JP7440359B2 - 電線保持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電線保持構造に関する。
車両のワイヤハーネス等に適用される従来のコネクタとして、例えば、特許文献1には、絶縁ハウジングと、第1のスライダと、第2のスライダと、を備えて構成された基板コネクタ装置が開示されている。絶縁ハウジングは、各々が弾性導電コンタクト部を有して第1の方向に配列配置された複数の接続端子の第1の組と各々が弾性導電コンタクト部を有して第1の方向に配列配置された複数の接続端子の第2の組とを、第1の方向に直交する第2の方向において相互対向させて保持する。第1のスライダは、絶縁ハウジングの外側に、絶縁ハウジングによる案内を受けるもとで第1の方向に移動可能とされて配される。第2のスライダは、基板差込部が設けられて、第1のスライダに第1の方向及び第2の方向の夫々に直交する第3の方向に移動可能な状態をもって係合し、内側において第1及び第2の組を成す複数の接続端子の夫々における弾性導電コンタクト部に当接する。そして、このコネクタ装置は、第1のスライダが、複数の端子部が設けられた基板が基板差込部を通じて第2のスライダ内における第1の組を成す複数の接続端子と第2の組を成す複数の接続端子との間に差し込まれたもとで、絶縁ハウジングに対して第1の方向に移動するとき、第2のスライダに、第3の方向に移動して、第1及び第2の組を成す複数の接続端子の夫々における弾性導電コンタクト部を、弾性変形を生じて基板に配された複数の端子部のうちの対応するものに押圧当接する状態もしくは該押圧当接する状態から解放される状態におく動作位置をとらせる。
特開2011-100652号公報
ところで、上述のコネクタは、接続端子を絶縁ハウジングに保持する構造であるが、例えば、接続端子を備えない場合に電線を直接ハウジングに保持する構造が望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、電線を適正に保持することができる電線保持構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電線保持構造は、電線と、前記電線を第1方向に沿って保持する保持空間部、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記保持空間部と連通する設置開口部、及び、前記保持空間部において前記第2方向に沿って前記設置開口部と対向する位置に凹部状に形成された保持凹部を含む電線ホルダと、前記電線ホルダの前記設置開口部に装着され、前記保持空間部に保持された前記電線を前記第2方向に沿って前記保持凹部側に押圧する電線ホルダカバーとを備えることを特徴とする。
また、上記電線保持構造では、前記電線ホルダカバーは、前記設置開口部を覆う本体部、板状に形成され前記電線と当接して押し潰し可能である潰しリブ部、及び、前記潰しリブ部の両端部を前記本体部に対して隙間をあけて支持し撓み可能である一対の撓み支持部を含むものとすることができる。
また、上記電線保持構造では、前記保持空間部は、外径の異なる複数の前記電線に対応して複数設けられ、前記潰しリブ部、及び、前記一対の撓み支持部は、外径の異なる複数の前記電線に対応して同一形状で複数設けられるものとすることができる。
本発明に係る電線保持構造は、電線ホルダの保持空間部に第1方向に沿って電線を保持する。そして、電線保持構造は、電線ホルダの設置開口部に装着された電線ホルダカバーによって、保持空間部に保持された電線を第2方向に沿って電線ホルダの保持凹部側に押圧する。この結果、電線保持構造は、電線を適正に保持することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るコネクタの概略構成を表す分解斜視図である。 図2は、実施形態1に係るコネクタが備える電線ホルダの概略構成を表す分解斜視図である。 図3は、実施形態1に係るコネクタが備える電線ホルダの概略構成を表す断面斜視図である。 図4は、実施形態1に係るコネクタが備えるハウジングの概略構成を表す正面図である。 図5は、実施形態1に係るコネクタが備えるハウジングの概略構成を表す断面斜視図である。 図6は、実施形態1に係るコネクタの組み付けを説明する部分断面斜視図である。 図7は、実施形態1に係るコネクタの組み付けを説明する部分断面斜視図である。 図8は、実施形態2に係るコネクタが備える電線ホルダの概略構成を表す部分分解斜視図である。 図9は、実施形態2に係るコネクタが備える電線ホルダカバーの概略構成を表す斜視図である。 図10は、実施形態2に係るコネクタに適用された電線保持構造の作用を説明する部分断面斜視図である。 図11は、実施形態2に係るコネクタに適用された電線保持構造の作用を説明する部分斜視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
なお、以下で説明する図6、図7は、図を簡略化するため、一部の電線のみを図示し、他の電線の図示を省略している。また、以下の説明では、互いに交差する3つの方向をそれぞれ「第1方向X」、「第2方向Y」、「第3方向Z」という。第1方向Xと第2方向Yと第3方向Zとは、典型的には、相互に直交する。第1方向Xは、典型的には、コネクタの軸線方向、電線の延在方向等に相当する。第2方向Yは、典型的には、設置開口部と保持凹部との対向方向等に相当する。第3方向Zは、典型的には、電線ホルダにおける電線の保持空間部の並び方向等に相当する。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。
[実施形態1]
本実施形態に係る電線保持構造100は、図1に示すコネクタ1に適用される。ここではまず、電線保持構造100が適用されるコネクタ1の構成を説明した後、電線保持構造100について説明する。
図1に示す本実施形態のコネクタ1は、例えば、自動車等の車両に搭載されたワイヤハーネスに組み込まれるものである。ワイヤハーネスは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線2を束にして集合部品とし、当該複数の電線2を各機器に接続するようにしたものである。本実施形態のコネクタ1は、基板6を用いて、複数の電線2同士を相互に導通接続することで複数の回路系統をジョイントする基板ジョイントコネクタを構成する。以下、各図を参照してコネクタ1の構成について詳細に説明する。
