JP7263534B2 - 鞍乗型車両のエアクリーナ構造 - Google Patents
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Description
本願は、2019年9月30日に出願された日本特許出願2019-180525号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
電装部品の少なくとも一部がクリーンサイドにおいてコネクティングチューブの周囲のデッドスペースに配置されるため、クリーンサイドのうち吸気の流れ方向でコネクティングチューブよりも上流側の空間(有効容積)の電装部品による容積減少を抑制することができる。したがって、クリーンサイドの有効容積の減少を抑制することができる。
電装部品がエアクリーナケースの内側に設けられている場合と比較して、電装部品の保持が容易であり、電装部品をエアクリーナケースに組み付けやすい。
凹部が吸気の流れ方向でコネクティングチューブの上流開口端よりも上流側に配置されている場合と比較して、凹部によるクリーンサイドの有効容積の減少を抑制することができる。
電装部品の自重をエアクリーナケースの上面で受けることができる。そのため、電装部品が比較的重量物であっても、電装部品の保持が容易であり、電装部品のエアクリーナケースへの組み付け性も向上する。
邪魔板によって吸気が凹部の周囲の空間に流れ込み、気流の乱れが生じることを抑制することができる。したがって、コネクティングチューブの上流開口端から吸気を効率的に吸入することができる。
逃げ部によってコネクティングチューブの上流開口端からの吸気の吸入の妨げになることを回避することができる。
凹部に入り込んだ水は、凹部の底面の傾斜に沿って流れ、端子部の側から排出される。したがって、凹部の水抜きが可能となる。
凹部が第一半体及び第二半体に跨って形成されている場合と比較して、凹部を形成しやすい。
電装部品が左右一対のフレーム及び燃料タンクによって囲まれるため、電装部品を外乱から保護することができる。
図1は、鞍乗型車両の一例としての自動二輪車1を示す。図1を参照し、自動二輪車1は、ハンドル2によって操向される前輪3と、エンジン10(内燃機関)を含むパワーユニット5によって駆動される後輪4と、を備える。例えば、エンジン10は、単気筒エンジンである。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
クランクケース11の前端部は、第一エンジンハンガ13を介して左右ダウンフレーム24の下端部に取り付けられている。クランクケース11の後下部は、第二エンジンハンガ14を介して左右ピボットプレート25の下端部に取り付けられている。
車両前後中央部において左右メインフレーム22の車幅方向内方には、エアクリーナユニット32が設けられている(図2参照)。エアクリーナユニット32は、エアクリーナ50と、エアクリーナ50内に吸気を導くための吸気ダクト51と、エアクリーナ50内とスロットルボディ31とを連通させるコネクティングチューブ52と、を備える。
図2に示すように、エアクリーナ50は、左右一対のシートレール26の車幅方向の間に配置されている。エアクリーナ50は、左右一対のシートレール26に支持されている。図中符号55は、エアクリーナ50をシートレール26で支持するための左右一対の支持部を示す。
第二半体66は、前方に開放する箱状をなしている。図2の上面視で、第二半体66は、後方に凸の外形をなしている。
吸気ダクト51は、ダーティサイド61を外部に連通させる。吸気ダクト51は、後側ほど上方に位置するように傾斜して延びる筒状をなしている。吸気ダクト51は、上面視で車体左右中心線CLと重なる位置に配置されている(図2参照)。吸気ダクト51の前部開口は、フィルタエレメント63の後面中央部に向かって指向している。吸気ダクト51の前端部は、第二半体66の後上部に結合されている。吸気ダクト51は、シートレール26に沿うように配置されている(図1参照)。
コネクティングチューブ52は、クリーンサイド62からエンジン10側へ吸気を導入する(図1参照)。コネクティングチューブ52は、上方に凸の湾曲した筒状をなしている。コネクティングチューブ52は、クリーンサイド62の内部に延びている。コネクティングチューブ52の内径は、後側(吸気の流れ方向DFの上流側)ほど大きくなっている。コネクティングチューブ52の後部開口は、フィルタエレメント63の前面に向かって指向している。コネクティングチューブ52は、自身の後端縁から径方向外側に拡がる鍔部53を有する。吸気の流れ方向DFから見て、コネクティングチューブ52の鍔部53は、円環状をなしている(図5参照)。
エアクリーナ50は、吸気ダクト51の吸気取入口(不図示)に外部から走行中に空気が吸入される。吸入された空気は、エアクリーナ50における第二半体66内(ダーティサイド61)に導かれる。ダーティサイド61に導かれた空気は、フィルタエレメント63を通じて、エアクリーナ50における第一半体65内(クリーンサイド62)に導かれる。クリーンサイド62に導かれた空気は、コネクティングチューブ52を通じてスロットルボディ31(エンジン10側)に導かれる。図中矢印DFは、吸気の流れ方向を示す。
