以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本願発明の内容が限定して解釈されるものではない。
[0.本願発明の着想に至った経緯及び本願発明の概要]
本願発明は、以下で説明する背景に基づいて、本願の発明者が着想を得たものである。電車、バス、タクシー、飛行機、モノレール、リニアモーターカー等の公共交通機関の車内などにおける公共利用のカメラ(例えばドライブレコーダ)においては、そのカメラが撮影した映像の外部流出が問題視される。外部流出は、例えば、SDカード(メモリカードの一例)に記録された映像のデータが他のSDカードにコピーされてしまうことで生じる。そこで、カメラの動作設定の内容を示す設定情報を書き込む初期設定を済ませたSDカードを、コピー元として、新たに購入したSDカードをフォーマット兼初期設定する方法を採ることが考えられる。
しかし、この場合、前方監視用のカメラだけでも、SDカードが設置するカメラの数だけ必要となり、仮に車内防犯用にも流用するとなれば、カメラの数が増え、必要なSDカードの数は更に増加する。このため、少しでも短時間に済ませたいという要請がある。また、このようなSDカードの定期的フォーマットを行うにあたり、SDカードに記録された映像を表示するというソフトウェアの仕様上、これを使用するとSDカードに記録された映像が見られてしまうという問題がある。
そこで、SDデュプリケータを導入して、コピー元(マスター)のSDカードの動作設定の内容を示す設定情報を、コピー先(例えば、新たに購入したもの)のSDカードにコピーする方法を採ることが考えられる。しかし、このような方法では、以下の(1)及び(2)のような問題がある。
(1)デュプリケータを使う際には、同時期の同メーカの、同一品質のSDカードを使うのが望ましく、コピー後のSD状態をクラスタレベルで確認できる知識が必要である。
(2)デュプリケータでマスターSDカードのコピーを行うと、上書き回数等のコピー先のSDカード内の情報や痕跡も消えてしまうため、問題が発生した際に解析ができなくなる。
以上のような問題と、公共利用のカメラの映像の取り扱いに注意が必要で、フォーマット時に映像が見られてしまうと問題であるという点とに鑑み、本願の発明者は、主に法人向けとして、管理者用の「定期フォーマット」ソフトとして用意することを考えた。このソフトは、例えば、フォーマットのみに特化したフォーマットツールである。このツールは、見られたくないデータ、または見られたらいけないデータを、中身を確認できず、映像を見なくても消せるアプリケーションプログラムでフォーマットするものである。このツールは、SDカードの設定ツールのフォーマット版である。設定ツールは、新機種のたびに更新が必要だが、かかるフォーマットツールは更新なしとすることが考えられる。手順は、安全な取り外しもソフトウェア内に組み込んでおき、(1)ソフトウェアを起動して、(2)SDカードを装着、(3)ソフトウェアの定期フォーマットボタンを押す、(4)一瞬でフォーマット完了の表示、(5)SDカードを抜く、(6)次のSDカードを装着、以降(3)~(6)の繰り返しとする。以上のような方法で管理者が容易かつ短時間で作業を完了できるようにするという考えを基に、本願の発明者は本願の着想に至った。
[1.第1実施形態]
[1.1 システム概要]
システム1は、本実施形態におけるシステムの概要を示す図である。システム1は、図1(a)に示すように、記録媒体であるメモリカード250にデータを読み書き可能な処理装置10を有している。処理装置10は、メモリカード250を初期化する機能を有する。処理装置10は、メモリカード250に映像のデータが記録されている場合に、処理装置10を使用する者であってその映像を閲覧する資格を有しない者に閲覧されないように構成されている。例えば、プライバシー上・セキュリティ上の観点からである。そのために、例えば、処理装置10が有する映像の再生機能が制限されてもよいし(例えば、再生機能が作動しない)、映像データが当該再生機能では再生不可に構成されていてもよいし(例えば、データ形式・暗号化技術の適用等)、処理装置10が映像の再生機能を有しないようにしてもよい。また、処理装置10は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してメモリカードリーダ15が接続されてもよい。この場合、処理装置10は、メモリカードリーダ15を介してメモリカード250にデータを読み書きする。処理装置10は、本実施形態ではパーソナル・コンピュータにより実現されるが、メモリカード250に映像を記録する記録装置30、またはメモリカード250の初期化処理を行うために製造された専用機等により実現されてもよい。
また、記録媒体としては、例えばUSBメモリであってもよい。USBメモリは、処理装置10又はUSBインタフェースに接続する。以下、本実施形態では、記録媒体としてメモリカード250を例に説明する。
また、システム1は、例えば図1(b)で示すような処理装置20のような単体の装置でも実現可能である。この場合、例えば、処理装置20は、表示部22と、複数のメモリカードリーダ24とを設けている。すなわち、処理装置20は、ギャングプログラマ、ギャングリーダライタといった装置であってもよい。
記録媒体であるメモリカード250は、一般的にはSDカード(登録商標)や、microSDカードと呼ばれる記録媒体である。メモリカード250は、記録媒体として主に半導体で構成されているが、他の装置に接続可能な記録媒体であれば、他の記録媒体(例えば、磁気メディアや、光磁気メディア等)であってもよい。
ここで、メモリカード250は、本実施形態では一例としてコンテンツとして映像を常時撮影し、常時又は必要に応じて記録する記録装置に利用される。例えば、図1(c)に示すように、記録装置30は、ドライブレコーダとして、自動車や鉄道といった乗り物のフロント部分に設けられて、車両の前方を撮影し、記録している。記録装置30は、自装置で撮影した映像とともに、有線又は無線の通信路を介して取得した他のカメラの映像を記録してもよい。記録装置30は、例えば、自装置で撮影した車両の前方に加え、車両の内部、車両の側方(進行方向に対して左方向又は右方向)、及び車両の後方の少なくともいずれかを撮影した映像を他のカメラから取得して記録する。本実施形態において、記録装置30は、ドライブレコーダを一例として説明するが、他にも工場の作業エリア等の所定のエリアを監視する監視カメラや、店舗内を撮影して記録する防犯カメラといった常時撮影した映像を記録する装置や、装置のログを記録する装置(例えば、工場等に設置された工作機の動作ログ)であってもよい。
記録装置30は、撮影装置32を備えている。撮影装置32は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラを内蔵した装置である。撮影装置32により常時映像が撮影され、メモリカード250に記録される。
記録装置30は、常時撮影している映像を、そのまま常時映像データとしてメモリカード250に記録するか、イベント発生時の前後のみをメモリカード250に記録してもよい。また、車両の状態に応じて記録装置30は、映像データの記録方法を切り替えてもよい。例えば、記録装置30は、車両といった外部装置から電源が供給されているとき(例えばエンジンが動作中)は常時撮影した映像を映像データとしてメモリカード250に記録する。また、記録装置は、外部装置から電源が供給されていないとき(例えば、エンジンが停止中)は、インターバル撮影を実行し、所定時間毎の映像を映像データあとしてメモリカード250に記録する。
また、記録装置30は、常時映像データを記録しなくとも、イベント発生時、イベント発生時の前後所定時間の映像データだけを記録してもよい。イベントとは、記録装置30において、映像データを特別に記録させるトリガーとなるものであるとよい。
記録装置30は、例えば、記録装置30が設置された車両に衝撃が加わった場合(具体的には、記録装置30の加速度センサにより検出された加速度が所定のパターンの加速度である場合(例えば、加速度の時間的変化を示す波形が所定の条件を満たす場合)、又は閾値以上である場合)をイベントとして検知する。具体的には、加速度(重力加速度)の閾値が0.3Gと設定されている場合であれば、加速度が0.3G以上検出された場合や、通常の減速時に検出されていた加速度の2倍以上の加速度が検出された場合をイベントとして検知してもよい。なお、閾値である数値は一例であり、0.4G等他の値に設定してもよい。
これにより、例えば記録装置30が設置された車両において、急制動(急ブレーキ、急発進、急カーブ)が検出されたタイミング、接触・追突といった事故をイベントとして検知することができる。また、衝撃以外にも、記録装置30は例えば運転者の状態(例えば、よそ見、居眠り等)や、車両の走行状況(例えば、休憩がない長時間走行や、ふらつき、速度超過、逆走検知等)、車両の周辺状況(例えば、歩行者検知、自転車検知、信号認識等)に基づいてイベントを検知してもよい。
また、記録装置30は、車両に設置されるドライブレコーダの場合、車両に関する情報を取得し、記録媒体に併せて記録してもよい。例えば、記録装置30は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)であるGPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等を利用して取得した位置情報、車両の速度に関する速度情報、加速度情報をメモリカード250に記録してもよい。また、記録装置30は、位置情報に対応する地名に関する情報(市区町村、駅名、住所等)をメモリカード250に記録してもよい。
ここで、メモリカード250は、初期化処理により、所定のフォーマット形式でフォーマットされ、記録されている映像データ等が消去(初期化)される状態になる。記録装置30は、メモリカード250が初期化されていれば、コンテンツとして、例えば映像データを記録できる。
