JP7443221B2 - 鉄道車両及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両及びその製造方法に関し、詳しくは、先頭構体の下端部と台枠の端梁との接合部に補強構造を備えた鉄道車両及びその製造方法に関する。
鉄道車両が、車高が高く且つ質量の大きな車両(例えば、大型トラック等)に衝突した場合には、鉄道車両の先頭構体が室内側へ変形して、台枠の端梁との接合部から引き剥がされて分断される懸念がある。このような衝突時における、先頭構体と台枠との分断を防止し得る補強構造を備えた鉄道車両の開発が望まれている。
ところが、鉄道車両における先頭構体と台枠は、それぞれサイズが大きく、質量も大きいので、予め先頭構体と台枠とを個別に製作した後に組付けて、その接合部を溶接等によって連結するように形成されている。そのため、先頭構体と台枠との接合部において、先頭構体及び台枠の各製作誤差を調整するための、調整代(隙間)が設けられている。
したがって、先頭構体と台枠との分断を防止し得る補強構造は、先頭構体と台枠とをそれぞれの製作誤差を調整して適正な位置に組付けた後に、後付けできる構造が必要であった。かかる後付け可能な補強構造を備えた鉄道車両の発明が、例えば、特許文献1に開示されている。 すなわち、特許文献1には、図14に示すように、台枠101の端梁102に立設された貫通路柱103の下部車内側に板状の補強部材104を車両前後方向に向けて配置し、当該補強部材104の上下方向に延びる側縁104aを貫通路柱103の下部車内側面103aに接合(溶接)すると共に、車両前後方向に延びる下縁104bを床板105に接合したことによって形成された補強構造を備えた鉄道車両100が開示されている。
特開2005-53306号公報
しかしながら、特許文献1に記載された鉄道車両100では、台枠101の端梁102に立設された貫通路柱103の下部車内側に、板状の補強部材104を床板105上に起立させ車両前後方向に向けて配置する構造であるので、車体室内のスペースが犠牲になるという問題があった。
また、補強部材104は、板状に形成され、台枠101の端梁102に立設された貫通路柱103の下部車内側に車両前後方向に向けて配置されているので、衝突荷重が先頭構体に車両前方から作用した場合には、補強部材104の補強効果は大きいが、衝突荷重が先頭構体に車両斜め横から作用した場合には、補強部材104の補強効果が少なく、鉄道車両100の車体にねじり変形が生じ易いという問題もあった。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、車体室内のスペースを犠牲にすることなく、車両斜め横からの衝突荷重を先頭構体が受けた場合にも、車体のねじり変形を低減して先頭構体と台枠との分断を回避し得る補強構造を備えた鉄道車両及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄道車両及びその製造方法は、以下の構成を備えている。
(1)台枠と先頭構体と側構体と屋根構体とを有し、前記先頭構体の下端部と前記台枠の端梁との接合部に補強構造を有する車体を備えた鉄道車両であって、
前記端梁には、端梁本体と、当該端梁本体から延設され床下で車両後方へ凹む第2端梁部とを備え、
前記補強構造には、床下に形成され、前記端梁本体と前記第2端梁部とを繋ぎ前記第2端梁部が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板と、前記先頭構体の下端部と、前記端梁本体と前記第2端梁部との交差部と、前記横板の上端面とにそれぞれ接合された補強部材と、を備えていることを特徴とする。
本発明においては、端梁には、端梁本体と、当該端梁本体から延設され床下で車両後方へ凹む第2端梁部とを備え、補強構造には、床下に形成され、端梁本体と第2端梁部とを繋ぎ第2端梁部が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板と、先頭構体の下端部と、端梁本体と第2端梁部との交差部と、横板の上端面とにそれぞれ接合された補強部材と、を備えているので、車体室内のスペースを犠牲にすることを容易に回避できる。
また、補強構造には、床下に形成され、端梁本体と第2端梁部とを繋ぎ第2端梁部が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板と、先頭構体の下端部と、端梁本体と第2端梁部との交差部と、横板の上端面とにそれぞれ接合された補強部材と、を備えているので、先頭構体の下端部と端梁本体と第2端梁部と横板とを補強部材を介して台枠の各種方向で接合することができる。そのため、先頭構体に対して車両斜め横から衝突荷重が作用した場合にも、その衝撃力を台枠の各種方向へ分散することによって、車体のねじり変形を低減して先頭構体の下端部と台枠の端梁との分断を効果的に回避できる。
よって、本発明によれば、車体室内のスペースを犠牲にすることなく、車両斜め横からの衝突荷重を先頭構体が受けた場合にも、車体のねじり変形を低減しつつ先頭構体と台枠との分断を回避し得る補強構造を備えた鉄道車両を提供することができる。
(2)(1)に記載された鉄道車両において、
前記第2端梁部は、車幅方向で左右に分割された前記端梁本体の間に配置され、前記第2端梁部には、車両前後方向に延設された中梁の前端部が接合されていることを特徴とする。
本発明においては、第2端梁部は、車幅方向で左右に分割された端梁本体の間に配置され、第2端梁部には、車両前後方向に延設された中梁の前端部が接合されているので、先頭構体が受ける衝突荷重を、第2端梁部を介して中梁に伝達でき、第2端梁部と中梁とがそれぞれの強度を効果的に発揮することができる。その結果、先頭構体と台枠との分断をより効果的に防止し得る。