具体的には、コネクタ1は、複数の電線2と、電線ホルダ3と、電線ホルダカバー4と、ハウジング5と、基板6と、バネ部材7とを備える。
複数の電線2は、図1に示すように、それぞれ端末に芯線導体21が露出した配索材である。電線2は、車両に配索され、各装置を電気的に接続する。電線2は、導電性を有する線状の芯線導体21と、絶縁性を有する絶縁被覆22とを含んで構成される。電線2は、絶縁被覆22によって芯線導体21を被覆した絶縁電線である。芯線導体21は、例えば、導電性を有する金属素線を複数束ねた芯線であるが、当該複数の金属素線を撚り合わせた撚り芯線であってもよい。絶縁被覆22は、芯線導体21の外周側を覆い、被覆する。絶縁被覆22は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成される。電線2は、第1方向Xに沿って線状に延在し、延在方向(第1方向X)に対してほぼ同じ径で延びるように形成される。電線2は、芯線導体21の断面形状(第1方向Xと交差する方向の断面形状)が略円形状、絶縁被覆22の断面形状が略円環形状となっており、全体として略円形状の断面形状となっている。電線2は、少なくとも一方の端末において、絶縁被覆22が剥ぎ取られており、芯線導体21が絶縁被覆部から露出している。
本実施形態の電線2は、ハウジング5や基板6等の各部が相互に組み付けられる前の初期状態においては、端末に露出した芯線導体21が第1方向Xに沿って直線状に延在する。そして、電線2は、各部が相互に組み付けられることで、端末に露出した芯線導体21が最終的に複数箇所で屈曲された形状に形成され、基板6との間に電気的な接続部位を形成する接点部を構成する(図7等参照)。複数の電線2は、この芯線導体21が基板6を介して相互に導通接続され、要求される機能に応じた回路系統を構成する。なおここでは、複数の電線2は、外径が異なるものを含むものとして図示しているがこれに限らず、外径が同等のもので構成されてもよい。
電線ホルダ3は、図1、図2、図3に示すように、複数の電線2を、芯線導体21を露出させた状態で第1方向Xに沿って保持する部材である。本実施形態の電線ホルダ3は、第2方向Yに対向して一対で設けられる。一対の電線ホルダ3は、略同一形状に形成され、ハウジング5に嵌合された状態で第1方向X周りに相互に180°回転させた位置関係となるように対向配置される。
具体的には、電線ホルダ3は、本体部31、保持空間部32、隔壁部33、設置開口部34、先端押さえ部35、係止爪部36、及び、保持凹部37を含んで構成され、これらが絶縁性を有する樹脂材料等によって一体で形成される。
本体部31は、電線ホルダ3を構成する主たる部分であり、ハウジング5に嵌合可能な形状に形成される。本体部31は、全体として、略矩形板状に形成され、板厚方向が第2方向Yに沿い、かつ、第1方向X、及び、第3方向Zに沿って延在する。ここでは、本体部31は、第1方向Xが長辺方向、第3方向Zが短辺方向となる。そして、本体部31は、保持空間部32、隔壁部33、設置開口部34、先端押さえ部35、係止爪部36、保持凹部37等の各部に応じた様々な凹凸形状や壁部が設けられる。
保持空間部32は、電線2を第1方向Xに沿って収容、保持する空間部であり、キャビティとも呼ばれる。保持空間部32は、本体部31に第1方向Xに沿って形成される。保持空間部32は、電線2の外形形状に対応して、当該電線2を収容可能な形状に形成される。保持空間部32は、本体部31を第1方向Xに沿って貫通し、当該第1方向Xの両端部が開口し、それぞれ開口部32a、32bを構成する。開口部32aは、電線2を芯線導体21側の端末から保持空間部32の内部に挿入するための開口である。開口部32bは、保持空間部32の内部に収容、保持された電線2の芯線導体21側の端末を保持空間部32の外部に露出させるための開口である。保持空間部32は、開口部32aから電線2が挿入され、開口部32bから芯線導体21が露出する。ここでは、開口部32aは、略矩形状に形成され、開口部32bは、略円形状に形成される。保持空間部32は、複数の電線2に対応して複数設けられる。複数の保持空間部32は、第3方向Zに沿って並んで形成され、それぞれ1つずつ電線2を保持する。保持空間部は、外径の異なる複数の電線2に対応して複数設けられるが、ここでは、外径が最も大きい電線2に対応して同一形状で形成される。
隔壁部33は、保持空間部32から露出した各電線2の芯線導体21を保護する壁部であり、複数設けられる。各隔壁部33は、本体部31の開口部32b側の端部から第1方向Xに沿って突出するようにして形成される。各隔壁部33は、略矩形板状に形成され、板厚方向が第3方向Zに沿い、かつ、第1方向X、及び、第2方向Yに沿って延在する。複数の隔壁部33は、第3方向Zに沿って間隔をあけて並んで位置し、開口部32bから露出する各芯線導体21が位置する空間部を区画し各芯線導体21を保護する。複数の隔壁部33は、各芯線導体21をそれぞれ第3方向Zに沿って挟み込むようにして芯線導体21と隣接して位置し、各芯線導体21の第3方向Zの両側をそれぞれ保護する。この構成により、隔壁部33は、第3方向Zに沿って隣り合う芯線導体21同士の間に介在し、これらを相互に絶縁する絶縁壁部として機能する。また、本実施形態の電線ホルダ3は、複数の隔壁部33の間の空間部を介して、芯線導体21を第1方向Xの一方側、及び、第2方向Yの両側に対して露出させて各電線2を保持する。