初期化処理は、記録媒体を初期設定する処理である。記録媒体を初期設定することは、当該記録媒体を所定のシステム用に設定することをいうとよい。本実施形態では、記録媒体を初期設定することは、所定のシステムが当該記録媒体を使用できる状態(例えば、映像のデータを読み書きできる状態)にするために、動作設定の内容を示す設定情報を当該記録媒体に書き込むことをいうとよい。これに限られず、記録媒体を初期設定することは、当該設定情報を当該記録媒体に書き込むこと、記録媒体をフォーマットすること、及び記録媒体を特定のファイル状態にすることの1つまたは複数としてもよい。本実施形態では、記録媒体を初期設定する主体と、当該記録媒体を使用する主体とが異なり、前者が処理装置10で、後者が記録装置30である。記録媒体を初期設定する主体が、初期設定による動作設定に従って動作することができない場合、例えば、後述するフォーマットに対応していない場合、当該記録媒体を初期設定する主体は、自らは使用できないが、当該記録媒体を使用する主体が使用できる状態にするために、記録媒体を初期設定することになる。ただし、記録媒体を初期設定する主体と、当該記録媒体を使用する主体との両方に対応した動作設定が、この初期設定により行われてもよい。例えば、両方が汎用のパーソナル・コンピュータ用のフォーマットに対応している場合が、これに該当する場合の一例である。
本実施形態の初期設定は、記録媒体をフォーマットすることを伴う。本実施形態において、記録媒体をフォーマットするとは、記録媒体を記録装置30で映像データの読み書きができる状態にすることをいうとよい。例えば、処理装置10は、メモリカード250を指定されたフォーマット形式でフォーマットすることにより、メモリカード250上に映像データ等を記録するための領域を生成する。
本実施形態において、記録媒体を初期化するとは、記録媒体に映像データが記録されていることが認識できない状態にすることも含んでいるとよい。映像データを認識できない状態とは、例えば、ユーザが、再生装置40で記録媒体の映像データを確認した場合に、映像データを再生できない状態や、記録媒体に記録されている映像データの件数が0件と表示される状態をいうとよい。また、映像データを再生できない状態とは、再生する映像データが存在しない状態、再生する映像データを認識しない状態、映像データが秘匿化された状態等をいう。
処理装置10が初期化処理を実行することにより、記録媒体であるメモリカード250は初期化される。ここで、初期化には時間のかからない簡易的な第1の初期化処理と、時間が比較的にかかる第2の初期化処理(完全初期化処理)とが含まれる。例えば、第1の初期化処理はマイクロ秒オーダの時間がかかり、第2の初期化処理はミリ秒オーダの時間がかかる。その一方で、第2の初期化処理は、第1の初期化処理に比べて、メモリカード250に記録された映像が閲覧されてしまうのを防止する上で、望ましい。この意味では、簡易的とは、例えば、初期化処理に係るアルゴリズムが簡易である、ということもできる。
例えば、処理装置10は、第1の初期化処理を実行するときは、上述したフォーマットは行わずに、映像データのみを削除したり、映像データが記録されている領域に新たなダミーのデータを上書きしたりする。また、処理装置10は、映像データが記録されていることを示す管理情報を消去したり、書き換えたりすることにより、記録媒体に記録されている映像データを認識できない状態とする。
すなわち、処理装置10において、第1の初期化処理は、記録媒体上に映像データが記録されているか否かに関わらず、他の装置(例えば、再生装置40)において映像データを表示できない状態や、読み込むことができない状態にすることをいう。また、初期化処理には、映像データを秘匿化することで、他の装置で読み込めない状態としてもよい。
また、処理装置10は、第2の初期化処理を実行するときは、記録媒体上から映像データを消去する。例えば、上述したフォーマットを行った上で初期化処理を実行したり、記録媒体のセクタを書き換えたりすることにより、記録媒体に映像データが残らないようにする。ただし、処理にかかる時間は、第2の初期化処理の方が、相対的に第1の初期化処理と比較して長い。
以下の実施形態では、単に初期化と記載されている場合は第1の初期化のことをいい、完全初期化と記載されているときは第2の初期化のことをいう。また、実施形態において処理を区別する必要がなければ、どちらの初期化処理を実行してもよい。
メモリカード250に記録された映像データは、他の装置で再生可能である。例えば、図1(c)に示す再生装置40にメモリカード250を装着すると、再生装置40は、メモリカードに記録された映像データを再生する。
再生装置40は、コンピュータやタブレットといった情報処理装置である。再生装置40は、再生用アプリケーションを実行することで、メモリカード250に記録された映像データを読み込んだり、再生したりすることができる。
再生装置40は、専用の再生用アプリケーションを実行してもよいし、OS(例えば、Windows(登録商標)、Android(登録商標)、Linux(登録商標)等)に搭載された再生機能を利用してもよい。また、再生装置40は、再生用アプリケーションを使用することで、OSが標準で実現可能なファイルシステム(例えば、FAT32やNTFS(NT File System、HFS(Hierarchical File System)等))でアクセスできない領域についてもアクセスできるようになる。
[1.2 機能構成]
図2は、処理装置10の機能構成について説明した図である。以下、処理装置10の機能構成について説明する。
制御部100は、処理装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部110に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))により構成される。
また、制御部100は、記憶部110に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、初期化部102と、完全初期化部104として機能する。制御部100は、プログラムを読み出して処理を実行することで、処理手段として機能する。なお、処理手段は、制御部100といった汎用的な演算装置のときもあれば、各処理を実行する他の制御装置(コントローラ)のときもある。
初期化部102は、初期化処理(第1の初期化処理)を実行することで記録媒体であるメモリカード250を初期化(第1の初期化)する。初期化部102がメモリカード250を初期化すると、他の装置(例えば、再生装置40)では、メモリカード250から映像データを読み込んだり、再生したりできなくなる。また、初期化部102は、メモリカード250の第1初期化処理が完了した後、他の操作を介さずに、メモリカード250の着脱だけで初期化を行う処理(後述する連続初期化処理)を行う機能を有する。
ここで、第1の初期化処理は、例えば映像データを削除する処理や、論理フォーマットを行う処理である。また、第1の初期化処理が映像データを削除する方法としては、単にFAT等のファイル管理領域の情報を削除したり、映像データを管理している管理情報を書き換えたり、映像データが記録されていることを示すフラグを書き換えたりする方法が考えられる。すなわち、第1の初期化処理は、映像データを削除したり、映像データを秘匿化することで、再生装置40等において、メモリカード250に記録されている映像データを読み込んだり、再生できない状態とする。
完全初期化部104は、完全初期化処理(第2の初期化処理)を実行することで記録媒体であるメモリカード250を完全初期化(第2の初期化)する。例えば、完全初期化処理では、メモリカード250に対してフォーマットをした後に第1の初期化処理を実行しったり、メモリカード250に対してフォーマットをした後に必要な領域や、初期状態として必要なデータを記録したりする。また、完全初期化部104は、メモリカード250にリセットコマンドを送信することにより、メモリカード250に記憶されている映像データを含めたデータを一括で消去する。
また、第2の初期化処理は、メモリカード250のフォーマット形式が初期化前と初期化後とで異なっていてもよいし、異なる場合は第2の初期化処理を行わないこととしてもよい。また、例えば、第1の初期化処理が論理フォーマットを行う場合、第2の初期化処理は物理フォーマットを行う。また、例えば第1の初期化処理が映像データの管理情報や、フラグを書き換えるだけの場合、第2の初期化処理は再度記録領域を作成しなおしたり、パーティションを新たに生成したりといった処理を行ってもよい。
ここで、初期化部102が行う初期化処理(第1の初期化処理)は、完全初期化部104が行う初期化処理(第2の初期化処理)に比べて高速に実行可能である。
第1の初期化処理は、例えば、特開2017-135436号公報で説明されている処理により行われてもよい。この場合、第1の初期化処理では、管理領域にメモリカード250を初期化した回数を示すフォーマットカウントマスタ値として保持しておき、メモリカード250の記録領域における連続したアドレスへの映像の記録とともに、各映像に対し、フォーマットカウントマスタ値をフォーマットカウント値(フォーマットカウンタともいう。)として転記し、現行のフォーマットカウントマスタ値と異なるフォーマットカウント値が記録されている映像データは消去されたものとして扱うとよい。このようにすれば、フォーマットに要する時間を短縮できる。また、第1の処理化処理と第2の処理化処理との処理時間の差異は、必ずしも、ユーザが明確に実感できる程度の差異がなくてもよい。仮に1枚のメモリカード250の初期化処理の時間の差異を実感できなくとも、例えば、100枚、1000枚単位のように多量のメモリカード250を初期化する場合には、初期化に係る作業に要する時間の差異をユーザが実感できる可能性がある。このように、第1の初期化処理は、第2の初期化処理に比べて簡易的に実行できるのであれば、その具体的な処理内容は問わない。
また、初期化部102、及び完全初期化部104は、複数の種類のメモリカード250を初期化することができる。種類とは、例えば、メモリカード250であるSDカードの製造時期、製造メーカ、および品質等の種類である。このように、初期化部102、及び完全初期化部104は同じ規格ではあるが、種類の異なる複数のメモリカード250を初期化する機能を有する。
