JP7440551B2 - タンクカバー - Google Patents

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Description

本発明は、タンクカバーに関する。
特許文献1には、鞍乗型車両の燃料タンクをタンクカバーで覆うことが開示されている。
特許第6662603号公報
鞍乗型車両の衝突等に起因して、タンクカバーに荷重が加わると、タンクカバーに割れが発生する可能性がある。従来は、タンクカバーと燃料タンクとのクリアランスを狭くすることで、割れの発生を抑制している。しかしながら、タンクカバーの表面は、鞍乗型車両の意匠面を構成する。タンクカバーと燃料タンクとのクリアランスを狭くすると、タンクカバーのデザインが制約される。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の態様は、鞍乗型車両の燃料タンクを覆うタンクカバーであって、前記タンクカバーは、前記燃料タンクの上面の少なくとも一部を覆うセンターカバーと、前記センターカバーに連結され、且つ、前記燃料タンクの側面を覆うサイドカバーと、を備え、前記センターカバーは、前記燃料タンクの上面と向かい合う前記センターカバーの底面に形成された複数のリブ部を有し、複数の前記リブ部は、第1リブ部と、前記第1リブ部よりも低い第2リブ部とを有する。
本発明では、センターカバーにリブを設けることにより、センターカバーの耐荷重性を向上させる。これにより、センターカバーの割れの発生を抑制することができる。また、高さの異なる複数のリブ(第1リブ部、第2リブ部)を設けることにより、センターカバーと燃料タンクとのクリアランスに依らず、センターカバーのデザインを設計することが可能となる。これにより、タンクカバーのデザインの自由度を向上させることができる。
図1は、自動二輪車の左側面図である。 図2は、自動二輪車の平面図である。 図3は、タンクカバー及びシュラウドの斜視図である。 図4は、タンクカバー及びシュラウドの斜視図である。 図5は、タンクカバー及びシュラウドの正面図である。 図6は、タンクカバー及びシュラウドの背面図である。 図7は、タンクカバー及びシュラウドの平面図である。 図8は、センターカバーの斜視図である。 図9は、センターカバーの斜視図である。 図10は、センターカバーの斜視図である。 図11は、センターカバーの後端部の拡大斜視図である。 図12は、図2のXII-XII線に沿った断面図である。 図13は、インナーシュラウドの斜視図である。 図14は、インナーシュラウドの正面図である。 図15は、インナーシュラウドの左側面図である。
図1は、自動二輪車10(鞍乗型車両)の左側面図である。図2は、自動二輪車10の平面図である。以下の説明では、自動二輪車10が前進する方向を前方として、前後、左右及び上下の方向を説明する。
自動二輪車10は、車体フレーム12(車体)を備える。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、メインフレーム16と、センターフレーム18と、ダウンフレーム20と、左右一対のシートフレーム22と、左右一対のサブフレーム24と、左右一対のステップフレーム26とを備える。
ヘッドパイプ14は、車体フレーム12の前端部の一部である。メインフレーム16は、ヘッドパイプ14から後方且つ斜め下方に延びている。センターフレーム18は、メインフレーム16の後端部から下方に延びている。センターフレーム18の下部には、ピボット支持部(不図示)が設けられている。ダウンフレーム20は、メインフレーム16よりも下方で、ヘッドパイプ14から後方且つ斜め下方に延びている。
左右のシートフレーム22の各々は、メインフレーム16の後端部から後方に延びている。左右のサブフレーム24の各々は、センターフレーム18の下部とシートフレーム22とを連結する。左右のステップフレーム26の各々は、センターフレーム18の下部から後方に延びている。
自動二輪車10は、前輪28と、後輪30と、フロントフェンダ32と、リアフェンダ34と、エンジン36と、シート38と、燃料タンク40とをさらに備える。図2に示すように、シート38及び燃料タンク40は、前後方向に沿った自動二輪車10の中心軸41上に位置している。
図1に示すように、ヘッドパイプ14には、フロントフォーク42が揺動可能に支持されている。フロントフォーク42は、ステアリングシャフト(不図示)と、左右一対のフォークパイプ44と、トップブリッジ46と、ボトムブリッジ48とを有する。
ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ14に回動可能に支持されている。左右のフォークパイプ44は、前輪28の左右両側に配置されている。左右のフォークパイプ44の下端部には、前輪28が回転可能に支持されている。トップブリッジ46は、ステアリングシャフトの上端部に固定されている。トップブリッジ46は、左右のフォークパイプ44の上端部を連結する。トップブリッジ46の上部には、ハンドル50が固定されている。ボトムブリッジ48は、ステアリングシャフトの下端部に固定されている。ボトムブリッジ48は、左右のフォークパイプ44を連結する。従って、前輪28は、フロントフォーク42を介して、車体フレーム12の前端部に操舵可能に支持されている。フロントフェンダ32は、前輪28を上方から覆う。
ピボット支持部には、ピボット軸52が連結されている。ピボット軸52には、スイングアーム54の前端部が支持されている。スイングアーム54は、前端部が揺動可能にピボット軸52に支持されている。スイングアーム54は、ピボット軸52から後方に延びている。スイングアーム54は、後輪30の左側方にまで延びている。スイングアーム54の後端部は、後輪30を回転可能に支持する。リアフェンダ34は、左右のシートフレーム22の後端部から後方に延びている。リアフェンダ34は、後輪30を上方から覆う。
エンジン36は、メインフレーム16の下方で、センターフレーム18とダウンフレーム20との間に配置されている。エンジン36は、クランクケース56と、シリンダ部58とを有する。クランクケース56は、左右方向(車幅方向)に延びるクランク軸(不図示)を支持する。クランクケース56の後部には、変速機(不図示)が内蔵されている。
シリンダ部58は、クランクケース56の前部から、前方且つ斜め上方に延びている。シリンダ部58には、吸気装置(不図示)と、排気装置60とが接続されている。吸気装置は、シリンダ部58の後部に接続されている。排気装置60は、シリンダ部58の前部に接続されている。排気装置60は、排気管62と、マフラー64とを有する。排気管62は、シリンダ部58の前面から下方に延び、クランクケース56の下方で屈曲して後方に延びている。マフラー64は、排気管62の後端に接続され、後方に延びている。マフラー64は、後輪30の右側方にまで延びている(図2参照)。
シート38は、左右のシートフレーム22に固定されている。シート38は、前側シート66と、後側シート68とを有する。前側シート66は、左右のシートフレーム22の前側に配置されている。前側シート66には、運転者が着座する。後側シート68は、前側シート66の後方に設けられている。後側シート68は、左右のシートフレーム22の後側に配置されている。後側シート68には、同乗者が着座する。
左右のステップフレーム26の各々の前端部には、ステップ70が設けられている。前側シート66に着座した運転者は、左右の足を各ステップ70に掛ける。左右のステップフレーム26の各々の後端部には、ピリオンステップ72が設けられている。後側シート68に着座した同乗者は、左右の足を各ピリオンステップ72に掛ける。センターフレーム18の下部には、メインスタンド74が設けられている。
燃料タンク40は、ヘッドパイプ14とシート38との間に配置されている。具体的には、燃料タンク40は、前側シート66の前方で、且つ、ヘッドパイプ14の後方に配置されている。燃料タンク40は、メインフレーム16の上部に取り付けられている。
自動二輪車10は、車体フレーム12、燃料タンク40等を覆う車体カバー76をさらに備える。車体カバー76は、フロントカバー78と、タンクカバー80と、左右一対のセンターカバー82と、リアカバー84と、アンダーカバー86と、左右一対のシュラウド88とを有する。
フロントカバー78は、ヘッドパイプ14及び左右のフォークパイプ44の上部を前方から覆う。タンクカバー80は、燃料タンク40を覆う。左右のセンターカバー82の各々は、前側シート66の下方を覆う。リアカバー84は、左右のセンターカバー82の後方で、シート38の下方を覆う。アンダーカバー86は、クランクケース56の下部を、前方、側方及び下方から覆う。