設置開口部34は、電線ホルダカバー4が設置される開口部である。設置開口部34は、本体部31に形成され、第2方向Yに沿って保持空間部32と連通する。言い換えれば、保持空間部32は、設置開口部34を介して第2方向Yに沿って開口している。設置開口部34は、一対の電線ホルダ3の本体部31において、相互に対向する面とは反対側の面に設けられる。設置開口部34は、各保持空間部32において、第1方向Xの開口部32a側の端部にそれぞれ形成されている。本実施形態の各電線ホルダ3は、第3方向Zに沿って並ぶ複数の設置開口部34に渡って1つの電線ホルダカバー4が組み付けられる。保持空間部32に保持された電線2は、設置開口部34に装着される電線ホルダカバー4によって保持空間部32の内壁面に押圧されることで、当該保持空間部32内の正規位置で保持される。ここで、保持空間部32内における電線2の正規位置とは、当該電線2の端末の芯線導体21が開口部32bを介して保持空間部32の外部に露出する位置である。
先端押さえ部35は、コネクタ1の各部の組み付けに伴って芯線導体21を屈曲させる際に、芯線導体21において先端部21Aと当接し、第2方向Yに対して当該先端部21Aを位置決めする部分である(図6、図7等参照)。先端押さえ部35は、隔壁部33の第1方向Xの一方側の端部、より具体的には、本体部31側とは反対側の先端部に設けられる。先端押さえ部35は、第3方向Zに沿って隣り合う一対の隔壁部33に挟まれた空間部であって開口部32bから露出する各芯線導体21が位置する空間部に位置する。より具体的には、先端押さえ部35は、各隔壁部33の先端部から第2方向Yに沿って基板保持空間部60や基板6が位置する側に突出して位置し、かつ、隣り合う隔壁部33に跨るようにして板状に形成される。先端押さえ部35は、開口部32bから露出した各芯線導体21に対応してそれぞれ1つずつ形成される。ここでは、先端押さえ部35は、第3方向Zに隣接する複数が連なって一体化され、第3方向Zに沿って連続体を構成する。複数の先端押さえ部35の連続体は、複数の隔壁部33に渡って第3方向Zに沿って延在して形成される。また、この先端押さえ部35は、第1方向Xの本体部31側とは反対側の端部に傾斜面35aが形成されている。
係止爪部36は、電線ホルダ3がハウジング5に嵌合した状態でハウジング5に係止される部分である。係止爪部36は、本体部31において、第2方向Yの一方側の面、ここでは、設置開口部34が設けられる面(言い換えれば、一対の電線ホルダ3の本体部31において相互に対向する面とは反対側の面)に設けられる。係止爪部36は、本体部31において、第3方向Zの略中央部に設けられる。ここでは、係止爪部36は、本体部31から第2方向Yに沿って略三角形爪状に突出して形成され、ハウジング5に係止される係止面36aを含んで構成される。
保持凹部37は、保持空間部32において第2方向Yに沿って設置開口部34と対向する位置に凹部状に形成された部分である。保持凹部37は、本体部31に形成され、第2方向Yに沿って設置開口部34と対向する。より詳細には、保持凹部37は、本体部31において保持空間部32を形成する壁部であって第2方向Yに沿って保持空間部32を挟んで設置開口部34とは反対側に位置する壁部に成される。ここでは、保持凹部37は、当該壁部を第2方向Yに沿って略矩形状に貫通して形成される。保持凹部37は、電線ホルダカバー4によって押圧された電線2の一部が落ち窪んで位置し、当該電線2の一部が引っ掛かる部分として機能する。保持凹部37は、各保持空間部32にそれぞれ1つずつ設けられる。
電線ホルダカバー4は、図1、図2、図3に示すように、電線ホルダ3とは別体に形成され、電線ホルダ3の設置開口部34に装着される電線固定部材である。電線ホルダカバー4は、電線ホルダ3の設置開口部34に装着され、保持空間部32に保持された電線2を第2方向Yに沿って保持凹部37側に押圧する。ここでは、電線ホルダカバー4は、1つの電線ホルダ3に対して1つが組み付けられる。本実施形態の電線ホルダカバー4は、第3方向Zに沿って並ぶ複数の設置開口部34に渡って装着され、当該複数の設置開口部34を覆う。
具体的には、電線ホルダカバー4は、本体部41、係止アーム部42、及び、押圧突起部43を含んで構成され、これらが絶縁性を有する樹脂材料等によって一体で形成される。
本体部41は、設置開口部34を覆う部分である。本体部41は、板厚方向が第2方向Yに沿い、かつ、第1方向X、及び、第3方向Zに沿って延在する。ここでは、本体部41は、第1方向Xが短辺方向、第3方向Zが長辺方向となる。本体部41は、第3方向Zに沿って並ぶ複数の設置開口部34を一括で覆う形状に形成される。
係止アーム部42は、本体部41が設置開口部34を覆った状態で電線ホルダ3の本体部31に係止される部分である。係止アーム部42は、本体部41の第3方向Zの両端部に一対で形成される。各係止アーム部42は、本体部41の当該端部から第2方向Yの一方側に沿って突出するようにしてアーム状に形成される。一対の係止アーム部42は、本体部41が設置開口部34を覆った状態で、先端部が本体部31に形成された一対の係止爪部34aに係止される。一対の係止爪部34aは、電線ホルダ3の本体部31の第3方向Zの両側面に形成される。一対の係止爪部34aは、当該本体部31において、第3方向Zに沿って複数の設置開口部34を挟むように位置する。
押圧突起部43は、保持空間部32に保持された電線2を保持凹部37側に押圧する部分である。押圧突起部43は、本体部41から第2方向Yの一方側に沿って突出するようにして形成される。押圧突起部43は、本体部41から係止アーム部42の突出側と同じ側に突出して形成される。押圧突起部43は、突出先端側が先細りとなる略三角形突起状に形成される。押圧突起部43は、各保持空間部32に対応してそれぞれ1つずつ設けられる。各押圧突起部43は、本体部41が各設置開口部34を覆い、各係止アーム部42が係止爪部34aに係止された状態で、対応する設置開口部34を介して第2方向Yに沿って保持空間部32内に挿入され、保持凹部37と対向して位置する。本実施形態の複数の押圧突起部43は、外径が異なる複数の電線2にあわせて異なる突出量で形成される。押圧突起部43は、外径が相対的に大きい電線2に対しては、突出量が相対的に小さくなるように形成される。一方、押圧突起部43は、外径が相対的に小さい電線2に対しては、突出量が相対的に大きくなるように形成される。
