JP7438148B2 - 心臓サルコメア阻害剤 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年6月26日出願の発明の名称「CARDIAC SARCOMERE INHIBITORS」の米国仮出願第62/690,248号に対する優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
分野
本明細書では、複素環式化合物、このような化合物を含む医薬組成物、ならびにこのような化合物を用いて様々な心臓疾患および状態を処置する方法が提供される。
本開示は、心臓サルコメアを選択的にモジュレートする、ある特定の化学実体に関し、具体的には、様々な心臓疾患および状態を処置するための、ある特定の化学実体、医薬組成物および方法に関する。
心臓サルコメアは、心筋機能を調節する収縮性の構造タンパク質の網目構造から構成される。心臓サルコメアの構成成分は、例えば、収縮性を増大するか、または完全な弛緩を促進して、それぞれ収縮機能および拡張機能をモジュレートすることによって、様々な心臓疾患および状態を処置するための標的を提示する。心筋収縮の力および速度は、臓器機能の主要決定因子であり、アクチンおよびミオシンの周期的相互作用によってモジュレートされる。アクチンとミオシンの結合の調節は、筋フィラメント調節タンパク質の網目構造および細胞内Ca2+のレベルによって決定される。トロポニン複合体およびトロポミオシンは、アクチン結合部位の利用性を支配する細いフィラメントタンパク質であり、必須軽鎖および調節軽鎖、ならびにミオシン結合タンパク質Cは、ミオシンの位置および機械特性をモジュレートする。
心臓サルコメアの異常は、様々な心臓疾患および状態、例えば肥大型心筋症(HCM)および駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)の推進原因として特定されている。サルコメアのタンパク質における突然変異は、心筋を、「高」または「低」収縮のいずれかにすることによって疾患を引き起こす。心臓サルコメアのモジュレーターは、収縮性のバランスを取り戻し、疾患経過を停止または逆行させるために使用することができる。
心臓サルコメアを標的にする現在の薬剤、例えば変力物質(心臓の収縮能を増大する薬物)は、心臓組織に対する選択性が低く、認識されている有害効果をもたらし、それにより使用が制限される。これらの有害効果には、変力的に刺激された心筋における細胞質Ca2+およびサイクリックAMP濃度の上昇から生じ得る、エネルギー消費率の増大、弛緩異常の増悪、および潜在的な不整脈原性副作用によって引き起こされた細胞損傷が含まれる。現在の薬剤の限界を考慮すると、HCMおよびHFpEFにおいて心臓機能を改善するための新しい手法が必要である。
新しい作用機序を活用し、短期間および長期間の両方にわたって、症状の軽減、安全性、および患者死亡率に関してより良好なアウトカムを有することができる薬剤への必要性は、まだ非常に大きい。現在の薬剤を上回る改善された治療指数を有する新しい薬剤は、これらの臨床アウトカムを達成するための手段を提供する。心臓サルコメアを対象とする(例えば、心臓ミオシンを標的にすることによって)薬剤の選択性は、この治療指数の改善を達成するための重要な手段として特定されている。本開示は、このような薬剤(特に、心臓サルコメア阻害剤)およびそれらを使用するための方法を提供する。これらの薬剤は、平滑筋ミオシンに対してほとんどまたはまったく効果を有していない、心臓ミオシンの選択的アロステリック阻害剤である。これらの化合物の利点には、より幅広い治療指数、心臓弛緩に対する影響の少なさ、より良好な薬物動態、およびより良好な安全性が含まれる。
本開示は、HCMおよびHFpEFを含む心不全を処置するための、化学実体、医薬組成物および方法を提供する。これらの組成物は、心臓サルコメアの阻害剤、例えば心臓ミオシンの阻害剤である。
一態様では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される
Figure 0007438148000001
[式中、
Xは、-O-または-CH-であり、
は、Hであり、Rは、-C(O)NHRであるか、またはRおよびRは、一緒になって、-CHOC(O)NH-であり、
は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択される]。
式(I)の一部の実施形態では、Xは、-CH-である。他の実施形態では、Xは、-O-である。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、Hであり、Rは、-C(O)NHRである。このような一部の実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである。一部の実施形態では、Rは、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ピラゾリル、または置換もしくは非置換ピリジニル(pyrdinyl)である。一部の実施形態では、Rは、
Figure 0007438148000002
からなる群から選択され、nは、1~3であり、各Rは、独立に、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、シアノ、アジド、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、およびオキソからなる群から選択される。このような一実施形態では、nは、1である。このような別の実施形態では、nは、2である。さらなる実施形態では、nは、3である。
式(I)のさらなる実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、またはブチルである。他の実施形態では、Rは、エチルである。
式(I)の他の実施形態では、Rは、
Figure 0007438148000003
からなる群から選択される。
式(I)の一部の実施形態では、RおよびRは、一緒になって、-CHOC(O)NH-である。
が、Hであり、Rが、-C(O)NHRであるか、またはRおよびRが、一緒になって、-CHOC(O)NH-である、本明細書で提供される実施形態を含む、式(I)のさらなる実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~8アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~6シクロアルキルである。他の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。別の実施形態では、Rは、ハロアルキルである。さらなる実施形態では、Rは、-CHFである。
一部の実施形態では、表1の化合物からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
一部の態様では、式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物が提供される。
一部の態様では、心臓疾患を処置することを必要とする対象における心臓疾患を処置する方法であって、対象に、式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩、あるいは式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓疾患は、肥大型心筋症(HCM)である。一部の実施形態では、HCMは、閉塞性もしくは非閉塞性であるか、またはサルコメアおよび/もしくは非サルコメア突然変異によって引き起こされる。一部の実施形態では、心臓疾患は、駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)である。一部の実施形態では、心臓疾患は、拡張機能障害、原発性または続発性拘束型心筋症、心筋梗塞および狭心症、ならびに左心室流出路閉塞からなる群から選択される。一部の実施形態では、心臓疾患は、高血圧性心臓疾患、先天性心臓疾患、心虚血、冠状動脈性心臓疾患、糖尿病性心臓疾患、うっ血性心不全、右心不全、心腎症候群、または浸潤性心筋症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心臓老化および/または加齢に起因する拡張機能障害であるか、またはそれに関係する状態である。一部の実施形態では、心臓疾患は、左心室肥大および/または求心性左心室リモデリングであるか、またはそれに関係する状態である。
他の態様では、HCMと関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象におけるHCMと関連する疾患または状態を処置する方法であって、対象に、式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩、あるいは式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、疾患または状態は、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、およびヌーナン症候群からなる群から選択される。
一部の態様では、続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置する方法であって、対象に、式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩、あるいは式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、疾患または状態は、高血圧、心臓弁膜症(例えば、大動脈弁狭窄および僧帽弁逆流)、メタボリック症候群(例えば、糖尿病および肥満)、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調、ダノン病、ヌーナン症候群、およびポンペ病からなる群から選択される。
他の態様では、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法が提供される。また、筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)または糖原病を処置する方法が提供される。
また、心臓サルコメアを阻害する方法であって、心臓サルコメアを、式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩、あるいは式(I)の化合物もしくはその任意の変形形態、またはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物と接触させるステップを含む、方法が提供される。
定義
本明細書で使用される場合、以下の用語および句は、一般に、それらが使用される文脈によってそうでないと指示される場合を除き、下記の通りの意味を有することを企図される。
本願を通して、文脈によって別段指示されない限り、式(I)の化合物への言及には、本明細書に定義および/または記載されるすべての部分構造、亜属、優先形態、実施形態、例および特定の化合物を含む、本明細書に定義される式(I)のすべてのサブグループ、例えば式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)が含まれる。式(I)の化合物、ならびにそのサブグループ、例えば式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)への言及には、そのイオン形態、多形、疑似多形、非晶質形態、溶媒和物、共結晶、キレート、異性体、互変異性体、オキシド(例えば、N-オキシド、S-オキシド)、エステル、プロドラッグ、同位体および/または保護形態が含まれる。一部の実施形態では、式(I)の化合物、ならびにそのサブグループ、例えば式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)への言及には、その多形、溶媒和物、共結晶、異性体、互変異性体および/またはオキシドが含まれる。一部の実施形態では、式(I)の化合物、ならびにそのサブグループ、例えば式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)への言及には、その多形、溶媒和物、および/または共結晶が含まれる。一部の実施形態では、式(I)の化合物、ならびにそのサブグループ、例えば式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)への言及には、その異性体、互変異性体および/またはオキシドが含まれる。一部の実施形態では、式(I)の化合物、ならびにそのサブグループ、例えば式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)への言及には、その溶媒和物が含まれる。
「アルキル」は、指示数の炭素原子、例えば、1~20個の炭素原子、または1~8個の炭素原子、または1~6個の炭素原子を有する直鎖および分岐炭素鎖を包含する。例えば、C1~6アルキルは、1~6個の炭素原子の直鎖および分岐鎖アルキルの両方を包含する。具体的な数の炭素を有するアルキル残基が命名される場合、その数の炭素を有する、すべての分岐および直鎖型が包含されることが企図される。したがって、例えば「プロピル」には、n-プロピルおよびイソプロピルが含まれ、「ブチル」には、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチルおよびt-ブチルが含まれる。アルキル基の例として、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、および3-メチルペンチルが挙げられる。
値のある範囲が与えられる場合(例えば、C1~6アルキル)、その範囲およびその間にあるすべての範囲内の各値が含まれる。例えば、「C1~6アルキル」には、C、C、C、C、C、C、C1~6、C2~6、C3~6、C4~6、C5~6、C1~5、C2~5、C3~5、C4~5、C1~4、C2~4、C3~4、C1~3、C2~3、およびC1~2アルキルが含まれる。
「アルケニル」は、指示数の炭素原子(例えば、2~8個または2~6個の炭素原子)および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、不飽和分岐または直鎖アルキル基を指す。その基は、二重結合(単数または複数)の周りでcisまたはtrans配置(ZまたはE配置)のいずれかであり得る。アルケニル基には、限定されるものではないが、エテニル、プロペニル(例えば、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、プロパ-2-エン-2-イル)、およびブテニル(例えば、ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル)が含まれる。
「アルキニル」は、指示数の炭素原子(例えば、2~8個または2~6個の炭素原子)および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する、不飽和分岐または直鎖アルキル基を指す。アルキニル基には、限定されるものではないが、エチニル、プロピニル(例えば、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル)およびブチニル(例えば、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イル)が含まれる。
「シクロアルキル」は、指示数の炭素原子、例えば、3~10個、または3~8個、または3~6個の環炭素原子を有する、非芳香族の完全飽和炭素環式環を示す。シクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)であり得る。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ならびに架橋およびケージ型環基(例えば、ノルボルナン、ビシクロ[2.2.2]オクタン)が挙げられる。さらに、多環式シクロアルキル基の1つの環は、その多環式シクロアルキル基が非芳香族炭素を介して親構造に結合しているという条件で、芳香族であってよい。例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル基(その部分は、非芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、シクロアルキル基であるが、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-5-イル(その部分は、芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、シクロアルキル基とはみなされない。芳香環に縮合しているシクロアルキル基からなる多環式シクロアルキル基の例は、以下に記載される。
「シクロアルケニル」は、指示数の炭素原子(例えば、3~10個、または3~8個、または3~6個の環炭素原子)および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する、非芳香族炭素環式環を示す。シクロアルケニル基は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)であり得る。シクロアルケニル基の例として、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニル、ならびに架橋およびケージ型環基(例えば、ビシクロ[2.2.2]オクテン)が挙げられる。さらに、多環式シクロアルケニル基の1つの環は、その多環式アルケニル基が非芳香族炭素原子を介して親構造に結合しているという条件で、芳香族であってよい。例えば、インデン-1-イル(その部分は、非芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、シクロアルケニル基とみなされるが、インデン-4-イル(その部分は、芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、シクロアルケニル基とはみなされない。芳香環に縮合しているシクロアルケニル基からなる多環式シクロアルケニル基の例は、以下に記載される。
「シクロアルキニル」は、少なくとも1つのアセチレン性不飽和部位を有する(すなわち、式C≡Cの少なくとも1つの部分を有する)シクロアルキル内の不飽和炭化水素基を指す。シクロアルキニルは、1つの環からなり得(例えばシクロオクチン)、または複数の環からなり得る。1つのシクロアルキニル部分は、5~10個の環式炭素原子を有する不飽和環式炭化水素(「C~C10シクロアルキニル」)である。例として、シクロペンチン、シクロヘキシン、シクロヘプチン、シクロオクチン、シクロノニン等が挙げられる。
「アリール」は、指示数の炭素原子、例えば、6~12個または6~10個の炭素原子を有する芳香族炭素環式環を示す。アリール基は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)であり得る。ある場合には、多環式アリール基の両方の環が、芳香族である(例えば、ナフチル)。他の場合には、多環式アリール基は、その多環式アリール基が、芳香環における原子を介して親構造に結合しているという条件で、芳香環に縮合している非芳香環を含み得る。したがって、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-5-イル基(その部分は、芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とみなされるが、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル(その部分は、非芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とはみなされない。同様に、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル基(その部分は、芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とみなされるが、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-イル基(その部分は、非芳香族窒素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とはみなされない。しかし、「アリール」という用語は、付着点にかかわらず(例えば、キノリン-5-イルおよびキノリン-2-イルは、共にヘテロアリール基である)、本明細書で定義される通りの「ヘテロアリール」を包含するものでも、それと重複するものでもない。ある場合には、アリールは、フェニルまたはナフチルである。ある特定の場合、アリールは、フェニルである。非芳香環に縮合している芳香族炭素環を含むアリール基のさらなる例は、以下に記載される。
「ヘテロアリール」は、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)、および炭素である残りの環原子から作製された、指示数の原子を含有する(例えば、5~12員または5~10員のヘテロアリール)芳香環を示す。ヘテロアリール基は、隣接するSおよびO原子を含有しない。一部の実施形態では、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は、2以下である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は、1以下である。別段指示されない限り、ヘテロアリール基は、原子価によって許容される通り、炭素原子または窒素原子によって親構造に結合することができる。例えば、「ピリジル」には、2-ピリジル、3-ピリジルおよび4-ピリジル基が含まれ、「ピロリル」には、1-ピロリル、2-ピロリルおよび3-ピロリル基が含まれる。
