JP7444670B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、水蒸気バリア性、高温粘着性及び透明性に優れる粘着テープに関する。
携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistants、PDA)等の携帯電子機器においては、組み立てのために粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1、2)。また、車載用パネル等の車載用電子機器部品を車両本体に固定する用途にも粘着テープが用いられている。
特開2009-242541号公報 特開2009-258274号公報
携帯電子機器部品や車載用電子機器部品等の電子部品は水分に弱い性質を持つものが多いことから、電子部品の固定に用いられる粘着テープには、高い水蒸気バリア性能が求められる。また、液晶ディスプレイ等の光学デバイスの固定に用いる場合には、高い透明性も求められる。そのため、従来電子部品の固定には、高い水蒸気バリア性能と透明性を有するポリオレフィン粘着剤を用いた粘着テープが用いられてきた。一方、近年の携帯電子機器や車載用電子機器等は、高性能化、高集積化に伴って稼働時の温度が高温になってきている。このような高温になる電子機器の部品を固定するために、ポリオレフィン粘着剤を用いた粘着テープを用いると、剥離してしまうことがあった。
ポリオレフィンは、架橋構造を有していないため、高温下では分子の絡み合いが緩むことで貯蔵弾性率が急激に低下し、粘着力が低下する。そこで、粘着剤にスチレン系エラストマーを用いた粘着テープが検討されている。スチレン系エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントから成っており、ハードセグメントが凝集することで凝集したハードセグメント間をソフトセグメントが疑似的に架橋した構造をとっている。この疑似的な架橋構造が高温時の分子の緩みを抑制することから、スチレン系エラストマーは水蒸気バリア性能、透明性を有しつつ高温での粘着性も維持することができる。また、スチレン系エラストマーはハードセグメントの分子量を高めることで、高温での貯蔵弾性率を高められることから、高温での貯蔵弾性率の高いスチレン系エラストマーを用いることで高温粘着性を向上させることができる。
しかしながら、高温での貯蔵弾性率を高めるためにハードセグメントの分子量を高めた場合、粘度が高くなりすぎてしまい、粘着剤を塗工してテープ化することができないという問題があった。
本発明は、水蒸気バリア性、高温粘着性及び透明性に優れる粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は一般式(A-B)nCで表される構造を有するラジアル型スチレン系エラストマーと、SP値が8.0~9.0、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂及び/又は、SP値が7.5~8.5であり、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂とを含有する粘着テープである。
A:芳香族アルケニル重合体ブロック
B:共役ジエン重合体ブロック
C:カップリング剤に由来する成分
n:3以上の整数
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ラジアル型スチレン系エラストマーを用いることで、高温での貯蔵弾性率を高めるためにスチレン系エラストマー中のハードセグメントの分子量を上昇させた場合であっても、粘度を低く抑えられることを見出した。しかしながら、ラジアル型スチレン系エラストマーは、粘着付与樹脂等の添加剤と相溶しにくく、高温粘着性を高めるために粘着付与樹脂を加えた場合に透明性が低下してしまうという問題が生じた。そこで、本発明者らは更に検討を進めた結果、特定の粘着付与樹脂を用いることで、ラジアル型スチレン系エラストマーを用いながらも透明性が低下し難いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着テープは、粘着剤層を有し、上記粘着剤層は一般式(A-B)nCで表される構造を有するラジアル型スチレン系エラストマーを含有する。
粘着剤のベース樹脂としてスチレン系エラストマーを用いることで、高温下でも粘着力を維持することができ、また、スチレン系エラストマー中のハードセグメントの分子量を高くすることで高温での貯蔵弾性率を上昇させることができるため、高温粘着性を高めることができる。更に、スチレン系エラストマーをラジアル型スチレン系エラストマーとすることで、ハードセグメントの分子量を高くした場合であっても粘度を低く抑えることができる。
上記ラジアル型スチレン系エラストマーは、カップリング剤を中心にして、スチレン系ブロック共重合体A-B(スチレン系エラストマー)が複数放射状に突出した構造を有する分岐状スチレン系ブロック共重合体である。
上記一般式中、Aは芳香族アルケニル重合体ブロック(ハードセグメント)を表し、Bは共役ジエン重合体ブロック(ソフトセグメント)を表し、Cはカップリング剤に由来する成分を表し、nは3以上の整数を表す。より高温粘着性が向上することから、nは4以上が好ましい。nの上限は特に限定されないが、上記ラジアル型スチレン系エラストマーのゲル化を抑制する観点から、通常8以下である。上記スチレン系ブロック共重合体はハードセグメント1つとソフトセグメント1つが結合したジブロック構造のものを指す。
上記Aで表される芳香族アルケニル重合体ブロックは、芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位である。
上記芳香族アルケニル化合物としては、例えば、スチレン、tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。なかでも、工業的に入手しやすいことから、スチレンが好ましい。