(3)(2)に記載された鉄道車両において、
前記先頭構体の下端部には、床下で車両前後方向に延設され、中梁と対応する位置で前記第2端梁部と接合された補助梁部を備えていることを特徴とする。
本発明においては、先頭構体の下端部には、床下で車両前後方向に延設され、中梁と対応する位置で第2端梁部と接合された補助梁部を備えているので、先頭構体が受ける衝突荷重を、補助梁部を介して直線的に中梁に伝達でき、補助梁部及び中梁がそれぞれの強度を効果的に発揮することができる。その結果、先頭構体と台枠との分断をより一層効果的に防止し得る。
(4)(3)に記載された鉄道車両において、
前記先頭構体の下端部には、前記第2端梁部が形成する凹空間に向けて水平方向に延設され、前記補助梁部と接合されていると共に前記横板と上下方向で当接する当て板を備え、
前記当て板と前記横板とが、その当接部で接合されていると共に、前記補強部材が、前記当て板の上端面にも接合されていることを特徴とする。
本発明においては、先頭構体の下端部には、第2端梁部が形成する凹空間に向けて水平方向に延設され、補助梁部と接合されていると共に横板と上下方向で当接する当て板を備え、当て板と横板とが、その当接部で接合されていると共に、補強部材が、当て板の上端面にも接合されているので、先頭構体の下端部と補助梁部と当て板と横板と第2端梁部と端梁本体とを補強部材を介して一体的に連結することができる。そのため、補強部材と第2端梁部と補助梁部と当て板と横板とを連結してより強度を高めた補強構造によって、先頭構体が受ける車両斜め横からの衝突荷重に対して抵抗することができる。その結果、先頭構体と台枠との分断をより一層効果的に防止し得る。なお、横板は、当て板の上端面に接合されていても、当て板の下端面に接合されていても良い。
(5)(4)に記載された鉄道車両において、
前記補助梁部の上端面と前記第2端梁部の上端面とに当接して接合された塞ぎ板を備えていることを特徴とする。
本発明においては、補助梁部の上端面と第2端梁部の上端面とに当接して接合された塞ぎ板を備えているので、先頭構体の下端部に延設された補助梁部と、車幅方向で左右に分割された端梁本体の間に配置され車両後方へ凹む第2端梁部とを、横板及び当て板と塞ぎ板とによって、上下で二重に連結することができる。そのため、先頭構体と台枠との間にボックス断面の補強構造を形成して、その接合強度をより一層増加させ得る。その結果、衝突荷重が、先頭構体の下端部から台枠の端梁に伝達されたとき、上記補強構造によって両者の分断をより一層効果的に防止できる。
(6)(4)に記載された鉄道車両の製造方法において、
前記端梁に前記第2端梁部を備えた前記台枠を形成する台枠形成工程と、前記先頭構体の下端部に前記補助梁部と前記当て板とを備えた前記先頭構体を形成する先頭構体形成工程と、前記台枠形成工程で形成した前記台枠と前記先頭構体形成工程で形成した前記先頭構体とを組み付ける組付け工程と、前記組付け工程の後に、前記横板と前記当て板とを接合すると共に、前記補強部材を前記先頭構体の下端部と前記端梁本体と前記第2端梁部との交差部と前記横板と前記当て板とにそれぞれ接合する第1接合工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明においては、端梁に第2端梁部を備えた台枠を形成する台枠形成工程と、先頭構体の下端部に補助梁部と当て板とを備えた先頭構体を形成する先頭構体形成工程と、を備えているので、台枠形成工程において、端梁に第2端梁部を形成した台枠を個別に製作し、先頭構体形成工程において、先頭構体の下端部に補助梁部を延設し、先頭構体の下端部と補助梁部とに当て板を接合した先頭構体を個別に製作することができる。そのため、台枠において、端梁本体と第2端梁部とを任意の姿勢にセットして、接合品質の安定した接合部を形成することができ、また、先頭構体において、先頭構体の下端部と補助梁部と当て板とをそれぞれ任意の姿勢にセットして、接合品質の安定した接合部を形成することができる。
また、台枠形成工程で形成した台枠と先頭構体形成工程で形成した先頭構体とを組み付ける組付け工程と、組付け工程の後に、横板と当て板とを接合すると共に、補強部材を先頭構体の下端部と端梁本体と第2端梁部との交差部と横板と当て板とにそれぞれ接合する第1接合工程を備えているので、台枠と先頭構体の各製作誤差を調整した位置で、台枠と先頭構体とを組付けた後に、そのままの姿勢で、横板と当て板とを強固に接合し、補強部材を先頭構体の下端部と端梁と第2端梁部との交差部と横板と当て板とにそれぞれ強固に接合することができる。そのため、先頭構体に対して車両斜め横から衝突荷重が作用した場合にも、その衝撃力を先頭構体の下端部から補強部材と補助梁部と当て板とを介して端梁本体と第2端梁部と横板と中梁とに伝達し、台枠の各種方向へ分散することによって、車体のねじり変形を低減させることができる。その結果、車両斜め横からの衝突荷重に対しても、先頭構体の下端部と台枠の端梁との分断を効果的に回避できる。なお、横板が当て板の下端面に接合される場合には、台枠形成工程において、横板を端梁本体と第2端梁部とに接合することが好ましい。一方、横板が当て板の上端面に接合される場合には、第1接合工程において、補強部材を接合する以前に、横板を端梁本体と第2端梁部と当て板とに接合することが好ましい。
(7)(5)に記載された鉄道車両の製造方法において、
前記端梁に前記第2端梁部を備えた前記台枠を形成する台枠形成工程と、前記先頭構体の下端部に前記補助梁部と前記当て板とを備えた前記先頭構体を形成する先頭構体形成工程と、前記台枠形成工程で形成した前記台枠と前記先頭構体形成工程で形成した前記先頭構体とを組み付ける組付け工程と、前記組付け工程の後に、前記横板と前記当て板とを接合すると共に、前記補強部材を前記先頭構体の下端部と前記端梁本体と前記第2端梁部との交差部と前記横板と前記当て板とにそれぞれ接合する第1接合工程と、前記第1接合工程の後に、前記補助梁部の上端面と前記第2端梁部の上端面とに前記塞ぎ板の外縁部を接合する第2接合工程とを備えていることを特徴とする。