ある場合には、ヘテロアリール基は、単環式である。例として、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール(例えば、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール)、テトラゾール、フラン、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール(例えば、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール)、チオフェン、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール(例えば、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール)、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン(例えば、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン)およびテトラジンが挙げられる。
ある場合には、多環式ヘテロアリール基の両方の環が、芳香族である。例として、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアジアゾール、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン、3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン、1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、フロ[2,3-b]ピリジン、オキサゾロ[5,4-b]ピリジン、イソオキサゾロ[5,4-b]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[5,4-b]ピリジン、フロ[3,2-b]ピリジン、オキサゾロ[4,5-b]ピリジン、イソオキサゾロ[4,5-b]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[4,5-b]ピリジン、フロ[2,3-c]ピリジン、オキサゾロ[5,4-c]ピリジン、イソオキサゾロ[5,4-c]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[5,4-c]ピリジン、フロ[3,2-c]ピリジン、オキサゾロ[4,5-c]ピリジン、イソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[4,5-c]ピリジン、チエノ[2,3-b]ピリジン、チアゾロ[5,4-b]ピリジン、イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[5,4-b]ピリジン、チエノ[3,2-b]ピリジン、チアゾロ[4,5-b]ピリジン、イソチアゾロ[4,5-b]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[4,5-b]ピリジン、チエノ[2,3-c]ピリジン、チアゾロ[5,4-c]ピリジン、イソチアゾロ[5,4-c]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[5,4-c]ピリジン、チエノ[3,2-c]ピリジン、チアゾロ[4,5-c]ピリジン、イソチアゾロ[4,5-c]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[4,5-c]ピリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン(例えば、1,8-ナフチリジン、1,7-ナフチリジン、1,6-ナフチリジン、1,5-ナフチリジン、2,7-ナフチリジン、2,6-ナフチリジン)、イミダゾ[1,2-a]ピリジン、1H-ピラゾロ[3,4-d]チアゾール、1H-ピラゾロ[4,3-d]チアゾールおよびイミダゾ[2,1-b]チアゾールが挙げられる。
他の場合には、多環式ヘテロアリール基は、その多環式ヘテロアリール基が、芳香環における原子を介して親構造に結合しているという条件で、ヘテロアリール環に縮合している非芳香環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル)を含み得る。例えば、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-2-イル基(その部分は、芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、ヘテロアリール基とみなされるが、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-5-イル(その部分は、非芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、ヘテロアリール基とはみなされない。非芳香環に縮合しているヘテロアリール環からなる多環式ヘテロアリール基の例は、以下に記載される。
「ヘテロシクロアルキル」は、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)、および炭素である残りの環原子から作製された、指示数の原子を有する(例えば、3~10員または3~7員のヘテロシクロアルキル)非芳香族の完全飽和環を示す。ヘテロシクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)であり得る。ヘテロシクロアルキル基の例として、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルが挙げられる。例として、チオモルホリンS-オキシドおよびチオモルホリンS,S-ジオキシドが挙げられる。さらに、多環式ヘテロシクロアルキル基の1つの環は、その多環式ヘテロシクロアルキル基が、非芳香族の炭素原子または窒素原子を介して親構造に結合しているという条件で、芳香族(例えば、アリールまたはヘテロアリール)であってよい。例えば、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-イル基(その部分は、非芳香族窒素原子を介して親構造に結合している)は、ヘテロシクロアルキル基とみなされるが、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル基(その部分は、芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、ヘテロシクロアルキル基とはみなされない。芳香環に縮合しているヘテロシクロアルキル基からなる多環式ヘテロシクロアルキル基の例は、以下に記載される。
「ヘテロシクロアルケニル」は、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)、および炭素である残りの環原子から作製された、指示数の原子を有し(例えば、3~10員または3~7員のヘテロシクロアルキル)、対応するヘテロシクロアルキルの隣接する炭素原子、隣接する窒素原子、または隣接する炭素原子および窒素原子から、1つの水素分子が除去されることによって誘導された少なくとも1つの二重結合を有する、非芳香環を示す。ヘテロシクロアルケニル基は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)であり得る。ヘテロシクロアルケニル基の例として、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジヒドロチオフェニル(例えば、2,3-ジヒドロチオフェニル、2,5-ジヒドロチオフェニル)、ジヒドロピロリル(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-ピロリル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル)、ジヒドロイミダゾリル(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾリル、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾリル)、ピラニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル、3,6-ジヒドロ-2H-ピラニル)、テトラヒドロピリジニル(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロピリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル)およびジヒドロピリジン(例えば、1,2-ジヒドロピリジン、1,4-ジヒドロピリジン)が挙げられる。さらに、多環式ヘテロシクロアルケニル基の1つの環は、その多環式ヘテロシクロアルケニル基が、非芳香族の炭素原子または窒素原子を介して親構造に結合しているという条件で、芳香族(例えば、アリールまたはヘテロアリール)であってよい。例えば、1,2-ジヒドロキノリン-1-イル基(その部分は、非芳香族窒素原子を介して親構造に結合している)は、ヘテロシクロアルケニル基とみなされるが、1,2-ジヒドロキノリン-8-イル基(その部分は、芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、ヘテロシクロアルケニル基とはみなされない。芳香環に縮合しているヘテロシクロアルケニル基からなる多環式ヘテロシクロアルケニル基の例は、以下に記載される。
非芳香環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル)に縮合している芳香環(例えば、アリールまたはヘテロアリール)からなる多環式環の例として、インデニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、テトラヒドロキノリニル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、インドリニル、イソインドリニル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラニル、1,3-ジヒドロベンゾ[c]イソオキサゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[d]イソオキサゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェニル、1,3-ジヒドロベンゾ[c]チオフェニル、1,3-ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[d]イソチアゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[d]チアゾリル、5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d]チアゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾリル、5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d]チアゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロチアゾロ[5,4-c]ピリジニル、インドリン-2-オン、インドリン-3-オン、イソインドリン-1-オン、1,2-ジヒドロインダゾール-3-オン、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オン、ベンゾフラン-2(3H)-オン、ベンゾフラン-3(2H)-オン、イソベンゾフラン-1(3H)-オン、ベンゾ[c]イソオキサゾール-3(1H)-オン、ベンゾ[d]イソオキサゾール-3(2H)-オン、ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オン、ベンゾ[b]チオフェン-2(3H)-オン、ベンゾ[b]チオフェン-3(2H)-オン、ベンゾ[c]チオフェン-1(3H)-オン、ベンゾ[c]イソチアゾール-3(1H)-オン、ベンゾ[d]イソチアゾール-3(2H)-オン、ベンゾ[d]チアゾール-2(3H)-オン、4,5-ジヒドロピロロ[3,4-d]チアゾール-6-オン、1,2-ジヒドロピラゾロ[3,4-d]チアゾール-3-オン、キノリン-4(3H)-オン、キナゾリン-4(3H)-オン、キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオン、キノキサリン-2(1H)-オン、キノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン、シンノリン-4(3H)-オン、ピリジン-2(1H)-オン、ピリミジン-2(1H)-オン、ピリミジン-4(3H)-オン、ピリダジン-3(2H)-オン、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-2(3H)-オン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン、1,2-ジヒドロピラゾロ[3,4-d]チアゾール-3-オンおよび4,5-ジヒドロピロロ[3,4-d]チアゾール-6-オンが挙げられる。本明細書で論じられる通り、各環が、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基とみなされるかどうかは、その部分がそれを介して親構造に結合している原子によって決定される。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを指す。
別段指示されない限り、本明細書に開示および/または記載される化合物には、それらのラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間混合物を含むすべての可能なエナンチオマー、ジアステレオマー、メソ異性体および他の立体異性体が含まれる。エナンチオマー、ジアステレオマー、メソ異性体および他の立体異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製し、または従来技術を使用して分割することができる。別段特定されない限り、本明細書に開示および/または記載される化合物が、オレフィン性二重結合または他の幾何学的不斉中心を含有する場合、その化合物には、EおよびZ異性体の両方が含まれることが企図される。本明細書に記載される化合物が、互変異性化できる部分を含有する場合、別段特定されない限り、その化合物には、すべての可能な互変異生体が含まれることが企図される。
「保護基」は、有機合成においてそれと従来関連付けられている意味を有し、すなわち、化学反応を、別の保護されていない反応性部位上で選択的に行うことができ、選択的反応が完了した後に、その基を容易に除去することができるように、多官能性化合物における1つまたは複数の反応性部位を選択的にブロックする基である。例えば、T.H. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, John Wiley & Sons, New York (1999)において、様々な保護基が開示されている。例えば、「ヒドロキシ保護形態」は、ヒドロキシ保護基で保護された少なくとも1つのヒドロキシ基を含有する。同様に、アミンおよび他の反応基も同様に保護することができる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、非毒性であることが既知であり、一般に医薬文献において使用されている、本明細書の化合物のうちのいずれかの塩を指す。一部の実施形態では、化合物の薬学的に許容される塩は、本明細書に記載される化合物の生物学的効果を保持し、生物学的にもそれ以外でも望ましくないことがないものである。薬学的に許容される塩の例は、Berge et al., Pharmaceutical Salts, J. Pharmaceutical Sciences, January 1977, 66(1), 1-19に見出され得る。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が含まれる。塩を誘導することができる有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ステアリン酸およびサリチル酸が含まれる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、およびアルミニウムが含まれる。塩を誘導することができる有機塩基には、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂が含まれる。有機塩基の例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが挙げられる。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩から選択される。
本明細書に記載される化合物が、酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は、酸塩の溶液を塩基性にすることによって得ることができる。それとは逆に、化合物が遊離塩基である場合、付加塩、特に薬学的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製するための従来の手順に従って、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解させ、その溶液を酸で処理することによって生成することができる(例えば、Berge et al., Pharmaceutical Salts, J. Pharmaceutical Sciences, January 1977, 66(1), 1-19を参照されたい)。当業者は、薬学的に許容される付加塩を調製するために使用することができる様々な合成法を認識されよう。
「溶媒和物」は、溶媒と化合物との相互作用によって形成される。適切な溶媒には、例えば、水およびアルコール(例えば、エタノール)が含まれる。溶媒和物には、水に対して任意の比の化合物を有する水和物、例えば一水和物、二水和物および半水和物が含まれる。
「置換」という用語は、特定の基または部分が、限定されるものではないが、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、シアノ、アジド、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソなどの置換基を含む1つまたは複数の置換基を担持することを意味する。「非置換」という用語は、特定の基が置換基を担持していないことを意味する。「置換」という用語が、構造系を説明するために使用される場合、その置換は、その系上の原子価によって許容される任意の位置において生じることを意味する。基または部分が、1個より多くの置換基を担持している場合、その置換基は、互いに同じであっても異なっていてもよいと理解される。一部の実施形態では、置換されている基または部分は、1~5個の置換基を担持する。一部の実施形態では、置換されている基または部分は、1個の置換基を担持する。一部の実施形態では、置換されている基または部分は、2個の置換基を担持する。一部の実施形態では、置換されている基または部分は、3個の置換基を担持する。一部の実施形態では、置換されている基または部分は、4個の置換基を担持する。一部の実施形態では、置換されている基または部分は、5個の置換基を担持する。
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記載される事象または状況が、生じても生じなくてもよいこと、およびその説明が、事象または状況が生じる場合と生じない場合を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換されているアルキル」は、本明細書で定義される通りの「アルキル」および「置換アルキル」の両方を包含する。1つまたは複数の置換基を含有する任意の基に関して、このような基は、立体的に非実用的な、合成的に実行不可能な、かつ/または本来的に不安定な任意の置換または置換パターンを導入することを企図されないことが、当業者によって理解されよう。基または部分が必要に応じて置換されている場合、本開示は、その基または部分が置換されている実施形態、およびその基または部分が置換されていない実施形態の両方を含むことも理解されよう。
本明細書に開示および/または記載される化合物は、例えば、H、H、11C、13Cおよび/または14Cの含量が濃縮している、濃縮同位体形態であってよい。一実施形態では、化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含有する。このような重水素化形態は、例えば、米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載されている手順によって、作製することができる。このような重水素化化合物は、本明細書に開示および/または記載される化合物の有効性を改善し、作用期間を増大することができる。重水素置換化合物は、様々な方法、例えば、Dean, D., Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development, Curr. Pharm. Des., 2000;6(10)、Kabalka, G. et al., The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates, Tetrahedron, 1989, 45(21), 6601-21、およびEvans, E., Synthesis of radiolabeled compounds, J. Radioanal. Chem., 1981, 64(1-2), 9-32に記載されている方法を使用して合成することができる。
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語には、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤、ならびに吸収遅延剤等が含まれる。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が、活性成分と適合性がない場合を除き、医薬組成物におけるその使用が考慮される。補助的活性成分を医薬組成物に組み込むこともできる。