左右のシュラウド88の各々は、タンクカバー80及びダウンフレーム20に連結されている。左右のシュラウド88の各々は、燃料タンク40の側面の一部と、ヘッドパイプ14の一部と、メインフレーム16の前部と、ダウンフレーム20の上部とを覆う。タンクカバー80及び左右のシュラウド88の詳細な構成は、後述する。
次に、本実施形態の特徴的な構成について、図3~図15を参照しながら説明する。特徴的な構成とは、タンクカバー80及び左右のシュラウド88の構成である。
燃料タンク40(図12参照)は、樹脂製である。燃料タンク40は、タンク上部90と、タンク下部92とを備える。
タンク下部92は、下方に凹み、且つ、上方が開放された椀状の形状を有する。タンク下部92の外縁には、フランジ94が形成されている。タンク下部92は、前後方向に沿って、傾斜して配置されている。
タンク上部90は、上方に膨出し、且つ、下方が開放された椀状の形状を有する。タンク上部90の外縁には、フランジ96が形成されている。タンク上部90のフランジ96と、タンク下部92のフランジ94とを重ね合わせることで、燃料タンク40が構成される。なお、タンク上部90の上面98は、燃料タンク40の上面100を形成する。以下の説明では、燃料タンク40の上面100を、タンク上部90の上面98と呼称する場合がある。タンク上部90の上面98には、給油口102が設けられている。給油口102は、タンクキャップ104によって閉じられている。タンク上部90の前部には、前方且つ斜め上方にステー106が延びている。
タンクカバー80及び左右のシュラウド88(図3参照)は、樹脂製である。具体的には、タンクカバー80及び左右のシュラウド88は、ABS樹脂製である。
図7に示すように、タンクカバー80は、センターカバー108と、左右一対のサイドカバー110とを備える。
センターカバー108は、燃料タンク40の上面100(図12参照)の少なくとも一部を覆う。図2に示すように、センターカバー108は、自動二輪車10の中心軸41上を前後方向に延びている。センターカバー108は、燃料タンク40の上方で、タンク上部90(図12参照)の上面98のうち、中心軸41周辺の部分を覆っている。
図8に示すように、センターカバー108は、タンク上部90(図12参照)を覆うように湾曲した板状部材である。センターカバー108は、前端部112、本体部114及び後端部116を有する。
本体部114は、前後方向に延びている。本体部114は、タンク上部90の上面98(図12参照)に沿って湾曲している。本体部114には、タンクキャップ104(図12参照)が挿通可能な開口118が形成されている。
前端部112は、本体部114の前端から、前方且つ斜め下方に延びている。本体部114と前端部112との連結箇所には、取付部120が左右両側に形成されている。左右の取付部120は、下方に凹む凹部である。左右の取付部120の各々には、上下方向に貫通する孔122が形成されている。2つの孔122の各々には、ボルト124(図12参照)が挿通する。なお、前端部112の先端には、メインフレーム16(図1参照)との干渉をさけるため、半円状の切欠126が形成されている。
図9に示すように、後端部116は、本体部114の後端から、後方且つ斜め下方に延びている。後端部116は、連結部128と、狭幅部130と、取付部132と、左右一対の補強部134とを有する。
連結部128は、本体部114の後端に連結されている。連結部128は、本体部114の後部を下方に屈曲することで形成される。従って、左右方向における連結部128の幅は、左右方向における本体部114の幅と略同じである。
図11に示すように、狭幅部130は、連結部128の後端に連結されている。狭幅部130は、連結部128から離れる程、左右方向の幅が狭くなる。取付部132は、狭幅部130の後端に連結されている。従って、狭幅部130は、取付部132に近づく程、左右方向の幅が狭くなる。
取付部132は、狭幅部130の後端から後方に延びている。取付部132には、上下方向に貫通する孔136が形成されている。孔136には、ボルト138(図12参照)が挿通する。ボルト138は、タンク上部90及びタンク下部92の各フランジ94、96に形成されたボルト孔(不図示)に螺合する。これにより、センターカバー108の後端部116は、燃料タンク40に固定される。