上述したように、処理装置10はメモリカード250の初期化処理を行うにあたり、メモリカード250に記録された映像を再生しない。本実施形態では、起動したプログラムの中に再生機能がない。このように、本実施形態のプログラムは、メモリカード250の初期化専用のプログラムで、再生機能がないものである。これに代えて又は加えて、処理装置10が映像を再生する機能を有する場合は、制御部100はさらに、メモリカード250に記録された映像の再生を制限する手段(以下「制限部」という。図示略。)を有してもよい。制限部は、例えば、処理装置10が有する再生機能を作動させないようにするが、メモリカード250に記録された映像を表示部130に表示させないようにする制御を行えばよい。制限部は、さらに、通信部140およびその他の映像出力部を介して、処理装置10から外部機器に当該映像のデータを出力させないように制御を行う機能を有してもよい。なお、制限部はハードウェア、ソフトウェアのいずれで実現されてもよい。また、再生する機能(例えば、再生プログラム)が、当該制限する機能を有していてもよい。
記憶部110は、処理装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部110は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
また、記憶部110は、ユーザ情報112と、履歴データ114とを必要に応じて記憶する。ユーザ情報112は、ユーザに関する情報を記憶している。例えば、ユーザID、パスワードといった認証情報を記憶している。
履歴データ114は、処理装置10が処理を実行した場合の履歴に関する情報を記憶する。例えば、処理を実行した実行者、日時、実行内容を記憶する。また、履歴データ114は、メモリカード250に関する情報(例えば、メモリカードの識別情報、初期化前に記録されていた映像データの日時等の情報)を併せて記憶してもよい。
入力部120は、ユーザからの入力を受け付ける。例えば、スイッチ・キー等のハードウェアスイッチ、表示部130で表示されたソフトウェアスイッチの入力を受け付けるタッチパネル等により構成されている。また、入力部120は、外部に接続されたマウスや、キーボードのような入力装置であってもよい。
表示部130は、処理装置10の各種状態を表示したり、操作入力の状態を表示したりする。例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)や、有機ELパネル、電気泳動方式を利用した電子ペーパ等により構成されている。また、表示部130は、表示画面を表示する。ここで、表示画面とは、表示部130において表示されるものであり、表示部130のディスプレイに表示される全体であってもよいし、一部の領域を表示画面といってもよい。例えば、表示部130に表示されるウィンドウ表示や、ダイアログを表示画面という場合もあるし、それらを含めた全体を表示画面という場合もある。表示画面は、一定領域に表示される画面であればよい。
通信部140は、他の装置と通信を行ったり、ネットワークを介して他の装置と通信を行ったりする。例えば、USB(Universal Serial Bus)や、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)といったインタフェースや、有線/無線LANに接続するためのNIC(Network Interface Card)、LTE(Long Term Evolution)/4G/5Gといった携帯通信網に接続するための通信モジュール等が含まれる。
記録部150は、記録媒体にデータを書き込んだり、記録媒体からデータを読み込んだりする。記録部150は、いわゆるメモリカードリーダと呼ばれるものであり、記録媒体の一つとしてメモリカードが着脱可能に構成されている。また、処理装置10においては、カードスロットとして構成されており、メモリカード250の着脱(装着や取り外し)を検出してもよい。
すなわち、記録部150はメモリカード250の検出手段としても機能する。記録部150(カードスロット)にメモリカード250が装着されたことを検出すると、装着されたことを示す信号を制御部100に送信する。同様に、記録部150(カードスロット)からメモリカードが取り外れたことを検出すると、取り外れたことを示す信号を制御部100に送信する。制御部100は、記録部150からの信号に基づいて、メモリカード250が装着されたこと、およびメモリカード250が取り外されたことを検出(判定)する。
また、記録部150は、メモリカードと無線で接続してもよい。例えば、記録部150は、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信を介してメモリカードと接続してもよい。この場合、メモリカードの装着はメモリカードと接続する(通信を確立する)ことをいう。また、メモリカードの取り外しはメモリカードと切断することをいう。
なお、入力部120、表示部130、通信部140、記録部150は、説明の都合上処理装置10が内蔵するものとして説明するが、必要に応じて外部の装置が接続されてもよい。例えば、通信部140(USBインタフェース)にメモリカードリーダを接続することで、メモリカードリーダが記録部150として機能する。
すなわち、入力部120、表示部130、通信部140、記録部150は、必要な制御装置を備えればよく、外部に接続された装置と一体となって機能してもよい。
メモリカード250は、可搬型の記録媒体であり、例えばSDカード、microSDカード、CFカード等である。メモリカード250は、記録部150と接続することでデータの読み書きができればよい。
また、メモリカード250は、記録媒体に関する情報である記録媒体情報であるメモリカード情報252と、コンテンツデータである映像データ254とが記録されている。メモリカード情報252は、コンテンツデータ以外のメモリカードや装置に関する情報である。例えば、メモリカードの識別番号や、容量といった情報や、それ以外の情報(例えばフォーマット形式、パーティションの情報等)を記録可能である。
また、メモリカード情報252は、記録装置30の設定に関する情報を含めることができる。例えば、記録装置30が撮影する場合の画質、ファイル形式等を設定情報としてメモリカード情報252に記録する。記録装置30は、メモリカード250が装着されると、メモリカード250に記録されている設定情報を読み出し、記録装置30の動作を設定することができる。
また、メモリカード情報252は、記録装置30が映像データと対応付けて記録する各種情報を含めることができる。例えば、記録装置30の情報として、記録装置30の機種名、映像データの種類(常時記録の映像データ、イベント検知時の映像データ等の種類)、イベント情報を記録できる。また、記録装置30が設置されている車両の情報(例えば、自動車のナンバー、鉄道・バス・タクシーの車両番号、路線名、位置)や、取得した位置情報、衝撃に関する情報(加速度等)、速度情報等といった情報を含めることができる。
これらのメモリカード情報は、映像データに対応して記録してもよいし、単にメモリカード250に対応して記録されてもよい。例えば、記録装置30が取得した位置情報、速度情報、衝撃に関する情報等は、映像データに関連づけて(例えば、映像データの記録時刻に関連づけて)記録する。それに対して、自動車のナンバー、記録装置30を設置している車両番号、路線名等については、映像データとは関係なく記録される。
また、映像データ254は、好ましくはメモリカード250が装着された記録装置30が撮影した映像が映像データとして記録される。本実施形態では、記録装置30は、メモリカード250に記録するコンテンツデータとして映像データを例に説明するが、静止画像データや音声データ等であってもよい。
また、映像データ254は、再生装置40で再生可能なデータであればよい。例えば、MPEG形式や、AVI形式といった所定の動画フォーマットである。また、再生装置40で実行される再生用アプリケーションで再生可能な独自フォーマットの動画データであってもよい。
[1.3 フォーマット形式]
つづいて、メモリカード250のフォーマット形式について説明する。処理装置10は、制御部100がフォーマット処理を実行することによりメモリカード250をフォーマットすることができる。処理装置10が、フォーマット処理を実行することで、以下のフォーマット形式のメモリカード250を生成することができる。なお、フォーマット処理は、完全初期化部104がフォーマット処理を実行することとして説明するが、初期化部102において実行してもよい。ここで、本実施形態において適用可能なメモリカードのフォーマット形式について説明する。
(第1のフォーマット形式)
第1のフォーマット形式は、図3に示すように、メモリカードに、ユーザ領域を確保し、このユーザ領域に記録する映像ファイルを仮想ファイル(ダミーデータ)として事前に生成してあるフォーマット形式である。制御部100は、メモリカード250に対してFATファイルシステムを利用したフォーマットを行う。これにより、メモリカード250は、以下の領域が生成される。
MBR(Master Boot Record)。メモリカードの先頭セクタの領域に確保され、パーティションに関する情報を記憶する領域である。
BPB(BIOS Parameter Block)。後の領域として確保されているFATや、RDEに関する情報を記憶する領域である。
FAT(File Allocation Table)。ファイルの場所を示す情報を記憶する領域である。
RDE(Root Directory Entry)。ルートディレクトリに存在するファイルやフォルダに関する情報を記憶する領域である。
ユーザデータ領域。ユーザが作成・使用するデータファイルを記録する領域である。第1の形式では、ユーザデータ領域の連続する領域(例えば、連続するセクタの領域)に、データ名の仮想ファイルをダミーデータとして生成して記録する。記録装置30は、映像データを記録するときに、既にメモリカードに記録されているダミーデータを置き換えて(書き換えて)記録する。