「患者」、「個体」および「対象」という用語は、動物、例えば哺乳動物、鳥、または魚を指す。一部の実施形態では、患者または対象は、哺乳動物である。哺乳動物には、例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシおよびヒトが含まれる。一部の実施形態では、患者または対象は、ヒト、例えば、処置、観察または実験の対象となっているか、または対象となる予定であるヒトである。本明細書に記載される化合物、組成物および方法は、ヒトの治療および獣医学的適用の両方において有用となり得る。
本明細書で使用される場合、「治療的」という用語は、心臓サルコメアをモジュレートする能力を指す。本明細書で使用される場合、「モジュレーション」は、化学実体がない状態の活性と比較した、本明細書に記載される通りの化学実体の存在に対する直接的または間接的応答としての活性の変化を指す。変化は、活性の増大または活性の低減であってよく、化学実体と標的との直接的な相互作用に起因し得るか、または化学実体と他の1つもしくは複数の因子との相互作用(これが次いで、標的の活性に影響を及ぼす)に起因し得る。例えば、化学実体の存在は、例えば、標的との直接的な結合によって、別の因子に標的活性を(直接的または間接的に)増大もしくは低減させることによって、または細胞もしくは生物中に存在する標的の量を(直接的または間接的に)増大もしくは低減することによって、標的活性を増大または低減することができる。
「治療有効量」または「有効量」という用語は、このような処置を必要とする患者に投与される場合、本明細書で定義される通り処置を行うのに十分な、本明細書に開示および/または記載される化合物の量を指す。化合物の治療有効量は、心臓サルコメアのモジュレーションに対して応答性の疾患を処置するのに十分な量であり得る。治療有効量は、例えば、処置される対象および疾患状態、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、特定の化合物、従うべき投薬レジメン、投与のタイミング、投与方式に応じて変わることになるが、それらはすべて、当業者によって容易に決定され得る。治療有効量は、例えば化学実体の血液濃度をアッセイすることによって実験的に、またはバイオアベイラビリティを算出することによって理論的に、確認することができる。
「処置」(および関連用語、例えば「処置する」、「処置される」、「処置すること」)には、疾患もしくは障害を阻害すること、疾患もしくは障害の臨床症候の発症を緩徐もしくは停止すること、および/または疾患もしくは障害を緩和すること(すなわち、臨床症候からの緩和または退縮を引き起こすこと)のうちの1つまたは複数が含まれる。この用語は、状態または障害の完全なおよび部分的な低減、ならびに疾患または障害の臨床症候の完全なまたは部分的な低減の両方を網羅する。したがって、本明細書に記載および/または開示される化合物は、既存の疾患もしくは障害が悪化するのを防止し、疾患もしくは障害の管理を助け、または疾患もしくは障害を低減もしくは排除することができる。
「ATPアーゼ」は、ATPを加水分解する酵素を指す。ATPアーゼには、ミオシンなどの分子モーターを含むタンパク質が含まれる。
本明細書で使用される場合、「選択的な結合」または「選択的に結合する」は、他の種類とは対照的に、ある種類の筋肉または筋線維における標的タンパク質に優先的に結合することを指す。例えば、化合物が、遅筋の繊維もしくはサルコメアのトロポニン複合体におけるトロポニンC、または心臓サルコメアのトロポニン複合体におけるトロポニンCと比較して、速骨格筋の繊維またはサルコメアのトロポニン複合体におけるトロポニンCに優先的に結合する場合、その化合物は、速骨格筋トロポニンCに選択的に結合する。
本明細書に「含む」として記載される実施形態には、「からなる」実施形態および「から本質的になる」実施形態が含まれると理解される。
化合物
化合物およびその塩(例えば、薬学的に許容される塩)は、発明の概要および添付の特許請求の範囲を含み、本明細書に詳細される。また、本明細書に記載される化合物の幾何異性体(cis/trans)、E/Z異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、および任意の比のそれらの混合物(ラセミ混合物を含む)を含むありとあらゆる立体異性体、塩および溶媒和物を含む、本明細書に記載される化合物のすべての使用、ならびにこのような化合物を作製する方法が提供される。本明細書に記載されるいかなる化合物も、薬物と呼ぶこともできる。
一態様では、式(I)の化合物
Figure 0007438148000004
またはその薬学的に許容される塩が提供される[式中、
Xは、-O-または-CH-であり、
は、Hであり、Rは、-C(O)NHRであるか、またはRおよびRは、一緒になって、-CHOC(O)NH-であり、
は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択される]。
式(I)の一部の実施形態では、RおよびRは、一緒になって、-CHOC(O)NH-である。他の実施形態では、Rは、Hであり、Rは、-C(O)NHRである。
式(I)の一部の変形形態では、Rは、置換または非置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~8アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。他の実施形態では、Rは、メチル(methy)、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはイソプロピルである。他の実施形態では、Rは、ハロアルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、-CF、-CHF、-CHFである。他の実施形態では、Rは、-CHFである。他の実施形態では、Rは、置換または非置換シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~6シクロアルキルである。他の実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。一部の実施形態では、Rは、置換シクロアルキルである。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、置換または非置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。このような一部の実施形態では、Rは、エチルである。さらなる他の実施形態では、Rは、置換または非置換アリールである。他の実施形態では、Rは、置換アリールである。さらなる実施形態では、Rは、非置換アリールである。このような一部の実施形態では、Rは、フェニルである。さらなる実施形態では、Rは、置換または非置換ヘテロアリールである。他の実施形態では、Rは、非置換ヘテロアリールである。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ピラゾリル、または置換もしくは非置換ピリジニルである。他の実施形態では、Rは、
Figure 0007438148000005
からなる群から選択され、nは、1~3であり、各Rは、独立に、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、シアノ、アジド、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、およびオキソからなる群から選択される。このような一実施形態では、nは、1である。このような別の実施形態では、nは、2である。さらなる実施形態では、nは、3である。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、
Figure 0007438148000006
からなる群から選択される。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、非置換C1~8アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、またはイソプロピルである。他の実施形態では、Rは、非置換アルケニルである。さらなる実施形態では、Rは、非置換アルキニルである。他の実施形態では、Rは、非置換C1~6シクロアルキルである。他の実施形態では、Rは、非置換シクロアルケニルである。他の実施形態では、Rは、非置換シクロアルキニルである。他の実施形態では、Rは、非置換ヘテロシクリルである。他の実施形態では、Rは、非置換アリールである。他の実施形態では、Rは、非置換ヘテロアリールである。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、非置換アルキルである。他の実施形態では、Rは、非置換アルケニルである。他の実施形態では、Rは、非置換アルキニルである。他の実施形態では、Rは、非置換シクロアルキルである。他の実施形態では、Rは、非置換シクロアルケニルである。他の実施形態では、Rは、非置換シクロアルキニルである。他の実施形態では、Rは、非置換ヘテロシクリルである。他の実施形態では、Rは、非置換アリールである。さらなる他の実施形態では、Rは、非置換ヘテロアリールである。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。他の実施形態では、Rは、置換アルケニルである。さらなる実施形態では、Rは、置換アルキニルである。他の実施形態では、Rは、置換シクロアルキルである。他の実施形態では、Rは、置換シクロアルケニルである。他の実施形態では、Rは、置換シクロアルキニルである。他の実施形態では、Rは、置換ヘテロシクリルである。他の実施形態では、Rは、置換アリールである。他の実施形態では、Rは、置換ヘテロアリールである。
式(I)の一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。他の実施形態では、Rは、置換アルケニルである。他の実施形態では、Rは、置換アルキニルである。他の実施形態では、Rは、置換シクロアルキルである。他の実施形態では、Rは、置換シクロアルケニルである。他の実施形態では、Rは、置換シクロアルキニルである。他の実施形態では、Rは、置換ヘテロシクリルである。他の実施形態では、Rは、置換アリールである。さらなる他の実施形態では、Rは、置換ヘテロアリールである。
別の態様では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)または(Ic)の化合物
Figure 0007438148000007
またはその薬学的に許容される塩である[式中、X、R、およびRは、式(I)またはその任意の変形形態もしくは実施形態について定義される通りである]。
式(Ia)、(Ib)または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-O-である。他の実施形態では、Xは、-CH-である。
式(Ia)、(Ib)または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、置換または非置換アルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、非置換C1~8アルキル(alky)である。他の実施形態では、Rは、置換アルキルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはイソプロピルである。他の実施形態では、Rは、ハロアルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、-CF、-CHF、-CHFである。他の実施形態では、Rは、-CHFである。
式(Ia)、(Ib)または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、置換または非置換シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換シクロアルキルである。他の実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
式(Ia)、(Ib)または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、置換または非置換アルキルである。他のこのような実施形態では、Rは、非置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。このような一部の実施形態では、Rは、エチルである。さらなる他の実施形態では、Rは、置換または非置換アリールである。他の実施形態では、Rは、置換アリールである。さらなる実施形態では、Rは、非置換アリールである。このような一部の実施形態では、Rは、フェニルである。さらなる実施形態では、Rは、置換または非置換ヘテロアリールである。他の実施形態では、Rは、非置換ヘテロアリールである。
式(Ia)、(Ib)または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、
Figure 0007438148000008
からなる群から選択される。このような一部の実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~8アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、またはイソプロピルである。他の実施形態では、Rは、ハロアルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、-CF、-CHF、-CHFである。他の実施形態では、Rは、-CHFである。他の実施形態では、Rは、非置換C1~6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。さらなる実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
式(Ia)、(Ib)、または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、置換または非置換アルキルであり、Rは、置換または非置換アルキルである。一部の実施形態では、RおよびRは、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。他の実施形態では、RおよびRは、独立に、エチルまたはイソプロピルである。さらなる実施形態では、RおよびRは、エチルである。他の実施形態では、Rは、ハロアルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、-CF、-CHF、-CHFである。他の実施形態では、Rは、-CHFである。
式(Ia)、(Ib)または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、置換または非置換アルキルであり、Rは、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルであり、Rは、置換または非置換フェニルである。他の実施形態では、Rは、エチルであり、Rは、フェニルである。他のこのような実施形態では、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、またはブチルであり、Rは、置換または非置換ヘテロアリールである。他の実施形態では、Rは、置換または非置換ピラゾリルまたはピリジニルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、Rは、置換ピラゾリルまたはピリジニルである。このような一部の実施形態では、Rは、ハロアルキルであり、Rは、置換または非置換ヘテロアリールである。このような一部の実施形態では、Rは、-CF、-CHF、-CHFであり、Rは、置換ピラゾリルまたはピリジニルである。他の実施形態では、Rは、-CHFであり、Rは、置換ピリジニルである。
式(Ia)、(Ib)、または(Ic)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、置換または非置換シクロアルキルであり、Rは、置換または非置換ヘテロアリールである。このような一部の実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、Rは、置換または非置換ピラゾリルまたはピリジニルである。他の実施形態では、Rは、シクロプロピルであり、Rは、置換ピリジニルである。
別の態様では、式(I)の化合物は、式(Id)、(Ie)または(If)の化合物
Figure 0007438148000009
またはその薬学的に許容される塩である[式中、XおよびRは、式(I)またはその任意の変形形態もしくは実施形態について定義される通りである]。
式(Id)、(Ie)または(If)の一部の実施形態では、Xは、-O-である。他の実施形態では、Xは、-CH-である。
式(Id)、(Ie)または(If)の一部の実施形態では、Xは、-CH-であり、Rは、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~8アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、またはイソプロピルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。他の実施形態では、Rは、ハロアルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、-CF、-CHF、-CHFである。他の実施形態では、Rは、-CHFである。
式(Id)、(Ie)または(If)の一部の実施形態では、Xは、-O-であり、Rは、置換または非置換アルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換C1~8アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキルである。このような一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、またはイソプロピルである。さらなる実施形態では、Rは、エチルである。
本明細書において一部の実施形態では、表1に記載される化合物およびその薬学的に許容される塩が提供される。
Figure 0007438148000010
Figure 0007438148000011
Figure 0007438148000012
Figure 0007438148000013
Figure 0007438148000014
Figure 0007438148000015
Figure 0007438148000016
一部の変形形態において、本明細書に記載される化合物、例えば式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、またはその任意の変形形態、または表1の化合物のいずれかは、重水素化され得る(例えば、水素原子は、重水素原子によって置き換えられる)。これらの変形形態の一部では、化合物は、単一部位において重水素化される。他の変形形態では、化合物は、複数部位において重水素化される。重水素化された化合物は、対応する非重水素化化合物の調製に類似の方式で、重水素化された出発材料から調製することができる。水素原子はまた、当技術分野で公知の他の方法を使用して、重水素原子で置き換えることができる。
本明細書で与えられる任意の式、例えば式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、または(If)は、構造式によって図示される構造を有する化合物、およびある特定の変形形態または形態を表すことが企図される。特に、本明細書で与えられる任意の式の化合物は、不斉中心を有し得、したがって、様々なエナンチオマー形態またはジアステレオマー形態で存在することができる。一般式の化合物のすべての光学異性体および立体異性体、ならびに任意の比のそれらの混合物は、その式の範囲内に含まれるとみなされる。したがって、本明細書で与えられる任意の式は、ラセミ体、1つまたは複数のエナンチオマー形態、1つまたは複数のジアステレオマー形態、1つまたは複数のアトロプ異性体形態、および任意の比のそれらの混合物を表すことが企図される。表1の化合物が特定の立体化学的配置で図示される場合、本明細書では、その化合物の任意の代替の立体化学的配置、および化合物の立体異性体の任意の比の混合物も提供される。例えば、表1の化合物が「S」立体化学的配置にある立体中心を有する場合、本明細書では、立体中心が「R」立体化学的配置にある化合物のエナンチオマーも提供される。同様に、表1の化合物が「R」配置にある立体中心を有する場合、本明細書では、「S」立体化学的配置にある化合物のエナンチオマーも提供される。「S」および「R」立体化学的配置の両方を有する化合物の混合物も提供される。さらに、表1の化合物が、2つまたはそれよりも多い立体中心を有する場合、化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマーも提供される。例えば、表1の化合物が、それぞれ「R」および「R」立体化学的配置を有する第1の立体中心および第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「S」および「S」立体化学的配置、それぞれ「S」および「R」立体化学的配置、ならびにそれぞれ「R」および「S」立体化学的配置を有する第1および第2の立体中心を有する化合物の立体異性体も提供される。表1の化合物が、それぞれ「S」および「S」立体化学的配置を有する第1の立体中心および第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「R」および「R」立体化学的配置、それぞれ「S」および「R」立体化学的配置、ならびにそれぞれ「R」および「S」立体化学的配置を有する第1および第2の立体中心を有する化合物の立体異性体も提供される。表1の化合物が、それぞれ「S」および「R」立体化学的配置を有する第1の立体中心および第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「R」および「S」立体化学的配置、それぞれ「R」および「R」立体化学的配置、ならびにそれぞれ「S」および「S」立体化学的配置を有する第1および第2の立体中心を有する化合物の立体異性体も提供される。同様に、表1の化合物が、それぞれ「R」および「S」立体化学的配置を有する第1の立体中心および第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「S」および「R」立体化学的配置、それぞれ「R」および「R」立体化学的配置、ならびにそれぞれ「S」および「S」立体化学的配置を有する第1および第2の立体中心を有する化合物の立体異性体も提供される。さらに、ある特定の構造は、幾何異性体(すなわち、cisおよびtrans異性体)として、互変異性体として、またはアトロプ異性体として存在することができる。さらに、本明細書で与えられる任意の式は、このような化合物の水和物、溶媒和物、ならびに非晶質形態および多形形態のいずれか1つ、ならびにそれらの混合物も、このような形態が明確に列挙されていなくても、指すことを企図される。一部の実施形態では、溶媒は、水であり、溶媒和物は、水和物である。