図3に示すように、エアクリーナケース60は、仮想最外面SVよりも内側に窪む凹部70を有する。ここで、「仮想最外面SV」は、エアクリーナケース60の最外面(表面)のうち内側に窪む部分(凹部や溝等)を除いた仮想的な面を意味する。凹部70は、エアクリーナケース60の前部上面に形成されている。凹部70は、第一半体65の上部半体67のみに形成されている。
図3に示すように、エアクリーナケース60の第一半体65(上部半体67)には、邪魔板(仕切板、壁)75が設けられている。邪魔板75は、上部半体67の上部内面(裏面)から前下方に延びている。邪魔板75は、吸気の流れ方向DFで凹部70よりも上流側に配置されている。邪魔板75は、コネクティングチューブ52の上流開口端54の近傍に配置されている。邪魔板75は、吸気の流れ方向DFと略直交する方向に延びている。邪魔板75は、コネクティングチューブ52の鍔部53と隙間をあけて配置されている。
図3に示すように、エアクリーナケース60の仮想最外面SVよりも内側には、電装部品であるエンジンコントロールユニット80(以下「ECU80」ともいう。)が配置されている。ECU80は、各種センサからの信号に基づいて、エンジン10(図1参照)の点火時期、燃料噴射タイミング、アイドル回転数、排ガス還元量などを制御する。図2に示すように、ECU80は、配線81が接続される端子部82を有する。
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1のエアクリーナ構造は、自動二輪車1に搭載されフィルタエレメント63によって区画されたダーティサイド61及びクリーンサイド62を有するエアクリーナケース60と、クリーンサイド62からエンジン10側へ吸気を導入するコネクティングチューブ52と、エアクリーナケース60の仮想最外面SVよりも内側に位置するECU80と、を備え、コネクティングチューブ52は、クリーンサイド62の内部に延びており、ECU80は、コネクティングチューブ52の径方向に広がる領域に位置している。
この構成によれば、ECU80がクリーンサイド62においてコネクティングチューブ52の周囲のデッドスペースに配置されるため、クリーンサイド62のうち吸気の流れ方向DFでコネクティングチューブ52よりも上流側の空間(有効容積)のECU80による容積減少を抑制することができる。したがって、クリーンサイド62の有効容積の減少を抑制することができる。
凹部70が吸気の流れ方向DFでコネクティングチューブ52の上流開口端54よりも上流側に配置されている場合と比較して、凹部70によるクリーンサイド62の有効容積の減少を抑制することができる。
ECU80の自重をエアクリーナケース60の上面で受けることができる。そのため、ECU80が比較的重量物であっても、ECU80の保持が容易であり、ECU80のエアクリーナケース60への組み付け性も向上する。
邪魔板75によって吸気が凹部70の周囲の空間に流れ込み、気流の乱れが生じることを抑制することができる。したがって、コネクティングチューブ52の上流開口端54から吸気を効率的に吸入することができる。
逃げ部76によってコネクティングチューブ52の上流開口端54からの吸気の吸入の妨げになることを回避することができる。
凹部70に入り込んだ水は、凹部70の底面71の傾斜に沿って流れ、端子部82の側から排出される。したがって、凹部70の水抜きが可能となる。
凹部70が第一半体65及び第二半体66に跨って形成されている場合と比較して、凹部70を形成しやすい。
ECU80が左右一対のメインフレーム22及び燃料タンク15によって囲まれるため、ECU80を外乱から保護することができる。
凹部70の底面71にサイズ違いのECU80,180を設置することができる(図6、図7参照)。図6は実施形態のECU80の設置例、図7は図6のECU80よりも小型のECU180の設置例をそれぞれ示す。
なお、上記実施形態では、ECU80全体がエアクリーナケース60の仮想最外面SVよりも内側に位置する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ECU80の一部のみが仮想最外面SVよりも内側に位置してもよい。すなわち、ECU80の少なくとも一部が仮想最外面SVよりも内側に位置していればよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 エンジン(内燃機関)
15 燃料タンク
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム(フレーム)
52 コネクティングチューブ
54 上流端開口
60 エアクリーナケース
61 ダーティサイド
62 クリーンサイド
63 フィルタエレメント
65 第一半体