これにより、初期化した時点でダミーデータが連続したセクタに記録されることになり、映像データも連続したセクタに記録される。一般的に、記録装置30は、常時撮影といった動画処理をしながら書き込むため、コマ落ちや、記録失敗を防ぐために連続した領域に映像データを記録することが好ましい。
すなわち、映像データを記録する予約領域として、予めダミーデータが記録されていれば、記録装置30はダミーデータを置き換えることで映像データを問題なく記録することができる。また、記録装置30は、記録媒体に予めダミーデータとして連続した領域が映像データの予約領域として確保されていることから、断片化といったことを防ぐことも可能となる。
また、ダミーデータは、映像データと同じサイズのファイルを複数生成すればよい。例えば、映像データのデータサイズが1ファイル100MBの場合、100MBのダミーデータを複数生成して記録する。
また、ダミーデータは大きいサイズと小さいサイズとを生成してもよい。例えば、記録装置30が、高解像度及び低解像度の映像データを記録したり、撮影した情報として撮影情報(例えば、緯度・経度、高度、加速度、速度等に関する情報)を記録したりする場合は、該当するデータに対応したサイズのダミーデータを生成してもよい。
また、記録装置30は、高解像度の映像データと、低解像度の映像データとは、画像の大きさ、圧縮方式、エンコードの方式等で区別して記録してもよい。
また、制御部100は、ダミーデータとして複数のサイズを生成して記録する場合は、大小サイズを交互に記録してもよいし、最初に小さなダミーデータを連続して記録し、その後に大きなサイズのダミーデータを連続して記録してもよい。
なお、第1のフォーマット形式は、ユーザデータ領域に、連続するダミーデータを予めユーザデータに記録していることが特徴である。したがって、ダミーデータを記録するユーザ領域を確保できていればよく、ファイルシステムでのフォーマットは、FAT以外にも、NTFS、exFAT、HFS等の他のファイルシステムを利用して実行してもよい。
(第2のフォーマット形式)
第2のフォーマット形式は、図4に示すように、メモリカード250のユーザデータ領域に別のシステムで利用可能な状態の映像データ記録領域を確保するフォーマット方式である。この場合、映像データが記録される映像データ記録領域は、通常のファイルシステム(例えば、FAT32)においてはアクセスすることができない。
また、映像データ記録領域においては、映像データがシーケンシャルに記録される。そして、映像データ記録領域に記録されている映像データは、データ管理領域において記録される管理情報に基づいて管理されている。例えば、再生装置40は、再生用アプリケーションにおいて、管理情報を参照し、映像データ記録領域内の映像データの位置を特定する。
ここで管理情報とは、映像データが記録された日時、管理フラグ、映像データが記録されているアドレスを対応付けて記録した情報とするとよい。再生装置40は、管理情報に基づいて、映像データ記録領域内における映像データが記録されている位置を特定し、映像データを読み出すことができる。
このとき、管理フラグによって再生装置40は、映像データの出力を切り替えてもよい。例えば、管理フラグが「1」の場合、再生装置40は有効に映像データが記録されていると認識し、映像データを読み出して再生する。また、管理フラグが「0」の場合、再生装置40は有効に映像データが記録されていないと認識し、映像データを再生することはできない。管理フラグは、所定の大きさ毎に生成される映像データ毎に記録されてもよい。なお、管理フラグは、映像データの前及び/又は後に付加されていればよい。
したがって、第2のフォーマット形式の場合、初期化部102が初期化(第1の初期化)を行う場合、単に管理フラグを全て「0」に書き換えてもよい。
また、映像データ記録領域は、通常のファイルシステムではアクセスできない領域であるが、通常のファイルシステムでアクセスできる領域であってもよい。この場合、当該領域に大きなシーケンシャルにデータを記録できる領域を1つ確保する。処理装置10及び記録装置30、再生装置40は、シーケンシャルにデータを記録できる領域の中で映像データを読み込んだり、再生したりすることができる。この場合、再生ができない通常のファイルシステムのみ有する端末装置からは、単一のファイルとしてみえる構成であってもよい。
(第3のフォーマット方式)
第3のフォーマット方式は、図5に示すように、メモリカード250の中で複数のパーティションを利用する場合のフォーマットの方式である。具体的には、制御部100は、メモリカード250の中に複数のパーティションの領域を確保する。そして、制御部100は、各パーティションの領域のユーザデータ領域に、映像データ記録領域を確保する。また、制御部100は、メモリカード250のMBRに、パーティションを示す情報をする。
また、各パーティションに確保された映像データの記録領域は、記録される映像データのサイズに応じて領域の大きさを変えてもよい。例えば、制御部100は、第1の記録領域は、第2の記録領域に比較して小さい領域を確保する。この場合、記録装置30は、第1の記録領域の映像データ記録領域に、低解像度の映像データを記録する。また、記録装置30は、第2の記録領域の映像データ記録領域に、高解像度の映像データを記録する。複数のパーティションの領域、又は/及びこれらに確保される映像データ記録領域においては、領域の大きさの差異が、例えば2倍又は3倍の差異であってもよいし、1桁又は2桁オーダの差異であってもよい。また、複数のパーティションの領域、またはこれらに確保される映像データ記録領域の大きさは、毎回のフォーマットで同じ大きさでなくてもよく、制御部100は例えば規則的にまたはユーザの指示に応じて変化させてもよい。
また、第3のフォーマット方式において確保される映像データ記録領域は、第1のフォーマット方式、第2のフォーマット方式の何れを利用してもよく、組み合わせてもよい。
また、パーティション毎に、OSのファイルシステムからアクセスできるか否かを設定してもよい。例えば、メモリカード情報や管理情報等の映像データ以外は、第1のパーティションに通常通り記録される。しかし、映像データについては、第2のパーティションに記録される。
なお、パーティション毎に再生装置40等がアクセスできる方法に相違があってもよい。例えば、容量の小さい第1のパーティションについては、OS標準の機能のファイルシステムでアクセスできるが、第2のパーティションについては、OS標準の機能のファイルシステムではアクセスできないとしてもよい。
[1.4 処理の説明]
本実施形態における処理について、図6を参照して説明する。本実施形態では、記録媒体であるメモリカード250の装着(接続)を検出すると、連続して初期化処理を実行する処理である。
まず、制御部100は初期化処理を実行するためのプログラムを作動させる。本実施形態では、制御部100は、表示部130に表示された当該プログラムに対応するアイコンを選択する操作(例えば、ダブルクリック)が行われたことに応じて、当該プログラムを作動する。プログラムを作動させると、制御部100は、表示部130に挿入画面を表示する(ステップS102)。挿入画面は、ユーザにメモリカードの挿入を促すことを提供するUI(ユーザインタフェース)である。制御部100は、メモリカードの挿入を促す方法として、挿入画面を利用しているが、挿入画面以外では音声による報知や、ランプによる報知を行ってもよい。
つづいて、制御部100は、記録部150により記録媒体であるメモリカード250の装着があったことを検出すると(ステップS104;Yes)、初期化処理を実行する(ステップS106)。
制御部100は、メモリカードの装着があるまで待機しているが(ステップS104;No)、ユーザにより中止操作がされた場合は本処理を中止してもよい。
ステップS106における初期化処理は、初期化部102(制御部100)が実行する処理である。複数のメモリカードを連続して初期化するという観点で、好ましくは、初期化にあまり時間のかからない第1の初期化処理を実行するが、第2の初期化処理を実行してもよい。
制御部100は、メモリカード250の初期化が完了すると(すなわち、初期化処理が終了すると)、表示部130に初期化が完了したことを示す完了画面を表示する(ステップS108;Yes→ステップS110)。
なお、完了画面は、ユーザに対して初期化が終了したことを報知する方法の1つである。完了画面は、挿入画面と比べて、少し派手にして、また大きさを変えて、明らかに違う画面形態にすることが好ましい。ユーザの注意を惹きやすいからである。制御部100は、完了画面を表示する代わりに、音声による報知、他の装置に対する通知を送信といった方法であってもよい。
制御部100は、メモリカード250の取り外しを検出すると(ステップS112)、再び挿入画面を表示する(ステップS112;Yes→ステップS102)。なお、制御部100は、2回目以降の挿入画面については非表示としてもよい。この場合、制御部100は、ステップS102ではなく、ステップS104に処理を遷移する。したがって、ユーザはカードを着脱するだけで、連続してメモリカード250を初期化することができる。
なお、本実施形態における制御部100がメモリカード250の装着/取り外しの検出とは、例えば記録部150のカードスロットにおけるメモリカード250の着脱を検出したり、メモリカードリーダから着脱を示す信号を受信したりすることをいうとよい。また、メモリカード250が、NFC等で接続される場合は、制御部100はメモリカード250と通信が確立されたときを装着の検出とし、通信が切断されたときを取り外しの検出としてもよい。
また、ステップS104からステップS106において、制御部100は、メモリカード250の装着の検出をして初期化処理を実行しているが、初期化が可能(第1の初期化で初期化が可能)なメモリカードだけ初期化処理を実行してもよい。
ここで、初期化が可能なメモリカードとは、フォーマットの形式が認識できるメモリカードや、特定のデータ形式の映像データが記録されているメモリカードであるかを判定するとよい。
例えば、制御部100は、上述した第1のフォーマット方式でフォーマットされているメモリカードの次に、第3のフォーマット方式でフォーマットされているメモリカードの装着を検出した場合、メモリカード250を初期化しない。