中間体および最終化合物を含む、本明細書で詳説される化合物の代表例は、表および本明細書の他所に図示される。一態様では、適用できる場合には、単離され、個体または対象に投与され得る中間体化合物を含めて、化合物のいずれも、本明細書で詳説される方法において使用できると理解される。
本明細書で図示される化合物は、塩が図示されていなくても、塩として存在することができ、本明細書で提供される組成物および方法は、当業者によって十分に理解されている通り、ここで図示される化合物のすべての塩および溶媒和物、ならびに化合物の非塩形態および非溶媒和形態を包含すると理解される。一部の実施形態では、本明細書で提供される化合物の塩は、薬学的に許容される塩である。
一変形形態では、本明細書の化合物は、個体または対象に投与するために調製された合成化合物である。別の変形形態では、実質的に純粋な形態の化合物を含有する組成物が提供される。別の変形形態では、本明細書で詳説される化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。別の変形形態では、化合物を投与する方法が提供される。精製された形態、医薬組成物および化合物を投与する方法は、本明細書で詳説されるいかなる化合物にもその形態にも適している。
本明細書で提供されるX、R、R、RおよびRの任意の変形形態または実施形態は、あたかも各組合せが、個々に具体的に記載されているかのように、X、R、R、RおよびRのすべての他の変形形態または実施形態と組み合わせることができる。
本明細書で使用される場合、任意の変数が、化学式中で1回より多く出現する場合、その定義は、出現するごとに、すべての他の出現におけるその定義とは独立である。
式(I)には、そのすべての下位式が含まれる。例えば、式(I)には、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、および(If)の化合物が含まれる。
表1を含む本明細書で提供される化合物名は、ChemBioDraw Professional 15.0.0.106によって提供される。化合物は、一般に認識されている様々な命名システムおよび記号を使用して命名され得るか、または特定され得ることが、当業者には理解されるはずである。例えば、化合物は、一般名、体系名または非体系名を用いて命名され得るか、または特定され得る。化学分野で一般に認識されている命名システムおよび記号には、例えば、Chemical Abstract Service(CAS)、ChemBioDraw Ultra、およびInternational Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)が含まれる。
組成物
また、本明細書に開示および/または記載される化合物、ならびに1つまたは複数のさらなる薬品、医薬品、アジュバント、担体、賦形剤等を含む組成物、例えば医薬組成物が提供される。適切な薬品および医薬品には、本明細書に記載されるものが含まれる。一部の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤またはアジュバント、および本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体を含む。薬学的に許容される賦形剤の例として、限定されるものではないが、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、滑石、セルロース、クロスカルメロースナトリウム(sodium crosscarmellose)、グルコース、ゼラチン、スクロース、および炭酸マグネシウムが挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つもしくは複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有する組成物、例えば医薬組成物が提供される。
一部の実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的に許容される組成物が提供される。一部の態様では、組成物は、本明細書に記載される化合物の調製において使用され得る合成中間体を含有することができる。本明細書に記載される組成物は、任意の他の適切な活性なまたは不活性な薬剤を含有することができる。
本明細書に記載される組成物のいずれも、無菌であり得るか、または無菌の構成成分を含有することができる。無菌は、当技術分野で公知の方法によって達成することができる。本明細書に記載される組成物のいずれも、実質的に純粋な1つまたは複数の化合物またはコンジュゲートを含有することができる。
また、本明細書に記載される通りの医薬組成物、および本明細書に記載される疾患または状態に罹患している患者を処置するためにその組成物を使用するための使用説明書を含む、パッケージされた医薬組成物が提供される。
使用方法
本明細書における化合物および医薬組成物は、個体または対象における疾患または状態を処置または防止するために使用することができる。
本明細書に開示および/または記載される化合物は、予防的に使用される場合、疾患もしくは障害を発症するリスクがある個体もしくは対象においてその疾患もしくは障害が発症するのを防止することができ、または発症し得る疾患もしくは障害の程度を減じることができる。
理論に拘泥するものではないが、本明細書に開示される化合物および医薬組成物は、ミオシンを阻害することによって作用すると考えられる。この阻害は、潜在的に、アクチンフィラメントと相互作用する独立なミオシン頭部の数を減少させて、収縮量を低減する。心筋収縮の低減は、過剰収縮が問題となる心臓疾患の処置にとって重要となり得る。一部の実施形態では、個体または対象における心臓疾患を処置または防止する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓疾患を処置または防止することを必要とする対象における心臓疾患を処置または防止する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓疾患を処置することを必要とする対象における心臓疾患を処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、確立または診断された心臓疾患を処置することを必要とする対象における確立または診断された心臓疾患を処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓疾患を防止することを必要とする対象における心臓疾患を防止する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体を投与するステップを含む、方法が提供される。
また本明細書では、対象における心臓疾患を処置するための医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。一部の態様では、治療によってヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、本明細書に記載される通りの化合物または組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、治療によってヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、心臓疾患の処置または防止に使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、心臓疾患の処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、確立または診断された心臓疾患の処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において他の実施形態では、心臓疾患の防止に使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、HCMと関連する疾患または状態の処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態の処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、心臓疾患と関連する症候の寛解に使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において他の実施形態では、心臓疾患と関連する症候のリスクの低減に使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において他の実施形態では、小左心室内腔、内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、左心室から出る血流の閉塞、心肥大、心拍出量の減少、左心室の弛緩不全、高左心室充満圧、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態の処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書においてある特定の実施形態では、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態の処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、筋ジストロフィーの処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において一部の実施形態では、糖原病の処置において使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。本明細書において他の実施形態では、心臓サルコメアのモジュレート、例えば心臓サルコメアの阻害に使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。さらなる本明細書において他の実施形態では、心臓ミオシンの増強に使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
一部の実施形態では、対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、対象は、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、またはヒトである。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。一部の実施形態では、対象は、確立または診断された心臓疾患を有する。一部の実施形態では、対象は、確立または診断された肥大型心筋症(HCM)を有する。一部の実施形態では、対象は、心臓疾患を発症するリスクがある。一部の実施形態では、対象は、心臓疾患のリスクを増大する突然変異を有する。一部の実施形態では、対象は、肥大型心筋症(HCM)のリスクを増大する突然変異を有する。一部の実施形態では、突然変異は、サルコメア突然変異である。一部の実施形態では、突然変異は、ミオシン重鎖β(MHC-β)、心筋トロポニンT(cTnT)、トロポミオシンアルファ-1鎖(TPM1)、ミオシン結合タンパク質C心臓型(MYBPC3)、心臓トロポニンI(cTnI)、ミオシン必須軽鎖(ELC)、タイチン(TTN)、ミオシン調節軽鎖2心室/心筋アイソフォーム(MLC-2)、心筋アルファアクチン、筋肉LIMタンパク質(MLP)、またはタンパク質キナーゼAMP活性化非触媒サブユニットガンマ2(PRKAG2)における突然変異である。一部の実施形態では、突然変異は、MHC-βにおける突然変異である。一部の実施形態では、対象は、確認されている遺伝的病因が存在しない、確立または診断された肥大型心筋症を有する。
一部の実施形態では、対象は、進行性症状の高いリスクを有する。一部の実施形態では、対象は、心房細動、心室頻脈性不整脈、脳卒中、および/または急死の高いリスクを有する。一部の実施形態では、対象は、運動能力の低減を有する。一部の実施形態では、運動能力の低減は、同齢の対照集団と比較したものである。一部の実施形態では、対象は、心臓疾患を処置するための外科的介入または経皮的アブレーションに適格である。
一部の実施形態では、心臓疾患は、肥大型心筋症(HCM)である。一部の実施形態では、心臓疾患は、閉塞性HCMである。一部の実施形態では、心臓疾患は、非閉塞性HCMである。一部の実施形態では、HCMは、サルコメア突然変異と関連する。一部の実施形態では、HCMは、非サルコメア突然変異と関連する。一部の実施形態では、心臓疾患は、サルコメアおよび/または非サルコメア突然変異によって引き起こされた閉塞性または非閉塞性HCMである。一部の実施形態では、サルコメア突然変異は、ミオシン重鎖β(MHC-β)、心筋トロポニンT(cTnT)、トロポミオシンアルファ-1鎖(TPM1)、ミオシン結合タンパク質C心臓型(MYBPC3)、心臓トロポニンI(cTnI)、ミオシン必須軽鎖(ELC)、タイチン(TTN)、ミオシン調節軽鎖2心室/心筋アイソフォーム(MLC-2)、心筋アルファアクチン、または筋肉LIMタンパク質(MLP)における突然変異である。一部の実施形態では、サルコメア突然変異は、MHC-βにおける突然変異である。一部の実施形態では、非サルコメア突然変異は、タンパク質キナーゼAMP活性化非触媒サブユニットガンマ2(PRKAG2)における突然変異である。
本明細書において一部の実施形態では、HCMと関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、疾患または状態は、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、およびヌーナン症候群である。
また本明細書では、HCMと関連する疾患または状態を処置するための医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
一部の実施形態では、心臓疾患は、駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)である。一部の実施形態では、心臓疾患は、拡張機能障害である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心筋症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、原発性または続発性拘束型心筋症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、冠動脈疾患によって引き起こされた状態または症状である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心筋梗塞または狭心症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、左心室流出路閉塞である。一部の実施形態では、心臓疾患は、高血圧性心臓疾患である。一部の実施形態では、心臓疾患は、先天性心臓疾患である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心虚血および/または冠状動脈性心臓疾患である。一部の実施形態では、心臓疾患は、糖尿病性心臓疾患である。他の実施形態では、心臓疾患は、うっ血性心不全である。一部の実施形態では、心臓疾患は、右心不全である。他の実施形態では、心臓疾患は、心腎症候群である。一部の実施形態では、心臓疾患は、浸潤性心筋症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心臓老化または加齢に起因する拡張機能障害であるか、またはそれに関係する状態である。一部の実施形態では、心臓疾患は、左心室肥大および/または求心性左心室リモデリングであるか、またはそれに関係する状態である。
一部の実施形態では、個体または対象における続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、疾患は、高血圧、心臓弁膜症(大動脈弁狭窄、僧帽弁逆流)、メタボリック症候群(糖尿病、肥満)、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調、ダノン病、ヌーナン症候群、またはポンペ病である。
また本明細書では、続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置するための医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
一部の実施形態では、対象における心臓疾患と関連する症候を寛解させる方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、症候が、心臓の弾力性の不良または低減、拡張期左心室弛緩の不良または低減、左心房圧異常(例えば、異常に高い左心房圧)、発作性または永久的心房細動、左心房および肺毛細血管楔入圧の増大、左心室拡張期圧の増大、失神、拡張期中の心室弛緩、心室線維症、左心室肥大、左心室腫瘤、左心室壁厚の増大、左心室中部内腔(mid-cavity)閉塞、僧帽弁の収縮期前方運動の増大、左心室流出路閉塞、胸痛、労作時呼吸困難、失神寸前状態、運動能力異常、ならびに疲労から選択される1つまたは複数である、方法が提供される。
一部の実施形態では、対象における心臓疾患と関連する症候のリスクを低減する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、症候が、心臓性突然死、心臓の弾力性の不良または低減、拡張期左心室弛緩の不良または低減、左心房圧異常(例えば、異常に高い左心房圧)、発作性または永久的心房細動、左心房および肺毛細血管楔入圧の増大、左心室拡張期圧の増大、失神、拡張期中の心室弛緩、心室線維症、左心室肥大、左心室腫瘤、左心室壁厚の増大、左心室中部内腔閉塞、僧帽弁の収縮期前方運動の増大、左心室流出路閉塞、胸痛、労作時呼吸困難、失神寸前状態、運動能力異常、ならびに疲労から選択される1つまたは複数である、方法が提供される。
一部の実施形態では、個体または対象における小左心室内腔、内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、左心室から出る血流の閉塞、心肥大、心拍出量の減少、左心室の弛緩不全、高左心室充満圧、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、個体または対象における小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。
また本明細書では、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置するための医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
一部の実施形態では、個体または対象における筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。また本明細書では、筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)を処置するための医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
一部の実施形態では、個体または対象における糖原病を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。また本明細書では、糖原病を処置するための医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
また、個体または対象における心臓サルコメアをモジュレートするための方法であって、それを必要とする個体または対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓サルコメアを阻害する方法であって、心臓サルコメアを、本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含む、方法が提供される。さらに本明細書では、個体または対象の心臓サルコメアの阻害のための医薬の製造における、本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
また、個体または対象における心臓ミオシンを増強するための方法であって、それを必要とする個体または対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。さらに本明細書では、個体または対象における心臓ミオシンの増強のための医薬の製造における、本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、または表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、処置の有効性をモニタリングするステップをさらに含む。指標の例として、限定されるものではないが、以下の、ニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類、運動能力、心臓の弾力性、拡張期左心室弛緩、左心房圧、発作性または永久的心房細動、左心房および肺毛細血管楔入圧、左心室拡張期圧、失神、拡張期中の心室弛緩、心室線維症、左心室肥大、左心室腫瘤、左心室壁厚、左心室中部内腔閉塞 僧帽弁の収縮期前方運動、左心室流出路閉塞、胸痛、労作時呼吸困難、失神寸前状態、運動能力異常、および疲労の1つまたは複数の改善が挙げられる。これらの指標は、自己報告、歩行時ECGを含むECG、心エコー検査、心臓MRI、CT、生検、心肺運動負荷試験(CPET)、およびアクティグラフィーを含む、当技術分野で公知の技術によってモニタリングすることができる。
