JP7442912B2 - 電池部材の製造方法、電池部材、及び二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池部材の製造方法、電池部材、及び二次電池に関する。
近年、環境負荷の小さい電気自動車、ハイブリッド自動車の普及率が増加傾向にある。これらの自動車には、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池が搭載されている。自動車用の二次電池には、電池特性のみならず、高い安全性が求められる。二次電池の安全性を向上させる方法として、電解液を固体電解質へ変更する方法が知られている(例えば特許文献1)。
また、固体電解質層を用いた二次電池の電池特性を向上させる手段として、正極及び負極に電解液又はゲル電解質を含浸させる方法が知られている(例えば特許文献2)。
特開2004-107641号公報 特開2004-171995号公報
例えば特許文献2に記載の二次電池は、正極、固体電解質のシート、負極を順次積層して単セルを形成し、この単セルの集合体を電池容器に収容することで得られる。正極及び負極には、有機電解液又はゲル電解質が含浸されている。しかし、本発明者らの検討によると、有機電解液又はゲル電解質を含浸させた電極では、製造中又は経時的に電解液に含まれる溶媒が揮発しやすいため、所望の特性を有する二次電池を好適に作製することに課題があることが分かった。
本発明の一側面は、電解質塩及び有機溶媒を含有する電解液が電極合剤層に含まれる電極において、電極合剤層における有機溶媒の揮発を抑制することを目的とする。
本発明の一側面は、集電体、集電体の一面上の縁部に設けられた接着部、及び集電体の一面上の中央部に設けられた電極合剤層を有する電極と、基材及び基材の一面上に設けられた電解質層を有する電解質シートとが積層された積層体を得る工程(a)と、電解質層を、接着部を介して集電体に接着する工程(b)と、を備え、工程(a)において、積層体は、集電体と電解質層との間に接着部及び電極合剤層が挟まれるように積層された積層体であり、電極合剤層は、電極活物質、有機溶媒及び電解質塩を含有する、電池部材の製造方法を提供する。
この製造方法により得られた電池部材においては、有機溶媒を含有する電極合剤層が基材及び電解質層を有する電解質シートで覆われるため、電極合剤層からの有機溶媒の揮発が抑制される。さらに、この製造方法により得られる電池部材は、電解質層が、集電体の一面上の縁部に設けられた接着部を介して集電体に接着されているため、この接着部分からも有機溶媒の揮発を効果的に抑制することができる。
また、電池部材の製造中に有機溶媒が揮発して仕込み組成からのずれが生じると、所望の電池特性を得るための二次電池の設計が難しい。この電池部材では、電極合剤層からの揮発が抑制されているため、仕込み組成からのずれが少なくなり、所望の電池特性を有する二次電池を製造しやすくなる。
また、場合によっては二次電池作製の際に電解液を電極合剤層中に追加注液する必要が生じるが、この電池部材では電極合剤層から有機溶媒が揮発することを抑制できるため、二次電池の作製時に電解液を追加注液する工程を省略でき、二次電池の製造時間も短縮できる。
工程(a)は、電極活物質を含有する電極活物質層を集電体の一面上の中央部に設け、かつ、集電体の一面上の縁部に接着部を設ける工程(w1)と、有機溶媒及び電解質塩を含有する組成物を、電極活物質層中に加えて電極合剤層を形成する工程(w2)と、集電体と電解質層との間に、接着部及び電極合剤層が挟まれるように電解質シートを積層する工程(w3)と、をこの順に備えてよい。
工程(a)は、有機溶媒及び電解質塩を含有する組成物を、集電体の一面上の中央部に設けられた電極活物質を含有する電極活物質層に加えて電極合剤層を形成する工程(x1)と、集電体の一面上の縁部に接着部を設ける工程(x2)と、集電体と電解質層との間に、接着部及び電極合剤層が挟まれるように電解質シートを積層する工程(x3)と、をこの順に備えてもよい。
工程(a)は、電極活物質を含有する電極活物質層を集電体の一面上の中央部に設け、かつ、集電体の一面上の縁部に接着部を設ける工程(y1)と、集電体と電解質層との間に接着部及び電極合剤層が挟まれるように電解質シートを積層する工程(y2)と、有機溶媒及び電解質塩を含有する組成物を、電極活物質層中に加えて電極合剤層を形成する工程(y3)と、をこの順に備えてもよい。
電極合剤層が、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有してもよい。この場合、工程(b)の後に、組成物を加熱する工程(c)を更に備えてもよい。
組成物が、重合性化合物を更に含有し、重合性化合物は、重合することにより有機溶媒をゲル化可能なポリマになる化合物であってもよい。この場合、工程(b)の後に、電極合剤層中の重合性化合物を重合させる工程(d)を更に備えてもよい。
従来、電極合剤層中の有機溶媒をゲル化させる場合、有機溶媒を揮発させることが一般的であるところ、本発明の一側面ではゲル化可能なポリマ又は重合性化合物によって有機溶媒をゲル化する。これにより、有機溶媒を揮発させる工程を必要とせずに有機溶媒のゲル化が可能であるため、従来に比べて、所望の特性を有する二次電池をより好適に得ることができる。
加えて、有機溶媒とポリマ又は重合性化合物とを電極合剤層に予め添加した上で、有機溶媒をゲル化させることにより、高密度の電極合剤層に対しても電解液を含む組成物を容易に浸透させることができ、更に、電極合剤層からの有機溶媒の液漏れも抑制することができる。
さらに、上記の組成物がゲル化可能なポリマ又は重合性化合物を含有する場合、有機溶媒がゲル化することにより集電体及び電極合剤層間の密着性が向上し、電池部材から基材を容易に剥離できる電池部材を得ることができる。このような電池部材を用いることにより、二次電池の製造も容易になる。
電解質層は、ポリマ、酸化物粒子及び電解質塩を含有してよい。有機溶媒が炭酸エステルを含んでいてもよい。
基材は、電解質層の接着部及び電極合剤層とは反対側の面全体を覆ってもよい。これにより、電極合剤層からの有機溶媒の揮発をより一層抑制できる。
本発明の他の一側面は、集電体と、電解質層と、電解質層の一面上であって集電体と反対側の面に設けられた基材と、集電体の一面上の縁部に設けられ、集電体と電解質層との間に設けられた接着部と、集電体の一面上の中央部に設けられ、集電体と電解質層との間に設けられた電極合剤層と、を備え、電解質層は接着部を介して集電体に接着しており、電極合剤層は、電極活物質、有機溶媒及び電解質塩を含有する、電池部材を提供する。
この電池部材では、上述したように電極合剤層からの有機溶媒の揮発が抑制されている。さらに、この電池部材では、基材及び電解質層によって長期にわたり有機溶媒の揮発を抑制することができる。そのため、二次電池を作製する前に電池部材として長期間保管することが可能である。
電池部材において、電極合剤層が、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有してもよい。電解質層は、ポリマ、酸化物粒子及び電解質塩を含有してもよい。有機溶媒が炭酸エステルを含んでいてもよい。基材は、電解質層の接着部及び電極合剤層とは反対側の面全体を覆ってもよい。
本発明の他の一側面は、集電体と、電解質層と、集電体の一面上の縁部に設けられ、集電体と電解質層との間に設けられた接着部と、集電体の一面上の中央部に設けられ、集電体と電解質層との間に設けられた電極合剤層と、を備え、電解質層は接着部を介して集電体に接着しており、電極合剤層は、電極活物質、有機溶媒及び電解質塩を含有する、二次電池を提供する。
この二次電池においては、電極合剤層に有機溶媒が保持されやすいため、有機溶媒によって電極活物質とイオン伝導成分である電解質塩との界面、及び、電極合剤層と電解質層との界面がそれぞれ良好に形成され、サイクル特性等の二次電池の電池性能を向上させることができる。
二次電池において、電極合剤層が、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有してもよい。電解質層は、ポリマ、酸化物粒子及び電解質塩を含有してもよい。有機溶媒が炭酸エステルを含んでいてもよい。
本発明の一側面によれば、電解質塩及び有機溶媒を含有する電解液が電極合剤層に含まれる電極において、電極合剤層における有機溶媒の揮発を抑制することができる。
一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。 図1に示した二次電池の電極群の一実施形態を示す分解斜視図である。 図3(a)は正極群の一実施形態を示す分解斜視図であり、図3(b)は負極群の一実施形態を示す分解斜視図である。 図4(a)は図2におけるIVa-IVaに沿った模式断面図であり、図4(b)は図2におけるIVb-IVbに沿った模式断面図である。 図5(a)は、正極部材の一実施形態を示す模式断面図であり、図5(b)は、負極部材の一実施形態を示す模式断面図である。 一実施形態に係る電池部材の製造方法を示す式断面図である。 他の実施形態に係る電池部材の製造方法を示す模式断面図である。 他の実施形態に係る電池部材の製造方法を示す模式断面図である。 二次電池の電極群の他の一実施形態を分解した状態を示す模式断面図である。 二次電池の電極群の他の一実施形態を分解した状態を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲は、本発明を制限するものではない。本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載される数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「正極」及び「負極」をまとめて「電極」と呼ぶことがあり、「電極活物質」、「電極合剤層」等の類似表現においても同様である。
図1は、一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図1に示すように、二次電池1は、正極を含む正極群及び負極を含む負極群から構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。二次電池1は、電池外装体3の内部(電極群2の周囲)を電解液が満たしていない、いわゆる固体電池であってよい。なお、本明細書における固体電池は、流動性を持たない電解質層を備えている電池であり、ゲル状の電解質層を備える電池、セパレータ等に電解液を含浸させて電解質層として用いられている電池等が含まれる。
電池外装体3は、例えばラミネートフィルムで形成されていてよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであってよい。