上記Bで表される共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位である。
上記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-オクタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-シクロヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、重合反応性が高く、工業的に入手しやすいことから、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記スチレン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレンエチレンプロピレンスチレン系ブロック共重合体(SEPS)、水添スチレンブタジエンゴム(HSBR)、スチレンエチレンブチレンスチレン系ブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレン-イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン-イソプレン-スチレン系ブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエンブロック共重合体(SB)及びスチレン-ブタジエン-スチレン系ブロック共重合体(SBS)等、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。なかでも、高温での貯蔵弾性率を高めて高温粘着性をより向上できることから、SEBSが好ましい。
上記スチレン系ブロック共重合体は、芳香族アルケニル重合体ブロックの含有量が5重量%以上50重量%以下であることが好ましい。
スチレン系ブロック共重合体に含まれる芳香族アルケニル重合体ブロックの含有量が上記範囲であることで、高温での貯蔵弾性率が高まり、高温粘着性をより向上させることができるとともに、室温での粘着性も確保することができる。高温粘着性と室温での粘着性とのバランスの観点から、上記スチレン系ブロック共重合体における芳香族アルケニル重合体ブロックの含有量のより好ましい下限は7重量%、より好ましい上限は35重量%である。
上記スチレン系ブロック共重合体は、光学的な無色透明性を高める観点から、水素添加率が95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましい。上記スチレン系ブロック共重合体の水素添加率は、通常100%以下である。
上記Cで表されるカップリング剤に由来する成分の原料となるカップリング剤は、上記スチレン系ブロック共重合体を放射状に結合させる多官能性化合物である。
上記カップリング剤としては、ハロゲン化シラン、アルコキシシラン等のシラン化合物や、ハロゲン化スズ等のスズ化合物や、ポリカルボン酸エステル、エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物や、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリルエステルや、エポキシシラン、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物等が挙げられる。より具体例には、例えば、トリクロロシラン、トリブロモシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラクロロスズ、ジエチルアジペート等が挙げられる。
上記ラジアル型スチレン系エラストマーの分子量は特に限定されないが、好ましい下限が5万、より好ましい下限が10万、である。上記分子量の上限は特に限定されず、大きければ大きいほど高温粘着性を高めることができるが、分子量が大きいほど粘度が上がるため実質生産できるのは70万程度が限度である。
上記粘着剤層は、SP値が8.0~9.0、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂及び/又はSP値が7.5~8.5であり、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂を含有する。
上記粘着剤層が上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂を含有し、その軟化点が80℃以上であることで、高温での粘着性を高めることができる。また、上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂のSP値が8.0~9.0であることで、上記ラジアル型スチレン系エラストマー中の上記芳香族アルケニル重合体ブロックと相溶するため、得られる粘着テープの透明性の低下を抑えることができる。なお、SP値が9.0以下であれば石油系の粘着付与樹脂であっても上記ラジアル型スチレン系エラストマー中の上記芳香族アルケニル重合体ブロックと相溶する可能性があるが、一般的な芳香族環を含む石油系の粘着付与樹脂はSP値が9.0以上であるため、上記芳香族アルケニル重合体ブロックと相溶せず、ヘイズが上昇するため適さない。
上記粘着剤層が上記芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂を含有し、その軟化点が80℃以上であることで、高温での粘着性を高めることができる。また、上記芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂のSP値が7.5~8.5であることで、上記ラジアル型スチレン系エラストマー中の上記共役ジエン重合体ブロックと相溶するため、高温粘着性を向上させながらも得られる粘着テープの透明性の低下を抑えることができる。なお、上記軟化点はJIS K2207に準じた方法で測定することができる。