上記ように構成される電線ホルダカバー4は、一対の係止アーム部42が一対の係止爪部34aに係止されることで、電線ホルダ3に組み付けられ複数の設置開口部34に装着され、本体部41によって当該複数の設置開口部34を覆い保護する。そして、電線ホルダカバー4は、電線ホルダ3の設置開口部34に装着された状態で、押圧突起部43が保持空間部32に保持された電線2を第2方向Yに沿って保持凹部37側に押圧する。この構成により、電線ホルダカバー4は、当該電線2を保持空間部32内の正規位置で保持し、固定する。
ハウジング5は、図1、図4、図5に示すように、内部に第1方向Xに沿って一方側から電線ホルダ3を嵌合可能な部材であり、コネクタハウジングを構成する。ハウジング5は、上述したように、一対の電線ホルダ3が第1方向X周りに相互に180°回転させた位置関係となるように第1方向Xに沿って嵌合される。一対の電線ホルダ3は、このハウジング5に嵌合した状態で、第3方向Zに対して、電線2の保持位置が相互に略一致している。
具体的には、ハウジング5は、筒状部51、背板部52、ホルダ組付部53、ホルダ係止部54、基板組付部55、基板係止部56、及び、潰しリブ部57を含んで構成され、これらが絶縁性を有する樹脂材料等によって一体で形成される。
筒状部51は、ハウジング5を構成する主たる部分であり、軸線方向が第1方向Xに沿う筒状に形成される。筒状部51は、種々の凹凸形状や切り欠き形状が付された筒状に形成される。筒状部51は、内部に一対の電線ホルダ3が嵌合可能な形状に形成される。ここでは、筒状部51は、略矩形筒状に形成される。
背板部52は、筒状部51の第1方向Xの一方側の端部において、当該一方側の端部を閉塞させる隔壁として形成される。背板部52は、種々の凹凸形状や切り欠き形状が付された板状に形成される。背板部52は、板厚方向が第1方向Xに沿い、かつ、筒状部51の形状にあわせて第2方向Y、及び、第3方向Zに沿って延在する。この構成により、筒状部51は、第1方向Xに沿って一方側に開口した筒形状となり、当該開口から一対の電線ホルダ3を嵌合可能に構成される。
ホルダ組付部53は、電線ホルダ3が組み付けられ当該電線ホルダ3を保持する部分である。ホルダ組付部53は、筒状部51の内面に凹部状に形成され、第1方向Xの一方側の開口から第1方向Xに沿って背板部52まで延在する。ホルダ組付部53は、第1方向Xに沿って直線レール状に形成される。ホルダ組付部53は、筒状部51の内部において第3方向Zの両側に一対で設けられる。一対のホルダ組付部53は、第3方向Zに沿って互いに対向して設けられる。一対のホルダ組付部53は、それぞれ電線ホルダ3の第3方向Zの端部が筒状部51の第1方向Xの一方側の開口から第1方向Xに沿って挿入されることで、当該電線ホルダ3が組み付けられる。一対のホルダ組付部53は、電線ホルダ3の第3方向Zの端部を第2方向Yに対して位置決めしこれを保持する。
一対のホルダ組付部53は、一対の電線ホルダ3に対応して、第2方向Yに沿って間隔をあけて2組設けられる。ここでは、2組の一対のホルダ組付部53は、筒状部51の内部において、第2方向Yの中央位置を挟んで略対称の位置に設けられる。2組の一対のホルダ組付部53は、第2方向Yに沿って間隔をあけて一対の電線ホルダ3を保持する。一対の電線ホルダ3は、筒状部51の内部において、係止爪部36が第2方向Yの端部側に位置する位置関係で筒状部51の内部に嵌合し、各ホルダ組付部53に保持される。このハウジング5は、各ホルダ組付部53に一対の電線ホルダ3が保持された状態で、筒状部51の内部において、一対の電線ホルダ3の間の空間部が基板保持空間部60として機能する。言い換えれば、電線ホルダ3は、筒状部51の内部において、第2方向Yに対して当該基板保持空間部60を挟んで両側に一対で設けられる。
ここで、基板保持空間部60は、ハウジング5の筒状部51の内部において、第2方向Yに対して電線ホルダ3と隣接して位置し第1方向Xに沿って一方側に開口した空間部であり、基板6が挿入され、保持される空間部である。基板保持空間部60の開口は、筒状部51において電線ホルダ3が嵌合される開口と同じ側に位置し、すなわち、基板6も第1方向Xに沿って電線ホルダ3と同じ側から筒状部51の内部に挿入されることとなる。
ホルダ係止部54は、電線ホルダ3の係止爪部36を係止する部分である。ホルダ係止部54は、一対の電線ホルダ3の係止爪部36に対応してそれぞれ1つずつ、合計2つ設けられる。ホルダ係止部54は、それぞれ第1方向Xに沿って係止爪部36と対向する位置に設けられる。ここでは、ホルダ係止部54は、筒状部51において、第2方向Yに沿って対向する両壁部にそれぞれ1つずつ設けられる。ホルダ係止部54は、当該壁部に形成されたスリット内に第1方向Xに沿ってアーム状に突出して形成される。ホルダ係止部54は、当該壁部から第1方向Xに沿って筒状部51の開口側に向けて延在する。ホルダ係止部54は、当該壁部に対して、第2方向Yに沿って弾性変形可能に片持ち状に支持される。そして、ホルダ係止部54は、第1方向Xの先端部に突起爪状をなす係止突起部54aが形成されている。ホルダ係止部54は、ホルダ組付部53に対する各電線ホルダ3の嵌合動作に伴って撓みつつ各電線ホルダ3が筒状部51内に完全に嵌合し各ホルダ組付部53に保持された状態で電線ホルダ3の係止爪部36の係止面36aが係止されることで、電線ホルダ3をハウジング5に係止する。
基板組付部55は、基板6が組み付けられ当該基板6を保持する部分である。基板組付部55は、ホルダ組付部53と同様に、筒状部51の内面に凹部状に形成され、第1方向Xの一方側の開口から第1方向Xに沿って背板部52まで延在する。基板組付部55は、ホルダ組付部53と同様に、第1方向Xに沿って直線レール状に形成される。基板組付部55は、筒状部51の内部において一対の電線ホルダ3の間の空間部を挟んで第3方向Zの両側に一対で設けられる。言い換えれば、基板組付部55は、基板保持空間部60を挟んで第3方向Zの両側に一対で設けられる。一対の基板組付部55は、第2方向Yに対して2組の一対のホルダ組付部53の間に位置し、第3方向Zに沿って互いに対向して設けられる。ここでは、一対の基板組付部55は、筒状部51の内部において、第2方向Yの略中央位置に設けられる。一対の基板組付部55は、それぞれ基板6の第3方向Zの端部が筒状部51の第1方向Xの一方側の開口から第1方向Xに沿って挿入されることで、当該基板6が組み付けられる。一対の基板組付部55は、基板6の第3方向Zの端部を第2方向Yに対して位置決めしこれを保持する。この結果、一対の基板組付部55は、筒状部51の内部において、各ホルダ組付部53に保持された一対の電線ホルダ3の間の基板保持空間部60に基板6を保持することができる。