一部の実施形態では、化合物は、心筋細胞の収縮性を低減する。一部の実施形態では、化合物は、心筋細胞の収縮性を、40%超、例えば45%超、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超低減する。一部の実施形態では、化合物は、心筋細胞の収縮性を、40%~90%、例えば40%~80%、40~70%、50%~90%、50%~80%または50%~70%低減した。一部の実施形態では、化合物は、心筋細胞におけるカルシウムトランジェントを著しく変えない。一部の実施形態では、化合物は、心筋細胞におけるATPアーゼ活性を低減する。収縮性、ATPアーゼ活性、およびカルシウムトランジェントを測定する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、カルシウム標識化、電気生理学的記録、および顕微鏡的イメージングによるものである。一部の実施形態では、化合物は、チトクロムP450(CYP)タンパク質を、著しく阻害も誘導もしない。
一部の実施形態では、対象は、処置前に、正常よりも厚い左心室壁を有する。一部の実施形態では、対象は、処置前に、15mm超、例えば18mm超、20mm超、22mm超、25mm超、または30mm超の左心室壁厚を有する。一部の実施形態では、左心室壁厚は、処置後に、5%超、例えば8%超、10%超、12%超、15%超、20%超、または30%超低減される。左心室壁厚は、当技術分野で公知の方法によって、例えば心エコー検査、CTスキャン、または心臓MRIによって測定することができる。
一部の実施形態では、対象は、処置前に、異常心臓線維症を有する。一部の実施形態では、異常心臓線維症は、処置後に、5%超、例えば8%超、10%超、12%超、15%超、20%超、または30%超低減される。心臓線維症は、当技術分野で公知の方法によって、例えば生検または心臓MRIによって測定することができる。
一部の実施形態では、対象は、処置前に、運動能力の低減を有する。一部の実施形態では、対象の運動能力は、処置後に、5%超、例えば8%超、10%超、12%超、15%超、20%超、または30%超増大する。一部の実施形態では、運動能力は、心肺運動負荷試験(CPET)によって測定される。CPETは、酸素消費の変化(VO最大値)を測定する。CPETおよびVO最大値を測定する方法は、当技術分野で周知である(Malhotra et al., JACC:Heart Failure, 2016, 4(8):607-616、Guazzi et al., J Amer College Cardiol, 2017, 70 (13):1618-1636、Rowin et al., JACC:Cariovasc Imaging, 2017, 10(11):1374-1386)。一部の実施形態では、VO最大値は、処置後に、1mL/kg/m超、例えば1.2mL/kg/m超、1.4mL/kg/m超、1.5mL/kg/m超、1.7mL/kg/m超、2mL/kg/m超、2.2mL/kg/m超、2.5mL/kg/m超、3mL/kg/m超、3.2mL/kg/m超、または3.5mL/kg/m超改善される。
一部の実施形態では、対象は、処置前に、II、III、またはIVのニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類を有する。一部の実施形態では、対象は、処置前に、IIIまたはIVのニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類を有する。一部の実施形態では、対象は、処置前に、IVのニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類を有する。一部の実施形態では、対象は、処置後に、同じNYHA機能分類を維持するか、またはNYHA機能分類が低減する。
一部の実施形態では、VO最大値は、処置後に、1mL/kg/m超、例えば1.2mL/kg/m超、1.4mL/kg/m超、1.5mL/kg/m超、1.7mL/kg/m超、または2mL/kg/m超改善され、対象は、NYHA機能分類が低減する。一部の実施形態では、VO最大値は、処置後に、2.5mL/kg/m超、3mL/kg/m超、3.2mL/kg/m超、または3.5mL/kg/m超改善され、対象は、同じNYHA機能分類を維持するか、またはNYHA機能分類が低減する。
一部の実施形態では、対象の毎日の機能および/または活性レベルは、処置後に改善される。毎日の機能および/または活性レベルの改善は、例えば、ジャーナル処理またはアクティグラフィー、例えばFitBitまたはFitBit様モニターによって測定することができる。
一部の実施形態では、対象は、処置後に、息切れの低減、胸痛の低減、不整脈の負荷、例えば心房細動および心室不整脈の低減、心不全の発生率の低減、ならびに心室流出路閉塞の低減の1つまたは複数を有する。
投薬量
本明細書に開示および/または記載される化合物および組成物は、治療的に有効な投薬量、例えば病状のために処置を提供するのに十分な投薬量で投与される。ヒト投薬量レベルは、本明細書に記載される化学実体についてまだ最適化されていないが、一般に1日用量は、約0.01~100mg/kg(体重)、一部の実施形態では、約0.05~10.0mg/kg(体重)、一部の実施形態では、約0.10~1.4mg/kg(体重)の範囲である。したがって、70kgのヒトへの投与では、一部の実施形態では、投薬量範囲は、1日当たり約0.7~7000mg、一部の実施形態では、1日当たり約3.5~700.0mg、一部の実施形態では、1日当たり約7~100.0mgになるはずである。投与される化学実体の量は、例えば、処置される対象および病状、苦痛の重症度、投与の方式およびスケジュール、ならびに担当医の判断に依存して決まることになる。例えば、経口投与のための例示的な投薬量範囲は、1日当たり約5mg~約500mgであり、例示的な静脈内投与の投薬量は、1日当たり約5mg~約500mgであり、それぞれ、化合物の薬物動態に応じる。
1日用量は、1日に投与される総量である。1日用量は、限定されるものではないが、毎日、2日ごと、各週、2週ごと、毎月、または多様な間隔で投与することができる。一部の実施形態では、1日用量は、1日から対象の生涯にわたる期間投与される。一部の実施形態では、1日用量は、1日1回投与される。一部の実施形態では、1日用量は、複数の分割用量で、例えば2回、3回、または4回の分割用量で投与される。一部の実施形態では、1日用量は、2回の分割用量で投与される。
本明細書に開示および/または記載される化合物および組成物の投与は、限定されるものではないが、経口、舌下、皮下、非経口、静脈内、鼻腔内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸、または眼内投与を含む、治療剤のための任意の許容される投与方法によって行うことができる。一部の実施形態では、化合物または組成物は、経口または静脈内投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示および/または記載される化合物または組成物は、経口投与される。
薬学的に許容される組成物には、固体、半固体、液体およびエアロゾル剤形、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁液剤、坐剤、およびエアロゾル形態が含まれる。本明細書に開示および/または記載される化合物はまた、持続放出もしくは制御放出剤形(例えば、制御/持続放出丸剤、デポー注射、浸透圧ポンプ、または経皮(エレクトロトランスポートを含む)パッチ形態)で長期間投与することができ、かつ/または所定の速度でパルス投与することができる。一部の実施形態では、組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位剤形で提供される。
本明細書に開示および/または記載される化合物は、単独で、または1つもしくは複数の従来の医薬担体もしくは賦形剤(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウム)と組み合わせて投与することができる。所望に応じて、医薬組成物は、少量の非毒性の補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤等(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミン)を含有することもできる。一般に、医薬組成物は、企図された投与方法に応じて、約0.005重量%~95重量%、または約0.5重量%~50重量%の本明細書に開示および/または記載される化合物を含有する。このような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であるか、または明らかとなり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaを参照されたい。
一部の実施形態では、組成物は、丸剤または錠剤の形態をとり、したがって組成物は、本明細書に開示および/または記載される化合物と共に、希釈剤(例えば、ラクトース、スクロース、リン酸二カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、および/または結合剤(例えば、デンプン、アカシアガム、ポリビニルピロリジン(polyvinylpyrrolidine)、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体)の1つまたは複数を含有することができる。他の固体剤形には、ゼラチンカプセル剤にカプセル化された、散剤、顆粒剤(marume)、溶液剤または懸濁液剤(例えば、炭酸プロピレン、植物油またはトリグリセリド中)が含まれる。
薬学的に投与できる液体組成物は、例えば、本明細書に開示および/または記載される化合物、ならびに必要に応じた薬学的な添加剤を、担体(例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、グリセロール、グリコール、エタノール等)に溶解、分散または懸濁させるなどして、溶液または懸濁液を形成することによって調製することができる。注射剤は、液体溶液もしくは懸濁液として、エマルジョンとして、または注射前に液体に溶解もしくは懸濁させるのに適した固体形態のいずれかの従来の形態で、調製することができる。このような非経口組成物に含有されている化合物のパーセンテージは、例えば、化合物の物理的性質、化合物の活性および対象の必要性に応じて決まる。しかし、溶液中0.01%~10%の活性成分のパーセンテージを用いることが可能であり、組成物が、後に別の濃度に希釈されることになっている固体である場合には、より高くてもよい。一部の実施形態では、組成物は、溶液中、約0.2~2%の本明細書に開示および/または記載される化合物を含む。
本明細書に開示および/または記載される化合物の医薬組成物はまた、ネブライザーのためのエアロゾルもしくは溶液として、または吹送法のための微細粉末として、単独で、またはラクトースなどの不活性担体と組み合わせて呼吸器に投与することができる。このような場合、医薬組成物の粒子は、50ミクロン未満、または一部の実施形態では、10ミクロン未満の直径を有することができる。
さらに、医薬組成物は、本明細書に開示および/または記載される化合物、ならびに1つまたは複数のさらなる薬品、医薬品、アジュバント等を含むことができる。適切な薬品および医薬品には、本明細書に記載されるものが含まれる。
キット
また、本明細書で提供される化合物または医薬組成物のいずれかを含む製造品およびキットが提供される。製造品は、ラベル付きの容器を含むことができる。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、および試験管が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成することができる。容器は、本明細書で提供される医薬組成物を保持することができる。容器上のラベルは、医薬組成物が、本明細書に記載される状態を防止、処置または抑制するために使用されることを示すことができ、in vivoまたはin vitroのいずれかで使用するための指示を示すこともできる。
一態様では、本明細書で記載される化合物または組成物、および使用するための使用説明書を含むキットが本明細書で提供される。キットは、心臓疾患の処置を必要とする個体または対象における心臓疾患の処置において使用するための使用説明書を含むことができる。キットはさらに、化合物または組成物の投与において使用することができる任意の材料または装置、例えばバイアル、シリンジ、またはIVバッグを含むことができる。キットは、無菌パッケージングを含むこともできる。
組合せ物
本明細書に記載および/または開示される化合物および組成物は、単独で、または前述の障害、疾患もしくは状態の処置において有用な他の治療薬および/もしくは治療剤と組み合わせて投与することができる。
本明細書に記載および/または開示される化合物および組成物は、心臓疾患、例えばHCMまたはHFpEFを処置するための他の1つまたは複数の治療薬と組み合わせることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の治療薬には、心臓の神経ホルモン刺激を下方調節することによって心不全の進行を遅延させ、心臓リモデリングを防止することを試みる治療薬(例えば、ACE阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)、β-遮断薬、アルドステロン受容体アンタゴニスト、または神経エンドペプチダーゼ阻害剤)が含まれる。一部の実施形態では、1つまたは複数の治療薬には、心臓収縮性を刺激することによって心臓機能を改善する治療薬(例えば、陽性変力剤、例えば、β-アドレナリンアゴニストであるドブタミンまたはホスホジエステラーゼ阻害剤であるミルリノン)が含まれる。他の実施形態では、1つまたは複数の治療薬には、心臓前負荷を低減する治療薬(例えば、利尿剤、例えばフロセミド)または後負荷を低減する治療薬(それに限定されるものではないが、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、レニン阻害剤、または平滑筋ミオシンモジュレーターを含む任意のクラスの血管拡張薬)が含まれる。
本明細書に記載および/または開示される化合物および組成物は、HCMまたはHFpEFを処置するための他の1つまたは複数の治療薬と組み合わせることができる。一部の実施形態では、化合物および/組成物は、β-遮断薬、ベラパミル、および/またはジソピラミドと組み合わせることができる。
一般合成法
ここで、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、および(If)の化合物を、以下のそれらの一般的調製についての例示的な合成スキームおよびその後の具体例を参照することによって記載する。本明細書の様々な化合物を得るために、最終的に望ましい置換基が、所望の生成物を得るのに適した保護を伴ってまたは伴わずに、反応スキームを通して担持されるように、出発材料を適切に選択することができることを、当業者は認識されよう。あるいは、最終的に望ましい置換基の代わりに、反応スキームを通して担持され、所望の置換基で適宜置き換えられ得る適切な基を用いることが必要であるか、または望ましい場合がある。さらに、当業者は、ある特定の官能基(アミノ、カルボキシ、または側鎖基)を反応条件から保護するために保護基を使用することができること、およびこのような基が、適切な場合には標準条件下で除去されることを認識されよう。別段特定されない限り、変数は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、および(If)に言及して先に定義される通りである。
化合物の特定のエナンチオマーを得ることが望ましい場合、これは、エナンチオマーを分離または分割するための任意の適切な従来の手順を使用して、対応するエナンチオマー混合物から達成することができる。したがって例えば、ジアステレオマー誘導体は、エナンチオマー混合物、例えばラセミ体と、適切なキラル化合物との反応によって生成することができる。次に、ジアステレオマーは、任意の好都合な手段によって、例えば結晶化および所望のエナンチオマーの回収によって分離することができる。別の分割プロセスでは、ラセミ体は、キラル高速液体クロマトグラフィーを使用して分離することができる。あるいは、所望に応じて、記載されるプロセスの1つにおいて適切なキラル中間体を使用することによって、特定のエナンチオマーを得ることができる。
化合物の特定の異性体を得るか、または他の方法で反応生成物を精製することが望ましい場合には、クロマトグラフィー、再結晶および他の従来の分離手順を、中間体または最終生成物に関して使用することもできる。
本明細書に記載される化合物を調製する一般法は、以下の例示的な方法に示される。本明細書で提供されるスキームにおける可変基は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、および(If)、またはその任意の変形形態に関して定義される。本明細書に記載される他の化合物は、類似の方法によって調製することができる。
一部の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、スキーム1に従って合成することができる。
スキーム1
Figure 0007438148000017
スキーム1の調製方法の例示的な実施形態は、スキーム1aに示される。
スキーム1a
Figure 0007438148000018
一部の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、スキーム2に従って合成することができる。
スキーム2
Figure 0007438148000019
スキーム2の調製方法の例示的な実施形態は、スキーム2aに示される。
スキーム2a
Figure 0007438148000020
一部の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、スキーム3に従って合成することができる。
スキーム3
Figure 0007438148000021
スキーム3の調製方法の例示的な実施形態は、スキーム3aに示される。
スキーム3a
Figure 0007438148000022
特定の非限定的な例は、以下の実施例の節で提供される。
以下の実施例は、本明細書で提供される組成物、使用、および方法を制限することなく例示するために提供される。化合物は、上記の一般法を使用して調製される。
実施例を通して、以下の略語が使用される。IPA(イソプロピルアミン)、DEA(ジエチルアミン)、MtBE(メチルtert-ブチルエーテル)、RT(保持時間)、TEA(トリメチルアミン)、DME(ジメトキシエタン)、Me(メチル)、Et(エチル)、iPr(イソプロピル)、DCM(ジクロロメタン)、MeOH(メタノール)、(Boc)O(ジ炭酸ジ-tert-ブチル)、EA(酢酸エチル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、PE(石油エーテル、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DIEA(N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン)、HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)、HOAt(1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)、HOBt(ヒドロキシベンゾトリアゾール)、EDCI(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)、DMAP(ジメチルアミノピリジン)、EtOH(エタノール)、iPrOH(プロパン-2-オール)、ACN(アセトニトリル)、TFA(トリフルオロ酢酸)、DPPA(ジフェニルホスホリルアジド)、DBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)、THF(テトラヒドロフラン)、PPh(トリフェニルホスフィン)、SM(出発材料)、Hex(ヘキサン)、NCS(N-クロロスクシンイミド)、r.t.(室温)、DCE(ジクロロエタン)、FA(ギ酸)、CHCl(クロロホルム)、BnBr(臭化ベンジル)、HCl(塩化水素)、equiv(当量)、t-BuOK(カリウムtert-ブトキシド)、KOAc(酢酸カリウム)、およびDSC(ビス(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)カーボネート)。
(実施例1)
化合物2の合成
1.中間体1-2の合成
Figure 0007438148000023
撹拌した1-(イソシアノメタン)スルホニル-4-メチルベンゼン(30.2g、154.7mmol、1.31当量)のDME(500mL)溶液に、r.t.で、EtOH(18mL、308.7mmol、2.61当量)、5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(25g、118.5mmol、1当量)を数回に分けて添加した。氷浴で0℃に冷却した先の混合物に、t-BuOK(33.3g、296.8mmol、2.5当量)を数回に分けて10分にわたって添加し、氷浴温度を11℃未満に維持した。氷浴温度を、氷を添加して12℃未満に維持しながら、混合物を30分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、DME(100mL)で3回洗浄した。濾液をEA(400mL)で希釈し、ブライン(300mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、PE/EA(10:1)で溶離して精製して、5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボニトリル14g(53.2%)を、褐色の油状物として得た。
2.中間体1-3の合成
Figure 0007438148000024