図2は、図1に示した二次電池1の電極群2の一実施形態を示す分解斜視図である。図2に示すように、電極群2Aは、正極群6及び負極群7が積層されて形成されている。図3(a)は正極群の一実施形態を示す分解斜視図であり、図3(b)は、負極群の一実施形態を示す分解斜視図である。図2及び図3(a)に示すように、正極群6は、正極集電体8及び電解質層9を備え、正極集電体8と電解質層9とが、正極集電体8上の縁部に設けられた接着部10を介して互いに接着されている。図3(a)に示すように、正極集電体8上の中央部には、接着部10に囲まれた正極合剤層11が設けられている。同様に、図2及び図3(b)に示すように、負極群7は、負極集電体12及び電解質層9を備え、負極集電体12と電解質層9とが、負極集電体12上の縁部に設けられた接着部10を介して接着されている。図3(b)に示すように、負極集電体12上の中央部には、接着部10に囲まれた負極合剤層13が設けられている。正極集電体8及び負極集電体12には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極群6及び負極群7が二次電池1の外部と電気的に接続可能なように、図1に示す電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
図4(a)は、図2におけるIVa-IVaに沿った模式断面図である。図4(a)に示すように、正極群6は、正極集電体8と、電解質層9と、正極集電体8の一面上の縁部8pに設けられ、正極集電体8と電解質層9との間に設けられた接着部10と、正極集電体8の一面上の中央部8qに設けられ、正極集電体8と電解質層9との間に設けられた正極合剤層11と、を備える。電解質層9は、接着部10を介して正極集電体8に接着している。
正極集電体8は、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属、又はそれらの合金で形成されていてよい。正極集電体8は、軽量で高い重量エネルギ密度を有するため、好ましくはアルミニウム又はその合金で形成されている。
正極合剤層11は、一実施形態において、正極活物質、有機溶媒、及び電解質塩(「電解質塩A」ともいう。)を含有する。
正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、例えば、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等に含有されるMn、Ni、Co等の遷移金属の一部を、1種若しくは2種以上の他の遷移金属、又はMg、Al等の金属元素(典型元素)で置換したリチウム遷移金属酸化物であってもよい。すなわち、リチウム遷移金属酸化物は、LiM又はLiM (Mは少なくとも1種の遷移金属を含む)で表される化合物であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、具体的には、Li(Co1/5Ni3/5Mn1/5)O、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/2Mn3/2等であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、エネルギ密度を更に向上させる観点から、好ましくは下記式(1)で表される化合物である。
LiNiCo 2+e (1)
[式(1)中、Mは、Al、Mn、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c、d及びeは、それぞれ0.2≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.2、-0.2≦e≦0.2、かつb+c+d=1を満たす数である。]
リチウム遷移金属リン酸塩は、LiFePO、LiMnPO、LiMn 1-xPO(0.3≦x≦1、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である)等であってよい。
正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってよい。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、99質量%以下であってよい。
有機溶媒は、電解質塩Aを溶解し得る溶媒である。正極合剤層がポリマA(詳細は後述)を更に含有する場合、有機溶媒は、好ましくは、ポリマAを溶解し得る溶媒であり、例えば、少なくとも100℃においてポリマAを溶解し得る溶媒であってよい。なお、本明細書における有機溶媒には、イオン液体は含まれない。
有機溶媒は、例えば、エステル、エーテル、アミド、スルホキシド及びスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでよく、好ましくは、エステルを含んでいる。有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
エステルとしては、炭酸エステル、脂肪酸エステル、ラクトン、リン酸エステル等が挙げられる。有機溶媒は、好ましくは、炭酸エステルを含んでいる。
炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、クロロエチレンカーボネート、クロロプロピレンカーボネート等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等が挙げられる。ラクトンとしては、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。リン酸エステルとしては、リン酸トリエステル等が挙げられる。
エーテルは、鎖状であっても環状であってもよい。鎖状のエーテルとしては、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン等が挙げられる。環状のエーテルとしては、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン等が挙げられる。
アミドとしては、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。スルホキシドとしては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。スルホンとしては、スルホラン等が挙げられる。
有機溶媒の含有量(合計含有量)は、正極合剤層全量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、又は5質量%以上であってよく、30質量%以下、20質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
電解質塩Aは、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
電解質塩Aのアニオンは、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、BF(CF、BF(C、PF 、ClO 、SbF 、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、BPh 、B(C 、C(FSO 、C(CFSO 、CFCOO、CFSO、CSO、[B(C等であってよい。アニオンは、好ましくは、PF 、BF 、N(SOF) 、N(SOCF 、[B(C、又はClO である。
なお、以下では下記の略称を用いる場合がある。
[FSI]:N(SOF) 、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:N(SOCF 、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[BOB]:[B(C、ビスオキサレートボラートアニオン
[f3C]:C(FSO 、トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
リチウム塩は、LiPF、LiBF、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO4、LiCFBF、LiCBF、LiCBF、LiCBF、Li[C(SOCF]、LiCFSO、LiCFCOO、及びLiRCOO(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
ナトリウム塩は、NaPF、NaBF、Na[FSI]、Na[TFSI]、Na[f3C]、Na[BOB]、NaClO4、NaCFBF、NaCBF、NaCBF、NaCBF、Na[C(SOCF]、NaCFSO、NaCFCOO、及びNaRCOO(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
カルシウム塩は、Ca(PF、Ca(BF、Ca[FSI]、Ca[TFSI]、Ca[f3C]、Ca[BOB]、Ca(ClO、Ca(CFBF、Ca(CBF、Ca(CBF、Ca(CBF、Ca[C(SOCF、Ca(CFSO、Ca(CFCOO)、及びCa(RCOO)(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
マグネシウム塩は、Mg(PF、Mg(BF、Mg[FSI]、Mg[TFSI]、Mg[f3C]、Mg[BOB]、Mg(ClO、Mg(CFBF、Mg(CBF、Mg(CBF、Mg(CBF、Mg[C(SOCF、Mg(CFSO、Mg(CFCOO)、及びMg(RCOO)(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
これらのうち、解離性及び電気化学的安定性の観点から、電解質塩Aは、好ましくはLiPF、LiBF、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO4、LiCFBF、LiCBF、LiCBF、LiCBF、Li[C(SOCF]、LiCFSO、LiCFCOO、及びLiRCOO(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはLi[TFSI]、Li[FSI]、LiPF、LiBF、Li[BOB]、及びLiClO4からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはLi[TFSI]又はLi[FSI]である。
電解質塩Aの含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、0.4質量%以上、又は0.7質量%以上であってよく、4.8質量%以下、3.2質量%以下、又は1.6質量%以下であってよい。
有機溶媒の単位体積あたりの電解質塩Aの濃度は、0.3mol/L以上、0.6mol/L以上、又は1.0mol/L以上であってよく、2.0mol/L以下、1.7mol/L以下、又は1.5mol/L以下であってよい。
正極合剤層11は、二次電池1からの有機溶媒の漏れを抑制する観点、及び正極集電体8と正極合剤層11との間の密着性を向上させる観点から、有機溶媒をゲル化可能なポリマ(「ポリマA」ともいう。)を含有してもよい。
本明細書において、有機溶媒をゲル化可能なポリマとは、有機溶媒の流動性を大きく低下させることができるポリマを意味し、具体的には、以下の流動性の評価において、位置Aと位置Bとの間の距離が1cm未満となるポリマを意味する。