このように、本実施形態の処理によれば、制御部100は、メモリカード250の装着を検出すると、初期化処理を実行する。また、制御部100は、メモリカード250の取り外し検出し、再度メモリカード250が装着されると、初期化処理を実行する。したがって、ユーザは、複数のメモリカード250を順次着脱することで、装着したメモリカード250を連続して初期化することができる。
なお、これらの処理は、プログラムとして提供されてもよいし、ハードウェアとして提供されてもよい。メモリカード等の記録媒体をフォーマットするためのフォーマットのツールAPP(アプリケーションプログラム)として、提供されてもよい。
[1.5 動作例]
制御部100が、図6の処理を実行している場合の動作例について図7を参照して説明する。図7は、表示部130に表示される表示画面の一例を説明するための図である。以下で説明する表示画面で、ユーザに分かりやすいように「Format」又は「FORMAT」という言葉が用いられている箇所があるが、これに代えて、「初期化」又は「初期化処理」という言葉が用いられてもよい。
図7(a)は、本実施形態における表示部130に表示される表示画面W100の一例である。表示画面W100は、他の画面に重畳して表示されてもよいし、単一の画面として表示されてもよい。制御部100は、表示画面W100に示すように、「メモリカードを挿入して下さい」とメッセージを表示している。すなわち、表示画面W100は、ユーザに記録媒体(例えば、SDカード)の挿入を促す挿入画面(SD挿入画面)である。
また、表示画面W100には、ボタンR100が表示されている。ユーザが、ボタンR100に対して選択操作(例えばタッチ操作や、クリック操作)をすると、処理を中止する。なお、表示画面W100に、ボタンR100以外にも処理を実行するボタンを表示してもよいし、ボタンR100を表示しなくともよい。
制御部100は、メモリカード250の装着を検出すると、初期化処理を実行する。そして、メモリカード250の初期化が完了すると、図7(b)の表示画面W110に遷移する。
表示画面W110は、メモリカードの初期化処理が終了したことをユーザに報知するための終了画面である。例えば、制御部100は、図7(b)の表示画面W110に示すように、「Format終了しました」という初期化処理が終了した旨を示すメッセージを表示する。また、制御部100は、併せて次の動作を促すメッセージとして「メモリカードを抜いて下さい」というメッセージを表示している。
ここで、ユーザがメモリカードを取り外すと、図7(b)の表示画面W110から再び図7(a)の表示画面W100に遷移する。すなわち、終了画面から挿入画面が再度表示されるように遷移する。このように、ユーザは、メモリカードを着脱するだけで、連続的にメモリカードが初期化されることとなる。なお、挿入画面が表示されず、終了画面が表示中にメモリカードを着脱してもよい。
表示画面W110が表示された後に、再び表示画面W100に遷移する表示方法に代えて、表示画面W110および表示画面W100に含まれる情報を含む単一の画面が表示される方法が採用されてもよい。この場合、制御部100は、例えば、当該単一の画面に、「Format終了しました」という初期化処理が終了した旨を示すメッセージ、「メモリカードを抜いて、別のメモリカードを挿入して下さい」という次の動作を促すメッセージが表示させる。制御部100は、当該単一の画面の表示中に、メモリカード250が抜かれて次のメモリカード250が挿入されると、初期化処理を開始させる。
なお、制御部100は、初期化処理が終了したことをユーザに報知するときに、異なる表示態様や方法を実行してもよい。例えば、図7(c)の表示画面W120は、メッセージのフォントサイズが変わっている。制御部100は、表示画面W120に示すように、表示画面W110と比較して「FORMAT終了!」を大きなフォントサイズで表示している。
これ以外にも、例えば制御部100は、メッセージの色の変更、背景色を変更、点滅表示といった表示態様を変更してもよい。また、併せて報知音を出力したり、アイコン表示を別に行ったり、ウィンドウ表示を太線で囲む表示をしたりしてもよい。制御部100が利用する表示態様としては、初期化処理が終了したことを、ユーザ解りやすく伝える方法であればよい。
また、制御部100は、メモリカード250が初期化できない(初期化しない)場合には、その旨を表示画面に表示してもよい。例えば、メモリカード250のフォーマット形式が直前のものや、設定されているものと異なる場合、記録されている映像データの種類が異なる場合にその旨を表示する。
具体的には、制御部100は、例えば、図7(d)の表示画面W130のように「フォーマット形式が異なります!」といったメッセージを表示する。制御部100は、メッセージとして、フォーマット形式が異なる旨や、記録されている映像データの形式が異なる旨を表示画面に表示してもよい。
更に、制御部100は、図7(d)に示すように、強制的に初期化を行うボタンR130を表示してもよい。例えば、ユーザによりボタンR130が選択されると、制御部100は、フォーマット形式が異なっていたり、映像データの形式が異なっていたりしても、そのまま初期化処理を続行する。この場合、ユーザが一度確認しているので、誤ってメモリカード250が初期化されるといったことを防ぐことができる。
なお、この場合、制御部100は、初期処理を第1の初期化処理から第2の初期化処理(完全初期化処理)に切り替えて実行してもよいし、フォーマット形式に応じた初期化処理を実行してもよい。制御部100は、例えば、現在メモリカードに記録されている映像データの形式が他のメモリカードと異なる場合、他のメモリカードに記録されている映像データの形式に対応するダミーデータを記録すればよい。また、初期化処理で予め決められた映像データの形式や、直前に初期化したメモリカードに記録されていた映像データの形式でダミーデータを生成し、記録すればよい。
プログラムの作動の契機は、上述したような、アイコンを選択する操作を受け付けたことに限られない。例えば、制御部100は、1枚目のメモリカード250が記録部150のカードスロットに挿入されたことを検出した場合に、当該プログラムを作動してもよい。また、制御部100は、図6の処理を実行する期間において、メモリカード250に記録された映像を再生しない。例えば、図6で説明した処理を実行するためのプログラムには、映像を再生する機能が含まれていない。別のプログラム(例えば、OS、ビューアその他の映像再生用のプログラム)やその他の機能により、処理装置10が映像の再生機能を有する場合も、処理装置10は当該映像を再生しない。例えば、処理装置10の制御部100は、図6で説明した処理を実行するためのプログラムの機能により、メモリカード250に記録された映像の再生を制限してもよい。制御部100は、例えば、処理装置10が有する再生機能を作動させないようにするが、メモリカード250に記録された映像を表示部130に表示させないようにする制御を行う。制御部100は、さらに、通信部140およびその他の映像出力部を介して、処理装置10から外部機器に当該映像のデータを出力させないように制御を行ってもよい。
以上説明した実施形態によると、処理装置10は、メモリカード250の初期化処理を行うにあたり、メモリカード250の装着を検出してから取り外しを検出するまでの期間において、メモリカード250に記録された映像の再生をしない。また、メモリカード250の初期化は、記録装置30が使用できる状態にするための動作設定を伴う。よって、メモリカード250に記録された映像のデータの外部流出を抑止するとともに、管理者等にも閲覧されないようにすることができる。よって、メモリカード250が、例えば電車等の公共の場所に設定される記録装置30の映像の記録用に使用されたとしても、その映像が漏洩することによるプライバシー上・セキュリティ上の問題を回避できる。
また、初期化処理を行うべきメモリカード250が多い場合であっても、上述した連続初期化処理により、これがない場合に比べて、管理者における初期化に係る作業を容易にかつ短時間にすることができる。
さらに、コピー元(マスター)のメモリカードの動作設定の情報を、コピー先(例えば新たに購入したもの)のメモリカードにコピーする方法とは異なり、同時期の同メーカの、同一品質のメモリカードを使うのが望ましいという要件が緩和される。よって、処理装置10が初期化するメモリカードの製造時期や、製造メーカ、品質等の種類にばらつきがあってもよい。このように、処理装置10は、種類の異なる複数のメモリカードを対象に初期化処理を行うことができる。また、管理者がメモリカードの状態に関して高度な専門知識を有しなくてもよい。さらに、処理装置10によれば、デュプリケータでマスターのメモリカードのコピーを行った場合と異なり、上書き回数等のコピー先のメモリカード内の情報や痕跡を残存させることもでき、仮に何らかの問題が発生した際に解析を行うこともできる。
[2.第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、例えばメニュー表示から、複数の初期化方法を選択することができる実施形態である。なお、第2実施形態における構成と第1実施形態における構成とは原則同じである。以下、第1実施形態と、第2実施形態とで異なる点を中心に説明する。したがって、同一の構成や、同一の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
[2.1 全体概要]
図8は、本実施形態の全体の流れを説明するための図である。本実施形態の制御部100は、ユーザに処理を選択させるためのトップ画面を表示する。ここで、本実施形態における制御部100は、表示部130にまずトップ画面を表示する。そして、トップ画面から「連続初期化処理」「完全初期化処理」「確認初期化処理」をユーザが選択することができ、選択された処理を制御部100は実行する。
なお、連続初期化処理は、第1実施形態における第1の初期化処理を実行する。また、完全初期化処理は、第1実施形態における第2の初期化処理(完全初期化処理)を実行する。また、確認初期化処理は、第1の初期化処理に確認処理を追加したものである。