基板係止部56は、基板6を係止する部分である。基板係止部56は、各基板組付部55の底面(第2方向Yに沿った内壁面)にそれぞれ1つずつ、合計2つ設けられる。基板係止部56は、基板組付部55の底面に形成されたスリット内に第1方向Xに沿ってアーム状に突出して形成される。基板係止部56は、当該基板組付部55の底面から第1方向Xに沿って筒状部51の開口側に向けて延在する。基板係止部56は、基板組付部55の底面に対して、第3方向Zに沿って弾性変形可能に片持ち状に支持される。そして、基板係止部56は、第1方向Xの先端部に突起爪状をなす係止突起部56aが形成されている。基板係止部56は、ハウジング5の基板組付部55に対する基板6の挿入動作に伴って撓みつつ基板6が基板組付部55に完全に挿入された状態で係止突起部56aが基板6の端面に係止されることで、基板6をハウジング5に係止する。
潰しリブ部57は、基板組付部55に組み付けられ基板係止部56によって係止された基板6の第2方向Yに沿ったガタ止めを行う部分である。潰しリブ部57は、基板組付部55の側壁面(第3方向Zに沿った内壁面)に突出して形成される。潰しリブ部57は、基板組付部55の側壁面から第2方向Yに沿って略三角形リブ状に突出して形成される。潰しリブ部57は、基板組付部55の側壁面の第1方向Xの中腹部から第1方向Xに沿って背板部52側に延在する。潰しリブ部57は、各基板組付部55において、両側壁面にそれぞれ1つずつ一対で設けられ、当該一対の潰しリブ部57は、第2方向Yに沿って互いに対向して位置する。一対の潰しリブ部57は、それぞれハウジング5の基板組付部55に対する基板6の挿入動作に伴って潰れつつ当該基板6の端部を挟持することで、当該基板6の第2方向Yに沿ったガタツキを規制する。
基板6は、図1に示すように、ハウジング5の内部に保持され複数の電線2と電気的に接続される回路基板である。基板6は、複数の電線2を相互に電気的に接続する電子回路を構成する。基板6は、例えば、いわゆるプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)によって構成される。基板6は、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁性の材料からなる絶縁層に、銅等の導電性の材料によって配線パターン(プリントパターン)が印刷されることで当該配線パターンによって回路体が構成される。基板6の回路体(配線パターン)は、複数の電線2の芯線導体21を電気的に接続し、要求される機能に応じた回路系統を構成する。基板6の回路体は、例えば、電線2を1対1でジョイントする回路を構成してもよいし、当該電線2を1対複数でジョイントする回路を構成してもよい。これにより、コネクタ1は、当該基板6によって、複数の電線2同士を相互に導通接続することで複数の回路系統のジョイント機能を実現することができる。
本実施形態の基板6は、全体として、略矩形板状に形成され、板厚方向が第2方向Yに沿い、かつ、第1方向X、及び、第3方向Zに沿って延在する。ここでは、基板6は、第1方向Xが短辺方向、第3方向Zが長辺方向となる。そして、基板6は、ハウジング5の各基板組付部55に対して第1方向Xに沿って挿入され、基板保持空間部60の最奥(図7等も参照)まで押し込まれ基板係止部56に係止される。これにより、基板6は、ハウジング5の筒状部51の内部において、一対の電線ホルダ3の間の基板保持空間部60に対して第1方向Xに沿って保持される。このとき、本実施形態の基板6は、ハウジング5の基板組付部55に対する挿入動作に伴って、電線2の芯線導体21を、第2方向Yに沿ってバネ部材7側に押圧する芯線導体押圧具として機能する。
バネ部材7は、図1、図5に示すように、ハウジング5の内部に設けられ第2方向Yに沿って弾性変形可能であり、電線2の芯線導体21を当該第2方向Yに沿って基板6側に押圧する付勢部材である。この構成により、バネ部材7は、芯線導体21と基板6との接触部位において、適正な接圧(接触荷重)を確保するものである。また、このバネ部材7は、ハウジング5のホルダ組付部53に対する電線ホルダ3の嵌合動作に伴って、電線2の芯線導体21を第2方向Yの基板保持空間部60側に屈曲させる部分としても機能する。
バネ部材7は、背板部52から第1方向Xに沿って筒状部51の内部側(言い換えれば、電線ホルダ3側)に向けて突出するようにして設けられる。バネ部材7は、電線ホルダ3の開口部32bから露出した芯線導体21の先端と第1方向Xに沿って対向する位置にそれぞれ形成される。バネ部材7は、電線ホルダ3に保持可能な電線2の数に応じて複数設けられる。ここでは、バネ部材7は、第2方向Yに対して基板保持空間部60を挟んで両側において、それぞれ第3方向Zに沿って間隔をあけて3つずつ、合計6つが設けられる。
具体的には、バネ部材7は、基部7a、第1折り返し部7b、及び、第2折り返し部7cを含んで構成され、これらがステンレス等の金属材料等によって一体で形成される。バネ部材7は、例えば、板状の線材を所定の箇所で屈曲加工させることで基部7a、第1折り返し部7b、及び、第2折り返し部7cが形成され、全体として略Jの字形状に形成される。
基部7aは、背板部52から第1方向Xに沿って筒状部51の内部側に突出して延在する部分である。基部7aは、第1方向Xの背板部52側の基端部が当該背板部52に片持ち状に支持され、反対側の先端部が自由端となる。基部7aは、先端部側に第1折り返し部7bが連続して形成される。
第1折り返し部7bは、基部7aの先端部と連続し、第2方向Yに沿って基板保持空間部60側に折り返され、かつ、基部7aの先端部から第1方向Xに沿って背板部52側に向かうようにして形成される部分である。第1折り返し部7bは、第1方向Xに対して基板保持空間部60側に向けて傾斜するようにして延在する。より詳細には、第1折り返し部7bは、第1方向Xに沿って背板部52側に接近するのにしたがって、第2方向Yに沿って徐々に基板保持空間部60側に接近する傾斜となるように形成される。第1折り返し部7bは、基部7a側とは反対側の端部に第2折り返し部7cが連続して形成される。