取付部132の後部には、2つの切欠部140が形成されている。なお、切欠部140は、取付部132に少なくとも1つ形成されていればよい。補強部134は、後端部116の左右両側に設けられている。左側の補強部134は、狭幅部130の左側と、取付部132の左側とを連結する。右側の補強部134は、狭幅部130の右側と、取付部132の右側とを連結する。左右の補強部134は、略台形状の壁部である。なお、後端部116は、少なくとも1つの補強部134を有すればよい。また、補強部134は、壁状に形成されていればよい。
図9に示すように、本体部114の左右両側には、車幅方向外側に突出する複数の連結部142が形成されている。複数の連結部142は、前後方向に沿って、任意の間隔で、本体部114の左右両側に形成されている。複数の連結部142は、左右のサイドカバー110(図4参照)に形成された複数の連結部(不図示)に連結される。これにより、センターカバー108と左右のサイドカバー110とが連結される。
図12に示すように、タンクカバー80は、任意のクリアランスを隔てて、燃料タンク40を覆っている。センターカバー108の底面144は、タンク上部90の上面98と向かい合っている。図10に示すように、センターカバー108の底面144には、複数のリブ部146(第1リブ部148、第2リブ部150)が形成されている。複数のリブ部146は、センターカバー108の底面144からタンク上部90の上面98に向かって突出する板状部である。
第1リブ部148は、相対的に高いリブである。第1リブ部148は、センターカバー108の底面144において、複数の取付部120、132(図7参照)の間に形成されている。具体的には、第1リブ部148は、本体部114の底面152において、本体部114の底面152とタンク上部90の上面98とのクリアランスが相対的に狭い箇所に形成されている。より具体的には、第1リブ部148は、本体部114の底面152において、開口118と本体部114の後端との間に形成されている。第1リブ部148の形成箇所は、運転者が前側シート66(図1参照)に着座したときに、運転者と向かい合う箇所である。
第1リブ部148は、本体部114の底面152において、格子状に形成されている。図12に示すように、第1リブ部148は、タンク上部90の上面98と接触するように、本体部114の底面152に形成されている。
第2リブ部150は、第1リブ部148よりも低いリブである。図10に示すように、第2リブ部150は、第1リブ部148の少なくとも一部を囲むように、センターカバー108の底面144に形成されている。具体的には、第2リブ部150は、センターカバー108の底面144における本体部114の開口118と後端部116の狭幅部130との間に形成されている。
第2リブ部150は、センターカバー108の底面144において、格子状に形成されている。なお、格子状の第2リブ部150は、格子状の第1リブ部148を囲んでいる。また、第2リブ部150の一部は、第1リブ部148に連結されている。
図12に示すように、第2リブ部150は、センターカバー108の底面144におけるタンク上部90の上面98とのクリアランスが相対的に広い箇所に形成されている。また、第2リブ部150は、タンク上部90の上面98と接触しないように、センターカバー108の底面144に形成されている。
なお、本実施形態では、第1リブ部148は、センターカバー108の底面144におけるタンク上部90の上面98とのクリアランスが相対的に広い箇所に形成されてもよい。第2リブ部150は、センターカバー108の底面144におけるタンク上部90の上面98とのクリアランスが相対的に狭い箇所に形成されてもよい。この場合でも、第1リブ部148は、タンク上部90の上面98に接触するように、センターカバー108の底面144に形成される。
図3に示すように、左右のサイドカバー110は、センターカバー108に連結されている。左側のサイドカバー110は、燃料タンク40(図2参照)の左側面を覆うように湾曲した板状部材である。右側のサイドカバー110は、燃料タンク40の右側面を覆うように湾曲した板状部材である。左右のサイドカバー110の各々の後端部は、ボルト(不図示)によって、メインフレーム16(図1参照)に固定されている。
図7に示すように、左右のシュラウド88の各々は、サイドカバー110に連結されている。図1に示すように、左右のシュラウド88の各々は、サイドカバー110から前方且つ斜め下方に延びている。すなわち、図2に示すように、シュラウド88は、自動二輪車10の中心軸41を挟んで、タンクカバー80の左右両側に配置されている。左右のシュラウド88は、同じ構成を有している。そのため、以下の説明では、代表的に、いずれか一方のシュラウド88について説明する。