図8を参照して本実施形態の処理の流れについて説明する。制御部100は、ユーザが各処理を選択できるトップ画面(F10)を表示する。ここで、各処理が選択されると、選択された処理を制御部100は実行する。
例えば、トップ画面から、ユーザにより連続確認処理が選択されると、制御部100は、連続初期化処理を実行する(F12)。連続初期化処理は、ユーザにより処理の中止を指示されたり、トップ画面に戻る操作がされたりするまで初期化処理を繰り返し実行する。連続初期化処理は、図6で示した処理である。
また、ユーザにより確認初期化処理が選択されると、制御部100は、確認初期化処理を実行する(F14)。確認初期化処理は、初期化処理を実行するときに、利用者に確認する動作が含まれる。確認初期化処理は、ユーザにより処理の中止を指示されたり、トップ画面に戻る操作がされたりするまで初期化処理を繰り返し実行する。確認初期化処理は、図9で示す処理となる。
また、ユーザにより完全初期化処理が選択されると、制御部100は、完全初期化処理を実行する(F16)。完全初期化処理は、上述した第2の初期化処理を実行する。制御部100は、完全初期化処理において、ユーザにより処理の中止を指示されたり、トップ画面に戻る操作がされたりするとトップ画面に処理を移行する。また、完全初期化処理の場合、制御部100は完全初期化が完了した後は、一度トップ画面に処理を移行する。なお、完全初期化処理においても、ユーザが戻ると指示をするまで処理を繰り返し実行してもよい。
[2.2 処理の流れ]
図9は、第2実施形態における確認初期化処理の動作を説明した図である。確認初期化処理は、図6で説明した処理フローと略同一であり、同一の処理には同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明する。
制御部100は、メモリカード250の装着を検出すると、メモリカード250に関連する情報に基づいた表示を表示部にする(ステップS202)。メモリカード250に関連する情報は、メモリカード情報252に含まれている情報であってもよいし、映像データ234から抽出される情報であってもよい。
ここで、メモリカード情報252として表示可能な情報は様々な種類が考えられる。例えば、記録装置30に関する情報として、映像データの記録日時、記録装置30の機種、メーカ、イベントの発生回数などが記録される。また、例えば、記録装置30が設けられている自動車の情報、アイコン、鉄道の情報、車両を示すアイコンといった情報も記録可能である。その他、制御部100は、メモリカード情報252に記録されている情報から必要なものを選択して表示することができる。
そして、制御部100は、メモリカード250の初期化を実行してよいかをユーザに確認する(ステップS204)。ユーザから、初期化を実行してよいと指示された場合、制御部100は、メモリカード250を初期化する。
これにより、ユーザは連続してメモリカードを初期化しているときに、どのようなメモリカードを初期化しようとしているのかを判定することができる。本実施形態に記載したシステムは、ユーザが必要であってメモリカードのデータを誤って削除してしまうことを防ぐことができる。
[2.3 動作例]
ここで、本実施形態について、図10を参照して説明する。図10(a)は、制御部100は、トップ画面として表示画面W200を表示している。ここで、表示画面W200には、ユーザが選択することにより、連続初期化処理を実行させるボタンR202と、確認フォーマットを実行させるボタンR204と、完全フォーマット(完全初期化処理)を実行させるボタンR206とが表示されている。
ここで、一例として、ボタンR204が選択されると、制御部100は確認初期化処理を実行する。制御部100が、確認初期化処理ボタンR204が選択されると、表示画面は、図10(b)の表示画面W210に遷移する。
ここで、ユーザがメモリカードを装着すると、制御部100は、メモリカードから情報を読み出し、表示部130に表示する。図10(c)は、制御部100がメモリカードの情報を表示している一例である表示画面W220を示す図である。
表示画面W220には、メモリカードの情報として、領域R224にメモリカードの種類、映像データを記録した記録装置30の機種名、映像データを記録した日時、イベント情報として記録されている件数が表示されている。表示画面W220は、機種確認画面とも呼ぶ。
ここで、イベント情報は、記録装置30が所定の条件に合致したときに、イベントとして検出した回数である。例えば、記録装置30が、所定のパターンの加速度を検出したこと又は閾値以上の加速度を検出したことをイベントとして記録し、そのイベントの回数がイベント情報として表示される。その他、制御部100は、イベント情報に含まれる件数を表示することができる。また、制御部100は、イベントの種類毎の回数を表示することもできる。
また、表示画面W220には、初期化を実行する指示を行うボタンR220と、処理を中止する指示を行う(トップ画面に戻る指示を行う)ボタンR222とが表示されている。ここで、ユーザによりボタンR220が選択されると、制御部100は、初期化処理を実行する。そして、メモリカード250が初期化されると、制御部100は、初期化が完了(終了)したことを表示画面W230として表示する。
また、イベント情報が記録されていなかったり、表示すべきメモリカード情報がなかったりした場合、イベント情報がない旨を表示してもよいし、単に図10(c)を非表示としてもよい。すなわち、イベント情報がある場合、制御部100は、ユーザに確認させるために確認用の表示画面を表示するが、イベント情報がなければそのまま初期化を行ってもよい。
なお、制御部100は、メモリカードの情報として、単にメモリカードに記録されている情報だけでなく、対応する情報を表示してもよい。例えば、図10(e)は、メモリカード250の情報を表示している表示画面W240の一例である。ここで、メモリカード250は、カード情報の一つとして、記録装置30が設けられている場所(例えば、A線の001号)を記録している。
そこで、制御部100は、カード情報に対応する鉄道のアイコンを記憶部110又は外部サーバから取得し、領域R240に表示する。このように、制御部100は、カード情報に基づく情報を視覚化することにより、より解りやすい表示画面を提供することができる。
また、図11は、図10(a)において、ユーザによりボタンR206が選択されたことにより、制御部100が完全初期化処理を実行した場合の表示画面の一例である。
図11(a)は、完全初期化処理の実行に表示される表示画面W250の一例である。制御部100は、表示画面W250に完全初期化では時間がかかることをアラートとして表示している。なお、制御部100は、完全初期化により想定される処理時間を合わせて表示してもよい。
図11(a)の表示画面W250において、「OK」を示すボタンがユーザにより選択されると、図11(b)の表示画面W260に遷移する。図11(b)の表示画面W260は、図7(a)の表示画面W100と同一である。
つづいて、制御部100は、メモリカード250の装着を検出すると、完全初期化を実行する。制御部100は、メモリカード250に対して完全初期化を実行している間、図11(c)に示すように表示画面W270を表示してもよい。
表示画面W270は、現在の処理内容として「完全FORMAT中」とメッセージが含まれている。制御部100は、連続初期化処理や、確認初期化処理では、実行している時間が短いためにメッセージを表示していない。しかし、制御部100は、完全初期化処理では、実行している時間が長いためメッセージを表示している。
なお、制御部100は、表示画面W270に、処理の進捗を表示するプログレスバーを表示したり、「XX%終了しました」といった経過を表示したりしてもい。
そして、制御部100は、完全初期化処理が終了すると、図11(d)の表示画面W280を表示し、本処理を終了する。なお、本実施形態では、完全初期化処理は終了すると一度トップ画面に戻るが、連続して実行してもよい。
このように、本実施形態によれば、ユーザは初期化処理を所望する方法に合わせて選択して実行することが可能となる。また、制御部100は、イベントが記録されているメモリカードの場合は、アラートを出力するといったことが可能となる。これにより、ユーザはより利便性が高く、かつ、安全性が高いメモリカードの初期化を行うことが可能となる。
[3.第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、トップ画面を表示するときに、すでにメモリカードが装着されているときは、抜き忘れの場合を考慮し、警告画面を表示する実施形態である。なお、第3実施形態における構成と第2実施形態における構成とは原則同じである。以下、第2実施形態と、第3実施形態とで異なる点を中心に説明する。したがって、同一の構成や、同一の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
[3.1 処理の流れ]
図12は、本実施形態おいて制御部100が実行する処理の流れについて示した図である。制御部100は、トップ画面を表示する前に図12の処理を実行する。また、図12の処理を実行するためのプログラムを作動させる契機は、上述した第1実施形態と同じでよい。制御部100は、図12の処理を実行する期間において、メモリカード250に記録された映像を再生しない。
まず、制御部100は、既にメモリカードが装着されているか否かを検出する(S302)。ここで、トップ画面を起動する段階で既にメモリカード250が装着されている場合、制御部100は表示部130に警告画面を表示する(ステップS302;Yes→ステップS304)。なお、制御部100は、警告画面以外にも、音や、アラートによる報知であってもよい。
そして、制御部100は、メモリカード250の取り外しを検出すると(ステップS306;Yes)、トップ画面を表示する(ステップS308)。また、制御部100は、最初にメモリカードの装着が検出されない場合にも、トップ画面を表示する(ステップS302;No→ステップS308)。
そして、制御部100は、選択された初期化処理を実行する(ステップS310)。すなわち、連続初期化処理、確認初期化処理、完全初期化処理の何れかを実行する。また、ユーザは本処理を終了するまで、繰り返し初期化処理を実行することができる(ステップS312;No→ステップS310)。