まず、ガラスバイアル瓶(アズワン株式会社製、ラボランスクリュー管瓶No.4、13.5mL、底面の直径:約2cm、高さ:約4cmの円筒形)内に有機溶媒と有機溶媒をゲル化可能なポリマ(ポリマA)との混合物(有機溶媒/ポリマA=90/10(質量比))5gを投入して蓋をする。続いて、ポリマAのガラス転移温度以上の温度でポリマAを溶融させた後、ガラスバイアル瓶の底面側を下に、蓋側を上にした状態で、25℃で20時間静置する。この静置後のガラスバイアル瓶中の有機溶媒とポリマAとの混合物の最上面(ガラスバイアル瓶の底面から最も離れた面)の位置を位置Aとする。その後、ガラスバイアル瓶の天地を逆転させた状態(ガラスバイアル瓶の底面側を上に、蓋側を下にした状態)で、25℃で10分間静置する。この静置後のガラスバイアル瓶中の有機溶媒とポリマAとの混合物の最下面(ガラスバイアル瓶の底面から最も離れた面)の位置を位置Bとする。このようにして求めた位置Aと位置Bとの間の距離に基づいて、流動性を評価する。
ポリマAは、加熱により有機溶媒に溶解させて冷却することでゲル化するポリマ、電解質塩に含まれるカチオン又はアニオンにより開環、架橋しゲル化するような官能基を有するポリマ等であってよい。ポリマAは、後述する重合性化合物(モノマ)を重合開始剤とともに有機溶媒に添加し、加熱等によりモノマを重合させ、結果としてポリマAを得られるようなポリマであってもよい。
ポリマAは、例えば、(メタ)アクリル化合物に由来するモノマ単位を含んでいてよい。(メタ)アクリル化合物としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、N-イソプロピルアクリルアミド、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル、(エチレングリコール)メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メタクリル酸メチル等が挙げられる。
ポリマAは、例えば、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、アクリロニトリル、スチレン、ジアリルジメチルアンモニウム-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、イソプレンモノオキシド、又はエチレングリコールジグリシジルエーテルに由来するモノマ単位を含んでいてもよい。
ポリマAは、上記モノマ単位の1種のみを含むホモポリマであってよく、上記モノマ単位の2種以上を含むコポリマであってよく、上記モノマ単位の1種以上と上記モノマ単位以外のモノマ単位の1種以上とを含むコポリマであってよい。
ホモポリマとしては、ポリ(3-エチルオキセタン-3-イル)メタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリアクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル、ポリメタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、ポリエチレングリコール等が挙げられる。コポリマとしては、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ、メチルメタクリレートとオキセタニルメタクリレートとのコポリマ等が挙げられる。
ポリマAは、上記のようなポリマを1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。ポリマAは、二次電池1の長寿命化及び高入出力化の観点から、好ましくは、ペンタエリスリトールテトラアクリレートをモノマ単位として含むポリマ、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ、及びメチルメタクリレートとオキセタニルメタクリレートとのコポリマからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
ポリマAの含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.01質量%以上、0.1質量%以上、又は1質量%以上であってよく、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
ポリマAの含有量は、有機溶媒、電解質塩及びポリマAの合計含有量100質量部に対して、0.5質量部以上、2質量部以上、又は4質量部以上であってよく、20質量部以下、15質量部以下、又は10質量部以下であってよい。
正極合剤層11は、イオン液体を更に含有してもよい。イオン液体は、以下のアニオン成分及びカチオン成分を含有する。なお、本明細書におけるイオン液体は、-20℃以上で液状の物質である。
イオン液体のアニオン成分は、特に限定されないが、Cl、Br、I等のハロゲンのアニオン、BF [FSI]等の無機アニオン、B(C 、CHSO 、CFSO 、N(CSO 、[TFSI]、N(SOCFCF 等の有機アニオンなどであってよい。イオン液体のアニオン成分は、好ましくは、B(C 、CHSO 、N(CSO 、CFSO 、[FSI]、[TFSI]及びN(SOCFCF からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、比較的低粘度でイオン伝導度を更に向上させるとともに、充放電特性も更に向上させる観点から、より好ましくは、N(CSO 、CFSO 、[FSI]、[TFSI]、及びN(SOCFCF からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、更に好ましくは[FSI]を含有する。
イオン液体のカチオン成分は、特に限定されないが、好ましくは鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
鎖状四級オニウムカチオンは、例えば、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 0007442912000001
式(2)中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が1~20の鎖状アルキル基、又はR-O-(CH-で表される鎖状アルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)を表し、Xは、窒素原子又はリン原子を表す。R~Rで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。
ピペリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(3)で表される、窒素を含有する六員環環状化合物である。
Figure 0007442912000002
式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、又はR-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。
ピロリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(4)で表される五員環環状化合物である。
Figure 0007442912000003
式(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、又はR-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。
ピリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(5)で示される化合物である。
Figure 0007442912000004
式(5)中、R~R13は、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、R-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R~R13で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。
イミダゾリウムカチオンは、例えば、下記一般式(6)で示される化合物である。
Figure 0007442912000005
式(6)中、R14~R18は、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、R-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R14~R18で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。
イオン液体の含有量は、正極合剤層全量を基準として、3質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよく、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
正極合剤層11は、導電剤、結着剤等を更に含有してもよい。
導電剤は、特に限定されないが、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素材料などであってよい。導電剤は、上述した炭素材料の2種以上の混合物であってもよい。
導電剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
結着剤は、特に限定されないが、四フッ化エチレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート等をモノマ単位として含有するポリマ(ただし、上述したポリマAを除く)、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム等のゴムなどであってよい。
結着剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
正極合剤層11の厚さは、10μm以上、40μm以上、60μm以上、又は80μm以上であってよく、200μm以下、180μm以下、又は160μm以下であってよい。
電解質層9は、一実施形態において、ポリマ(以下「ポリマB」ともいう。)、酸化物粒子、及び電解質塩(以下「電解質塩B」ともいう。)を含有する。
ポリマBは、電解質層9に含まれる他の材料を保持するための母体となる(連続相を形成する)ポリマ(バインダポリマ)である。ポリマBは、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1のモノマ単位を有する。すなわち、ポリマBは、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、又はポリ四フッ化エチレンとポリフッ化ビニリデンとのコポリマであってよい。
ポリマBは、好ましくは1種又は2種以上のポリマであり、1種又は2種以上のポリマを構成するモノマ単位の中には、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1のモノマ単位と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる第2のモノマ単位とが含まれる。