図3に示すように、シュラウド88は、インナーシュラウド154と、アウターシュラウド156とを有する。インナーシュラウド154は、サイドカバー110の前方で、車幅方向の内側に配置されている。アウターシュラウド156は、インナーシュラウド154よりも車幅方向の外側に配置されている。図7に示すように、アウターシュラウド156は、前後方向に沿って、インナーシュラウド154の前端部158からサイドカバー110の中央部にかけて配置されている。アウターシュラウド156は、インナーシュラウド154と、サイドカバー110とに連結されている。具体的には、アウターシュラウド156は、インナーシュラウド154とサイドカバー110とに挟み込まれた状態で、インナーシュラウド154及びサイドカバー110に連結されている。
図5に示すように、インナーシュラウド154は、後方の燃料タンク40(図12参照)に近づく程、車幅方向の内側に湾曲する板状部材である。すなわち、インナーシュラウド154は、インナーシュラウド154の後部に近づくにつれて、燃料タンク40に近づくように湾曲している。図15に示すように、インナーシュラウド154は、インナーシュラウド154の後部に近づくにつれて、上下方向の幅が大きくなる。そのため、図14に示すように、インナーシュラウド154の上端部160及び下端部162は、インナーシュラウド154の後部に位置する。
図13に示すように、インナーシュラウド154の上端部160及び下端部162には、取付部164、166がそれぞれ設けられている。
インナーシュラウド154の上端部160に設けられた取付部164は、水平方向に延びる板状部である。取付部164には、上記のボルト124が挿通する孔168が形成されている。ボルト124は、センターカバー108(図8参照)の取付部120の孔122と、インナーシュラウド154の取付部164の孔168とを挿通する。これにより、ボルト124は、タンク上部90のステー106に形成されたボルト孔(不図示)に螺合する。ボルト124がボルト孔に螺合することで、センターカバー108とインナーシュラウド154とは、タンク上部90に共締め固定される(図12参照)。
インナーシュラウド154の下端部162に設けられた取付部166は、後方向に凹む凹部である。凹部には、ボルト170が挿通する孔172が形成されている。ボルト170は、孔172を挿通し、ダウンフレーム20に設けられたステー174のボルト孔(不図示)に螺合する。これにより、インナーシュラウド154は、ダウンフレーム20に固定される。
図5に示すように、インナーシュラウド154は、凹凸部176を有する。凹凸部176は、少なくとも1つの凹部178と、複数の凸部180とから構成される。凹部178は、インナーシュラウド154の一部を車幅方向に向かって凹ませることにより形成される。凸部180は、インナーシュラウド154の一部を車幅方向に向かって突出させることにより形成される。
具体的には、図14に示すように、インナーシュラウド154の上側及び下側で、車幅方向の外側に凹ませることにより、2つの凹部178が形成される。これにより、図15に示すように、2つの凹部178の周囲は、2つの凹部178に対して、車幅方向の内側に相対的に突出する。この結果、凹部178を囲むように、複数の凸部180が形成される。従って、インナーシュラウド154の前端部158は、凸部180として形成される。なお、図14に示すように、インナーシュラウド154では、インナーシュラウド154の前端部158、上部、下部、後部及び中央部が、2つの凹部178を囲む凸部180として形成されている。
図13に示すように、2つの凹部178の各々は、前後方向に沿って形成されている。2つの凹部178の各々は、インナーシュラウド154の後部に近づく程、上下方向の幅が広くなる(図15参照)。また、2つの凹部178の各々は、インナーシュラウド154の後部に近づく程、車幅方向の深さが深くなる(図13参照)。なお、本実施形態では、少なくとも1つの凹部178が前後方向に沿って形成されていればよい。また、少なくとも1つの凹部178が、インナーシュラウド154の後部に近づく程、上下方向の幅が広くなり、且つ、車幅方向の深さが深くなっていればよい。