また、ユーザにより処理終了が指示されると(ステップS312;Yes)、制御部100は、本処理を終了する。
[3.2 動作例]
図13は、本実施形態における動作例を説明するための表示部130に表示される表示画面の一例である。図13(a)は、制御部100が処理を実行したときに、メモリカード250が既に装着されている場合に表示部130に表示される表示画面W300の一例である。
表示画面W300には、メッセージとして「一度メモリカードを取り出して下さい!」と表示されている。したがって、ユーザはメモリカード250を、カードリーダから取り外さないと処理として先に進めなくなっている。
また、制御部100は、図13(b)の表示画面W310のように、処理を継続するか否かを選択させる画面を表示させてもよい。この場合、ユーザにより処理を継続することが選択されると、制御部100はそのままトップ画面を表示する。また、ユーザによりキャンセルが選択されると、制御部100は、表示画面W300を表示してもよいし、メモリカード250を取り外さない限りはトップ画面を表示しない処理をしてもよい。
なお、図12では、制御部100は、警告画面を表示した後にトップ画面を表示するとして説明したが、先にトップ画面を表示してもよい。例えば、図13(b)では、トップ画面が表示画面W315として表示されている。この場合、例えばトップ画面である表示画面W315の上に警告画面である表示画面W300を重畳表示してもよいし、切り替えて表示してもよい。
なお、表示画面W310は、トップ画面である表示画面W315に重畳して表示されているが、トップ画面である表示画面W315と一体となって表示されてもよい。例えば、制御部100は、トップ画面の一部の領域を使用して「メモリカードが既に入っている。」旨を表示すればよい。
また、制御部100は、図13(c)の表示画面W320のように、メモリカード250に関する情報を表示してもよい。ユーザは、表示されたメモリカード250の情報を確認してから、処理を継続するか、メモリカード250を取り外すかを選択することができる。
本実施形態によれば、処理の起動時に、メモリカードが装着されたままの状態の場合は、制御部100は、エラーを表示して処理を中止することになる。なお、上述した実施形態では初期の起動時にて説明したが、例えば所定時間経過してもメモリカードが装着されたまま(例えば、30分、1時間)の場合は、同様に警告表示を適用してもよい。
[4.第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、初期化処理において、装着されたメモリカードが特定条件に一致するときには、メモリカードを初期化してよいかユーザに確認する処理を行う実施形態である。なお、第4実施形態における構成と第1実施形態における構成とは原則同じである。以下、第4実施形態と、第1実施形態とで異なる点を中心に説明する。したがって、同一の構成や、同一の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
図14の処理は、第1実施形態の図6の処理を置き換えたものである。以下、図14と図6とで共通の処理は、共通の符号を付し、詳細な説明を省略する。
メモリカードの装着が検出されると(ステップS102→ステップS104;Yes)、制御部100は、メモリカード250が特定条件に一致しているか否かを判定する(ステップS402)。そして、制御部100は、メモリカードが特定条件に一致した場合は、ユーザによりメモリカードを初期化してよいかの確認をする(ステップS402;Yes→ステップS404)。
そして、ユーザにより初期化を行う操作(初期化処理を継続する操作)がなされた場合、すなわち初期化処理の実行をOKと判定した場合にのみ、ステップS106に遷移する(ステップS404;Yes→ステップS106)。これにより、特定条件に一致した場合、制御部100は自動的にメモリカードを初期化するといった動作を行わず、一度ユーザに確認を行う。そして、ユーザから初期化をしてよい操作がなされた場合に、メモリカードを初期化する(ステップS404;Yes→ステップS106~ステップS112)。
ここで、特定条件とは、予め定められた条件であったり、ユーザが選択したり、設定した条件であるとよい。例えば、以下のような選択条件が考えられる。
(1)メモリカード250のフォーマット方式が特定フォーマット方式であるか、それ以外か
メモリカード250のフォーマット方式が特定フォーマット方式であるか、それ以外かを特定条件とする。ここで、特定フォーマット方式とは、記録装置30(処理装置10)が対応しているフォーマット方式や、対応しているフォーマット方式のなかで、ユーザが所望したフォーマット方式のことをいうとよい。そして、特定条件としてメモリカード250のフォーマット方式が特定フォーマット以外の場合に、ユーザに対してそのまま初期化処理を行うか確認する。例えば、制御部100は、ユーザに対して特定フォーマット方式ではないことを表示する(例えば、図15(a)の表示画面W400)。
また、特定フォーマット方式が、例えば上述した第1のフォーマット方式の場合、第1のフォーマット方式を特定フォーマット方式であるとして初期化部102、完全初期化部104が記憶する。そうすると、初期化部102、完全初期化部104は、デフォルトのフォーマット方式として第1のフォーマットが選択される。
また、連続するメモリカードの性質から判定してもよい。例えば、直前にフォーマットしたメモリカードと同じ種類のフォーマット方式であるかを判定してもよい。この場合、最初の人だけ間違えなければ、継続して同じフォーマット方式を利用することができる。
また、図15の表示画面W400において、ユーザにより初期化のボタンが選択されると、制御部100は処理を継続する。なお、制御部100は、この場合には完全初期化処理を実行してもよい。
(2)前回の初期化からの経過時間を特定条件とする
メモリカード250を最後に初期化してから現在の時間までの経過時間を特定条件とする。例えば、セキュリティのためにメモリカードに記録されている映像データは所定期間保存する必要があるとする。この所定期間を例えば1週間と設定すると、制御部100は、メモリカード250を最後に初期化してから1週間経過していないと、メッセージを表示する(例えば、図15(b)の表示画面W410)。
(3)記録されている内容による場合
メモリカード250にイベントが記録されているか否か、記録されているイベントの回数を特定条件とする。例えば、制御部100は、メモリカード250にイベントが記録されている場合は、その旨を表示し、初期化の方法をユーザに選択させることができる。
また、制御部100は、メモリカード250にイベントが記録されている旨のメッセージを表示する(例えば、図15(c)の表示画面W420)。
ここで、図15(c)の表示画面では、制御部100が、初期化の方法として、通常の初期化を行うボタン(R420)と、メモリカード250の情報を表示してから初期化を行うボタン(R422)とを表示している。ユーザにより選択されたボタンに応じた処理を制御部100が実行することにより、適切な初期化処理を実行することができる。
(4)完全初期化の選択をする場合
メモリカード250を最後に完全初期化してから現在の時間までの経過時間を特定条件とする。例えば、制御部100は、図15(d)の表示画面W430において、メモリカード250を完全初期化してから3ヶ月が経過している旨を表示している。この場合、表示画面W430では、制御部100が、通常の初期化を行うボタン(R430)と、完全初期化を行うボタン(R432)とを表示している。制御部100は、ユーザにより選択されたボタンに応じた処理を実行する。したがって、ユーザは2つの初期化方式を選択して実行することができる。
なお、本実施形態では、装着されたメモリカード250が特定条件に一致するときには、メモリカードを初期化してよいかユーザに確認する処理を行うこととして説明したが、他の処理を行ってもよい。例えば、装着されたメモリカードが特定条件に一致するときは、エラーとしてはじくことにしてもよい。すなわち、特定条件に合致した場合は、メモリカード250が初期化されることはなくなり、より安全性の高いシステムを提供することができる。
[5.第5実施形態]
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、例えば図1(b)に示した処理装置20のように、複数のメモリカードリーダ(記録部)を有している場合の実施形態である。なお、第5実施形態における構成と第1実施形態における構成とは原則同じである。また、処理装置20の構成も、メモリカードを装着可能なカードスロットを複数備えていること以外、同一の構成として説明する。
処理装置20は、記憶部110に、図16で示す管理テーブル116を記憶する。管理テーブルは、メモリカードを装着できるスロットの番号(スロット番号)と、検出状態と、初期化状態とを記憶している。
検出状態は、メモリカード250がスロットに装着されているか否かを示している。検出状態が「○」となっているスロットは、メモリカード250が装着されている。また、初期化状態は、メモリカード250が初期化済か否かを記憶する。すなわち、メモリカード250を、記録部150(カードスロット)に装着すると、制御部100は、検出状態を「-」から「○」に変更する。また、初期化状態として「未初期化」とする。
ここで、制御部100がメモリカード250に対して初期化を行うと、初期化状態が「未初期化」から「初期化」に遷移する。
これにより、処理装置20は、複数のスロットのうち、どのスロットにメモリカード250が装着されているのかを把握することができる。また、装着されているスロットカードが「初期化済」か「未処理化」かを管理することができる。
また、制御部100は、検出状態が「○」、初期か状態が「未初期化」のスロットに装着されているメモリカード250に対して初期化をする。これにより、連続してメモリカードを効率的に初期化することができる。