第1のモノマ単位及び第2のモノマ単位は、1種のポリマに含まれてコポリマを構成してもよい。すなわち、電解質層9は、一実施形態において、第1のモノマ単位と第2のモノマ単位との両方を含む少なくとも1種のコポリマを含有する。コポリマは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ、フッ化ビニリデンとマレイン酸とのコポリマ、フッ化ビニリデンとメチルメタクリレートとのコポリマ等であってよい。電解質層9がコポリマを含有する場合、その他のポリマを更に含有していてもよい。
第1のモノマ単位及び第2のモノマ単位は、それぞれ別のポリマに含まれて、第1のモノマ単位を有する第1のポリマと、第2のモノマ単位を有する第2のポリマとの少なくとも2種のポリマを構成していてもよい。すなわち、電解質層9は、一実施形態において、第1のモノマ単位を含む第1のポリマと、第2のモノマ単位を含む第2のポリマとの少なくとも2種以上のポリマをポリマBとして含有する。電解質層9が第1のポリマ及び第2のポリマを含有する場合、その他のポリマを更に含有していてもよい。
第1のポリマは、第1のモノマ単位のみからなるポリマであってもよく、第1のモノマ単位に加えてその他のモノマ単位を更に有するポリマであってもよい。その他のモノマ単位は、エチレンオキシド(-CHCHO-)等の含酸素炭化水素構造であってよい。第1のポリマは、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、及び、これらの分子構造の内部に前記含酸素炭化水素構造を導入されたポリマであってよい。
第2のポリマは、第2のモノマ単位のみからなるポリマであってもよく、第2のモノマ単位に加えてその他のモノマ単位を更に有するポリマであってもよい。その他のモノマ単位は、エチレンオキシド(-CHCHO-)等の含酸素炭化水素構造であってよい。
第1のポリマと第2のポリマとの組合せとしては、ポリフッ化ビニリデンとポリアクリル酸、ポリ四フッ化エチレンとポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
第1のモノマ単位の含有量は、電解質層9の強度を更に向上させる観点から、ポリマBを構成するモノマ単位全量を基準として、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。第1のモノマ単位の含有量は、電解質層9にイオン液体が含まれる場合にイオン液体との親和性を更に向上させる観点から、ポリマBを構成するモノマ単位全量を基準として、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
第1のモノマ単位の含有量は、電解質層9の強度を更に向上させる観点から、第1のモノマ単位及び第2のモノマ単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上である。第1のモノマ単位の含有量は、電解質層9にイオン液体が含まれる場合にイオン液体との親和性を更に向上させる観点から、第1のモノマ単位及び第2のモノマ単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、99質量%以下、98質量%以下、97質量%以下、又は96質量%以下である。
第2のモノマ単位の含有量は、電解質層9にイオン液体が含まれる場合にイオン液体との親和性を更に向上させる観点から、ポリマBを構成するモノマ単位全量を基準として、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。第2のモノマ単位の含有量は、電解質層9の強度を更に向上させる観点から、ポリマBを構成するモノマ単位全量を基準として、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
第2のモノマ単位の含有量は、電解質層9にイオン液体が含まれる場合にイオン液体との親和性を更に向上させる観点から、第1のモノマ単位及び第2のモノマ単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、1質量%以上、3質量%以上、又は4質量%以上である。第2のモノマ単位の含有量は、電解質層9の強度を更に向上させる観点から、第1のモノマ単位及び第2のモノマ単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下である。
ポリマBの含有量は、電解質層9の強度を更に向上させる観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上である。ポリマBの含有量は、電解質層9の導電率を向上させる観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは28質量%以下である。
酸化物粒子は、例えば無機酸化物の粒子である。無機酸化物は、例えば、Li、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Zr、La、Na、K、Ba、Sr、V、Nb、B、Ge等を構成元素として含む無機酸化物であってよい。酸化物粒子は、好ましくは、SiO、Al、AlOOH、MgO、CaO、ZrO、TiO、LiLaZr12、及びBaTiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子である。酸化物粒子は極性を有するため、電解質層9中の電解質の解離を促進するとともに、ポリマBの非晶質化を助長して電解質のカチオン成分の拡散速度を高める。
酸化物粒子の平均一次粒径(一次粒子の平均粒径)は、電解質層9の導電率を向上させる観点から、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.015μm以上である。酸化物粒子の平均一次粒径は、電解質層9を薄くする観点から、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下である。酸化物粒子の平均一次粒径は、酸化物粒子を透過型電子顕微鏡等によって観察することによって測定できる。
酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.03μm以上である。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1μm以下である。酸化物粒子の平均粒径は、レーザー回折法により測定され、体積累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合に、体積累積が50%となる粒径に対応する。
酸化物粒子の形状は、例えば塊状又は略球状であってよい。酸化物粒子のアスペクト比は、電解質層9の薄層化を容易にする観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である。アスペクト比は、酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真にて、粒子の長軸方向の長さ(粒子の最大長さ)と、粒子の短軸方向の長さ(粒子の最小長さ)との比として定義される。粒子の長さは、前記写真を、市販の画像処理ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、A像くん(登録商標))を用いて、統計的に計算して求めることが可能である。
酸化物粒子の含有量は、電解質の解離を促進させる観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。酸化物粒子の含有量は、電解質層9の導電率を向上させる観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
電解質層9に含まれる電解質塩Bは、正極合剤層11に含まれる電解質塩Aとして例示した電解質塩であってよい。電解質層9に含まれる電解質塩Bは、正極合剤層11に含まれる電解質塩Aと同じであってよく、異なっていてもよい。
電解質塩Bの含有量は、電解質層9を好適に作製する観点から、電解質層全量を基準として、10質量%以上であってよく、60質量%以下であってよい。電解質塩Bの含有量は、電解質層9の導電率を高める観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは20質量%以上であり、二次電池1を高い負荷率で充放電することを可能にする観点から、より好ましくは30質量%以上である。
電解質層9は、イオン液体を更に含有してもよい。この場合、電解質塩Bはイオン液体に溶解した状態で存在していてもよい。電解質層9に含まれるイオン液体は、正極合剤層11に含まれるイオン液体として例示したものであってよい。
イオン液体の含有量は、電解質層9を好適に作製する観点から、電解質層全量を基準として、10質量%以上であってよく、60質量%以下であってよい。イオン液体の含有量は、電解質塩の含有量を増加させることにより、電解質層9の導電率を増大させて二次電池1を高い負荷率で充放電することを可能にする観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
電解質層9がイオン液体を含有する場合、電解質塩Bとイオン液体との合計の含有量は、導電率を更に向上させ、二次電池1の容量低下を抑制する観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、電解質層9の強度低下を抑制する観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
電解質層9がイオン液体を含有する場合、イオン液体の単位体積あたりの電解質塩Bの濃度は、充放電特性を更に向上させる観点から、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは0.7mol/L以上、更に好ましくは1.0mol/L以上であり、また、好ましくは2.0mol/L以下、より好ましくは1.8mol/L以下、更に好ましくは1.6mol/L以下である。
電解質層9の厚さは、強度を高めると共に、安全性を更に向上させる観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。電解質層9の厚さは、二次電池の内部抵抗を更に低減させる観点及び大電流特性を更に向上させる観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
接着部10は、例えば、シリコーン化合物、エポキシ化合物、ポリウレタン化合物、アクリル化合物等の硬化性化合物で形成されていてよく、電解質層9と正極集電体8をより好適に接着する観点、電解液に膨潤及び溶解しない耐溶剤性の観点、並びに電解液の揮発を抑制する遮蔽性の観点から、好ましくはシリコーン化合物である。シリコーン化合物としては、RTV(Room Temperature Vulcanizing)シリコーンゴム(例えば、一液縮合型RTVゴムKE-45(信越化学工業株式会社製))等のシリコーンゴムが挙げられる。接着部10は、これらの化合物の1種又は2種以上で形成されていてもよい。