図13に示すように、複数の凸部180のうち、インナーシュラウド154の前端部158及び後部以外の凸部180は、前後方向に沿って形成されている。これらの凸部180の各々は、インナーシュラウド154の後部に近づく程、上下方向の幅が広くなる。また、これらの凸部180の各々は、インナーシュラウド154の後部に近づく程、車幅方向の高さが高くなる。
なお、上記のように、2つの凹部178が車幅方向外側に凹むことで、複数の凸部180が車幅方向内側に相対的に突出する。そのため、車幅方向に沿った複数の凸部180の高さは、車幅方向外側における凹部178の底面からの高さである。また、本実施形態では、少なくとも1つの凸部180が前後方向に沿って形成されていればよい。また、少なくとも1つの凸部180が、インナーシュラウド154の後部に近づく程、上下方向の幅が広くなり、且つ、車幅方向の高さが高くなればよい。
図3に示すように、インナーシュラウド154とアウターシュラウド156とが連結されることで、シュラウド88には、内部空間182(図5参照)が形成される。内部空間182には、ラジエータ、キャニスタ、各種の電装部品(不図示)等が配置される。2つの凹部178の各々の後部には、導入口184が形成されている。導入口184は、シュラウド88の内部空間182に外気を導入する。具体的には、自動二輪車10(図1参照)の走行中、導入口184は、外気である走行風を内部空間182に導入する。これにより、ラジエータ、キャニスタ及び電装部品は、走行風によって、好適に冷却される。
図6に示すように、アウターシュラウド156の後部には、複数の排出口186が形成されている。導入口184(図5参照)から内部空間182に導入された走行風は、ラジエータ、キャニスタ及び電装部品からの熱で温められる。各排出口186は、温められた走行風(空気)を外部に排出する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
本発明の態様は、鞍乗型車両(10)の燃料タンク(40)を覆うタンクカバー(80)であって、前記タンクカバー(80)は、前記燃料タンク(40)の上面(100)の少なくとも一部を覆うセンターカバー(108)と、前記センターカバー(108)に連結され、且つ、前記燃料タンク(40)の側面を覆うサイドカバー(110)と、を備え、前記センターカバー(108)は、前記燃料タンク(40)の上面(100)と向かい合う前記センターカバー(108)の底面(144)に形成された複数のリブ部(146)を有し、複数の前記リブ部(146)は、第1リブ部(148)と、前記第1リブ部(148)よりも低い第2リブ部(150)とを有する。
本発明では、センターカバーにリブ部を設けることにより、センターカバーの耐荷重性を向上させる。これにより、センターカバーの割れの発生を抑制することができる。また、高さの異なる複数のリブ部(第1リブ部、第2リブ部)を設けることにより、センターカバーと燃料タンクとのクリアランスに依らず、センターカバーのデザインを設計することが可能となる。これにより、タンクカバーのデザインの自由度を向上させることができる。
上記の効果について、具体的に説明する。
本発明では、鞍乗型車両の衝突等によって、センターカバーに衝撃(荷重)が加わったときに、センターカバーの割れの発生(破損)を抑制することができる。
また、従来は、センターカバーの割れの発生(破損)を抑制するために、センターカバーと燃料タンクとのクリアランスを狭くする必要があった。しかしながら、クリアランスを狭くすると、タンクカバーのデザインが制約される。
これに対して、本発明では、リブ部を設けることにより、センターカバーと燃料タンクとのクリアランスに依らずに、タンクカバーのデザインを自由に設計することが可能となる。すなわち、燃料タンクは、コストを削減するため、プレスしやすい形状にすることができる。また、センターカバーは、デザインに自由度を持たせた形状にすることができる。この結果、燃料タンクのコストの低減と、センターカバーの意匠性の向上(例えば、センターカバーに対する意匠性の高い塗装)との両立を図ることができる。
さらに、センターカバーは、鞍乗型車両の運転時に、運転者の正面に位置する。上記のように、燃料タンクの形状に依らず、センターカバーの形状を決めることができる。そのため、本発明では、タンクカバーの形状を、高速走行時等に運転者がセンターカバーに密着しやすい形状に設計することができる。