撹拌した5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボニトリル(14.0g、63.0mmol、1.0当量)のMeOH(140mL)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、140mL)をr.t.で滴下添加した。混合物を、アルゴン下で一晩80℃に加熱し、r.t.に冷却し、EA(500mL)で希釈し、ブライン(400mL)で3回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、PE/EA(10:1)で溶離して精製して、メチル5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート12.9g(80%)を、褐色の油状物として得た。
3.中間体1-4の合成
Figure 0007438148000025
1,4-ジオキサン/水の混合物(50%、240mL)中、撹拌したメチル5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート(12.8g、50.3mmol、1.0当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下でKOAc(9.9g、100.5mmol、2.0当量)、KFe(CN)・3HO(21.2g、50.3mmol、1.0当量)、X-phos(1.2g、2.51mmol、0.05当量)、および第2世代XPhosプレ触媒(2.0g、2.51mmol、0.05当量)をr.t.で添加した。混合物を105℃で2時間撹拌し、r.t.に冷却し、EA(500mL)で希釈し、ブライン(400mL)で3回洗浄し、減圧下で濃縮し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、PE/EA(20:1)で溶離して精製して、メチル5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート9.2g(90%)を得た。
4.中間体1-5の合成
Figure 0007438148000026
撹拌したメチル5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート(1.0g、5.0mmol、1.0当量)のEtOH(10mL)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(518mg、7.45mmol、1.5当量)およびTEA(1.5g、14.9mmol、3.0当量)をr.t.で添加した。混合物を65℃で2時間加熱し、真空下で濃縮して、メチル5-(N-ヒドロキシカルバミミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート1.65gを、濁った白色の固体として得た。
5.中間体1-6の合成
Figure 0007438148000027
撹拌したメチル5-(N-ヒドロキシカルバミミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート(3g、12.8mmol、1.0当量)の1,4-ジオキサン(26mL)溶液に、プロパン酸プロパノイル(8.3g、64.0mmol、5.0当量)をアルゴン雰囲気下においてr.t.で添加した。混合物を50℃で2時間加熱し、次に100℃で2時間加熱し、r.t.に冷却し、EA(100mL)で希釈し、ブライン(150mL)で3回洗浄し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、PE/EA(12:1)で溶離して精製して、メチル5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート1.65g(47%)を、黄色の油状物として得た。
6.中間体1-7の合成
Figure 0007438148000028
撹拌したメチル5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキシレート(1.7g、6.1mmol、1.0当量)のMeOH(16mL)溶液に、水(7mL)中の水酸化ナトリウム(836.2mg、20.9mmol、3.5当量)をr.t.において滴下添加した。混合物を一晩撹拌し、HCl水溶液(2N)でpH2の酸性にし、DCM(100mL)で4回抽出した。合わせた有機層を、減圧下で濃縮して、5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボン酸を、オレンジ色の固体として得た。LRMS(ES)259。
7.化合物2の合成
Figure 0007438148000029
撹拌した5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボン酸(200mg、0.8mmol、1.0当量)のDCM溶液に、EDCI(222mg、1.2mmol、1.5当量)、DMAP(142mg、1.2mmol、1.5当量)、および2-メチルピリジン-4-アミン(126mg、1.2mmol、1.5当量)をr.t.で添加した。混合物を一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、分取HPLCによって、以下の条件を用いて精製して(カラム:XBridge Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相A:水(10mmol/LのNHHCO)、移動相B:ACN;流速:20mL/分;グラジエント:8分で35%B~48%B;254nm;RT:7.43分)、5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-N-(2-メチルピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボキサミド103mg(38%)を、白色の固体として得た。LRMS(ES)m/z 349[M+H]。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.28 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.00 - 7.84 (m, 2H), 7.62 - 7.48 (m, 2H), 7.41 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.21 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 3.29 - 3.15 (m, 1H), 3.13 - 2.92 (m, 3H), 2.55 - 2.41 (m, 5H), 1.43 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
以下の化合物を、化合物2について記載される方法に類似の方法によって調製した。
Figure 0007438148000030
(実施例2)
エナンチオマー2Aおよび2Bの合成
Figure 0007438148000031
ラセミ化合物(化合物2)を、分取キラル-HPLCによって、以下の条件を用いて分離して(カラム:CHIRALPAK IC、2×25cm、5μm;移動相A:Hex:DCM=1:1-HPLC、移動相B:EtOH-HPLC;流速:18mL/分;50%Bの均一濃度;220/254nm)、第1の溶離ピーク34mgをエナンチオマー2Aとして、第2の溶離ピーク35mgをエナンチオマー2Bとして得た。キラル分析LCを、条件Aを用いて実施して(条件A:CHIRALPAK IC-3;0.46cm×5cm;3ミクロン;Hex(0.1%DEA):EtOH=50:50、流速1ml/分)、1.29分のRTのエナンチオマー2A、および3.71分のRTのエナンチオマー2Bを得た。エナンチオマー2Aの分析データ:LRMS(ES)m/z 349(M+H)。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ 8.29 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.90 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 5.8, 2.1 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.23 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 3.24 (dt, J = 14.7, 7.0 Hz, 1H), 3.14 - 2.91 (m, 3H), 2.56 - 2.42 (m, 5H), 1.44 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。エナンチオマー2Bの分析データ:LRMS(ES)m/z 349[M+H]。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ 8.29 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.95 - 7.85 (m, 1H), 7.60 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 5.9, 2.1 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.23 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 3.24 (dt, J = 14.6, 7.1 Hz, 1H), 3.14 - 2.91 (m, 3H), 2.56 - 2.42 (m, 5H), 1.44 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
以下の化合物を、以下の条件下で、化合物2について記載される方法に類似の方法によって、化合物5、8、11、14、17、20、および23のラセミ混合物から分離した。
Figure 0007438148000032
(実施例3)
化合物41の合成
中間体3-2の合成
Figure 0007438148000033
撹拌した5-ブロモ-2-ヨードフェノール(9.7g、32mmol、1.0当量)のTHF(200mL)溶液に、0℃でNaH(1.69g、70mmol、2.0当量)を添加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、ブロモ(メトキシ)メタン(5.25g、42.3mmol、1.3当量)を0℃で滴下添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、水(100mL)でクエンチし、EA(150mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(150mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、4-ブロモ-1-ヨード-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン10.4g(93%)を、黄色の油状物として得た。
2.中間体3-3の合成
Figure 0007438148000034
撹拌した4-ブロモ-1-ヨード-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(8.5g、24.8mmol、1.0当量)のTHF(85mL)溶液に、-40℃でiPrMgCl(THF中2M、15mL、30mmol、1.3当量)を滴下添加した。混合物を-40℃で30分間撹拌し、-70℃に冷却した後、シュウ酸ジエチル(5.4g、37mmol、1.5当量)を添加した。冷却浴を外した。混合物をr.t.で1時間撹拌し、HCl水溶液(1N、150mL)およびEA(150mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(200mL)で3回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、EA/PE(1/11)で溶離して精製して、エチル2-[4-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-オキソアセテート8.5gを、濁った白色の固体として得た。
3.中間体3-4の合成
Figure 0007438148000035
撹拌したエチル2-[4-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-オキソアセテート(6.0g、18.9mmol、1.0当量)のTHF(60mL)溶液に、2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(3.0g、24.8mmol、1.3当量)およびTi(OEt)(13.0g、57.0mmol、3.0当量)をr.t.で滴下添加した。混合物を70℃で一晩加熱し、r.t.に冷却し、水およびEAの混合物(1/1、200mL)に注いだ。有機層を分離し、ブライン(100mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、エチル(Z)-2-(4-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)アセテート3g(37%)を、黄色の油状物として得た。
4.中間体3-5の合成
Figure 0007438148000036
撹拌したトリメチルスルホニウムヨージド(6.6g、30mmol、3.5当量)のDMSO(70mL)溶液に、NaH(1.03g、25.7mmol、3.0当量)をr.t.で添加した。混合物をr.t.で1時間撹拌した後、エチル(Z)-2-(4-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)アセテート(3.6g、8.6mmol、1当量)を添加した。次に、混合物を45℃で一晩加熱し、r.t.に冷却し、EA(100mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(150mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、EA/PE(3/7)で溶離して精製して、エチル2-(4-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-(tert-ブチルスルフィニル)アジリジン-2-カルボキシレート4.8gを、黄色の油状物として得た。
5.中間体3-6の合成
Figure 0007438148000037
撹拌したエチル2-(4-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-(tert-ブチルスルフィニル)アジリジン-2-カルボキシレート(4.68g、10.77mmol、1.0当量)のEtOH(80mL)溶液に、HCl水溶液(4N、13mL、52mmol、5.2当量)を添加した。混合物を70℃で3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。固体を、ACN(80mL)に溶解させた後、NaI(320mg、2.1mmol、0.2当量)およびKCO(3.7g、26mmol、2.6当量)をr.t.で添加した。混合物を75℃で一晩加熱し、r.t.に冷却し、EA(80mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(8mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、C18シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、ACN/水(42%)で溶離して精製して、エチル3-アミノ-6-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート990mg(32%)を、黄色の油状物として得た。
6.中間体3-7の合成
Figure 0007438148000038
撹拌したエチル3-アミノ-6-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート(930mg、3.25mmol、1.0当量)のTHF(15mL)溶液に、LAH(1M、6.5mL、6.5mmol、2.0当量)を数回に分けて0℃で添加した。混合物をr.t.で6時間撹拌し、冷却して0℃に戻し、水(15mL)でクエンチし、EA(20mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(20mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、(3-アミノ-6-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)メタノール590mg(74%)を、黄色の油状物として得た。
7.中間体3-8の合成
Figure 0007438148000039
撹拌した(3-アミノ-6-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)メタノール(570mg、2.34mmol、1.0当量)のTHF(6mL)溶液に、トリホスゲン(230mg、0.78mmol、0.33当量)をr.t.で添加した。混合物を75℃で一晩加熱し、後処理のために反復反応[393mg、1.62mmolの(3-アミノ-6-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-3-イル)メタノール]と一緒に合わせた。合わせた混合物を、水(10mL)で希釈し、濾過して固体を除去した。水層をEA(15mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、C18シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、ACN/水(1/3)で溶離して精製して、6-ブロモ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,4’-オキサゾリジン]-2’-オン660mgを、濁った白色の固体として得た。LRMS(ES)m/z 270/272(M+H)。
8.中間体3-9の合成
Figure 0007438148000040
ジオキサン/水の混合物(1/1、6mL)中、撹拌した6-ブロモ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,4’-オキサゾリジン]-2’-オン(305mg、1.13mmol、1.0当量)の溶液に、KFe(CN)・3HO(478mg、1.13mmol、1.0当量)、X-phos(108mg、0.23mmol、0.2当量)、第2世代XPhosプレ触媒(178mg、0.23mmol、0.2当量)およびKOAc(333mg、3.39mmol、3.0当量)をr.t.で添加した。混合物を100℃で一晩撹拌し、r.t.に冷却し、濾過して固体を除去し、EA(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、C18シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、ACN/水(21%)で溶離して精製して、2’-オキソ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,4’-オキサゾリジン]-6-カルボニトリル180mg(73%)を、白色の固体として得た。LRMS(ES)m/z 217(M+H)。
9.中間体3-10の合成
Figure 0007438148000041
撹拌した2’-オキソ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,4’-オキサゾリジン]-6-カルボニトリル(148mg、0.68mmol、1.0当量)のEtOH(3mL)溶液に、TEA(173mg、1.71mmol、2.5当量)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(95mg、1.36mmol、2.0当量)をr.t.で添加した。混合物を50℃で一晩加熱し、減圧下で濃縮して、N-ヒドロキシ-2’-オキソ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,4’-オキサゾリジン]-6-カルボキシミドアミド286mgを、白色の固体として得た。LRMS(ES)m/z 250(M+H)。
10.化合物41の合成
Figure 0007438148000042
撹拌したN-ヒドロキシ-2’-オキソ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,4’-オキサゾリジン]-6-カルボキシミドアミド(286mg、1.15mmol、1.0当量)のジオキサン(6mL)溶液に、プロパン酸プロパノイル(448mg、3.44mmol、3.0当量)をr.t.で添加した。混合物を50℃で2時間撹拌し、100℃で一晩撹拌し、r.t.に冷却し、濃縮し、分取HPLCによって、以下の条件を用いて精製して(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム 150mm×5μm;移動相A:水(10mmol/LのNHHCO)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;グラジエント:8分で25%B~36%B;254nm;RT:7.92分)、6-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,4’-オキサゾリジン]-2’-オン86mg(26%)を、白色の固体として得た。LRMS(ES)m/z 288(M+H)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.80 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.51 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.51 (s, 1H), 4.71 - 4.55 (m, 4H), 3.01 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.58 (s, 1H), 1.52 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 1.46 (s, 1H).
