部分をマイクロスコープで観察した。測定装置(マイクロスコープ)及び測定条件の詳細を以下に示す。釉薬層、中間層、陶磁器素地を含む500μm×400μm程度の領域を観察し、中間層の5か所の厚みを計測し、その平均値と最小値を求めた。
<マイクロスコープ>
マイクロスコープ:OLYMPUS(DSX510)
観察モード:暗視野
対物レンズ:20倍
観察倍率:500倍
(2.3)L値
洗浄、乾燥後の試験体(50mm×100mm)の釉薬層の表面を色彩色差計にて測定した。色彩色差計はコニカミノルタ製CR-400、D65電源、測色部11mmφにて測色を3回行い、その平均値をL値とした。
(2.4)近赤外線反射率(%)
塗料JIS K 5602に定める塗膜の日射反射率の求め方に沿って測定した。日本分光製 V-570 UV/VIS/NIR Spectrophotometerにて、可視・近赤外領域用:ハロゲンランプ(340~2500nm)を使用して、試験体(50mm×100mm)の中心部(10×10mm)に光を試験体に垂直になるように照射して、反射した光を積分球で集光して検出器にて測定した。
(2.5)遮熱タイルの判定(表中、「遮熱タイル※1」と記載された欄における判定)
以下のように遮熱タイルか否かを判定した。A判定は、遮熱性有りの判定であり、B判定は、遮熱性無しの判定である。以下の表5,6では、「近赤外線反射率差」は、次のように算出されている。
<表5>
近赤外線反射率差(%)
=〔各実施例の各近赤外線反射率(%)〕-〔比較例1-1の各近赤外線反射率(%)〕
<表6>
近赤外線反射率差(%)
=〔各実施例の各近赤外線反射率(%)〕-〔比較例2-1の各近赤外線反射率(%)〕
<遮熱タイルの判定基準>
A判定:近赤外線反射率差が3%以上である。
B判定:近赤外線反射率差が3%未満である。
(2.6)JIS規格(JIS K 5675)による評価(表中、「JIS規格※2」と記載された欄における判定)
JIS規格(塗料JIS K 5675 規格)を達成可能か否かによって評価した。具体的には、以下の評価基準を満たす場合をA判定とし、以下の評価基準を満たさない場合をB判定とした。
<JIS K 5675の評価基準>
L値≦40:反射率≧40
L値40~60:反射率≧L値
L値≧80:反射率≧80
(3)結果
結果を表5,6に示す。表5の釉薬層の色が黒の場合は、ジルコンを含んだ中間層を備えた実施例1-1~1-7は、遮熱タイルの判定においてA判定であった。特に、ジルコン濃度が28%以上の実施例1-2~1-7は、比較例の1-1との反射率の差が6%以上と高かった。中間層におけるジルコン濃度が60質量%以上の実施例1-4,1-5,1-6,1-7は、JIS K 5675による評価においても非常に高い遮熱性能を示した。表6の釉薬層の色が白の場合は、ジルコンを含んだ中間層を備えた実施例2-1~2-7は、遮熱タイルの判定においてA判定であった。中間層におけるジルコン濃度が60質量%以上の実施例2-4,2-5,2-6,2-7は、JIS K 5675による評価においても非常に高い遮熱性能を示した。
Figure 0007449121000005
Figure 0007449121000006
2.実験2(中間層の厚みの検討)
(1)試験体の作製(磁器タイルの作製)
(1.1)実施例3-1~3-4,4-1~4-4
表1に示す、長石、陶石、粘土からなる一般的なタイル用の陶磁器素地坏土を、焼成後6.5~7.0mmになる様な所定の厚さで成形して成形体を得た。
成形体の上に、上記表2の実施例1-6の配合を有する中間層用釉薬をエアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で表7に示すようになるように、すなわち、100,200,400,600(g/m)(1,2,4,6g/100cm)になるように施釉した。更にこの上に表3の配合を有する釉薬(黒釉薬、若しくは白釉薬)を、エアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で200g/m(2.0g/100cm)になるように施釉し、タイル素地を得た。施釉したタイル素地を1250℃で焼成して、磁器タイルを作製した。添加した黒顔料、白顔料は実験1と同じである。
Figure 0007449121000007
(1.2)比較例3-1,4-1
比較例3-1は、中間層を形成しなかったこと以外は、実施例3-1~3-4と同様に作製した磁器タイルである。比較例4-1は、中間層を形成しなかったこと以外は、実施例4-1~4-4と同様に作製した磁器タイルである。
(2)評価方法
実験1と同様に評価した。
(3)結果
結果を表8,9に示す。表8の釉薬層の色が黒の場合は、中間層の最小厚みが60μm以上である実施例3-1~3-4は、遮熱タイルの判定においてA判定であった。実施例3-1~3-4は、JIS K 5675による評価においても非常に高い遮熱性能を示した。これに対して、中間層を備えない比較例3-1は、JIS K 5675による評価においてB判定であった。表9の釉薬層の色が白の場合は、中間層の最小厚みが60μm以上である実施例4-1~4-4は、遮熱タイルの判定においてA判定であった。実施例4-1~4-4は、JIS K 5675による評価においても非常に高い遮熱性能を示した。これに対して、中間層を備えない比較例4-1は、JIS K 5675による評価においてB判定であった。表8,9の結果から、中間層の最小厚みが60μm以上の場合、塗料JIS規格以上の性能を有することが確認された。
Figure 0007449121000008
Figure 0007449121000009
3.実験3(釉薬層(上釉)の色の検討)
(1)試験体の作製(磁器タイルの作製)
(1.1)実施例5-1~5-6
表1に示す、長石、陶石、粘土からなる一般的なタイル用の陶磁器素地坏土を、焼成後6.5~7.0mmになる様な所定の厚さで成形して成形体を得た。
成形体の上に、上記表2の実施例1-6の配合を有する中間層用釉薬をエアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で200g/m(2.0g/100cm)となるように施釉した。更にこの上に下記表10の配合を有する黒から白までの釉薬を、エアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で200g/m(2.0g/100cm)となるように施釉し、タイル素地を得た。施釉したタイル素地を1250℃で焼成して、磁器タイルを作製した。添加した黒顔料、白顔料は実験1と同じである。
Figure 0007449121000010
(1.2)比較例5-1~5-6
下記の表12における比較例5-1~5-6は、中間層を形成しなかったこと以外は、それぞれ、実施例5-1~5-6と同様に作製した磁器タイルである。比較例5-1は実施例5-1に、比較例5-2は実施例5-2に、比較例5-3は実施例5-3に、比較例5-4は実施例5-4に、比較例5-5は実施例5-5に、比較例5-6は実施例5-6にそれぞれ対応する。
(2)評価方法
実験1と同様に評価した。
(3)結果
結果を表11,12に示す。表11の中間層を備えた実施例5-1~5-6は、遮熱タイルの判定においてA判定であった。実施例5-1~5-6は、JIS K 5675による評価においても非常に高い遮熱性能を示した。これに対して、表12の中間層を備えない比較例5-1~5-6は、JIS K 5675による評価において遮熱性能を示さなかった。以上の結果から、所定の中間層を備えた磁器タイルは、釉薬層の色が変化しても中間層を備えることで、遮熱性を発揮することが確認された。表11,12の結果から、ジルコンを用いた中間層では、そのタイルの釉薬層(表面釉)のL値により遮熱性能の向上割合に差があるものの、ジルコン濃度が90質量%以上では反射率は15%以上向上して、塗料のJIS規格を上回ることが確認された。
Figure 0007449121000011
Figure 0007449121000012
4.実験4(無機化合物の種類の検討)
(1)試験体の作製(磁器タイルの作製)
(1.1)実施例6-1~6-5
表1に示す、長石、陶石、粘土からなる一般的なタイル用の陶磁器素地坏土を、焼成後6.5~7.0mmになる様な所定の厚さで成形して成形体を得た。
成形体の上に、上記表2の実施例1-1の配合を有する中間層用釉薬における「ジルコン」を表13にあるアルミナ、酸化チタン、亜鉛華、酸化バリウム、酸化スズにそれぞれ変更した中間層用釉薬を調製して、エアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で200g/m(2.0g/100cm)となるように施釉した。更にこの上に上記表3の配合を有する白釉薬を、エアー噴霧装置にて釉薬乾燥質量で200g/m(2.0g/100cm)となるように施釉したタイル素地を得た。施釉したタイル素地を1250℃で焼成して、磁器タイルを作製した。使用したアルミナ、酸化チタン、亜鉛華、酸化バリウム、酸化スズは一般的なタイル釉薬用の原材料を用いた。
(1.2)比較例6-1
比較例6-1は、中間層を形成しなかったこと以外は、実施例6-1~6-5と同様に作製した磁器タイルである。
Figure 0007449121000013
(2)評価方法
実験1と同様に評価した。実験1の「(2.5)遮熱タイルの判定」の記載に従った。
(3)結果
結果を表14に示す。遮熱成分としてのアルミナ、亜鉛華、酸化バリウム、及び酸化錫を含む中間層を備えた実施例6-1~6-5は、遮熱タイルの判定においてA判定であった。この結果から、ジルコン以外の遮熱成分を含む中間層を備えた磁器タイルでも、遮熱性を有することが確認された。
Figure 0007449121000014
1…陶磁器、3…釉薬層、5…中間層、7…陶磁器素地、11…陶磁器、13…釉薬層、L1…近赤外線(入射光)、L2…反射光、L3…反射光、L4…反射光