ここで、本明細書中においてSP値とは溶解性パラメータ(Solubility Parameter)と呼ばれ、溶解のしやすさを表すことのできる指標である。本明細書においてSP値の算出にはFedors法(R.F.Fedors,Polym. Eng. Sci.,14(2),147-154(1974))が用いられる。
より芳香族アルケニル重合体ブロックと相溶し、透明性が低下しにくくなることから、上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂は、SP値の好ましい下限が8.5であり、より好ましい下限が8.6であり、好ましい上限が8.9である。また、より高温粘着性が向上することから、上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂は、軟化点が90℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂の軟化点の上限は特に限定されないが、使用される温度を考慮すると140℃であることが好ましい。
より共役ジエン重合体ブロックと相溶し、透明性が低下しにくくなることから、上記芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂は、SP値の好ましい下限が7.8であり、より好ましい下限が8.0である。また、より高温粘着性が向上することから、上記芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂は、軟化点が90℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。上記芳香族環を含まない石油樹脂系の粘着付与樹脂の軟化点の上限は特に限定されないが、使用される温度を考慮すると140℃であることが好ましい。
上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂としては、例えば、芳香族変性テルペン、芳香族変性水添テルペン、テルペンフェノール、水添テルペンフェノール、ロジンエステル等が挙げられる。なかでも、より芳香族アルケニル重合体ブロックと相溶しやすく、得られる粘着テープの透明性の低下を抑えられることから、芳香族変性テルペン、芳香族変性水添テルペン、超淡色ロジンエステルが好ましい。
上記芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂としては、例えば、C5系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、テルペン、水添テルペン等が挙げられる。なかでも、より共役ジエン重合体ブロックと相溶しやすく、得られる粘着テープの透明性の低下を抑えられることから、脂環族系石油樹脂、テルペン、水添テルペンが好ましい。
上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記ラジアル型スチレン系エラストマー100重量部に対する好ましい下限は5重量部、より好ましい下限は20重量部、好ましい上限は100重量部、より好ましい上限は80重量部である。上記芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂の含有量が上記範囲であることで、より透明性と高温粘着性に優れた粘着テープとすることができる。
上記芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記ラジアル型スチレン系エラストマー100重量部に対する好ましい下限は5重量部、より好ましい下限は20重量部、好ましい上限は100重量部、より好ましい上限は80重量部である。上記芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂の含有量が上記範囲であることで、より透明性と高温粘着性に優れた粘着テープとすることができる。
上記粘着剤層はSP値が8.5以下であり、23℃で液体の軟化剤を含有していてもよい。
上記軟化剤を配合することで、得られる粘着テープの常温での粘着力を向上させることができるとともに、水蒸気バリア性を向上させることができる。また、上記軟化剤は、上記ラジアル型スチレン系エラストマー中の上記共役ジエン重合体ブロックと相溶するため、粘着剤としてラジアル型スチレン系エラストマーを用いた場合であっても、得られる粘着テープの透明性の低下を抑制することができる。より共役ジエン重合体ブロックと相溶し、透明性が低下しにくくなることから、上記軟化剤のSP値は8.3以下であることがより好ましい。上記軟化剤のSP値の下限は特に限定されないが、相溶性の観点から7.0以上であることが好ましい。なお、上記軟化剤は、上記SP値を有していれば得られる粘着テープの透明性を低下させにくいものであるが、大量に用いてしまうと高温での粘着力を低下させることもあるため、常温での粘着力及び水蒸気バリア性よりも高温での粘着力をより重視する場合にはできる限り用いる量を少なくすることが好ましい。
上記SP値を満たす23℃で液体の軟化剤としては、例えば、ポリブテン、ポリイソプレン、パラフィン系オイル等が挙げられる。なかでも、上記ラジアル型スチレン系エラストマーとよく相溶し、透明性の低下をより抑えられることからポリブテンが好ましい。
上記軟化剤の含有量は特に限定されないが、上記ラジアル型スチレン系エラストマー100重量部に対して100重量部以下であることが好ましく、80重量部以下であることがより好ましい。上記のように、粘着剤層に軟化剤を用いると高温での粘着力が低下することがあるため、上記軟化剤の含有量をできる限り少なくすることで、室温での粘着力及び水蒸気バリア性を向上させつつも高温での粘着力の低下を最小限に抑えることができ、性能のバランスに優れた粘着テープとすることができる。なお、上記軟化剤の含有量が100重量部より多くなると高温での粘着力低下の影響が大きくなる。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は300μmである。上記粘着剤層の厚みがこの範囲内であると、充分な粘着力と取り扱い性とを両立することができる。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は2.5μm、より好ましい上限は200μmである。
