JP7406624B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
ラジエータは、冷却効率を高めるために、車体のデザインや走行風の流れに応じて最適な場所及び角度で配置されることが好ましく、車両によっては、後傾させたい場合がある。
本発明の目的は、ラジエータの排風をラジエータ後方へ効果的に流すことが可能な鞍乗り型車両を提供することにある。
鞍乗り型車両は、ヘッドパイプ(18)から下方に延びる左右一対のダウンフレーム(19A)と、車両前部に配置されたラジエータ(66)とを備える鞍乗り型車両において、車両側面視にて、前記ラジエータ(66)の上端は、前記ダウンフレーム(19A)の後方に配置され、前記ラジエータ(66)の下端は、前記ダウンフレーム(19A)と重なる位置又は前記ダウンフレーム(19A)の前方に配置されることを特徴とする。
また、上記構成において、前記ラジエータ(66)の下端は、前記センター部(81a)から前方に突出するブラケット(19e)に固定されても良い。
また、上記構成において、前記アンダーカバー(61)は、上方に突出する係合部(61a)を備え、前記係合部(61a)が前記ロア第1クロスフレーム(81)に下から係合されて固定されても良い。
また、上記構成において、ラジエータの下端は、センター部から前方に突出するブラケットに固定されるので、ラジエータ支持構造を簡素にでき、自動二輪車の組付工数及びコストを削減できる。
また、上記構成において、アンダーカバーは、上方に突出する係合部を備え、係合部がロア第1クロスフレームに下から係合されて固定されるので、アンダーカバーをロア第1クロスフレームに容易に組付けできる。
図1は、本発明の一実施形態の自動二輪車10を示す左側面図、図2は、自動二輪車10の車体フレーム11を示す左側面図である。
図1及び図2に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11の前端部にフロントフォーク12を介して前輪13が支持され、車体フレーム11の下部にパワーユニット14を介して後輪15が支持された鞍乗り型車両である。
自動二輪車10は、車体フレーム11の上方に配置されたシート16に跨って乗車する鞍乗り型車両である。
ヘッドパイプ18は、車体フレーム11の前端部を構成し、車両側面視で後傾している。左右のダウンフレーム19Aは、ヘッドパイプ18の下部の左右からそれぞれ下方斜め側方に延びている。
車体フレーム11を覆う車体カバー46は、フロントカバー51、左右一対のフロントロアカバー52、フロントインナカバー53、レッグシールド54、フロアステップ56、左右一対のフロアサイドスカート57、センタカバー58、左右一対のボディサイドカバー59、ハンドルカバー60、アンダーカバー61を備える。
左右のボディサイドカバー59は、フロアステップ56及びセンタカバー58からシート16の側縁の下方を車体後方に延びている。ハンドルカバー60は、ハンドル31の中央部を覆っている。
アンダーカバー61は、左右のフロアサイドスカート57のそれぞれの下縁の間に配置され、車体下部を下方から覆っている。
左右のダウンフレーム19Aの間にはラジエータ66が配置されている。
図3~図5に示すように、左右のダウンフレーム19Aは、それぞれ下端部に後方に屈曲する屈曲部19Cを備え、左右の屈曲部19C間には、ロア第1クロスフレームとしてのロア前部クロスフレーム81が渡されている。
ロア前部クロスフレーム81は、車幅方向に延びるセンター部81aと、センター部81aの両端から上方に屈曲した左右の端部としての端部屈曲部81bとを一体に備え、左右の端部屈曲部81bの上端は、それぞれ左右の屈曲部19Cの下面に接続されている。
ラジエータ66は、エンジン35(図1参照)を冷却する冷却水が貯められた上タンク66a及び下タンク66bと、上タンク66a及び下タンク66bのそれぞれの間に配置されたコア66cとを備える。上タンク66aは、ラジエータ66の上端に配置され、下タンク66bはラジエータ66の下端に配置される。
また、ラジエータ66は、上タンク66aの上面に形成された注水口66eを塞ぐキャップ85を備える。注水口66eは、ホース87を介してリザーバタンク88に接続されている。リザーバタンク88は、左右一方のロアフレーム19Bの側方に配置されている。
この結果、車両側面視では、ラジエータ66の前後方向の厚さの中央を通るラジエータ中心線90は、鉛直に伸びる鉛直線91に対して角度θだけ後傾している。
なお、下タンク66bを、車両側面視でダウンフレーム19Aに重なるように配置しても良い。
排風規制部材92は、コア66cの上縁から後方に延びる上板92aと、上板92aの両端部にそれぞれ接続されるとともにコア66cの両側の側縁から後方に延びる左右一対の側板92bとから構成される。
コア66cの排風は、上板92a及び左右の側板92bによってコア66cの上縁及び両側縁よりも上方及び両側方に広がりにくくなり、ラジエータ66の後方へ流れやすくなる。
左右のロアフレーム19Bは、車両正面視で上方に凸となるように屈曲するロア第2クロスフレームとしてのロア後部クロスフレーム94で接続されている。