本発明においては、端梁に第2端梁部を備えた台枠を形成する台枠形成工程と、先頭構体の下端部に補助梁部と当て板とを備えた先頭構体を形成する先頭構体形成工程と、台枠形成工程で形成した台枠と先頭構体形成工程で形成した先頭構体とを組み付ける組付け工程と、組付け工程の後に、横板と当て板とを接合すると共に、補強部材を先頭構体の下端部と端梁本体と第2端梁部との交差部と横板と当て板とにそれぞれ接合する第1接合工程と、第1接合工程の後に、補助梁部の上端面と第2端梁部の上端面とに塞ぎ板の外縁部を接合する第2接合工程とを備えているので、台枠と先頭構体とを組付けた姿勢のままで、横板と当て板とを強固に接合し、補強部材を先頭構体の下端部と端梁本体と第2端梁部との交差部と横板と当て板とにそれぞれ強固に接合した後に、補助梁部の上端面と第2端梁部の上端面とに塞ぎ板の外縁部を強固に接合することができる。そのため、先頭構体の下端部に延設された補助梁部と、車幅方向で左右に分割された端梁本体の間に配置され車両後方へ凹む第2端梁部とを、横板及び当て板と塞ぎ板とで上下に強固に連結することによって、強度をより一層増加し得るボックス断面の補強構造を形成することができる。したがって、衝突荷重が、先頭構体の下端部から台枠の端梁に伝達されたとき、上記補強構造によって両者の分断をより一層効果的に防止できる。
本発明によれば、車体室内のスペースを犠牲にすることなく、車両斜め横からの衝突荷重を先頭構体が受けた場合にも、車体のねじり変形を低減して先頭構体と台枠との分断を回避し得る補強構造を備えた鉄道車両及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態の一態様を表す鉄道車両の概略側面図である。 図1に示す鉄道車両におけるA視背面図である。 図2に示すB視側面図である。 図2に示すC視平面図であって、(A)は塞ぎ板がない状態のC視平面図であり、(B)は塞ぎ板が有る状態のC視平面図である。 図4(B)に示すD-D断面図である。 図4(B)に示すE-E断面図である。 図4(B)に示すF-F断面図である。 図4(B)に示すG-G断面図である。 図4(A)に示すQ部の詳細斜視図であって、(A)は横板が当て板の下端面に接合されている状態を示し、(B)は横板が当て板の上端面に接合されている状態を示す。 図9(A)に示す補強部材の斜視図であって、(A)は横板と当て板との上端面に接合する補強部材の斜視図であり、(B)は当て板がない場合の変形例で、横板の上端面に接合する補強部材の斜視図であり、(C)は横板と当て板とがない場合の変形例における補強部材の斜視図である。 図1に示す鉄道車両の製造工程におけるフローチャート図である。 図4(A)に示す先頭構体のみの平面図である。 図4(A)に示す台枠のみの平面図である。 特許文献1に開示された鉄道車両における先頭構体の概略断面図である。
次に、本発明の実施形態の一態様を表す鉄道車両及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。具体的には、本実施形態に係る鉄道車両の構成を詳細に説明した上で、他の実施形態に係る本鉄道車両の製造方法について詳細に説明する。
<本鉄道車両の構成>
まず、本鉄道車両の構成について、図1~図10を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態の一態様を表す鉄道車両の概略側面図を示す。図2に、図1に示す鉄道車両におけるA視背面図を示す。図3に、図2に示すB視側面図を示す。図4に、図2に示すC視平面図を示す。具体的には、図4(A)に、塞ぎ板がない状態のC視平面図を示し、図4(B)に、塞ぎ板が有る状態のC視平面図を示す。図5に、図4(B)に示すD-D断面図を示す。図6に、図4(B)に示すE-E断面図を示す。図7に、図4(B)に示すF-F断面図を示す。図8に、図4(B)に示すG-G断面図を示す。図9に、図4(A)に示すQ部の詳細斜視図を示す。図9(A)に、横板が当て板の下端面に接合されている状態を示し、図9(B)に、横板が当て板の上端面に接合されている状態を示す。図10に、図9(A)に示す補強部材の斜視図を示す。図10(A)に、横板と当て板との上端面に接合する補強部材の斜視図を示し、図10(B)に、当て板がない場合の変形例で、横板の上端面に接合する補強部材の斜視図を示し、図10(C)に、横板と当て板とがない場合の変形例における補強部材の斜視図を示す。
図1~図10に示すように、本鉄道車両10は、台枠1と先頭構体2と側構体3と屋根構体4とを有し、先頭構体2の下端部21と台枠1の端梁11との接合部YBに補強構造HKを有する車体10aを備えた鉄道車両10である。ここで、台枠1には、左右の側梁17の前端部と接合され車幅方向に延びる端梁11を備えている。また、台枠1には、端梁11の後方に左右の側梁17に連結された枕梁18が形成され、当該枕梁18にレールRa上を走行する車輪51を装着する台車5が懸架されている。台枠1の上端には、仮想線で示す床板15が敷設されている。
また、先頭構体2には、例えば、車幅方向中央部に貫通路24が形成され、貫通路24は、図示しない貫通路扉によって閉塞されている。貫通路24の両側には、妻窓25が形成されている。また、側構体3には、適宜位置に乗降扉31と側窓32とが形成されている。先頭構体2と側構体3との上端部には、屋根構体4が接合されている。本鉄道車両10は、上記の台枠1と先頭構体2と図示しない平妻(妻構体)と側構体3と屋根構体4とからなり略箱型に形成された車体10aを備え、通勤車両等として用いることができる。なお、先頭構体2は、貫通路24が形成されていない物でも良い。