接着部10の厚さは、10μm以上、40μm以上、60μm以上、又は80μm以上であってよく、200μm以下、180μm以下、又は160μm以下であってよい。接着部10の厚さは、正極合剤層11の厚さ以下であってよい。すなわち、接着部10の厚さは、正極合剤層11と同じ厚さであってよく、正極合剤層11よりも薄い厚さであってもよい。
正極集電体8において、接着部10が設けられている縁部の長さ(正極集電体8の縁からの長さ)は、正極集電体8の長さ又は幅の1%以上、3%以上、又は5%以上であってよく、15%以下、13%以下、又は10%以下であってよい。正極集電体8上に接着部10が設けられている面積は、例えば、正極集電体8の面積の3%以上、7%以上、又は10%以上であってよく、45%以下、35%以下、又は25%以下であってよい。
二次電池1の接着部10は、図3(a)に示すように正極集電体8の一面上の縁部全体に設けられているが、変形例として、正極集電体8と電解質層9とを十分に接着できる範囲であれば、正極集電体8の一面上の縁部全体に設けられていなくてもよく、正極集電体8の一面上における縁部の一部に設けられていてもよい。
接着部10は、電解質層9と接着している。電解質層9と接着部10との接着は、例えば、電解質層9と接着部10とが圧着されることによる接着であってよく、好ましくは、加熱により電解質層9に含まれる材料(例えば、ポリマB)と接着部10に含まれる材料が溶融することによる接着である。加熱による接着は、例えば、接着前の正極群6の縁部をヒートシールすることによって行うことができる(詳細は後述する)。
二次電池1では、図4(a)に示すように、接着部10が正極合剤層11と重ならないように設けられているが、変形例として、正極合剤層11が正極集電体8の一面上の縁部8pにも設けられ、当該縁部8p上における正極合剤層11上に接着部10を設けてもよい。この場合、当該縁部8p上の正極合剤層11及び接着部10の厚さの合計が、正極集電体8の一面上の中央部8q上に設けられた正極合剤層11の厚さと略同じ厚さとなることが好ましい。
正極群6において、正極合剤層11は、正極集電体8及び電解質層9の間に設けられ、かつ、電解質層9が接着部10を介して正極集電体8と接着している。すなわち、この正極群6では、正極合剤層11が、正極集電体8、電解質層9、及び接着部10によって形成される空間内に収容されているということができる。
図4(b)は、図2におけるIVb-IVbに沿った模式断面図である。図4(b)に示すように、負極群7は、負極集電体12と、電解質層9と、負極集電体12の一面上の縁部12pに設けられ、負極集電体12と電解質層9との間に設けられた接着部10と、負極集電体12の一面上の中央部12qに設けられ、負極集電体12と電解質層9との間に設けられた負極合剤層13と、を備える。電解質層9は、接着部10を介して負極集電体12に接着している。電解質層9、及び接着部10は、上述した正極群6におけるこれらの態様と同様であるため説明を省略する。
負極集電体12は、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属、それらの合金などで形成されていてよい。負極集電体12は、薄膜への加工のし易さ及びコストの観点から、好ましくは銅で形成されている。
負極合剤層13は、一実施形態において、負極活物質と、有機溶媒と、電解質塩Aとを含有する。
負極活物質は、黒鉛、非晶質炭素等の炭素材料、スズ、シリコン等を含む金属材料、チタン酸リチウム(LiTi12)、金属リチウムなどであってよい。
負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であってよい。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
負極合剤層13に含まれる有機溶媒及び電解質塩Aの種類及び含有量は、上述した正極合剤層11に含まれる有機溶媒及び電解質塩Aとして説明したものとそれぞれ同様であってよい。負極合剤層13に含まれる有機溶媒及び電解質塩Aは、それぞれ、正極合剤層11に含まれる有機溶媒及び電解質塩Aと同じであってよく異なっていてもよい。
負極合剤層13は、二次電池1からの有機溶媒の漏れを抑制する観点、及び負極集電体12と負極合剤層13との間の密着性を向上させる観点から、有機溶媒をゲル化可能なポリマ(ポリマA)を更に含有してもよい。負極合剤層13に含まれるポリマAの種類及び含有量は、上述した正極合剤層11に含まれるポリマAとして説明したものと同様であってよい。負極合剤層13に含まれるポリマAは、正極合剤層11に含まれるポリマAと同じであってよく異なっていてもよい。
負極合剤層13は、イオン液体を更に含有していてもよい。負極合剤層13に含まれるイオン液体の種類及び含有量は、上述した正極合剤層11に含まれるイオン液体として説明したものと同様であってよい。負極合剤層13に含まれるイオン液体は、正極合剤層11に含まれるイオン液体と同じであってよく異なっていてもよい。
負極合剤層13は、導電剤、結着剤等を更に含有してもよい。負極合剤層13に含まれる導電剤及び結着剤の種類及び含有量は、上述した正極合剤層11に含まれる導電剤及び結着剤として説明したものとそれぞれ同様であってよい。負極合剤層13に含まれる導電剤及び結着剤は、正極合剤層11に含まれる導電剤及び結着剤とそれぞれ同じであってよく異なっていてもよい。
負極合剤層13の厚さは、10μm以上、20μm以上、40μm以上、又は60μm以上であってよく、150μm以下、130μm以下、又は110μm以下であってよい。
負極群7においても、接着部10は、電解質層9と接着している。電解質層9と接着部10との接着は、上述した正極群6における電解質層9と接着部10との接着と同様の方法で行われてよい。
負極群7においても、負極合剤層13は、負極集電体12及び電解質層9の間に設けられ、かつ、電解質層9が接着部10を介して負極集電体12と接着している。すなわち、この負極群7では、負極合剤層13が、負極集電体12、電解質層9、及び接着部10によって形成される空間内に収容されているということができる。
二次電池1における正極群6及び負極群7では、電極合剤層に有機溶媒が保持されやすいため、有機溶媒によって電極活物質とイオン伝導成分である電解質塩との界面、及び、電極合剤層と電解質層との界面がそれぞれ良好に形成され、これらの電極群を含む二次電池1のサイクル特性等の電池特性を向上させることができる。
上述した二次電池1は、例えば、正極群6又は負極群7を含む電池部材から製造することができる。
図5は、電池部材の一実施形態を示す模式断面図である。図5(a)は、正極部材の一実施形態を示す模式断面図であり、図5(b)は、負極部材の一実施形態を示す模式断面図である。一実施形態に係る電池部材は、集電体と、電解質層と、電解質層の一面上であって集電体と反対側の面に設けられた基材と、集電体の一面上の縁部に設けられ、集電体と電解質層との間に設けられた接着部と、集電体の一面上の中央部に設けられ、集電体と電解質層との間に設けられた電極合剤層と、を備える。
電極合剤層が正極合剤層である場合、電池部材の一実施形態は図5(a)に示す正極部材14である。正極部材14は、正極集電体8と、電解質層9と、電解質層9の一面上であって正極集電体8の反対側の面9aに設けられた基材16と、正極集電体8の一面上の縁部8pに設けられ、正極集電体8と電解質層9との間に設けられた接着部10と、正極集電体8の一面上の中央部8qに設けられ、正極集電体8と電解質層9との間に設けられた正極合剤層11と、を備える。電極合剤層が負極合剤層である場合、電池部材の一実施形態は図5(b)に示す負極部材15である。負極部材15は、負極集電体12と、電解質層9と、電解質層9の一面上であって負極集電体12の反対側の面9aに設けられた基材16と、負極集電体12の一面上の縁部12pに設けられ、負極集電体12と電解質層9との間に設けられた接着部10と、負極集電体12の一面上の中央部12qに設けられ、負極集電体12と電解質層9との間に設けられた負極合剤層13と、を備える。正極集電体8、正極合剤層11、電解質層9、接着部10、負極集電体12及び負極合剤層13の態様は、上述した正極群6及び負極群7におけるこれらの態様とそれぞれ同様である。
基材16は、例えば樹脂で形成されている。基材16は、より具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン等の樹脂(汎用のエンジニアプラスチック)からなるフィルムであってよい。
基材16の厚さは、後述する電解質シート作製の際の強度を確保する観点、及び電極合剤層に含まれる有機溶媒の揮発を更に抑制できる観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは25μm以上である、基材16の厚さは、電池部材の体積を小さくする観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以下である。
正極部材14及び負極部材15では、図5(a)、図5(b)に示すように、基材16が電解質層9の接着部10及び電極合剤層(正極合剤層11又は負極合剤層13)とは反対側の面9a全体を覆っていることが好ましい。基材16が電解質層9の接着部10及び電極合剤層とは反対側の面9a全体を覆っていることにより、正極合剤層11又は負極合剤層13からの有機溶媒の揮発を更に抑制できる。
この電池部材(正極部材14及び負極部材15)では、有機溶媒を含有する電極合剤層(正極合剤層11及び負極合剤層13)が、電解質層9及び基材16によって覆われている。すなわち、この電池部材では、電極合剤層が、電極集電体、電解質層、及び接着部によって形成される空間内に収容されているということができる。そのため、電極合剤層に含まれる有機溶媒の揮発が抑制されている。さらに、集電体(正極集電体8及び負極集電体12)と電解質層9とが接着部10を介して接着しているため、電極合剤層の縁部(正極合剤層11の縁部11e又は負極合剤層13の縁部13e)からの有機溶媒の揮発も効果的に抑制されている。
また、この電池部材は電極合剤層からの有機溶媒の揮発が抑制されているため、電池部材として長期間にわたり保管することが可能である。
二次電池1における電極群2Aは、上述した正極部材14及び負極部材15を、基材16を全て剥離してからラミネート等により積層することによって製造することができる。基材16を剥離した正極部材14及び負極部材15を積層する際には、正極合剤層11及び負極合剤層13が電解質層9を介して対向するように積層すればよい。電極群2Aを電池外装体3に収容することによって、二次電池1が得られる。電極群2Aを電池外装体3に収容する際、電解液(有機溶媒及び電解質塩)を電池外装体3内に追加注液しなくてもよい。
この電池部材を用いて二次電池1を製造する場合、電池部材の製造時及び保管時に有機溶媒の揮発が抑制されているため、二次電池1の製造時に電解液(有機溶媒及び電解質塩)を追加注液する工程を省略することができる。したがって、二次電池1の製造時間を短縮することができる。