66 第二半体
70 凹部
71 底面
75 邪魔板
76 逃げ部
80 ECU(電装部品)
81 配線
82 端子部
DF 吸気の流れ方向
SV 仮想最外面
Claims (10)
- 鞍乗型車両(1)に搭載されフィルタエレメント(63)によって区画されたダーティサイド(61)及びクリーンサイド(62)を有するエアクリーナケース(60)と、前記クリーンサイド(62)から内燃機関(10)側へ吸気を導入するコネクティングチューブ(52)と、少なくとも一部が前記エアクリーナケース(60)の仮想最外面(SV)よりも内側に位置する電装部品(80)と、を備え、
前記コネクティングチューブ(52)は、前記クリーンサイド(62)の内部に延びており、
前記電装部品(80)の少なくとも一部は、前記コネクティングチューブ(52)の径方向において前記仮想最外面(SV)と前記コネクティングチューブ(52)の外面との間に配置されており、
前記コネクティングチューブ(52)の上流開口端(54)の近傍には、前記吸気の流れ方向(DF)と交差する方向に延びる邪魔板(75)が設けられている、鞍乗型車両のエアクリーナ構造。 - 前記エアクリーナケース(60)は、前記仮想最外面(SV)よりも内側に窪む凹部(70)を有し、
前記電装部品(80)は、前記凹部(70)に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。 - 前記凹部(70)は、前記吸気の流れ方向(DF)で前記コネクティングチューブ(52)の上流開口端(54)よりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。
- 前記凹部(70)は、前記エアクリーナケース(60)の上面に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。
- 前記邪魔板(75)は、前記吸気の流れ方向(DF)で前記凹部(70)よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。
- 前記邪魔板(75)は、前記吸気の流れ方向(DF)から見て、前記上流開口端(54)を避ける逃げ部(76)を有することを特徴とする請求項5に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。
- 前記電装部品(80)は、配線(81)が接続される端子部(82)を有し、
前記凹部(70)は、前記端子部(82)の側に傾斜する底面(71)を有することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。 - 前記エアクリーナケース(60)は、第一半体(65)及び第二半体(66)を備え、
前記凹部(70)は、前記第一半体(65)のみに形成されていることを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。 - 前記鞍乗型車両(1)は、
ヘッドパイプ(21)から後方に延びる左右一対のフレーム(22)と、
前記左右一対のフレーム(22)の上部に設けられる燃料タンク(15)と、を更に備え、
前記電装部品(80)は、前記左右一対のフレーム(22)の車幅方向の間に配置され、かつ、前記燃料タンク(15)によって上方から覆われていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ構造。 - 鞍乗型車両(1)に搭載されフィルタエレメント(63)によって区画されたダーティサイド(61)及びクリーンサイド(62)を有するエアクリーナケース(60)と、前記クリーンサイド(62)から内燃機関(10)側へ吸気を導入するコネクティングチューブ(52)と、少なくとも一部が前記エアクリーナケース(60)の仮想最外面(SV)よりも内側に位置する電装部品(80)と、を備え、
前記コネクティングチューブ(52)は、前記クリーンサイド(62)の内部に延びており、
前記電装部品(80)の少なくとも一部は、前記コネクティングチューブ(52)の径方向において前記仮想最外面(SV)と前記コネクティングチューブ(52)の外面との間に配置されており、
前記エアクリーナケース(60)は、前記仮想最外面(SV)よりも内側に窪む凹部(70)を有し、
前記電装部品(80)は、前記凹部(70)に設けられており、
前記コネクティングチューブ(52)の上流開口端(54)と前記凹部(70)との間に、前記吸気の流れ方向(DF)において間隔が設けられており、
前記コネクティングチューブ(52)は、前記上流開口端(54)から下流側に離間した部分から前記上流開口端(54)に向かって径が大きくなる形状を有し、
前記吸気の流れ方向(DF)の下流側における前記凹部(70)の端部は、前記上流開口端(54)から下流側に離間した前記部分の近傍に配置されている、鞍乗型車両のエアクリーナ構造。
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