本発明の態様において、前記センターカバー(108)は、前記鞍乗型車両(10)の車体(12)又は前記燃料タンク(40)に取り付けるための複数の取付部(120、132)を有し、前記第1リブ部(148)は、前記センターカバー(108)の底面(144)における複数の前記取付部(120、132)の間に形成される。
これにより、センターカバーのうち、荷重に対して弱い箇所(複数の取付部の間)に第1リブ部を設けることが可能となる。この結果、センターカバーの割れの発生(破損)を一層抑制することができる。
本発明の態様において、複数の前記取付部(120、132)のうち、少なくとも1つの前記取付部(132)は、前記センターカバー(108)の後端部(116)に設けられ、前記センターカバー(108)は、前記後端部(116)に設けられた前記取付部(132)に近づく程、前記鞍乗型車両(10)の車幅方向の幅が狭くなる狭幅部(130)をさらに有する。
これにより、センターカバーに衝撃(荷重)が加わったときに、取付部が割れ、該取付部が破損する。この結果、センターカバーのうち、外部に露出した部分が割れる(破損する)ことを抑制することができる。
本発明の態様において、前記後端部(116)に設けられた前記取付部(132)には、切欠部(140)が形成されている。
これにより、センターカバーに衝撃(荷重)が加わったときに、切欠部を起点として取付部にひびが入る。この結果、取付部は、簡単に割れて破損する。従って、センターカバーのうち、外部に露出した部分が割れる(破損する)ことを一層抑制することができる。
本発明の態様において、前記センターカバー(108)は、前記狭幅部(130)と、前記後端部(116)に設けられた前記取付部(132)とを連結する補強部(134)をさらに有する。
これにより、センターカバーに衝撃(荷重)が加わらないときに、取付部が破損(割れる)ことを回避することができる。
本発明の態様において、前記第2リブ部(150)は、前記第1リブ部(148)の少なくとも一部を囲むように、前記センターカバー(108)の底面(144)に形成される。
これにより、センターカバーのうち、第1リブ部以外の箇所で割れが発生する(破損する)ことを抑制することができる。
本発明の態様において、前記第1リブ部(148)は、前記燃料タンク(40)と接触するように、前記センターカバー(108)の底面(144)に形成される。
これにより、センターカバーにおける第1リブ部の箇所にかかる荷重を、燃料タンクが受け止めることができる。この結果、センターカバーの割れの発生(破損)を一層抑制することができる。
本発明の態様において、前記第1リブ部(148)は、前記センターカバー(108)の底面(144)における前記底面(144)と前記燃料タンク(40)の上面(100)とのクリアランスが相対的に狭い箇所に形成され、前記第2リブ部(150)は、前記センターカバー(108)の底面(144)における前記底面(144)と前記燃料タンク(40)の上面(100)とのクリアランスが相対的に広い箇所に形成される。
これにより、第1リブ部を介して、センターカバーと燃料タンクとが密着する。この結果、センターカバーの耐久性(破損の可能性)を考慮して、センターカバーを製造することが可能となる。
本発明の態様において、前記第1リブ部(148)は、前記センターカバー(108)の底面(144)における前記底面(144)と前記燃料タンク(40)の上面(100)とのクリアランスが相対的に広い箇所に形成され、前記第2リブ部(150)は、前記センターカバー(108)の底面(144)における前記底面(144)と前記燃料タンク(40)の上面(100)とのクリアランスが相対的に狭い箇所に形成される。
この場合でも、第1リブ部を介して、センターカバーと燃料タンクとが密着するので、センターカバーの耐久性(破損の可能性)を考慮して、センターカバーを製造することが可能となる。
本発明の態様において、前記センターカバー(108)は、樹脂製である。
これにより、低コスト且つ容易に、上記のセンターカバーを製造することができる。
本発明の態様において、前記センターカバー(108)は、ABS樹脂製である。
これにより、一層低コスト且つ容易に、上記のセンターカバーを製造することができる。
10…自動二輪車(鞍乗型車両) 40…燃料タンク
80…タンクカバー 82…センターカバー
88…シュラウド 98、100…上面
110…サイドカバー 112…前端部
144…底面 146…リブ部
148…第1リブ部 150…第2リブ部
154…インナーシュラウド 156…アウターシュラウド
176…凹凸部 178…凹部