以上説明した電池部材は、例えば以下の方法によって製造することができる。一実施形態に係る電池部材の製造方法は、集電体、集電体の一面上の縁部に設けられた接着部、及び集電体の一面上の中央部に設けられた電極合剤層を有する電極と、基材及び基材の一面上に設けられた電解質層を有する電解質シートとが積層された積層体を得る工程(a)と、電解質層を、接着部を介して集電体に接着する工程(b)と、を備える。正極部材14及び負極部材15の製造方法は互いに同様の方法であってよいため、以下では正極部材14と負極部材15の区別をつけずに、電池部材の製造方法として説明する。
工程(a)は、一実施形態において、電極活物質を含有する電極活物質層を集電体の一面上の中央部に設け、かつ、集電体の前記一面上の縁部に接着部を設ける工程(w1)と、有機溶媒及び電解質塩を含有する組成物を、電極活物質層中に加えて電極合剤層を形成する工程(w2)と、集電体と電解質層との間に、接着部及び電極合剤層が挟まれるように電解質シートを積層する工程(w3)と、をこの順に備える。
図6は、一実施形態に係る電池部材の製造方法を示す模式断面図である。この方法における工程(w1)では、まず、集電体17と、集電体17の一面上の中央部17q上に設けられた電極活物質を含有する電極活物質層18とを備える電極積層体19を用意する(図6(a))。電極積層体19は、例えば、電極活物質、導電剤、バインダ等を含む材料を分散媒に分散させたスラリを調製し、当該スラリを集電体17の一面上の中央部17qに塗布した後に分散媒を揮発させることによって作製することができる。分散媒は、特に制限されないが、水、アルコールと水との混合溶媒等の水系溶剤、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の有機溶剤であってよい。
次いで、集電体17において、電極活物質層18側の一面上の縁部17pに接着部10を設ける(図6(b))。接着部10を設ける箇所は、例えば、電極活物質層18が設けられていない集電体17の面上である。接着部10を設ける方法は、特に限定されるものではないが、例えばシリンジ式ディスペンサーを用いる方法である。すなわち、集電体17の一面上の縁部17pに、シリンジから接着部10の材料(硬化前の化合物)を吐出して、その後硬化させることにより接着部10を作製する方法である。
接着部10を設ける縁部の長さ(集電体17の縁からの長さ)は、集電体17の長さ又は幅の1%以上、3%以上、又は5%以上であってよく、15%以下、13%以下、又は10%以下であってよい。集電体17上に接着部10が設けられている面積は、例えば、集電体17の面積の3%以上、7%以上、又は10%以上であってよく、45%以下、35%以下、又は25%以下であってよい。接着部10は、集電体17の一面上の縁部17p全体に設けられてもよく、集電体17の一面上の縁部17pの一部に設けられてもよい。
図6(a)、図6(b)では、集電体17の一面上の中央部17qに電極活物質層18を設けた後、集電体17の一面上の縁部17pに接着部10を設けているが、集電体17の一面上の縁部17pに接着部10を設けた後、集電体17の一面上の中央部17qに電極活物質層18を設けてもよい。
次に、工程(w2)では、有機溶媒及び電解質塩Aを含有する電解液組成物20を電極活物質層18中に加えて、電極合剤層21を形成する(図6(c)、図6(d))。電解液組成物20を電極活物質層18中に加える方法は、電解液組成物20を電極活物質層18に含浸させる方法ということもできる。電解液組成物20を電極活物質層18中に加える方法は、例えば、滴下による方法、コンマコータ又はダイコータ等を用いた塗布による方法、印刷による方法、スプレーによる方法、電極積層体19を電解液組成物20に浸漬させるディップコーティングによる方法などであってよい。得られる電極合剤層21は、電極活物質と、電極活物質間に配置(充填)された電解液組成物20とを含んでいる。これにより、集電体17、集電体の一面上の縁部17pに設けられた接着部10、及び集電体17の一面上の中央部17qに設けられた電極合剤層21を有する電極22が得られる。
電解液組成物20における有機溶媒及び電解質塩Aの含有量は、電極合剤層21における各成分の所望の含有量とそれぞれ略一致するように調整すればよい。
次に、工程(w3)では、基材16と、基材16の一面16a上に設けられた電解質層9とを有する電解質シート23を用意して、電極22と電解質シート23とを積層する(図6(e))。このとき、接着部10及び電極合剤層21が、電解質シート23における電解質層9と集電体17との間に配置されるように、電解質シート23を積層する。好ましくは、電解質層9が電極合剤層21及び接着部10の集電体17とは反対側の面全体を覆うように電解質シート23を積層する。これにより、集電体17と電解質層9との間に、接着部10及び電極合剤層21が挟まれた積層体24が得られる。
電解質シート23は、一実施形態において、電解質層9に用いる材料(固形分)を分散媒に分散させてスラリを得た後、これを基材16の一面16a上に塗布してから分散媒を揮発させることにより作製される。このときに用いられる分散媒は、好ましくは水、NMP、トルエン等である。
次に、工程(b)では、電解質シート23における電解質層9を、接着部10を介して集電体17に接着する(図6(f))。すなわち、電解質層9及び接着部10を互いに接着する。このとき、好ましくは、電解質層9及び接着部10が、他の接着成分を介することなく直接接着される。電極合剤層21は電解質層9に接していればよく、電解質層9に接着していなくてよい。これにより、電池部材30(正極部材14又は負極部材15)が得られる。
電解質層9及び接着部10を接着する方法は、例えば、電解質層9及び接着部10に圧力をかけて接着する方法、すなわち、圧着する方法であってよい。圧着の際には、基材16を介して圧力をかけてよい。
圧着する際の圧力は、接着部10と電解質層9の接着の観点から、好ましくは100Pa以上、より好ましくは150Pa以上、更に好ましくは200Pa以上である。圧力は、基材16、電解質層9、接着部10の形状保持の観点から、好ましくは1MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下、更に好ましくは0.1MPa以下である。
圧着時間は、接着部10と電解質層9の接着の観点から、好ましくは0.5秒間以上、より好ましくは1秒間以上、更に好ましくは1.5秒間以上である。圧着時間は、電池の製造時間短縮の観点から、好ましくは10秒間以下、より好ましくは8秒間以下、更に好ましくは5秒間以下である。
電解質層9及び接着部10を圧着する方法は、電解質層9及び接着部10をより強固に接着する観点から、好ましくは加熱しながら圧着する方法(ヒートシール)である。これにより、電解質層9に含まれる材料(例えばポリマB)と、接着部10が溶融して、電解質層9及び接着部10がより強固に接着する。
ヒートシールの際の加熱温度は、接着部10と電解質層9の接着の観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上である。加熱温度は、基材16、電解質層9の熱安定性の観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは160℃以下である。ヒートシールの際の圧力及びシール時間は、上述した圧着の際の圧力及び圧着時間と同様であってよい。
他の実施形態では、工程(a)は、有機溶媒及び電解質塩を含有する組成物を、集電体の一面上の中央部に設けられた電極活物質を含有する電極活物質層に加えて電極合剤層を形成する工程(x1)と、集電体の一面上の縁部に接着部を設ける工程(x2)と、集電体と電解質層との間に、接着部及び前記電極合剤層が挟まれるように電解質シートを積層する工程(x3)と、をこの順に備える。
図7は、他の実施形態に係る電池部材の製造方法を示す模式断面図である。この方法における工程(x1)では、まず、集電体17と、集電体17の一面上の中央部17q上に設けられた電極活物質を含有する電極活物質層18とを備える電極積層体19を用意する(図7(a))。
次いで、有機溶媒及び電解質塩Aを含有する電解液組成物20を電極活物質層18中に加えて、電極合剤層21を形成する(図7(b)、図7(c))。電解液組成物20を電極活物質層18中に加える方法は、上述した実施形態に係る工程(w2)における方法と同様であってよい。得られる電極合剤層21は、電極活物質と、電極活物質間に配置(充填)された電解液組成物20とを含んでいる。
次に、工程(x2)では、集電体17において、電極合剤層21側の一面上の縁部17pに接着部10を設ける(図7(d))。接着部10を設ける方法は、上述した実施形態と同様の方法であってよい。これにより、集電体17、集電体の一面上の縁部17pに設けられた接着部10、及び集電体17の一面上の中央部17qに設けられた電極合剤層21を有する電極22が得られる。
次に、工程(x3)では、基材16と、基材16の一面16a上に設けられた電解質層9とを有する電解質シート23を用意して、電極22と電解質シート23とを積層する(図7(e))。電解質シート23を積層する方法は、上述した実施形態と同様の方法であってよい。これにより、集電体17と電解質層9との間に、接着部10及び電極合剤層21が挟まれた積層体24が得られる。
次に、工程(b)では、電解質シート23における電解質層9を、接着部10を介して集電体17に接着する(図7(f))。電解質層9を集電体17に接着する方法は、上述した実施形態と同様の方法であってよい。これにより、電池部材30が得られる。
他の実施形態では、工程(a)は、電極活物質を含有する電極活物質層を集電体の一面上の中央部に設け、かつ、集電体の一面上の縁部に接着部を設ける工程(y1)と、集電体と電解質層との間に接着部及び電極合剤層が挟まれるように電解質シートを積層する工程(y2)と、有機溶媒及び電解質塩を含有する組成物を、電極活物質層中に加えて電極合剤層を形成する工程(y3)と、をこの順に備える。
図8は、他の実施形態に係る電池部材の製造方法を示す模式断面図である。この方法における工程(y1)では、まず、集電体17と、集電体17の一面上の中央部17q上に設けられた電極活物質を含有する電極活物質層18とを備える電極積層体19を用意する(図8(a))。
次いで、集電体17において、電極活物質層18側の一面上の縁部17pに接着部10を設ける(図8(b))。集電体17の一面上の縁部17pに接着部10を設ける方法は、上述した実施形態と同様の方法であってよい。
図8(a)、図8(b)では、集電体17の一面上の中央部17qに電極活物質層18を設けた後、集電体17の一面上の縁部17pに接着部10を設けているが、集電体17の一面上の縁部17pに接着部10を設けた後、集電体17の一面上の中央部17qに電極活物質層18を設けてもよい。
次に、工程(y2)では、基材16と、基材16の一面16a上に設けられた電解質層9とを有する電解質シート23を用意して、接着部10及び電極活物質層18が、電解質シート23における電解質層9と集電体17との間に配置されるように、電解質シート23を積層する。(図8(c))。好ましくは、電解質層9が電極活物質層18及び接着部10の集電体17とは反対側の面全体を覆うように電解質シート23を積層する。