また、図4~図10に示すように、台枠1の端梁11には、端梁本体11aと、端梁本体11aから延設され床下で車両後方へ凹む第2端梁部12とを備えている。また、補強構造HKには、床下に形成され、端梁本体11aと第2端梁部12とを繋ぎ第2端梁部12が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板13(13A、13B)と、先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13の上端面131とにそれぞれ接合された補強部材6と、を備えている。なお、図9(A)に示すように、横板13Aは、当て板23の下端面232に接合されていても、図9(B)に示すように、横板13Bは、当て板23の上端面231に接合されていても良い。また、横板13は、略矩形状に形成され、端梁本体11aと第2端梁部12との側面下端部に接合されている。また、先頭構体2の下端部21には、左右に分割された端梁本体11aの上端面111に当接して接合される端梁繋ぎ板211が車幅方向に延設されている。端梁繋ぎ板211の後端縁は、端梁本体11aの上端面111に溶接され、当該溶接部は先頭構体2の下端部21と台枠1の端梁11との接合部YBの一部を構成する。かかる接合部YBは、例えば、MIG(Metal Inert Gas)溶接法によって形成することができる。
ここでは、第2端梁部12は、車幅方向で左右に分割された端梁本体11aに対して、車両後方へコの字状に凹むように形成されている。具体的には、第2端梁部12は、左右に分割された端梁本体11aとの交差部112から車両後方へ延設された左右一対の第2縦端梁部12aと、左右の第2縦端梁部12aの後端部から車幅方向に延びて両者をつなぐ第2横端梁部12bと、を備えている。また、横板13は、略矩形状に形成され、端梁本体11aの交差部112と第2縦端梁部12aと第2横端梁部12bとの各側面下端部に接合されている。
また、補強部材6は、図9、図10(A)に示すように、平面視で略直角三角形状に形成され水平状に配置された上部横補強板61と、上部横補強板61の斜辺を一辺とし、その下方に略四角形状に形成され垂直状に配置された縦補強板62とを備え、上部横補強板61と縦補強板62とが逆L字状断面に折り曲げ加工されている。上部横補強板61は、端梁本体11aの上端面111と同一面状に配置されている。また、上部横補強板61は、先頭構体2の下端部21の内壁面212と車両左右方向に接合(P1)され、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112の側面上端部と車両前後方向に接合(P2)されている。また、縦補強板62は、上記交差部112の側面と車両上下方向に接合(P3)され、横板13(13A、13B)の上端面131に車両斜め横方向(車両前後方向及び車両左右方向と傾斜する傾斜方向)に接合(P4a)され、さらに、先頭構体2の下端部21の内壁面212と車両上下方向に接合(P5)されている。なお、上記接合(P1、P2、P4a)は、溶接トーチを下向きにした溶接(下向き溶接)によって施工することができる。下向き溶接であるため、作業者の技量が溶接品質に影響しにくい。そのため、溶接品質が安定し、必要な強度を確保しやすい。
以上のように、補強構造HKには、床下に形成され、端梁本体11aと第2端梁部12とを繋ぎ第2端梁部12が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板13(13A、13B)と、先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13の上端面131とにそれぞれ接合された補強部材6と、を備えているので、先頭構体2に対して車両斜め横から衝突荷重が作用した場合にも、その衝撃力を先頭構体2の下端部21から補強部材6を介して端梁本体11aと第2端梁部12と横板13とに伝達し、台枠1の車両前後・左右・上下・斜め横の各種方向へ分散することによって、車体10aのねじり変形を低減させることができる。
また、図4(A)に示すように、第2端梁部12には、車両前後方向に延設された中梁14の前端部が接合され、先頭構体2の下端部21には、床下で車両前後方向に延設され、中梁14と対応する位置で第2端梁部12と接合された補助梁部22を備えていることが好ましい。ここでは、中梁14は、車両中央部側で車両中心に対して左右対称な位置に一対配置され、その後端部が枕梁18に接合されている。また、補助梁部22は、車両中央部側で車両前後方向へ延びる一対の第2補強部材として形成され、その後端部が第2横端梁部12bと接合されている。補助梁部22は、一対の第2縦端梁部12aの間で、車両左右方向で略等間隔に配置されている。したがって、車高が高く且つ質量の大きな車両(例えば、大型トラック等)に先頭構体2が衝突した場合に、その衝突荷重を補助梁部22を介して直線的に中梁14に伝達でき、補助梁部22及び中梁14がそれぞれの強度を効果的に発揮することができる。その結果、先頭構体2と台枠1との分断をより効果的に防止し得る。
また、図8、図9、図10(A)に示すように、先頭構体2の下端部21には、第2端梁部12が形成する凹空間に向けて水平方向に延設され、補助梁部22と接合されていると共に横板13と上下方向で当接する当て板23を備え、当て板23と横板13とが、その当接部TBで接合(YB1)されていると共に、補強部材6が、当て板23の上端面231にも接合されていることが好ましい。ここでは、補強部材6の縦補強板62は、横板13の上端面131と車両斜め横方向に接合(P4;P4a)され、且つ当て板23の上端面231と車両斜め横方向に接合(P4;P4b)されている。なお、上記当て板23と横板13との接合(YB1)、及び縦補強板62と当て板23との接合(P4b)は、溶接トーチを下向きにした溶接(下向き溶接)によって施工することができる。下向き溶接であるため、作業者の技量が溶接品質に影響しにくい。そのため、溶接品質が安定し、必要な強度を確保しやすい。