ロア後部クロスフレーム94は、車幅方向に延び、ロア後部クロスフレーム94の車幅方向中央の最上部94aには、センターフレーム20の下端部が接続されている。ラジエータ66は、センターフレーム20の前方に配置されている。アッパークロスフレーム93とセンターフレーム20とは、前後に延びる補強部材95で接続されている。
ロアフレーム19Bは、屈曲部19Cの後端から後方斜め下方に延び、ロアフレーム19Bの後端19hは、開放されている。これにより、ダウンフレーム19A及びロアフレーム19B内に入り込んだ雨水等を後端19hから排出することができ、ロアフレーム19Bに特別に水抜き穴を設ける必要がない。
図6及び図7に示すように、アンダーカバー61は、平面視で前端側よりも後端側が車幅方向に幅広い台形状の輪郭を有し、前部に上下に貫通する開口部61cを備え、開口部61cの前側に左右の前部係合部61aが形成されている。
また、アンダーカバー61は、平坦な底壁61dから上方に延びる前壁61e、左右一対の側壁61f,61z及び傾斜壁としての傾斜後壁61gを備え、これらの前壁61e、左右の側壁61f,61z及び傾斜後壁61gは、開口部61cを形成する。
また、前側底壁61hには、左右に隔てて左右一対の前側カバー取付部61mが設けられ、左右の側壁61kのそれぞれの後端部には後側カバー取付部61nが設けられる。左右の前側カバー取付部61m及び左右の後側カバー取付部61nは、左右のフロアサイドスカート57(図1参照)の下部にそれぞれ図示せぬビスで取付けられる。
ラジエータ66の前方にはルーバー111が配置される。ルーバー111は、上下方向に互いに隔てて配置された複数の羽板111aを備え、ラジエータ66に取り入れられる空気の流れの方向を規制する。ここでは、空気の流れを後方斜め下方向に向ける。
ラジエータ66の後方には、ラジエータ66を強制的に冷却する冷却ファン131(図10参照)が配置されている。冷却ファン131は、ファンモータ114と、ファンモータ114で駆動されるファン本体115(図10参照)とから構成される。
フロアステップ56の下方且つアンダーカバー61の上方で、ロア後部クロスフレーム94の後方にはバッテリ116が配置されている。
傾斜後壁61gは、ロア後部クロスフレーム94の直前を上下に延びる傾斜壁上部61qと、ロア後部クロスフレーム94の下方を後方斜め下方に延びる傾斜壁下部61rと、ロア後部クロスフレーム94の前方で屈曲して傾斜壁上部61q及び傾斜壁下部61rのそれぞれを接続する傾斜壁屈曲部61sとからなる。
排風路120は、ロア後部クロスフレーム94及び傾斜後壁61g(詳しくは、傾斜壁下部61r)の下方に配置されている。
ロア後部クロスフレーム94は、上に凸となるように湾曲し、ロア後部クロスフレーム94の中央部(即ち、最上部94a(図5参照))は車両側面視でフロアフレーム22に重なる位置まで高くされている。これにより、ロア後部クロスフレーム94が直線状に形成される場合に比べて、傾斜後壁61gの傾斜壁上部61q及び傾斜壁下部61rをより高く配置できる。
本実施形態では、ラジエータ66をより大きく後傾させているので、コア66cに備えるフィン66fに設けられた複数の平坦部66gが後下がりに傾斜するため、ラジエータ66の排風をより大きく後方斜め下方に傾けて流すことができる。これにより、ラジエータ66の排風をよりスムーズに排風路120へ向かわせることができる。
アンダーカバー61の前部係合部61aは、前壁61eの前方の前側底壁61hから立ち上げられた前係合部61vと、前壁61eの前面下部に一体に設けられた後係合部61wとから構成される。前係合部61vと後係合部61wとは、前後方向に所定距離隔てて設けられる。
前部係合部61aがロア前部クロスフレーム81に係合しているときの前上端屈曲部61xと後上端屈曲部61yとの前後方向の間隔Cは、丸パイプ製のロア前部クロスフレーム81の外径Dよりも小さい。
そして、白抜き矢印で示すように、アンダーカバー61を上方に移動させて、前係合部61vの前上端屈曲部61x及び後係合部61wの後上端屈曲部61yをロア前部クロスフレーム81に当てる。
上タンク66aは、後部の一側(左側)に、冷却水を取り入れる吸水口121が設けられ、上部の他側(右側)に注水口66eが設けられる。吸水口121は、上タンク66aから後方に延びた後、下方に屈曲している。吸水口121の下方に屈曲した後端部にはラジエータホース82が接続される。
また、下タンク66bは、後部の一側(左側)に冷却水を吐出する吐出口122が後方に突出するように設けられる。吐出口122の後端部には、ラジエータホース82が接続される。
注水口66eには、ホース接続口66h(図8参照)が設けられ、ホース接続口66hに接続されたホース87がラジエータ66の一側方(左側方)を通ってリザーバタンク88の下部に接続される。
車両側面視にて、ラジエータ66の上端は、ダウンフレーム19Aの後方に配置され、ラジエータ66の下端は、ダウンフレーム19Aと重なる位置又はダウンフレーム19A(詳しくは、屈曲部19C)の前方に配置される。
この構成によれば、ラジエータ66をより大きく後傾できる。これにより、ラジエータ66の排風を車体下方に効果的に流すことができ、ラジエータ66の冷却効率を向上させることができる。