次に、工程(y3)では、例えば注入用器具25を用いて、有機溶媒及び電解質塩Aを含有する電解液組成物(図示せず)を電極活物質層18中に加えて、電極合剤層21を形成する(図8(d)、図8(e))。電解液組成物20を電極活物質層18中に加える方法は、注入用器具25による注入の他、電解質層9及び電極活物質層18の間から電解液組成物を滴下する方法、スプレーする方法等であってもよい。これにより、集電体17と電解質層9との間に、接着部10及び電極合剤層21が挟まれた積層体24が得られる。
次に、工程(b)では、電解質シート23における電解質層9を、接着部10を介して集電体17に接着する(図8(f))。電解質層9を集電体17に接着する方法は、上述した実施形態と同様の方法であってよい。これにより、電池部材30が得られる。
以上説明した各実施形態に係る電池部材の製造方法において、電池部材における電極合剤層が上述したポリマAを含有する場合、電解液組成物が上述したポリマAを含有し、工程(b)の後に、電解液組成物をゲル化させる工程(c)を更に備えてもよい。すなわち、電池部材の製造方法の他の一実施形態は、工程(w1)、工程(w2)、工程(w3)、工程(b)及び工程(c)をこの順に備えていてよく、工程(x1)、工程(x2)、工程(x3)、工程(b)及び工程(c)をこの順に備えていてもよく、工程(y1)、工程(y2)、工程(y3)、工程(b)及び工程(c)をこの順に備えていてもよい。
工程(c)において、ポリマAにより有機溶媒をゲル化する方法は、加熱による方法であってよい。工程(c)では、例えば、電解質層9を、接着部10を介して集電体17に接着した後、得られた電池部材30を恒温槽又は乾燥機により加熱して、有機溶媒をゲル化する。
工程(c)における加熱温度は、ポリマAがゲル化する温度であればよく、例えば、40℃以上、50℃以上、又は55℃以上であってよく、120℃以下、100℃以下、又は80℃以下であってよい。加熱時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、又は3時間以上であってよく、10時間以下、8時間以下、又は6時間以下であってよい。
他の一実施形態では、工程(a)で用いられる電解液組成物が、有機溶媒及び電解質塩Aに加えて重合性化合物を更に含有しており、この場合、工程(b)の後に、電極合剤層中の重合性化合物を重合させる工程(d)を更に含んでいてよい。すなわち、電池部材の製造方法の他の一実施形態は、工程(w1)、工程(w2)、工程(w3)、工程(b)及び工程(d)をこの順に備えていてよく、工程(x1)、工程(x2)、工程(x3)、工程(b)及び工程(d)をこの順に備えていてもよく、工程(y1)、工程(y2)、工程(y3)、工程(b)及び工程(d)をこの順に備えていてもよい。
この実施形態では、電解液組成物は、有機溶媒、電解質塩A及び重合性化合物を含有し、好ましくは、重合性化合物の重合を開始させる重合開始剤を更に含有する。
重合性化合物は、重合することにより上記ポリマAを構成し得るモノマ及びオリゴマからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。つまり、重合性化合物は、重合することにより有機溶媒をゲル化可能なポリマ(ポリマA)になる化合物(モノマ又はオリゴマ)である。
重合性化合物は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸メチル、スチレン、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウム-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル、(エチレングリコール)メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソプレンモノオキシド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、及びこれらのオリゴマからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であってよい。
電解液組成物における重合性化合物の含有量(合計含有量)は、電極合剤層におけるポリマAの所望の含有量と略一致するように調整すればよい。
重合開始剤は、公知の重合開始剤から適宜選択すればよい。重合開始剤は、例えば、アゾ化合物系重合開始剤、有機過酸化物系重合開始剤等であってよく、これら以外の重合開始剤であってもよい。
アゾ化合物系重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、tert-ブチルパーオキシアセテート、2,2-ジ-(tert-ブチルパーオキシ)ブタン、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル-4,4-ジ-(tert-ブチルパーオキシ)バレレート、ジ-(2-tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ-tert-ヘキシルパーオキサイド、2,5,-ジメチル-2,5,-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、tert-ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
電解液組成物中の重合開始剤の含有量は、重合性化合物の含有量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上であってよく、10質量部以下であってよい。
工程(d)では、電極合剤層中の重合性化合物を重合させる。これにより、重合性化合物からポリマAが形成されると共に、ポリマAによって有機溶媒がゲル化され得る。
重合性化合物を重合させる方法は、例えば、熱を加えることによって重合させる方法(加熱重合)であってよい。加熱温度及び加熱時間は、重合性化合物の種類に応じて適宜設定すればよい。加熱温度は、例えば、30℃以上、40℃以上、又は50℃以上であってよく、100℃以下、90℃以下、又は80℃以下であってよい。加熱時間は、例えば、1時間以上、3時間以上、又は5時間以上であってよく、48時間以下、32時間以下、又は16時間以下であってよい。重合させる方法は、光を照射することによって重合させる方法(光重合)であってもよい。
以上説明した電極群(正極群及び負極群)及び電池部材(正極部材及び負極部材)は、変形例として、長尺状の電極群又は電池部材とすることができる。長尺状の電極群は、上述した正極群6又は正極群7において、集電体(正極集電体8及び負極集電体12)、電極合剤層(正極合剤層11及び負極合剤層13)、接着部10及び電解質層9がそれぞれ長尺状に形成された電極群である。長尺状の電極群においても、集電体と電解質層との間に接着部及び電極合剤層が設けられ、電解質層は集電体の一面上の縁部に設けられた接着部を介して集電体に接着している。すなわち、図4(a)及び図4(b)に示す正極群6及び負極群7は、例えば図4(a)及び図4(b)に示す断面に対して垂直な方向に延びる長尺状であってよい。
長尺状の電池部材は、上述した正極部材14及び負極部材15において、集電体(正極集電体8及び負極集電体12)、電極合剤層(正極合剤層11及び負極合剤層13)、接着部10、電解質層9及び基材16がそれぞれ長尺状に形成された電池部材である。長尺状の電池部材においても、集電体と電解質層との間に接着部及び電極合剤層が設けられ、電解質層は集電体の一面上の縁部に設けられた接着部を介して集電体に接着している。すなわち、図5(a)及び図5(b)に示す正極部材14及び負極部材15は、例えば図5(a)及び図5(b)に示す断面に対して垂直な方向に延びる長尺状であってよい。
長尺状の電極群及び電池部材では、長辺である2辺において、電解質層が接着部を介して集電体に接着していてもよい。すなわち、長尺状の電極群及び電池部材における短辺の2辺では、接着部が設けられなくてもよく、電解質層と集電体とが接着していなくともよい。長尺状の電極群及び電池部材においては、電解質層及び集電体が、長辺である2辺のみにおいて接着部を介して接着していても、電極合剤層からの有機溶媒の揮発を十分に抑制できる。
長尺状の電池部材は、上記説明した電池部材30の製造方法と同様の方法によって製造できるが、上述した工程(a)及び工程(b)を連続的に行うことができる。例えば、長尺状の集電体の一面上の中央部に電極合剤層を設けつつ、当該集電体の一面上の縁部に接着部を設けながら、基材及び電解質層を有する長尺状の電解質シートをこれに積層し、積層された箇所から、電解質層及び集電体を接着部を介して順次接着していくことにより、長尺状の電池部材を得ることができる。長尺状の集電体の一面上の中央部に電極合剤層を設けることには、長尺状の集電体の一面上の中央部に電極積層体を配置しながら、上述した電解液組成物を電極活物質層に加えて電極合剤層とすることを含む。
長尺状の電池部材は、所定の大きさで切断して矩形状の電池部材とすることができる。また、長尺状の正極部材及び長尺状の負極部材について、それぞれの基材を剥離しながら積層し巻回することにより、巻回型の二次電池を製造するための電極群を得ることができる。
次に、図1に示した二次電池の電極群2の他の実施形態について説明する。図9は、二次電池の電極群の他の一実施形態を分解した状態を示す模式断面図である。図9では、図2~図4に示した電極群2Aと同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図9に示すように、他の一実施形態における二次電池が上述した実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、両面に正極合剤層11を有する正極集電体8を備える両面塗工型の正極群31と、両面に負極合剤層13を有する負極集電体12を備える両面塗工型の負極群32を更に備えている点である。
電極群2Bは、上述した正極群6(片面塗工型の正極群)、両面塗工型の負極群32、両面塗工型の正極群31、及び上述した負極群7(片面塗工型の負極群)をこの順に備えていると見ることができる。両面塗工型の正極群31は、正極集電体8と、正極集電体8の両面上の縁部8p,8pに設けられた一対の接着部10,10と、正極集電体8の両面上の中央部8q,8qに設けられた一対の正極合剤層11,11と、正極集電体8上に、一対の接着部10,10及び一対の正極合剤層11,11を挟んで設けられた一対の電解質層9,9と、を備える。両面塗工型の正極群31における一対の電解質層9,9は、一対の接着部10,10を介して正極集電体8,8の両面にそれぞれ接着している。
両面塗工型の負極群32は、負極集電体12と、負極集電体12の両面上の縁部12p,12pに設けられた一対の接着部10,10と、負極集電体12の両面上の中央部12q,12qに設けられた一対の負極合剤層13,13と、負極集電体12上に、一対の接着部10,10及び一対の負極合剤層13,13を挟んで設けられた一対の電解質層9,9と、を備える。両面塗工型の負極群32における一対の電解質層9,9は、一対の接着部10,10を介して負極集電体12,12の両面にそれぞれ接着している。