本発明の粘着テープはヘイズが5.0%以下であることが好ましい。
ヘイズが5.0%以下であることで、粘着テープを液晶ディスプレイ等の光学デバイスの固定に用いることができる。本発明は、上記粘着付与樹脂や上記軟化剤を用いることで、ラジアル型スチレン系エラストマーを用いた場合であっても透明性が低下し難いものである。上記ヘイズは1.0%以下であることがより好ましい。
本発明の粘着テープは基材を有するサポートタイプであってもよく、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。なかでも、コストおよび薄さの観点からノンサポートタイプであることが好ましい。
本発明の粘着テープを製造する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、離型処理を施したフィルム上に上記ラジアル型スチレン系エラストマー及び上記粘着付与樹脂、必要に応じて軟化剤等のその他の添加剤を配合した溶液を塗工、乾燥させて粘着剤層を形成し、粘着剤層上に離型処理を施したフィルムを重ね合わせることによって製造することができる。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、水蒸気バリア性能、透明性及び高温粘着性に優れることから、電子機器部品固定用途、車載部品固定用途、基地局アンテナ固定用途、基地局送受信機固定用途、スマートグラス固定用途等に特に好適に用いることができる。
このような電子機器部品固定用途、車載部品固定用途、基地局アンテナ固定用途、基地局送受信機固定用途、スマートグラス固定用途に用いられる本発明の粘着テープもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、水蒸気バリア性、高温粘着性及び透明性に優れる粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
<ベース樹脂>
実施例及び比較例において、以下の方法で合成したラジアル型スチレン系エラストマー及び市販のエラストマーをベース樹脂として用いた。
(ラジアル型スチレン系エラストマーの合成)
窒素置換された反応容器に、脱気、脱水されたシクロヘキサン500重量部、スチレン15重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn-ブチルリチウム0.13重量部を添加して、昇温重合を行い、芳香族アルケニル重合体ブロック(ブロックA)を得た。芳香族アルケニル重合体ブロックの重合転化率が略100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、1,3-ブタジエン85重量部を加え、更に昇温重合を行い、共役ジエン重合体ブロック(ブロックB)を得た。重合転化率がほぼ100%に達した後、カップリング剤としてトリクロロシラン0.06重量部を加え、カップリング反応を行った。カップリング反応が完結した後、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら10分間放置した。
その後、反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa-Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことによりラジアル型スチレン系エラストマー(A-B)Cを得た。
(市販品のエラストマー)
・セプトン2063P:SEPSブロック共重合体、クラレ社製
・OPPANOL N80:ポリイソブチレン、BASF社製
・SIBSTAR 102T:SIBSブロック共重合体、カネカ社製
<軟化剤>
実施例及び比較例において以下の軟化剤を用いた。
・日石ポリブテンHV-300(表中ではHV-300):n-ブテン-イソブチレン共重合体、SP値7.0~8.5、流動点-55℃、JXTGエネルギー社製
・日石ポリブテンLV-100(表中ではLV-100):n-ブテン-イソブチレン共重合体、SP値7.0~8.5、流動点-12.5℃、JXTGエネルギー社製
・OPPANOL B10:ポリイソブチレン、SP値7.0~8.5、ガラス転移点-65℃~-61℃、BASF社製
・日油ポリブテン30N(表中では30N):n-ブテン-イソブチレン共重合体、SP値7.0~8.5、流動点-5℃、日油社製
・日油ポリブテン200N(表中では200N):n-ブテン-イソブチレン共重合体、SP値7.0~8.5、流動点15℃、日油社製
<粘着付与樹脂>
実施例及び比較例において以下の粘着付与樹脂を用いた。
(天然物系)
・YSレジンPX100(表中ではPX100):テルペン樹脂、SP値8.0~8.5、軟化点100℃、ヤスハラケミカル社製
・YSレジンTO105(表中ではTO105):芳香族変性テルペン樹脂、SP値8.5~9.0、軟化点105℃、ヤスハラケミカル社製
・ロジンエステルKE311(表中ではKE311):超淡色ロジンエステル樹脂、SP値8.5~9.0、軟化点100℃、荒川化学社製
(石油樹脂系)
・アルコンP100:水素化石油樹脂(脂肪族炭化水素樹脂)、SP値8.0~8.5、軟化点100℃、荒川化学社製
・FTR6110:スチレン共重合体、SP値8.7~9.2、軟化点110℃、三井化学社製
・FTR2120:スチレン共重合体、SP値8.7~9.2、軟化点120℃、三井化学社製
・FMR0150:スチレン共重合体、SP値8.7~9.2、軟化点145℃、三井化学社製
・YSレジンSX100(表中ではSX100):スチレン重合体、SP値9.0~9.5、軟化点100℃、ヤスハラケミカル社製
(実施例1)