(実施例4)
エナンチオマー41Aおよび41Bの合成
Figure 0007438148000043
ラセミ化合物(化合物41)を、キラル-HPLCによって、以下の条件を用いて分離して(カラム:CHIRALPAK IE、2×25cm,5μm;移動相A:Hex:DCM=3:1(10mMのNH-MeOH)、移動相B:EtOH;流速:15mL/分;グラジエント:15分で50B~50B;220/254nm)、2つのピークを得た。第1の溶離ピークは、エナンチオマー41A(10mg)として割り当てられ、第2の溶離ピークは、エナンチオマー41B(20mg)として割り当てられる。キラル分析LCを、条件Gを用いて実施して(条件G:CHIRALPAK IE-3;0.46cm×5cm;3ミクロン;Hex(0.1%DEA):EtOH=50:50、流速1mL/分)、2.65分のRTのエナンチオマー41A、および4.35分のRTのエナンチオマーBを得た。エナンチオマー41Aの分析データ:LRMS(ES)m/z 288(M+H)。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ 7.74 (dd, J = 7.9, 1.4 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.72 - 4.58 (m, 4H), 3.00 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.43 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。エナンチオマー41Bの分析データ:LRMS(ES)m/z 288(M+H)。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ 7.74 (dd, J = 7.9, 1.4 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.72 - 4.58 (m, 4H), 3.00 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.43 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
(実施例5)
化合物26の合成
1.中間体5-2の合成
Figure 0007438148000044
DMF(105mL)および水(55mL)の混合物中、5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(10g、47.4mmol、1.0当量)の溶液に、炭酸アンモニウム(20.5g、213mmol、4.5当量)をr.t.で添加した。混合物をr.t.で30分間撹拌した後、ナトリウムカルボニトリル(3.5g、71.1mmol、1.5当量)を添加し、50℃で58時間加熱し、r.t.に冷却し、水(500mL)でクエンチし、EA(500mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、水(500mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、5’-ブロモ-2’,3’-ジヒドロスピロ[イミダゾリジン-4,1’-インデン]-2,5-ジオン7.7g(57.8%)を、白色の固体として得た。
2.中間体5-3の合成
Figure 0007438148000045
5’-ブロモ-2’,3’-ジヒドロスピロ[イミダゾリジン-4,1’-インデン]-2,5-ジオン(3.0g、10mmol、1.0当量)の水(30mL)溶液に、Ba(OH)・8HO(4.6g、26.9mol、2.5当量)をr.t.で添加した。混合物を100℃で15時間撹拌し、r.t.に冷却し、HSO水溶液(1M)を滴下添加することによって、pHを1.5に調整した。固体を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、1-アミノ-5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボン酸2.4g(88%)を得た。
3.中間体5-4の合成
Figure 0007438148000046
撹拌した1-アミノ-5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-カルボン酸(1.14g、4.45mmol、1.0当量)のTHF(16mL)溶液に、BH-MeS(3.8mL、50.0mmol、9.0当量)をr.t.で添加した。混合物を75℃で3日間撹拌し、0℃に冷却した後、MeOH(5mL)を添加し、減圧下で濃縮し、C18シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、ACN/HO(50%)で溶離して精製して、(1-アミノ-5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)メタノール231mg(21%)を、白色の固体として得た。
4.中間体5-5の合成
Figure 0007438148000047
(1-アミノ-5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)メタノール(1.0g、4.1mol、1.0当量)のTHF(10mL)溶液に、トリホスゲン(0.6g、2.0mol、0.5当量)をr.t.で添加した。混合物を70℃で10時間加熱し、0℃に冷却し、MeOH(2mL)でクエンチし、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、EAおよびPE(1/1)で溶離して精製して、5-ブロモ-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,4’-オキサゾリジン]-2’-オン600mg(54%)を、白色の固体として得た。
5.中間体5-6の合成
Figure 0007438148000048
ジオキサンおよび水の混合物(1/1、5mL)中、5-ブロモ-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,4’-オキサゾリジン]-2’-オン(500mg、1.86mol、1.0当量)の溶液に、酢酸カリウム(366mg、3.73mol、2.0当量)、KFe(CN)・3HO(315mg、0.4当量)、第2世代Xphosプレ触媒(22mg、0.015当量)、およびX-phos(13mg、0.015当量)をr.t.で添加した。混合物を100℃で4時間撹拌し、r.t.に冷却し、EtOAc(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、分取TLC(PE/EtOAc1:1)によって精製して、2’-オキソ-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,4’-オキサゾリジン]-5-カルボニトリル340mg(85%)を、白色の固体として得た。
6.中間体5-7の合成
Figure 0007438148000049
2’-オキソ-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,4’-オキサゾリジン]-5-カルボニトリル(350mg、1.63mol、1.0当量)のEtOH(5mL)溶液に、TEA(47mg、0.47mmol、2.0当量)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(227mg、3.26mol、2.0当量)をr.t.で添加した。混合物をr.t.で一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(25mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、ブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、N-ヒドロキシ-2’-オキソ-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,4’-オキサゾリジン]-5-カルボキシミドアミド305mg(76%)を、淡黄色の固体として得た。
7.化合物26の合成
Figure 0007438148000050
N’-ヒドロキシ-2’-オキソ-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,4’-オキサゾリジン]-5-カルボキシミドアミド(80mg、320mmol、1.0当量)のジオキサン(1mL)溶液に、プロパン酸プロパノイル(42mg、320mmol、1.0当量)をr.t.で添加した。混合物を50℃で1時間加熱し、100℃で4時間加熱し、r.t.に冷却し、減圧下で濃縮し、C18シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、以下の条件を用いて精製して(相A:水(10mmol/LのNHHCO)相B:ACN)、5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,4’-オキサゾリジン]-2’-オン7mg(8%)を、白色の固体として得た。LRMS(ES)m/z 286[M+H]。1HNMR: (300 MHz, クロロホルム-d, ppm) δ 8.12 - 7.96 (m, 2H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 4.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.12 - 2.91 (m, 4H), 2.65 - 2.51 (m, 1H), 2.36 (dt, J = 13.6, 8.7 Hz, 1H), 1.49 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
以下の化合物を、化合物26について記載される方法に類似の方法によって調製した。
Figure 0007438148000051
(実施例6)
エナンチオマー26Aおよび26Bの合成
Figure 0007438148000052
ラセミ化合物5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3-[1,4]オキサゾリジン]-5-オン(70mg、0.25mmol、1当量)(化合物26)を、キラル-HPLCによって、以下の条件を用いて分離して(カラム:Chiralpak IA、2×25cm、5μm;移動相A:Hex、移動相B:EtOH;流速:15mL/分;グラジエント:18分で50B~50B;254/220nm)、2つのピークを得た。第1の溶離ピークは、エナンチオマー26A(31mg)として割り当てられ、第2の溶離ピークは、エナンチオマー26B(32mg)として割り当てられる。キラル分析LCを、条件Hを用いて実施して(条件H:CHIRAL Cellulose-SB;0.46cm×15cm;5ミクロン;Hex(0.1%DEA):EtOH=70:30、流速1mL/分)、5.28分のRTのエナンチオマー26A、および5.93分のRTのエナンチオマー26Bを得た。エナンチオマー26Aの分析データ:LRMS(ES)m/z 286(M+H)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d, ppm) δ 8.07 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.16 (br, 1H), 4.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.12-2.91 (mm, 4H), 2.62-2.50 ( m, 1H), 2.42 - 2.29 (m, 1H), 1.49 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。エナンチオマー26Bの分析データ:LRMS(ES)m/z 286(M+H)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.21 (s, 1H), 4.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.13 - 2.94 (m, 4H), 2.63 - 2.52 (m, 1H), 2.39-2.28 (m, 1H), 1.49 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
以下の化合物を、以下の条件下で、化合物26について記載される方法に類似の方法によって、化合物29、32、35、および38のラセミ混合物から分離した。
Figure 0007438148000053
生物学的実施例B-1
筋原線維アッセイ
未変性サルコメアの状況において、全長心臓ミオシンのATPアーゼ活性に対する化合物の効果を評価するために、除膜筋原線維アッセイを実施した。トリトンX-100などの洗浄剤の存在下でウシの心臓の左心室組織をホモジナイズすることによって、ウシ心臓筋原線維を得た。このような処置により、膜および可溶性細胞質タンパク質の大部分は除去されるが、心臓サルコメアアクトミオシン装置は無傷で残される。筋原線維調製物は、Ca2+調節方式でATPを加水分解する能力を保持する。化合物の存在下および非存在下における、このような筋原線維調製物のATPアーゼ活性を、定義された最大率分画(すなわち、25%、75%)まで活性化するCa2+濃度でアッセイした。小分子剤を、ウシ心臓筋原線維の定常状態のATPアーゼ活性を阻害するそれらの能力について、ピルビン酸キナーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼ(PK/LDH)共役酵素系を使用してアセスメントした。このアッセイは、NADHを酸化して340nmでの吸光度変化をもたらすことによって、ミオシンによって生成されたADPをATPに再生する。小分子剤を試験する前に、ウシ心臓筋原線維を、それらのカルシウム応答性についてアセスメントし、筋原線維系の50%(pCa50)または75%(pCa75)活性化のいずれかを達成するカルシウム濃度を、小分子剤の阻害活性をアセスメントするための最終的な条件として選択した。すべての酵素活性を、12mMのPIPES(ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)、pH6.8の2mM塩化マグネシウムを含有する緩衝溶液(PM12緩衝剤)中で測定した。最終的なアッセイ条件は、1mg/mLのウシ心臓筋原線維、4U/mLのピルビン酸キナーゼ、6U/mLの乳酸デヒドロゲナーゼ、50μMのATP、0.1mg/mLのBSA(ウシ血清アルブミン)、10ppmの消泡剤、1mMのDTT、0.5mMのNADH、1.5mMのPEP、0.6mMのEGTA、および筋原線維ATPアーゼ活性の50%または75%活性化のいずれかを達成するのに十分な量のCaClであった。試験した化合物の結果は、表Aに提供される。試験される化合物を、本明細書に記載される合成手順に従って調製した。
Figure 0007438148000054
Figure 0007438148000055
生物学的実施例B-2
筋細胞アッセイ
(i)成体ラット心臓の心室筋細胞の調製。
成体雄性Sprague-Dawleyラットを麻酔し、心臓を速やかに切除し、すすぎ、上行大動脈をカニューレ処置する。60cmHOの灌流圧力で、連続的な逆行性灌流を心臓に対して開始する。最初に心臓を、名目的にCa2+を含まない以下の組成の改変クレブス溶液で灌流する。113mMのNaCl、4.7mMのKCl、0.6mMのKHPO、0.6mMのNaHPO、1.2mMのMgSO、12mMのNaHCO、10mMのKHCO、30mMのタウリン、5.5mMのグルコースおよび10mMのHepes(すべてSigma)。この培地は再循環させず、95%O/5%CO混合物を用いて絶えず曝気する。およそ3分後、心臓を、コラゲナーゼ(Worthington)および12.5μMの最終カルシウム濃度を補充した改変クレブス緩衝剤で灌流する。心臓の外観が白く、軟らかく見えた後、心臓をカニューレから除去する。心房および血管を除去し、心室を、鉗子を用いて慎重により小さい切片に解剖する。組織を、ピペット研和の反復によってホモジナイズし、コラゲナーゼ反応を、10%仔ウシ血清(BCS)によって停止させ、沈殿させ、5%BCSおよび12.5uMのCaClを含有する灌流緩衝剤に再懸濁させる。CaCl溶液を最終濃度1.2mMまで段階的に添加することによって、筋細胞をカルシウム耐性にする。次に、細胞を洗浄し、タイロード緩衝剤(137mMのNaCl、3.7mMのKCl、0.5mMのMgCl、11mMのグルコース、4mMのHepes、および1.2mMのCaCl、pH7.4)に再懸濁させる。細胞を、実験を開始する前に37℃で60分間維持し、単離して5時間以内に使用する。細胞調製物は、細胞が最初に、標準(基底の>150%)およびイソプロテレノール(ISO、基底の>250%)処置に対する収縮応答を実証することによってQC基準に合格した場合のみ使用する。さらに、基底収縮性が3~8%の間である細胞だけを、化合物を用いるその後の実験で使用する。
(ii)成体の心室筋細胞収縮性実験。
タイロード緩衝剤中一定分量の筋細胞を、加熱プラットフォームを備えた灌流チャンバ(シリーズ20 RC-27NE、Warner Instruments)に入れる。筋細胞を接着させ、チャンバを37℃に加熱し、細胞を37℃のタイロード緩衝剤で灌流させる。筋細胞に、白金電極(閾値を20%上回る)で1Hzにおいてフィールド刺激を与える。ペーシングの前に明らかな条線を有し、無活動である細胞だけを、収縮性実験のために使用する。基底収縮性を決定するために、筋細胞を、40倍対物レンズによって画像化する。可変フレーム率(60~240Hz)の電荷結合デバイスカメラを使用し、画像をデジタル化し、240Hzのサンプリング速度でコンピュータースクリーンにディスプレイする(IonOptix Milton、MA)。細胞収縮が経時的に安定になったら、試験化合物(0.01~15μM)を、チャンバ内に筋細胞上で5分間灌流させる。次に、筋細胞の収縮性、ならびに収縮および弛緩の速度を、エッジ検出を使用して記録する。
(iii)収縮性の分析。