この構成によれば、ラジエータ66を配置するスペースを大きく確保することができるため、ラジエータ66を後傾させて配置することができる。
この構成によれば、ラジエータ支持構造を簡素にでき、自動二輪車10の組付工数及びコストを削減できる。
ロアフレーム19Bは、左右のダウンフレーム19Aの下端からそれぞれ後方に延びる。センターフレーム20は、ヘッドパイプ18から下方に延びるとともに車幅方向中央に配置される。
この構成によれば、ロア前部クロスフレーム81の上方の空間を利用してラジエータ66の下端をより前方に配置することができ、ラジエータ66をより大きく後傾できる。これにより、ラジエータ66の冷却効率をより一層向上させることができる。
この構成によれば、アンダーカバー61をロア前部クロスフレーム81に容易に組付けできる。
18 ヘッドパイプ
19A ダウンフレーム
19B ロアフレーム
19e 下側ラジエータ取付ブラケット(ブラケット)
20 センターフレーム
22 フロアフレーム
61 アンダーカバー
61a 前部係合部(係合部)
66 ラジエータ
81 ロア前部クロスフレーム(ロア第1クロスフレーム)
81a センター部
81b 端部屈曲部(端部)
94 ロア後部クロスフレーム(ロア第2クロスフレーム)
94a 最上部
120 排風路
Claims (5)
- ヘッドパイプ(18)から下方に延びる左右一対のダウンフレーム(19A)と、車両前部に配置されたラジエータ(66)とを備える鞍乗り型車両において、
車両側面視にて、前記ラジエータ(66)の上端は、前記ダウンフレーム(19A)よりも後方に配置され、前記ラジエータ(66)の下端は、前記ダウンフレーム(19A)と重なる位置又は前記ダウンフレーム(19A)の前方に配置され、
左右の前記ダウンフレーム(19A)の下部を接続するロア第1クロスフレーム(81)を備え、
前記ロア第1クロスフレーム(81)は、前記ダウンフレーム(19A)の下部から前下方に延びる左右一対の端部(81b)と、左右の前記端部(81b)間に位置するセンター部(81a)とを有し、
前記ラジエータ(66)の下端は、前記センター部(81a)から前方に突出するブラケット(19e)に固定されることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記ラジエータ(66)の上端は、前記ダウンフレーム(19A)の後側に支持され、
前記ラジエータ(66)の下端は、前記センター部(81a)に支持されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。 - ヘッドパイプ(18)から下方に延びる左右一対のダウンフレーム(19A)と、車両前部に配置されたラジエータ(66)とを備える鞍乗り型車両において、
左右の前記ダウンフレーム(19A)の下端からそれぞれ後方に延びるロアフレーム(19B)と、前記ヘッドパイプ(18)から下方に延びるとともに車幅方向中央に配置されるセンターフレーム(20)と、左右の前記ダウンフレーム(19A)の下部から後方に延びて前記ロアフレーム(19B)よりも上方に位置するフロアフレーム(22)と、前記センターフレーム(20)の下端から左右の前記ロアフレーム(19B)まで延びるロア第2クロスフレーム(94)であって、車両正面視で上方に凸となるように湾曲し、最上部(94a)が車両側面視で前記フロアフレーム(22)に重なるロア第2クロスフレーム(94)と、左右の前記ダウンフレーム(19A)の下部を接続するロア第1クロスフレーム(81)と、車体下部を保護するアンダーカバー(61)と、を備え、
前記アンダーカバー(61)は、平坦な底壁(61d)と、前記底壁(61d)から上方に延びる前壁(61e)と、前記底壁(61d)から上方に延びる左右一対の側壁(61f,61z)と、前記底壁(61d)から上方に延びる傾斜壁としての傾斜後壁(61g)と、を備え、前記前壁(61e)、左右の前記側壁(61f,61z)及び前記傾斜後壁(61g)は、上下に貫通する開口部(61c)と、前記前壁(61e)、左右の前記側壁(61f,61z)及び前記傾斜後壁(61g)で囲まれる排風路(120)と、を形成し、
前記排風路(120)は、前記ロア第2クロスフレーム(94)及び前記傾斜後壁(61g)の下方に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 車体下部を保護するアンダーカバー(61)を備え、前記アンダーカバー(61)を前記ロア第1クロスフレーム(81)に下方から固定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記アンダーカバー(61)は、上方に突出する係合部(61a)を備え、前記係合部(61a)が前記ロア第1クロスフレーム(81)に下から係合されて固定されることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗り型車両。
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