180…凸部

Claims (10)

  1. 鞍乗型車両(10)の燃料タンク(40)を覆うタンクカバー(80)であって、
    前記燃料タンク(40)の上面(100)の少なくとも一部を覆うセンターカバー(108)と、
    前記センターカバー(108)に連結され、且つ、前記燃料タンク(40)の側面を覆うサイドカバー(110)と、
    を備え、
    前記センターカバー(108)は、
    本体部(114)と、
    前記鞍乗型車両(10)の前後方向における前記本体部(114)の後端から後方に延びる後端部(116)と、
    前記センターカバー(108)を前記鞍乗型車両(10)の車体(12)又は前記燃料タンク(40)に取り付けるための複数の取付部(120、132)と、
    記上面(100)と向かい合う前記センターカバー(108)の底面(144)に形成された複数のリブ部(146)と、
    を有し、
    複数の前記取付部(120、132)のうち、少なくとも1つの前記取付部(132)は、前記後端部(116)に設けられ、
    前記後端部(116)に設けられた前記取付部(132)には、切欠部(140)が形成され、
    複数の前記リブ部(146)は、第1リブ部(148)と、前記第1リブ部(148)よりも低い第2リブ部(150)とを有する、タンクカバー(80)。
  2. 請求項1記載のタンクカバー(80)において
    記第1リブ部(148)は、前記底面(144)における複数の前記取付部(120、132)の間に形成される、タンクカバー(80)。
  3. 請求項1又は2記載のタンクカバー(80)において
    後端部(116)は、前記本体部(114)の前記後端と、前記後端部(116)に設けられた前記取付部(132)とを連結し、該取付部(132)に近づく程、前記鞍乗型車両(10)の車幅方向の幅が狭くなる狭幅部(130)をさらに有する、タンクカバー(80)。
  4. 請求項3記載のタンクカバー(80)において、
    前記後端部(116)は、前記狭幅部(130)と、前記後端部(116)に設けられた前記取付部(132)とを連結する補強部(134)をさらに有する、タンクカバー(80)。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載のタンクカバー(80)において、
    前記第2リブ部(150)は、前記第1リブ部(148)の少なくとも一部を囲むように、前記底面(144)に形成される、タンクカバー(80)。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載のタンクカバー(80)において、
    前記第1リブ部(148)は、前記燃料タンク(40)と接触するように、前記底面(144)に形成される、タンクカバー(80)。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載のタンクカバー(80)において、
    前記第1リブ部(148)は、前記底面(144)における底面(144)と前記上面(100)とのクリアランスが相対的に狭い箇所に形成され、
    前記第2リブ部(150)は、前記底面(144)における底面(144)と前記上面(100)とのクリアランスが相対的に広い箇所に形成される、タンクカバー(80)。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載のタンクカバー(80)において、
    前記第1リブ部(148)は、前記底面(144)における底面(144)と前記上面(100)とのクリアランスが相対的に広い箇所に形成され、
    前記第2リブ部(150)は、前記底面(144)における底面(144)と前記上面(100)とのクリアランスが相対的に狭い箇所に形成される、タンクカバー(80)。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載のタンクカバー(80)において、
    前記センターカバー(108)は、樹脂製である、タンクカバー(80)。
  10. 請求項記載のタンクカバー(80)において、
    前記センターカバー(108)は、ABS樹脂製である、タンクカバー(80)。
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