上記構成によって、先頭構体2の下端部21と補助梁部22と当て板23と横板13と第2端梁部12と端梁本体11aとを、補強部材6を介して一体的に連結することができる。そのため、より強度を高めた補強構造HKによって、先頭構体2が受ける車両斜め横からの衝突荷重に対して抵抗することができる。
なお、図3、図5に示すように、先頭構体2の下端部21と端梁本体11aとの間には、車両前後方向で調整用の隙間が形成されている。また、図4(A)に示すように、横板13は、先頭構体2の下端部21と補助梁部22とに対して、車両の前後方向・左右方向で所定の隙間を有するように形成されている。また、当て板23は、端梁本体11aと第2端梁部12とに対して、車両の前後方向・左右方向で所定の隙間を有するように形成されている。したがって、横板13を台枠1に接合し、当て板23を先頭構体2に接合した場合(図13を参照)でも、台枠1と先頭構体2は、互いの製作誤差を調整して、適正な位置に組付けることが可能となっている。
また、補助梁部22の上端面221と第2端梁部12の上端面121には、下面が床板15の下面と同一面上に形成された塞ぎ板16が接合(YB2)されていることが好ましい。この場合、先頭構体2の下端部21に延設された補助梁部22と、車幅方向で左右に分割された端梁本体11aの間に配置され車両後方へ凹む第2端梁部12とを、横板13及び当て板23と塞ぎ板16とによって、上下で二重に連結することができる。そのため、先頭構体2と台枠1との間にボックス断面の補強構造HKを形成して、その接合強度をより一層増加させ得る。また、上記接合(YB2)によって、車両の前後方向と左右方向の溶接長が更に増大する。その結果、車両斜め横からの衝突荷重が、先頭構体2の下端部21から台枠1の端梁11に伝達されたときにも、上記補強構造HKによって両者の分断をより一層効果的に防止できる。
<本鉄道車両の製造方法>
次に、本鉄道車両10の製造方法を、図4、図9、図11~図13を用いて説明する。図11に、図1に示す鉄道車両の製造工程におけるフローチャート図を示す。図12に、図4(A)に示す先頭構体のみの平面図を示す。図13に、図4(A)に示す台枠のみの平面図を示す。
図4、図9(A)、図11~図13に示すように、鉄道車両10の製造方法は、端梁11に第2端梁部12と横板13(13A)とを備えた台枠1を形成する台枠形成工程(ステップS1)と、先頭構体2の下端部21に補助梁部22と当て板23とを備えた先頭構体2を形成する先頭構体形成工程(ステップS2)と、台枠形成工程(ステップS1)で形成した台枠1と先頭構体形成工程(ステップS2)で形成した先頭構体2とを組み付ける組付け工程(ステップS3)と、組付け工程(ステップS3)の後に、横板13と当て板23とを接合(YB1)すると共に、補強部材6を先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13と、当て板23とにそれぞれ接合(P1、P2、P3、P4、P5)する第1接合工程(ステップS4)と、第1接合工程(ステップS4)の後に、補助梁部22の上端面221と第2端梁部12の上端面121とに塞ぎ板16の外縁部161を接合(YB2)する第2接合工程(ステップS5)を備えている。
まず、図13に示すように、台枠形成工程(ステップS1)において、端梁11に第2端梁部12と横板13(13A)とを備えた台枠1を形成する。すなわち、車幅方向で左右に分割された端梁本体11aを水平状にセットして、端梁本体11aの内端部に車両後方へ凹む第2端梁部12を接合する。具体的には、左右に分割された端梁本体11aの内端部に、車両後方に延設された左右一対の第2縦端梁部12aを接合し、左右の第2縦端梁部12aの後端部に、車幅方向(車両左右方向)に延びて両者をつなぐ第2横端梁部12bを接合する。また、端梁11と第2端梁部12との側面下端部には、水平状に延設された横板13(13A)を接合する。さらに、水平状にセットした側梁17の前端部には、第2端梁部12と横板13(13A)とが接合された端梁本体11aの外端部を接合する。そして、必要に応じて、第2端梁部12の第2横端梁部12bには、車両前後方向に延設された中梁14の前端部を接合する。上述したように、台枠1の単体の状態で、端梁本体11aと第2端梁部12と横板13(13A)と中梁14とを夫々接合することができるので、各部材を任意の姿勢(水平状の姿勢)にセットして、溶接品質が安定した接合部YBを形成することができる。
次に、図12に示すように、先頭構体形成工程(ステップS2)において、先頭構体2の下端部21に補助梁部22と当て板23とを備えた先頭構体2を形成する。すなわち、先頭構体2を水平状にセットして、その下端部21に、垂直状に起立する補助梁部22を接合する。また、先頭構体2の下端部21に、垂直状に起立する端梁繋ぎ板211を接合する。また、先頭構体2の下端部21に、垂直状に起立する当て板23を、補助梁部22の側面下端部に当接させた状態で接合する。さらに、先頭構体2を垂直状にセットして、当て板23の姿勢を水平状に変更して、当て板23と補助梁部22の側面下端部とを接合する。上述したように、先頭構体2の単体の状態で、各部材を任意の姿勢(水平状の姿勢)にセットして、溶接品質が安定した接合部YBを形成することができる。