第2折り返し部7cは、第1折り返し部7bの基部7a側とは反対側の端部と連続し、第2方向Yに沿って基板保持空間部60側とは反対側に折り返され、かつ、第1折り返し部7bの当該端部から第1方向Xに沿って背板部52側に向かうようにして形成される部分である。第2折り返し部7cは、第1方向Xに対して基板保持空間部60側に向けて傾斜するようにして延在する。ここでは、第2折り返し部7cは、第1折り返し部7bとは反対側に傾斜するようにして形成される。より詳細には、第2折り返し部7cは、第1方向Xに沿って背板部52側に接近するのにしたがって、第2方向Yに沿って徐々に基板保持空間部60側から離間する傾斜となるように形成される。
上記ように構成されるバネ部材7は、全体として、第2方向Yに対して弾性変形可能に片持ち状に支持される。バネ部材7は、ハウジング5や基板6等の各部が相互に組み付けられる前の状態においては、第1折り返し部7b、第2折り返し部7cが第2方向Yに沿って基板保持空間部60側に向けて突出して位置する。そして、バネ部材7は、ハウジング5に対する電線ホルダ3の嵌合動作やハウジング5に対する基板6の挿入動作に伴って第2方向Yに沿って弾性変形可能に構成される(図7等参照)。
そして、バネ部材7は、第1折り返し部7bに傾斜面7baを有する。傾斜面7baは、電線ホルダ3がハウジング5の内部に嵌合した状態で、第1折り返し部7bにおいて電線ホルダ3から露出した芯線導体21と当接可能な面である。ここでは、傾斜面7baは、第1折り返し部7bにおいて第1方向Xに沿って電線ホルダ3と対向する面によって構成される。すなわち、傾斜面7baは、第1折り返し部7bにおいて背板部52側とは反対側の面によって構成される。この傾斜面7baは、上述した第1折り返し部7bの形状に応じて第1方向Xに対して基板保持空間部60側に向けて傾斜する。より詳細には、傾斜面7baは、第1方向Xに沿って背板部52側に接近するのにしたがって、第2方向Yに沿って徐々に基板保持空間部60側に接近する傾斜となるように形成される。
上記のように構成される各傾斜面7baは、電線ホルダ3がハウジング5の内部に嵌合した状態で、当該電線ホルダ3の開口部32bから露出した芯線導体21の先端部21Aと当接する。より詳細には、各傾斜面7baは、電線ホルダ3をハウジング5の内部に嵌合する動作に伴って、芯線導体21の先端部21Aと当接し、この芯線導体21を第2方向Yの一方側、ここでは、基板保持空間部60側に押圧し屈曲させる電線屈曲押圧面として機能する。
上記のように構成されるコネクタ1は、図6に示すように、ハウジング5に対する電線ホルダ3の嵌合動作に伴って、芯線導体21がバネ部材7の傾斜面7baと当接することで、芯線導体21に第1屈曲部21B、及び、第2屈曲部21Cが形成される。この場合、電線ホルダ3から露出した芯線導体21は、傾斜面7baによって基板保持空間部60側に屈曲された状態で、先端部21Aが先端押さえ部35の傾斜面35aとバネ部材7の傾斜面7baとの間に挟み込まれるようにして位置する。これにより、この芯線導体21は、先端部21Aが第2方向Yに対して位置決めされ、例えば、意図しない方向に屈曲したり金属素線がばらけたりすることが規制されている。当該芯線導体21は、この状態で第1屈曲部21B、及び、第2屈曲部21Cが形成される。
ここで、芯線導体21に形成される第1屈曲部21Bは、傾斜面7baに沿って第2方向Yの基板保持空間部60側に屈曲し延在する部位である。一方、芯線導体21に形成される第2屈曲部21Cは、第1方向Xに対して第1屈曲部21Bより先端側で、第1屈曲部21Bと先端部21Aとの中腹部分において第2折り返し部7cに沿って第1屈曲部21Bとは反対側に屈曲し延在する部位である。
つまり、電線2は、この状態では、芯線導体21が第1屈曲部21Bで傾斜面7baに沿って第2方向Yの基板保持空間部60側に屈曲し、かつ、第2屈曲部21Cで第2折り返し部7cに沿って第2方向Yの基板保持空間部60側とは反対側に屈曲した形状となる。この結果、芯線導体21は、ハウジング5への各電線ホルダ3の嵌合後で、かつ、基板6の挿入前の状態において、バネ部材7によって中腹部分が第2方向Yに沿って基板保持空間部60側に押圧され第1屈曲部21B、第2屈曲部21Cが形成されると共に、これらが基板保持空間部60側に向けて突出して位置する。
そして、コネクタ1は、この状態から、さらに、図7に示すように、基板保持空間部60に対する基板6の挿入動作に伴って、基板6と芯線導体21とが導通接続されると共に導通部位において適正な接圧(接触荷重)が付加される。この状態では、第2屈曲部21Cは、第1方向Xに対して第1屈曲部21Bより先端側において基板6に沿って第1屈曲部21Bとは反対側に屈曲し当該基板6と当接して導通接続される部位を構成する。つまり、芯線導体21は、先端部21Aが先端押さえ部35で位置決めされた状態で、第1屈曲部21Bで傾斜面7baに沿って第2方向Yの基板6側に屈曲して延在し、かつ、第2屈曲部21Cで基板6に沿って第1屈曲部21Bとは反対側に屈曲して延在した形状となる。
そして、電線2は、芯線導体21の第2屈曲部21Cを含む部分が基板6との接点部となり、当該第2屈曲部21Cを介して基板6の回路体と導通接続される。そして、電線2は、第2屈曲部21Cが基板6と当接して導通接続された状態で、第2方向Yに沿って弾性変形されたバネ部材7の付勢力によって第2屈曲部21Cが基板6に押圧されることで、芯線導体21と基板6との導通部位において、適正な接圧(接触荷重)を確保することができる。
コネクタ1は、上記のように各部が相互に組み付けられた状態で、各電線ホルダ3の係止爪部36の係止面36aがホルダ係止部54の係止突起部54aに係止され、基板6が基板係止部56の係止突起部56aに係止される。そして、基板6は、この状態で、第3方向Zの端部が一対の潰しリブ部57によって挟持されることで、第2方向Yに沿ったガタツキが規制される。