350重量部のトルエンに得られたラジアル型スチレン系エラストマーを100重量部、HV-300を45重量部、アルコンP100を45重量部加えて粘着剤溶液を得た。厚み50μmの離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面上に、得られた粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工した後、100℃で10分間乾燥させて粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層のPETフィルムが積層されていない面に同様のPETフィルムを離型処理が施された面が粘着剤層側となるように積層して粘着テープを得た。
(実施例2~13、比較例1~14)
粘着剤溶液の組成及び粘着剤層の厚みを表1、2の通りとした以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
<評価>
実施例、比較例で得られた粘着テープについて、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(粘着力の評価)
粘着テープを25mm幅に裁断して試験片を作製した。次いで、得られた試験片をガラス板に貼り、1kgのゴムローラーで1往復することによって圧着して測定サンプルを作製した。その後、得られた測定サンプルについてJIS Z 0237:2009に従い、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、23℃における粘着力(N/25mm)を測定した。
次いで、同様の方法で測定サンプルを作製し、85℃、10分の熱処理を行った。熱処理直後の測定サンプルについて、23℃における粘着力と同様の方法で180°剥離試験を行い、85℃における粘着力(N/25mm)を測定した。
(ヘイズの評価)
得られた粘着テープについてヘイズメーター(村上色彩技術研究所社製、HM-150)を用いてヘイズを測定した。
(透湿度の評価)
粘着テープの離型フィルムを剥がし、4枚重ねることで厚み100μmの測定サンプルを作製した。作製した測定サンプルを10cm×10cm程度に切り取り、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN-W 1/50)の測定部に設置後、40℃90%RHの条件で水蒸気透過率(透湿度)を測定した。
一般的に水蒸気透過率は粘着剤の厚みに概ね反比例関係があるため、得られた厚み100μmの水蒸気透過率の実測結果を2倍にすることで、50μm厚みにおける結果を算出した。
Figure 0007444670000001
Figure 0007444670000002
本発明によれば、水蒸気バリア性、高温粘着性及び透明性に優れる粘着テープを提供することができる。

Claims (6)

  1. 電子機器部品固定用途、車載部品固定用途、基地局アンテナ固定用途、基地局送受信機固定用途、スマートグラス固定用途に用いられる、粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は一般式(A-B)nCで表される構造を有するラジアル型スチレン系エラストマーと、
    SP値が8.0~9.0、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂及び/又は
    SP値が7.5~8.5であり、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂とを含有し、
    前記ラジアル型スチレン系エラストマーは水素添加率が96%以上である
    ことを特徴とする粘着テープ。
    A:芳香族アルケニル重合体ブロック
    B:共役ジエン重合体ブロック
    C:カップリング剤に由来する成分
    n:3以上の整数
  2. 前記石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂の含有量が前記ラジアル型スチレン系エラストマー100重量部に対して5重量部以上、100重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 電子機器部品固定用途、車載部品固定用途、基地局アンテナ固定用途、基地局送受信機固定用途、スマートグラス固定用途に用いられる、粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は一般式(A-B)nCで表される構造を有するラジアル型スチレン系エラストマーと、
    SP値が8.0~9.0、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含む天然物系の粘着付与樹脂及び/又は
    SP値が7.5~8.5であり、軟化点が80℃以上であり、芳香族環を含まない石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂とを含有し、
    前記石油樹脂系又は天然物系の粘着付与樹脂の含有量が前記ラジアル型スチレン系エラストマー100重量部に対して35重量部以下である
    ことを特徴とする粘着テープ。
    A:芳香族アルケニル重合体ブロック
    B:共役ジエン重合体ブロック
    C:カップリング剤に由来する成分
    n:3以上の整数
  4. 前記粘着剤層はSP値が8.5以下であり、23℃で液体の軟化剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着テープ。
  5. 前記軟化剤の含有量が前記ラジアル型スチレン系エラストマー100重量部に対して100重量部以下であることを特徴とする請求項4記載の粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層の厚みが1μm~300μmであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載粘着テープ。
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