次に、組付け工程(ステップS3)において、台枠形成工程(ステップS1)で形成した台枠1と先頭構体形成工程(ステップS2)で形成した先頭構体2とを組み付ける(図3を参照)。ここでは、台枠1は、水平状にセットされ、先頭構体2は、台枠1の上方から垂直状にセットする。したがって、先頭構体2の下端部21に延設された端梁繋ぎ板211は、左右に分割された端梁本体11aの上端面111に当接して接合される。また、当て板23は、横板13(13A)に対して上方から重なった当接部TBにて当接している。なお、台枠1と先頭構体2は、互いの製作誤差を調整して、適正な位置に組付けられている。
次に、図4(A)、図8、図9Aに示すように、第1接合工程(ステップS4)において、横板13(13A)と当て板23とを接合(YB1)すると共に、補強部材6を先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13(13A)と、当て板23とに、それぞれ接合(P1、P2、P3、P4、P5)する。すなわち、当て板23は、水平状に延設された横板13(13A)に対して上方から重なり、平面視で略L字状に溶接して接合(YB1)される。また、補強部材6の横補強板61は、先頭構体2の下端部21の内壁面212と車両左右方向に溶接して接合(P1)され、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112の側面上端部と車両前後方向に溶接して接合(P2)されている。また、補強部材6の縦補強板62は、上記交差部112の側面と車両上下方向に溶接して接合(P3)され、横板13(13A)の上端面131に車両斜め横方向に溶接して接合(P4a)され、当て板23の上端面231に車両斜め横方向に溶接して接合(P4b)され、さらに、先頭構体2の下端部21の内壁面212と車両上下方向に溶接して接合(P5)されている。なお、図9(A)に示すように、横板13(13A)が当て板23の下端面232に接合される場合には、台枠形成工程(ステップS1)において、横板13(13A)を端梁本体11aと第2端梁部12とに接合するが、図9(B)に示すように、横板13(13B)が当て板23の上端面231に接合される場合には、第1接合工程(ステップS4)において、補強部材6を接合する以前に、横板13(13B)を端梁本体11aと第2端梁部12と当て板23とに接合する。
次に、図4(B)、図6、図8に示すように、第2接合工程(ステップS5)において、補助梁部22の上端面221と第2端梁部12の上端面121とに塞ぎ板16の外縁部161を接合(YB2)する。すなわち、補助梁部22の上端面221と第2端梁部12の上端面121とに対して、塞ぎ板16を水平状に当接させてセットし、塞ぎ板16の外縁部161と補助梁部22の上端面221及び第2端梁部12の上端面121とを略矩形環状に溶接して接合(YB2)する。
以上、詳細に説明したように、本鉄道車両10の製造方法によれば、台枠形成工程(ステップS1)と、先頭構体形成工程(ステップS2)とにおいて、溶接品質が安定した接合部YBを形成し、また、第1接合工程(ステップS4)と、第2接合工程(ステップS5)とにおいて、台枠1と先頭構体2とを各種方向に溶接して接合(P1、P2、P3、P4、P5、YB1、YB2)することによって、車両斜め横からの衝突荷重を先頭構体2が受けた場合にも、車体10aのねじり変形を低減して先頭構体2と台枠1との分断を回避し得る補強構造HKを備えた鉄道車両10の製造方法を提供することができる。
<作用効果>
以上、詳細に説明した本実施形態に係る鉄道車両10によれば、端梁11には、端梁本体11aと、当該端梁本体11aから延設され床下で車両後方へ凹む第2端梁部12とを備え、補強構造HKには、床下に形成され、端梁本体11aと第2端梁部12とを繋ぎ第2端梁部12が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板13と、先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13の上端面131とにそれぞれ接合された補強部材6と、を備えているので、車体室内のスペースを犠牲にすることを容易に回避できる。
また、補強構造HKには、床下に形成され、端梁本体11aと第2端梁部12とを繋ぎ第2端梁部12が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板13と、先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13の上端面131とにそれぞれ接合された補強部材6と、を備えているので、先頭構体2の下端部21と端梁本体11aと第2端梁部12と横板13とを補強部材6を介して台枠1の各種方向で接合することができる。そのため、先頭構体2に対して車両斜め横から衝突荷重が作用した場合にも、その衝撃力を台枠1の各種方向へ分散することによって、車体10aのねじり変形を低減して先頭構体2の下端部21と台枠1の端梁11との分断を効果的に回避できる。
よって、本実施形態によれば、車体室内のスペースを犠牲にすることなく、車両斜め横からの衝突荷重を先頭構体2が受けた場合にも、車体10aのねじり変形を低減しつつ先頭構体2と台枠1との分断を回避し得る補強構造HKを備えた鉄道車両10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、第2端梁部12は、車幅方向で左右に分割された端梁本体11aの間に配置され、第2端梁部12には、車両前後方向に延設された中梁14の前端部が接合されているので、先頭構体2が受ける衝突荷重を、第2端梁部12を介して中梁14に伝達でき、第2端梁部12と中梁14とがそれぞれの強度を効果的に発揮することができる。その結果、先頭構体2と台枠1との分断をより効果的に防止し得る。