Claims (3)

  1. 釉薬層と、中間層と、陶磁器素地と、をこの順に備えてなり、
    前記中間層は、ジルコン、アルミナ、酸化チタン、亜鉛華、酸化バリウム、及び酸化錫からなる群より選択される1種以上の無機化合物を含み、
    前記無機化合物の前記中間層における濃度は、70質量%以上100質量%以下であり、
    前記中間層の近赤外線反射率は、前記釉薬層の近赤外線反射率よりも高くなっており、
    前記釉薬層を透過した近赤外線は、前記中間層で反射される構成とされている、陶磁器。
  2. 前記中間層の厚みは、60μm以上である、請求項1に記載の陶磁器。
  3. 釉薬層と、中間層と、陶磁器素地と、をこの順に備えてなり、
    前記中間層の厚みは、60μm以上であり、
    前記中間層の近赤外線反射率は、前記釉薬層の近赤外線反射率よりも高くなっており、
    前記釉薬層を透過した近赤外線は、前記中間層で反射される構成とされており
    測色をL値とし、塗料JIS規格K5675に定める評価に基づいて反射率を測定したとき、前記L値と、前記反射率と、の関係が以下となる、陶磁器。

    L値≦40では、反射率≧40である。
    L値が40より大きく80未満では、反射率≧L値である。
    L値≧80では、反射率≧80である。
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Title
Chiara Ferrari,Design of ceramic tiles with high solar reflectance through the development of a functional engobe,Ceramics International,2013年,vol.39,p.9583-9590

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