上記の結果、コネクタ1は、事前に芯線導体21を屈曲加工することなく、電線ホルダ3の嵌合動作、及び、基板6の挿入動作を利用して自動的に芯線導体21を屈曲させ電線2と基板6とを導通接続することができる。その上で、このコネクタ1は、芯線導体21と基板6との導通部位においてバネ部材7の付勢力によって適正な接圧を確保し、芯線導体21と基板6との接続状態を安定化し、適正な接続信頼性を確保することができる。この結果、コネクタ1は、電線ホルダ3に保持された複数の電線2の芯線導体21が基板6の回路体と導通接続されることで、基板6を介して複数の電線2を相互に導通接続し、複数の電線2同士を相互に導通接続することができる。
そして、上記のように構成されるコネクタ1において、本実施形態の電線保持構造100は、上述した電線2と、上述した電線ホルダ3と、上述した電線ホルダカバー4とを備えて構成されている。
上記にように構成される電線保持構造100は、図3、図6、図7に示すように、電線ホルダカバー4の一対の係止アーム部42が一対の係止爪部34aに係止されることで、当該電線ホルダカバー4が電線ホルダ3に組み付けられ複数の設置開口部34に装着される。これにより、電線保持構造100は、電線ホルダカバー4の本体部41によって当該複数の設置開口部34を覆い保護することができる。
そして、電線保持構造100は、電線ホルダカバー4が設置開口部34に装着された状態で、電線ホルダカバー4の各押圧突起部43が設置開口部34を介して第2方向Yに沿って保持空間部32内に挿入される。これにより、電線保持構造100は、各押圧突起部43によって、保持空間部32に保持された電線2を第2方向Yに沿って保持凹部37側に押圧する。この構成により、電線保持構造100は、電線ホルダカバー4の各押圧突起部43によって保持凹部37側に押圧された電線2の一部を保持凹部37内に落とし込むようにして屈曲させ当該保持凹部37に引っ掛けることができる。この結果、電線保持構造100は、電線ホルダカバー4によって当該電線2を保持空間部32内の正規位置で保持し、固定することができる。
以上で説明した電線保持構造100は、電線ホルダ3の保持空間部32に第1方向Xに沿って電線2を保持する。そして、電線保持構造100は、電線ホルダ3の設置開口部34に装着された電線ホルダカバー4によって、保持空間部32に保持された電線2を第2方向Yに沿って電線ホルダ3の保持凹部37側に押圧する。この構成により、電線保持構造100は、上述したように電線2の一部を保持凹部37内に落とし込むようにして屈曲させ当該保持凹部37に引っ掛けることができる。この結果、電線保持構造100は、例えば、端子等の係止可能な部位がなくても、電線2を電線ホルダ3に適正に保持することができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る電線保持構造は、電線ホルダカバーの構成が実施形態1とは異なる。以下では、上述した実施形態と同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
図8、図9、図10、図11に示す本実施形態の電線保持構造200は、電線ホルダカバー4にかえて電線ホルダカバー204を備える点で上述した電線保持構造100と異なる。電線ホルダカバー204は、本体部41、押圧突起部43にかえて本体部241、押圧突起部243を備える点で上述した電線ホルダカバー4と異なる。本体部241は、押圧突起部243の成形用の型抜き孔241aが形成されている点で上述した本体部41と異なる。電線保持構造200、電線ホルダカバー204、本体部241のその他の構成は、上述の電線保持構造100、電線ホルダカバー4、本体部41と略同様の構成である。
本実施形態の押圧突起部243は、押圧突起部43と同様に、保持空間部32に保持された電線2を保持凹部37側に押圧する部分である。押圧突起部243は、本体部241から第2方向Yの一方側に沿って突出するようにして形成される。押圧突起部243は、本体部241から係止アーム部42の突出側と同じ側に突出して形成される。
本実施形態の押圧突起部243は、潰しリブ部243a、及び、一対の撓み支持部243bを含んで構成される。
潰しリブ部243aは、板状に形成され電線と当接して押し潰し可能な部分である。潰しリブ部243aは、略矩形板状に形成され、板厚方向が第1方向Xに沿い、かつ、第2方向Y、及び、第3方向Zに沿って延在する。ここでは、潰しリブ部243aは、第2方向Yが短辺方向、第3方向Zが長辺方向となる。潰しリブ部243aは、一対の撓み支持部243bによって第2方向Yに沿って本体部241と隙間をあけて当該本体部241に支持される。潰しリブ部243aは、設置開口部34に対する電線ホルダカバー204の装着動作に伴って押圧突起部243が電線2を第2方向Yに沿って保持凹部37側に押圧する際に、電線2によって押し潰され、塑性変形する。
一対の撓み支持部243bは、上述したように、潰しリブ部243bの両端部を本体部241に対して第2方向Yに沿って隙間をあけて支持する部分である。各潰しリブ部243aは、本体部241から第2方向Yに沿って係止アーム部42の突出側と同じ側に突出して形成される。各潰しリブ部243aは、略台形板状に形成され、板厚方向が第1方向Xに沿い、かつ、第2方向Yに沿って先細りとなるように延在する。一対の撓み支持部243bは、第3方向Zに沿って間隔をあけて対向して位置し、潰しリブ部243bの両端部を本体部241に支持する。そして、各潰しリブ部243aは、潰しリブ部243bを支持した状態で第3方向Zに沿って撓み(反り)可能に構成される。
上記のように構成される押圧突起部243は、各保持空間部32に対応してそれぞれ1つずつ設けられる。各押圧突起部243は、本体部241が各設置開口部34を覆い、各係止アーム部42が係止爪部34aに係止された状態で、対応する設置開口部34を介して第2方向Yに沿って保持空間部32内に挿入され、保持凹部37と対向して位置する。本実施形態の複数の押圧突起部243は、外径の異なる複数の電線2に対応して同一形状で複数設けられる。すなわち、潰しリブ部243a、及び、一対の撓み支持部243bは、外径の異なる複数の電線2に対応して同一形状で複数設けられる。さらに言えば、この電線ホルダカバー204は、外径の異なるそれぞれの電線2に対して同一形状の潰しリブ部243a、及び、同一形状の一対の撓み支持部243bが設けられる。