また、本実施形態によれば、先頭構体2の下端部21には、床下で車両前後方向に延設され、中梁14と対応する位置で第2端梁部12と接合された補助梁部22を備えているので、先頭構体2が受ける衝突荷重を、補助梁部22を介して直線的に中梁14に伝達でき、補助梁部22及び中梁14がそれぞれの強度を効果的に発揮することができる。その結果、先頭構体2と台枠1との分断をより一層効果的に防止し得る。
また、本実施形態によれば、先頭構体2の下端部21には、第2端梁部12が形成する凹空間に向けて水平方向に延設され、補助梁部22と接合されていると共に横板13(13A、13B)と上下方向で当接する当て板23を備え、当て板23と横板13とが、その当接部TBで接合されていると共に、補強部材6が、当て板23の上端面231にも接合されているので、先頭構体2の下端部21と補助梁部22と当て板23と横板13と第2端梁部12と端梁本体11aとを補強部材6を介して一体的に連結することができる。そのため、補強部材6と第2端梁部12と補助梁部22と当て板23と横板13とを連結してより強度を高めた補強構造HKによって、先頭構体2が受ける車両斜め横からの衝突荷重に対して抵抗することができる。その結果、先頭構体2と台枠1との分断をより一層効果的に防止し得る。
また、本実施形態によれば、補助梁部22の上端面221と第2端梁部12の上端面121には、下面が床板15の下面と同一面上に形成された塞ぎ板16が接合されているので、先頭構体2の下端部21に延設された補助梁部22と、車幅方向で左右に分割された端梁本体11aの間に配置され車両後方へ凹む第2端梁部12とを、横板13及び当て板23と塞ぎ板16とによって、上下で二重に連結することができる。そのため、先頭構体2と台枠1との間にボックス断面の補強構造HKを形成して、その接合強度をより一層増加させ得る。その結果、衝突荷重が、先頭構体2の下端部21から台枠1の端梁11に伝達されたとき、上記補強構造HKによって両者の分断をより一層効果的に防止できる。
また、本鉄道車両10の製造方法に係る他の実施形態によれば、端梁11に第2端梁部12を備えた台枠1を形成する台枠形成工程(ステップS1)と、先頭構体2の下端部21に補助梁部22と当て板23とを備えた先頭構体2を形成する先頭構体形成工程(ステップS2)と、を備えているので、台枠形成工程(ステップS1)において、端梁11に第2端梁部12を形成した台枠1を個別に製作し、先頭構体形成工程(ステップS2)において、先頭構体2の下端部21に補助梁部22を延設し、先頭構体2の下端部21と補助梁部22とに当て板23を接合した先頭構体2を個別に製作することができる。そのため、台枠1において、端梁本体11aと第2端梁部12とを任意の姿勢にセットして、接合品質の安定した接合部YBを形成することができ、また、先頭構体2において、先頭構体2の下端部21と補助梁部22と当て板23とをそれぞれ任意の姿勢にセットして、接合品質の安定した接合部YBを形成することができる。
また、台枠形成工程(ステップS1)で形成した台枠1と先頭構体形成工程(ステップS2)で形成した先頭構体2とを組み付ける組付け工程(ステップS3)と、組付け工程(ステップS3)の後に、横板13と当て板23とを接合すると共に、補強部材6を先頭構体2の下端部21と端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と横板13と当て板23とにそれぞれ接合する第1接合工程(ステップS4)を備えているので、台枠1と先頭構体2の各製作誤差を調整した位置で、台枠1と先頭構体2とを組付けた後に、そのままの姿勢で、横板13と当て板23とを強固に接合し、補強部材6を先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13と、当て板23とに接合することができる。そのため、先頭構体2に対して車両斜め横から衝突荷重が作用した場合にも、その衝撃力を先頭構体2の下端部21から補強部材6と補助梁部22と当て板23とを介して端梁本体11aと第2端梁部12と横板13と中梁14とに伝達し、台枠1の各種方向へ分散することによって、車体10aのねじり変形を低減させることができる。その結果、車両斜め横からの衝突荷重に対しても、先頭構体2の下端部21と台枠1の端梁11との分断を効果的に回避できる。
また、本他の実施形態によれば、端梁11に第2端梁部12を備えた台枠1を形成する台枠形成工程(ステップS1)と、先頭構体2の下端部21に補助梁部22と当て板23とを備えた先頭構体2を形成する先頭構体形成工程(ステップS2)と、台枠形成工程(ステップS1)で形成した台枠1と先頭構体形成工程(ステップS2)で形成した先頭構体2とを組み付ける組付け工程(ステップS3)と、組付け工程(ステップS3)の後に、横板13と当て板23とを接合すると共に、補強部材6を先頭構体2の下端部21と端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と横板13と当て板23とにそれぞれ接合する第1接合工程(ステップS4)と、第1接合工程(ステップS4)の後に、補助梁部22の上端面221と第2端梁部12の上端面121とに塞ぎ板16の外縁部161を接合する第2接合工程(ステップS5)とを備えているので、台枠1と先頭構体2とを組付けた姿勢のままで、横板13と当て板23とを強固に接合し、補強部材6を先頭構体2の下端部21と、端梁本体11aと第2端梁部12との交差部112と、横板13と、当て板23とにそれぞれ接合した後に、補助梁部22の上端面221と第2端梁部12の上端面121とに塞ぎ板16の外縁部161を接合することができる。そのため、先頭構体2の下端部21に延設された補助梁部22と、車幅方向で左右に分割された端梁本体11aの間に配置され車両後方へ凹む第2端梁部12とを、横板13及び当て板23と塞ぎ板16とで上下に強固に連結することによって、強度をより一層増加し得るボックス断面の補強構造HKを形成することができる。したがって、衝突荷重が、先頭構体2の下端部21から台枠1の端梁11に伝達されたとき、上記補強構造HKによって両者の分断をより一層効果的に防止できる。