両面塗工型の正極群31及び両面塗工型の負極群32は、集電体と、集電体の両面上の縁部に設けられた一対の接着部と、集電体の両面上の中央部に設けられた一対の電極合剤層と、集電体上に接着部及び電極合剤層を挟んで設けられた一対の電解質層と、一対の電解質層の一面上であって接着部及び電極合剤層の反対側の面に設けられた一対の基材と、を備え、一対の電解質層が一対の接着部を介して集電体に接着している電池部材を用いて製造することができる。この電池部材は、上述した実施形態の電池部材の製造方法において、集電体の両面に接着部及び電極合剤層を形成すること以外は同様の方法によって製造することができる。
図10は、二次電池の電極群の更なる他の一実施形態を分解した状態を示す模式断面図である。図10では、図2~図4に示した電極群2Aと同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図10に示すように、他の一実施形態における二次電池が上述した実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Cが、一方の面に設けられた正極合剤層11及び他方の面に設けられた負極合剤層13を有するバイポーラ電極集電体33を備えるバイポーラ電極群34を備えている点である。
電極群2Cは、上述した正極群6、バイポーラ電極群34、及び上述した負極群7をこの順に備えていると見ることができる。バイポーラ電極群34は、バイポーラ電極集電体33と、バイポーラ電極集電体33の両面上の縁部33p,33pに設けられた一対の接着部10,10と、バイポーラ電極集電体33の一方の面上の中央部33qに設けられた正極合剤層11と、バイポーラ電極集電体33の他方の面上の中央部33rに設けられた負極合剤層13と、バイポーラ電極集電体33上に接着部10及び正極合剤層11を挟んで設けられた第1の電解質層9と、バイポーラ電極集電体33上に接着部10及び負極合剤層13を挟んで設けられた第2の電解質層9と、を備える。
図10に示すように、バイポーラ電極群34においては、負極合剤層13が、電解質層9(バイポーラ電極群34における電解質層9及び正極群6における電解質層9)を介して正極群6における正極合剤層11に接している。さらに、バイポーラ電極群34においては、正極合剤層11が、電解質層9(バイポーラ電極群34における電解質層9及び負極群7における電解質層9)を介して負極群7における負極合剤層13に接している。
バイポーラ電極集電体33は、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、チタン等の金属単体、アルミニウムと銅又はステンレス鋼と銅を圧延接合してなるクラッド材などで形成されている。
バイポーラ電極群34は、バイポーラ電極集電体と、バイポーラ電極集電体の両面上の縁部に設けられた一対の接着部と、バイポーラ電極集電体の一方の面上の中央部に設けられた正極合剤層と、バイポーラ電極集電体の他方の面上の中央部に設けられた負極合剤層と、バイポーラ電極集電体上に接着部及び正極合剤層を挟んで設けられた第1の電解質層と、バイポーラ電極集電体上に接着部及び負極合剤層を挟んで設けられた第2の電解質層と、一対の電解質層(第1の電解質層及び第2の電解質層)の一面上であって接着部及び電極合剤層(正極合剤層及び負極合剤層)とは反対側の面に設けられた一対の基材と、を備える電池部材を用いて製造することができる。この電池部材は、上述した実施形態の電池部材の製造方法において、バイポーラ電極集電体の一方の面に正極合剤層を形成し、バイポーラ電極集電体の他方の面に負極合剤層を形成すること以外は同様の方法によって製造することができる。
以上説明した他の実施形態に係る電極群においても、電極合剤層に有機溶媒が保持されやすいため、有機溶媒によって電極活物質とイオン伝導成分である電解質塩との界面、及び、電極合剤層と電解質層との界面がそれぞれ良好に形成され、これらの電極群を含む二次電池のサイクル特性等の電池性能を向上させることができる。
また、両面塗工型の正極群31、両面塗工型の負極群32、及びバイポーラ電極群34を製造するための電池部材は、それぞれ、有機溶媒を含有する電極合剤層(正極合剤層及び負極合剤層)が、電解質層及び基材によって覆われている。さらに、集電体(正極集電体、負極集電体、及びバイポーラ電極集電体)と電解質層とが接着部を介して接着している。したがって、これらの電池部材においても、電極合剤層からの有機溶媒の揮発が抑制される。
1…二次電池、6…正極群、7…負極群、8…正極集電体、9…電解質層、10…接着部、11…正極合剤層、12…負極集電体、13…負極合剤層、14…正極部材、15…負極部材、16…基材、17…集電体、18…電極活物質層、20…組成物(電解液組成物)、21…電極合剤層、23…電解質シート、30…電池部材。

Claims (20)

  1. 集電体、前記集電体の一面上の縁部に設けられた接着部、及び前記集電体の一面上の中央部に設けられた電極合剤層を有する電極と、基材及び前記基材の一面上に設けられた電解質層を有する電解質シートとが積層された積層体を得る工程(a)と、
    前記電解質層を、前記接着部を介して前記集電体に接着する工程(b)と、を備え、
    前記工程(a)において、前記積層体は、前記集電体と前記電解質層との間に前記接着部及び前記電極合剤層が挟まれるように積層された積層体であり、
    前記電極合剤層は、電極活物質、有機溶媒及び電解質塩を含有する、電池部材の製造方法。
  2. 前記工程(a)は、
    前記電極活物質を含有する電極活物質層を前記集電体の前記一面上の中央部に設け、かつ、前記集電体の前記一面上の縁部に前記接着部を設ける工程(w1)と、
    前記有機溶媒及び前記電解質塩を含有する組成物を、前記電極活物質層中に加えて前記電極合剤層を形成する工程(w2)と、
    前記集電体と前記電解質層との間に、前記接着部及び前記電極合剤層が挟まれるように前記電解質シートを積層する工程(w3)と、をこの順に備える、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(a)は、
    前記有機溶媒及び前記電解質塩を含有する組成物を、前記集電体の前記一面上の中央部に設けられた前記電極活物質を含有する電極活物質層に加えて前記電極合剤層を形成する工程(x1)と、
    前記集電体の前記一面上の縁部に前記接着部を設ける工程(x2)と、
    前記集電体と前記電解質層との間に、前記接着部及び前記電極合剤層が挟まれるように前記電解質シートを積層する工程(x3)と、をこの順に備える、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記工程(a)は、
    前記電極活物質を含有する電極活物質層を前記集電体の前記一面上の中央部に設け、かつ、前記集電体の前記一面上の縁部に前記接着部を設ける工程(y1)と、
    前記集電体と前記電解質層との間に前記接着部及び前記電極合剤層が挟まれるように前記電解質シートを積層する工程(y2)と、
    前記有機溶媒及び前記電解質塩を含有する組成物を、前記電極活物質層中に加えて前記電極合剤層を形成する工程(y3)と、をこの順に備える、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記電極合剤層が、前記有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記工程(b)の後に、前記有機溶媒をゲル化させる工程(c)を更に備える、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記組成物が、重合性化合物を更に含有し、前記重合性化合物は、重合することにより前記有機溶媒をゲル化可能なポリマになる化合物である、請求項2~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記工程(b)の後に、前記電極合剤層中の前記重合性化合物を重合させる工程(d)を更に備える、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記電解質層が、ポリマ、酸化物粒子及び電解質塩を含有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記有機溶媒が炭酸エステルを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記基材は、前記電解質層の前記接着部及び前記電極合剤層とは反対側の面全体を覆う、請求項1~10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 集電体と、
    電解質層と、
    前記電解質層の一面上であって前記集電体と反対側の面に設けられた基材と、
    前記集電体の一面上の縁部に設けられ、前記集電体と前記電解質層との間に設けられた接着部と、
    前記集電体の前記一面上の中央部に設けられ、前記集電体と前記電解質層との間に設けられた電極合剤層と、を備え、
    前記電解質層は前記接着部を介して前記集電体に接着しており、
    前記電極合剤層は、電極活物質、有機溶媒及び電解質塩を含有する、電池部材。
  13. 前記電極合剤層が、前記有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有する、請求項12に記載の電池部材。
  14. 前記電解質層が、ポリマ、酸化物粒子及び電解質塩を含有する、請求項12又は13に記載の電池部材。
  15. 前記有機溶媒が炭酸エステルを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の電池部材。
  16. 前記基材は、前記電解質層の前記接着部及び前記電極合剤層とは反対側の面全体を覆う、請求項12~15のいずれか一項に記載の電池部材。
  17. 集電体と、
    電解質層と、
    前記集電体の一面上の縁部に設けられ、前記集電体と前記電解質層との間に設けられた接着部と、
    前記集電体の前記一面上の中央部に設けられ、前記集電体と前記電解質層との間に設けられた電極合剤層と、を備え、
    前記電解質層は前記接着部を介して前記集電体に接着しており、
    前記電極合剤層は、電極活物質、有機溶媒及び電解質塩を含有する、二次電池。
  18. 前記電極合剤層が、前記有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有する、請求項17に記載の二次電池。
  19. 前記電解質層は、ポリマ、酸化物粒子及び電解質塩を含有する、請求項17又は18に記載の二次電池。
  20. 前記有機溶媒が炭酸エステルを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の二次電池。
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