なお、この場合に、上述した実施形態と無理の無い範囲で組み合わせて実現してもよい。例えば、制御部100は、連続してメモリカードを初期化している途中、イベント情報が記録されているメモリカードがあった場合、警告画面を表示する。このとき、制御部100は、警告画面にメモリカード情報252や、イベント情報に基づく情報とともに、対応するスロット番号を表示してもよい。また、制御部100は、問題が生じているスロットの横にLEDを設け、当該LEDを点灯/点滅させることで、ユーザに確認を促してもよい。
[6.第6実施形態]
第6実施形態について説明する。第6実施形態は、履歴データ114に記憶された履歴情報を参照し、レポートを出力する実施形態である。なお、第6実施形態における構成と第1実施形態における構成や処理は原則同じである。また、第6実施形態の内容は、上述した実施形態と組み合わせて実施可能である。
図17(a)は、履歴データ114のデータ構成の一例を示した図である。履歴データ114は、メモリカード250に初期化を実行した日時(例えば、「2019/12/15 11:45:16」)と、メモリカードを特定するための識別情報(例えば、「125F5485」)と、初期化として実行した処理内容(例えば、「初期化」)とを対応付けて記憶している。
また、図示していなしが、履歴データ114に他のデータを記憶してもよい。例えば、初期化処理を実行した場合の実行者の情報を、ユーザ情報112から特定して更に記憶してもよい。実行者の情報が併せて記憶されることにより、誰がいつ初期化を実行したかを管理者は把握することができる。
また、制御部100は、識別情報から、メモリカード250に記録されていたイベントに関する情報、映像データの記録日時等を特定できるようにしてもよい。イベントに関する情報や、映像データの記録日時に関する情報等は、履歴データ114に併せて記憶されてもよいし、別のテーブルとして記憶してもよい。
図17(b)は、制御部100が実際に履歴データ114に基づいてセキュリティレポートとして出力した一例である。制御部100は、セキュリティレポートをメールで送信してもよいし、画面に出力してもよい。また、印刷装置から紙に印刷してもよい。
図17(b)のセキュリティレポートは、一例としてメモリカード250を初期化した日時と、識別情報とが出力されている。また、メモリカード250に映像データが記録されていた日時(期間)も併せて出力されている。更に、通常の初期化とは異なる完全初期化をしたメモリカードには、「完全初期化」と識別表示を行っている。
[7.その他]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上述した実施形態は、説明の都合上、各実施形態を分けて説明しているが、可能な範囲で組み合わせて実行することが可能である。例えば、各実施形態において実行される初期化処理は、単一の説明でされている場合は、どのような初期化処理(第1の初期化処理、第2の初期化処理)が行われてもよい。
また、各実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバ装置の記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
また、上述したデータは、装置内に記憶されるものではなく、外部の装置に記憶されて、適宜呼び出されてもよい。例えば、データをNAS(Network Attached Storage)に記憶したり、クラウド上に記憶したりしてもよい。
上述した実施形態では、記録装置30が公共利用のカメラである場合の例として、公共共通機関の車両に搭載されるカメラである場合を説明したが、記録装置30は、エレベータやゴンドラ等の乗り物、路上、公園、店舗やショッピングモール等の商業施設などの他の場所に設置されてもよい。このような場所に設置された記録装置30は、不特定多数の人を撮影対象とし得る。記録装置30は、メモリカード250にデータを記録するものであれば、公共利用のカメラ以外のカメラであってもよいし、映像以外のデータを記録する装置としてもよい。
また、明細書に記載された発明は、従来の課題を解決する手段を提供している。例えば、目的の一つとして、記録媒体の取り扱いに関する技術に関し、例えば効率的な方法で記録媒体の初期化を実現できるシステムを提供することである。
また、他の目的の一つとして、記録媒体に対して、好適な初期化を行うことにより、各装置やシステムにおいて適切に取り扱うことが可能な形式でフォーマットされた記録媒体を生成することである。
さらに、記録媒体の取り扱いに関する技術として、以下の技術を提供する。
処理装置10は、初期化処理を行うことにより、以下のファイル構成を有するメモリカード250を生成してもよい。
(第1のフォーマット形式の場合)
フォルダ生成、および*.DMY, *.TMPなどのダミーファイル、システムファイルが生成されており、無録画状態でも、残容量はわずかとなっている。
(第1のフォーマット形式の亜流の場合)
フォルダ生成、および一部のシステムファイルのみ存在する。無録画状態でファイルもほとんど見えないが、残容量はわずかとなっている。
(第2のフォーマット形式の場合)
フォルダ生成と一部のシステムファイルのみ存在する。残容量は正しい値が表示される。
(通常フォーマット形式(FAT採用モデル)の場合)
フォルダ生成と一部のシステムファイルのみ存在する。残容量は正しい値が表示される。
処理装置10は、ステップS106の初期化処理よりも前に、記録媒体(例えば、上述したメモリカード)のヘルス状態を読み出して画面に表示する処理を行うようにするとよい。処理装置10は、例えばステップS104:Yesと判定した場合に(例えば直後に)、この処理を行うとよい。この画面には、「終了」のボタンを設けておき、終了ボタンが押された場合には、処理装置10は図6等の全体の処理を終了するようにしてもよいが、ステップS112へ飛ぶようにしてもよい。このようにすれば、多数の記録媒体を順に処理していくときに状態が悪い記録媒体がまぎれている場合に、その記録媒体を知ることができるとともに、中断せずに他の記録媒体の初期化等の処理を連続して行うことができる。
記録媒体のヘルス状態としては、プログラム/消去サイクル、スペアブロック情報、電源サイクル、不意の電源断回数(例えば書き込み中の電源断回数など)、推定残存寿命などのカードの自己診断等に関するステータス情報とするとよい。ヘルス状態は、例えば記録媒体のもつS.M.A.R.T.(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)機能を用いて取得する処理が行われてもい。処理装置10は、例えば、ヘルス状態を読み出し可能な記録媒体と読み出し不可能な記録媒体の双方を装着可能とし、ヘルス状態を読み出し可能な記録媒体が装着されたと判定した場合には、記録媒体のヘルス状態を読み出して画面に表示する一方、ヘルス状態を読み出し不可能な記録媒体が装着されたと判定した場合には、記録媒体のヘルス状態を読み出して表示する画面は表示せずに次の処理に移行するようにすると特によい。処理装置10は、記録媒体のヘルス状態が所定の第一の悪化状態にあると判定した場合には、「このカードは交換時期です。」と表示し、さらにヘルス状態が所定の第一の悪化状態よりも悪化した第二の悪化状態にある場合には「このカードは寿命です。交換してください。」のように、異なる表示を行うようにするとよい。処理装置10は、ヘルス状態が所定の悪化状態にあるかは、取得可能な自己診断等のステータスのうちの1種類のものを用いて判定するようにしてもよいが、少なくとも2種類のステータスを用いて判定するようにするとよい。
処理装置10は、プログラム/消去サイクル、スペアブロック情報、電源サイクル、不意の電源断回数、推定残存寿命などのカードの自己診断等に関するステータス情報のそれぞれについての第一の悪化状態のしきい値、第二の悪化状態のしきい値をテーブル等に記録して、いずれかのしきい値を超えた場合、警告メッセージを表示するようにしてもよい。あるいは、処理装置10は、いずれかのしきい値を超えた場合は警告せずに、いずれか2つのしきい値をともに超えた場合に警告メッセージを表示するようにするとよい。その他の所定のルールとしてもよい。
上述した実施形態では、記録装置30で記録された記録媒体について処理装置10にて図6から図15等の処理を実行する例を述べたが、この処理は記録装置30でも行うようにしてもよい。このとき、記録装置30は通常は当該記録装置30における記録処理を行い、記録装置30の所定のボタンが押されたときに、図6以降の処理を開始するようにするとよい。記録装置30は、図6以降の処理を開始するときには、記録処理は終了するようにするとよい。記録装置30は、図6以降の処理を終了したときには、記録処理を再開するようにするとよい。
記録装置30は、記録媒体のヘルス状態を読み出して、ヘルス状態が所定の悪化状態になったときに、警告の報知を行う機能を備えるとよい。このとき記録装置30の当該記録媒体への記録中にヘルス状態が所定の悪化状態になったときには、警報を行わないあるいは留保する機能を備えるとよい。記録装置30は、記録媒体への記録を行っていないときに警報を行うとよい。このようにすれば、記録中に悪化の警報がなされ、ユーザがそれを知覚して、記録媒体を記録装置から記録中に外してしまうという危険性を排除できる。
記録媒体は、例えば、SDカードやマイクロSDカードとするとよい。記憶媒体には、電源供給時に内部のフラッシュメモリに対してウェアレベリング等の内部的な記憶状態の変更処理等の、所定の処理を行うため、記録装置30に対してビジー状態である旨を出力する機能を備えるものを用いるとよい。記録媒体には、記録装置30からの要求に応じて、内部的な所定の処理を中止あるいは負荷が軽い処理に変更し、記録装置30に対する書き込みを可能にする、ないしビジーの時間を短くする機能を備えるとよい。記録媒体には、ビジー状態に、異なるレベルのビジー状態を記録装置に対して応答する機能を備えるとよい。当該記録媒体には、異なるレベルとしては書き込みを全く受け付けないことを示す第一のビジーと、書き込みは可能だが電源断により破壊される可能性がある第二のビジー状態を通知する機能を備えるとよい。
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。