<変形例>
以上、本実施形態に係る鉄道車両10及びその製造方法を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態では、第2端梁部12は、車幅方向で左右に分割された端梁本体11aに対して、車両後方へコの字状に凹むように延設されている。しかし、必ずしも、これに限る必要はない。例えば、第2端梁部12は、車幅方向の中間部に形成された端梁本体11aの両端部に対して、車両後方へコの字状又はL字状に凹むように延設しても良い。
また、本実施形態では、先頭構体2の下端部21には、第2端梁部12が形成する凹空間に向けて水平方向に延設され、補助梁部22と接合される共に横板13と上下方向で当接する当て板23を備え、当て板23と横板13とが、その当接部TBで接合(YB1)されていると共に、補強部材6が、横板13の上端面131と当て板23の上端面231に接合されている。しかし、必ずしも、これに限る必要はない。例えば、当て板23が無い場合で、補強部材6Bの上部横補強板61Bと縦補強板62Bとが、図10(B)に示す逆L字状断面に折り曲げ加工され、縦補強板62Bが横板13の上端面131に接合されている構造でも良い。また、例えば、横板13と当て板23とが無い場合で、補強部材6が、図10(C)に示すように、上部横補強板61Cと縦補強板62Cと下部横補強板63Cとが略コの字状断面に折り曲げ加工され、下部横補強板63Cが先頭構体2の下端部21と交差部112とに接合されている構造でも良い。
本発明は、先頭構体の下端部と台枠の端梁との接合部に補強構造を備えた鉄道車両及びその製造方法として利用できる。
1 台枠
2 先頭構体
3 側構体
4 屋根構体
6 補強部材
10 鉄道車両
10a 車体
11 端梁
11a 端梁本体
12 第2端梁部
13、13A、13B 横板
14 中梁
15 床板
16 塞ぎ板
21 下端部
22 補助梁部
23 当て板
112 交差部
121、221 上端面
131、231 上端面
161 外縁部
HK 補強構造
TB 当接部
S1 台枠形成工程
S2 先頭構体形成工程
S3 組付け工程
S4 第1接合工程
S5 第2接合工程
YB 溶接部

Claims (7)

  1. 台枠と先頭構体と側構体と屋根構体とを有し、前記先頭構体の下端部と前記台枠の端梁との接合部に補強構造を有する車体を備えた鉄道車両であって、
    前記端梁には、端梁本体と、当該端梁本体から延設され床下で車両後方へ凹む第2端梁部とを備え、
    前記補強構造には、床下に形成され、前記端梁本体と前記第2端梁部とを繋ぎ前記第2端梁部が形成する凹空間に向けて水平状に延設された横板と、前記先頭構体の下端部と、前記端梁本体と前記第2端梁部との交差部と、前記横板の上端面とにそれぞれ接合された補強部材と、を備えていることを特徴とする鉄道車両。
  2. 請求項1に記載された鉄道車両において、
    前記第2端梁部は、車幅方向で左右に分割された前記端梁本体の間に配置され、前記第2端梁部には、車両前後方向に延設された中梁の前端部が接合されていることを特徴とする鉄道車両。
  3. 請求項2に記載された鉄道車両において、
    前記先頭構体の下端部には、床下で車両前後方向に延設され、中梁と対応する位置で前記第2端梁部と接合された補助梁部を備えていることを特徴とする鉄道車両。
  4. 請求項3に記載された鉄道車両において、
    前記先頭構体の下端部には、前記第2端梁部が形成する凹空間に向けて水平方向に延設され、前記補助梁部と接合されていると共に前記横板と上下方向で当接する当て板を備え、
    前記当て板と前記横板とが、その当接部で接合されていると共に、前記補強部材が、前記当て板の上端面にも接合されていることを特徴とする鉄道車両。
  5. 請求項4に記載された鉄道車両において、
    前記補助梁部の上端面と前記第2端梁部の上端面とに当接して接合された塞ぎ板を備えていることを特徴とする鉄道車両。
  6. 請求項4に記載された鉄道車両の製造方法において、
    前記端梁に前記第2端梁部を備えた前記台枠を形成する台枠形成工程と、前記先頭構体の下端部に前記補助梁部と前記当て板とを備えた前記先頭構体を形成する先頭構体形成工程と、前記台枠形成工程で形成した前記台枠と前記先頭構体形成工程で形成した前記先頭構体とを組み付ける組付け工程と、前記組付け工程の後に、前記横板と前記当て板とを接合すると共に、前記補強部材を前記先頭構体の下端部と前記端梁本体と前記第2端梁部との交差部と前記横板と前記当て板とにそれぞれ接合する第1接合工程と、を備えていることを特徴とする鉄道車両の製造方法。
  7. 請求項5に記載された鉄道車両の製造方法において、
    前記端梁に前記第2端梁部を備えた前記台枠を形成する台枠形成工程と、前記先頭構体の下端部に前記補助梁部と前記当て板とを備えた前記先頭構体を形成する先頭構体形成工程と、前記台枠形成工程で形成した前記台枠と前記先頭構体形成工程で形成した前記先頭構体とを組み付ける組付け工程と、前記組付け工程の後に、前記横板と前記当て板とを接合すると共に、前記補強部材を前記先頭構体の下端部と前記端梁と前記第2端梁部との交差部と前記横板と前記当て板とにそれぞれ接合する第1接合工程と、前記第1接合工程の後に、前記補助梁部の上端面と前記第2端梁部の上端面とに前記塞ぎ板の外縁部を接合する第2接合工程とを備えていることを特徴とする鉄道車両の製造方法。
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