上記にように構成される電線保持構造200は、電線ホルダカバー204の一対の係止アーム部42が一対の係止爪部34aに係止されることで、当該電線ホルダカバー204が電線ホルダ3に組み付けられ複数の設置開口部34に装着される。これにより、電線保持構造200は、電線ホルダカバー204の本体部241によって当該複数の設置開口部34を覆い保護することができる。
そして、電線保持構造200は、電線ホルダカバー204が設置開口部34に装着された状態で、電線ホルダカバー4の各押圧突起部43が設置開口部34を介して第2方向Yに沿って保持空間部32内に挿入される。これにより、電線保持構造100は、各押圧突起部43によって、保持空間部32に保持された電線2を第2方向Yに沿って保持凹部37側に押圧する。この構成により、電線保持構造200は、電線ホルダカバー204の各押圧突起部243によって保持凹部37側に押圧された電線2の一部を保持凹部37内に落とし込むようにして屈曲させ当該保持凹部37に引っ掛けることができる。この結果、電線保持構造200は、電線ホルダカバー204によって当該電線2を保持空間部32内の正規位置で保持し、固定することができる。
このとき、電線保持構造200は、設置開口部34に対する電線ホルダカバー204の装着動作に伴って、押圧突起部243の潰しリブ部243aが電線2によって押し潰され、塑性変形する。さらに、電線保持構造200は、設置開口部34に対する電線ホルダカバー204の装着動作に伴って、押圧突起部243の各撓み支持部243bが電線2によって押圧されて撓む。
この場合、電線保持構造200は、押圧突起部243によって押圧する電線2の外径に応じて、潰しリブ部243aの潰れ量や各撓み支持部243bの撓み量が相互に異なることとなる。電線保持構造200は、外径が相対的に大きい電線2を押圧する押圧突起部243においては、潰しリブ部243aの潰れ量や各撓み支持部243bの撓み量が相対的に大きくなる。一方、電線保持構造200は、外径が相対的に小さい電線2を押圧する押圧突起部243においては、潰しリブ部243aの潰れ量や各撓み支持部243bの撓み量が相対的に小さくなる。
以上で説明した電線保持構造200は、電線保持構造100と同様に、電線2を電線ホルダ3に適正に保持することができる。
また、以上で説明した電線保持構造200は、設置開口部34に対する電線ホルダカバー204の装着動作に伴って押圧突起部243の潰しリブ部243aが電線2によって押し潰されると共に、各撓み支持部243bが電線2によって押圧されて撓む。この構成により、電線保持構造200は、押圧突起部243によって電線2をその外径にあわせてガタツキなく適正に保持凹部37側に押圧することができるので、当該電線2を電線ホルダ3により適正に保持することができる。
ここでは、以上で説明した電線保持構造200は、異なる外径の電線2に対して、同一形状の潰しリブ部243a、各撓み支持部243bによって適正に当該電線2を側に押圧することができる。この結果、電線保持構造200は、上記のように電線2を電線ホルダ3に適正に保持した上で、汎用性を向上することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る電線保持構造は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、電線保持構造100、200は、コネクタ1に適用されるものとして説明したがこれに限らない。例えば、電線保持構造100、200は、ハウジングに設けられた圧接刃等を介して複数の電線をジョイントする機構において、当該ハウジング(電線ホルダに相当)に電線を適正に保持するために当該電線保持構造100、200が適用されてもよい。
本実施形態に係る電線保持構造は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
1 コネクタ
2 電線
3 電線ホルダ
4、204 電線ホルダカバー
5 ハウジング
6 基板
7 バネ部材
21 芯線導体
21A 先端部
21B 第1屈曲部
21C 第2屈曲部
22 絶縁被覆
31 本体部
32 保持空間部
33 隔壁部
34 設置開口部
35 先端押さえ部
36 係止爪部
37 保持凹部
41、241 本体部
42 係止アーム部
43 押圧突起部
51 筒状部
52 背板部
53 ホルダ組付部
54 ホルダ係止部
55 基板組付部
56 基板係止部
57 潰しリブ部
60 基板保持空間部
100、200 電線保持構造
243 押圧突起部
243a 潰しリブ部
243b 撓み支持部
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向

Claims (2)

  1. 電線と、
    前記電線を第1方向に沿って保持する保持空間部、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記保持空間部と連通する設置開口部、及び、前記保持空間部において前記第2方向に沿って前記設置開口部と対向する位置に凹部状に形成された保持凹部を含む電線ホルダと、
    前記電線ホルダの前記設置開口部に装着され、前記保持空間部に保持された前記電線を前記第2方向に沿って前記保持凹部側に押圧する電線ホルダカバーとを備え
    前記電線ホルダカバーは、前記設置開口部を覆う本体部、板状に形成され前記電線と当接して押し潰し可能である潰しリブ部、及び、前記潰しリブ部の両端部を前記本体部に対して隙間をあけて支持し撓み可能である一対の撓み支持部を含むことを特徴とする、
    電線保持構造。
  2. 前記保持空間部は、外径の異なる複数の前記電線に対応して複数設けられ、
    前記潰しリブ部、及び、前記一対の撓み支持部は、外径の異なる複数の前記電線に対応して同一形状で複数設けられる、
    請求項に記載の電線保持構造。
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