化合物1つにつき、2つまたはそれよりも多い異なる筋細胞調製物から5個またはそれよりも多い個々の筋細胞を試験する。細胞ごとに、基底における(化合物注入の1分前と定義される)および化合物を添加した後の(出発化合物を灌流して5分後と定義される)、20またはそれを超える収縮性トランジェントを平均化し、比較する。これらの平均トランジェントを、IonWizardソフトウェア(IonOptix)を使用して分析して、拡張期の長さおよび短縮率の変化を決定する。短縮率は、((静止時の長さ-収縮ピーク時の長さ)割る静止時の長さ)として算出される。ベースラインからの短縮率の変化パーセントは、((投薬後の短縮率/基底の短縮率)×100)として算出される。ベースラインからの短縮率の低減パーセントは、(100-ベースラインからの短縮率の変化パーセント)として算出される。最大収縮および弛緩速度(um/秒)も決定する。個々の細胞からの結果を平均化し、SEMを算出する。
生物学的実施例B-3
ラット心臓収縮性における急性薬力学的効果の心エコー検査アセスメント。
心エコー検査によるin vivo心臓機能のアセスメントを、イソフルラン(1~3%)麻酔下の雄性Sprague Dawleyラットで実施する。左心室の2-D M-モード画像を、連続的IV注入または経口胃管栄養法による化合物の投与前、投与中および投与後に、傍胸骨長軸図で取得する。in vivo短縮率を、M-モード画像分析によって、以下の算出を用いて決定する。((拡張終期径-収縮終期径)/拡張終期径×100)。連続的IV注入実験では、3つの投薬前ベースラインのM-モード画像を、化合物の注入前に1分間隔で得る。化合物を、50%プロピレングリコール(PG):16%Captisol:10%ジメチルアセトアミド(DMA)中で製剤化し、頸静脈カテーテルを介して1mL/kg/時の速度で送達する。注入中、M-モード画像を、5分間隔で得る。短縮率がベースラインから60%低減まで達したら、注入を停止する。血液試料を採取して、化合物の血漿濃度を決定する。データは、短縮率が投薬前ベースライン収縮性の50%となる濃度である、推定IC50値として報告することができる。
経口投薬研究では、3つの投薬前ベースラインのM-モード画像を、化合物の投与前に1分間隔で得る。化合物を、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC2910):0.1%Tween 80懸濁液中で製剤化し、単回用量(5mL/kg)として経口胃管栄養法によって送達する。投薬後1時間目および4時間目に、ラットを、M-モード心エコー検査測定のために軽く麻酔する。心臓短縮率に対する化合物の効果は、ベースライン短縮率(=100%)の低減パーセントとして表すことができる。
心エコー検査測定と同時に、血液試料を摂取して、短縮率が、それぞれ投薬前ベースライン収縮性の50%および10%となる濃度である、IC50およびIC10値として表され得る対応する化合物血漿濃度を決定する。
生物学的実施例B-4
HCMのマウスモデルの長期的心エコー検査アセスメント
心エコー検査によるin vivo心臓機能の経時的アセスメントを、アルファ心臓ミオシン重鎖(MHC)遺伝子の残基403におけるアルギニンからグルタミンへの突然変異(R403Q)によって作製される、既に報告されている家族性肥大型心筋症のマウスモデルを使用して実施する(Geisterfer-Lowrance et al., Science. 1996 May 3;272(5262):731-4)。心機能不全、線維症、および心肥大の尺度(心室の壁の厚さを含む)は、このマウスモデルにおいて年齢と共に増大する(上記のGeisterfer-Lowrance、Jiang et al., Science. 2013, 342(6154):111-4)。
R403Qマウスは、ビヒクルまたは固形飼料に製剤化された試験化合物を24週間受ける。長期的心エコー検査測定を、4週ごとに実施する。心エコー検査測定を、イソフルラン(1~3%)麻酔下のマウスで行う。左心室の2-D M-モード画像を、短軸図で取得する。in vivo短縮率は、M-モード画像分析によって、以下の算出を用いて決定する。((拡張終期径-収縮終期径)/拡張終期径×100)。
生物学的実施例B-5
心肥大のラットモデルにおける線維症低減
線維症低減のアセスメントを、既に報告されている、駆出分画が保たれた心不全の高血圧誘導ラットモデルであるダール食塩感受性(DSS)ラットを使用して実施する(Fillmore et al., Mol Med. 2018, 24(1):3、Dahl et al., J Exp Med. 1962, 115:1173-90)。高塩濃度食を供給したDSSラットでは、収縮期血圧増大、拡張機能障害、心肥大、および心臓線維症を含む進行性心血管機能不全が実証される(上記のFillmore、上記のDahl、Sakata et al., J Am Coll Cardiol. 2001 Jan;37(1):293-9、Kim-Mitsuyama et al., Hypertens Res. 2004 Oct;27(10):771-9)。
DSSラットは、ビヒクル、または低もしくは高塩濃度の固形飼料で製剤化された試験化合物を6週間受ける。血管周囲および間質の心臓組織試料を、画像化し、心臓線維症%についてアッセイする。
本明細書に記載される化合物、使用、および方法についての前述の記述により、当業者は、本明細書に記載される化合物、使用、および方法を作製し、使用することができるが、当業者は、本明細書の特定の実施形態、方法、および実施例の変形形態、組合せ、および均等物の存在を理解し、認識されよう。したがって、本明細書で提供される化合物、使用、および方法は、前述の実施形態、方法、または実施例によって限定されるべきではなく、むしろ本明細書で提供される化合物、使用、および方法の範囲および趣旨に含まれるあらゆる実施形態および方法を包含する。
本明細書で開示されるすべての参考文献は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式(I)の化合物
Figure 0007438148000056

またはその薬学的に許容される塩[式中、
Xは、-O-または-CH -であり、
は、Hであり、R は、-C(O)NHR であるか、またはR およびR は、一緒になって、-CH OC(O)NH-であり、
は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択される]。
(項目2)
Xが、-CH -である、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目3)
Xが、-O-である、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目4)
が、Hであり、R が、-C(O)NHR である、項目1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目5)
が、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである、項目1~4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目6)
が、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ピラゾリル、または置換もしくは非置換ピリジニルである、項目1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目7)
が、
Figure 0007438148000057

からなる群から選択され、nは、1~3であり、各R が、独立に、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、シアノ、アジド、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、およびオキソからなる群から選択される、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目8)
が、
Figure 0007438148000058

からなる群から選択される、項目1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目9)
が、メチル、エチル、プロピル、またはブチルである、項目1~5のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目10)
が、エチルである、項目1~5もしくは9のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目11)
およびR が、一緒になって、-CH OC(O)NH-である、項目1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目12)
が、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキルである、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目13)
が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである、項目1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目14)
が、ハロアルキルである、項目1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目15)
が、-CHF である、項目1~12もしくは14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目16)
が、シクロプロピルである、項目1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目17)
表1の化合物からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目18)
項目1~17のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目19)
心臓疾患を処置することを必要とする対象における心臓疾患を処置する方法であって、項目1~17のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または項目18に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目20)
前記心臓疾患が、肥大型心筋症である、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記肥大型心筋症が、閉塞性もしくは非閉塞性であるか、またはサルコメアおよび/もしくは非サルコメア突然変異によって引き起こされる、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記心臓疾患が、駆出分画が保たれた心不全である、項目19に記載の方法。
(項目23)
前記心臓疾患が、拡張機能障害、原発性または続発性拘束型心筋症、心筋梗塞および狭心症、左心室流出路閉塞、高血圧性心臓疾患、先天性心臓疾患、心虚血、冠状動脈性心臓疾患、糖尿病性心臓疾患、うっ血性心不全、右心不全、心腎症候群、ならびに浸潤性心筋症からなる群から選択される、項目19に記載の方法。
(項目24)
前記心臓疾患が、心臓老化、加齢に起因する拡張機能障害、左心室肥大および求心性左心室リモデリングからなる群から選択される1つまたは複数の状態であるか、またはそれに関係する、項目19に記載の方法。
(項目25)
肥大型心筋症と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における肥大型心筋症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、項目1~17のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または項目18に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目26)
前記疾患または状態が、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、およびヌーナン症候群からなる群から選択される、項目25に記載の方法。
(項目27)
続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置する方法であって、項目1~17のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または項目18に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目28)
前記疾患または状態が、高血圧、心臓弁膜症、大動脈弁狭窄、僧帽弁逆流、メタボリック症候群、糖尿病、肥満、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調、ダノン病、ヌーナン症候群、およびポンペ病からなる群から選択される、項目27に記載の方法。
(項目29)
小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、項目1~17のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または項目18に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目30)
筋ジストロフィーおよび糖原病から選択される疾患または状態を処置することを必要とする対象における、筋ジストロフィーおよび糖原病から選択される疾患または状態を処置する方法であって、項目1~17のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または項目18に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目31)
心臓サルコメアを阻害する方法であって、前記心臓サルコメアを、項目1~17のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または項目18に記載の医薬組成物と接触させるステップを含む、方法。

Claims (18)

  1. 式(I)の化合物
    Figure 0007438148000059

    またはその薬学的に許容される塩[式中、
    Xは、-O-または-CH-であり、
    およびRは、一緒になって、-CHOC(O)NH-であり、
    は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択され]。
  2. Xが、-CH-である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. Xが、-O-である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. が、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキルである、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. が、ハロアルキルである、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  7. が、-CHFである、請求項1~もしくはのいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  8. が、シクロプロピルである、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. 以下
    Figure 0007438148000060

    Figure 0007438148000061

    Figure 0007438148000062

    らなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  10. 請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  11. 心臓疾患を処置するための、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む、組成物、または請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 前記心臓疾患が、肥大型心筋症である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記肥大型心筋症が、閉塞性もしくは非閉塞性であるか、またはサルコメアおよび/もしくは非サルコメア突然変異によって引き起こされる、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記心臓疾患が、駆出分画が保たれた心不全である、請求項11に記載の組成物。
  15. 前記心臓疾患が、拡張機能障害、原発性または続発性拘束型心筋症、心筋梗塞および狭心症、左心室流出路閉塞、高血圧性心臓疾患、先天性心臓疾患、心虚血、冠状動脈性心臓疾患、糖尿病性心臓疾患、うっ血性心不全、右心不全、心腎症候群、ならびに浸潤性心筋症からなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
  16. 前記心臓疾患が、心臓老化、加齢に起因する拡張機能障害、左心室肥大および求心性左心室リモデリングからなる群から選択される請求項11に記載の組成物。
  17. 小左心室内腔、内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症処置するための、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む、組成物、または請求項10に記載の医薬組成物。
  18. 心臓サルコメアを阻害するための、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む、組成物、または請求項10に記載の医薬組成物であって、前記化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または前記組成物が前記心臓サルコメアと接触することを特徴とする、組成物または医薬組成物。
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